JPH0712730B2 - 金属薄膜層転写シート及びその製造方法 - Google Patents

金属薄膜層転写シート及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0712730B2
JPH0712730B2 JP2988188A JP2988188A JPH0712730B2 JP H0712730 B2 JPH0712730 B2 JP H0712730B2 JP 2988188 A JP2988188 A JP 2988188A JP 2988188 A JP2988188 A JP 2988188A JP H0712730 B2 JPH0712730 B2 JP H0712730B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thin film
metal thin
film layer
transfer sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2988188A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01204782A (ja
Inventor
良明 青田
和久 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2988188A priority Critical patent/JPH0712730B2/ja
Publication of JPH01204782A publication Critical patent/JPH01204782A/ja
Publication of JPH0712730B2 publication Critical patent/JPH0712730B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属薄膜層を転写して金属調の外観を被転写
体に与えることのできる金属薄膜層転写シートに関する
ものであり、また、金属薄膜層が部分的に設けられた金
属薄膜層転写シートの製造方法をも含むものである。
〔従来の技術〕
ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムにア
ルミニウムのような金属を蒸着してパターン化し、さら
に接着剤層を設けるなどして製造された金属薄膜層転写
シートは良く知られている。
しかし、従来の金属薄膜層転写シートは転写時に加熱さ
れると、フィルムの耐熱性が充分でないのでフィルムが
粗面化するため、転写後の金属薄膜層の表面の光沢が低
下しやすい欠点がある。又、従来の金属薄膜層転写シー
トを製造する際には、蒸着時の熱によりプラスチックフ
ィルムの表面が粗面となりやすく、やはり転写後の金属
薄膜層の表面の光沢が低下しやすい欠点がある。
従来、熱による粗面化を防止する意味で、 OH基を持つ硬化性樹脂 イソシアネート系硬化剤、及び、 繊維素系樹脂 の3つを主成分とする耐熱蒸着アンカー層を設けた後
に、金属を蒸着する方法が提案されている(特開昭55−
105574号公報)。
この方法によれば従来、転写時に粗面化する欠点はかな
り解消されるが、依然として微細なクラックが転写後の
金属薄膜層に生じ、又、耐熱蒸着アンカー層形成時に加
温しても架橋に要する時間が長く、早めようとすると硬
化温度をかなり高くせざるを得ず、プラスチックフィル
ムの表面が粗面化するか、粗面化の程度は低くてもフィ
ルムが縮むなどの寸法変化が起こり、望ましくない。
また、上記特開昭55−105574号公報記載の技術は、耐熱
蒸着アンカー層を設けた後に、金属蒸着に先立って蒸着
不要部分に水溶性塗膜を設け、金属蒸着後に水を作用さ
せて水溶性塗膜とその上の金属薄膜とを同時に除去し、
金属蒸着層を模様化するもの(いわゆる「部分蒸着」)
であるが、水溶性塗膜にOH基を持つ樹脂が含まれている
場合や、OH基を持たない樹脂を使用していても塗膜中に
水分が残留している場合には、イソシアネート系硬化剤
の存在により水溶性塗膜の硬化が進行するので、本来的
には水に溶けるべき個所の水溶性が低下し、水による除
去が充分に行えず、除去されても金属薄膜のパターンの
輪郭が明瞭でないものが得られる欠点がある。
更に、上記特開昭55−105574号公報記載の技術では、架
橋密度を高めようとするとOH基の含有量の多い樹脂と多
量のイソシアネート系硬化剤が必要になり、後者の存在
により耐熱蒸着アンカー層形成時にブロッキングしやす
い欠点がある。
〔発明が解決すべき課題〕
本発明において解決すべき課題は、従来の金属薄膜層転
写シートにおいて、金属薄膜層のパターンが明瞭でな
い欠点、及び転写時に微細なクラックが生じやすい欠
点の両方を解消することである。
又、本発明において解決すべき課題は、金属薄膜層転写
シートの製造方法において、耐熱蒸着アンカー層を設
ける際の架橋を比較的高温度・長時間で行なわなければ
ならない欠点、水による除去が充分に行えない欠点、
及び架橋密度を高めようとするブロッキングしやすい欠
点である。
〔課題を解決するための手段〕
発明者の研究によれば、上記特開昭55−105574号公報記
載の発明において使用されている、OH基を持つ硬化性樹
脂とイソシアネート系硬化剤に代えて、アミノ変成アク
リル系樹脂とシラン系化合物とを使用することにより、
上記欠点がいずれも解消されることが見い出された。
本発明の金属薄膜層転写シートにおいては、官能基を有
する変成アクリル系樹脂をその官能基と反応し得る官能
基を有するシラン系化合物で架橋した架橋樹脂からなる
耐熱層を金属薄膜層に隣接して積層した構造としたこと
により、また、本発明の金属薄膜層転写シートの製造方
法においては、予め水溶性模様を設けてから上記のよう
な耐熱層を設け、全面に金属薄膜層を形成し、水を作用
させて金属薄膜層の一部を除去することにより、従来の
技術における欠点の解消を可能にした。
本発明は、 『離型性基体シートの離型性面に、転写層として官能基
を有する変成アクリル系樹脂が前記変成アクリル系樹脂
の官能基と反応し得る官能基を有するシラン系化合物で
架橋した架橋樹脂からなる耐熱性層と金属薄膜層とがこ
の順に積層されていることを特徴とする金属薄膜層転写
シート。』 を要旨とするものであり、また、上記の発明において、
金属薄膜層が模様状であるもの、転写層の最内層に更に
剥離兼保護層が積層されたもの、転写層の最外層に更に
接着剤層が積層されたもの、及び転写層に更に剥離兼保
護層と接着剤層の間に絵柄層が積層されているものを含
むものである。
また、本発明は、 『離型性基体シートの離型性面に、官能基を有する変成
アクリル系樹脂が前記変成アクリル系樹脂の官能基と反
応し得る官能基を有するシラン系化合物で架橋されたア
クリル系樹脂からなる耐熱性層を形成し、耐熱性層上の
蒸着不要部分に水溶性樹脂からなるパターン層を形成
し、パターン層及び露出した耐熱性層を含む全面に金属
薄膜層を形成し、その後、水を作用させて前記パータン
層上の金属薄膜層をパターン層と共に除去することを特
徴とする金属薄膜層転写シートの製造方法。』 を要旨とするものであり、また、上記の発明において、
離型性基体シートの離型性面に予め剥離兼保護層を設け
た後に耐熱性層を設ける、更に接着剤層を形成する、及
び転写層のいずれかの位置に絵柄層を形成することを含
むものである。
〔作用〕
本発明の金属薄膜層転写シートにおいては、官能基を有
する変成アクリル系樹脂が前記変成アクリル系樹脂の官
能基と反応し得る官能基を有するシラン系化合物で架橋
した架橋樹脂からなる耐熱性層を使用しているため、架
橋密度を高くとることができる。
また、本発明の金属薄膜層転写シートの製造方法におい
ては、耐熱性層として、官能基を有する変成アクリル系
樹脂が前記変成アクリル系樹脂の官能基と反応し得る官
能基を有するシラン系化合物で架橋した架橋樹脂からな
るものを形成するため、イソシアネート系硬化剤を使用
した従来のもののようにブロッキングすることがなく、
また、金属薄膜層が不要な部分に設けたパターンの水溶
性樹脂とシラン系化合物とが反応することがない。
〔実施例〕
金属薄膜層転写シート 第1図は本発明の金属薄膜層転写シートの構造を示す断
面図である。
第1図に示す金属薄膜層転写シートは、上から、支持体
シート1と離型層2とからなる離型性基体シート3に、
剥離層4、絵柄層5、耐熱性層6、金属薄膜層7、接着
剤層8とが順に積層されたものである。
離型性基体シート3は、その他の層を転写時まで保持す
るものであり、材質としては、金属薄膜層転写シートの
製造時、及び、出来上がった後の転写時に金属薄膜層転
写シートに加わる熱により伸縮したり表面が粗面化した
りしないものが好ましい。
離型性シート3は、自身が離型性である支持体シートの
単独であってもよいが、支持体シート1の表面に離型性
層2を積層したものであってもよい。離型性基体シート
3の厚みは10〜100μm程度である。
支持体シート1の材質の具体例としてはポリエチレンテ
レフタレート、ポリアミド(ナイロン)、もしくはポリ
カーボネートなどが挙げられ、前2者では単独でも離型
性シートとして使用し得る。また、これらの材料と、他
の熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのフィル
ムと積層して使用してもよい。
離型性層2は、離型性の物質からなる層であり、転写時
の離型性をより確実にするためのものである。(この離
型性層2は、転写後には支持体シートと共に剥がれるも
のである。)離型性層の厚みは、0.01〜5μm程度であ
る。
離型性の材質としては、シリコーン、アミノアルキッ
ド、ウレタン、メラミン、尿素、もしくはエボキシなど
の樹脂が挙げられる。
剥離層4は離型性基体シート3から、剥がれるための層
であるが、転写後は保護層の機能を持つものであるの
で、剥離兼保護層とも言えるものである。剥離層4を設
けなくても金属調外観を転写形成することはできるが、
金属薄膜層の防食や汚れを回避する観点から設けたほう
が望ましい。
剥離層4の材質としては、アクリル、ウレタン、メラミ
ン、エポキシ、ビニル系、ブチラール系もしくは繊維素
系などの樹脂のほか、紫外線もしくは電子線の照射によ
り硬化するウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、もしくはエポキシ
アクリレートなども挙げられる。
剥離層4の厚みは1〜5μmである。
絵柄層5は、後記金属薄膜層7により得られる金属調外
観に変化を持たせるためのものであり、写真、絵画、模
様もしくは文字などの任意の模様である。絵柄層を設け
るかどうかは任意であり、後記金属薄膜層を転写するだ
けでも十分な場合がある。
絵柄層5は通常、印刷により設けられるのでその材質は
印刷インキが固化したものである。印刷が1色であるか
多色であるかにより、単一の層であったり、複数の層で
あったりする。
絵柄層5を構成するインキは、通常のグラビア印刷用イ
ンキ、シルクスクリーン印刷用インキ、もしくはオフセ
ット印刷用インキである。これら印刷用インキの成分で
ある樹脂としてはアクリル、塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体、繊維素系樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹
脂、ブチラール樹脂、ボリアミド樹脂、エポキシ樹脂、
もしくはポリエステル樹脂などが挙げられる。
耐熱性層6は本発明の特徴的部分である。耐熱性層6は
基本的には、官能基を有する変成アクリル系樹脂が前記
変成アクリル系樹脂の官能基と反応し得る官能基を有す
るシラン系化合物で架橋した架橋樹脂からなる。
官能基を有する変成アクリル樹脂としては、アクリル酸
エステルもしくはメタクリル酸エステルなどのアクリル
樹脂に官能基を導入したもの、もしくはアクリル酸エス
テルもしくはメタクリル酸エステルなどのアクリルモノ
カーで官能基を有するものを重合させて得られる樹脂が
ある。
いずれのものにおいても、官能基としては、水酸基、エ
ステル基、ビニル基、アリル基、エエポキシ基、アミノ
基、アミド基、カルボキシル基、ハロゲン基、シラノー
ル基、メルカプト基、イソシアネート基、もしくはニト
リル基などが適している。
これら官能基のうちでも、アミノ基、水酸基、メルカプ
ト基、もしくはカルボキシル基を持つものが特に好まし
い。
これら官能基は、架橋密度の点で、樹脂中にアミン価10
以上、好ましくは20以上60以下、OH価10以上、好ましく
は20以上60程度以下の割合で存在することが好ましい。
前記変成アクリル系樹脂の官能基と反応し得る官能基を
有するシラン系化合物としては、アルコキシシシラン、
アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン、も
しくはビニルシランなどのシラン系カップリング剤、又
は、アセトキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシム
シラン、アミノシラン、アミノキシシラン、シラザン、
もしくはアミドシランなどのシラン化合物がある。
シラン化合物と前記変成アクリル系樹脂とは互いに反応
する官能基のモル数が同等になるよう、あるいは架橋を
完全に行くなわせる意味でシラン化合物を過剰に添加し
て使用する。
上記のシラン化合物と変成アクリル系樹脂の架橋反応を
促進する意味で、水分、ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジラウレート、ナフテン酸錫、オクトエ酸錫、も
しくはアルキルチタネートを使用してもよい。
耐熱性層6には、上記のシラン化合物と変成アクリル系
樹脂以外に、必要に応じて、他の樹脂などを添加するこ
とができる。
例えば、耐熱性層6には、フレキシビリティーを与える
ためにクロロブタジエンゴムもしくはシリコーンゴムを
添加してもよい。
或いは、耐熱性層6には、擬似的な耐熱性を与えるた
め、ニトロセルロース、エチルモルロース、もしくはエ
チルセルロースなどの繊維層系樹脂を添加してもよい。
金属薄膜層7は転写層に金属光沢を与えるものである。
金属薄膜層7は全面に設けてあっても差し支えないが、
金属薄膜層7が模様化されていることにより、変化に富
んだ外観を与えることができる。
金属薄膜層7を構成する金属としては、種々のものが使
用できるが、通常の金属薄膜層転写シートと同様、アル
ミニウム、金、銀、銅、クロムなど、特にアルミニウム
を使用するのがよい。
金属薄膜層7の厚みは、金属光沢を呈する限り特に限定
されないが、通常、100〜1000Å程度である。
接着剤層8は、転写層全体を被転写体に接着させるもの
である。接着剤を伴わない転写シートであっても、転写
時に被転写体の表面か転写シートの最外層に接着剤を塗
布することにより転写することが可能であるから、転写
シートとしては接着剤を伴わないものもある。しかし、
接着剤層を伴った転写シートの方が使用上便利である。
通常、接着剤層8は感熱接着剤により形成するが、その
ほかのタイプの接着剤により形成してもよい。
感熱接着剤の例としては、アクリル、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン、ポリウレタ
ン、エポキシ、ポリスチレン、ゴム、ポリアミド、もし
くはエチレン/酢酸ビニル共重合体があり、その厚みは
0.5〜25μm程度である。
以上の各層以外にも、種々の層を加えることができる。
例えば、第1図中、金属薄膜層7と接着剤層8との間に
は、耐熱性を向上させるための樹脂層を設けてあっても
よい。
耐熱性を向上させるための樹脂層の材質としては、ウレ
タン、繊維素系、エポキシ、アミノアルキッド、メラミ
ンなどが挙げられ、更には耐熱性層6の材質として挙げ
たものと同じものを使用してもよい。
金属薄膜層転写シートの製造方法 本発明の金属薄膜層転写シートの製造方法は第2図、第
3図に示すように、先ず、支持体シート1に離型層2、
剥離層4、絵柄層5、耐熱性層の順に設けた後、水溶性
樹脂からなるパターン層9を形成する。
このうち、剥離層4と絵柄層5とは省略することがあ
る。
水溶性樹脂からなるパターン層9は金属薄膜が不要な部
分に水溶性樹脂が積層され、金属薄膜が必要な部分には
水溶性樹脂を積層しないことによりパターンを形成して
あるものである。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルエーテルなどが反応性が乏しいので適してい
るが、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、水溶
性ポリエステル、可溶性澱粉なども使用できる。
次いで、水溶性樹脂からなるパターン層が設けられた面
の全面に金属薄膜層7を設ける。
金属薄膜層7の形成法としては、蒸着、スパッタリング
などの気相法のほか、金属箔のラミネートやメッキなど
もあり得る。
形成法により金属薄膜層7の厚みは異なるが気相法の場
合には、100〜1000Å程度である。
続いて、金属薄膜層7が最表面に形成されたシートの金
属薄膜層7に水を作用させる。水を作用させる方法とし
ては、ディッピング、コーティング、吹き付けなどがあ
る。水の作用により、水溶性樹脂からなるパターン層が
溶解あるいは膨潤し、パターン上の金属薄膜層と共に除
去されて、水溶性樹脂からなるパターンがあった部分で
は金属薄膜層が失われ、水溶性樹脂からなるパターンが
なかった部分では金属薄膜層がそのまま残るため、金属
薄膜層がパターン化される。
金属薄膜層をパターン化した後、全面に接着層を塗布し
て接着剤層8を形成して第1図に示すような金属薄膜層
転写シートを得る。接着剤層8の形成は省略されること
もある。
あるいは、金属薄膜層をパターン化した後、金属薄膜層
を保護する意味で、耐熱性を向上させるための樹脂層を
設けてもよい。
〔発明の効果〕
本発明の金属薄膜層転写シートは、官能基を有する変成
アクリル系樹脂が前記変成アクリル系樹脂の官能基と反
応し得る官能基を有するシラン系化合物で架橋した架橋
樹脂からなる耐熱性層を有しているので、微細なクラッ
クが転写後の金属薄膜層に生じることがなく、寸法安定
性もすぐれている。
また、本発明の金属薄膜層転写シートの製造方法では、
水溶性塗膜にOH基を持つ樹脂が含まれている場合や、OH
基を持たない樹脂を使用していても塗膜中に水分が残留
している場合でも、シラン系化合物の存在により水溶性
塗膜の硬化が進行することがないから、水に溶けるべき
箇所の水溶性が低下することがなく、水による除去が支
障なく行なえ、金属薄膜のパターンの輪郭が明瞭なもの
が得られる。
また、架橋密度を高めても、イソシアネート系硬化剤を
使用する従来の場合のようにブロッキングすることがな
く、架橋反応に長時間、高温を必要とすることがない。
実施例1 厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、
アクリルメラミン樹脂の塗料を塗布し、加熱硬化させ
て、厚み0.1μmの離型層を形成した。この離型層は転
写時にはポリエチレンテレフタレートフィルム側に残
る。
次に、離型層上にポリエチレンワックスを含有するアク
リル樹脂の塗料を塗布し、加熱硬化させて厚み1μmの
剥離層(兼保護層)を形成し、剥離層上に更に塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体及びアクリル樹脂からなるグラ
ビアインキを使用し、グラビア印刷して絵柄層を形成し
た。
絵柄層上に下記の組成の耐熱性層形成用インキを全面に
塗布し、乾燥して厚み約1μmの耐熱性層を形成した。
耐熱性層形成用インキ アミノ変成アクリル樹脂 ……60重量部 ブチル化セルロース ……40重量部 アルコキシシランカップリング剤 ……40重量部 メチルエチルケトン ……30重量部 トルエン ……30重量部 続いて、下記の組成の水溶性樹脂インキを用いて、金属
薄膜層の不要な部分にのみ水溶性樹脂層を形成した。
水溶性樹脂インキ ポリビニルピロリドン ……50重量部 マイクロシリカ ……10重量部 エタノール ……40重量部 イソプロパノール ……50重量部 水溶性樹脂層を形成した後、水分存在下で、40℃で3日
間耐熱性層を養生して架橋を行なわせた。
養生後、耐熱性層上に、真空蒸着法により、アルミニウ
ム薄膜層を約400Åの厚みに形成し、水中に浸漬して、
水溶性樹脂インキのある部分に相当する金属薄膜層を水
溶性樹脂インキと共に除去した。
除去後、ポリウレタンとセルロース系樹脂とからなる接
着用アンカー層を形成し、続いて、アクリル樹脂からな
る接着剤層を施して金属薄膜層転写シートとした。
得られた転写シートを射出成形用金型中に置き、アクリ
ル樹脂を射出して成形し、成形後にポリエチレンテレフ
タレートフィルムを離型層とと共に剥がして金属光沢と
共に絵柄が転写された成形品を得た。
得られた成形品は金属光沢が優れており、微細なクラッ
クも生じていなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の金属薄膜層転写シートを示す図、第2
図及び第3図は第1図のものを製造する過程を示す図で
ある。 1……支持体シート 2……離型層 3……離型性基体シート 4……剥離層 5……絵柄層 6……耐熱層 7……金属薄膜層 8……接着剤層 9……水溶性パターン層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離型性基体シートの離型性面に、転写層と
    して官能基を有する変成アクリル系樹脂が前記変成アク
    リル系樹脂の官能基と反応し得る官能基を有するシラン
    系化合物で架橋した架橋樹脂からなる耐熱性層と金属薄
    膜層とがこの順に積層されていることを特徴とする金属
    薄膜層転写シート。
  2. 【請求項2】金属薄膜層が模様状であることを特徴とす
    る請求項1の金属薄膜層転写シート。
  3. 【請求項3】転写層の離型性基体シートに接する側に剥
    離兼保護層が積層されたものであることを特徴とする請
    求項1または2の金属薄膜層転写シート。
  4. 【請求項4】転写層が更に最外層に接着剤層が積層され
    たものであることを特徴とする請求項1〜3いずれかの
    金属薄膜層転写シート。
  5. 【請求項5】転写層が更に剥離兼保護層と接着剤層の間
    に絵柄層が積層されているものであることを特徴とする
    請求項1〜4いずれかの金属薄膜層転写シート。
  6. 【請求項6】離型性基体シートの離型性面に、官能基を
    有する変成アクリル系樹脂が前記変成アクリル系樹脂の
    官能基と反応し得る官能基を有するシラン系化合物で架
    橋されたアクリル系樹脂からなる耐熱性層を形成し、耐
    熱性層上の蒸着不要部分に水溶性樹脂からなるパターン
    層を形成し、パターン層及び露出した耐熱性層を含む全
    面に金属薄膜層を形成し、その後、水を作用させて前記
    パターン層上の金属薄膜層をパターン層と共に除去する
    ことを特徴とする請求項2の金属薄膜層転写シートの製
    造方法。
  7. 【請求項7】離型性基体シートの離型性面に、剥離兼保
    護層を設けた後、耐熱性層を設けることを特徴とする請
    求項6の金属薄膜層転写シートの製造方法。
  8. 【請求項8】更に接着剤層を形成することを特徴とする
    請求項6又は7の金属薄膜層転写シートの製造方法。
  9. 【請求項9】転写層の最内層及び最外層を除く箇所に絵
    柄層を形成することを特徴とする請求項6〜8いずれか
    の金属薄膜層転写シートの製造方法。
JP2988188A 1988-02-10 1988-02-10 金属薄膜層転写シート及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH0712730B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2988188A JPH0712730B2 (ja) 1988-02-10 1988-02-10 金属薄膜層転写シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2988188A JPH0712730B2 (ja) 1988-02-10 1988-02-10 金属薄膜層転写シート及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01204782A JPH01204782A (ja) 1989-08-17
JPH0712730B2 true JPH0712730B2 (ja) 1995-02-15

Family

ID=12288319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2988188A Expired - Fee Related JPH0712730B2 (ja) 1988-02-10 1988-02-10 金属薄膜層転写シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0712730B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201332771A (zh) * 2012-02-09 2013-08-16 Darfon Materials Corp 製造模內轉印膜及包含該模內轉印膜的殼體之方法
JP2018012207A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 信越ポリマー株式会社 加飾部材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01204782A (ja) 1989-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0950492B1 (en) Transfer material, surface-protective sheet, and process for producing molded article
JP5998882B2 (ja) 転写フィルムおよび転写フィルムの製造方法
EP0456822B1 (en) In-mold molded article having matted surface and production method thereof
KR101048714B1 (ko) 입체감이 우수한 전사시트
CN103303048B (zh) 装饰用转印膜及成型品
JP6163925B2 (ja) マット調転写フィルム、及びそれを用いた成形品
JP3137618B2 (ja) インサート成形品製造用積層フィルムとこれを用いたインサートフィルムの製造方法、インサート成形品の製造方法
JPH0712730B2 (ja) 金属薄膜層転写シート及びその製造方法
JPH08337097A (ja) 金属光沢を有する転写箔及びその製造方法
JPH02261614A (ja) インモールド転写箔
JPS6189899A (ja) 転写シートを用いた金属化粧材の製造方法
JP3637298B2 (ja) 加飾シート、加飾成形品とその製造方法
JPH0825789A (ja) 転写シート
JP3567945B2 (ja) ポリカーボネート成形物及びその製造方法
JPH0745279B2 (ja) 転写箔
JPS63130397A (ja) 転写箔の製造方法
JP2598906B2 (ja) 部分金属模様層を有する転写シートの製造法
JPH03239599A (ja) 塩化ビニル樹脂成形体用転写箔
JPH039900A (ja) 転写箔の製造方法
JPH04166385A (ja) 転写箔の製造方法
JP2524810B2 (ja) 転写シ―ト
JP3006866B2 (ja) 転写箔
JPH01113295A (ja) 金属蒸着箔の熱転写印刷物および熱転写印刷方法
JPH03248882A (ja) 転写シート
JPH08118781A (ja) 転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees