JP2642263B2 - 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 - Google Patents
溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法Info
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- JP2642263B2 JP2642263B2 JP3272463A JP27246391A JP2642263B2 JP 2642263 B2 JP2642263 B2 JP 2642263B2 JP 3272463 A JP3272463 A JP 3272463A JP 27246391 A JP27246391 A JP 27246391A JP 2642263 B2 JP2642263 B2 JP 2642263B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイソシアネート化
合物により架橋される溶剤型アクリル系粘着剤の製造方
法に関し、特に、優れた曲面接着性を示し、かつ高温下
における凝集力と低速剥離強度とのバランスに優れた溶
剤型アクリル系粘着剤の製造方法に関する。
合物により架橋される溶剤型アクリル系粘着剤の製造方
法に関し、特に、優れた曲面接着性を示し、かつ高温下
における凝集力と低速剥離強度とのバランスに優れた溶
剤型アクリル系粘着剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶剤型アクリル系粘着剤、特に架橋型の
アクリル系粘着剤は、粘着力及び凝集力等の粘着特性
や、耐候性及び耐油性に優れているため、粘着テープや
粘着シートにおいて幅広く用いられている。上記架橋型
のアクリル系粘着剤に用いられる架橋剤としては、特性
に優れたポリイソシアネート化合物が広く用いられてい
る。ポリイソシアネート化合物を架橋剤として使用する
場合には、耐熱性を高めるために、アクリル系粘着剤の
製造に際し、アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル
基含有モノマーの他に、ヒドロキシエチルメタクリレー
トまたはヒドロキシエチルアクリレートのような−OH
基含有モノマーを共重合することが多い。この種の溶剤
型アクリル系粘着剤の製造に際しては、上記各モノマー
を適当な溶剤に一括して仕込み、過酸化物やアゾ化合物
等の重合開始剤を用いて熱重合する。
アクリル系粘着剤は、粘着力及び凝集力等の粘着特性
や、耐候性及び耐油性に優れているため、粘着テープや
粘着シートにおいて幅広く用いられている。上記架橋型
のアクリル系粘着剤に用いられる架橋剤としては、特性
に優れたポリイソシアネート化合物が広く用いられてい
る。ポリイソシアネート化合物を架橋剤として使用する
場合には、耐熱性を高めるために、アクリル系粘着剤の
製造に際し、アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル
基含有モノマーの他に、ヒドロキシエチルメタクリレー
トまたはヒドロキシエチルアクリレートのような−OH
基含有モノマーを共重合することが多い。この種の溶剤
型アクリル系粘着剤の製造に際しては、上記各モノマー
を適当な溶剤に一括して仕込み、過酸化物やアゾ化合物
等の重合開始剤を用いて熱重合する。
【0003】ところで、架橋起点を構成するための−O
H基含有モノマーと、ベースとなる主モノマー、すなわ
ち(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは他の重合
性ビニルモノマーとの重合反応性はかなり異なる。従っ
て、上記のような重合法を用いて溶剤型アクリル系粘着
剤を調製した場合、生成されたポリマー中に−OH基含
有モノマーが均一に分布され難かった。特に、重合反応
の初期に−OH基含有モノマーが消費されてしまった場
合には、反応後期に生成されるポリマー中には架橋起点
を構成するための−OH基含有モノマーが存在しないこ
とになるおそれがあり、その結果、曲面接着性や低速剥
離強度の劣化、特に高温下における低速剥離強度の劣化
を引き起こす原因となっていた。
H基含有モノマーと、ベースとなる主モノマー、すなわ
ち(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは他の重合
性ビニルモノマーとの重合反応性はかなり異なる。従っ
て、上記のような重合法を用いて溶剤型アクリル系粘着
剤を調製した場合、生成されたポリマー中に−OH基含
有モノマーが均一に分布され難かった。特に、重合反応
の初期に−OH基含有モノマーが消費されてしまった場
合には、反応後期に生成されるポリマー中には架橋起点
を構成するための−OH基含有モノマーが存在しないこ
とになるおそれがあり、その結果、曲面接着性や低速剥
離強度の劣化、特に高温下における低速剥離強度の劣化
を引き起こす原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法の問題点を解決
するものであり、その目的とするところは、曲面接着性
に優れ、かつ高温下における凝集力と低速剥離強度との
バランスに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を製造する方
法を提供することにある。
来の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法の問題点を解決
するものであり、その目的とするところは、曲面接着性
に優れ、かつ高温下における凝集力と低速剥離強度との
バランスに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を製造する方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の溶剤型アクリル
系粘着剤の製造方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル52〜97重量%と、極性モノマー3〜15重量
%と、−OH基含有モノマー0.05〜3重量%と、こ
れ等のモノマーと共重合可能な他のモノマー0〜30重
量%とを重合してなり、かつポリイソシアネート化合物
により架橋されるアクリル系粘着剤の製造方法におい
て、架橋起点となる上記−OH基含有モノマーの全部又
は一部を残してそれ以外のモノマーを一括して仕込み重
合反応を行い、この重合開始後から重合完了前の間に、
架橋起点となる残りの上記−OH基含有モノマーを分割
または連続投入して全てのモノマーを重合することを特
徴とする、溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法である。
系粘着剤の製造方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル52〜97重量%と、極性モノマー3〜15重量
%と、−OH基含有モノマー0.05〜3重量%と、こ
れ等のモノマーと共重合可能な他のモノマー0〜30重
量%とを重合してなり、かつポリイソシアネート化合物
により架橋されるアクリル系粘着剤の製造方法におい
て、架橋起点となる上記−OH基含有モノマーの全部又
は一部を残してそれ以外のモノマーを一括して仕込み重
合反応を行い、この重合開始後から重合完了前の間に、
架橋起点となる残りの上記−OH基含有モノマーを分割
または連続投入して全てのモノマーを重合することを特
徴とする、溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法である。
【0006】すなわち、本発明は、−OH基含有モノマ
ーの主モノマーとの重合反応性の差異に着目し、−OH
基含有モノマーを重合に際して分割または連続投入して
重合を行うことによって生成されるポリマー中に−OH
基含有モノマーを均一に存在させて上記課題を達成する
ものである。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、炭素数が1〜14、好ましくは炭素数が4〜
12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステルが用いられる。このような(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの好ましい例としては、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソ
ノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ーの主モノマーとの重合反応性の差異に着目し、−OH
基含有モノマーを重合に際して分割または連続投入して
重合を行うことによって生成されるポリマー中に−OH
基含有モノマーを均一に存在させて上記課題を達成する
ものである。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、炭素数が1〜14、好ましくは炭素数が4〜
12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステルが用いられる。このような(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの好ましい例としては、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソ
ノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0007】また、上記極性モノマーとしては、(メ
タ)アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、N−置換アクルア
ミド、N−ビニルピロリドン、N−メチロールアクルア
ミド等が用いられる。架橋起点を構成するための−OH
基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトン付加物
またはエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
タ)アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、N−置換アクルア
ミド、N−ビニルピロリドン、N−メチロールアクルア
ミド等が用いられる。架橋起点を構成するための−OH
基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトン付加物
またはエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0008】本発明における共重合可能な他のモノマー
としては、エチレン性不飽和基含有モノマーを共重合さ
せることができ、それによってアクリル系粘着剤組成物
の凝集力をより一層高めることができる。使用し得るエ
チレン性不飽和基含有モノマーとしては、例えば、酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル及びスチレン等を挙げることができる。もっとも、エ
チレン性不飽和基含有モノマーの共重合割合が高くなる
と粘着性が損なわれるため、上記エチレン性不飽和基含
有モノマーの共重合割合は30重量%以下とすることが
必要である。
としては、エチレン性不飽和基含有モノマーを共重合さ
せることができ、それによってアクリル系粘着剤組成物
の凝集力をより一層高めることができる。使用し得るエ
チレン性不飽和基含有モノマーとしては、例えば、酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル及びスチレン等を挙げることができる。もっとも、エ
チレン性不飽和基含有モノマーの共重合割合が高くなる
と粘着性が損なわれるため、上記エチレン性不飽和基含
有モノマーの共重合割合は30重量%以下とすることが
必要である。
【0009】本発明の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方
法において、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、極性モノマー及び−OH基含有モノマーが、上記特
定の割合で用いられるが、この(メタ)アクリル酸アル
キルエステル、極性モノマー及び−OH基含有モノマー
の配合割合、及びポリイソシアネート化合物による架橋
は、従来より公知の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法
の場合と同様である。本発明の特徴は、架橋起点となる
上記−OH基含有モノマーの全部又は一部を残してそれ
以外のモノマーを一括して仕込み重合反応を行い、この
重合開始後から重合完了前の間に、架橋起点となる残り
の上記−OH基含有モノマーを分割または連続投入して
全てのモノマーを重合することにあるが、このような新
規な要件と、上記各モノマーの組合わせ、その含有量及
びポリイソシアネート化合物による架橋との有機的な結
合によって、本発明の目的が達成されるものである。
法において、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、極性モノマー及び−OH基含有モノマーが、上記特
定の割合で用いられるが、この(メタ)アクリル酸アル
キルエステル、極性モノマー及び−OH基含有モノマー
の配合割合、及びポリイソシアネート化合物による架橋
は、従来より公知の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法
の場合と同様である。本発明の特徴は、架橋起点となる
上記−OH基含有モノマーの全部又は一部を残してそれ
以外のモノマーを一括して仕込み重合反応を行い、この
重合開始後から重合完了前の間に、架橋起点となる残り
の上記−OH基含有モノマーを分割または連続投入して
全てのモノマーを重合することにあるが、このような新
規な要件と、上記各モノマーの組合わせ、その含有量及
びポリイソシアネート化合物による架橋との有機的な結
合によって、本発明の目的が達成されるものである。
【0010】−OH基含有モノマーを重合に際し分割ま
たは連続投入する方法としては、−OH基含有モノマ
ーの全部を残してそれ以外のモノマーを一括して仕込
み、重合開始後に、−OH基含有モノマーの全部を複数
回に分けて重合系に投入する方法、−OH基含有モノ
マーの一部を残してそれ以外のモノマーを一括して仕込
み重合を開始し、しかる後残りの−OH基含有モノマー
を一度にあるいは複数回に分けて重合系に投入する方
法、−OH基含有モノマーの全部を残してそれ以外の
モノマーを一括して仕込み、−OH基含有モノマーの全
部を重合開始後から重合完了前の間に、滴下ロート等を
用いて重合系に連続的に投入する方法等が用いられる。
たは連続投入する方法としては、−OH基含有モノマ
ーの全部を残してそれ以外のモノマーを一括して仕込
み、重合開始後に、−OH基含有モノマーの全部を複数
回に分けて重合系に投入する方法、−OH基含有モノ
マーの一部を残してそれ以外のモノマーを一括して仕込
み重合を開始し、しかる後残りの−OH基含有モノマー
を一度にあるいは複数回に分けて重合系に投入する方
法、−OH基含有モノマーの全部を残してそれ以外の
モノマーを一括して仕込み、−OH基含有モノマーの全
部を重合開始後から重合完了前の間に、滴下ロート等を
用いて重合系に連続的に投入する方法等が用いられる。
【0011】要するに、本発明において、分割投入なる
表現は、−OH基含有モノマーを少なくとも2回に分け
て投入することを意味し、他方、連続投入とは、−OH
基含有モノマーを滴下ロート等から間断なく投入する方
法を意味する。また、本発明の溶剤型アクリル系粘着剤
の製造に際しては、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、極性モノマー及び−OH基含有モノマー以外
に、所定量の重合開始剤が用いられる。重合開始剤とし
ては、従来より溶剤型アクリル系粘着剤の製造に際し慣
用されている、過酸化ベンゾイル等の過酸化物やアゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物が適宜用いられ
る。
表現は、−OH基含有モノマーを少なくとも2回に分け
て投入することを意味し、他方、連続投入とは、−OH
基含有モノマーを滴下ロート等から間断なく投入する方
法を意味する。また、本発明の溶剤型アクリル系粘着剤
の製造に際しては、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、極性モノマー及び−OH基含有モノマー以外
に、所定量の重合開始剤が用いられる。重合開始剤とし
ては、従来より溶剤型アクリル系粘着剤の製造に際し慣
用されている、過酸化ベンゾイル等の過酸化物やアゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物が適宜用いられ
る。
【0012】なお、本発明により得られるアクリル系粘
着剤では、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
極性モノマー及び−OH基含有モノマー等並びに重合開
始剤の他に、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−イン
デン樹脂またはフェノール樹脂のような粘着付与樹脂
や、各種着色剤、老化防止剤、充填剤等の公知の添加剤
を配合してもよい。
着剤では、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
極性モノマー及び−OH基含有モノマー等並びに重合開
始剤の他に、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−イン
デン樹脂またはフェノール樹脂のような粘着付与樹脂
や、各種着色剤、老化防止剤、充填剤等の公知の添加剤
を配合してもよい。
【0013】
【作用】本発明の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法で
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、極性モノマ
ー及び−OH基含有モノマー並びに必要に応じて上記そ
の他のモノマーを重合するに際し、−OH基含有モノマ
ーが上記のように分割または連続投入される。従って、
−OH基含有モノマーが重合開始直後に消費され尽くす
ことがないため、生成されるポリマー中に−OH基含有
モノマー成分が均一に分散されると考えられる。そのた
め、架橋剤としてのイソシアネート化合物を添加した場
合、架橋起点を構成する−OH基含有モノマー成分がポ
リマー中に均一に分散しているため、本発明の溶剤型ア
クリル系粘着剤では、同一ゲル分率で比べた膨潤比の値
が従来の溶剤型アクリル系粘着剤に比べて大きくなり、
粘着剤の凝集力を低下させることなく低速剥離強度が高
められると共に、溶剤型アクリル系粘着剤に対する架橋
剤の配合割合の幅を広範囲とすることができる。
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、極性モノマ
ー及び−OH基含有モノマー並びに必要に応じて上記そ
の他のモノマーを重合するに際し、−OH基含有モノマ
ーが上記のように分割または連続投入される。従って、
−OH基含有モノマーが重合開始直後に消費され尽くす
ことがないため、生成されるポリマー中に−OH基含有
モノマー成分が均一に分散されると考えられる。そのた
め、架橋剤としてのイソシアネート化合物を添加した場
合、架橋起点を構成する−OH基含有モノマー成分がポ
リマー中に均一に分散しているため、本発明の溶剤型ア
クリル系粘着剤では、同一ゲル分率で比べた膨潤比の値
が従来の溶剤型アクリル系粘着剤に比べて大きくなり、
粘着剤の凝集力を低下させることなく低速剥離強度が高
められると共に、溶剤型アクリル系粘着剤に対する架橋
剤の配合割合の幅を広範囲とすることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を明らかにする。実施例1 還流冷却器、攪拌機、温度計及び滴下ロートが設置され
たフラスコ中に、アクリル酸n−ブチル95重量部、ア
クリル酸5重量部、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル0.1重量部、連鎖移動剤としてのラウリルメルカ
プタン0.02重量部及び溶剤としての酢酸エチル80
重量部を、合計1kgとなるように仕込み、攪拌するこ
とにより溶解させた。しかる後、この溶液を昇温し、1
0分間還流し、溶液中の溶存酸素を除去した。次に、上
記溶液に、過酸化ベンゾイルの酢酸エチル希釈溶液(過
酸化ベンゾイル0.05重量部及び酢酸エチル3.7重
量部を混合したもの)を滴下し、還流下で5時間反応さ
せた後、さらに過酸化ベンゾイルの酢酸エチル希釈溶液
(過酸化ベンゾイル0.03重量部及び酢酸エチル3重
量部を混合したもの)を滴下し、2時間熟成した。
を挙げることにより、本発明を明らかにする。実施例1 還流冷却器、攪拌機、温度計及び滴下ロートが設置され
たフラスコ中に、アクリル酸n−ブチル95重量部、ア
クリル酸5重量部、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル0.1重量部、連鎖移動剤としてのラウリルメルカ
プタン0.02重量部及び溶剤としての酢酸エチル80
重量部を、合計1kgとなるように仕込み、攪拌するこ
とにより溶解させた。しかる後、この溶液を昇温し、1
0分間還流し、溶液中の溶存酸素を除去した。次に、上
記溶液に、過酸化ベンゾイルの酢酸エチル希釈溶液(過
酸化ベンゾイル0.05重量部及び酢酸エチル3.7重
量部を混合したもの)を滴下し、還流下で5時間反応さ
せた後、さらに過酸化ベンゾイルの酢酸エチル希釈溶液
(過酸化ベンゾイル0.03重量部及び酢酸エチル3重
量部を混合したもの)を滴下し、2時間熟成した。
【0015】上記と並行して、一回目の過酸化ベンゾイ
ル−酢酸エチル希釈溶液を滴下した後に、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシエチルの酢酸エチル希釈溶液
(メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.4重量部
と酢酸エチル4重量部を混合したもの)を5時間に渡
り、一定速度で連続的に滴下した。上記熟成後、トルエ
ンを反応液に10重量部添加したところ、得られた樹脂
溶液の固形分は50重量%、粘度は2万cps(23
℃)であった。上記のようにして得られた樹脂溶液に架
橋剤としてトリイソシアネート(日本ポリウレタン社
製、商品名;コロネートL)を1.0重量部添加し、攪
拌することによりアクリル系粘着剤組成物を調製した。
このアクリル系粘着剤組成物を、コロナ放電処理した3
8μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、
乾燥後の粘着剤層の厚みが25μmとなるようにアプリ
ケーターで塗工し、オーブンで5分間乾燥することによ
り、粘着シートを作製した。
ル−酢酸エチル希釈溶液を滴下した後に、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシエチルの酢酸エチル希釈溶液
(メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.4重量部
と酢酸エチル4重量部を混合したもの)を5時間に渡
り、一定速度で連続的に滴下した。上記熟成後、トルエ
ンを反応液に10重量部添加したところ、得られた樹脂
溶液の固形分は50重量%、粘度は2万cps(23
℃)であった。上記のようにして得られた樹脂溶液に架
橋剤としてトリイソシアネート(日本ポリウレタン社
製、商品名;コロネートL)を1.0重量部添加し、攪
拌することによりアクリル系粘着剤組成物を調製した。
このアクリル系粘着剤組成物を、コロナ放電処理した3
8μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、
乾燥後の粘着剤層の厚みが25μmとなるようにアプリ
ケーターで塗工し、オーブンで5分間乾燥することによ
り、粘着シートを作製した。
【0016】実施例2 架橋剤としてのポリイソシアネート(日本ポリウレタン
社製、商品名;コロネートL)の配合割合を1.0重量
部から1.5重量部に代えたことを除いては、実施例1
と全く同様にして、アクリル系粘着剤組成物を調製し、
かつ実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
社製、商品名;コロネートL)の配合割合を1.0重量
部から1.5重量部に代えたことを除いては、実施例1
と全く同様にして、アクリル系粘着剤組成物を調製し、
かつ実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0017】比較例1 アクリル酸n−ブチル95重量部、アクリル酸5重量
部、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.5重量
部、連鎖移動剤としてのラウリルメルカプタン0.02
重量部及び溶剤としての酢酸エチル80重量部を、合計
1kgとなるように仕込み、攪拌し、溶解させた。次
に、この溶液を昇温し、10分間還流させて溶液中の溶
存酸素を除去し、しかる後過酸化ベンゾイルの酢酸エチ
ル希釈溶液(過酸化ベンゾイル0.05重量部と酢酸エ
チル3.7重量部とを混合したもの)を滴下し、還流下
で5時間反応させた後、さらに過酸化ベンゾイルの酢酸
エチル希釈溶液(過酸化ベンゾイル0.03重量部と酢
酸エチル3重量部とを混合したもの)を滴下し、2時間
熟成を行い、反応を完結させた。反応後、反応溶液にト
ルエンを10重量部添加した。得られた樹脂溶液の固形
分は50重量%であり、粘度は2万cps(23℃)で
あった。上記のようにして得た樹脂溶液に実施例1と同
様にしてポリイソシアネートを添加し、アクリル粘着剤
組成物を調製し、かつ実施例1と同様にして粘着シート
を作製した。
部、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.5重量
部、連鎖移動剤としてのラウリルメルカプタン0.02
重量部及び溶剤としての酢酸エチル80重量部を、合計
1kgとなるように仕込み、攪拌し、溶解させた。次
に、この溶液を昇温し、10分間還流させて溶液中の溶
存酸素を除去し、しかる後過酸化ベンゾイルの酢酸エチ
ル希釈溶液(過酸化ベンゾイル0.05重量部と酢酸エ
チル3.7重量部とを混合したもの)を滴下し、還流下
で5時間反応させた後、さらに過酸化ベンゾイルの酢酸
エチル希釈溶液(過酸化ベンゾイル0.03重量部と酢
酸エチル3重量部とを混合したもの)を滴下し、2時間
熟成を行い、反応を完結させた。反応後、反応溶液にト
ルエンを10重量部添加した。得られた樹脂溶液の固形
分は50重量%であり、粘度は2万cps(23℃)で
あった。上記のようにして得た樹脂溶液に実施例1と同
様にしてポリイソシアネートを添加し、アクリル粘着剤
組成物を調製し、かつ実施例1と同様にして粘着シート
を作製した。
【0018】比較例2 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名;
コロネートL)の配合割合を1.0重量部から1.5重
量部に代えたことを除いては、比較例1と全く同様にし
て、アクリル系粘着剤組成物を調製し、実施例1と同様
にして粘着シートを作製した。
コロネートL)の配合割合を1.0重量部から1.5重
量部に代えたことを除いては、比較例1と全く同様にし
て、アクリル系粘着剤組成物を調製し、実施例1と同様
にして粘着シートを作製した。
【0019】評価 実施例1,2及び比較例1,2で得た各アクリル系粘着
剤組成物をテトラヒドロフランに浸漬し、ゲル分率及び
膨潤比を測定した。結果を、下記の表1に示す。また、
実施例1,2及び比較例1,2で得た粘着シートにつ
き、ステンレス板及びガラス板に対する90°剥離保持
力(定荷重を加えた場合の90°剥離強度)並びに剪断
保持力を下記の要領で測定した。結果を、表1に示す。 90°剥離保持力…幅20mmの粘着シートをステン
レス板またはガラス板に貼り合わせ、粘着シートを下側
として水平に保ち、粘着シートの一端に100gの懸垂
荷重をかけ、単位時間あたりに剥離した距離を測定し、
低速剥離強度の目安としての90°剥離保持力とした。 剪断保持力…ステンレス板に20mm×20mmの面
積で粘着シートを貼り付け、1kgの荷重をかけて1時
間後の粘着シートのずれの長さを測定した。
剤組成物をテトラヒドロフランに浸漬し、ゲル分率及び
膨潤比を測定した。結果を、下記の表1に示す。また、
実施例1,2及び比較例1,2で得た粘着シートにつ
き、ステンレス板及びガラス板に対する90°剥離保持
力(定荷重を加えた場合の90°剥離強度)並びに剪断
保持力を下記の要領で測定した。結果を、表1に示す。 90°剥離保持力…幅20mmの粘着シートをステン
レス板またはガラス板に貼り合わせ、粘着シートを下側
として水平に保ち、粘着シートの一端に100gの懸垂
荷重をかけ、単位時間あたりに剥離した距離を測定し、
低速剥離強度の目安としての90°剥離保持力とした。 剪断保持力…ステンレス板に20mm×20mmの面
積で粘着シートを貼り付け、1kgの荷重をかけて1時
間後の粘着シートのずれの長さを測定した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、実施例1及び比
較例1の各アクリル系粘着剤では、同一ゲル分率(70
重量%)でありながら、膨潤比については、比較例1が
31倍であるのに対し、実施例1は37倍とかなり高か
った。同様に、実施例2及び比較例2のアクリル系粘着
剤を比較した場合においても、ゲル分率はほとんど同じ
であるのに対し、膨潤比は比較例2が10倍であるのに
対し、実施例2では15倍とかなり高かった。
較例1の各アクリル系粘着剤では、同一ゲル分率(70
重量%)でありながら、膨潤比については、比較例1が
31倍であるのに対し、実施例1は37倍とかなり高か
った。同様に、実施例2及び比較例2のアクリル系粘着
剤を比較した場合においても、ゲル分率はほとんど同じ
であるのに対し、膨潤比は比較例2が10倍であるのに
対し、実施例2では15倍とかなり高かった。
【0022】また、実施例1及び比較例1で作製した粘
着シートを比較すると、ステンレス板に対する90°剥
離保持力及びガラス板に対する90°剥離保持力のいず
れにおいても、実施例1で得た粘着シートでは粘着シー
トの剥がれた距離がかなり小さいことがわかる。しか
も、比較例1の粘着シートでは40℃の場合に比べて8
0℃の場合に粘着シートの剥がれた距離がかなり大きく
なったのに比べて、実施例1の粘着シートでは、温度が
80℃の場合においても40℃の場合と剥離距離がまっ
たく変化しなかった。同様に、実施例2の粘着シートに
おいては、比較例2の粘着シートに比べてステンレス板
及びガラス板のいずれに貼り合わせた場合においても、
剥離距離が小さいことがわかる。しかも、温度が80℃
の場合でも、ステンレス板及びガラス板を貼り合わせた
場合のいずれにおいても剥離距離が比較例2に比べて非
常に小さいことがわかる。
着シートを比較すると、ステンレス板に対する90°剥
離保持力及びガラス板に対する90°剥離保持力のいず
れにおいても、実施例1で得た粘着シートでは粘着シー
トの剥がれた距離がかなり小さいことがわかる。しか
も、比較例1の粘着シートでは40℃の場合に比べて8
0℃の場合に粘着シートの剥がれた距離がかなり大きく
なったのに比べて、実施例1の粘着シートでは、温度が
80℃の場合においても40℃の場合と剥離距離がまっ
たく変化しなかった。同様に、実施例2の粘着シートに
おいては、比較例2の粘着シートに比べてステンレス板
及びガラス板のいずれに貼り合わせた場合においても、
剥離距離が小さいことがわかる。しかも、温度が80℃
の場合でも、ステンレス板及びガラス板を貼り合わせた
場合のいずれにおいても剥離距離が比較例2に比べて非
常に小さいことがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル52〜97重量%と、
極性モノマー3〜15重量%と、−OH基含有モノマー
0.05〜3重量%と、これ等のモノマーと共重合可能
な他のモノマー0〜30重量%とを重合してなり、かつ
ポリイソシアネート化合物により架橋されるアクリル系
粘着剤の製造方法において、架橋起点となる上記−OH
基含有モノマーの全部又は一部を残してそれ以外のモノ
マーを一括して仕込み重合反応を行い、この重合開始後
から重合完了前の間に、架橋起点となる残りの上記−O
H基含有モノマーを分割または連続投入して全てのモノ
マーを重合することにより、溶剤型アクリル系粘着剤が
製造されるため、同一ゲル分率でありながら高い膨潤比
を示し、かつ高温における凝集力と低速剥離強度のバラ
ンスに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を提供することが
可能となる。
タ)アクリル酸アルキルエステル52〜97重量%と、
極性モノマー3〜15重量%と、−OH基含有モノマー
0.05〜3重量%と、これ等のモノマーと共重合可能
な他のモノマー0〜30重量%とを重合してなり、かつ
ポリイソシアネート化合物により架橋されるアクリル系
粘着剤の製造方法において、架橋起点となる上記−OH
基含有モノマーの全部又は一部を残してそれ以外のモノ
マーを一括して仕込み重合反応を行い、この重合開始後
から重合完了前の間に、架橋起点となる残りの上記−O
H基含有モノマーを分割または連続投入して全てのモノ
マーを重合することにより、溶剤型アクリル系粘着剤が
製造されるため、同一ゲル分率でありながら高い膨潤比
を示し、かつ高温における凝集力と低速剥離強度のバラ
ンスに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を提供することが
可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル5
2〜97重量%と、極性モノマー3〜15重量%と、−
OH基含有モノマー0.05〜3重量%と、これ等のモ
ノマーと共重合可能な他のモノマー0〜30重量%とを
重合してなり、かつポリイソシアネート化合物により架
橋されるアクリル系粘着剤の製造方法において、架橋起
点となる上記−OH基含有モノマーの全部又は一部を残
してそれ以外のモノマーを一括して仕込み重合反応を行
い、この重合開始後から重合完了前の間に、架橋起点と
なる残りの上記−OH基含有モノマーを分割または連続
投入して全てのモノマーを重合することを特徴とする溶
剤型アクリル系粘着剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3272463A JP2642263B2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3272463A JP2642263B2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112618A JPH05112618A (ja) | 1993-05-07 |
JP2642263B2 true JP2642263B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=17514269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3272463A Expired - Lifetime JP2642263B2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642263B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002167564A (ja) * | 2000-12-01 | 2002-06-11 | Nitto Denko Corp | 光学フィルム用粘着剤組成物及び粘着型光学フィルム |
JP2002167565A (ja) * | 2000-12-01 | 2002-06-11 | Nitto Denko Corp | 光学フィルム用粘着剤組成物及び粘着型光学フィルム |
KR100813388B1 (ko) * | 2005-11-24 | 2008-03-12 | 주식회사 엘지화학 | 아크릴계 점착제 조성물 |
JP2011018064A (ja) * | 2010-08-25 | 2011-01-27 | Nitto Denko Corp | 偏光フィルム用粘着剤組成物及び粘着型偏光フィルム |
JP2011018063A (ja) * | 2010-08-25 | 2011-01-27 | Nitto Denko Corp | 偏光フィルム用粘着剤組成物及び粘着型偏光フィルム |
CN103756603B (zh) * | 2014-01-26 | 2015-09-02 | 山东北方现代化学工业有限公司 | 溶剂型热活性丙烯酸酯压敏胶及其制品的制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4889234A (ja) * | 1972-02-29 | 1973-11-21 | ||
US4033371A (en) * | 1976-06-24 | 1977-07-05 | Pall Corporation | Proportioning valve for volumetric proportioning of flow |
JP2615681B2 (ja) * | 1986-10-31 | 1997-06-04 | 住友化学工業株式会社 | 水溶性共重合体の製造方法 |
JP2619830B2 (ja) * | 1987-11-28 | 1997-06-11 | 日本合成化学工業株式会社 | 粘着剤 |
-
1991
- 1991-10-21 JP JP3272463A patent/JP2642263B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05112618A (ja) | 1993-05-07 |
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