JPH07126309A - 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 - Google Patents

溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法

Info

Publication number
JPH07126309A
JPH07126309A JP27679193A JP27679193A JPH07126309A JP H07126309 A JPH07126309 A JP H07126309A JP 27679193 A JP27679193 A JP 27679193A JP 27679193 A JP27679193 A JP 27679193A JP H07126309 A JPH07126309 A JP H07126309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
polymerization
solvent
initiator
acrylic pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27679193A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Nakayama
勝 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP27679193A priority Critical patent/JPH07126309A/ja
Publication of JPH07126309A publication Critical patent/JPH07126309A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温における凝集力と低速剥離強度のバラン
スに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を製造する。 【構成】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分とするビニル系モノマー及び溶剤を含有するモノマー
溶液に重合開始剤を投入して重合させるアクリル系粘着
剤の製造方法において、重合溶液中の開始剤の分解によ
る1次ラジカル濃度が1×10-5〜4×10-4mol/
lとなるように重合開始剤を連続滴下投入してモノマー
を沸点重合させることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶剤型アクリル系粘着
剤の製造方法に関するものであり、特に、高温下におけ
る凝集力と低速剥離強度とのバランスに優れた溶剤型ア
クリル系粘着剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル系粘着剤は、耐候性、耐油性に
優れているため、粘着テープや粘着シートにおいて幅広
く用いられている。アクリル系粘着剤を製造する方法と
しては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などが知られて
おり、粘着剤の用途によって使い分けられている。中で
も溶液重合は、耐久レベルの厳しい高性能分野向けのア
クリル系粘着剤の製造方法として多く利用されている。
溶液重合法により製造されたアクリル系粘着剤は、溶剤
型アクリル系粘着剤と一般に呼ばれている。
【0003】また、溶剤型アクリル系粘着剤の製造にお
いては、連続式と回分式とがあるが、アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分とするモノマーを適当な溶剤に一括
して仕込み、過酸化物やアゾ化合物等の重合開始剤を用
いて重合し反応を完結する回分式が一般的である。
【0004】ところで、反応を開始させる重合開始剤
は、分解によりラジカルを発生するが、重合開始剤の種
類によって活性温度が異なるので、適当な使用温度が存
在する。従って、重合溶液を沸点下で重合する沸点重合
の際には、反応の暴走を起こさない程度に重合開始剤を
適当な回数に分割して投入する方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の製造方法では、重合中に発生するラジカル濃
度が広い範囲で変化することになり、生成されたポリマ
ーの分子量分布がブロードになり、粘着剤として用いた
場合、高温下における凝集力の低下を引き起こす原因と
なっていた。
【0006】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、分子量分布がシャープなポリマーを製造する
ことにより、高温下における凝集力と低速剥離強度との
バランスに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を製造する方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビ
ニル系モノマー、及び溶剤を含有する重合溶液に重合開
始剤を投入して重合させるアクリル系粘着剤の製造方法
であり、重合開始剤を、重合溶液中の開始剤の分解によ
る1次ラジカル濃度が1×10-5〜4×10-4(mol
/l)となるように連続滴下投入してモノマーを沸点重
合することを特徴としている。
【0008】本発明において用いられる(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜14、好ま
しくは炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルが用いられる。このような
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好ましい例とし
ては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、などがある。その他、アクリル系粘着剤の
凝集力を高めるために、これらのアクリル酸アルキルエ
ステルと共重合させるモノマーとして、(メタ)アクリ
ル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどを使用するこ
とができる。これらのモノマーの種類、割合はアクリル
系粘着剤の使用目的によって決定される。
【0009】また溶剤としては、酢酸エチル、トルエ
ン、ヘキサン、アセトン、イソプロパノールなど多種の
溶剤が使用可能であるが、好ましくは連鎖移動性の小さ
い酢酸エチルが用いられる。
【0010】本発明では、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルと溶剤の混合溶液の沸点下で重合を進行させ
る。この重合方法は、一般に沸点重合と呼ばれている。
沸点重合は、文字通り沸点下で重合を行う方法であり、
発生した重合熱を溶剤及びモノマーの還流で除去するも
のであり、温度制御を必要とせず、温度制御した重合法
より簡便な方法である。
【0011】重合開始剤としては、従来より溶剤型アク
リル系粘着剤の製造に際し用いられている、過酸化物や
アゾ化合物等を用いることができる。
【0012】本発明においては、ビニル系モノマー及び
溶剤が含有される重合溶液中の開始剤の分解による1次
ラジカル濃度が1×10-5〜4×10-4(mol/l)
となるように重合開始剤が連続滴下投入される。重合溶
液中の1次ラジカル濃度が1×10-5mol/l未満で
あると、重合速度が遅くなり、生産性が劣ると共に、得
られるポリマーの分子量が高くなり過ぎる傾向にある。
逆に、1次ラジカル濃度が4×10-4mol/lを超え
ると、重合速度が速くなり、重合熱の除去に限界がある
ため、溶剤及びモノマー蒸気が反応容器外部に放出され
危険であると共に、得られるポリマーの分子量が小さく
なり過ぎる傾向にある。
【0013】このような1次ラジカル濃度は、計算によ
って求めることができる。分解する開始剤量をx、分解
速度定数をk、時間をt、開始剤初期濃度をaとする
と、 dx/dt=k(a−x) ∴1n{a/(a−x)}=kt 半減期t1/2 とx=a/2を代入して、分解開始剤量す
なわち1次ラジカル濃度を計算することができる。
【0014】本発明において、重合開始剤の連続投入と
は、重合開始剤を滴下ロート等から間断なく投入する方
法を意味している。連続滴下投入する時間については特
に限定されるものではないが、転化率80%以上になる
まで連続滴下投入することが好ましい。
【0015】
【作用】本発明の製造方法では、重合溶液中の開始剤の
分解による1次ラジカル濃度が1×10-5〜4×10-4
mol/lとなるように重合開始剤を連続滴下投入して
モノマーを沸点重合させている。本発明に従えば、1次
ラジカル濃度が常に適当な範囲内に保たれているため、
生成するポリマーの分子量分布をシャープにすることが
できるものと考えられる。このため、得られたポリマー
を粘着剤として用い、高温での凝集力と低速剥離強度と
のバランスに優れた粘着剤とすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0017】実施例1 還流冷却器、攪拌機、温度計、及び滴下ロートが設置さ
れたフラスコの中にn−ブチルアクリレート95重量
部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤としてのラウリル
メルカプタン0.02重量部及び溶剤としての酢酸エチ
ル81.8重量部を、合計1kgとなるように仕込み、
攪拌することにより溶解させた。しかる後、この溶液を
昇温し、10分間還流し、溶液中の溶存酸素を除去し
た。
【0018】次に、還流している上記溶液にACHN
(アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル;10時間半
減期温度=88℃)の酢酸エチル希釈溶液(ACHN
0.1重量部及び酢酸エチル18.2重量部を混合した
もの)を連続滴下し、重合反応を開始させた。連続滴下
の時間は5時間で、5時間かけてACHNの全量を滴下
できるように単位時間あたり一定量を滴下した。また重
合反応は常に沸点下で行い、反応時間は10時間とし
た。重合中における1次ラジカル量の経時変化を図1に
示す。
【0019】上記のようにして得られたポリマー溶液に
架橋剤としてアジリジン化合物(相互薬工社製、商品
名;HDU)を0.1重量部添加し、攪拌することによ
りアクリル系粘着剤を調製した。このアクリル系粘着剤
をコロナ放電処理した厚み38μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に乾燥後の粘着剤層の厚みが25
μmとなるように塗工し、オーブンで5分間乾燥するこ
とにより、粘着シートを作製した。
【0020】実施例2 重合開始剤として、ACHN0.1重量部の代わりにパ
ーヘキサTMH(p−TMH)(商品名、日本油脂社
製、1,1−ビス(1,1−ジメチルブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、10時間
半減期温度=87℃)0.15重量部を用いたことを除
いては、実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤を調
製し、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。な
お、重合時における1次ラジカル量の経時変化を図2に
示す。
【0021】比較例1 n−ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量
部、連鎖移動剤としてのラウリルメルカプタン0.02
重量部及び溶剤としての酢酸エチル81.8重量部を、
合計1kgとなるように仕込み、攪拌することにより溶
解させた。次に、この溶液を昇温し、10分間還流させ
て溶液中の溶存酸素を除去し、しかる後、過酸化ベンゾ
イル(BPO)0.01重量部と酢酸エチル3.0重量
部とを混合したものを投入し、重合反応を開始させた。
還流下で1時間反応させた後、さらに過酸化ベンゾイル
0.02重量部と酢酸エチル3.0重量部とを混合した
ものを投入、また、さらに2時間経った後、過酸化ベン
ゾイル0.1重量部と酢酸エチル3.0重量部とを混合
したものを投入し、反応開始から10時間で反応を終了
させた。重合時における1次ラジカル量の経時変化を図
3に示す。
【0022】上記のようにして得たポリマー溶液に実施
例1と同様にしてHDUを添加し、アクリル系粘着剤を
調製し、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0023】比較例2 重合開始剤としての、1回目の過酸化ベンゾイル0.0
1重量部をAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)
0.005重量部に、2回目の過酸化ベンゾイル0.0
2重量部をAIBN0.01重量部に、3回目の過酸化
ベンゾイル0.1重量部をAIBN0.1重量部に代え
たことを除いては比較例1と同様にして、アクリル系粘
着剤を調製し、実施例1と同様にして粘着シートを作製
した。なお、重合時における1次ラジカル量の経時変化
を図4に示す。
【0024】以上の実施例1,2及び比較例1,2の配
合割合及び開始剤投入方法等を表1にまとめて示す。
【0025】
【表1】
【0026】評価 実施例1,2及び比較例1,2で得た粘着剤組成物をテ
トラヒドロフランに浸漬し、ゲル分率を測定した。その
結果を表2に示す。
【0027】また、実施例1,2及び比較例1,2で得
た粘着シートにつき、120℃でのステンレス板に対す
る90°剥離保持力(定荷重を加えた場合の90°剥離
強度)並びに剪断保持力を下記の要領で測定した。結果
を表2に示す。 ・90°剥離保持力…幅20mmの粘着シートをステン
レス板に貼り合わせ、粘着シートを下側として水平に保
ち、粘着シートの一端に100gの懸垂荷重をかけ、所
定の温度にて1時間あたりに剥離した距離を測定し、低
速剥離強度の目安としての90°剥離保持力とした。 ・剪断保持力…ステンレス板に20mm×20mmの面
積で粘着シートを貼り付け、1kgの荷重をかけて1時
間後の粘着シートのズレの長さを測定した。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなように、本発明に従う実
施例1及び2のアクリルポリマーの分子量分布は、比較
例1及び2のアクリルポリマーの分子量分布に比べシャ
ープになっている。また得られたポリマーを用いて作製
した粘着シートを比較すると、実施例1及び2による粘
着シートは、比較例1及び2のものに比べ、ステンレス
板に対する90°剥離保持力、剪断保持力のいずれにお
いても剥がれた距離がかなり小さく、またズレの距離も
短くなっている。
【0030】
【発明の効果】本発明に従い、重合溶液中の開始剤の分
解による1次ラジカル濃度を1×10 -5〜4×10-4
ol/lとなるように重合開始剤を連続滴下投入して沸
点重合することにより、得られるポリマーの分子量分布
をシャープなものにすることができ、高温における凝集
力と低速剥離強度のバランスに優れた溶剤型アクリル系
粘着剤を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例1における重合中の1次ラ
ジカル量の経時変化を示す図。
【図2】本発明に従う実施例2における重合中の1次ラ
ジカル量の経時変化を示す図。
【図3】比較例1における重合中の1次ラジカル量の経
時変化を示す図。
【図4】比較例2における重合中の1次ラジカル量の経
時変化を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを
    主成分とするビニル系モノマー、及び溶剤を含有する重
    合溶液に重合開始剤を投入して重合させるアクリル系粘
    着剤の製造方法において、 前記重合開始剤を、重合溶液中の開始剤の分解による1
    次ラジカル濃度が1×10-5〜4×10-4(mol/
    l)となるように連続滴下投入して前記モノマーを沸点
    重合することを特徴とする溶剤型アクリル系粘着剤の製
    造方法。
JP27679193A 1993-11-05 1993-11-05 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 Pending JPH07126309A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27679193A JPH07126309A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27679193A JPH07126309A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07126309A true JPH07126309A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17574430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27679193A Pending JPH07126309A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07126309A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008508410A (ja) * 2004-08-04 2008-03-21 エボニック ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エチレン性不飽和化合物のラジカル重合法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008508410A (ja) * 2004-08-04 2008-03-21 エボニック ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エチレン性不飽和化合物のラジカル重合法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7968661B2 (en) Method of free radically polymerizing vinyl monomers
JP5032498B2 (ja) ビニルモノマーのフリーラジカル重合方法
JP5049426B2 (ja) アクリル系粘着剤の製造法
TWI673289B (zh) 可紫外線固化丙烯酸共聚物
CN103687921B (zh) 包含可辐射交联的聚(甲基)丙烯酸酯和含有非丙烯酸c-c双键的低聚(甲基)丙烯酸酯的热熔性粘合剂
JP3272122B2 (ja) 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法
WO2015163321A1 (ja) ブロックポリマ
Sato et al. Synthesis and radical polymerization of ethyl α‐acetoacetoxymethylacrylate
JP2642263B2 (ja) 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法
CN101538345A (zh) 树枝状高支化聚合物、制备方法及用途
JPH07126309A (ja) 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法
JPH024632B2 (ja)
JPH06166858A (ja) 感圧接着剤とその接着シ―ト類
JP2002069412A (ja) 反応型ホツトメルト粘着剤組成物およびその粘着シ―トならびにこれらの製造方法
JPS60169490A (ja) アルケニルアシロキシシラン、その製造法および該化合物を含有する接着剤
JPS581712B2 (ja) 塩ビ用感圧接着剤組成物
JPS6312501B2 (ja)
JP6839950B2 (ja) アクリル系ポリマーの製造方法
JP3105695B2 (ja) 剥離剤
JP3043548B2 (ja) 剥離剤
JPH02196880A (ja) 粘着剤組成物
JPH0770519A (ja) 人工爪の接着法
CN117987043A (zh) 丙烯酸酯胶黏剂及其制备方法
TW202039590A (zh) 潛伏催化劑
JPH0574634B2 (ja)