JP2011121983A - 粘膜の疾患および障害の予防および処置のための液体製剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘膜表面上での粘膜付着剤の滞流時間を増大させるのに十分な粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲルであって、該ゲルが、粘膜を保護するために有用であり、症状の軽減を提供し、かつ化学療法または放射線療法によって誘導される紅斑および潰瘍形成を含む粘膜炎の徴候および症状の発生を遅延またはその重篤度を減少させる、粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
【選択図】なし
Description
本発明は、安定で粘性で粘膜付着性の液体製剤および粘膜付着性のゲル製剤の製造のための組成物および方法に関し、かつ、粘膜皮膚表面(特に口腔)をコーティングして、潰瘍性、炎症性、および/またはびらん性のもの(特に化学療法および/または放射線療法によって誘導される粘膜炎)を含む粘膜の疾患および障害を予防および/または処置するための、これらの組成物の使用に関する。液体剤形は、広範囲の粘膜表面をコーティングするのに十分な可動性を有するが、また同様に、粘膜表面上での長期保持を提供するための粘膜付着性および粘性を有する。液体組成物は、薬学的に活性な既知の化合物を伴うことなく使用されうる。粘膜の疾患および障害の局所的処置におけるさらなる恩典を提供するために、一つまたは複数の薬学的に活性な化合物を、製剤中に含めることができる。
粘膜は、口腔、鼻腔、消化管および気道、膣、ならびに膀胱などのいくつかの体腔の表面上に保護層を提供する。これらの膜内の細胞またはこれらの膜に隣接した腺は、主に水、脂質、無機塩、およびムチン糖タンパク質からなる、粘液、液体、またはゲルを分泌するが、これらは、下にある(underlying)組織への有害な物質の通過を阻害するために防護壁を形成するのに役立つ。激痛、刺激、紅斑および/または潰瘍形成をもたらしうる、これらの粘膜表面の疾患および障害がいくつか存在する。口腔におけるこのような疾患の例としては、アフタ性潰瘍、水疱性類天疱瘡、口腔扁平苔癬、および口腔粘膜接触皮膚炎が挙げられる。多くの他の潰瘍性粘膜皮膚疾患が知られている。化学療法および放射線療法などの特定の治療における有害な副作用をもたらす、粘膜表面の痛みを伴う(painful)潰瘍性障害も存在する。粘膜炎は、癌、エイズを含む多くの状態に対する治療を受けている患者および骨髄移植療法中の患者の口腔に影響を与える、有害な副作用である。
口腔粘膜炎は、化学療法または放射線療法を受けている患者における重大な問題である。癌治療における口腔粘膜炎の推定量は、標準的な化学療法を受けている患者の40%から、骨髄移植患者の76%までにわたる。頭頚部に放射線療法を受ける患者の実質的に全員が、口腔合併症を発病する。粘膜炎は単に痛みを伴うだけでなく、適切な栄養摂取も制限し、かつ、治療を続けようという患者の意欲も減少させる可能性がある。広範な潰瘍形成を伴うより重篤な粘膜炎では、非経口栄養および麻酔剤を用いる、費用のかさむ入院を必要とする場合がある。粘膜炎は、生活の質を減弱させ、かつ、深刻な臨床的合併症をもたらしうる。健常な口腔粘膜は、微生物を取り除くようはたらき、かつ、上皮への多くの化合物の浸透を制限する化学的障壁を提供する。傷ついた粘膜表面は、二次感染のリスクを増大させ、かつ、全身感染の病巣であることがわかる場合さえある。粘膜炎によって、引き続く化学療法サイクルにおいて用量を減らす必要性を、または、放射線療法を遅延させる必要性が生じる場合があり、これは最終的に、治療に対する患者の応答に影響を及ぼしうる。
(出典:DeVita: Cancer: Principles and Practice of Oncology, 5th ed., Copyright (著作権) 1997 Lippincott-Raven Publishers(非特許文献1))
問題の重要性にもかかわらず、現在、粘膜炎の予防および処置のための十分に確立された手順および製剤は存在しない。その結果として、標準化されたアプローチは存在せず、多くの機関では、安全性および有効性を支持するデータに殆どまたは全く基づくことなく、処置療法が採用されてきた。良好な口腔衛生が有益かどうかに関する意見の相違さえ存在する(例えば、Dodd MJ, Miaskowski C, Shiba GH, Dibble SL, Greenspan D, MacPhail L, Paul SM, Larson P, Risk factors for chemotherapy-induced oral mucositis: dental appliances, oral hygiene, previous oral lesions, and history of smoking, Cancer Invest 1999; 17(4): 278-84(非特許文献2)およびCheng KK, Molassiotis A, Chang AM, Wai WC, Cheung SS. Evaluation of an oral care protocol intervention in the prevention of chemotherapy-induced oral mucositis in pediatric cancer patients, Eur J Cancer 2001 Nov; 37(16): 2056-6(非特許文献3))。典型的には、良好な口腔衛生が推奨されており、現地で調合されて主に予防を提供するために用いられる製剤によって、補われる。したがって、患者は、氷、生理食塩すすぎ液(saline rinse)、重炭酸すすぎ液(bicarbonate rinse)、またはアシクロビルもしくはクロルヘキシジンなどの抗菌製剤を含むすすぎ液の使用を求められると考えられる(Fulton JS, Middleton GJ, McPhail IT, Management of oral complications, Semin Oncol Nurs 2002 Feb; 18(1): 28-35(非特許文献4))。粘膜炎およびその付随する痛みを処置するために一般的に使用される療法には、リドカインもしくはDyclone、Maalox、もしくはMylantaなどの局所麻酔剤、ジフェンヒドラミン(Benadryl)、ナイスタチン、またはスクラルファートが含まれる。これらの薬剤は、単独で、または、うがい薬に加工された上記の薬物との様々な組み合せで、使用される。一般的ではないが使用されるその他の薬剤には、Kaopectate、アロプリノール、ビタミンE、βカロチン、Kamillosan液、アスピリン、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン、硝酸銀、および抗生物質が含まれる。経口麻酔剤、および時々は非経口麻酔剤が、疼痛軽減のために使用される(DeVita: Cancer: Principles and Practice of Oncology, 5th ed., Copyright (著作権) 1997 Lippincott-Raven Publishers(非特許文献1))。現在の処置選択肢および研究用臨床試験についての最近の調査により、大部分の薬剤および選択肢は、粘膜炎の予防および/または処置においていかなる恩典も示せていないことが示された(Worthington HV, Clarkson JE, Eden OB, Interventions for treating oral mucositis for patients with cancer receiving treatment, Cochrane Database Syst Rev 2002; (1): CD001973(非特許文献5); Demarosi F, Bez C, Carrassi A., Prevention and treatment of chemo- and radiotherapy-induced oral mucositis. Minerva Stomatol 2002 May; 51(5): 173- 86(非特許文献6))。
i) 鎮痛剤:生理食塩すすぎ液および重炭酸すすぎ液、スクラルファート懸濁液ならびに局所鎮痛剤(例えば、粘性のリドカイン、ジクロニン、ジフェンヒドラミン、およびロペラミド)。
ii) 細胞保護剤:氷片、アロプリノール、グルタミン、ペントキシフィリン、エチオール(Ethyol)、ならびに、ビタミンCおよびビタミンEなどの抗酸化剤。
iii) 抗炎症剤:ベンジダミン、インドメタシン、および、アンレキサノクス。
iv) 抗菌剤:クロルヘキシジン、ポビドンヨード、プロテグリン(protegrin)IB-367。
v) サイトカイン:ケラチノサイト成長因子、形質転換成長因子-β3、および、インターロイキン-11、ならびにコロニー刺激因子であるG-CSFおよびGM-CSF。
本発明は、ヒトおよび動物における粘膜の障害の予防および処置のための製剤を記載する。本発明の液体製剤またはゲル製剤は、広範囲の粘膜表面を冒す疾患および障害を処置するのに理想的に適しているが、これらはまた、特に口腔内の、離散性で局所性の病変を処置する機会も提供する。本特許に記載の組成物によって処置されうる粘膜は、口腔、鼻腔、消化管および気道、膣、ならびに膀胱内の粘膜を含むが、これらに限定されるものではない。本特許に記載の組成物の局所塗布によって処置できる、炎症性、びらん性、および/または潰瘍性の疾患には、アフタ性潰瘍、ベーチェット症候群、水疱性類天疱瘡、化学性または放射線誘発性膀胱炎、多形性紅斑、食道炎、間質性膀胱炎、粘膜炎、口腔扁平苔癬、天疱瘡、および放射線性直腸炎が含まれるが、これらに限定されるものではない。アフタ性潰瘍、化学性または放射線誘発性膀胱炎、粘膜炎、および放射線直腸炎などの状態において、(例えば、アフタ性潰瘍の場合には前駆感覚によって、ならびに、癌の処置においては化学療法および/または放射線療法の開始によって)炎症性、びらん性、および/または潰瘍性の状態の発生が予測できる場合、本発明の組成物を、病変形成の前にまたは処置の初めに塗布して、炎症性、びらん性、および/または潰瘍性の病変の発生を予防するかまたは遅延させることができる。粘膜保護剤は粘膜付着剤単独であってもよいが、薬学的薬剤が粘膜標的に選択的に送達されるように存在している場合には、粘性で粘膜付着性の液体または粘膜付着性のゲルが特に好ましい。
a. 最も有効な製剤(AおよびB)は、2つの粘膜付着性ポリマーであるCarbopol 971およびNoveon AA1の混合物を含む。
b. 全ての系にわたり、粘性と共に有効性が一般的に増大するという傾向がある。このことは、粘膜炎の処置に使用される液体製剤およびゲル製剤の粘性の重要性の根拠を提供するものである。
c. (Eudragit L-100が除去されることを除いてはAと同じである)製剤Bは、Aに比べて類似しているもののわずかに低下した有効性を有するが、観察された小さな相違は統計的に有意でなく、かつ粘性によって説明することが可能であった。
d. 製剤Cは、製剤Bからフェノキシエタノールを除去することによって得られる。フェノキシエタノールは、既知の防腐特性および殺菌特性を有する保存剤である。製剤Cは粘膜炎の重篤度の低下において明らかに有効であるが、防腐剤/殺菌剤が存在する場合には、本製剤は明らかにより有効である。
e. グリシン緩衝液がホウ酸塩緩衝液と交換されていることを除いては、製剤DはBと同じである。製剤Dの粘性はBのそれよりわずかに低く、これが相違の一部を占めている可能性があるが、データはまた、アミノ酸によって提供される恩典が存在することを示している。
f. Noveon AA1が除去されていることを除いては、製剤EはBと同じである。粘性および粘膜付着性は、Carbopol 971によってのみ提供される。架橋されたアクリレートの総濃度は、類似した粘性を提供するために増大されなければならない。この製剤の有効性が不十分であることは、主にその粘性の低さに起因する可能性がある。
g. 全ての粘膜付着性ポリマーが粘膜非付着性の重合濃化剤(thickening agent)と交換されていることを除いては、製剤FはBと同じである。この製剤の粘性はわずかにBより高いが、それでも、これは(生理食塩水と比較して)有効性を有さない。このことは、有効性にとっては、粘性と同様に粘膜付着性が重要であることを示す。
透明溶液を得るために、適切な混合装置(200rpm〜300rpmで回転するハイリフトブレード(high-lift blade)を備えたMaster Servodyne(登録商標)ミキサー)を使用して、水にCarbopol(登録商標)971P NFを加えることによって、粘性で粘膜付着性の水溶液を製剤化した。撹拌しながら水酸化カリウム水溶液を加えて、透明なゲルを得た。撹拌しながら、水酸化カリウム、クエン酸、サッカリンナトリウム、リン酸、およびグリセリンの水溶液を加えて、透明な溶液を得た。撹拌しながら、ベンジルアルコールおよびポリソルベート60の溶液を加えて、透明な溶液を得た。リン酸水溶液を用いて、pH7.0〜7.8に調整した。得られた産物をさらに30分間混合した。
実施例1において述べられた方法により、続いて、下記の配合の、粘性で粘膜付着性の水性組成物が提供された。
アンレキサノクスに関するアッセイ法を実行する際に、以下のHPLCパラメータを使用した。
Phenomenex, Prodigy, 5μm ODS (2), 150 mm×4.6 mm
移動相:25% THF / 75% 10 mMリン酸緩衝液、pH8.0
h. 流速:1.0 mL/min
注入用量:10 μL
i. 検出器:UV@ 244 nm
図2を参照すると、図1に記載の装置は、10/32"フェルール(ferule)および大口径HPLC管を用いてLCポンプ2-3に取り付けられている。ポリカーボネートブロック7の片側半分は、Spectra/Por4透析膜6全体にわたる人工唾液の連続流を提供しかつ10mLの容器8に溶出される、リザーバ1を有する。ポリカーボネートブロック7の反対側の半分は、透析膜6全体に常に再循環する人工唾液のリザーバ4を有するLCポンプ3へ連結されている。
実施例2の組成物を、安定性試験に供した。透明溶液を透明ガラス瓶に詰め、これを、テフロンライナーを取り付けた白色スクリューキャップで密閉した。瓶を、2群に分けた。第一群を、25℃/相対湿度60%に設定された安定性チャンバ内で保存し、一方、第二群を、40℃/相対湿度75%で保存した。物理的外観(溶液の透明度)、包装保全性(package integrity)、アンレキサノクスおよびベンジルアルコールの含量、pH、および粘性について、0ヵ月目、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に瓶を検討した。全ての期間においておよび両方の状態の下で、物理的または化学的な変化は全く確認されなかった。
臨床試験は、頭頚部癌であると組織学的に資料で証明された診断を受け、かつKPSが少なくとも60%である、18歳以上の患者において行われた。この患者は、少なくとも40%の口腔粘膜を含むための照射野で、6週間〜7週間にわたって少なくとも線量60Gyの放射線照射を受けた。並行化学療法を受けている患者もまた、試験に含めた。放射線療法(6週間〜7週間)の期間中、実施例1において例証された溶液を用いて、1日6回(毎回5mL)、患者をすすいだ。これは、放射線療法の初日から開始した。粘膜炎の程度(Cancer, 1999, 85(10) 2103-13に記載の「Sonisスケール」)の客観的な測定は、試験期間中に、週3回行った。以下の表は、14日目、28日目、および39日目における患者の平均値スコアおよび中間値スコアを示す。これらのデータは12人の被験者において得られた。歴史的なデータ(頭頚部癌に対する類似の処置を受けている類似の患者集団(合計17人)に関するSonisスケールの粘膜炎スコア)を、比較用に提供する。
6つのゲル製剤は、A-100プロペラを有するスピードミキサー(lightning mixer)を同じように使用して調製された。Bと示された後述の試料については、354グラムの50mMグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液を600mlビーカーに加えて、200rpmで撹拌した。緩衝液は、0.2Mグリシン水溶液1リットルと、0.2N水酸化ナトリウム溶液176mlおよび脱イオン水2984mlとを混合することによって調製された。50グラムの95%USPエタノールを次に加え、その後5グラムのグリセリンを加えた。撹拌速度を300rpmまで増大させて、5グラムのNoveon AA1をゆっくりと渦に加え、速度を700rpmまで徐々に増大させた。この溶液を1時間ホモジナイズした。50グラムのCarbopol(登録商標)971P NFをゆっくりと渦に加え、速度を1200rpmまで徐々に増大させた。材料をさらに30分間混合し、その後、75グラムの2N水酸化ナトリウムおよび5グラムのフェノキシエタノールを加えた。得られたゲルをさらに30分間混合し、pHを測定して、9.82であることを見出した。混合速度を1000rpmまで低下させ、6.4mlの1N塩酸を用いてpHを9.01に調整した。最終的なゲル産物は、透明で均質であって、ポリプロピレン容器に移された。
56匹のハムスターに対して、0日目に、それらの口腔粘膜に向けて線量40Gyの急性放射線照射を行った。照射前日(-1日目)から、照射後20日(20日目)まで継続して、被験材料(上記の各製剤A〜F)を局所的に塗布した。6日目から、その後一日おきに、28日目における本試験の終了まで、粘膜炎の等級を記録した。粘膜炎に対する各処置群の効果を、生理食塩水対照と比較した。各動物は粘膜炎スケール(0〜5)に従って記録されたが、ここで、0は粘膜炎が無いことを示し、5は重篤な粘膜炎を示し、かつ、3以上のスコアは、潰瘍形成が観察されることを示している。各群の動物のスコアの平均を記録し、各群のハムスターが重篤な(>3のスコア)粘膜炎を有する日数を算出した。対照に対して統計学的に有意に少ない、薬物処置群においてこのスコアを有するハムスターの数をχ2乗分析によって決定し、治療効果を定義した。
Claims (34)
- 50cps〜50,000cpsの粘性を有する、粘膜障害の処置または予防のための粘膜付着性の溶液または懸濁液。
- ゲルであると更に定義される、請求項1記載の溶液または懸濁液。
- 粘性が粘膜付着性によりもたらされる、請求項1記載の溶液または懸濁液。
- 粘性が粘性誘導剤により誘導または増大される、請求項1記載の溶液または懸濁液。
- 粘膜付着剤が、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、硫酸デキストラン、ヒドロキシアルキルセルロース、デルマタン硫酸、水溶性ビニル重合体、キトサン、グアールゴム、キサンタンガム、トラガカントゴム、またはペクチンである、請求項1記載の溶液または懸濁液。
- 粘膜付着剤が、架橋されたポリアクリル酸である、請求項1記載の溶液または懸濁液。
- 粘性で粘膜付着性のゲル、懸濁液、または溶液を粘膜皮膚領域に塗布する段階を含む、粘膜皮膚障害を処置または予防する方法であって、該ゲル、懸濁液、または溶液が、粘膜皮膚領域を実質的にコーティングするのに十分な滞流時間を有しかつ十分な量で存在する、方法。
- 粘性の粘膜付着剤が約50cps〜約50,000cpsの粘性を有する、請求項7記載の方法。
- 粘膜付着剤が、架橋されたポリアクリル酸である、請求項7記載の方法。
- 粘膜表面上での粘膜付着剤の滞流時間を増大させるのに十分な粘性の、架橋されたポリアクリル酸を含む、粘膜表面のコーティングに適した粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲルであって、該ゲルが、粘膜を保護するために有用であり、症状の軽減を提供し、かつ化学療法または放射線療法によって誘導される紅斑および潰瘍形成を含む粘膜炎の徴候および症状の発生を遅延またはその重篤度を減少させる、粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 薬学的に活性な化合物を含むと更に定義される、請求項10記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 抗菌活性を有する保存剤もまた含む、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 水性であると、および薬学的に許容される水混和性の(water-miscible)有機溶媒を約20%未満含むと、更に定義される、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 粘膜表面が口腔由来である、請求項10記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 架橋されたポリアクリル酸がCarbopolまたはポリカルボフィルである、請求項10記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 粘性誘導剤もまた含む、請求項10記載の粘膜付着性で粘性の液体またはゲル。
- 粘性誘導剤が、一価、二価、または三価のカチオンの無機塩である、請求項16記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 塩が、薬学的に許容される塩素、臭素、リン酸、ホウ酸、酒石酸、または安息香酸の対イオンを有するNa、K、Ca、Mg、Zn、またはAlである、請求項17記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 粘性誘導剤が、架橋されたポリアクリル酸の静電的架橋または水素結合架橋の形成に適した少なくとも2つのイオン化可能な基または水素結合基を含む、薬学的に許容される有機分子である、請求項10記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 誘導剤が、少なくとも一つのアミノ酸、ペプチド、ジアミン、アルコール、有機酸、脂肪酸、ポリオール、ポリビニルアルコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマー、または界面活性剤を含む、請求項19記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 保存剤がメチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、またはそれらの混合物である、請求項12記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 薬学的に活性な成分もまた含む、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 成分が、鎮痛剤、抗菌剤、抗酸化剤、抗炎症剤、またはフリーラジカルスカベンジャである、請求項22記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 50cps〜50,000cpsの粘性を有すると定義される、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 100cps〜15,000cpsの粘性を有すると定義される、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 完全低粘調化(sheer-thinning)特性を示すと定義される、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 安定性、口当たり、外観、および風味を改善するためのその他の薬学的に許容される賦形剤を含むと更に定義される、請求項10または11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 賦形剤が保存剤、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、抗菌剤、可溶化剤、芳香剤、または甘味料である、請求項27記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 薬学的に活性な化合物の総量が5%未満である、請求項11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 薬学的に活性な化合物の総量が1%未満である、請求項11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 薬学的に活性な化合物の総量が0.1%未満である、請求項11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 薬学的に活性な化合物の含量が1%〜5%である、請求項11記載の粘膜付着性で粘性の液体または粘膜付着性のゲル。
- 以下を含む、粘膜病変を処置または予防するための粘性で粘膜付着性の液体:
90.68重量%の精製水;
約4.6重量%の10%水酸化カリウム;
1.50重量%のベンジルアルコール;
0.05重量%のポリソルベート60;
0.35重量%のCarbopol(登録商標)971P;
約5.7重量%の0.5%リン酸;
0.05重量%のクエン酸;
0.40重量%のサッカリンナトリウム;
5.00重量%のグリセリン;および
0.05重量%の天然オレンジ香料。 - 粘膜病変の処置または予防のための、粘膜付着性のゲル:
70.80重量%の50mMグリシン / NaOH緩衝液;
1.00重量%のグリセリン;
1.00重量%のNoveon AA1;
1.00重量%のCarbopol(登録商標)971P;
10.00重量%のエタノール;
15.20重量%の2N NaOH;および
1.00重量%のフェノキシエタノール。
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