JPH07100847B2 - 珪酸カルシウム質溶射材料 - Google Patents

珪酸カルシウム質溶射材料

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JPH07100847B2
JPH07100847B2 JP62234156A JP23415687A JPH07100847B2 JP H07100847 B2 JPH07100847 B2 JP H07100847B2 JP 62234156 A JP62234156 A JP 62234156A JP 23415687 A JP23415687 A JP 23415687A JP H07100847 B2 JPH07100847 B2 JP H07100847B2
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秩父小野田株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、金属の表面などの溶射コーテングに使用さ
れる溶射材料に関する。
(従来の技術) 以前から、耐熱性、断熱性、耐摩耗性などの向上を目的
として、金属の表面へセラミックの粉末を溶射して、そ
の表面をセラミックでコーティングすることが広く行わ
れている。これまで、ここに使用されてきた溶射材料と
しては、例えばイットリアを安定化剤として添加したジ
ルコニアが耐熱性、断熱性に優れて多く用いられてい
る。これらは、エンジン、ガスタービンなどの分野で遮
熱を目的としたコーティング材として多く使用されてい
る。
しかしながら、安定化ジルコニアは高価であり、従って
これを原料として製造されるジルコニア溶射材料も高価
となって、その使用量および用途が著しく限定されてき
たのが現実であった。
こうしたことで、これまでも上記のジルコニア溶射材料
に代わるものの出現が望まれていた。これらの要請に応
えて、従来から新規な溶射材料の開発のため各種の研究
がなされてきた。発明者らも天然資源として豊富に存在
する石灰石および珪石を原料として、これらから安価で
かつ安定化ジルコニアに匹敵する高性能な溶射材料の開
発を試みたが、なかなか満足のものは得られなかった。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は、安定化ジルコニア溶射材料に匹敵する良好
な性能を有する珪酸カルシウム質溶射材料を、製品効率
がよくかつ安価に得ようとするものである。
(問題点を解決するための手段) この発明は、γ−2CaO・SiO2粉末を噴霧造粒してなるも
ので、CaOとSiO2以外の成分が0.25〜10.0重量%の範囲
で含有されている珪酸カルシウム質溶射材料である。以
下に、この発明をさらに説明する。
珪酸カルシウムには、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2(α,
α′,βおよびγ型)、3CaO・2SiO2、CaO・SiO2(αお
よびβ型)などがあるが、この発明では原料として、γ
型珪酸二石灰(γ−2CaO・SiO2)を使用する。以下に、
これを略称してγ−C2Sという。
発明者らのこれまでの研究によると、珪酸カルシウムを
用いた溶射材料の開発は、これまで主に次のような理由
で不可能であった。
ロータリーキルンあるいは電気炉で焼成して合成さ
れた珪酸カルシュウム鉱物はクリンカー状で得られるた
め、これを粉砕、分級して溶射に適する10〜60μmの溶
射材料を製造するが、このときの製品収率は10〜15%と
極めて低く、これをさらに向上するには粉砕工程を多く
しコストの上昇を招いてた。
3CaO・SiO2は、高温で分解してCaOを生成するた
め、溶射されて形成された溶射被膜は、吸湿すると粉化
するダスチング現象を呈する。
β−2CaO・SiO2も、上記の収率の欠点を有するの
で、これを回避するため、クリンカーを微粉砕し噴霧造
粒して所定の粒度のものの製造を試みたが、このように
するとその噴霧造粒中にβ−2CaO・SiO2が水和し、これ
が溶射時に分解飛散して良好な被膜の形成が困難であっ
た。それと同時に、粉砕のための費用が増加して溶射材
料の価格上昇を招く。
α型またはβ型のCaO・SiO2は、水和性を有しない
ため上記に掲げた水和の問題は有しないが、これらは
SiO2の含有量が高いため、溶射被膜中にガラス相を多量
に生成し、これによって被膜の熱衝撃性が著しく劣る。
珪酸カルシウムには、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2(α型,
α′型,β型およびγ型)、3CaO・2CaO、CaO・SiO(α
型,β型)などがあるが、本発明ではこの中の特にγ型
珪酸二石灰(γ−C2S)を使用するものである。
γ−C2Sは、電気炉で焼成して合成された場合、5〜40
μmの粉末として得られるため、これをさらに微粉砕す
る場合は粉砕が容易にできる利点がある。また、γ−C2
Sは、水との混練時に水和性を示さないので、これに水
を加えて造粒するにも好都合である。
γ−C2Sは、第1図に示されるように、冷却時のβ−C2S
からγ−C2Sへの転移によって得ることができる。この
とき体積変化が生じて粉化し、γ−C2Sは通常5〜40μ
mといった粉末として得られる。しかしながら発明者
は、ここで不純物の含有量が多いγ−C2Sは、冷却時に
β−C2S→γ−C2S転移に伴う体積変化がなく、粉化を生
じないことを見出したものである。
即ち、不純物の含有量の少ないγ−C2S粉末は、プラズ
マ溶射あるいはガス溶射すると、そこに得られた被膜は
図に示すところに従ってγ−C2Sに転移して被膜が粉化
するが、γ−C2S粉末中に不純物の含有量が多いとき
は、α−C2S、α′−C2S、あるいはβ−C2Sが常温で安
定化され被膜が粉状化しないこと、そして特に所定値以
上の不純物を含む場合は、溶射被膜はその後に加熱、冷
却を繰返してもγ−C2Sへは転移せず、被膜は熱衝撃に
安定であることを確認したものである。
発明者は、当業者にとってもこの予想外の事実を確認し
てから、その不純物の種類およびその添加量について種
々の実験を行ってみた。その結果によると、Al2O3、Fe2
O3のようなゲーレナイト(2CaO・Al2O3・SiO2)あるい
はその固溶体を生成するような成分があげられ、その場
合の不純物の添加量は0.25%以上,10%以下が好まし
い。また、MgOその他Na2O、K2O、Cr2O3、TiO2、ZrO2、V
2O5、MnO2、B2O3、P2O5、SO3等の不純物が同様に用いら
れ、その場合の使用量は、MgOの場合は0.25%以上,2%
以下、その他では0.25%以上,1%以下が好ましい、とい
ったことを見い出した。本発明で使用するγ−C2Sは、
石灰質原料と珪酸質原料を混合し、常法によって焼成し
て得られる。この場合、CaOとSiO2以外の成分の合量が
0.25〜10.0重量%の範囲にあることが必要である。これ
が0.25%以下のときは溶射により得られる被膜が冷却時
にダスチング現象(粉化)を呈し、良好な被膜が得られ
ない。また、10.0重量%を超えるとγ−C2Sの製造時に
良好な粉末が得られない。
焼成して得られたγ−C2Sは、さらに粉砕して例えば20
μmふるい残分8〜10%にしてからこれを10〜60μmの
造粒物に造粒する。焼成したままのγ−C2Sをそのまま
造粒してもよいが、20μm以上の径の粒子があると良好
な造粒物ができない。
なお、γ−C2Sの焼成に当って、不純物の含有量を低量
とし、これを粉砕し造粒する際に前述した不純物の所定
量を加えるようにしてもよいことは勿論である。
ここでの造粒は噴霧造粒法が適している。即ち、γ−C2
S粉末に、ポリビニールアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、パルプ廃液、珪酸ナ
トリウム、澱粉などの結合剤とともに水を加え、撹拌し
てスプレードライヤーに送入して噴霧造粒を行う。この
場合、水の添加量は内割で40〜60%とする。
本発明の溶射材料は、10〜100μmに造粒するのが好ま
しい。この範囲に造粒することによって、溶射時の溶射
材の流れがよくなって良好な溶射被膜が得られるととも
に、溶射したときに溶射材料の付着もよくなる。さらに
未溶融粒子の生成もなく、付着力も強く気孔の少ない被
膜を得ることができる。この発明の溶射材料は、ガス式
溶射方法あるいはプラズマ溶射方法で溶射することがで
きる。
次に実施例をあげてこの発明をさらに説明する。
実施例1. 試薬のCaCO3、SiO2、Al2O3およびFe2O3の粉末を原料と
して、第1表に示す化学成分の鉱物を電気炉で焼成して
合成した。その後、該合成物の1.5Kgをとって1.2mmふる
い全通に粗砕後、ボールミルで20μmふるい残分が8%
になるまで粉砕した。このときの粉砕時間を第1表に示
した。その後、粉砕をした粉末を1Kgとり、これに水1
、ポリビニルアルコール30gを加え撹拌機で混合し、
その後熱風温度200℃のスプレードライヤーで噴霧造粒
して溶射材料を得た。得られたものを粒度分析したとこ
ろ、いづれの溶射材料も10〜60μmの粒子が95%以上で
あった。
以上の各溶射材料を、下記に示すプラズマ溶射の条件
で、径40mm,長さ60mmの丸棒(JISG3101)「一般構造用
圧延鋼材」の一端に、また50×50×5(mm)の鉄板の表
面に溶射した。
(プラズマ溶射の条件) 使用装置. メテコ9MB(……社製造) プラズマガス 1次ガス(メインガス), 2次ガス(補助ガス) 1次/2次…N2/H2ガス圧 1次/2次…50/50(PSI) ガス流量 1次/2次…75/10(SCFH) 溶射パワー 500/70(A/V) キャリヤーガスフロー 37(装置目盛) 溶射距離 100mm 溶射の終えたものを、JISH8663の4.2によってその被膜
の厚さ測定をし、またJISH8666に従って被膜の付着力お
よび熱衝撃性を測定した。その結果を第2表に示す。
なお、比較のために市販のジルコニア(Y2O38%含有
品)およびアルミナ(Al2O399%含有品)溶射材料につ
いても上記と同様な溶射を行い、被膜の厚さ、付着力お
よび熱衝撃性を測定し、その結果を第2表に示した。
第1表から明らかなように、本発明のγ−C2Sの溶射材
料を溶射したものは、市販のジルコニア溶射材料の場合
と付着強さおよび熱衝撃性において同程度であることが
分る。
実施例2. 実施例1で使用したCaOとSiO2を、CaO/SiO2=2のモル
比になるように調合し、Al2O3、Fe2O3、MgO、Na2Oおよ
びK2Oを種々の量添加混合し、これを電気炉で焼成して
不純物の量が異なる種々のγ−C2Sを合成した。その後
実施例1と同様にして、それぞれのγ−C2Sについて溶
射材料を噴霧造粒して得た。この溶射材料をその後実施
例1と同様にして溶射し、その溶射被膜について厚さ、
付着強さ、熱衝撃性を測定して第3表の結果を得た。
第3表から明らかなように、本発明の溶射材料の原料と
して使用するγ−C2Sを製造するとき、原料中のAl2O3
Fe2O3、MgO、Na2OおよびK2Oの、CaOおよびSiO2以外の成
分は、0.25〜10重量%の範囲となるよう添加するのがこ
のましいことが分る。
なお、第3表に掲げた溶射被膜についてX線回析で生成
鉱物を調査したところ、No.1およびNo.2は、γ−C2Sが
生成し、No.3〜No.8は、α−2CaO・SiO2、α′−2CaO・
SiO2およびβ−2CaO・SiO2が生成していることが認めら
れた。こうしたところから、No.1およびNo.2は、溶射後
の被膜が冷却過程でγ−C2Sが生成したために、被膜が
粉化現象を起したと考えられる。
(発明の効果) 以上の通り、この発明によると従来のジルコニア溶射材
料と同様な特性を有する溶射材料が、天然資源として豊
富に存在する石灰石および珪石を原料として、しかも製
造方法も比較的簡単で容易にしかも安価に得られるよう
になった。このために、この発明によるならば、今後溶
射材料をこれまで以上に広い分野でしかも余裕をもって
使用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
図はCaOとSiO2から合成した純粋なC2S系でのC2S変態転
移を示す説明図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】γ−2CaO・SiO2粉末を噴霧造粒してなるも
    ので、CaOとSiO2以外の成分が0.25〜10.0重量%の範囲
    で含有されている珪酸カルシウム質溶射材料。
  2. 【請求項2】CaOとSiO2以外の成分がAl2O3、Fe2O3、Mg
    O、Na2O、K2Oの中から選択されるいづれか1種または2
    種以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の珪酸カルシウム質溶射材料。
JP62234156A 1987-09-18 1987-09-18 珪酸カルシウム質溶射材料 Expired - Lifetime JPH07100847B2 (ja)

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