JPH07127055A - 薄肉鋼管杭の埋設工法及びこれに使用する薄肉鋼管杭 - Google Patents

薄肉鋼管杭の埋設工法及びこれに使用する薄肉鋼管杭

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JPH07127055A
JPH07127055A JP29424693A JP29424693A JPH07127055A JP H07127055 A JPH07127055 A JP H07127055A JP 29424693 A JP29424693 A JP 29424693A JP 29424693 A JP29424693 A JP 29424693A JP H07127055 A JPH07127055 A JP H07127055A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転埋設をする翼付き鋼管杭の薄肉化を図
る。 【構成】 下端部に底板2と掘削刃3,3と大径の螺旋
翼4を設け、頭端部に掛止駒5,5を設けた鋼管杭Aの
頭端内に、厚肉管11を有する補強体Cを嵌挿し、掛止駒
5,5と係合する係止溝9,9を設けた回転キャップB
を被せ、回転キャップBの回転、押圧により、鋼管杭A
を地盤にネジリ込んで埋設する。回転力を受ける鋼管杭
Aの頭部は厚肉管11の介在により強化され、捩りにとも
なう変形が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟弱地盤において施工
する、翼付き薄肉鋼管杭の埋設工法及びこれに使用する
翼付き薄肉鋼管杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】沖積平野部に発達した都市では、支持層
が深く、また、狭小な敷地内での建築が要求される。こ
のような場所において中層建物を建築する場合、これに
用いる基礎杭は、上層部で支える摩擦杭よりも、確実な
支持層に達する長尺な支持杭が必要とされるとともに、
その施工は、大規模とならず、かつ無排土、無振動、無
騒音で行うことが必要である。
【0003】このような場合の基礎工としては、従来、
例えば特公平2−62648号公報に記載されているよ
うな、螺旋翼を設けた鋼管杭を埋設することが行われて
いる。この鋼管杭の埋設は、下部に掘削刃と螺旋翼を設
けた鋼管杭を、直接地盤中にネジ込むように回転、押圧
し、螺旋翼の回転推進作用を利用して、無排土で埋設さ
れるのが特徴で、通常、鋼管杭の頭端部に掛止駒を突設
させ、回転動力機構に取付けた回転キャップを掛止駒に
係合させて、鋼管杭を回転させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、支
持杭の先端支持力は、杭の先端投影面積に対する地盤強
度と杭の最小断面積強度のいずれか小なる値としてお
り、鋼管杭本体の肉厚は、杭先端地盤強度より多少杭体
強度が上回る程度に選定されている。しかし、この種の
無排土鋼管杭では、上記の肉厚では、ネジリ力の集中す
る杭頭が変形、破壊をおこすため、上記従来の肉厚より
1.5 倍以上の肉厚を必要とすることになり、それだけ鋼
管杭のコストや施工経費が無駄に多くかかっていたので
ある。
【0005】そこで、本発明は、杭頭部に変形、破壊を
防止できる補強手段を加えることにより、杭支持力とし
て必要なだけの経済的な薄肉厚の翼付き鋼管杭を回転に
よりネジ込んで行くことのできる、新規な工法と鋼管杭
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成について、実施例に対応する図面を参
照して説明すると、請求項1の薄肉鋼管杭の埋設工法
は、杭本体1の下端に底板2と掘削刃3,3を設け、同
下部外周に、杭本体1外径の2倍前後の外径を有する螺
旋翼4をほぼ一巻きにわたり突設するとともに、杭本体
1の頭部外周に複数の掛止駒5,5を突設してなる鋼管
杭Aの頭端部内に、天板10に厚肉管11を垂設してなる補
強体Cを嵌挿して、杭本体1に外嵌できる筒部6に上記
掛止駒5,5と係脱自在に係合する係止溝9,9を設け
た回転キャップBを被嵌し、回転キャップBにより鋼管
杭Aを地盤にネジ込むように押圧し、螺旋翼4の回転推
進力によって埋設して行くことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、請求項2の薄肉鋼管杭は、杭本体1
の下端に底板2と掘削刃3,3を設け、同下部外周に、
杭本体1外径の2倍前後の外径を有する螺旋翼4をほぼ
一巻きにわたり突設するとともに、杭本体1の頭部外周
に複数の掛止駒5,5を突設し、かつ、杭本体1頭部の
掛止駒5,5を突設した位置の内部に、円形状または環
状の補強板12を固着したことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明は上述のように構成されており、図6に
示すように、鋼管杭Aの頭部に補強体Bを嵌挿して、回
転キャップCを被せ、掛止駒5,5と係止溝9,9を係
合し、回転キャップCを回転させながら押圧すれば、鋼
管杭Aは、掘削刃3,3による杭先端地盤の掘削、軟化
と、地盤への螺旋翼4の食い込み回転による推進力によ
って、掘削軟化した土砂を杭側面へ押出してその地盤を
圧密しながら沈降し、埋設されることになる。
【0009】鋼管杭Aの埋設深さが深くなると、抵抗が
大となり、それにつれて鋼管杭Aの頭部は大きな捩りモ
ーメントを受け、掛止駒3,3に作用する集中荷重によ
り扁平化する傾向が生じるが、補強体Cまたは厚肉な補
強板の存在によって、その変形が防止されることにな
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1〜図5を
参照して説明する。図1、図2は本発明において使用さ
れる鋼管杭Aを示したもので、薄肉の鋼管により形成さ
れた杭本体1の先端には底板2及び掘削刃3,3が設け
られているとともに、杭本体1の下部外周には、杭本体
1外径の2倍前後の外径を有する広巾の螺旋翼4がほぼ
一巻きにわたり突設されている。また、杭本体1の頭部
外周面には、鋼管杭Aを回転させるための複数の掛止駒
5,5が相対向する位置に設けられている。
【0011】Bは鋼管杭Aの頭部に被嵌される回転キャ
ップで、図3、図4に示すように、内径を杭本体1の外
径より若干大とした天板7付きの筒状体6に、図示を略
した杭の回転動力装置と結合するオーガージョイント8
が設けられており、筒状体6には、鋼管杭Aの掛止駒
5,5と係脱自在となる逆L字状の係止溝9,9が設け
られている。また、Cは鋼管杭Aの頭部に嵌挿される補
強体で、図3、図4に示すように、杭本体1の外径とほ
ぼ同径の円板10の下面に、杭本体1の頭部内に嵌挿され
る厚肉管11を垂設して形成されている。
【0012】上記鋼管杭Aを回転埋設するには、杭本体
1の頭端部に、補強体Bの厚肉管11を嵌め込んだ後、回
転動力装置に結合した回転キャップCを杭本体1の頭部
に被せ、図4、図5に示すように、掛止駒5,5に係止
溝9,9を係合して鋼管杭Aと回転キャップBとを結合
する。そして、回転動力装置を作動して回転キャップB
を回転させれば、掛止駒5,5を介して鋼管杭Aが回転
されることになる。その際、鋼管杭Aは回転キャップB
により回転と同時に押圧される。それによって、鋼管杭
Aは図6に示すように、先端の掘削刃3,3により杭先
端の地盤が掘削軟化するとともに、螺旋翼4が杭側面の
末掘削土に食い込み、地盤を反力とする螺旋翼4の回転
推進により、鋼管杭Aが沈降される。その際、掘削刃
3,3によって掘削軟化した土砂は、杭の沈降にともな
って杭側面に押し出されて圧密され、杭周囲の地盤強度
は増大されることになる。
【0013】そして、鋼管杭Aの回転埋設にあたって
は、回転力を付与する杭頭部にネジリ変形の集中応力が
発生するが、そのネジリ変形は補強体Cによって回避さ
れる。また、鋼管杭Aは一般に運搬等の関係で定尺物と
なっているので、埋設の深度に応じて杭本体1を適宜継
ぎ足すが、その場合は、継ぎ足した上杭の頭部に掛止駒
5,5を設けるようにする。
【0014】図7は、本発明で使用される鋼管杭Aの他
の実施例を示したもので、さきの鋼管杭と同様に、杭本
体1の下端に底板2と掘削刃3,3が設けられ、同下部
には螺旋翼4が突設されている。そして、杭本体1頭部
の掛止駒5,5を突設した位置の内部には、円形板、孔
明円形板、環状板等の円形状、環状の補強板12が溶接に
より固着されている。この鋼管杭の場合は、上記の補強
体Cを用いることなく、図8に示すように、杭本体1の
頭部に直接回転キャップBを被せて掛止駒5,5と係止
溝9,9を係合することになる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明工法によれ
ば、鋼管杭の回転埋設において、集中的に回転力を受け
る鋼管杭の頭部内に補強体の厚肉管が嵌合されるため、
回転力による捩りで扁平傾向となる変形が防止されるこ
とになる。したがって、鋼管杭の肉厚を、杭支持力に相
応する程度の薄肉とすることができ、鋼管杭のコスト及
び施工費用の低減を図ることができる。
【0016】また、本発明の鋼管杭は、その頭端部に補
強板を固着した構造としたので、上記同様に、回転力に
よる捩りで扁平傾向となる変形が防止されることにな
り、鋼管杭の肉厚を薄肉とすることができ、しかも、杭
埋設の都度補強体の着脱を行う手数を要さず、施工が能
率的に行えることになる。
【0017】そして、鋼管杭は、回転と押圧を加えるだ
けで、螺旋翼の地盤への食い込み推進によって沈降、埋
設されて行くことになり、その際、杭先端にある地盤は
掘削、軟化して杭側面に押出され、周囲の地盤を圧密す
ることになって、地盤の強化が図られる。また、鋼管杭
には大径の螺旋翼が設けられていることから、その投影
面積に応じた大きな支持力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する鋼管杭の一実施例を示す側面
図である。
【図2】同平面図である。
【図3】鋼管杭と回転キャップと補強体とを分離して示
す斜視図である。
【図4】回転埋設時の状態を示す一部の縦断面図であ
る。
【図5】同斜視図である。
【図6】同全体図である。
【図7】鋼管杭の他の実施例を示す一部切欠側面図であ
る。
【図8】同鋼管杭の回転埋設時の状態を示す一部の縦断
面図である。
【符号の説明】
A 鋼管杭 B 回転キャップ C 補強体 1 杭本体 2 底板 3 掘削刃 4 螺旋翼 5 掛止駒 6 筒状体 9 係止溝 10 天板 11 厚肉管 12 補強板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭本体の下端に底板と掘削刃を設け、同
    下部外周に、杭本体外径の2倍前後の外径を有する螺旋
    翼をほぼ一巻きにわたり突設するとともに、杭本体の頭
    部外周に複数の掛止駒を突設してなる鋼管杭の頭端部内
    に、天板に厚肉管を垂設してなる補強体を嵌挿して、杭
    本体に外嵌できる筒部に上記掛止駒と係脱自在に係合す
    る係止溝を設けた回転キャップを被嵌し、回転キャップ
    により鋼管杭を地盤にネジ込むように押圧し、螺旋翼の
    回転推進力によって埋設して行くことを特徴とする、薄
    肉鋼管杭の埋設工法。
  2. 【請求項2】 杭本体の下端に底板と掘削刃を設け、同
    下部外周に、杭本体外径の2倍前後の外径を有する螺旋
    翼をほぼ一巻きにわたり突設するとともに、杭本体の頭
    部外周に複数の掛止駒を突設し、かつ、杭本体頭部の掛
    止駒5,5を突設した位置の内部に、円形状または環状
    の補強板を固着したことを特徴とする、薄肉鋼管杭。
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