JPH10123083A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH10123083A
JPH10123083A JP27320096A JP27320096A JPH10123083A JP H10123083 A JPH10123083 A JP H10123083A JP 27320096 A JP27320096 A JP 27320096A JP 27320096 A JP27320096 A JP 27320096A JP H10123083 A JPH10123083 A JP H10123083A
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JP
Japan
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gas
sensitive element
sensitive
substrate
temperature
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JP27320096A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Maeno
起男 前野
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンスが容易で、低濃度なガス(例え
ば、COガス)を検知でき、温湿度や干渉ガスによる影
響を受け難く、更には長期間にわたって安定した出力特
性が得られるガスセンサを提供することである。 【解決手段】 基板と、前記基板上に設けられた第1の
感ガス素子と、前記基板上に設けられ、その感ガス特性
及び温湿度依存性が前記第1の感ガス素子の感ガス特性
及び温湿度依存性と同等な第2の感ガス素子と、前記第
1の感ガス素子を覆うように設けられた第1のガスの選
択的透過手段と、前記第1のガスの選択的透過手段及び
第2の感ガス素子を覆うように設けられた第2のガスの
選択的透過手段とを具備するガスセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばCOガスセ
ンサに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】コンピュータルームや
クリーンルーム等では、清浄化の為に、常に、大量の外
気が導入されている。従って、火災が発生しても、循環
する空気によって煙などは希釈される。この為、煙を検
知することによって火災の発生を発見しようとすると、
高精度で高価な煙検知器が必要である。
【0003】しかし、火災時に発生するCOガスを検知
できれば、初期の段階で火災を発見でき、その被害を最
小限にくい止めることが可能になる。又、近年の家屋
は、省エネの観点から気密性が高くなっている。この
為、空調システムにおける空気の質の検知、つまり、ご
く微量な汚染(有害)ガスの検知が重要になって来てい
る。例えば、ビルにおける空調においては、1〜10p
pmレベルのCOガスの検知が要請されるようになっ
た。
【0004】上記のような低レベルのCOガスの検知
に、従来では、光学式のガス検知装置が用いられて来
た。しかし、この装置は、高価で、かつ、メンテナンス
が大変な問題が有る。従って、一般家庭、車両、航空機
などにおけるCOガスの検知には用いられていない。一
般的なガス検知装置においては、接触燃焼式ガスセン
サ、定電位電解式ガスセンサ、半導体式ガスセンサが用
いられている。
【0005】この中、接触燃焼式ガスセンサは数百pp
m以上の高濃度なガス検知しか出来ていない。又、定電
位電解式ガスセンサは、低濃度なガス検知が可能である
が、電解液が経時的に変化する為、電解液の校正を定期
的に行わなければならず、メンテナンスが大変である。
【0006】これに比べて、半導体式ガスセンサは、寿
命が長く、かつ、メンテナンスも容易で、更には比較的
低濃度なガスまで検知が可能である。しかし、温湿度の
影響を受け易く、又、アルコールなどの干渉ガス(測定
雰囲気中に存在する特定の検知対象なガス以外のガス)
による影響を受け易い。更には、長期間にわたって安定
した出力特性が得られ難い。
【0007】従って、本発明が解決しようとする課題
は、メンテナンスが容易で、低濃度なガス(例えば、C
Oガス)を検知でき、温湿度や干渉ガスによる影響を受
け難く、更には長期間にわたって安定した出力特性が得
られるガスセンサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、基板と、
前記基板上に設けられた第1の感ガス素子と、前記基板
上に設けられ、その感ガス特性及び温湿度依存性が前記
第1の感ガス素子の感ガス特性及び温湿度依存性と同等
な第2の感ガス素子と、前記第1の感ガス素子を覆うよ
うに設けられた第1のガスの選択的透過手段と、前記第
1のガスの選択的透過手段及び第2の感ガス素子を覆う
ように設けられた第2のガスの選択的透過手段とを具備
することを特徴とするガスセンサによって解決される。
【0009】特に、基板と、前記基板上に設けられた第
1の感ガス素子と、前記基板上に設けられ、その感ガス
特性及び温湿度依存性が前記第1の感ガス素子の感ガス
特性及び温湿度依存性と同等な第2の感ガス素子と、前
記第1の感ガス素子を覆うように設けられた第1のガス
の選択的透過手段と、前記第1のガスの選択的透過手段
及び第2の感ガス素子を覆うように設けられた第2のガ
スの選択的透過手段と、基板に設けられた加熱手段とを
具備してなり、前記第1の感ガス素子及び第2の感ガス
素子が同等に加熱されるよう構成されてなるガスセンサ
によって解決される。
【0010】尚、第1の感ガス素子や第2の感ガス素子
は半導体式ガスセンサ素子であり、例えばFe,Co,
Ni,Ti,Cu,Zn,W,Sn,Mn,Inの群の
中から選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物に、A
u,Pt,Pdの群の中から選ばれる少なくとも一つを
担持させたものである。第1のガスの選択的透過手段
は、例えばFe等の金属の酸化物にPt,Pd,Rhの
群の中から選ばれる少なくとも一つを担持させたもので
ある。
【0011】第2のガスの選択的透過手段は、例えばガ
ス吸着・反応手段である。例えば、活性炭、ゼオライ
ト、多孔質セラミックスの群の中から選ばれる少なくと
も一つを有するフィルター層である。又、ガスを化学反
応によって除去する化学物質が充填されたフィルター層
でも良い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のガスセンサは、基板と、
前記基板上に設けられた第1の感ガス素子と、前記基板
上に設けられ、その感ガス特性及び温湿度依存性が前記
第1の感ガス素子の感ガス特性及び温湿度依存性と同等
な第2の感ガス素子と、前記第1の感ガス素子を覆うよ
うに設けられた第1のガスの選択的透過手段と、前記第
1のガスの選択的透過手段及び第2の感ガス素子を覆う
ように設けられた第2のガスの選択的透過手段(第1の
ガスの選択的透過手段とは異なる構造である)とを具備
する。特に、基板と、前記基板上に設けられた第1の感
ガス素子と、前記基板上に設けられ、その感ガス特性及
び温湿度依存性が前記第1の感ガス素子の感ガス特性及
び温湿度依存性と同等な第2の感ガス素子と、前記第1
の感ガス素子を覆うように設けられた第1のガスの選択
的透過手段と、前記第1のガスの選択的透過手段及び第
2の感ガス素子を覆うように設けられた第2のガスの選
択的透過手段(第1のガスの選択的透過手段とは異なる
構造であって、例えばガス吸着手段(例えば、活性炭、
ゼオライト、多孔質セラミックスの群の中から選ばれる
少なくとも一つを有するフィルター層)あるいはガスを
化学反応によって除去する化学物質が充填されたフィル
ター層)と、基板に設けられた加熱手段とを具備してな
り、前記第1の感ガス素子及び第2の感ガス素子が同等
に加熱(例えば、230〜450℃に加熱)されるよう
構成されてなる。
【0013】第1の感ガス素子や第2の感ガス素子は半
導体式ガスセンサ素子であり、例えばFe,Co,N
i,Ti,Cu,Zn,W,Sn,Mn,Inの群の中
から選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物に、Au,
Pt,Pdの群の中から選ばれる少なくとも一つを担持
させたものである。第1のガスの選択的透過手段は、例
えば選択的なガス透過機能を有する触媒層であり、例え
ばFe等の金属の酸化物にPt,Pd,Rhの群の中か
ら選ばれる少なくとも一つを担持させたものである。
【0014】以下、更に説明する。図1〜図3は本発明
に係るガスセンサの一実施形態を示すもので、図1は基
板上に感ガス素子が設けられた状態での平面図、図2は
図1の素子の等価回路図、図3は図1の素子が組み込ま
れたガスセンサの一部を切り欠く側面図である。図1〜
図3中、1は基板である。この基板1は、アルミナ、マ
グネシア、石英、ステアタイト、フォルステライト等の
セラミックスからなる。
【0015】2aは基板1の表面側に設けられた第1の
感ガス素子、2bは第1の感ガス素子2aに並列して基
板1の表面側に設けられた第2の感ガス素子である。こ
れらの感ガス素子2a,2bは半導体式のガスセンサ素
子である。特に、感ガス素子2a,2bは同一の感ガス
特性及び同一の温湿度依存性を有する。具体的には、感
ガス素子2aと感ガス素子2bとは、同一組成の半導体
式ガスセンサ素子である。
【0016】感ガス素子2a,2bは、例えばFe,C
o,Ni,Ti,Cu,Zn,W,Sn,Mn,Inの
群の中から選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物に、
Au,Pt,Pdの群の中から選ばれる少なくとも一つ
が担持されたものとして構成されている。好ましくは、
アルカリ土類金属を含むFe,Co,Ni,Ti,C
u,Zn,W,Sn,Mn,Inの群の中から選ばれる
少なくとも一つの金属の酸化物の膜にAu,Pt,Pd
を担持させたものとして構成される。ここで、アルカリ
土類金属を含ませたのは、センサの長期信頼性を高める
為である。尚、アルカリ土類金属の含有率は0.5〜2
0モル%が好ましい。更に、好ましくは、Ti及びアル
カリ土類金属を含有し、α−酸化鉄を主体とした酸化物
の膜にAu,PtあるいはPdを担持させたものとして
構成される。Tiは、α−酸化鉄の原子価制御により素
子に導電性を付与する。その含有量は、好ましくは0.
02〜3at.%である。
【0017】そして、感ガス素子2a,2bは、上記組
成物を含むペーストを基板1上に塗布(印刷)し、そし
て焼成し、この焼成膜上にAu,PtあるいはPdを担
持させることで得られる。Au,PtあるいはPdを担
持させた手段としては、Au,PtあるいはPdの塩溶
液中に浸漬し、前記焼成膜上に前記の塩を介在させ、そ
して熱処理することにより、Au,PtあるいはPdを
担持させることが出来る。
【0018】尚、一つの基板1上に設けられる感ガス素
子は複数個であれば良く、二つの場合のみでなく、三つ
以上設けていても良い。基板1の裏面側には発熱素子
(ヒーター)3が設けられている。そして、発熱素子3
の熱によって、感ガス素子2a,2bが230〜450
℃、特に270〜380℃に同様に加熱されるよう構成
されている。ここで、感ガス素子2a,2bを230〜
450℃に加熱するようにしたのは、感ガス素子2a,
2bのセンサ特性を向上させる為である。例えば、23
0℃より低い温度では、ガス感度が高くても、応答性が
低下する。又、吸着性の強いガスは徐々に表面を汚染
し、特性が変化する恐れが有るからによる。逆に、45
0℃を越えた高い温度では、感度が低下する恐れが有
る。
【0019】感ガス素子2aの表面には、感ガス素子2
aを覆うように第1のガスの選択的透過手段(選択的透
過機能を有する触媒層)4が設けられている。選択的透
過機能を有する触媒層4は、金属酸化物にPt,Pd,
Rhの群の中から選ばれる少なくとも一つを担持させた
ものである。この選択的透過機能を有する触媒層4によ
って、目的ガス(検知しようとするガスであって、例え
ばCOガス)は取り除かれ、感ガス素子2aの出力V1
は目的ガスに感度良く感応したものとなる。すなわち、
感ガス素子2aの出力V1 は、低濃度の目的ガスに感度
よく反応する。
【0020】例えば、感ガス素子2a,2bは水素、一
酸化炭素、イソブタンに高い感度を持つものであり、感
ガス素子2aを覆うように設けた第1のガスの選択的透
過手段(選択的透過機能を有する触媒層)4が一酸化炭
素の酸化除去機能が高い触媒層であるとすると、感ガス
素子2aの出力V1 は一酸化炭素に選択的に感度良く感
応したものとなる。
【0021】そして、感ガス素子2aと感ガス素子2b
とは同一の感ガス特性及び温湿度依存性を有するもので
あるから、感ガス素子2aと感ガス素子2bとを設けた
ことによって、温湿度による影響を除くことが出来るよ
うになる。すなわち、感ガス素子2aと感ガス素子2b
とを、図2に示す如く、直列に接続し、選択的透過機能
を有する触媒層4を設けた感ガス素子2a、あるいは感
ガス素子2bのいずれかから直接に出力電圧、例えば感
ガス素子2aからの出力電圧V1 を取り出すことで、温
湿度による影響が補償され、かつ、上述した通り、低濃
度な目的ガスを検知できる。更には、経時変化による影
響も補償される。又、感ガス素子2aと感ガス素子2b
との通電開始後の挙動も同じであるから、出力電圧V1
は短時間のうちに一定に達する。しかも、この時、マイ
コン等を用いた複雑な外部演算回路は不要である。
【0022】尚、上記実施形態では、複数個設けた感ガ
ス素子において、一部の感ガス素子にのみ選択的透過機
能を有する触媒層を設け、残りの少なくとも一つの感ガ
ス素子には選択的透過機能を有する触媒層を設けないよ
うにした。しかし、全ての感ガス素子に選択的透過機能
を有する触媒層を設け、この設けられた選択的透過機能
を有する触媒層のうち少なくとも一つの選択的透過機能
を有する触媒層が他の選択的透過機能を有する触媒層と
異なる特性を有するものであるようにしたものでも良
い。これによっても、同じような効果が奏される。
【0023】又、図4に示す如く、外部抵抗RL を感ガ
ス素子2a,2bに対して直列に接続し、そして外部抵
抗RL による出力電圧V2 を調べることによって、干渉
ガスの有無を知ることが出来る。すなわち、感ガス素子
2a等からの出力電圧V1 を取り出すことで、温湿度に
よる影響が補償され、かつ、感ガス素子2aと感ガス素
子2bとの特性の差分を反映した低濃度な目的ガスを検
知できる。更には、経時変化による影響も補償される。
しかも、この時、マイコン等を用いた複雑な外部演算回
路は不要である。又、外部抵抗RL による出力電圧V2
を調べることにより、感ガス素子2a,2bに共通する
干渉ガスの有無を知ることが出来る。すなわち、外部抵
抗RL による出力電圧V2 の検知により、感ガス素子2
aからの出力V1 は干渉ガスによる影響であるかも知れ
ないとの知見が得られるから、目的ガスの検知精度が低
下したとの警報に利用できる。
【0024】例えば、外部抵抗RL を設けていないタイ
プの本発明のガスセンサが高濃度なガス中に置かれた場
合、いずれの感ガス素子の抵抗も大きく変化し、相対的
な出力の違いは低減するから、測定精度が低下する。例
えば、低濃度の一酸化炭素を検知する場合、後述の活性
炭フィルタでは殆ど除去できない水素ガスが多量に存在
すると、高精度に一酸化炭素を検知できない。又、アル
コールや炭化水素ガスのように活性炭フィルタで除去で
きる場合でも、長期間にわたって活性炭フィルタがこれ
らのガスに曝されていると、吸着能力が失われ、又、吸
着されたガスの再放出が起きた場合には、高精度に一酸
化炭素を検知できない。しかし、このような場合にも、
外部抵抗RL による出力電圧V2 を検知すれば、感ガス
素子2aからの出力V1 は干渉ガスによる影響であるか
も知れないとの知見が得られるから、目的ガスの検知精
度が低下したとの警報に利用できるのである。
【0025】5は第2のガスの選択的透過手段である。
この第2のガスの選択的透過手段5は、感ガス素子2
a,2bが設けられた基板1を収容した匣体6の開口部
に着脱自在に設けられた活性炭フィルタである。すなわ
ち、基板1を収容した匣体6の開口部に第2のガスの選
択的透過手段5を設けることによって、第2のガスの選
択的透過手段5は第1のガスの選択的透過手段4(その
結果、感ガス素子2aも)や感ガス素子2bを覆うよう
に設けられたものとなる。従って、本発明のガスセンサ
が配置された環境における雰囲気ガスは選択的透過手段
(例えば、活性炭フィルタ)5を通過して匣体6内に侵
入する。そして、感ガス素子2bや触媒層4そして感ガ
ス素子2aに到達する。しかし、例えば活性炭フィルタ
5を設けているので、例えばアルコールや排気ガス等の
干渉ガスは活性炭フィルタ5によって除去され、再現性
よく低濃度なCOガスを検知できる。
【0026】本発明の特徴は、同等な感ガス素子を複数
個設け、かつ、第1のガスの選択的透過手段4を設け、
更に第2のガスの選択的透過手段5を設けた点に有る。
すなわち、種々の干渉ガスが存在する一般の環境下で
は、例えば活性炭フィルタのような第2のガスの選択的
透過手段5が設けられていない場合、高精度なガス検知
が出来ない。
【0027】尚、従来にあっても、活性炭フィルタを設
けたガスセンサは提案されている。しかし、活性炭フィ
ルタを設けただけの従来のガスセンサでは、例えば低濃
度の一酸化炭素を再現性良く、かつ、高精度に検知でき
ていない。例えば、0.1〜20ppm程度と言った低
濃度の一酸化炭素を再現性良く、かつ、高精度に検知で
きていない。すなわち、活性炭フィルタを設けていて
も、活性炭フィルタでは吸着除去できない干渉ガスが存
在すれば、検知精度は低下する。又、活性炭フィルタが
吸着性の高いガスに長時間にわたって曝されていると、
活性炭フィルタの吸着能力は低下し、除去できなくな
る。この時、干渉ガスの影響と一酸化炭素の影響とを分
別できない。又、アルコールやLPガス等の干渉ガスの
吸着量が増えた後、このガスセンサを清浄な大気中に戻
すと、吸着されたガスの再放出が起き、この再放出され
たガスによりセンサ出力が影響を受ける。このような場
合にも、従来のガスセンサと活性炭フィルタとの組み合
わせに過ぎない場合には、一酸化炭素によるものか再放
出ガスによるものかを区別できない。
【0028】本発明のガスセンサは、一般家庭、ビルあ
るいは工場、更には自動車、電車、航空機などの輸送機
関における空気清浄器、換気扇、エアコン、ファンヒー
タ等の各種の空調機器や空調の管理システムにおける大
気汚染の検知に用いることが出来る。そして、これらに
用いた場合、例えば0.1〜20ppm程度の一酸化炭
素を高精度に検知できる。しかも、要するコストは低廉
であり。メンテナンスも容易である。
【0029】
【実施例1】Tiを0.2at.%含有させたα−酸化
鉄に5モル%の酸化ストロンチウムを添加した原料粉末
とビークルとを混練し、この印刷用ペーストを用いてア
ルミナ基板1の表面に厚膜印刷法により所定の形状に印
刷した。尚、アルミナ基板1の裏面には、厚膜印刷法に
より発熱素子(ヒーター)3が形成されている。
【0030】そして、α−酸化鉄を含むペースト層が設
けられたアルミナ基板1を700℃で焼成した後、塩化
金酸水溶液を前記ペースト層上に含浸させ、そして60
0℃での熱処理を行い、表面に金触媒が担持された所定
形状の感ガス素子2a,2bを形成した。この後、感ガ
ス素子2aの表面を覆う如く、α−酸化鉄に白金を1w
t%含有させたペーストを厚膜印刷法により印刷し、そ
して熱処理し、感ガス素子2aの表面に厚さ10μmの
触媒層(一酸化炭素の酸化除去機能を持つ触媒層。第1
のガスの選択的透過手段)4を設けた。
【0031】そして、上記のようにして構成した図1に
示す如くの素子を、図3に示す如くの匣体6内に収容
し、そして匣体6の開口部に活性炭フィルタ(第2のガ
スの選択的透過手段)5を設け、本発明になるガスセン
サを構成した。このガスセンサの等価回路が図2に示さ
れている。次に、上記本発明のガスセンサと本発明外の
ガスセンサ(本発明の構成から活性炭フィルタ5を除去
したガスセンサ)とについて、清浄な大気中での一酸化
炭素に対する感度特性(感ガス素子2aの出力V1 の変
化量ΔV1 (清浄大気中での出力電圧とCOを含ませた
大気中での出力電圧との差))を調べたので、その結果
を図5に示す。
【0032】これによれば、いずれの場合も20ppm
以下の低濃度なCOガスを高精度で検知できている。
又、このガスセンサの一酸化炭素検知能力ΔV1 を調べ
たので、その結果を表−1に示す。表−1中、は常温
常湿の清浄な大気中に5ppmのCOを含む場合、は
常温常湿の清浄な大気中に5ppmのCOと100pp
mのエタノール(干渉ガス)とを含む場合、は常温常
湿の清浄な大気中に5ppmのCOと500ppmのイ
ソブタン(干渉ガス)とを含む場合である。
【0033】 表−1 ΔV1 (v) 本発明 本発明外 の場合 0.40 0.45 の場合 0.39 0.13 の場合 0.40 0.08 すなわち、同等な感ガス素子を2個設け、かつ、一方の
感ガス素子の表面に選択的透過機能を有する触媒層を設
けることによって、低濃度なCOガスを高精度で検知で
きるものの、活性炭フィルタが設けられていない場合に
は、高濃度な干渉ガス(アルコールや炭化水素ガス)が
存在していると、これによる影響を受け、低濃度なCO
ガスを高精度で検知できていない。
【0034】しかし、同等な感ガス素子を2個設け、か
つ、一方の感ガス素子の表面に選択的透過機能を有する
触媒層を設け、更に活性炭フィルタを設けていると、高
濃度な干渉ガスが存在していても、これによる影響を受
けることなく、低濃度なCOガスを高精度で検知でき
る。又、上記のガスセンサを一般の生活環境下で連続動
作させ、ΔV1 を測定したので、その結果を図6に示
す。
【0035】これによれば、活性炭フィルタが設けられ
ていない本発明外のガスセンサでは、自動車の排気ガ
ス、調理時に発生する各種のガス、喫煙時に発生する各
種のガス等によってΔV1 が大きく変動している。この
変動量は0.05〜0.2vにも達している。この為、
一酸化炭素検知精度が大きく低下することが判る。これ
に対して、本発明のガスセンサでは、雰囲気の影響を殆
ど受けておらず、一酸化炭素の検知精度が高いことが判
る。
【0036】
【実施例2】実施例1の本発明のガスセンサにおける感
ガス素子2a,2bに直列に外部抵抗RL を接続したも
のを作製した。そして、一酸化炭素5ppm中での出力
ΔV1 と出力V2 を測定した後、水素(干渉ガス)を5
00ppmまで導入し、水素ガス濃度と出力との関係を
調べたので、図7に示す。
【0037】図7から判る通り、高濃度な水素ガスが存
在すると、ΔV1 が低下し、正確に一酸化炭素を検知で
きない場合が起こり得る。従って、このような場合、干
渉ガスによる影響を受けていることを知ることが出来た
ならば、極めて好都合である。そこで、外部抵抗RL に
よる出力V2 を調べることによって、図7から判る通
り、干渉ガスによる影響を受けているか否かを知ること
が出来る。すなわち、図7において、出力V2 が大きく
なっているのは、高濃度な干渉ガスによる影響を感ガス
素子2a,2bは受けていて、感ガス素子2a,2bに
おける抵抗がいずれも低下していることを示している。
従って、出力V2 が規定値以上の場合とか、急激な増加
をした場合には、感ガス素子2a,2bは高濃度な干渉
ガスによる影響を受けていることから、干渉ガスによる
測定精度の低下が起きており、注意が必要との警告に用
いることが出来る。
【0038】
【発明の効果】メンテナンスが容易で、低濃度なCOガ
スを検知でき、温湿度や干渉ガスによる影響を受け難
く、更には長期間にわたって安定した出力特性が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に感ガス素子が設けられた状態での平面
【図2】図1の素子の等価回路図
【図3】本発明のガスセンサの一部を切り欠く側面図
【図4】本発明のガスセンサの他の実施形態の素子の等
価回路図
【図5】CO濃度とΔV1 との関係を示すグラフ
【図6】一般居住環境でのΔV1 の経時変化を示すグラ
【図7】干渉ガス濃度とΔV1 及びV2 との関係を示す
グラフ
【符号の説明】
1 基板 2a 第1の感ガス素子 2b 第2の感ガス素子 3 発熱素子 4 選択的透過機能を有する触媒層(第1のガスの
選択的透過手段) 5 活性炭フィルタ(第2のガスの選択的透過手
段) 6 匣体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に設けられた第1の感ガス素子と、 前記基板上に設けられ、その感ガス特性及び温湿度依存
    性が前記第1の感ガス素子の感ガス特性及び温湿度依存
    性と同等な第2の感ガス素子と、 前記第1の感ガス素子を覆うように設けられた第1のガ
    スの選択的透過手段と、 前記第1のガスの選択的透過手段及び第2の感ガス素子
    を覆うように設けられた第2のガスの選択的透過手段と
    を具備することを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 基板には加熱手段が設けられてなり、第
    1の感ガス素子及び第2の感ガス素子が同等に加熱され
    るよう構成されてなることを特徴とする請求項1のガス
    センサ。
  3. 【請求項3】 感ガス素子は、Fe,Co,Ni,T
    i,Cu,Zn,W,Sn,Mn,Inの群の中から選
    ばれる少なくとも一つの金属の酸化物に、Au,Pt,
    Pdの群の中から選ばれる少なくとも一つが担持された
    ものであることを特徴とする請求項1又は請求項2のガ
    スセンサ。
  4. 【請求項4】 第1のガスの選択的透過手段は、金属酸
    化物にPt,Pd,Rhの群の中から選ばれる少なくと
    も一つが担持されたものであることを特徴とする請求項
    1〜請求項3いずれかのガスセンサ。
  5. 【請求項5】 第2のガスの選択的透過手段がガス吸着
    ・反応手段であることを特徴とする請求項1〜請求項4
    いずれかのガスセンサ。
  6. 【請求項6】 第2のガスの選択的透過手段が活性炭、
    ゼオライト、多孔質セラミックスの群の中から選ばれる
    少なくとも一つを有するフィルター層であることを特徴
    とする請求項1〜請求項4いずれかのガスセンサ。
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