JP2999297B2 - ニオイ・センサ - Google Patents

ニオイ・センサ

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニオイ・センサに関し、
特に、環境中のニオイから特定のニオイを識別すること
のできる構造のニオイ・センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のニオイ・センサとして
は、SnO2をアルミナ基板上に真空蒸着させるか、S
nをO2中でアルミナ基板上に蒸着させるか、もしくは
スパッタリング装置でSnO2をアルミナ基板上にスパ
ッタリングさせる等の方法で、アルミナ基板上にSnO
2の膜を形成し、これをニオイ・センサとして用いてい
た。
【0003】この場合、アルミナ基板上には一定の膜厚
のSnO2を形成して、一種類のセンサ部としている。
また、同一のアルミナ基板上へ、SnO2、WO3等の異
種類の材質もしくは材料でもって膜厚を形成して、2種
類以上のニオイ・センサとして用いた例もある。しかし
ながら、同一種類の材質を膜厚を変えて厚膜のセル及び
薄膜のセルを形成し、異なる種類のセンサ部として用い
た例はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、同一基板上
に同一種類の材質を膜厚を変えてセルを形成することに
より、種々のニオイを検出もしくは区別することができ
る構造のセンサを小型かつ容易に製造可能にすることを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、この発明によれ
ば、同一基板上に、同一の成膜方法で膜厚の異なる同一
材質のセルを複数個形成し、これら複数のセルを個別の
ニオイ・センサ部として用いるものである。
【0006】この場合、前記同一の材質は酸化第二錫S
nO2等の金属酸化物であり、前記セルは、該SnO2
1000Åの膜厚のセルと、2500Åの膜厚のセルの
2つのセルであるのが好ましい。
【0007】
【作用】同一の基板上へ膜厚の異なる例えば酸化第二錫
SnO2等の同一の材質のセルを複数個作成し、これら
セルの出力を取り出して、膜厚によるガスの感度の違い
を積極的に利用してニオイの区別の可能なセンサを得
る。すなわち、同一基板上に複数のセルを同一の膜材質
で作成しているため、製造が容易となり、なおかつ異な
った特性を持つニオイ・センサ部を同一基板上に小型に
作成することが可能である。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0009】最初に図1を用いて本発明によるニオイ・
センサの作成過程について説明すると、まず、アルミナ
基板10上にPt(プラチナ)を電極12、14及び1
6としてスパッタリングしておく。なお、詳細には示さ
ないが、アルミナ基板10の反対側の面上には、ヒータ
18として用いるために同じくPtがスパッタリングさ
れる。
【0010】次に、SnO2(酸化第二錫)をターゲッ
トとして、高周波(RF)スパッタリング装置を用い
て、アルゴンガス中でSnO2の微粒子をアルミナ基板
10上へ飛ばし、該アルミナ基板10上にSnO2の膜
を形成する。
【0011】この場合、1回目にSnO2を飛ばすとき
は基板10へのハードマスクを着けずに、第1及び第2
のセル20及び22の矩形状部分にSnO2の1000
Åまでの膜厚が形成されるようスパッタリングを行う。
【0012】その後、第2のセル22の部分を覆うよう
にアルミナ基板10にハードマスクを取り着け、第1の
セル20の矩形状部分に対してのみ2回目のスパッタリ
ングを行う。2回目のスパッタリングで第1のセル20
の矩形状部分に1500Åの膜厚のSnO2をスパッタ
リングし、これにより、厚い方の第1のセル20の膜厚
は合計して2500Åとなり、薄い方の第2のセル22
の膜厚は1000Åとなる。第1のセル20はニオイ・
センサの厚膜の第1センサ部S1として用いられ、第2
のセル22はニオイ・センサの薄膜の第2センサ部S2
として用いられる。
【0013】最後に、センサのPt電極12、14及び
16にそれぞれリード線24、26及び28をボンディ
ングしてニオイ・センサが完成する。以上により、Sn
2の2500Åの厚膜センサ部S1と、同じくSnO2
の1000Åの薄センサ部S2とを含むニオイ・セン
サが形成された。該ニオイ・センサの電気的回路構成が
図2に示されている。
【0014】次に、このようにして形成されたニオイ・
センサの作用について説明する。
【0015】ニオイ・センサのヒータ18に電圧をか
け、SnO2がスパッタリングされている側の面上が3
00℃になるようにして各種のニオイに対する、厚膜セ
ンサ部S1及び薄膜センサ部S2の応答、すなわち出力
OUT1及びOUT2における電圧値の読みを調べる
と、図3のようになった。図3において、縦軸は、厚い
膜厚のセンサ部出力OUT1を表し、横軸は、薄い膜厚
のセンサ部出力OUT2を表す。
【0016】図3において、番号1〜10は、これら材料
を燻焼させた場合に発するニオイに対するセンサ出力の
軌跡であり、番号11〜25は燻焼させず自然の状態で発す
るニオイに対するセンサ出力の軌跡である。特に番号13
25の材料は有機溶剤が発するニオイに対するものであ
る。図3から分かるように、番号1〜10の材料を燻焼さ
せた場合のセンサ出力は、薄膜センサ部S2による出力
よりも厚膜センサ部S1による出力が感度が良く、従っ
て、時間の経過と共に図3のほぼ縦軸に沿って立ち上が
っている。
【0017】また、番号13〜25の有機溶剤により発せら
れるニオイは、逆に、薄膜センサ部S2の方が感度が良
く、厚膜センサ部S1の出力は時間の経過と共に後から
僅かに立ち上がってくる様子が示されている。このよう
に番号13〜25の材料が発するニオイは、図3において、
横軸に沿った曲線となっている。また、番号11のタバコ
の吸いさし及び12のコーヒーパウダは、立ち上がりの様
子が、有機溶剤の材料に対するものよりも、材料1〜10
の燻焼させたものの方に接近しているが、これは、これ
ら材料が一旦燃焼もしくは燻焼させたものであるからで
あると考えられる。
【0018】このように図1に示すような膜厚の異なる
センサ部を用いれば、ニオイの質もしくは種類に応じて
各センサ部の出力値パターンが或る規則性をもって異な
るので、各出力値のパターンを識別することにより、ニ
オイの種類、特に図3の実施例では、材料の燻焼時に発
生する焦げ臭と有機溶剤のニオイとを区別することが可
能である。
【0019】
【発明の効果】以上、本発明によれば、同じ材質の膜厚
を違えたセルを同一の基板上で作成することにより、同
一のニオイに対する感度の異なるセンサ部を作成できる
ため、各センサ部での検出値のパターン認識によりニオ
イの種類を区別することができる構造のニオイ・センサ
を非常に小型かつ容易に製造することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニオイ・センサを製造する過程を説明
するための図である。
【図2】図1におけるニオイ・センサ内の電気回路を示
す図である。
【図3】図1及び図2に示すニオイ・センサの特性を説
明するための図である。
【符号の説明】
10 アルミナ基板 12、14及び16 Pt電極 18 ヒータ 20 厚膜セル 22 薄膜セル 24、26及び28 リード線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板上に、同一の成膜方法で膜厚の
    異なる同一材質のセルを複数個形成し、これら複数のセ
    ルを個別のニオイ・センサ部として用いることを特徴と
    する同一基板上に複数のニオイ・センサ部を有するニオ
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記同一の材質はSnO2であり、前記
    複数個のセルは、該SnO2の1000Åの膜厚のセル
    と、2500Åの膜厚のセルの2つである請求項1のニ
    オイ・センサ。
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