JPH07126986A - ヌバック調人工皮革の製造方法 - Google Patents

ヌバック調人工皮革の製造方法

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JPH07126986A
JPH07126986A JP27426393A JP27426393A JPH07126986A JP H07126986 A JPH07126986 A JP H07126986A JP 27426393 A JP27426393 A JP 27426393A JP 27426393 A JP27426393 A JP 27426393A JP H07126986 A JPH07126986 A JP H07126986A
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秀亮 北脇
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正久 三村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2段階にわたる極細繊維化処理を必要とせず
に、ゴムライクな外観及び風合いを解消して、表面が平
滑、柔軟で、シャープなチョークマーク性を有し、毛足
が短く、立毛状態が均質である、良好なヌバック調の人
工皮革を得る。 【構成】 2種以上の高分子重合体から成る極細化可能
な複合繊維からウェブを形成し、該ウェブの厚さ方向
に、500〜3000本/cm2 のバーブ貫通パンチン
グ本数でニードルパンチングを施して、絡合繊維質基材
を作成し、該絡合繊維質基材に弾性重合体を含浸、凝固
させ、その後、該絡合繊維質基材を構成する複合繊維を
極細化し、しかる後、該絡合繊維質基材を平面方向にス
ライスして、複数枚に分割し、この分割された絡合繊維
質基材のスライス面に弾性重合体の溶剤を含む液体を付
与して、該弾性重合体の一部を溶解又は膨潤させた後、
該液体を除去して固化させ、該絡合繊維質基材の溶剤含
有液体処理面にバフィング処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヌバック調人工皮革の
製造方法に関し、更に詳しくは、2段階にわたる繊維の
極細化処理を必要とせず、しかもゴムライクな外観及び
風合いを解消して、表面が平滑、柔軟で、シャープなチ
ョークマーク性を有し、毛足が短く、均質性に優れたヌ
バック調の人工皮革を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から立毛外観を有する人工皮革を製
造する方法として、例えば、織物、編物、不織布等の繊
維集合体に高分子重合体を含浸、凝固させた後、これら
の表面を研磨する方法が行われている。
【0003】また、人工皮革の外観をコントロールする
ために、繊維集合体の見掛け密度を規制したり、弾性重
合体の含浸量を増やしたり、バフ条件をコントロールす
ることなどが一般に行われている。
【0004】しかし、これらの方法では、立毛繊維長が
長くなり、スエードあるいはベロア調人工皮革としては
良好な外観が得られるが、繊維長の短いヌバック調とし
て品位のある外観を持った人工皮革を得ることは出来な
い。
【0005】この問題を解消するために、立毛繊維長を
短くする方法として、例えば、特開平3−161576
号公報には、表層部の複合繊維から極細繊維を発現させ
た後、高分子弾性体を付与して、凝固させる第一段階の
工程と、主として、内部層の複合繊維を極細化する第二
段階の工程とからなる方法が提案されている。
【0006】しかし、この方法では、複合繊維を極細化
する工程が2段階になり、工程数が増えて操作が煩雑に
なるうえ、繊維を極細化した後に、高分子弾性体を付与
するため、高分子弾性体が最表面層で極細繊維に強固に
接合して、外観及び風合いがゴムライクになってしまう
と言う問題がある。
【0007】一方、特公昭61−32432号公報にお
いては、スエード調シートの表面に、弾性重合体の溶剤
であってかつ繊維の非溶剤である液体を付与し、弾性重
合体の一部を溶解又は膨潤させた後、再固化させ、その
後で起毛または整毛することが提案されている。しか
し、この方法は、立毛表面の毛足が長い繊維立毛スエー
ドにおいて、立毛シートの表面毛羽の脱落を防止するこ
とを目的とするものであって、本発明のようなヌバック
調人工皮革の製造方法とは、まったく別異のものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、2
段階にわたる繊維の極細化処理を必要とせず、しかもゴ
ムライクな外観及び風合いを解消して、表面が平滑、柔
軟で、シャープなチョークマーク性を有し、毛足が短
く、立毛状態が均質である、良好なヌバック調の人工皮
革を製造する方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明によれば、少なくとも、(a)2
種以上の高分子重合体から成る極細化可能な複合繊維か
らウェブを形成し、(b)該ウェブの厚さ方向に、50
0〜3000本/cm2 のバーブ貫通パンチング本数で
ニードルパンチングを施して、絡合繊維質基材を作成
し、(c)該絡合繊維質基材に弾性重合体を含浸、凝固
させ、(d)その後、該絡合繊維質基材を構成する複合
繊維を極細化し、(e)しかる後、該絡合繊維質基材を
平面方向にスライスして、複数枚に分割し、(f)この
分割された絡合繊維質基材のスライス面に弾性重合体の
溶剤を含む液体を付与して、該弾性重合体の一部を溶解
又は膨潤させた後、該液体を除去して固化させ、(g)
該絡合繊維質基材の溶剤含有液体処理面にバフィング処
理を施すことを特徴とするヌバック調人工皮革の製造方
法が提供される。
【0010】本発明方法において、極細化可能な複合繊
維としては、互いに性質の異なる2種以上の高分子重合
体から、複合紡糸、混合紡糸等により形成した複合繊維
であって、少なくとも1種の高分子重合体の溶解除去、
あるいは物理的、化学的作用による割裂で極細化できる
ものが用いられる。
【0011】特に、溶剤溶解性の異なる2種以上の高分
子重合体から成る複合繊維を用い、そのうちの少なくと
も1種の高分子重合体を溶解除去して、極細化するのが
好ましい。
【0012】本発明方法において、極細繊維を形成する
高分子重合体の具体的な例としては、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステルが挙げられる。
【0013】また、これらの極細繊維形成高分子重合体
と共に、溶解除去成分、結合成分として用いられる性質
(例えば、溶剤溶解性)の異なる高分子重合体として
は、上記ポリアミド、ポリエステルに加えて、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、高分子量ポリエチレングリコー
ル、ポリスチレン、ポリアクリレート等を挙げることが
できる。
【0014】かかる複合繊維を、公知のカード、ランダ
ムウェッバー、クロスレーヤー等にかけて、ウェブを形
成する。
【0015】このようにして得たウェブに、ウェブの厚
さ方向に対して、500〜3000本/cm2 、好まし
くは、800〜2000本/cm2 のバーブ貫通パンチ
ング本数でニードルパンチングを施して、絡合繊維質基
材を作成する。バーブ貫通パンチング本数が500本/
cm2 未満では、絡合繊維質基材の絡合が不十分となっ
て、強度不足となり、出来上がった基材のチョークマー
ク性も不十分となる。また、3000本/cm2 よりも
多くなると、絡合繊維質基材がニードルパンチングを過
剰に受けて、損傷が大きくなり、基材にへたりが発生す
るため好ましくない。
【0016】ここで、バーブ貫通パンチング本数とは、
少なくとも一つのバーブを有するニードルを使用し、最
先端に位置するバーブがウェブの厚さ方向に貫通する深
さでパンチングを行った時の打ち込み本数を、1cm2
当たりの値に換算した数値である。
【0017】このようにニードルパンチングを施して作
成した絡合繊維質基材に、弾性重合体を含浸、凝固させ
る。
【0018】絡合繊維質基材に含浸、凝固させる弾性重
合体としては、ポリウレタンエラストマー、ポリウレア
エラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマ
ー、ポリアクリル酸樹脂、アクリロニトリル・ブタジエ
ンエラストマー、スチレン・ブタジエンエラストマー等
が挙げられるが、中でも、ポリウレタンエラストマー、
ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエ
ラストマー等のポリウレタン系エラストマーが好まし
い。これらのポリウレタン系エラストマーは、平均分子
量500〜4000のポリエーテルグリコール、ポリエ
ステルグリコール、ポリエステル・エーテルグリコー
ル、ポリカプロラクトングリコール、ポリカーボネート
グリコール等から選ばれた、少なくとも1種のポリマー
グリコールと、4、4′―ジフェニルメタンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソフォロンジイソシアネート等の有機ジイソシア
ネートと、低分子グリコール、ジアミン、ヒドラジン、
又は有機酸ヒドラジッド、アミノ酸ヒドラジッド等のヒ
ドラジン誘導体から選ばれた鎖伸長剤とを反応させて得
られたものである。
【0019】また、前記弾性重合体を絡合繊維質基材中
に含浸、凝固させる方法としては、該弾性重合体を有機
溶剤溶液又は分散液(水性エマルジョンを含む)の形で
絡合繊維質基材に含浸させて、該弾性重合体を該絡合繊
維質基材中で凝固させる。弾性重合体を凝固させるため
の具体的方法としては、公知の湿式凝固法、乾式凝固法
のいずれによっても良い。また、該絡合繊維質基材中の
弾性重合体の凝固状態は、多孔質状に凝固しているのが
好ましいが、該絡合繊維質基材の表面に、同種又は異種
の高分子重合体の薄い被覆層が存在していてもよい。
【0020】絡合繊維質基材に、弾性重合体を含浸、凝
固させた後、少なくとも1種の高分子重合体の溶解除
去、あるいは物理的、化学的作用による割裂等の公知の
方法で複合繊維を極細化する。特に、本発明方法におい
ては、溶剤溶解性の異なる2種以上の高分子重合体から
成る複合繊維を用い、そのうちの少なくとも1種の高分
子重合体を溶解除去して、極細化するのが好ましい。
【0021】溶解除去する高分子重合体がポリアミドで
ある場合は、溶解除去剤として、アルカリ金属又はアル
カリ土類金属と低級アルコールの混合液、ギ酸等が用い
られ、ポリエステルの場合は、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ水溶液が、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリアクリレート等の場合は、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等が用いられる。
【0022】極細化処理後の絡合繊維質基材を構成する
極細繊維の平均繊度は、均質で質感のある表面外観を得
るうえで、0.2デニール以下が好ましく、特に好まし
くは、0.1デニール以下である。
【0023】このようにして作成した極細繊維から成る
絡合繊維質基材を、公知のスライス機によって、平面方
向にスライスして、複数枚に分割する。このスライス面
は、前記のニードルパンチングによって十分に極細繊維
が絡合されており、ここで実施するスライス工程によっ
て、初めてこの絡合表面が露出することになるから、ス
ライス工程以前の各種工程で、絡合表面が乱されて悪影
響を受けるようなことがない。従って、均質で平滑な表
面を、極めて効果的に得ることができる。
【0024】以上のようにして形成したスライス面を、
起毛処理を施すことなく、そのまま弾性重合体の溶剤を
含む液体で処理する。起毛処理後にこのような液体で処
理すると、最終的に得られるシートの立毛繊維長が長く
なり、表面の立毛状態が不均質になって、本発明の目的
とするヌバック調人工皮革が得られない。
【0025】弾性重合体の溶剤を含む液体としては、ジ
メチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、テトラヒドロフラン等の弾性重合体の良
溶媒又はこれらに水、アルコール、メチルエチルケト
ン、前記の弾性重合体を一部混合したものが好ましく用
いられる。これらの弾性重合体の溶剤を含む液体は、前
記弾性重合体の一部を溶解又は膨潤させる必要があるこ
とから、弾性重合体の溶剤を、少なくとも50%以上、
好ましくは70%以上含有することが望ましい。
【0026】弾性重合体の溶剤を含む液体を、極細化さ
れた絡合繊維質基材のスライス面に付与する方法は、特
に限定されず、例えば、グラビアコーター、スプレーコ
ーターによる塗布、あるいは離形紙等の支持体の表面に
弾性重合体の溶剤を含む液体を塗布しておき、乾燥する
前に絡合繊維質基材のスライス面と接触一体化させて、
該液体を転写する方法などが挙げられる。この工程にお
いては、グラビアロール等によって、基材を軽くニップ
しながら、該液体の付与を行うことが好ましい。
【0027】次いで、弾性重合体の溶剤を含む液体を除
去し、弾性重合体を固化させるために、脱液体処理を行
う。この脱液体処理方法としては、熱風乾燥機を使用す
る乾式法や、水等の液体中に浸漬させる湿式法等が挙げ
られるが、乾式法が前記の弾性重合体を含む液体の使用
量を少なくできることから好ましい。この液体の付与、
脱液体処理は、少なくとも2〜6回繰り返すことが好ま
しく、回数が多い程、均質性は向上するが、6回を越え
ると表面が固くなる傾向が認められる。また、スライス
面への液体の付与量は、1回につき、5〜55g/m2
であることが好ましい。液体付与量が5g/m2 より少
ないと、表面立毛繊維長が長くなって、目的とするヌバ
ック調人工皮革が得られ難くなり、55g/m2 を超え
ると表面が固くなったり、脱液体に時間が掛かるように
なる。
【0028】この液体付与処理及び脱液体処理により、
弾性重合体が溶解又は膨潤した後、再固化して、絡合繊
維質基材のスライス表面における極細繊維と弾性重合体
の結合を高めて繊維を押さえ込み、後述するバッフィン
グ処理によって、シャープなチョークマーク性を有し、
毛足が短く、立毛状態が均質である、優れたヌバック調
の人工皮革を製造することが可能となる。
【0029】次いで、上記のように処理した絡合繊維質
基材のスライス面にバフィング処理を施すが、このバフ
ィング処理前に、スライス面をスムースまたは小柄のエ
ンボスロール、カレンダーロール、平板プレス等で処理
してもよい。バフィングは、サンドペーパー、ブラシ、
砥石等を用いて、常法により行うことができる。但し、
あまり目の粗いものを使用してバフィングを行ったり、
長時間バフィングを行ったりすると、処理面が荒れて、
目的とするヌバック調の人工皮革を得ることができなく
なるので、注意しなければならない。
【0030】
【作用】本発明方法では、500〜3000本/cm2
のバーブ貫通パンチング本数でニードルパンチングを施
して、繊維を十分に絡合させているため、強度が十分
で、チョークマーク性に優れ、損傷やへたりのない基材
が得られる。更に、極細化処理を施した後、平面方向に
スライスすることにより新しく形成されたスライス面
を、起毛処理を施すことなく、そのまま弾性重合体の溶
剤を含む液体で処理するから、スライス工程以前の各種
工程で、絡合表面が乱されて悪影響を受けることなく、
平滑で均質な状態で、該スライス面における極細繊維と
弾性重合体の結合を高めて繊維を押さえ込むことができ
るので、バッフィング処理によって、表面が平滑、柔軟
で、シャープなチョークマーク性を有し、毛足が短く、
立毛状態が均質である、優れたヌバック調の人工皮革を
製造することが可能となる。
【0031】また、本発明方法では、複合繊維の極細化
は1段階で行われ、2段階にわたる極細化処理を必要と
しない。
【0032】しかも、絡合繊維質基材に弾性重合体を含
浸、凝固させた後で、複合繊維を極細化するから、繊維
を極細化した後に、弾性重合体を付与するために生ずる
従来技術の問題点、即ち、弾性重合体が最表面層で極細
繊維に強固に接合して、外観及び風合いがゴムライクに
なってしまうと言う欠点を、完全に解消することができ
る。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0034】[実施例1]ナイロン6とポリオキシエチ
レンエーテル変性低密度ポリエチレンとを配合比50:
50でチップブレンドし、混合紡糸により繊度7デニー
ル、繊維長51mmの複合繊維を得た。得られた複合繊
維をカードとクロスレーヤーによって、ウェブにした
後、バーブ貫通パンチング本数1000本/cm2 でニ
ードルパンチングを行い、630g/m2 の絡合繊維基
質材を作成した。
【0035】この絡合繊維質基材を、160℃の熱風オ
ーブン中で予備加熱した後、90℃の加熱ロールで、見
掛け密度が0.29g/cm3 、厚さが2.1mmとな
るようにプレスした。
【0036】次に、分子量1800のポリブチレンアジ
ペートと分子量2050のポリテトラメチレンエーテル
グリコール、4、4′―ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、エチレングリコールを反応させて得た、イソシア
ネートにもとずく窒素含有量が4.5%のポリウレタン
エラストマーのジメチルホルムアミド溶液(濃度15
%)を、上記プレスした絡合繊維質基材に含浸させ、1
0%ジメチルホルムアミド水溶液中に浸漬して、凝固さ
せた。この後、40℃の温水中で十分洗浄し、繊維とポ
リウレタンエラストマーとの比が75:25の弾性重合
体含浸基材を得た。
【0037】次いで、80℃のトルエン中でこの基材に
ディップとニップを繰り返して、ポリエチレンを溶解除
去し、複合繊維の極細化を行った。その後、110℃の
スチーム中で基材に含まれているトルエンを除去し、1
20℃の熱風乾燥機中で乾燥した。得られた極細繊維の
平均繊度は、0.01デニールであった。
【0038】その後、極細化処理した絡合繊維質基材を
スライサーにかけ、平面方向にスライスして、2枚に分
割した。
【0039】次いで、分割した基材のスライス面に、2
00メッシュのグラビアコーターを用いて、ジメチルホ
ルムアミドを9g/m2 の割合で塗布し、乾熱乾燥する
操作を6回繰り返した後、該スライス面に、400メッ
シュのサンドペーパーで軽くバフィング処理を施した。
【0040】かくして得られたシートは、表面が非常に
滑らかで柔らかく、立毛繊維長が短く、シャープなチョ
ークマーク性を有し、立毛状態が均質なヌバック調のシ
ートであった。
【0041】[実施例2]ポリエチレンテレフタレート
と低密度ポリエチレンとを50:50の組成で2台のエ
クストルーダからそれぞれ溶融押出し、複合紡糸口金に
より、48分割に張り合わされた繊度4デニール、繊維
長51mmの中空分割型複合繊維を得た。得られた複合
繊維をカードとクロスレーヤーにかけて、ウェブを作成
し、バーブ貫通パンチング本数2000本/cm2 でニ
ードルパンチングを行い、400g/m2 の絡合繊維質
基材を作成した。
【0042】この絡合繊維質基材を、160℃の熱風オ
ーブン中で予備加熱した後、90℃の加熱ロールで、見
掛け密度が0.35g/cm3 、厚さが1.1mmとな
るようにプレスした。
【0043】次に、分子量2050のポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール、4、4′―ジフェニルメタンジ
イソシアネート、エチレングリコールを反応させて得
た、イソシアネートにもとずく窒素含有量が4.5%の
ポリウレタンエラストマーのジメチルホルムアミド溶液
(濃度13%)を、上記プレスした絡合繊維質基材に含
浸させ、10%ジメチルホルムアミド水溶液中に浸漬し
て、凝固させた。この後、40℃の温水中で十分洗浄
し、繊維とポリウレタンエラストマーとの比が81:1
9の弾性重合体含浸基材を得た。
【0044】次いで、80℃のトルエン中でこの基材に
ディップとニップを繰り返して、ポリエチレンを溶解除
去し、複合繊維の極細化を行った。その後、90℃の熱
水中で基材に含まれているトルエンを共沸除去し、12
0℃の熱風乾燥機中で乾燥した。得られた極細繊維の平
均繊度は、0.08デニールであった。
【0045】その後、極細化処理した絡合繊維質基材を
スライサーにかけ、平面方向にスライスして、2枚に分
割した。
【0046】次いで、分割した基材のスライス面に、2
00メッシュのグラビアコーターを用いて、上記ポリウ
レタンエラストマーを5%含むジメチルホルムアミド溶
液を9g/m2 の割合で塗布し、乾熱乾燥する操作を2
回繰り返した後、該スライス面に、400メッシュのサ
ンドペーパーで軽くバフィング処理を行った。
【0047】かくして得られたシートは、表面が非常に
滑らかで柔らかく、立毛繊維長が短く、シャープなチョ
ークマーク性を有し、立毛状態が均質なヌバック調のシ
ートであった。
【0048】[比較例1]実施例1において、分割した
基材のスライス面にジメチルホルムアミドを塗布しなか
った以外は、実施例1と同じ条件で処理を行った。得ら
れたシートは、表面立毛繊維長が長く、シャープなチョ
ークマーク性に欠け、ヌバック調の外観は得られず、む
しろスエード調の外観を呈していた。
【0049】[比較例2]実施例1において、分割した
基材のスライス面にバフィング処理を施した後で、ジメ
チルホルムアミドを塗布したが、立毛繊維長が長くな
り、立毛状態が不均質となって、良好なヌバック調シー
トは得られなかった。
【0050】[比較例3]実施例1において、極細化処
理した絡合繊維質基材を平面方向にスライスせずに、そ
のまま基材表面にジメチルホルムアミドを塗布した以外
は、実施例1と同じ条件で処理を行った。得られたシー
トは、立毛表面の平滑性、均質性において、劣るもので
あった。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、2段階にわ
たる極細化処理を必要とせずに、ゴムライクな外観及び
風合いを解消して、表面が平滑、柔軟で、シャープなチ
ョークマーク性を有し、毛足が短く、立毛状態が均質で
ある、良好なヌバック調の人工皮革を製造することがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06C 11/00 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(a)2種以上の高分子重
    合体から成る極細化可能な複合繊維からウェブを形成
    し、(b)該ウェブの厚さ方向に、500〜3000本
    /cm2 のバーブ貫通パンチング本数でニードルパンチ
    ングを施して、絡合繊維質基材を作成し、(c)該絡合
    繊維質基材に弾性重合体を含浸、凝固させ、(d)その
    後、該絡合繊維質基材を構成する複合繊維を極細化し、
    (e)しかる後、該絡合繊維質基材を平面方向にスライ
    スして、複数枚に分割し、(f)この分割された絡合繊
    維質基材のスライス面に弾性重合体の溶剤を含む液体を
    付与して、該弾性重合体の一部を溶解又は膨潤させた
    後、該液体を除去して固化させ、(g)該絡合繊維質基
    材の溶剤含有液体処理面にバフィング処理を施すことを
    特徴とするヌバック調人工皮革の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶剤溶解性の異なる2種以上の高分子重
    合体から成る複合繊維から、少なくとも1種の高分子重
    合体を溶解除去して、極細化する請求項1記載のヌバッ
    ク調人工皮革の製造方法。
  3. 【請求項3】 極細繊維の平均繊度が、0.2デニール
    以下である請求項1又は2記載のヌバック調人工皮革の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 絡合繊維質基材のスライス面への弾性重
    合体の溶剤を含む液体の付与量が、5〜55g/m2
    ある請求項1、2又は3記載のヌバック調人工皮革の製
    造方法。
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CN105019235A (zh) * 2015-06-30 2015-11-04 辽宁腾达集团股份有限公司 一种制造超高密度化针织面料的方法

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