JPH07126347A - 制振材料組成物 - Google Patents

制振材料組成物

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JPH07126347A
JPH07126347A JP5270399A JP27039993A JPH07126347A JP H07126347 A JPH07126347 A JP H07126347A JP 5270399 A JP5270399 A JP 5270399A JP 27039993 A JP27039993 A JP 27039993A JP H07126347 A JPH07126347 A JP H07126347A
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Japan
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epoxy resin
damping material
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composition
vibration damping
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JP5270399A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Soeda
田 善 弘 添
Takako Ishii
井 貴 子 石
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的低温から高温までの幅広い温度範囲にお
いて制振性があり、自己接着性を有する制振材料組成物
を提供することを目的とする。 【構成】少なくとも一部ハロゲン化エポキシ樹脂を含
む、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂からなるエポ
キシ樹脂、カルボキシル基含有アクリロニトリル・共役
ジエンゴム、無機充填剤および硬化剤を含む制振材料組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制振材料組成物、詳し
くは、比較的低温から高温までの幅広い温度範囲におい
て制振性があり、自己接着性を有する制振材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】振動あるいは騒音を発生する機械あるい
は設備、例えば、自動車や鉄道車両等の車体、エンジ
ン、モーター等の原動機、電気装置のハウジング等の構
造体に対しては、振動・騒音の減衰、および共振・共鳴
の防止を目的として構造体の表面に制振材が設けられて
きた。このような制振材は、構造体と制振材を複合系と
したときの損失係数の値が大きいことが必要であり、制
振材が発熱源に隣接して配置される場合もあるため、で
きるかぎり広い温度範囲においてその損失係数が大きく
保たれることが望ましい。例えば、自動車のオイルパ
ン、ロッカーアームカバー、シリンダー等、高温となる
部分に用いることを考えた場合、大きな損失係数を保持
すべき温度範囲は、ほぼ−40℃〜120℃にわたると
考えられている。さらに、自己粘着性を有することが望
ましく、作業性の面からはシート状に成型できることが
望ましい。
【0003】このような制振材料として、エポキシ樹脂
組成物の硬化物を使用することは、既に提案されてい
る。例えば、特開昭62−64854号公報では、分子
内にカルボキシル基、アミノ基またはイミノ基を有する
ブタジエン系オリゴマー、エポキシ樹脂、無機充填剤お
よび硬化剤からなる制振材用組成物が開示されており、
特開昭61−181886号公報では、エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂と相溶性があり、かつ末端基がメチロール
基である液状樹脂、硬化剤、充填剤を混合した組成物が
開示されている。
【0004】また、防振特性、振動吸収性および接着性
にすぐれたゴム組成物に耐熱性を付与するために、ハロ
ゲン原子を導入することは、すでに提案されており、例
えば、特開昭60−108442号公報では、ハロゲン
化エチレン−α−オレフィン−共重合ゴム(ハロゲン化
EPDM)とイソブチレン−イソプレン共重合体(II
R)からなるゴム組成物が開示されている。
【0005】従来具体的に提案されたエポキシ樹脂組成
物では、エポキシ樹脂として常温で固体のエポキシ樹脂
が使用されてきた。その理由は、常温で液状のエポキシ
樹脂は通常低分子量であり、こうしたエポキシ樹脂を使
用してもその硬化物には十分な制振機能が与えられない
ためである。一方、常温で固体のエポキシ樹脂を用いた
場合には、このエポキシ樹脂組成物を対象とする部材に
直接被着させることは、常温では固体であるため困難で
あり、加熱してその組成物を可塑化しかつ自己粘着性を
発現させる必要があった。この場合には、相応の設備が
必要であり、作業工程が煩雑となるとともに、加熱によ
り硬化が進行してエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇する
ため、短い可使時間内にその作業を行う必要があった。
【0006】また、エポキシ樹脂は不飽和ポリエステル
に比べて高い耐熱性を与えるが、エポキシ樹脂の種類、
硬化剤、硬化条件等で大きく異なる。例えば、高温とな
る部材の振動を減衰させる場合には、約80℃〜120
℃の温度範囲においても十分な制振機能が要求される
が、従来の制振用エポキシ樹脂組成物では、十分な制振
機能を発揮していたとは言いがたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、特開昭62
−64854号公報で開示された組成物は、高温で損失
係数が小さくなり、また、自己粘着性がないため作業性
が悪い、あるいは高温で損失係数が小さくなって制振機
能を十分に発揮しなくなるといった欠点があった。ま
た、特開昭61−181886号公報で開示された組成
物は、0℃〜80℃の範囲では制振性を示すが、これ以
上の高温では損失係数が低下するため、こうした高温に
なる部材には適用できなかった。さらに、特開昭60−
108442号公報に開示された組成物では、自己粘着
性がなく作業性に問題があり、高温での損失係数も低下
するという問題点が残されていた。そこで、我々は特開
平5−112697号公報で、常温で液状のエポキシ樹
脂と常温で固形のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂
と、カルボキシル基を含むアクリロニトリル共役ジエン
共重合ゴム、鱗片状無機充填剤、及び硬化剤を含む常温
で自己粘着性を有するエポキシ樹脂組成物を出願した。
しかし、材料内部における振動の吸収は、高温では不十
分である場合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
こうした課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発
明を完成するに至った。本発明は、自己粘着性を有し、
高温でも大きな損失係数を保持する制振材料組成物を提
供することを目的とする。すなわち、本発明は、少なく
とも一部ハロゲン化エポキシ樹脂を含む、液状エポキシ
樹脂と固形エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂、カルボ
キシル基含有アクリロニトリル・共役ジエンゴム、無機
充填剤および硬化剤を含む制振材料組成物である。前記
ハロゲン化エポキシ樹脂の配合量は、全エポキシ樹脂の
合計に対し20〜80重量%であることが好ましい。ま
た、前記制振材料組成物は自己粘着性を有することを特
徴とする。さらに、前記制振材料組成物は耐熱性を有す
ることを特徴とする。またさらに、前記制振材料組成物
はシート状に加工できることが好ましい。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0010】エポキシ樹脂としては、多価フェノール型
エポキシ樹脂、その他環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポ
キシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等がある。
【0011】本発明において使用されるエポキシ樹脂と
しては、多価フェノール型エポキシ樹脂が好ましく、多
価フェノール型エポキシ樹脂は多価フェノールとエピハ
ロヒドリンとから誘導される。特に、ビスフェノール型
エポキシ樹脂が好適であり、具体的には、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:ビスフェノール
A、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:
ビスフェノールAD、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン:ビスフェノールF等で例示される二価フェノー
ルとエピクロルヒドリンとから誘導されるエポキシ樹脂
が挙げられる。また、エポキシ当量が100〜3500
のものが好ましい。
【0012】本発明の制振材料組成物において使用する
エポキシ樹脂は、常温で液状のエポキシ樹脂と常温で固
形のエポキシ樹脂を含み、全エポキシ樹脂の20〜95
%をハロゲン化エポキシ樹脂に代えることができる。常
温で液状のエポキシ樹脂を少量使用することにより、組
成物は常温において可塑性および自己粘着性を有するよ
うになる。
【0013】常温で液状のエポキシ樹脂とは、上記のエ
ポキシ樹脂の中で低分子量のものであって、エポキシ当
量が150〜600程度のものをいう。また、常温で固
形のエポキシ樹脂とは、上記例示のエポキシ樹脂の中で
高分子量のもので、エポキシ当量が450以上のもの、
特に、450〜2500程度のものをいう。常温で液状
のエポキシ樹脂の含有量は、全エポキシ樹脂重量の少な
くとも1重量%以上であることが好ましく、5〜50重
量%であることがさらに好ましい。この理由は、液状エ
ポキシ樹脂の含有量があまりに少ないと、本発明の制振
材料組成物が自己粘着性を失うこと、また、含有量があ
まりに多いと、可塑性が失われ、施工性が低下するため
である。常温で固形のエポキシ樹脂の含有量は、全エポ
キシ樹脂重量の少なくとも50重量%以上であることが
好ましく、90〜60重量%であることがさらに好まし
い。この理由は、固形エポキシ樹脂の含有量があまりに
多いと、本発明の制振材料組成物が自己粘着性を失うこ
と、また含有量があまりに少ないと、可塑性が失われ施
工性が低下するためである。
【0014】ハロゲン化エポキシ樹脂とは、エポキシ基
が結合している骨格部分の水素が、ハロゲン原子で置換
されているエポキシ樹脂をいい、具体的には、フェノー
ル系のエポキシ樹脂、より具体的には、テトラハロビス
フェノールA等のハロゲン化物から誘導されたエポキシ
樹脂をいう。ハロゲン化ビスフェノールAは、ビスフェ
ノールAを臭素、塩素等を用いてハロゲン化して製造す
る。ハロゲン化に使用されるハロゲンとしては、臭素、
塩素が好ましく、特に、臭素が好ましい。金属部分に使
用する場合に、塩素では錆の出るおそれがあるためであ
る。
【0015】ハロゲン化エポキシ樹脂は、結晶性が高
く、作業性に問題があるため、通常は用途に対応したハ
ロゲン化率は、約18〜50%程度の製品が市販されて
おり、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂等に配合して
使用される。また、ハロゲン化率は、特に限定されない
が、高いほうが好ましい。
【0016】本発明において、エポキシ樹脂中に占める
ハロゲン化エポキシ樹脂の割合は、エポキシ樹脂全体の
20〜95重量%とすることができる。20〜90重量
%であることが、さらに好ましい。ハロゲン化エポキシ
樹脂をこの範囲とするのは、本発明の自己粘着性を保持
し、かつ良好な性能を発揮するためである。
【0017】本発明の制振材料組成物には、さらに、カ
ルボキシル基含有アクリロニトリル・共役ジエンゴム、
充填剤、硬化剤等が配合される。共重合ゴムは本発明の
組成物中において、エポキシ樹脂100重量部に対して
10〜100重量部、好ましくは15〜90重量部配合
される。この共重合ゴムはカルボキシル基を含有する
が、この官能基は加熱硬化の際にエポキシ樹脂のエポキ
シ基と反応してエポキシ樹脂鎖と結合し、その結果架橋
して剛直となった高分子鎖と柔軟なゴム鎖とが結合した
構造となり、後述する充填剤の配合と合わせて高温にお
ける制振効果を発揮する。
【0018】共重合ゴムのカルボキシル基含量は、0.
001〜0.3EPHR(ゴム100g当たりのCOO
H当量)であることが好ましく、特に、0.01〜0.
2EPHRであることが好ましい。カルボキシ含量があ
まりに多いと、ゴムとしての性質が失われ、また少ない
とエポキシ樹脂と共重合ゴムとの結合が少ないので、い
ずれの場合においても高温における制振効果が十分に発
揮されないためである。
【0019】共重合ゴムの構成成分である共役ジエンと
しては、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができ
るが、ブタジエンが好ましい。共重合ゴム中のアクリロ
ニトリル含量は18〜50重量%、好ましくは26〜3
4重量%である。また、共重合ゴムのムーニー粘土(M
l+4 、100℃)が25〜80、特には30〜70の
ものが好ましい。
【0020】このようなカルボキシル基含有アクリロニ
トリル・共役ジエン共重合ゴムは、公知の方法で製造で
きるし、また例えば宇部興産からCTBN、日本ゼオン
からNIPOL1072の商品名で市販されており、容
易に入手することができる。このような共重合ゴムは、
エポキシ樹脂100重量部に対して10〜100重量
部、好ましくは10〜90重量部配合する。共重合ゴム
の配合量が多すぎても、また少なすぎても十分な制振効
果が得られない。
【0021】充填材とは、微分砕の固体で、強度、弾性
率の性能、耐候性、難燃性等の耐久性、導電性、熱伝導
性等の機能に代表される物性の改良、流動性、収縮性等
の成型加工性の向上、あるいは増量、省資源といった経
済面の改善を目的として配合される各種形状の無機材料
をいう。充填剤の形状は、全く不規則な構造の塊から、
球状、多面体状、針状の結晶構造をとるものまである。
本発明においては、化合物に物理的強度を与え制振性を
保つために用いられ、マイカ、フェライト、グラファイ
ト、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、タルク等の無機充
填剤が好ましく、特に、アスペクト比の大きい鱗片状の
マイカ、グラファイト等が好ましい。配合量は、エポキ
シ樹脂の合計を100重量部としたときに、10〜50
0重量部であることが好ましく、特に50〜300重量
部の範囲が好ましい。
【0022】硬化剤とは、液状エポキシ樹脂および固形
エポキシ樹脂を硬化させるために添加される化合物をい
い、種々の硬化剤が知られている。エポキシ樹脂の硬化
反応点は、液状エポキシ樹脂では主としてエポキシ基、
固形エポキシ樹脂ではエポキシ基とヒドロキシル基であ
る。硬化剤としては、触媒性硬化剤と多官能性(共役反
応性)硬化剤の2種類があり、それぞれの硬化反応点で
反応する。
【0023】触媒性硬化剤は、樹脂のエポキシ基の重合
を開始するもので、ルイス酸、ルイス塩基を用いるとカ
チオンまたはアニオン機構により重合が進行し、樹脂が
硬化する。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素−アミン
錯体、三塩化ホウ素−エーテル錯体等がよく用いられ
る。ルイス塩基としては、第三級アミンやポリアミンが
よく使用され、エポキシ基との反応により第四級アミン
となる。
【0024】共役反応性硬化剤(架橋剤)は、活性水素
を有する多官能性試剤であり、エポキシ樹脂と当量用い
られる。これに属する硬化剤としては、ポリアミン、ポ
リアミンと脂肪酸ダイマーから作られるポリアミノアミ
ド、ポリフェノール、ポリチオール、ポリカルボン酸、
酸無水物などが挙げられる。ポリアミンは、脂肪族アミ
ン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環式アミン類が
含まれる。
【0025】本発明においては、硬化温度が140〜1
60℃であるので、これに適した硬化剤を適宜選択す
る。潜在性硬化剤であるジシアンアミド、脂肪族酸無水
物であるポリアジピン酸無水物等が好ましい。硬化剤の
使用量は、硬化剤の種類に応じて適切に決定するが、ジ
シアンアミドの場合、エポキシ樹脂100重量部に対し
て5〜15重量部を添加する。
【0026】本発明の硬化剤は硬化促進剤を含んでもよ
く、硬化促進剤とは、反応系内に添加することによっ
て、硬化反応を促進する物質をいう。2−メチルイミダ
ゾール、アジン化合物等のイミダゾール類、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三
アミン類、ジメチルウレア等を挙げることができ、特に
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル
ウレア等が好ましい。その理由は、硬化温度を満たす為
である。また、配合量は、1〜5重量%であることが好
ましく、特に、硬化物の物性の面から、1.5〜3の範
囲が好ましい。
【0027】本発明の組成物の製造方法は、これらの化
合物を任意の順序で添加して本発明の組成物を調製する
ことができる。この際、ニーダー、バンバリーミキサー
等の混合機を使用することもできるが、オープンロール
等のロールを用いた場合には、共重合ゴムの素練りを行
った後に、エポキシ樹脂を配合して共重合ゴムおよびエ
ポキシ樹脂を均一に分散させる。この後、充填剤を配合
し、さらに適宜選択した硬化剤、硬化促進剤を配合す
る。組成物の形状は特に限定されないが、組成物をロー
ル等を用いて数mm厚のシートの状態とすると、自動車
用オイルパン等の構造体に貼着して制振材料として用い
るのに好適である。また、このシートの表面に0.27
mm厚の鋼板を貼着した拘束形とすることもできる。
【0028】このように調整された組成物は、自己粘着
性を有するので、対象となる部材、例えば、自動車のオ
イルオパン、ロッカーアームカバー、シリンダーブロッ
ク、マニュホールド等へ常温で被着させることができ
る。被着に際しては、人間の手作業によっても行うこと
ができるが、ロール、プレスなどの装置を使用しておこ
なうことができる。そして、可使時間を十分に長く取る
ことができるので、複雑な形状のものにも入念に被着さ
せる作業を行うことができる。被着させる場合、組成物
の厚さはその制振効果を発揮させるように被着体の材質
および被着体の厚さから最も好ましい値を選択する。例
えば、被着体が鋼板の場合、鋼板の厚さの1〜1.25
倍程度が好ましい。
【0029】対象となる部材に組成物を被着させた後、
組成物を硬化させることによって、部材に密着した制振
材料が形成される。通常、硬化反応は、加熱することに
よって行われるが、その際、オーブン、熱風炉などの装
置を用いる。加熱温度は、硬化剤の種類にもよるが、通
常140℃〜160℃である。
【0030】以上のようにして制振材料が形成された部
材は、優れた制振性を示す。
【0031】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明は、これらに限られるものではない。
【0032】(製造例)表1および2に示した液状エポ
キシ樹脂と、固形状エポキシ樹脂および臭素化エポキシ
樹脂を、表1に示す組成で他の化合物とともに混合し試
験片を作成した。液状エポキシ樹脂としては、平均分子
量約380のスミエポキシELA128(住友化学
(株)社製)を、固形状エポキシ樹脂としては平均分子
量約900のEPICLON1050(大日本インキ化
学(株)社製)を、臭素化エポキシ樹脂としては平均分
子量680の常温で固形のESB340、平均分子量8
00の同400、平均分子量1000の同500を、共
重合ゴムとしてはNIPOL1072(日本ゼオン
(株)社製)、充填剤としてはスゾライト・マイカ40
S(重量平均アスペクト比=90、クラレ(株)社
製)、硬化剤としてはDICY15(油化シェル・エポ
キシ(株)社製)、硬化促進剤としてはカーメックスD
(デュポン(株)社製)をそれぞれ使用した。
【0033】(本発明例1〜6、比較例1)オープンロ
ールを用いて表1および2に示す割合で、エポキシ樹
脂、共重合ゴム、充填剤、硬化剤および硬化促進剤を配
合し、制振材料組成物調製し、以下の測定を行って表1
および2に示した。
【0034】(制振特性の測定) (1)非拘束形試験用試験片 幅11mm,長さ250mm、厚さ1.6mmの鋼板に
上記のように調製した厚み2mmの未硬化のシートを被
着させ、150℃、30分で硬化させ、鋼板に制振材料
を貼着した測定用試料を作成した。この試料を用いて、
材料技術vol.2,No.6,238頁に記載される
一端固定、強制振動共振法により、80℃、100℃、
120℃の損失係数η−comb(非拘束形)を求め
た。 (2)拘束形試験用試験片 幅11mm,長さ250mm、厚さ1.6mmの鋼板に
上記のように調製した厚み2mmの未硬化のシートを被
着させ、さらに上記鋼板と同じ大きさの鋼板を重ねて1
50℃、30分で硬化させ、鋼板に拘束形の制振材料を
貼着した測定用試料を作成した。この試料を用いて、材
料技術vol.2,No.6,238頁に記載される一
端固定、強制振動共振法により、80℃、100℃、1
20℃の損失係数η−comb(拘束形)を求めた。
【0035】具体的には、試験片の一端50mmを固定
し、自由端より電磁加振器にて加振し、試験片の変異を
ピックアップし、高速度レベルレコーダで周波数を−d
B曲線を描かせ、共振点f0 とf0 より3dB下がった
点f1 とf2 から半値幅を測定して下式により損失係数
を求めた。 η=△f/f0 (△f=f2 −f1 ) ηが大きいことは制振性能にすぐれることを意味する。
結果を表1および表2に示す。
【0036】(自己粘着性の測定)自己粘着性試験は、
以下のように行った。鋼板に、当該自己粘着性シートを
ロールを用いて密着させる。この鋼板を、硬化剤条件で
ある140℃〜160℃に設定したオーブン中に挿入
し、当該シートを下向き、および垂直方向にして固定
し、硬化処理中および硬化処理後のシートと鋼板との接
着性を目視で評価した。液状エポキシ樹脂のみをエポキ
シ樹脂として使用した場合には、シートにずれ下がりが
見られたが、固形エポキシ樹脂と併用した場合には、シ
ートにずれ下がりが見られなかった。
【0037】比較例1は、ハロゲン化エポキシ樹脂を全
く含まない制振材料組成物であり、非拘束形のη−co
mbは0.08、拘束形のη−combは0.10であ
った。本発明例1〜3は、固形エポキシ樹脂を全量臭素
化エポキシ樹脂とした場合である。使用した臭素化エポ
キシ樹脂は臭素化率が異なるものを用いた。全エポキシ
樹脂に対する臭素化率は、45%または20%であっ
た。臭素化率20%の本発明例3においては、非拘束形
のη−combは0.11、拘束形のη−combは
0.15と比較例1より大きく、臭素化率のさらに高い
本発明例1および2では、非拘束形のη−combはそ
れぞれ0.14および0.13、拘束形のη−comb
は0.19および0.18と比較例1より1.6倍以上
高い値を示した。以上より、エポキシ樹脂中のハロゲン
化率とη−combの値とは正の相関関係を有している
ことが示された。
【0038】本発明例4〜6では、固形エポキシ樹脂の
うち50%を臭素化エポキシ樹脂とした場合の制振特性
を調べた。臭素化率が10%と低い本発明例6では、非
拘束形のη−combは0.09、拘束形のη−com
bは0.12であった。本発明例4および5では、臭素
化率は23%であるが、非拘束形のη−combはそれ
ぞれ0.12および0.10、拘束形のη−combは
0.16および0.14と臭素化エポキシ樹脂を配合し
た制振材料組成物でη−combの値が大きくなってい
た。
【0039】全くハロゲン化エポキシ樹脂を含まない比
較例1に比べて、ハロゲン化率が高くなると非拘束形お
よび拘束形のη−combの値が高くなり、制振特性が
改善されていることが本発明例4および5に示された。
固形エポキシ樹脂に臭素化エポキシ樹脂を配合すること
によって制振特性が改善される理由としては、ビスフェ
ノールAのアリル基に大きな置換基を導入することによ
って、ここで振動が吸収されていると考えられる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明は、液状エポキシ樹脂、固形エポ
キシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、ゴムおよび硬化剤
を含む制振材料組成物であって、常温以上の温度領域で
も自己粘着性を有し、シート状に成型が可能な組成物で
ある。ハロゲン化エポキシ樹脂の配合量が多くなると、
η−combの値が大きくなり、制振特性が改善され
る。本発明の制振材料組成物は、自動車のオイルパン、
ロッカーアームカバー、シリンダーブロック、マニュホ
ールド等のように常時高温となる部位に使用することが
できる。また、本発明の制振材料組成物は、自己粘着性
を有するので上記のような常時高温となる部位に加圧圧
着させ、そのまま加熱することによって硬化させる事が
可能である。さらに、金属と加圧圧着させる場合には、
ハロゲン化エポキシ樹脂に含まれるハロゲンを臭素にす
ることによって錆を防止することも可能である。本発明
の制振材料組成物は、上記のように必要な部位に加圧圧
着させて、振動を吸収して振動の伝搬を減衰させ、例え
ば、自動車に使用した場合には、車内および車外の環境
を改善することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部ハロゲン化エポキシ樹脂を
    含む、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂からなるエ
    ポキシ樹脂、カルボキシル基含有アクリロニトリル・共
    役ジエンゴム、無機充填剤および硬化剤を含む制振材料
    組成物。
  2. 【請求項2】前記ハロゲン化エポキシ樹脂が全エポキシ
    樹脂の合計に対し20〜95重量%である請求項1に記
    載の制振材料組成物。
  3. 【請求項3】前記制振材料組成物が自己粘着性を有する
    請求項1または2に記載の制振材料組成物。
  4. 【請求項4】前記制振材料組成物が耐熱性を有する請求
    項1ないし3のいずれかに記載の制振材料組成物。
  5. 【請求項5】前記制振材料組成物の形状がシート状であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の制振材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101423804B1 (ko) * 2007-01-05 2014-07-25 도요타 지도샤(주) 2 액형 상온 경화 도포형 제진 도료 조성물
JP2015127087A (ja) * 2013-12-27 2015-07-09 光洋機械産業株式会社 工作機械用プレート及びこれを用いた加工方法

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