JPH07126133A - 口腔用ゲル組成物 - Google Patents
口腔用ゲル組成物Info
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Abstract
ル類を5重量%以上、水溶性非イオン性高分子物質を
0.1〜1重量%、カルボキシビニルポリマー及び/又
はその塩を0.1〜2重量%含有してなることを特徴と
する口腔用ゲル組成物。 【効果】 本発明の組成物は、口腔粘膜への付着力、侵
入力、浸透力が高く、しかも殺菌剤の失活を可及的に防
止してその効果を有効に発揮させるものである。
Description
し、特に病巣部位に直接適用するための口腔軟組織疾患
治療用水溶性軟膏組成物、更に詳しくは歯肉炎、歯周炎
などの歯槽膿漏や、口内炎などの口腔軟組織疾患の狭い
歯周ポケットや潰瘍などの部位に浸透性が良く、有効性
の高いゲル状の口腔軟組織疾患治療用水溶性軟膏組成物
として有用とされる口腔用ゲル組成物に関する。
歯周病治療薬などの口腔軟組織疾患治療用の軟膏基剤に
は油性基剤や乳剤性基剤が用いられてきた。しかし、こ
れらを基剤とする軟膏は、口腔粘膜に対する展着性が悪
く、疾患部位に塗布しても、唾液などにより容易に除去
され、有効成分が充分に浸透せず期待される薬効が得ら
れなかった。また、歯周病治療薬などの口腔軟組織疾患
治療に重要な殺菌剤を配合しても基剤と相互作用を起こ
し、充分な殺菌作用を持たすことができなかった。
口腔内の患部に直接塗布するだけで、患部への付着・滞
留性、浸透性が良く、使用感に優れ、充分な殺菌力を有
する、有効性の高いゲル状の口腔軟組織疾患治療用水溶
性軟膏組成物として有用な口腔用ゲル組成物を提供する
ことを目的とする。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、殺菌剤を
配合した口腔用ゲル組成物において、水溶性アルコール
類を5%(重量%、以下同じ)以上、水溶性非イオン性
高分子物質を0.1〜1%、カルボキシビニルポリマー
及び/又はその塩を0.1〜2%を組み合わせて用いる
ことにより、殺菌剤の効果が十分に発揮され、患部への
付着力、侵入力、浸透力に優れた口腔用ゲル組成物が得
られることを知見した。
ン系高分子物質と相互作用を起こし、失活するが、それ
に対してカルボキシビニルポリマーを用いることによ
り、失活が可及的に防止されると共に、苦味、異味もな
く、味の点で問題がない上、カルボキシビニルポリマー
はチクソトロピー性が強く、溝にくい込み易く、従って
狭い歯肉溝や歯周ポケットに侵入し易く、滞留性が高い
こと、また、カルボキシビニルポリマーは水溶性である
ことから口腔粘膜への親和性が高いが、非イオン性高分
子物質の粘性を利用し、カルボキシビニルポリマーの物
性を改良することで口腔粘膜への親和性が高まり、より
付着し易くなるため、滞留性が向上することを見い出し
た。更に、通常洗口などでは浸透しないといわれる病巣
部である狭い歯周ポケット内部などに薬物を浸透させる
には、口腔粘膜に付着、侵入、滞留している剤から内容
物が放出されることが必要であるが、カルボキシビニル
ポリマーは塩分により高分子が収縮してゲル構造が破壊
され、液化して、保持していた液体相が放出する。その
程度は塩分濃度による。この場合、唾液や浸出液中の塩
分濃度では液化し難いが、水溶性アルコール類を含み、
水分を90%以下とすることで、液化、放出を引き起こ
すことができ、これにより狭い歯周ポケット内部などの
病巣部にさえも薬物を浸透させることができることを見
い出した。
性の有効成分や香料成分なども配合されるが、その場
合、非イオン界面活性剤で可溶化したり、乳化して安定
に配合する。一般には殺菌剤は非イオン界面活性剤によ
っても失活するが、この口腔用ゲル組成物では、非イオ
ン界面活性剤の添加量を0.05〜1%にした場合、そ
の失活が実質的になく、優れた殺菌力を発揮することを
知見し、本発明をなすに至ったものである。
明の口腔用ゲル組成物は、殺菌剤の有効量と、水溶性ア
ルコール類を5%以上と、水溶性非イオン性高分子物質
0.1〜1%と、カルボキシビニルポリマー及び/又は
その塩0.1〜2%を含有するものである。
ソプロピルメチルフェノール、トリクロサンなどの油性
の殺菌剤や、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、
グルコン酸クロルヘキシジンなどの水溶性カチオン性系
殺菌剤を用い得る。その配合量は有効量であり、通常組
成物全体の0.005〜0.5%、特に0.01〜0.
5%である。
ノール、それにグリセリン、ソルビット、キシリット等
の多価アルコールの1種又は2種以上が好適に用いられ
る。この場合、その配合量は5%以上であり、5%より
少ないと浸透性が低くなり、本発明の目的を達成できな
いものであるが、エタノールを用いる場合は20%以下
の使用量とすることが口腔粘膜への刺激性の点から推奨
され、また多価アルコールは軟膏としての形態を保つた
めにも、ベタツキなどの使用感の点からも80%以下と
することが推奨される。なお、本発明の組成物には通常
水が配合されるが、水の量は組成物全体の90%以下で
あることが浸透性の点から必要である。
は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロースの1種又は2種以上が好適に用いられ、
その配合量は0.1〜1%である。0.1%より少ない
と口腔粘膜への付着性が低くなり、1%より多いと浸透
性が低くなる。より好ましい配合量は0.1〜0.5%
である。
マーとしては、分子内にカルボキシル基を有する分子量
1000000〜3000000の範囲のものが使用し
得、具体的にはB.F.Goodrich社製のカーボ
ポール934、940、941、和光純薬社製のハイビ
スワコー103、104、105、日本純薬社製のジュ
ンロンPW110、111などが用いられ得る。なお、
本発明においてはこれらカルボキシビニルポリマーの1
種類を単独で使用しても、2種類以上を併用しても良
い。
基性物質で中和するが、その中和度でゲル性状を適宜調
整できる。ここで、カルボキシビニルポリマーの中和に
使用する塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどの無機塩基やトリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパ
ノールアミンなどを用いることができる。
は0.1〜2%、より好ましくは0.5〜1.5%であ
る。0.1%より少ないと滞留性が低く、2%を越える
と屈延性が悪く、本発明の目的を達成し得ない。
活性剤を添加することが好ましい。この場合、非イオン
性界面活性剤としては、ショ糖エステル、ステアリン酸
ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ステアリン酸
ソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが用い
られる。
05〜1%、より好ましくは0.1〜0.5%であるこ
とが望ましく、0.05%より少ないと油性成分の可溶
化力や乳化力が不足し、1%より多いと殺菌力が低下す
る。
常の口腔軟組織疾患治療用軟膏などに用いられる、殺菌
剤以外の抗炎症剤、止血剤、組織賦活剤、局麻剤などの
口腔軟組織疾患に至適な薬物や清涼化剤としての香料な
ども配合できる。
力、侵入力、浸透力が高く、しかも殺菌剤の失活を可及
的に防止してその効果を有効に発揮させるものである。
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定され
るものではない。
す組成の口腔軟組織疾患用軟膏(ゲル組成物)を各成分
を混合撹拌することにより製造し、殺菌力、付着力、侵
入力、浸透力について評価した。結果を表2に示す。
液の大腸菌に対する殺菌力を100として示した。 *2 付着力 皮革に軟膏を付着させ、人工唾液に浸し、一定速度で撹
拌した時に皮革から脱落するまでの時間(分)で示し
た。 *3 侵入力:ゴム製の板に幅1mm、深さ5mmの溝
に軟膏を置き、一定加重で塗布した時の溝への侵入度
(mm)で示した。 *4 浸透力:各軟膏に水溶性蛍光色素を添加した試料
を、深さ2.5mmの人の歯周ポケットのある歯頸部に
付着させて30分放置した後、紫外線を照射して、歯肉
を透過してくる蛍光により浸透した深さを測定した値を
示す(mm)。
疾患用軟膏(ゲル組成物)を製造した。 塩化セチルピリジニウム 0.05 グリチルリチン酸二カリウム 0.4 アラントイン 0.3 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3 グリセリン 23 エタノール 7 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.15 モノステアリン酸ソルビタン 0.1 軽質流動パラフィン 0.5 香料 微 量精製水 バランス 計 100
分(塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸二カリ
ウム、アラントイン、ヒノキチオール)を添加したもの
を製造した(比較例4)。実施例1〜4、比較例1〜3
と同様にして両者を比較した結果を表3に示す。また各
軟膏を歯槽膿漏患者10名の歯周ポケットのある歯頸部
に塗布し、30分後に歯周ポケット内の浸出液を採取
し、浸透して残存した塩化セチルピリジニウムを高速液
体クロマトグラフィーで定量した結果も併せて示した。
ピリジニウム濃度(ppm)
(ゲル組成物)を製造した。 塩化ベンザルコニウム 0.02 グリチルリチン酸 0.2 酢酸トコフェロール 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルセルロース 0.2 グリセリン 30 エタノール 10 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 モノステアリン酸ソルビタン 0.1 香料 微 量精製水 バランス 計 100
(ゲル組成物)を製造した。 塩酸クロルヘキシジン 0.1 グリチルリチン酸 0.2 アラントイン 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2 ソルビット(60%溶液) 40 エタノール 10 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 香料 微 量精製水 バランス 計 100
(ゲル組成物)を製造した。 塩化セチルピリジニウム 0.1 グリチルリチン酸 0.2 酢酸トコフェロール 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルセルロース 0.2 ソルビット(70%溶液) 80 エタノール 10 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 香料 微 量精製水 バランス 計 100
(ゲル組成物)を製造した。 塩化ベンザルコニウム 0.02グリチルレチン酸 0.2 酢酸トコフェロール 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルセルロース 0.2 グリセリン 30 エタノール 10 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 モノステアリン酸ソルビタン 0.1 香料 微 量 精製水 バランス ───────────────────────────────── 計 100
(ゲル組成物)を製造した。 塩酸クロルヘキシジン 0.1グリチルレチン酸 0.2 アラントイン 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2 ソルビット(60%溶液) 40 エタノール 10 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 香料 微 量 精製水 バランス ───────────────────────────────── 計 100
(ゲル組成物)を製造した。 塩化セチルピリジニウム 0.1グリチルレチン酸 0.2 酢酸トコフェロール 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルセルロース 0.2 ソルビット(70%溶液) 80 エタノール 10 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 香料 微 量 精製水 バランス ───────────────────────────────── 計 100
Claims (2)
- 【請求項1】 殺菌剤を有効量含有し、かつ水溶性アル
コール類を5重量%以上、水溶性非イオン性高分子物質
を0.1〜1重量%、カルボキシビニルポリマー及び/
又はその塩を0.1〜2重量%含有してなることを特徴
とする口腔用ゲル組成物。 - 【請求項2】 非イオン性界面活性剤を0.05〜1重
量%含有する請求項1記載の組成物。
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