JPH07125052A - 金属部品をインサートしたプラスチック中空成形体とその製造方法 - Google Patents

金属部品をインサートしたプラスチック中空成形体とその製造方法

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JPH07125052A
JPH07125052A JP27264793A JP27264793A JPH07125052A JP H07125052 A JPH07125052 A JP H07125052A JP 27264793 A JP27264793 A JP 27264793A JP 27264793 A JP27264793 A JP 27264793A JP H07125052 A JPH07125052 A JP H07125052A
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JP
Japan
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hollow
metal
airtightness
plastic
plastic hollow
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JP27264793A
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English (en)
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Yasuo Ezaki
恭夫 江崎
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Cargill Meat Solutions Corp
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Excel KK
Excel Corp
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 金属部分と樹脂部分との間の気密性に優れた
金属部品をインサートしたプラスチック中空成形体及び
その製造方法を提供する。 【構成】 金属部品をインサートしたプラスチック中空
成形体は、インサート成形される金属中空体1のプラス
チック中空成形体4との係止部分に気密性保持構造が設
けられており、気密性保持は金属中空体部品の気密保持
部分に設けたOリング2と、Oリング2を圧縮保持し且
つ気密性を付与する樹脂構造体がプラスチック中空成形
体4と熱的に溶着又は密着し、金属中空体1とプラスチ
ック中空成形体は、係止部分の気密性保持構造を介し一
体的に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属部品をインサート
したプラスチック中空成形体とその製造方法に関するも
ので、インサート成形した金属部品とプラスチック中空
成形体との気密性を必要とする製品に有効である。例え
ば、高温の液体や気体を冷却あるいは加熱する熱交換容
器や金属インサートを必要とするダクト・ホース等に利
用できる。
【0002】
【従来の技術】一般的に金属はプラスチック材料との密
着性に劣る。このため、プラスチック中空成形体にイン
サート成形する場合、樹脂成形体をインサート成形する
ことが一般的に行われている。
【0003】従来の方法で、プラスチック中空成形体を
貫通した金属インサートを設けると、プラスチック中空
成形体と金属部分との接合部分での気密性が保持できな
いため、プラスチック中空成形体を貫通した金属部品を
インサートすることは困難であった。特に、液体や高圧
の気体を通過させるための流路として用いる中空体にお
いては、この気密性が重要である、プラスチック中空成
形体に中空体を貫通する金属部品をインサート成形する
ことはなかった。
【0004】例えば、高温あるいは低温の液体や気体を
冷却あるいは加熱する熱交換容器は、熱伝導率の関係か
ら金属部品から構成されているが、金属であるため重量
も重く、しかも各接合部分を溶接しなければならず溶接
部分からの漏れのおそれもあり、さらに防錆の塗装も必
要であり高価であった。この熱交換容器でも軽量化・コ
ストダウンが望まれる分野においては熱伝導部分を除い
て樹脂化することが望まれているが気密性の問題から実
用化されていない。また、樹脂化されたダクト・ホース
においても、ダクト・ホースに設けるパイプ類を金属製
とした方が望ましい場合もあるが、気密性が保持できな
いため、ガラス繊維などで強化された高価な樹脂を使い
金属に変わる剛性を保持させることが多い。また、金属
製パイプ類を使わなければならない仕様のため、樹脂化
可能なダクト・ホースの樹脂化がされていない場合があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の方法にお
いて、例えば、高温あるいは低温の液体や気体を冷却あ
るいは加熱する熱交換容器は、熱伝導率の関係から金属
部品から構成されているが、金属であるため重量も重
く、軽量化が望まれる分野においては熱伝導部分を除い
て樹脂化することが望ましいが、金属部分と樹脂部分と
の気密性保持が困難のため樹脂化されていなかった。ま
た、金属中空体部品をインサート成形したプラスチック
中空体(例えば、ダクト・ホース)も必要とされること
があったが、気密性保持が困難のため実用化が遅れてい
る。従って、本発明の目的とするところは、上述した従
来の欠点を解消し、プラスチック中空成形体に金属中空
体部品を設けるにあたって、金属部分と樹脂部分との気
密性に優れる製品の製造を可能にし、金属部品をインサ
ートしたプラスチック中空成形体及びその製造方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、所望の
気密性を有する金属部品をインサートしたプラスチック
中空成形体及びその製造方法が提供される。
【0007】本発明の1側面によれば、金属部品をイン
サートしたプラスチック中空成形体は、インサート成形
される金属中空体のプラスチック中空成形体との係止部
分に気密性保持構造が設けられており、気密性保持は金
属中空体部品の気密保持部分に設けたOリングと、Oリ
ングを圧縮保持し且つ気密性を付与する樹脂構造体がプ
ラスチック中空成形体と熱的に溶着又は密着し、金属中
空体とプラスチック中空成形体は、係止部分の気密性保
持構造を介し一体的に形成されていることを特徴として
いる。
【0008】好適実施例によれば、プラスチック中空成
形体にインサート成形する金属中空体は、気体又は液体
が通過する流路を有しており少なくとも1カ所以上の気
密性保持構造を持つ。この気密性保持構造は金属中空体
の気密保持部分にOリングを組み込み、次いでこのOリ
ングを圧縮し且つ保持する樹脂製のリングを金属中空体
の気密保持部分とOリングの外周に嵌め込み形成され
る。気密性保持構造の一部を形成する樹脂リングは、プ
ラスチック中空成形体との密着性に優れる樹脂材質から
形成され、中空成形時に熱的に溶着又は密着する性質及
び形状を持つ。金属中空体に付与される気密保持構造
は、金属中空体がプラスチック中空成形体に係止される
部分に設けられ、金属中空体とプラスチック中空成形体
との気密性を保持すると共に金属中空体のプラスチック
中空成形体への係止効果も持つ。次いで、気密性保持構
造を持つ金属中空体をプラスチック中空成形金型にセッ
トし、プラスチック中空成形法によって気密性保持構造
を持つ金属中空体をプラスチック中空成形体にインサー
ト成形し、金属部品をインサートしたプラスチック中空
成形体を得、必要な後加工を行い製品とする。
【0009】本発明の別の側面によれば、金属部品をイ
ンサートしたプラスチック中空成形体は、インサート成
形される金属中空体のプラスチック中空成形体との係止
部分に、金属との密着性に優れる樹脂による気密保持構
造が設けられている。この金属との密着性に優れる樹脂
による気密保持構造は、樹脂の射出成形によって形成さ
れ、金属中空体と気密保持構造体との気密性を保持する
ばかりでなく、樹脂による気密保持構造体がプラスチッ
ク中空成形体と熱的に溶着又は密着し、金属中空体とプ
ラスチック中空成形体が、係止部分の気密性保持構造体
を介し一体的に形成されていることを特徴としている。
【0010】好適実施例によれば、プラスチック中空成
形体にインサート成形する金属中空体を、射出成形金型
にセットし、所望の樹脂によって金属中空体の気密性保
持構造部分に樹脂製の気密保持構造体を形成させる。こ
の気密性保持構造体は金属中空体がプラスチック中空成
形体に係止される部分に設けられ、金属中空体と気密保
持構造体との密着による気密性を保持するばかりでな
く、中空成形時にプラスチック中空成形体と熱的に溶着
又は密着する性質及び形状を持ち、金属中空体とプラス
チック中空成形体との気密性を保持すると共に金属中空
体のプラスチック中空成形体への係止効果も持つ。次い
で、樹脂による気密性保持構造体を持つ金属中空体をプ
ラスチック中空成形金型にセットし、プラスチック中空
成形法によって金属中空体をプラスチック中空成形体に
インサート成形し、金属部品をインサートしたプラスチ
ック中空成形体を得、必要な後加工を行い製品とする。
【0011】本発明のさらに別の側面によれば、金属部
品をインサートしたプラスチック中空成形体は、インサ
ート成形される金属中空体のプラスチック中空成形体と
の係止部分に、金属との密着性に優れる樹脂による薄膜
状の気密保持構造が設けられている。この金属との密着
性に優れる樹脂による薄膜状の気密保持構造部(樹脂薄
膜層)が金属中空体とプラスチック中空成形体との係止
部分間に介在することによって、金属中空体とプラスチ
ック中空成形体とが一体的に形成されることを特徴とし
ている。
【0012】好適実施例によれば、プラスチック中空成
形体にインサート成形する金属中空体のプラスチック中
空成形体への係止部分に、金属との密着性に優れる樹脂
薄膜層を形成させる。係止部分への樹脂薄膜層の形成方
法は、樹脂成分の塗布あるいは樹脂成分含有媒体の塗布
による方法、又は、金属中空体の係止部分を樹脂成分あ
るいは樹脂成分含有媒体に浸漬させる方法による。この
薄膜状の気密保持構造部(樹脂薄膜層)は金属との密着
性を持つばかりでなく、中空成形した際に、プラスチッ
ク中空成形体と熱的に溶着又は密着する性質を持ち、金
属中空体とプラスチック中空成形体との気密性を保持す
る。この薄膜状の気密保持構造部(樹脂薄膜層)を持つ
金属中空体をプラスチック中空成形金型にセットし、プ
ラスチック中空成形法によって金属中空体をプラスチッ
ク中空成形体にインサート成形し、金属部品をインサー
トしたプラスチック中空成形体を得、必要な後加工を行
い製品とする。
【0013】本発明のさらに別の側面によれば、金属部
品をインサートしたプラスチック中空成形体は、インサ
ート成形される金属中空体が液体又は気体の流体通路を
形成しており、金属中空体の流体通路全体又は流体通路
の一部が、プラスチック中空成形体で形成される中空体
内部を貫通していることを特徴としている。
【0014】好適実施例によれば、高温(又は低温)の
気体や液体が流通可能な流体通路を金属中空体によって
形成させ、その外周部にプラスチック中空成形体を設
け、プラスチック中空成形体を低温(又は高温)の気体
や液体が流通可能な流体通路とすることによって、金属
中空体の内部を通過する流体とプラスチック中空成形体
の内部を通過する流体との熱交換可能な熱交換容器が得
られる。この熱交換容器は外周部がプラスチック中空成
形体であるので重量も軽く、防錆処理も不要である。
【0015】さらに別の好適実施例によれば、樹脂製の
インテークマニフォルド・ダクト・ホース等のプラスチ
ック中空成形体において、高温の気体を樹脂製のプラス
チック中空成形体内部に導入する場合がある。この場
合、プラスチック中空成形体内部に気体を導入するパイ
プ類は、高温条件下にさらされるため金属製であること
が望ましい。このような場合、金属中空体(パイプ類)
に機密保持構造を持たせ、プラスチック中空成形体にイ
ンサート成形することによって所望の機能を持つ樹脂製
のインテークマニフォルド・ダクト・ホース等が得られ
る。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基ずいて詳
細に説明する。
【0017】図1,2は本発明による実施例で、Oリン
グによる気密性付与構造の断面略図である。
【0018】図1,2において金属中空体1は、気密性
付与部分にOリング係止溝1a、流体の通路を形成する
金属中空体内部部分1bを有している。Oリング2は金
属中空体1と樹脂リング3との間に設けられ係止され
る。プラスチック中空成形体4は樹脂リング3を介し金
属中空体1と一体的に形成されており、流体の通路を形
成するプラスチック中空成形体内部部分4bを有してい
る。
【0019】図1はOリングによる気密性付与構造の一
実施例で、金属中空体1の一部1cがプラスチック中空
成形体4の外部に出ている例である。金属中空体1と樹
脂リング3は、金属中空体1のOリング係止溝1a部分
と樹脂リング3のOリング係止溝3a部分に設けられた
Oリング2によって、金属中空体1と樹脂リング3との
気密保持構造を形成する。樹脂リング3はプラスチック
中空成形体4のインサート係止部分4aと接着面5で一
体的に溶着又は接着し、樹脂リング3とプラスチック中
空成形体4の気密保持構造を形成する。Oリング2によ
って形成する気密保持構造と接着面5で形成する気密保
持構造によって、金属中空体1とプラスチック中空成形
体4とで形成されるプラスチック中空成形体内部部分4
bの気密保持を行う。
【0020】図2はOリングによる気密性付与構造の他
の実施例で、金属中空体1をプラスチック中空成形体4
の内部に設けた例である。金属中空体1の開口端部分1
cに設けられたOリング係止溝1aにOリング2を設
け、樹脂リング3によって、Oリング2を圧縮且つ係止
し気密保持構造を形成する。金属中空体1の開口端部分
1cの外周部分に設けられた樹脂リング3は、プラスチ
ック中空成形体4のインサート係止部分4aと接着面5
で一体的に溶着又は接着し、樹脂リング3とプラスチッ
ク中空成形体4の気密保持構造を形成する。金属中空体
1の開口端部分1cは、プラスチック中空成形体4の一
部で形成される連結部分4cと接続しており、金属中空
体1の内部部分1bは、プラスチック中空成形体4の連
結部分4cを介し外部との流路が形成されている。Oリ
ング2によって形成する気密保持構造と接着面5で形成
する気密保持構造によって、金属中空体1とプラスチッ
ク中空成形体4とで形成されるプラスチック中空成形体
内部部分4bの気密保持が行われ、金属中空体1の開口
端部分1cとプラスチック中空成形体4の連結部分4c
との気密保持も、Oリング2によって形成する気密保持
構造と接着面5で形成する気密保持構造によって確保さ
れる。
【0021】図3,4は本発明による他の実施例で、金
属との密着性に優れる樹脂の射出成形によって気密性付
与構造を形成させた例の断面略図である。
【0022】図3,4において金属中空体1は流体の通
路を形成する金属中空体内部部分1bを有し、プラスチ
ック中空成形体4との間に設けられた樹脂の射出成形に
よる気密性付与構造体6を介しプラスチック中空成形体
4と一体的に形成され、プラスチック中空成形体4との
間に流体の通路を形成するプラスチック中空成形体内部
部分4bを形成する。
【0023】図3は、金属との密着性に優れる樹脂の射
出成形によって気密性付与構造を形成させた一実施例
で、金属中空体1の開口端部分1cがプラスチック中空
成形体4の外部に出ている例である。金属中空体1の係
止部分1eに金属との密着性に優れる樹脂の射出成形に
よって気密性付与構造体6を形成させ、接着面7で金属
中空体1と気密性付与構造体6との気密保持を行う。金
属中空体1と一体化した気密性付与構造体6は、プラス
チック中空成形体4のインサート係止部分4aと接着面
8で一体的に溶着又は接着し、気密性付与構造体6とプ
ラスチック中空成形体4の気密保持を行う。金属との密
着性に優れ、且つプラスチック中空成形時にプラスチッ
ク中空成形体と熱的に溶着又は接着する樹脂の射出成形
によって形成させる気密性付与構造体6は、金属中空体
1とプラスチック中空成形体4とで形成されるプラスチ
ック中空成形体内部部分4bの気密保持を形成する。
【0024】図4は、金属との密着性に優れる樹脂の射
出成形によって気密性付与構造を形成させた他の実施例
で、金属中空体1をプラスチック中空成形体4の内部に
設けた例である。金属中空体1の開口端部分1cに係止
構造1fを設け、気密性付与構造体6との係止強度を向
上させた例で、開口端部分1cに金属との密着性に優れ
る樹脂の射出成形によって気密性付与構造体6を形成さ
せ、接着面7で金属中空体1と気密性付与構造体6との
気密保持を行い、係止構造1f部分で金属中空体1と気
密性付与構造体6との係止強度を向上させる。さらに気
密性付与構造体6は、プラスチック中空成形体4との係
止強度を高めるためにプラスチック中空成形体4との係
止部に係止構造6aを有し、プラスチック中空成形体4
との係止強度を、向上させる。気密性付与構造体6が付
加された金属中空体1は、気密性付与構造体6を介して
プラスチック中空成形体4に係止され、プラスチック中
空成形体4のインサート係止部分4aと接着面8で一体
的に溶着又は接着し、気密性付与構造体6とプラスチッ
ク中空成形体4の気密保持を行う。金属中空体1の開口
端部分1cは、プラスチック中空成形体4の一部で形成
される連結部分4cと接続しており、金属中空体1の内
部部分1bは、プラスチック中空成形体4の連結部分4
cを介し外部との流路が形成されている。気密性付与構
造体6の金属中空体1との接着面7での密着と、気密性
付与構造体6のプラスチック中空成形体4との接着面8
での一体的な溶着又は接着によって、金属中空体1とプ
ラスチック中空成形体4とで形成されるプラスチック中
空成形体内部部分4bの気密保持と、金属中空体1の開
口端部分1cとプラスチック中空成形体4の連結部分4
cとの気密保持が確保される。
【0025】図5は本発明によるさらに他の実施例で、
金属との密着性に優れる樹脂の薄膜状の気密性付与構造
を形成させた例の断面略図である。
【0026】図5において金属中空体1は流体の形成す
る金属中空体内部部分1bを有し、プラスチック中空成
形体4との間に設けられた樹脂の薄膜状の気密性付与構
造体9を介しプラスチック中空成形体4と一体的に形成
され、プラスチック中空成形体4との間に流体の通路を
形成するプラスチック中空成形体内部部分4bを形成す
る。
【0027】図5は金属との密着性に優れる樹脂の薄膜
状の気密性付与構造を形成させた一実施例で、金属中空
体1のプラスチック中空成形体4に係止される部分1e
の外周部に薄膜状樹脂の気密性付与構造体9を形成さ
せ、薄膜状樹脂の気密性付与構造体9によって金属中空
体1とプラスチック中空成形体4との気密性を確保する
ものである。薄膜状樹脂の気密性付与構造体9は、金属
中空体1のインサート被係止部分1eの外周部への樹脂
成分の塗布あるいは樹脂成分含有媒体の塗布による方
法、又は、金属中空体1のインサート被係止部分1eを
樹脂成分あるいは樹脂成分含有媒体に浸漬させる方法に
よって形成する。この薄膜状の気密保持構造体(樹脂薄
膜層)9は金属との密着性を持つばかりでなく、中空成
形した際に、プラスチック中空成形体4と熱的に溶着又
は密着する性質を持ち、金属中空体1とプラスチック中
空成形体4との気密性を保持する。金属中空体1には、
インサート被係止部分1eに係止構造1fが設けられて
おり、プラスチック中空成形体4のインサート被係止部
分4aとの係止強度を向上させる構造を持つ。薄膜状気
密性付与構造体9の金属中空体1との密着と、薄膜状気
密性付与構造体9のプラスチック中空成形体4との一体
的な溶着又は接着によって、金属中空体1とプラスチッ
ク中空成形体4とで形成されるプラスチック中空成形体
内部部分4bの気密保持が確保される。
【0028】図6は本発明による実施の態様の一例で、
熱交換可能な容器の例である。
【0029】金属中空体1は流体の通路を形成する金属
中空体内部部分1bを有し、開口端部分1c,1c′の
いずれか一方からの流体の供給によって、金属中空体内
部部分1bを流体が通過する構造を持つ。金属中空体1
のインサート被係止部分1e,1e′には前述の気密保
持構造(体)10,10′が設けられ、プラスチック中
空成形体4のインサート形成部分4a,4a′によって
プラスチック中空成形体4と一体的に形成されている。
気密保持構造(体)10,10′によって一体化された
金属中空体1とプラスチック中空成形体4は、流体の通
過可能なプラスチック中空成形体内部部分4bを形成
し、プラスチック中空成形体4の開口端部分4d,4
d′のいずれか一方からの流体の供給によって、プラス
チック中空成形体内部部分4bを流体が通過する構造を
持つ。金属中空体内部部分1bを通過する流体とプラス
チック中空成形体内部部分4bを通過する流体の熱交換
は、金属中空体のプラスチック中空成形体内部部分4b
との接触面1gを介して行われる。熱交換効率を向上さ
せる場合には接着面1gの面積を増す形状とすることも
可能である。図6は、実施の態様の一例であるが、前述
の気密保持構造(体)のさまざまな態様が適用できるの
はもちろんである。
【0030】図7は本発明による他の実施の態様の一例
で、流体の通過可能なプラスチック中空成形管路体の例
である。
【0031】金属中空体11は、気密保持構造(体)1
2を介しプラスチック中空成形管路体13のインサート
係止部分13aに設けられている。プラスチック中空成
形管路体13の内部部分13bは、プラスチック中空成
形管路体13の開口端部分13c,13c′のいずれか
一方からの流体の供給によって、プラスチック中空成形
管路体内部部分13bを流体が通過する構造を持つ。金
属中空体11はプラスチック中空成形管路体内部部分1
3bに連通しており、プラスチック中空成形管路体内部
部分13bを通過する流体の金属中空体11からの排出
や、あるいは金属中空体11を通してのプラスチック中
空成形管路体内部部分13bへの流体の吸入が可能な構
造を持つ。高温の気体や液体を発生する部位とプラスチ
ック中空成形管路体を連結する場合、連結部分がプラス
チック樹脂管路体では耐熱性の関係から使用不可能な場
合があり金属管路体で連結する必要がある。図7は、こ
のような場合の一実施例である。金属中空体11とプラ
スチック中空成形管路体13との間に設ける気密保持構
造(体)12に、前述の気密保持構造(体)のさまざま
な態様が適用できるのはもちろんである。また、金属中
空体11の形状もさまざまな形状が可能なことはもちろ
んである。
【0032】図8は金属中空体11の形状の他の一例
で、金属中空体11′がL字形状11a′を持ち、図7
の金属中空体11部分に適用すると、高温の気体や液体
がプラスチック中空成形管路体に吸入された場合など
に、高温の気体や液体が直接にプラスチック中空成形管
路体に当たることなく拡散できる。また金属中空体1
1′をセンサーなどに接続することによって流体の流量
や圧力を感知する場合にも利用できる。
【0033】図9はネジ構造を持つ金属中空体の部分略
図である。金属中空体14はネジ構造14aを持ち、O
リング15を介し樹脂リング16と一体化し、さらに樹
脂リング16はプラスチック中空成形体17によって密
着係止されている。樹脂リング16に係止構造16aを
設け、係止効果を増した例である。ネジ構造を持つ金属
中空体の形状、気密保持構造は本例に限らずさまざまな
態様が適用できるのはもちろんである。
【0034】
【発明の効果】本発明による金属部品をインサートした
プラスチック中空成形体は、金属中空体をプラスチック
中空成形体にインサート成形するに際し、金属中空体の
プラスチック中空成形体との係止部分に気密保持構造体
を設け、金属中空体とプラスチック中空成形体との気密
性を向上させたものである。
【0035】金属中空体とプラスチック中空成形体を一
体的に構成させ且つ十分な気密保持が達成されるので、
従来の方法では製造できなかった金属製品の樹脂化や金
属部品のプラスチック中空成形体へのインサートが可能
であった。
【0036】例えば、熱交換容器の内部中空体を金属中
空体によって形成させ、その外周部をプラスチック中空
成形体とし、それぞれ気体や液体が流通可能な流体通路
とすることによって、金属中空体の内部を通過する気体
とプラスチック中空成形体の内部を通過する流体との熱
交換可能な熱交換容器が得られ、従来は金属製であった
熱交換容器の外周部をプラスチック中空成形体とし軽量
化することや金属の溶接工程の削減、さらに防錆処理も
不要であることなど、軽量化・製造工数削減・製造コス
ト低減がはかれる。
【0037】さらに別の例としては、樹脂製のインテー
クマニフォルド・ダクト・ホース等のプラスチック中空
成形体において、高温の気体を樹脂製のプラスチック中
空成形体内部に導入する場合などで、気体を導入するパ
イプ類は高温条件下にさらされるため金属製であること
が望ましかったが気密性保持ができなかったために実用
化されない場合があった。本発明は、金属中空体(パイ
プ類)に気密性保持構造を持たせ、プラスチック中空成
形体にインサート成形することによって所望の機能を持
つ樹脂製のインテークマニフォルド・ダクト・ホース等
の実用化を可能にし、従来の問題点を解決した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のOリングによる気密性付与構造の一
実施例の断面略図。
【図2】 本発明のOリングによる気密性付与構造の別
の実施例の断面略図。
【図3】 本発明の射出成形による気密性付与構造の一
実施例の断面略図。
【図4】 本発明の射出成形による気密性付与構造の別
の実施例の断面略図。
【図5】 本発明の薄膜状の気密性付与構造の断面略
図。
【図6】 本発明による熱交換器の断面略図。
【図7】 本発明による中空成形管路体の断面略図。
【図8】 図5においてL字形状の金属中空体を適用し
た部分断面略図。
【図9】 ネジ構造を持つ金属中空体を適用した部分断
面略図。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属中空体からなる流体通路をプラスチ
    ック中空成形体に設けた中空体において、該金属中空体
    と該プラスチック中空成形体との係止部分に気密性付与
    部分を設けることを特徴とする金属中空体を有するプラ
    スチック中空成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該気密性付与部分が
    Oリングによる気密構造を有することを特徴とする金属
    中空体を有するプラスチック中空成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1において、該気密性付与部分が
    Oリングによる気密構造を有し、該Oリングが該金属中
    空体と該気密性付与部分を形成する樹脂部分体との間に
    設けられていることを特徴とする金属中空体を有するプ
    ラスチック中空成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1において、該気密性付与部分が
    金属との密着性を持つ樹脂部分体であることを特徴とす
    る金属中空体を有するプラスチック中空成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1において、該気密性付与部分が
    金属との密着性を持つ薄膜状の樹脂部分体であることを
    特徴とする金属中空体を有するプラスチック中空成形
    体。
  6. 【請求項6】 金属中空体からなる流体通路をプラスチ
    ック中空成形体に設ける中空体の製造方法において、該
    金属中空体と該プラスチック中空成形体との係止部分に
    設ける気密性付与部分を形成させるに際し、該金属中空
    体の気密性付与部分と気密性付与部分の一部を形成する
    樹脂部分体との間にOリングを設け、該金属中空体の該
    プラスチック中空成形体との係止部分に設ける気密性付
    与部分を形成させ、次いで該気密性付与部分を有する該
    金属中空体を中空成形金型にセットし、プラスチック中
    空成形法により該金属中空体を該プラスチック中空成形
    体にインサート成形し、該金属中空体を該気密性付与部
    分を介し、該プラスチック中空成形体に一体的に係止さ
    せることを特徴とする金属中空体を有するプラスチック
    中空成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、該金属中空もしくは
    気密性付与部分の一部を形成する樹脂部分体の少なくと
    も一方の気密性付与部分にOリング係止溝を設けること
    を特徴とする金属中空体を有するプラスチック中空成形
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、該気密付与部分の一
    部を形成する樹脂部分体が該プラスチック中空成形体と
    熱的に溶着又は密着することを特徴とする金属中空体を
    有するプラスチック中空成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属中空体からなる流体通路をプラスチ
    ック中空成形体に設ける中空体の製造方法において、該
    金属中空体と該プラスチック中空成形体との係止部分に
    設ける気密性付与部分を形成させるに際し、該金属中空
    体の気密性付与部分に金属との密着性に優れる樹脂成分
    よりなる気密性付与部分を設け、次いで該気密性付与部
    分を有する該金属中空体を中空成形金型にセットし、プ
    ラスチック中空成形法により金属中空体を該プラスチッ
    ク中空成形体にインサート成形し、該金属中空体を該気
    密性付与部分を介し、該プラスチック中空成形体に一体
    的に係止させることを特徴とする金属中空体を有するプ
    ラスチック中空成形体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、該気密性付与部分
    の樹脂成分よりなる構造体を、該金属中空体の気密性付
    与部分への樹脂成分の射出成形によって形成させること
    を特徴とする金属中空体を有するプラスチック中空成形
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9において、該気密性付与部分
    の樹脂成分よりなる構造体を、薄膜層とすることを特徴
    とする金属中空体を有するプラスチック中空成形体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、該気密性付与部
    分の樹脂成分よりなる薄膜層を、該金属中空体の気密性
    付与部分への樹脂成分の塗布あるいは樹脂成分含有媒体
    の塗布、該金属中空体の気密性付与部分の樹脂成分への
    浸漬あるいは樹脂成分含有媒体への浸漬等によって形成
    させることを特徴とする金属中空体を有するプラスチッ
    ク中空成形体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項9において、該気密性付与部分
    の樹脂成分よりなる構造体が該プラスチック中空成形体
    と熱的に溶着又は密着することを特徴とする金属中空体
    を有するプラスチック中空成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010069657A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Ube Ind Ltd 複合構造体およびその製造方法
JP2019205637A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 洗濯機

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