JPH07121910B2 - クロロピリジン類の分離精製方法 - Google Patents

クロロピリジン類の分離精製方法

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JPH07121910B2 JP19767589A JP19767589A JPH07121910B2 JP H07121910 B2 JPH07121910 B2 JP H07121910B2 JP 19767589 A JP19767589 A JP 19767589A JP 19767589 A JP19767589 A JP 19767589A JP H07121910 B2 JPH07121910 B2 JP H07121910B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ピリジンの光塩素化に際し、水を希釈剤とし
て用い、得られた2−クロロピリジン,2,6−ジクロロピ
リジンおよびピリジン等を含む反応混合物水溶液から収
率よくその成分である2,6−ジクロロピリジンを分離精
製する方法に関する。
さらに詳しくは該反応混合物水溶液より、有機溶剤によ
る抽出を行うことなく、高純度の2,6−ジクロロピリジ
ン、2−クロロピリジンおよびピリジンを分離回収する
方法に関する。
2−クロロピリジンおよび2,6−ジクロロピリジンは、
医薬、農薬の中間体として非常に有用である。
(従来の技術) (発明が解決しようとする問題点) 2−クロロピリジンおよび2,6−ジクロロピリジンの製
造方法としては、ピリジンを紫外線照射下に塩素化して
2−クロロピリジンを得る方法(特公昭52−3936、USP
3297556号等)、2−クロロピリジンを紫外線照射下に
塩素化して2,6−ジクロロピリジンを得る方法(特公昭5
6−4744)等が良く知られている。
上記光塩素化反応においては、タールの生成防止、原料
の燃焼あるいは爆発を防ぐため四塩化炭素,トリクロロ
エチレン,テトラクロロエチレンおよびテトラクロロジ
フルオロエタン等を反応の希釈剤として用いることが一
般的に行われている。
例えば四塩化炭素を用いると得られる反応液は水層と四
塩化炭素層の2層に分かれ、水層にはピリジンおよび2
−クロロピリジンの塩酸塩が主に含まれ、四塩化炭素層
には2,6−ジクロロピリジンが主に含まれる。従って反
応液からの2,6−ジクロロピリジンの取得は、もっぱら
四塩化炭素等の溶剤による抽出により行われている。
このように四塩化炭素は、反応希釈剤および抽出溶剤の
両方の役目を有用な溶剤であり、好適に用いられる。し
かしながら、光塩素化反応に際し四塩化炭素を希釈剤と
して用いた場合、四塩化炭素からの生成物と思われるヘ
キサクロロエタンが副生する。また、トリクロロエチレ
ンを希釈剤として用いた場合には、ペンタクロロエタン
が副生する。
これらの高塩素化物を通常の蒸留によって分離精製する
ことは困難で、製品中に不純物として混入したり、蒸留
塔の閉塞等好ましからぬ現象を引き起こす。さらには、
上記の希釈剤として用いられるハロゲン化炭化水素は、
近年発ガン性の問題等、安全衛生上その使用が困難にな
りつつある。そこで四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
を用いないクロロピリジン類の製法および分離方法の開
発が急がれている。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、これらの状況に鑑みて、2−クロロピリ
ジンおよび2,6−ジクロロピリジンの製造に際し、希釈
剤としてハロゲン化炭化水素を用いない方法について鋭
意検討を行った。
その結果、ピリジンを塩素化して2−クロロピリジンお
よび2,6−ジクロロピリジンを製造するに際し、水を希
釈剤として用いた場合に好結果が得られることを見い出
した。
さらに本発明者らは、ピリジン、2−クロロピリジン、
2,6−ジクロロピリジン等を含む水性反応液より有機溶
剤による抽出を行うことなく、上記3成分を分離取得す
る方法について検討した結果、該水性反応液を水蒸気蒸
留する方法が好適であるとの結論に達した。
特公昭60−20385号公報には、ピリジンおよび2−クロ
ロピリジンを含む水溶液に水酸化ナトリウムを加えてpH
11とし、水共沸蒸留によりピリジンと2−クロロピリジ
ンの混合物を留出させて、反応混合物より分離する方法
が記載されている。
しかし、ここで得られる留出液は混合物であり、単離す
るにはさらに精製工程を必要とする。
また、ピリジン、2−クロロピリジン、2,6−ジクロロ
ピリジンおよび塩酸等よりなる塩素化反応混合水溶液を
そのまま水蒸気蒸留すると、2,6−ジクロロピリジンと
水が留出してくる。しかしこの2,6−ジクロロピリジン
中には、かなりの量の2−クロロピリジンが混入してお
り、高純度の2,6−ジクロロピリジンを得るためには、
さらに精製する必要がある。
そこで本発明者らは、簡単な操作により2,6−ジクロロ
ピリジン、2−クロロピリジンおよびピリジンを高純度
で分離取得する方法について就中、水蒸気蒸留により分
離される2,6−ジクロロピリジンの純度を向上させる方
法について数多くの検討を重ねた結果、塩化水素ガスの
存在下水蒸気蒸留すると、留出する2,6−ジクロロピリ
ジンの純度が飛躍的に向上することを見い出し本発明に
到達した。
即ち本発明は、ピリジンと塩素を水を希釈剤として光反
応させ、得られた2,6−ジクロロピリジンと2−クロロ
ピリジンおよび/またはピリジン等からなる塩素化反応
混合液から2,6−ジクロロピリジンを分離する方法にお
いて、塩化水素の存在下で水蒸気蒸留することを特徴と
する、2,6−ジクロロピリジンの分離精製方法に関す
る。
上記方法において、塩化水素の存在下水蒸気蒸留すると
2,6−ジクロロピリジンのみが高純度で得られる理由は
詳らかではないが、2,6−ジクロロピリジンは塩酸塩を
形成しないため留出するのに対し、2−クロロピリジン
および/またはピリジンは、水溶液中または気相中に共
存する塩化水素と選択的に反応して塩酸塩を形成し、蒸
気圧が小さくなり蒸留釜に還流し留出したいためと考え
られる。
水蒸気蒸留に際し塩化水素を共存させる方法としては、
蒸留釜の気相中に、塩化水素ガスを吹き込む方法のほか
に、過剰の塩酸を蒸留釜に添加する方法、反応混合水溶
液に塩酸と硫酸を添加し塩化水素を発生させる方法等が
ある。なかでも塩酸を添加しながら水蒸気蒸留する方法
は、塩化水素ガス濃度を一定にすることが容易なため好
適に用いられる。
留出物として得られる2,6−ジクロロピリジン−水留出
液からは、常温においては2,6−ジクロロピリジンが固
体として析出するために、単に濾過するだけで高純度の
2,6−ジクロロピリジンを得ることができる。また、2,6
−ジクロロピリジンの融点は、87℃であるので、留出液
を熱時分液することにより高純度の2,6−ジクロロピリ
ジンを得ることもできる。このとき、2,6−ジクロロピ
リジンを濾過した後の濾液、または分液により得られた
塩化水素を含む水溶液を蒸留塔頂よりリサイクルする
と、2−クロロピリジンおよび/またはピリジンが、前
記に述べたごとく塩酸塩を作って蒸留釜へ移動するた
め、2,6−ジクロロピリジンと2−クロロピリジンおよ
び/またはピリジンとの分離の効率を上げることができ
る。さらに添加する塩酸あるいは硫酸の量を低減させる
こともできる。
2,6−ジクロロピリジンを含まない2−クロロピリジン
およびピリジンからなる反応混合水溶液からは、水溶液
のpHを塩酸、硫酸等鉱酸により0〜4に調整した後水蒸
気蒸留を行えば2−クロロピリジンとピリジンの分離
は、容易に行うことができる。pH0〜4の範囲では、水
溶液中のピリジンは、鉱酸塩を形成し、蒸気圧をもた
ず、このpH範囲で鉱酸塩を形成しない2−クロロピリジ
ンのみが蒸気圧をもつこととなり留出するためと考えら
れる。
留出物として得られる2−クロロピリジン−水留出液か
らは、留出液が常温において2−クロロピリジン層と水
層に分かれているため単に分液するだけで高純度の2−
クロロピリジンを得ることができる。
2,6−ジクロロピリジン、2−クロロピリジンを含まな
い反応混合水溶液からは、水溶液のpHを4以上とした
後、水蒸気蒸留すると、ピリジン−水溶液が留出する。
かくして、ピリジンと塩素を水を希釈剤として光反応さ
せ、得られた塩素化反応混合液より2,6−ジクロロピリ
ジン、2−クロロピリジンおよびピリジンがそれぞれ有
機溶剤抽出によることなく、水蒸気蒸留により高純度で
分離可能となる。
なお、ここでいう水蒸気蒸留とは、水蒸気を蒸留釜に吹
き込む蒸留方法のほか、蒸留釜中に水を添加しながら蒸
留を行う方法も含むものとする。
(実施例) 以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明
は、これら実施例によりなんら制限されるものではな
い。
実施例1 (4φ×2φ×4mm)磁製ラシヒリングを充填した15mm
φ×100mmの充填塔を備えた500mm14ツ口フラスコ(蒸留
釜)に、ピリジン3.8g、2−クロロピリジン19.5g、2,6
−ジクロロピリジン36.5g、36%塩酸67.1g及び水溶液6
7.5gよりなる混合物を仕込み、さらに36%塩酸20gを添
加しながら水蒸気蒸留をおこなった。留出液147.3g中に
は2,6−ジクロロピリジンが35.3g(回収率96.7%)が含
まれていた。熱時液−液分離して得られた2,6−ジクロ
ロピリジンのガスクロマトグラフによる純度は99.6%で
あった。
実施例2 仕込み後添加する鉱酸を36%塩酸20gに代えて、実施例
1で得られた2,6−ジクロロピリジン−水留出液から液
−液分離した塩化水素を含む水層20gを用いた以外は実
施例1と同様の方法により水蒸気蒸留をおこなった。
留出液165gの中には2,6−ジクロロピリジン34.1g(回収
率93.4%)が含まれていた。実施例1と同様に液−液分
離して得られた2,6−ジクロロピリジンの純度は99.5%
であった。
実施例3 36%塩酸20gの代わりに98%硫酸20gを用いた以外は、実
施例1と同様の方法により水蒸気蒸留をおこなった。
留出液154gの中には2,6−ジクロロピリジン34.3g(回収
率94.0%)が含まれていた。実施例1と同様に液−液分
離して得られた2,6−ジクロロピリジンの純度は99.6%
であった。
(発明の効果) 本発明は、ピリジンと塩素を水を希釈剤として光反応さ
せ、得られた2−クロロピリジン,2,6−ジクロロピリジ
ンおよびピリジン等を含む塩素化反応混合液から水蒸気
蒸留により2,6−ジクロロピリジンを分離精製する方法
を提供するものである。
本発明により、従来使用されていた、四塩化炭素等の安
全衛生上好ましくないハロゲン化炭化水素を使用しない
で反応混合液から容易に高純度の2,6−ジクロロピリジ
ンを効率よく回収することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,6−ジクロロピリジンと2−クロロピリ
    ジンおよび/またはピリジンからなる混合液から2,6−
    ジクロロピリジンを分離する方法において、塩化水素の
    存在下で水蒸気蒸留することを特徴とする2,6−ジクロ
    ロピリジンの分離精製方法。
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