JPH07122127B2 - セラミックス溶射材料 - Google Patents
セラミックス溶射材料Info
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- JPH07122127B2 JPH07122127B2 JP3046653A JP4665391A JPH07122127B2 JP H07122127 B2 JPH07122127 B2 JP H07122127B2 JP 3046653 A JP3046653 A JP 3046653A JP 4665391 A JP4665391 A JP 4665391A JP H07122127 B2 JPH07122127 B2 JP H07122127B2
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Description
ート、外壁材等の基材表面にフレーム溶射、プラズマ溶
射等を用いて溶射被膜を形成する際に用いられる溶射材
料に関し、更に詳細には、形成された被膜が耐熱性及び
耐摩耗性を有し、褪色しない緑色を呈する溶射材料に関
する。
材等の表面を着色するには、メッキ処理法、アルマイト
処理法、有機系塗料を塗布する方法等が多く用いられて
いる。
強固な被膜が形成し、これらの処理により基材の表面改
質が図られる。しかし長期使用に対しては、表面に傷が
付いたり、多くは剥げ落ちるといった問題が生じる。ま
た、有機系塗料は色彩も鮮やかで数多くの色調を持ち合
わせている。しかし、マンホール蓋、外壁材、コンクリ
ートの建造物等の屋外での長期使用に対しては十分な耐
用を示さず、褪色・変色が著しい。また、これらの材料
は、耐摩耗性を有していないため、マンホール蓋等、耐
摩耗性が要求される場所での使用には、不適当である。
ミックス溶射がある。溶射は基材の物性を向上させる目
的で基材表面に被膜を形成せしめる方法の一つである
が、中でもセラミックス溶射被膜は耐熱性及び耐摩耗性
に優れ、例えば、Al2O3、ZrO2(YSZ)、T
iO2等が溶射材料として使用されている。
能性を重視したものであり、被膜の色調についてまで考
慮されていないものが殆どである。即ち、美麗で装飾的
要素を兼ね備えた溶射材料の種類は少なく、色彩も限ら
れている。例えば、白色を呈するホワイトアルミナ、黒
色を呈するアルミナ・チタニア、青色を呈するアルミナ
・コバルト、そして希土類酸化物を用いた茶色、薄黄色
等があるにすぎず、三原色を構成する緑、赤といった色
でさえも発色できないのが現状である。
極めて少ない理由としては、溶射材料の色調とこれを溶
射した被膜の色調が必ずしも同一でないという事実が挙
げられる。特にプラズマ溶射を実施する場合、溶射材料
は非常に高温の還元性雰囲気下に曝される。即ち、酸化
物から成る発色材等は溶射時にプラズマジェット中に吹
き込まれ加熱され、超音速で基材に衝突し、急冷され被
膜を形成する。従って瞬時の急熱及び急冷により、通常
の結晶の格子状態に比べ欠陥が多くなり、これに起因す
る色吸収を生ずる。このことから、溶射被膜の色調は溶
射材料の色調からは予想し得ないことが多い。また、溶
射材料は高温状態から急冷されるばかりでなく、溶融粒
子がマッハ以上の速度で飛行し、基材に積層するために
物質の不安定状態が固定されたまま常温状態となる。よ
って高温から徐冷された場合とは異なる結晶状態となる
ものと考えられる。
に予知しておき、希望の色調に合わせた溶射材料を提供
することは重要である。しかし、上記の理由から、セラ
ミックス溶射により得られる色調の予想は極めて困難で
あり、実際に溶射を行ってみないとわからない場合が多
く、溶射被膜の色彩のコントロールは困難とされてい
る。
せることができなかった緑色に着目し、耐熱性及び耐摩
耗性を有し、屋外での使用においても褪色しない緑色系
統被膜を形成し得る安価な溶射材料を提供することを目
的とするものである。
明者らは、上記要件を満たすセラミックス溶射材料を開
発すべく鋭意研究を重ねたところ、珪酸カルシウム系鉱
物を主要成分とし、これに酸化クロム(以下、Cr2O
3という。)及び酸化アルミニウム(以下、Al2O3
という。)を混合したものが、非常に鮮やかな緑色を有
し、しかも耐摩耗性が向上した被膜を形成し得ることを
見出し、本発明を完成した。
40重量%、10重量%を超えない量の酸化アルミニウ
ム及び珪酸カルシウム系鉱物が残部からなるものを焼成
することなく混合したことを特徴とする溶射材料を提供
するものである。
としては、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2、CaO・SiO2、3CaO・2Si
O2等を挙げることができる。これらの鉱物は単独で、又
は2種以上を組み合わせて用いることができ、Cr2O3と
組み合わせて溶射材料とすることができ、この材料を溶
射して形成された被膜は美しい緑色を呈する。本発明材
料は、珪酸カルシウム系鉱物を用いるところに特徴があ
り、例えば、CaOとSiO 2をただ混合したものは、美しい
緑色となりえず、また、CaOとSiO2とCr2O3を混合し、焼
成したものは、彩度に欠けた暗緑色となる。珪酸カルシ
ウム系鉱物のうち、2CaO・SiO2が耐熱性及び耐摩耗性の
点から特に好ましい。
調を予め想定することができ、その色調はCr2O3添加量
に比例する。また珪酸カルシウム系鉱物と組み合わせた
とき、被膜の色調は溶射材料のそれよりも濃厚に、かつ
鮮やかに発色する性質がある。これは珪酸カルシウム系
鉱物が発色材であるCr2O3を溶射時の還元雰囲気におけ
る変化から保護しているためと推測される。Cr2O3は、
本発明溶射材料中0.005〜40重量%の範囲で添加され
る。Cr2O3量が0.005重量%未満の場合は、美しい緑色に
なり得ず、40重量%を超える場合は濃暗緑色となってし
まう。
として添加するものであり、本発明溶射材料中10重量
%までの範囲で配合される。Al2O3の配合量が10
重量%を超えると彩度に欠け、目的とする発色が得られ
ない。
とCr2O3とAl2O3の粉末を所定の割合で混合す
ることにより得られる。本発明溶射材料の粒度は5〜1
00μm、特に平均粒径20〜40μmとするのが好ま
しい。更に、この粉末混合物を造粒してもよく、造粒物
は溶射時において非常に有効である。造粒は、例えば、
粉末混合物を平均粒径1〜5μmに粉砕し、バインダー
としてポリビニルアルコール、メチルセルロース、澱粉
等を0.5〜5重量%加え、スプレードライヤーで噴霧
造粒することにより行われる。造粒物は、粒径が5〜5
00μm、特に平均粒子径が10〜100μmの範囲と
するのが好ましい。粒径が5μm未満では溶射分留りが
悪くなり、500μmを超えると粒子が溶触しにくく、
付着力、耐摩耗性の低下を招く。
いはプラズマ溶射法により、金属、木材、コンクリー
ト、外壁材等の表面に溶射することができる。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
r2O3及びAl2O3と所定の割合で混合し、スプレードライ
ヤーで平均粒径約30μmに噴霧造粒し、溶射材料を得
た。これを用い、SUS基材上にプラズマ溶射を実施し
た。プラズマ溶射条件は次の通りである。 溶射後の被膜色を、「緑色;○」「濃緑色;△」「暗
色;×」「被膜形成できず;−」の基準により評価し、
表1に示す。
れも美麗な緑色の着色被膜を形成した。これに対し、比
較品1〜6は、濃緑色もしくは暗色を呈し、美麗な着色
被膜とはいえないものであった。比較品7〜11は、美麗
な緑色被膜を形成せず、比較品12及び13は、濡れ性が非
常に悪いため、被膜が形成されなかった。また、3CaO・S
iO2、CaO・SiO2及び3CaO・2SiO2についても2CaO・SiO2と同
様の組成、溶射条件で試験を行った結果、2CaO・SiO2の
場合と大差なく本発明溶射材料組成範囲内においては美
麗な緑色の着色被膜を形成した。
O3−5重量%Al2O3を約30μmに造粒し、溶射
材料とした。これを下水道用マンホール蓋表面に、プラ
ズマ溶射にて被膜の形成を行い、美麗な緑色の着色被膜
を形成した。一方、市販されている緑色有機系塗料を同
じマンホール蓋表面に塗布した。この試料を覆いのない
屋上に1年間放置し、褪色、脱色性試験を行った。この
結果、本発明品の被膜色は施行時の色調と比較し褪色、
脱色することなく現在も良好に推移している。しかし、
有機系塗料は褪色を起こしており、表面に細かな亀裂が
認められ、耐用性はみられなかった。
ぞれ塗布し、耐薬品性試験を行った。本発明品の被膜は
脱色、剥離などは認められないが、有機系塗料表面に
は、脱色が認められた。
本発明品5をプラズマ溶射した。溶射後の被膜溶射面は
パステル調の緑色を呈した。この溶射被膜の硬度及び付
着力について試験を行った。硬度測定は、試験加重20
0gf、ローディングスピード40μ/sec、保持時
間15秒で行った。また付着力測定は、「JIS H
8666(セラミックス溶射試験方法)」に準じ、試験
を行った。被膜の物性は、表2に示す通りでありビッカ
ース硬度、付着力共に十分な成績が得られた。
材料をSUS304上に300μm厚に溶射したもの、
及び市販品の外壁用有機塗料をSUS304上に300
μm厚に塗布したものを作製し、摩耗試験機を用いて摩
耗試験を行った。試験には往復運動式摩耗試験機を用い
た。条件は、往復速度40DS/min、加重500g
f、SiC研磨紙で行い、試験後の被膜厚さを測定し
た。この結果を表3に示す。表3から明らかなように、
本溶射材料による被膜は、十分な耐摩耗性を有している
ことが分かる。
シウム系鉱物をベースとした本発明溶射材料は、Al
2O3、ZrO2等をベースにした従来の溶射材料では発色し
得なかった、美しくかつ褪色しない緑色を呈する被膜を
形成することができる。また耐熱性及び耐摩耗性を有し
ていることから、マンホール蓋、門、外壁、コンクリー
ト等へ溶射することにより、長期使用に十分耐用できる
美麗な緑色系統被膜を得ることができる。また、希土類
酸化物を使用しないことから、コスト低減に大きく貢献
できる効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化クロム0.005〜40重量%、1
0重量%を超えない量の酸化アルミニウム及び珪酸カル
シウム系鉱物が残部からなるものを焼成することなく混
合したことを特徴とする溶射材料。 - 【請求項2】 珪酸カルシウム系鉱物が、3CaO・S
iO2、2CaO・SiO2、CaO・SiO2及び3
CaO・2SiO2から選ばれる1種又は2種以上であ
る請求項1記載の溶射材料。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の溶射材料にバイン
ダー成分を加えて造粒してなる溶射材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3046653A JPH07122127B2 (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | セラミックス溶射材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3046653A JPH07122127B2 (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | セラミックス溶射材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285150A JPH04285150A (ja) | 1992-10-09 |
JPH07122127B2 true JPH07122127B2 (ja) | 1995-12-25 |
Family
ID=12753280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3046653A Expired - Lifetime JPH07122127B2 (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | セラミックス溶射材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07122127B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004100039A (ja) * | 2002-07-19 | 2004-04-02 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 希土類酸化物溶射部材および溶射用粉 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007028109A1 (de) * | 2007-06-19 | 2008-12-24 | Märkisches Werk GmbH | Thermisch gespritzte, gasdichte Schutzschicht für metallische Substrate |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07100847B2 (ja) * | 1987-09-18 | 1995-11-01 | 秩父小野田株式会社 | 珪酸カルシウム質溶射材料 |
-
1991
- 1991-03-12 JP JP3046653A patent/JPH07122127B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004100039A (ja) * | 2002-07-19 | 2004-04-02 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 希土類酸化物溶射部材および溶射用粉 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04285150A (ja) | 1992-10-09 |
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