JPH07119832B2 - 放射性廃棄物の固化処理方法 - Google Patents
放射性廃棄物の固化処理方法Info
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- JPH07119832B2 JPH07119832B2 JP61311855A JP31185586A JPH07119832B2 JP H07119832 B2 JPH07119832 B2 JP H07119832B2 JP 61311855 A JP61311855 A JP 61311855A JP 31185586 A JP31185586 A JP 31185586A JP H07119832 B2 JPH07119832 B2 JP H07119832B2
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- polyester resin
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は原子力発電所等の放射性物質取扱施設から発生
する中レベルないし低レベルの放射性廃棄物の処理方法
に係り、特に粉体放射性廃棄物のプラスチック固化処理
方法に関する。
する中レベルないし低レベルの放射性廃棄物の処理方法
に係り、特に粉体放射性廃棄物のプラスチック固化処理
方法に関する。
(従来の技術) 一般に沸騰水型原子力発電所、核燃料再処理工場等の放
射性物質取扱施設で発生する濃縮廃液は、竪型薄膜乾燥
機等の乾燥機で乾燥処理され主として硫酸ナトリウムや
硝酸ナトリウムからなる粉体とされた後、セメント、ア
スファルト、プラスチック等からなる固化材により固化
される。
射性物質取扱施設で発生する濃縮廃液は、竪型薄膜乾燥
機等の乾燥機で乾燥処理され主として硫酸ナトリウムや
硝酸ナトリウムからなる粉体とされた後、セメント、ア
スファルト、プラスチック等からなる固化材により固化
される。
この固化処理方法としては、硬化性樹脂組成物から成る
固化材により固化処理を行なうプラスチック固化処理方
法が、軽量で、機械的強度、減容性、および放射能を閉
じ込める能力に優れた固化体パッケージが得られるとこ
ろから、近時有望視されている。
固化材により固化処理を行なうプラスチック固化処理方
法が、軽量で、機械的強度、減容性、および放射能を閉
じ込める能力に優れた固化体パッケージが得られるとこ
ろから、近時有望視されている。
このプラスチック固化材としては熱硬化性樹脂を用いた
ものが常温にて硬化させることが可能なため広く使用さ
れているが、特にスチレン等の重合性単量体で希釈した
不飽和ポリエステル樹脂、固化開始剤および固化促進剤
を用いて固化材を重合固化させる方法が一般的に採用さ
れている。
ものが常温にて硬化させることが可能なため広く使用さ
れているが、特にスチレン等の重合性単量体で希釈した
不飽和ポリエステル樹脂、固化開始剤および固化促進剤
を用いて固化材を重合固化させる方法が一般的に採用さ
れている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし放射性廃液中に亜硝酸ナトリウム等の還元性物質
が含まれていると、この還元性物質が有機過酸化物等の
固化開始剤の分解により生じたラジカルを消費して固化
開始剤としての効力を失わせるため、固化材の硬化が妨
害され、形成された固体化パッケージの硬度が低く、従
って固化体パッケージの機械的強度や放射能を閉じ込め
る能力が低くなるという問題があった。また未重合の不
飽和ポリエステル樹脂からなる固化材は消防法上危険物
に分類されるもので、硬化の不完全な固化体パッケージ
は放射性廃棄物をより危険な状態におくことになるとい
う問題もあった。
が含まれていると、この還元性物質が有機過酸化物等の
固化開始剤の分解により生じたラジカルを消費して固化
開始剤としての効力を失わせるため、固化材の硬化が妨
害され、形成された固体化パッケージの硬度が低く、従
って固化体パッケージの機械的強度や放射能を閉じ込め
る能力が低くなるという問題があった。また未重合の不
飽和ポリエステル樹脂からなる固化材は消防法上危険物
に分類されるもので、硬化の不完全な固化体パッケージ
は放射性廃棄物をより危険な状態におくことになるとい
う問題もあった。
例えば沸騰水型原子力発電所で発生する濃縮廃液は主成
分は硫酸ナトリウム(Na2SO4)であるが、Ca、Si、Fe、
Co、Ni、Cu等の金属成分や、塩素、亜硝酸塩等が廃液中
に存在し、特に亜硝酸ナトリウムは廃液タンク、濃縮器
等の機器防錆剤として使用されているので廃液中に多く
含まれて固化材の硬化を妨害する。
分は硫酸ナトリウム(Na2SO4)であるが、Ca、Si、Fe、
Co、Ni、Cu等の金属成分や、塩素、亜硝酸塩等が廃液中
に存在し、特に亜硝酸ナトリウムは廃液タンク、濃縮器
等の機器防錆剤として使用されているので廃液中に多く
含まれて固化材の硬化を妨害する。
本発明者の実験によれば、硫酸ナトリウムの粉体と亜硝
酸ナトリウムの粉体を59:1の重量比で混合し、この粉体
60重量%と不飽和ポリエステルを主成分とする熱硬化性
樹脂40重量%とを混合し、この熱硬化性樹脂に対して固
化開始剤としてメチルエチルケトンパーオキサイドを2.
0重量%、固化促進剤としてナフテン酸コバルトを0.5重
量%添加混合した後24時間放置して固化させたところ、
形成された固化体は硬化が不完全でゲル状態であった。
また上記の粉体と熱硬化性樹脂との混合物にコバルト60
のγ線を7メガレントゲン照射したところ、混合物は液
状であり硬化はほとんど認められなかった。一方、硫酸
ナトリウムのみの粉体と不飽和ポリエステルを主成分と
する熱硬化性樹脂とを混合し固化させたところ、ほとん
ど完全に硬化し、強固な固化体が得られた。
酸ナトリウムの粉体を59:1の重量比で混合し、この粉体
60重量%と不飽和ポリエステルを主成分とする熱硬化性
樹脂40重量%とを混合し、この熱硬化性樹脂に対して固
化開始剤としてメチルエチルケトンパーオキサイドを2.
0重量%、固化促進剤としてナフテン酸コバルトを0.5重
量%添加混合した後24時間放置して固化させたところ、
形成された固化体は硬化が不完全でゲル状態であった。
また上記の粉体と熱硬化性樹脂との混合物にコバルト60
のγ線を7メガレントゲン照射したところ、混合物は液
状であり硬化はほとんど認められなかった。一方、硫酸
ナトリウムのみの粉体と不飽和ポリエステルを主成分と
する熱硬化性樹脂とを混合し固化させたところ、ほとん
ど完全に硬化し、強固な固化体が得られた。
このように、亜硝酸ナトリウムなどの還元性物質を含ん
だ放射性廃棄物のプラスチック固化処理では良好な特性
を有する固化体を得ることは困難であった。
だ放射性廃棄物のプラスチック固化処理では良好な特性
を有する固化体を得ることは困難であった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもの
で、放射性廃棄物中の亜硝酸ナトリウムなどの還元性物
質により固化材の硬化が妨げられることなく、機械的強
度、安定性を向上させた固化体を形成することのできる
放射性廃棄物の固化処理方法を提供することを目的とす
る。
で、放射性廃棄物中の亜硝酸ナトリウムなどの還元性物
質により固化材の硬化が妨げられることなく、機械的強
度、安定性を向上させた固化体を形成することのできる
放射性廃棄物の固化処理方法を提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の放射性廃棄物の固化処理方法は、原子力施設で
発生した亜硝酸ナトリウムを含む放射性廃棄物を、不飽
和ポリエステル樹脂で硬化させる固化処理方法におい
て、前記不飽和ポリエステル樹脂の酸価が0〜5である
ことを特徴とする。上記の酸価は、不飽和ポリエステル
を重合性単量体で希釈した不飽和ポリエステル樹脂等の
硬化性樹脂組成物1g中に含まれるカルボキシル基を中和
するのに必要な水酸化カリウムのmg数である。また本発
明において不飽和ポリエステル樹脂の酸価を0〜5の範
囲に定めたのは、酸価が5を越えると固化材の硬化が充
分に行なわれないからである。
発生した亜硝酸ナトリウムを含む放射性廃棄物を、不飽
和ポリエステル樹脂で硬化させる固化処理方法におい
て、前記不飽和ポリエステル樹脂の酸価が0〜5である
ことを特徴とする。上記の酸価は、不飽和ポリエステル
を重合性単量体で希釈した不飽和ポリエステル樹脂等の
硬化性樹脂組成物1g中に含まれるカルボキシル基を中和
するのに必要な水酸化カリウムのmg数である。また本発
明において不飽和ポリエステル樹脂の酸価を0〜5の範
囲に定めたのは、酸価が5を越えると固化材の硬化が充
分に行なわれないからである。
この不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和ポリエス
テルとスチレン等の重合性単量体との混合物からなるも
のが適している。また処理対象の放射性廃棄物として
は、放射性廃液を乾燥処理した粉体放射性廃棄物が好適
である。
テルとスチレン等の重合性単量体との混合物からなるも
のが適している。また処理対象の放射性廃棄物として
は、放射性廃液を乾燥処理した粉体放射性廃棄物が好適
である。
なお本発明方法において用いられる不飽和ポリエステル
としては、例えば二塩基酸とグリコール成分とのエステ
ル化重縮合物が挙げられ、二塩基酸成分としては、例え
ば無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、塩素化マレイン酸等のα,β−不飽和
二塩基酸があげられ、必要に応じて無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、モノクロロフタル酸、ジクロ
ロフタル酸、トリクロロフタル酸、テトラクロロ無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテ
トラヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、ヘット酸、コ
ハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、グルタ
ル酸等の飽和二塩基酸を添加してもよい。そしてグリコ
ール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレン
グリコール、ネオベンチルグリコール、ヘキシレングリ
コール、オクチレングリコール、ビスフェノールAジオ
キシエチルエーテル付加物、ビスフェノールAジオキシ
プロピルエーテル付加物、水添ビスフェノールA、ある
いはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド等のアルキレンオキシド等があげられ、必要に
応じてトリメチロールプロパン、グリセリン等の多価ア
ルコールを併用してもよい。
としては、例えば二塩基酸とグリコール成分とのエステ
ル化重縮合物が挙げられ、二塩基酸成分としては、例え
ば無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、塩素化マレイン酸等のα,β−不飽和
二塩基酸があげられ、必要に応じて無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、モノクロロフタル酸、ジクロ
ロフタル酸、トリクロロフタル酸、テトラクロロ無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテ
トラヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、ヘット酸、コ
ハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、グルタ
ル酸等の飽和二塩基酸を添加してもよい。そしてグリコ
ール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレン
グリコール、ネオベンチルグリコール、ヘキシレングリ
コール、オクチレングリコール、ビスフェノールAジオ
キシエチルエーテル付加物、ビスフェノールAジオキシ
プロピルエーテル付加物、水添ビスフェノールA、ある
いはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド等のアルキレンオキシド等があげられ、必要に
応じてトリメチロールプロパン、グリセリン等の多価ア
ルコールを併用してもよい。
また本発明方法において用いられる重合性単量体として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、パラメチルスチレン等のエチレン性二重結合を有
する芳香族化合物、メチルメタクリレート、アクリルオ
リコゴマー等の脂肪族化合物等があげられる。この単量
体の使用量は、不飽和ポリエステルと単量体との合計量
に対して20〜80重量%の範囲が好ましい。
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、パラメチルスチレン等のエチレン性二重結合を有
する芳香族化合物、メチルメタクリレート、アクリルオ
リコゴマー等の脂肪族化合物等があげられる。この単量
体の使用量は、不飽和ポリエステルと単量体との合計量
に対して20〜80重量%の範囲が好ましい。
そして本発明方法において用いられる不飽和ポリエステ
ルの酸価は0〜20、好ましくは0〜10、不飽和ポリエス
テルを単量体等で溶かした不飽和ポリエステル樹脂の酸
価は0〜5、好ましくは0〜2である。
ルの酸価は0〜20、好ましくは0〜10、不飽和ポリエス
テルを単量体等で溶かした不飽和ポリエステル樹脂の酸
価は0〜5、好ましくは0〜2である。
また本発明方法において用いられる不飽和ポリエステル
樹脂の固化開始剤としては、例えばハイドロパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイト等があげ
られ、固化促進剤としては、例えば有機金属塩、ジメチ
ルアニリン等があげられる。
樹脂の固化開始剤としては、例えばハイドロパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイト等があげ
られ、固化促進剤としては、例えば有機金属塩、ジメチ
ルアニリン等があげられる。
さらに、上記の不飽和ポリエステル樹脂に必要に応じて
可塑剤や重合禁止剤等を添加してもよく、可塑剤として
は、例えばジブチルフタレート、ジブチルマレエート等
のフタル酸エステル、リン酸エステル類等があげられ、
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ベンゾキ
ノン、t−ブチルカテコール等があげられる。
可塑剤や重合禁止剤等を添加してもよく、可塑剤として
は、例えばジブチルフタレート、ジブチルマレエート等
のフタル酸エステル、リン酸エステル類等があげられ、
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ベンゾキ
ノン、t−ブチルカテコール等があげられる。
そして本発明方法において不飽和ポリエステル樹脂の酸
価を5以下にするために、放射性廃棄物と固化剤との混
合物にアルカリ性物質を混入させて固化させる方法があ
り、このアルカリ性物質としては、例えばNa、Mg、Ca等
の水酸化物または酸化物の粉末、あるいは水溶液があげ
られる。またこのアルカリ性物質は予め放射性廃棄物中
に混合してもよく、または不飽和ポリエステル樹脂と放
射性廃棄物とを混合する際にアルカリ性物質を添加して
もよく、さらにまた固化促進剤にアルカリ性物質を添加
してもよい。このアルカリ性物質は、不飽和ポリエステ
ル樹脂の酸価が0〜5、好ましくは0〜2になる量を添
加する。
価を5以下にするために、放射性廃棄物と固化剤との混
合物にアルカリ性物質を混入させて固化させる方法があ
り、このアルカリ性物質としては、例えばNa、Mg、Ca等
の水酸化物または酸化物の粉末、あるいは水溶液があげ
られる。またこのアルカリ性物質は予め放射性廃棄物中
に混合してもよく、または不飽和ポリエステル樹脂と放
射性廃棄物とを混合する際にアルカリ性物質を添加して
もよく、さらにまた固化促進剤にアルカリ性物質を添加
してもよい。このアルカリ性物質は、不飽和ポリエステ
ル樹脂の酸価が0〜5、好ましくは0〜2になる量を添
加する。
(作用) 本発明の放射性廃棄物の固化処理方法においては、酸価
が5以下の不飽和ポリエステル樹脂で放射性廃棄物を硬
化させることにより、放射性廃棄物中の亜硝酸ナトリウ
ム等の還元性物質により固化開始剤の効果が失われるこ
となく固化材の硬化が進行するので、硬化の完全な固化
体パッケージが形成される。
が5以下の不飽和ポリエステル樹脂で放射性廃棄物を硬
化させることにより、放射性廃棄物中の亜硝酸ナトリウ
ム等の還元性物質により固化開始剤の効果が失われるこ
となく固化材の硬化が進行するので、硬化の完全な固化
体パッケージが形成される。
従って、本発明方法を用いれば、亜硝酸ナトリウム等の
還元性物質を含む放射性廃棄物を機械的強度、安定性を
向上させた固化体パッケージとして固化処理することが
できる。
還元性物質を含む放射性廃棄物を機械的強度、安定性を
向上させた固化体パッケージとして固化処理することが
できる。
(実施例) 以下本発明の実施例について説明する。
実施例1 本発明方法を実施するにあたり、無水マレイン酸76g、
無水フタル酸170gとプロピレングリコール182gとを200
℃で反応させ、10時間後に酸価12.5の不飽和ポリエステ
ルを得た。この不飽和ポリエステルを冷却後、重合禁止
剤およびスチレンモノマー600gを加え不飽和ポリエステ
ル樹脂を製造した。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価
は5であった。そしてこの不飽和ポリエステル樹脂40重
量%と、模擬放射性廃棄物粉体として硫酸ナトリウム59
重量%、亜硝酸ナトリウム1重量%とを混合し、この混
合物に固化開始剤としてメチルエチルケトンパーオキサ
イドを不飽和ポリエステル樹脂に対して2重量%、固化
促進剤としてナフテン酸コバルトを不飽和ポリエステル
樹脂に対して1重量%を添加した後、この混合物を一昼
夜放置したところ、強固なプラスチック固化体が得られ
た。
無水フタル酸170gとプロピレングリコール182gとを200
℃で反応させ、10時間後に酸価12.5の不飽和ポリエステ
ルを得た。この不飽和ポリエステルを冷却後、重合禁止
剤およびスチレンモノマー600gを加え不飽和ポリエステ
ル樹脂を製造した。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価
は5であった。そしてこの不飽和ポリエステル樹脂40重
量%と、模擬放射性廃棄物粉体として硫酸ナトリウム59
重量%、亜硝酸ナトリウム1重量%とを混合し、この混
合物に固化開始剤としてメチルエチルケトンパーオキサ
イドを不飽和ポリエステル樹脂に対して2重量%、固化
促進剤としてナフテン酸コバルトを不飽和ポリエステル
樹脂に対して1重量%を添加した後、この混合物を一昼
夜放置したところ、強固なプラスチック固化体が得られ
た。
実施例2 無水マレイン酸26g、無水フタル酸244gとプロピレング
リコール168gとを200℃で反応させて、酸価8の不飽和
ポリエステルを得た点以外は実施例1と同様にして模擬
放射性廃棄物粉体の固化処理を行なったところ、強固な
プラスチック固化体が得られた。このとき用いた不飽和
ポリエステル樹脂の酸価は3であった。
リコール168gとを200℃で反応させて、酸価8の不飽和
ポリエステルを得た点以外は実施例1と同様にして模擬
放射性廃棄物粉体の固化処理を行なったところ、強固な
プラスチック固化体が得られた。このとき用いた不飽和
ポリエステル樹脂の酸価は3であった。
実施例3 無水マレイン酸106g、無水フタル酸54g、無水ヘット酸1
40gとプロピレングリコール172gとを200℃で反応させ12
時間後に酸価4の不飽和ポリエステルを得た点以外は実
施例1、2と同様にして模擬放射性廃棄物の固化処理を
行なったところ、強固なプラスチック固化体が得られ
た。このとき用いた不飽和ポリエステル樹脂の酸価は1
であった。
40gとプロピレングリコール172gとを200℃で反応させ12
時間後に酸価4の不飽和ポリエステルを得た点以外は実
施例1、2と同様にして模擬放射性廃棄物の固化処理を
行なったところ、強固なプラスチック固化体が得られ
た。このとき用いた不飽和ポリエステル樹脂の酸価は1
であった。
比較例1 無水マレイン酸76g、無水フタル酸170gとプロピレング
リコール175gを200℃で反応させ10時間後に酸価35の不
飽和ポリエステルを得た点以外は実施例1〜3と同様に
して模擬放射性廃棄物の固化処理を行なったところ、固
化材はほとんど硬化しなかった。このとき用いた不飽和
ポリエステル樹脂の酸価は14であった。
リコール175gを200℃で反応させ10時間後に酸価35の不
飽和ポリエステルを得た点以外は実施例1〜3と同様に
して模擬放射性廃棄物の固化処理を行なったところ、固
化材はほとんど硬化しなかった。このとき用いた不飽和
ポリエステル樹脂の酸価は14であった。
比較例2 無水マレイン酸10g無水フタル酸258gとプロピレングリ
コール165gとを200℃で反応させ10時間後に酸価25の不
飽和ポリエステルを得た点以外は実施例1〜3と同様に
して模擬放射性廃棄物粉体の固化処理を行なったとこ
ろ、形成された固化体の硬化は不完全であった。このと
き用いた不飽和ポリエステル樹脂の酸価は10であった。
コール165gとを200℃で反応させ10時間後に酸価25の不
飽和ポリエステルを得た点以外は実施例1〜3と同様に
して模擬放射性廃棄物粉体の固化処理を行なったとこ
ろ、形成された固化体の硬化は不完全であった。このと
き用いた不飽和ポリエステル樹脂の酸価は10であった。
比較例3 無水マレイン酸165g、無水フタル酸95gとプロピレング
リコール185gとを200℃で反応させ10時間後に酸価20の
不飽和ポリエステルを得た点以外は実施例1〜3と同様
にして模擬放射性廃棄物粉体の固化処理を行なったとこ
ろ、形成された固化体の硬化は不完全であった。このと
き用いた不飽和ポリエステル樹脂の酸価は8であった。
リコール185gとを200℃で反応させ10時間後に酸価20の
不飽和ポリエステルを得た点以外は実施例1〜3と同様
にして模擬放射性廃棄物粉体の固化処理を行なったとこ
ろ、形成された固化体の硬化は不完全であった。このと
き用いた不飽和ポリエステル樹脂の酸価は8であった。
実施例1〜3、および比較例1〜3において形成した固
化体のゲル化時間および表面硬度を次表に示す。
化体のゲル化時間および表面硬度を次表に示す。
上表の結果からわかるように、本発明方法においては酸
価が1〜5の不飽和ポリエステル樹脂で放射性廃棄物を
硬化させることにより、亜硝酸ナトリウム等の還元性物
質が放射性廃棄物中に含まれていても固化開始剤の効力
が失われずに固化材の硬化が進むため、硬化が完全な固
化体パッケージが形成される。従って放射性廃棄物を機
械的強度、安定性を向上させた固化体パッケージとして
固化処理することができる。
価が1〜5の不飽和ポリエステル樹脂で放射性廃棄物を
硬化させることにより、亜硝酸ナトリウム等の還元性物
質が放射性廃棄物中に含まれていても固化開始剤の効力
が失われずに固化材の硬化が進むため、硬化が完全な固
化体パッケージが形成される。従って放射性廃棄物を機
械的強度、安定性を向上させた固化体パッケージとして
固化処理することができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の放射性廃棄物の固化処理
方法を用いれば、放射性廃棄物中の亜硝酸ナトリウム等
の還元性物質により固化材の硬化が妨害されることな
く、機械的強度、安定性を向上させた固化体パッケージ
として放射性廃棄物を処理することができる。
方法を用いれば、放射性廃棄物中の亜硝酸ナトリウム等
の還元性物質により固化材の硬化が妨害されることな
く、機械的強度、安定性を向上させた固化体パッケージ
として放射性廃棄物を処理することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−4100(JP,A) 特開 昭60−219599(JP,A) 特開 昭59−58397(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】原子力施設で発生した還元性物質を含む放
射性廃棄物を、不飽和ポリエステル樹脂で硬化させる固
化処理方法において、 前記不飽和ポリエステル樹脂の酸価が0〜5であること
を特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。 - 【請求項2】不飽和ポリエステル樹脂が、不飽和ポリエ
ステルと重合性単量体とからなることを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載の放射性廃棄物の固化処理方法。 - 【請求項3】放射性廃棄物が、放射性廃液を乾燥処理し
て粉体化した粉体放射性廃棄物であることを特徴とする
特許請求の範囲第1項または第2項記載の放射性廃棄物
の固化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61311855A JPH07119832B2 (ja) | 1986-12-30 | 1986-12-30 | 放射性廃棄物の固化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61311855A JPH07119832B2 (ja) | 1986-12-30 | 1986-12-30 | 放射性廃棄物の固化処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63168599A JPS63168599A (ja) | 1988-07-12 |
JPH07119832B2 true JPH07119832B2 (ja) | 1995-12-20 |
Family
ID=18022228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61311855A Expired - Lifetime JPH07119832B2 (ja) | 1986-12-30 | 1986-12-30 | 放射性廃棄物の固化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07119832B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0758358B2 (ja) * | 1987-03-13 | 1995-06-21 | 日揮株式会社 | 放射性廃棄物の固化処理方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS564100A (en) * | 1979-06-25 | 1981-01-16 | Nippon Atomic Ind Group Co | Method of solidfying radioactive liquid waste with plastics |
JPS5958397A (ja) * | 1982-09-28 | 1984-04-04 | 株式会社東芝 | 放射性廃棄物の固化処理装置 |
JPS60219599A (ja) * | 1984-04-16 | 1985-11-02 | 株式会社 富士電機総合研究所 | 放射性廃棄物のプラスチツク固形化処理方法 |
-
1986
- 1986-12-30 JP JP61311855A patent/JPH07119832B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63168599A (ja) | 1988-07-12 |
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