JPH07127274A - 建築現場用テント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物自身の防雨が配慮された建築現場用テン
トを提供するにある。 【構成】 建築現場用足場に取付けられたほぼ平行な複
数本のレール２、２、３、３間に防水シート５、６が張
設され、防水シート５、６の端部はレール２、２、３、
３に沿って移動可能にレール２、２、３、３に取付けら
れ、平行な複数本のレール２、２、３、３間においてレ
ール２、２、３、３よりも高い位置にレール２、２、
３、３とほぼ平行な持上材１３が架設され、防水シート
５、６の中途部が持上材１３により防水シートの両端部
よりも上方に持ち上げられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築現場用テントに関
し、特に、ユニット住宅の組立時等に使用して好適なも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特公昭６２−６０６６号
公報等に記載されているように、建築現場にテントを設
け、このテントを日よけ、雨よけ、雪よけ、風よけ等と
して使用し、その下で建築施工を進めることにより建築
施工が円滑に運ぶようにすることが知られている。

【０００３】この特公昭６２−６０６６号公報に記載さ
れている建築現場用テントは、空気より軽いガスを封入
することにより膨張浮上する幕体と、幕体の周縁部から
垂設された垂れ幕とからなり、幕体は繋留用引綱により
地上に繋留されるものである。又、例えば、特開昭６３
−１６７８４６号公報に記載されているように、建築用
足場と建物との間に防水カバーを拡縮する手段を介在し
て装架する防雨装置が知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
特公昭６２−６０６６号公報記載の建築現場用テントに
おいては、組立に際し、幕体にガスを封入する必要があ
ることから、ガスボンベ等の大がかりな装置を必要と
し、輸送面でも不利である。

【０００５】又、このようなテントは、建築現場全体を
覆う大きさを備える必要があることから、建築現場の形
状、或いは、大きさに応じた種類のものを揃えておく必
要があり、生産効率、生産コスト等の面で不利である。
又、ガスが封入された幕体のパンク等に備えて維持保全
管理に工数手間がかかるという問題もあった。

【０００６】又、後者の特開昭６３−１６７８４６号公
報に記載されているように、建築用足場と建物との間に
防水カバーを拡縮する手段を介在して装架する防雨装置
においては、建築用足場と建物との間の防雨について
は、考慮されているとしても、建物自身の防雨について
は、何らの配慮がなされていない。建物として、特に、
ユニット建物の場合には、施工が終了するまでは建物ユ
ニット間接続部における防雨には万全の配慮が払われる
ことが必要である。

【０００７】本発明は、従来の建物現場用テント乃至は
防雨装置におけるこのような問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、上記の問題を解決
し、大がかりな装置を必要とせず、現場での維持保全管
理に工数手間がかからないものであって、建物自身の防
雨が配慮された建築現場用テントを提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１記載の本発明建築現場用テントにおいて
は、建築現場用足場に取付けられたほぼ平行な複数本の
レール間に防水シートが張設され、防水シートの端部は
レールに沿って移動可能にレールに取付けられ、平行な
複数本のレール間においてレールよりも高い位置にレー
ルとほぼ平行な持上材が架設され、防水シートの中途部
が持上材により防水シートの両端部よりも上方に持ち上
げられていることを特徴とするものである。

【０００９】請求項２記載の本発明建築現場用テントに
おいては、請求項１記載の建築現場用テントであって、
持上材が、その架設方向とほぼ垂直な方向に水平移動可
能であることを特徴とするものである。

【００１０】本発明においては、防水シートとしては、
防水機能を備えたシートであれば、特に限定されるもの
ではないが、例えば、塩化ビニル樹脂シートやポリエチ
レンシート等の合成樹脂シートや、これらの合成樹脂シ
ートと布との積層シート等が好適に使用できる。

【００１１】又、本発明において、持上材としては、防
水シートの中途部を持ち上げることのできるものであれ
ば、特に限定されるものではないが、例えば、各種材質
のロープや針金等の軽量であって嵩張らず取扱の容易な
ものを使用することが好ましい。

【００１２】

【作用】請求項１記載の本発明建築現場用テントにおい
ては、建築現場用足場に取付けられたほぼ平行な複数本
のレール間に防水シートが張設され、防水シートの端部
はレールに沿って移動可能にレールに取付けられ、てい
るものであるから、防水シートの端部をレールに沿って
移動させることにより防水シートを広げて建築現場用足
場に囲まれた建物の覆いとすることができ、或いは、防
水シートを収縮させて開放状態にして建物ユニット据え
付け等を行うことができる。

【００１３】又、本発明建築現場用テントにおいては、
建築現場用足場や複数本のレールや防水シートからなる
ものであるから、大がかりな装置を必要とするものでな
く、輸送も容易であり、建築現場での維持保全管理に工
数手間がかからない

【００１４】又、本発明建築現場用テントにおいては、
建築現場の大きさ形状に対応してレールや防水シートは
適宜継ぎ足して使用できるので、生産効率、生産コスト
等の面で有利である。

【００１５】又、平行な複数本のレール間においてレー
ルよりも高い位置にレールとほぼ平行な持上材が架設さ
れ、防水シートの中途部が持上材により防水シートの両
端部よりも上方に持ち上げられているので、防水シート
の持上材により持ち上げられた中途部から下り勾配の傾
斜が付けられていて雨水が円滑に流下され、水溜まりが
生じ難い。

【００１６】更に、請求項２記載の本発明建築現場用テ
ントにおいては、持上材も移動可能とされているので、
開放度をより高くして建物ユニットの据え付け等が容易
にできる。

【００１７】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【００１８】図１は、本発明建築現場テントの一例を示
す斜視図、図２は図１に示す本発明建築現場テントの平
面図である。

【００１９】図１、２において、Ａはユニット建物であ
り、ユニット建物Ａは複数個の建物ユニットを組み立て
ることにより構成されている。１は建物Ａの周囲に設け
られた建築用足場であり、建築用足場１は複数本のほぼ
同じ高さの鋼管製支柱１１、１１、・・と、これらの支
柱１１、１１、・・の複数箇所を連結する鋼管製連結杆
１２、１２、・・で構成されている。

【００２０】２、２及び３、３は建築用足場１の支柱１
１、１１、・・の上端部において、ほぼ平行に設けられ
た溝型鋼製レールであり、レール２、２は建物Ａの小幅
部の前後に設けられ、レール３、３は建物Ａの大幅部の
前後に設けられている。レール２、２及び３、３は、図
３に示すように、支柱１１の上端部に取付けられたブラ
ケット４により取付けられている。

【００２１】１３は最上段の連結杆１２、１２間に架設
された針金製持上材であり、持上材１３はレール２、２
及び３、３とほぼ平行に設けられている。尚、持上材１
３は図４に示すように、最上段の連結杆１２に挿通され
たリング１３１に取付けられ、リング１３１は連結杆１
２に沿って水平移動することにより建物ユニットの据え
付け作業に邪魔とならないようになっている。尚、リン
グ１３１は連結杆１２の代わりに特別の軌条に取付け、
リング１３１、即ち、持上材１３をその特別の軌条に沿
って移動できるようにしてもよい。

【００２２】５、６はレール２、２及び３、３間であっ
て持上材１３の上方に張設された塩化ビニル樹脂製防水
シートであり、防水シート５、６の中途部の下方に持上
材１３があるため、防水シート５、６の中途部が持ち上
げられ、防水シート５、６は持上材１３により持ち上げ
られた中途部から両端部にかけて下り勾配の傾斜が設け
られ、降雨時に防水シート５、６上の雨水は、図２の矢
印ａ方向に勾配に沿って流下するようになっている。

【００２３】防水シート５、６は夫々ロープ５１、６１
に取付けられ、ロープ５１、６１の端部には、図５に示
すように、フック５２、６２が設けられ、フック５２、
６２は、図６に示すように、レール２、２及び３、３に
沿って移動するランナー２１、３１のリング２２、３２
に引掛けられることにより、防水シート５、６の端部は
レール２、２及び３、３に沿って移動するようになって
いる。

【００２４】尚、ランナー２１、３１は、その本体が溝
型鋼製レール２、３の内部に挿入され、本体の先端にコ
ロ２２、３３が取付けられ、コロ２２、３３がレール
２、３の開口部周縁部を転動することにより、レール
２、３に沿って円滑に移動できるようになっている。

【００２５】又、図５に示すように、ロープ５１、６１
には、所々において垂下片５３、６３が設けられ、垂下
片５３、６３を下方から引っ張ることにより防水シート
５、６の張り具合を調節できるようになっている。又、
ロープ５１、６１は、図７に示すように、一端にフック
５２、６２が設けられたロープ５１、６１の他端に設け
られた長さ調節金具５４、６４を使用することにより、
その長さを調節することもできる。

【００２６】〔実施例の作用〕次に、図に示す本発明建
築現場テントの作用について説明する。ユニット建物Ａ
の組み立て時には、防水シート５、６をレール２、３に
沿って移動させて収縮させ、レッカーにより吊られた建
物ユニットを建築用足場１内に降ろして組立て、組立後
は、降雨時等、覆いが必要なときには、防水シート５、
６をレール２、３に沿って移動させて広げ、建物Ａを防
水シート５、６により覆う。

【００２７】防水シート５、６の中途部の下方に持上材
１３があるため、防水シート５、６の中途部が持ち上げ
られ、防水シート５、６は持上材１３により持ち上げら
れた中途部から両端部にかけて下り勾配の傾斜が設けら
れ、降雨時に防水シート５、６上の雨水は勾配に沿って
流下するようになっているので、防水シート５、６上に
は水たまりが生じない。降雨時でない時等、覆いが必要
でないときは、防水シート５、６をレール２、３に沿っ
て移動させて収縮させ、建物Ａの上を開放する。

【００２８】以上、本発明の実施例を図により説明した
が、本発明の具体的な構成は図示の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変
更等があっても本発明に含まれる。例えば、図示の実施
例においては、二対のレールが使用されているが、一対
のレール、或いは、三対以上のレールが使用されていて
もよく、或いは、単に、３本以上のレールが使用されて
いてもよい。

【００２９】

【発明の効果】請求項１記載の本発明建築現場用テント
においては、防水シートの端部をレールに沿って移動さ
せることにより防水シートを広げて建築現場用足場に囲
まれた建物の覆いとし、雨よけ、日よけ、風よけ等とす
ることができ、或いは、防水シートを収縮させて開放状
態にすることもできる。又、本発明建築現場用テントに
おいては、大がかりな装置を必要とするものでなく、輸
送も容易であり、建築現場での維持保全管理に工数手間
がかからないものである。

【００３０】又、本発明建築現場用テントにおいては、
建築現場の大きさ形状に対応してレールや防水シートは
適宜継ぎ足して使用できるので、生産効率、生産コスト
等の面で有利である。

【００３１】又、平行な複数本のレール間においてレー
ルよりも高い位置にレールとほぼ平行な持上材が架設さ
れ、防水シートの中途部が持上材により防水シートの両
端部よりも上方に持ち上げられているので、防水シート
の持上材により持ち上げられた中途部から下り勾配の傾
斜が付けられていて雨水が円滑に流下され、水溜まりが
生じ難い。

【００３２】又、請求項２記載の本発明建築現場用テン
トにおいては、持上材も移動可能とされているので、持
上材を移動させることにより持上材が建物ユニットの据
え付けの支障とはならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明建築現場用テントの一例を示す斜視図。

【図２】図１に示す本発明建築現場用テントの平面図。

【図３】図１に示す本発明建築現場用テントにおける支
柱とレールとの取付部を拡大して示す斜視図。

【図４】持上材の取付部を拡大して示す斜視図。

【図５】図１に示す本発明建築現場用テントにおける防
水シートの一部切欠斜視図。

【図６】図１に示す本発明建築現場用テントにおけるレ
ールとランナーを示す一部切欠斜視図。

【図７】図１に示す本発明建築現場用テントにおけるロ
ープの例を示す一部切欠斜視図。

【符号の説明】

Ａ ユニット建物 １ 建築現場用足場 １１ 柱 １２ 連結杆 １３ 持上材 １３１ リング ２、３ レール ２１、３１ ランナー ２２、３２ リング ２３、３３ ころ ４ ブラケット ５、６ 防水シート ５１、６１ ロープ ５２、６２ フック ５３、６３ 垂下片 ５４、６４ 長さ調節用金具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築現場用足場に取付けられたほぼ平行
   な複数本のレール間に防水シートが張設され、防水シー
   トの端部はレールに沿って移動可能にレールに取付けら
   れ、平行な複数本のレール間においてレールよりも高い
   位置にレールとほぼ平行な持上材が架設され、防水シー
   トの中途部が持上材により防水シートの両端部よりも上
   方に持ち上げられていることを特徴とする建築現場用テ
   ント。
2. 【請求項２】 請求項１記載の建築現場用テントであっ
   て、持上材が、その架設方向とほぼ垂直な方向に水平移
   動可能であることを特徴とする建築現場用テント。