JPH07119667B2 - 機関の制御装置 - Google Patents

機関の制御装置

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JPH07119667B2
JPH07119667B2 JP61212009A JP21200986A JPH07119667B2 JP H07119667 B2 JPH07119667 B2 JP H07119667B2 JP 61212009 A JP61212009 A JP 61212009A JP 21200986 A JP21200986 A JP 21200986A JP H07119667 B2 JPH07119667 B2 JP H07119667B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は機関の制御装置に関する。
(従来の技術) 機関に使用される燃料にはその組成の相違に応じて種々
の性状を有するものがあり、この性状の相違が機関の挙
動に大きく影響を及ぼす。たとえば、ガソリンの性状に
オクタン価があり、この価が高いとノッキングを起こし
にくいので、余計に点火時期を進角させることができ、
これによりオクタン価の低い燃料に比べて燃費の向上を
図ることができる。そこで、ノッキングに固有の燃焼室
内圧力変動を捕らえる信号(ノッキング信号)を用いて
オクタン価が高いか低いかを判定し、この判別結果を点
火時期制御に反映させる装置が提案されている(特開昭
60−122275号公報参照)。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、このような装置では燃料性状のうちオクタン
価について考慮されているだけで、他の燃料性状につい
ては機関制御(燃料噴射量制御や点火時期制御など)に
反映されておらず、運転性や燃費を向上させる上でまだ
改善の余地を残している。たとえば、ガソリンについは
他の燃料性状に揮発性がある。この揮発性を決定するの
が蒸留性状であり、市販されているガソリンには重質留
分の含有量の様々なものがある。ここに、機関シリンダ
に流入する燃料量は吸気管内をガス状で漂う燃料分と、
蒸発することなく液状で吸気管壁面に付着して流れる燃
料分(壁流分)との合計で与えられるので、重質留分の
多いガソリン(重質燃料)では軽質留分の多いガソリン
(軽質燃料)よりも壁流分が多くなる。この相違が特に
機関の加速性や始動性に大きく影響する。
今加速時について説明すると、定常運転時は、吸気管に
供給された燃料量のうち壁流分となる量と壁流分からシ
リンダ内に吸入されていく量との収支がバランスする状
態(平衡状態)となるので、蒸留性状の相違による壁流
分自体の量の多少が機関に要求される空燃比の値に影響
することはない。しかしながら、過渡運転時には運転変
化後に壁流分が再び平衡状態となるまでの挙動が空燃比
の値に大きく相違する。たとえば、蒸留性状の相違する
燃料(重質燃料と軽質燃料)について加速時における壁
流分とシリンダに吸入される燃料量(シリンダ吸入量)
の変化を第29図に示す。同図より吸入空気量Qaのステッ
プ的な増加に対して空燃比を適正に保つため燃料噴射量
が同じくステップ的に増加される。しかしながら、シリ
ンダ吸入量についてはステップ的変化とならず、軽質燃
料,重質燃料についてそれぞれ斜線部分の燃料量SL,SH
だけ不足する応答となっている。これは、運転変化によ
り壁流分が多くなるので、運転変化後の定常状態に壁流
分が落ち着くまでの間シリンダに吸入されるべき燃料量
SL,SHが壁流分の増加として奪われるからである。そこ
で、この不足を燃料量SL,SHを補うために加速増量補正
を行うことになる。たとえば基本加速増量係数KA CC
て基本パルス幅TPを補正して噴射パルス幅Tiが演算され
る。
Ti=TP(COEF+KA CC)×α+TS …(1) ただし、COEFは加速時以外の各種の運転状態に基づく補
正係数の総和、αは空燃比補正係数、TSは無効パルス幅
である。
しかしながら、同図に示すように蒸留性状の相違に応じ
て不足燃料量SL,SHや燃料不足期間tL,tHがそれぞれ相違
するので、一律に補正量と補正期間を決定することがで
きない。このため、補正量や補正期間を軽質燃料にマッ
チングしたとすれば、重質燃料の場合に補正不足となっ
て要求空燃比の値が得られず加速性を不良にする。逆の
場合は補正過多となって無駄に燃料が消費されてしま
う。
また、始動時についても軽質燃料にマッチングしてある
と重質燃料では揮発性が悪いために軽質燃料よりも壁流
分が多くなる。この壁流分が多くなる分始動に要求され
る空燃比の値が得られず、混合気が薄くなって始動を困
難にする。
さらに、燃料をガソリンとする機関において特定の運転
状態に応じた補正制御を行う場合だけでなく、アルコー
ルの混合されたガソリン等ガソリン以外の各種燃料があ
り、アルコールの混合されていないガソリンに対して供
給量制御の基本量をマッチングしてあると、アルコール
混合ガソリンに対してはこの基本量そのものが燃料性状
の影響を大きく受ける。
この発明はこのような従来の問題点に着目してなされた
もので、燃料の蒸留性状を判別するようにした装置と、
この判別結果を用いて供給燃料量を演算するようにした
装置を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 第1の発明(特許請求の範囲第1項の発明)では、第1
図に示すように運転状態を検出する手段1と、機関の一
燃焼毎の燃焼を代表するパラメータ(たとえば一燃焼当
たりの筒内圧の最大値や図示平均有効圧)を燃焼状態パ
ラメータとして検出する手段2と、前記運転状態から過
渡時であるかどうかを判別する手段3と、この過渡判別
時に前記燃焼状態パラメータの応答速度(たとえば定常
にいたるまでの時間や燃焼回数)を計測する手段4と、
この燃焼パラメータの応答速度と基準燃料に対して予め
マッチングした判定値との比較により燃料の蒸留性状を
判別する手段5とを設けた。なお、基準燃料は、判定値
をマッチングする際に使用する燃料のことで、蒸留性状
の異なる3つの燃料(たとえば軽質燃料、重質燃料、そ
れらの中間の燃料の3つ)を考えた場合、そのいずれの
燃料でも基準燃料とすることができ、これら3つの燃料
とは蒸留性状の異なる燃料であっても基準燃料とするこ
とができる。
また、第2の発明(特許請求の範囲第2項の発明)では
第1の発明の構成要素1ないし5に対し、この判別され
た蒸留性状に応じて機関に供給する燃料量を演算する手
段6と、この燃料量を機関に供給する装置7とを付加し
て設けた。
(作用) 過渡時における燃焼状態パラメータの変化特性をみる
と、基準燃料よりも重質留分が多いとか軽質留分が多い
とかいった基準燃料との蒸留性状の相違は燃焼状態パラ
メータの応答速度の相違に現れ、基準燃料よりも重質留
分の多い燃料が用いられるときは基準燃料の使用時より
応答速度が遅くなり、基準燃料より軽質留分の多い燃料
が用いられると、基準燃料の使用時より応答速度が速く
なる。このとき、第1の発明では過渡時の燃焼状態パラ
メータの応答速度を計測するので、その応答速度と判定
値との比較により、たとえば判定値より遅いと使用燃料
の重質留分が基準燃料に対するよりも多く、また判定値
より少ないと基準燃料に対するよりも軽質留分が多いと
いった燃料の蒸留性状を判別することができる。
ここに、燃料の蒸留性状の判別が可能となると、基準燃
料よりも重質留分が多いとか少ないとかいった燃料の蒸
留性状の相違を考慮した燃料制御への適用範囲を広げる
ことができる。
一方、第2の発明では、燃料の蒸留性状の判別結果を用
いて機関に供給する燃料量を演算することから、基準燃
料の蒸留性状と異なる燃料が使用される場合に基準燃料
との蒸留性状の相違が大きく現れる加速時や始動時にお
いても、さらにはアルコール混合ガソリンなどの蒸留性
状の異なる各種燃料が使用される場合でも、目標とする
空燃比への制御精度が向上する。
(実施例) 第2図は第1の発明の第1実施例の機械的な構成を表
す。これら機械的構成は従来例と同様である。すなわ
ち、筒内圧センサ12とアンプ13とから燃焼状態検出手段
11が構成され、点火プラグ10の座金部に取り付けられる
筒内圧センサ12が燃焼状態と密接な関係を有する筒内圧
変化を電荷量に変換して出力し、アンプ13がこの電荷信
号を電圧値に変換した後この信号を増幅する。これらセ
ンサ12とアンプ13の具体的構成を第3図、第4図にそれ
ぞれ示す。なお、多気筒機関に適用する場合、センサ12
を気筒毎に設けようと、あるいは特定の気筒にのみ設け
ようといずれでも構わない。
また、吸入空気量Qaを検出するセンサ14とクランク角の
単位角及び基準位置を検出するクランク角センサ15とが
運転状態を検出する手段を構成する。16は冷却水温を検
出するセンサ、17はアイドルスイッチである。
これらセンサやスイッチからの検出信号を入力するコン
トロールユニット20はA/D変換器25を付属させたマイク
ロコンピュータから構成され、検出信号から運転状態の
変化と燃焼状態の変化する経過を計測し、この計測結果
に基づいて燃料性状を判別する。このような機能は第5
図に示す燃料性状判別ルーチンを付与することにより容
易に達成することができる。なお第5図に示す動作は所
定時間毎に実行される。図中の番号は処理番号を表す。
次に、この判別ルーチンを説明する前に燃料の蒸留性状
の判別原理を説明すると、第6図,第7図はそれぞれ蒸
留性状の相違する2種の燃料(第6図が軽質燃料、第7
図が重質燃料の場合である。)について、アイドル状態
から所定の負荷状態まで運転状態を急変させたとき(加
速時)に、筒内圧センサ12を備える気筒の筒内圧変化波
形が定常状態に達するまでの波形変化を重ねて示してい
る。ここに図中の数字は筒内圧波形の変化の順番を表
し、数字の「0」はアイドル状態のもので、同一番号は
同一の経過時間(燃焼回数)を示す。同図より重質燃料
のほうが定常状態に至るまでにかかる時間が長い(燃焼
回数が多い)ことがわかる。
そこで、時間の経過とともに燃焼状態がどう変化したか
を定量的に見るため、筒内圧波形から適当な燃焼状態パ
ラメータLを選択し(たとえば筒内圧の最大値や図示平
均有効圧)、横軸を時間(燃焼回数)軸として描き直す
と第8図の特性が得られる。同図において蒸留性状の相
違は応答時間の相違に現れている。このため、運転変化
前後の燃焼状態パラメータの値をそれぞれLS,Lt(Ls<L
t)としてパラメータが定常状態値の±10%(Lt±|Lt−
LS|×0.1)の範囲に収まるまでの時間tc(あるいは燃焼
回数nc)を求めると、この値tcが静定時間に相当する。
この結果、静定時間相当量tcを基準値tc0と比較するこ
とにより軽質燃料であるか重質燃料であるかを判別する
ことができる。たとえば、同図においては静定時間相当
量としての燃焼回数ncが軽質燃料でncL=4から5、重
質ガソリンでncH=9から10となる。したがって、基準
値nc0をncLとncHの中間当たりの数値7に定めておけ
ば、求めた燃焼回数nc(ncL,ncH)が基準値nc0よりも小
さい場合に軽質燃料であると判別できる。その反対に基
準値nc0よりも大きい場合には重質燃料であると判別で
きる。
こうした内容を実現するために付与されるのが第5図に
示す燃料性状判別ルーチンである。なお、このルーチン
は燃焼状態パラメータの相違が現れる過渡運転時を判別
した時点で開始される(ステップ31,32以降)。
すなわち、燃焼状態パラメータと運転変数(吸入空気量
Qaや絞り弁開度)を検出して、その結果をデータとして
記憶する(ステップ32,33)。
次に、燃焼状態パラメータが定常状態に達したかどうか
を判別する(ステップ34)。たとえば、燃焼状態パラメ
ータおよび運転変数について過去所定制御回数で得たデ
ータの分散値が所定値以下となった場合に定常状態に達
したと判別すればよい。そして、定常状態に達すると冷
却水温TWを検出し(ステップ35)、次に過渡時に記憶し
た運転変数のデータに基づいて運転変化量Vと変化所要
時間tPを演算し、また記憶した燃焼状態パラメータのデ
ータから静定時間相当量tcを演算する(ステップ36,3
7)。これら運転変化量V、変化所要時間tP、静定時間
相当量tcの3つの因子から燃料性状を判別する(ステッ
プ38)。たとえば、V,tP,tc,TWをパラメータとする関数
を用いてあるいはマップ検索により重質であるのか軽質
であるのかの蒸留性状を判別する。これら関数,マップ
は予め実験的に求めたものである。
次にこの実施例の作用を説明すると、運転変化量V,変化
所要時間tP,静定時間相当量tcの3つの因子から燃料性
状が判別される。たとえば、VとtPの一組みの組合わせ
が一つの運転変化を表し、様々に変化するVとtPの組合
わせに対して蒸留性状の相違する2種の燃料(重質燃料
と軽質燃料)に対する静定時間相当量tcH,tcLが一義的
に定まる。ここに、静定時間相当量について重質燃料の
ほうが軽質燃料よりも長くtcH>tcLの関係を有する。し
たがって、一組みのVとtPの組合わせに対して割り付け
た基準値tc0(=(tcH+tcL)/2)のマップをROMに記憶
させておき、実際の運転変数と燃料性状パラメータとか
らV,tP,tcを演算し、この実際に使用されている燃料に
対する静定時間相当量tcと、VとtPに対して読み出した
基準値tc0とを比較することによりtc<tc0であれば軽質
燃料であると、tc>tc0であれば重質燃料であると判別
される。
言い替えると、運転状態に対応した燃料量を供給し、あ
るいはこの燃料量に加えて過渡時における補正燃料量を
供給する際に、その演算の基礎として仮定した燃料性状
が実際の使用燃料の燃料性状と相違する場合、空燃比が
目標とする適正値から外れ、このずれが燃焼状態の悪化
として現れる。この現象を逆に利用し、運転条件が変化
した際にその燃焼状態の変化をモニターすることにより
燃料性状を判別するようにしたのである。
したがって、燃料性状の判別が可能になると、燃料性状
の相違を考慮した機関制御への適用範囲を広げることが
できる。たとえば、燃料性状の相違に拘わらず目標とす
る空燃比への制御精度を高めたり、ノッキングを生じな
い範囲において機関出力を最大限に発揮させるべく点火
時期を進角させる制御が可能になる。
これに対して従来例では、オクタン価について考慮され
ているものの蒸留性状について考慮されておらず、この
ためマッチングに際して使用した蒸留性状と相違する燃
料になると、目標空燃比からのずれを生じ、運転性や燃
費を不良にしていたのである。
次に、この実施例ではさらに冷却水温TWについても蒸留
性状を判別する上で考慮の対象としている(ステップ3
5,38)。これは、特に冷却水温TWが低い場合に蒸留性状
の相違が大きく現れるからである。したがって、これに
より特に機関低温時における性状判別の精度を向上させ
ることができる。
なお、この実施例では過渡程度が小さい場合でも燃料性
状の判別を行うようにしているが、変化量Vの割に変化
所要時間tPが大きい非常にゆっくりした過渡状態(緩加
速)は定常状態と変わりがなく、その性状判別が困難と
なる。そこで、tPが所定値以下のときに限って燃料性状
の判別を行うことにより精度上不良になることを回避す
ることができる。また、水温についても、TWが低いとき
に燃料性状の相違が特に大きく影響するので簡便には水
温が低い状態のときにのみ燃料性状を判別するように構
成することにより装置を簡略化することができる。
次に、第9図,第10図は燃焼パラメータとして筒内圧の
最大値PMAXとその重心COGとを採用するようにした第1
の発明の第2実施例の流れ図である。ここに、筒内圧セ
ンサが設けられた気筒からは第11図に示す筒内圧信号が
入力するので、その最大値PMAXを演算するには圧縮上死
点TDCを挟んで一定角度毎に合計n個(たとえば10個)
の筒内圧Pk(k=1〜n)を読み込み、その直後にこれ
らn個のデータからその最大値を選択させると最大値PM
AXが得られる。また、第12図に示す重み関数Θkを用い
ると重心COGが得られる。
そこで、第13図,第14図にそれぞれ示す重質燃料,軽質
燃料に対する筒内圧波形の変化パターンから1燃焼毎の
PMAXとCOGを演算し、これらPMAXとCOGを縦軸とし、10燃
焼回数までの燃焼回数を横軸にして描き直すとそれぞれ
第15図,第16図に示す特性が得られる。なお、第13図,
第14図は第7図,第6図にそれぞれ対応するが、運転変
化量などが相違するため、筒内圧波形の変化パターンも
若干相違している。
第16図に示す軽質燃料についてはPMAX,COG双方の値に時
間経過に対する変化が見られるのに対し、第15図に示す
重質燃料については値の変化が見られないことが分か
る。この結果を利用してそれぞれPMAX,COGの変化分ΔPM
AX,ΔCOGを次式(3),(4) にて演算し、これをそれぞれに対する基準値ΔPMAXmin,
ΔCOGminと比較することにより、ΔPMAX<ΔPMAXminか
つΔCOG<ΔCOGminである場合に重質燃料であると判別
し、そうでない場合に軽質燃料であると判別することが
できる。ただし、ΔPMAXまたはΔCOGが負の値をとると
きは判別を行わない。なお、式(3),(4)において
RMAX[i],COG[i]は燃焼回数がi(=1〜10)番目
のときのPMAX,COGを表す。
こうした蒸留性状の判別を行うのが第9図,第10図に示
すルーチンであり、筒内圧センサが設けられた気筒にお
ける圧縮上死点前の所定クランク角位置で第9図に示す
PMAXおよび重心の演算ルーチンが開始され、圧縮上死点
後の所定クランク角位置まで所定角度周期でPMAXとCOG
が演算される(ステップ41,42)。そして、アイドルス
イッチ17がONとなる過渡時の開始よりこの演算値(PMAX
とCOG)が10燃焼回数にわたって記憶される(ステップ5
1〜54,56)。なお、第10図に示す「COUNT」はアイドル
スイッチ17のONにより起動され、燃焼回数を計数するタ
イマのカウント値を表す。次に、10燃焼回数の後に記憶
された各10個のPMAX,COGのデータを用いて重質燃料であ
るか軽質燃料であるかの蒸留性状の判別を行う(ステッ
プ54,55)。
したがって、この実施例にても第1実施例と同様の作用
効果を奏するものである。なお、この実施例においては
筒内圧の最大値PMAXを採用したが、図示平均有効圧であ
っても構わない。
なお、燃焼状態を検出するのに筒内圧を計測する例を示
したが、他に排気成分たとえば酸素濃度を計測したり、
燃焼火炎色を検出するものであっても構わないことはい
うまでもない。
次に、第17図,第18図は第2の発明を燃料噴射装置を備
える機関に適用した第1実施例の流れ図である。この例
は、第1の発明で行った燃料性状の判別結果に基づいて
加速時の燃料供給量補正を行う。
従来例によれば加速時を判別すると、基本加速増量係数
KA CCを演算し、この係数KA CCにて基本パルス幅TP(=
K・Qa/N、ただしKは定数,Nは回転数)を補正演算して
燃料噴射パルス幅Tiを次式(1)で求めることを前述し
た。
Ti=TP×(COEF+KA CC)×α+TS …(1) しかしながら、同式(1)においては燃料性状が考慮さ
れていないので、KA CCを決定するに際して使用した燃
料性状と異なる燃料に対してはシリンダ吸入空燃比が最
適値からずれ、加速増量の効果が十分に発揮できない場
合が生ずる。そこで、この例では燃料性状を補正演算に
反映させるのである。
たとえば、燃料性状の因子をも含む加速増量係数KA CCV
を導入し下式(5)にてTiを演算する。
Ti×TP×(COEF×KA CCV)×α+TS …(5) ここに、KA CCVについて第19図に各重質燃料,軽質燃料
に対する性状係数KA CCV H,KA CCV Lの特性を重ねて示
すと、重質燃料に対する係数KA CCV Hのほうを軽質燃料
に対する係数KA CCV Lよりも大きな値として設定する。
これは、重質燃料のほうが加速補正量のうちから壁流分
として軽質燃料よりも多く奪われるので、重質燃料に対
してはその分多く増量してやらないとシリンダ吸入空燃
比が希薄となってしまうからである。
こうした演算を行わせるには、第17図,第18図に示すル
ーチンをコントロールユニットに付与する。すなわち、
第18図に示す燃料性状の判別後にその判別結果に基づき
KA CCV LからKA CCV Hのマップに切り換える必要がある
かどうかを判別し、切り換える必要があると判別された
ときは切り換えを要求するフラグを立て(ステップ66,6
7)、このフラグに従い、第17図に示す噴射量演算ルー
チンにおいて係数KA CCV Hを選択して噴射パルス幅Tiを
演算する(ステップ61,62,65,64)。なお、このTiは燃
料噴射装置駆動用の入出力ポートのレジスタにセットさ
れ、噴射タイミングにて出力される。
次に、KA CCVの値として簡便には軽質燃料と重質燃料に
対しそれぞれ一定値を用意するだけでもよいが、この実
施例ではさらに冷却水温TWが低くなるほど大きな値とな
る変化値として設定しており、これにより特に低温時の
補正精度を向上させることができる(第19図参照。)。
なお、重質燃料に対する係数KA CCV Hへの切換要求がな
いときは軽質燃料に対する係数KA CCLによりTiが演算さ
れる(ステップ62,63)。
また、第17図ないし第19図に示す第1実施例は軽質燃料
と重質燃料の2つに単純に分離する例であるが、重質燃
料といっても重質留分の含有量が市販燃料に応じて相違
する。そこで、重質留分の含有程度に応じた燃料性状係
数KVを付与することもできる。たとえば、第20図に示す
噴射量演算ルーチンを付与することにより、そのときの
重質留分の含有程度に応じて第21図に示す特性を内容と
する性状係数KVのマップを検索し、基本加速増量係数KA
CCを補正演算してTiを演算させるのである(ステップ7
1〜75)。
Ti=TP×(COEF+KA CC×KV)×α+TS …(6) なお、重質留分の含有程度は、たとえば前述のΔPMAXと
ΔCOGをパラメータとして重質留分含有程度のマップを
作成しておけばよい。
次に、第1実施例(第17図から第19図)と第2実施例
(第20図,第21図)に示す2つの実施例では加速補正量
(KA CCV,KA CC×KV)をアイドルスイッチOFF後の所定
期間中一定値に固定する補正法であるが、アイドルスイ
ッチOFF直後にだけマップ検索した値を付与し、その後
はこのマップ検索値を一定割合で減衰させる補正法もあ
る。このような減衰補正法に対しては減衰期間をも燃料
性状に応じて補正することにより補正精度をさらに向上
させることができる。たとえば、第22図はマップ検索値
が基本加速増量係数KA CCの例であるが、この例におい
ては前式(6)よりこのKA CCを性状係数KVにて補正す
るだけでなく、図示の減衰期間TA CCをも係数KVにて補
正するのである。
また、3つの実施例では燃料性状に関して補正するのに
性状係数(KV,KA CCV)を乗算する場合について説明し
たが、加算する形式とすることもできる。
さらに、基本量そのもの(基本パルス幅TP)を補正する
場合も有り得る。たとえば、アルコールの混合されたガ
ソリンに対しては加速補正量だけでなく、基本量そのも
のも性状係数にて補正を加えることにより目標とする空
燃比の混合気を得て適正な燃焼を行わせることができ
る。
なお、加速の判定にアイドルスイッチを用いているが、
吸入空気量Qaの所定値以上の変化をもって加速時である
と判別することができることはいうまでもない。
次に、第2の発明の第4実施例は始動時の燃料増量に関
し燃料性状に応じた補正を加える場合である。始動時は
燃焼状態がもともと悪い運転域であるため、従来より始
動時増量が行なわれている。
たとえば、始動時は機関回転数N、吸入空気量Qaが検出
されないので、第23図に示す初期化および始動時噴射量
の演算ルーチンにおいて第27図に示す特性を内容とする
マップを検索して始動時燃料噴射パルス幅TS Tを求め
(ステップ81,82)、第24図に示す噴射量演算ルーチン
においてスタートスイッチON時にこのTS Tを出力して始
動時噴射を行っている(ステップ101,103)。なお、第2
3図のルーチンはイグニッションスイッチON直後に起動
される。これに対して第24図のルーチンはクランク角の
基準位置信号の入力毎に起動される。
しかし、重質燃料の使用時には、揮発性が悪いだけ噴射
燃料量のうちから壁流分に多く奪われるので、軽質燃料
と同じ噴射量を供給したのでは始動に要求される混合気
濃度を保つことができなくなる。そこで、この例では前
回運転時に記憶された燃料性状判別値fを第25図に示す
補正係数演算ルーチンにおいて読み出し、この判別値f
から第28図に示す特性を内容とするマップを検索して燃
料性状係数KVSを求める(ステップ91,92)。そして、前
述の始動時噴射パルス幅TS Tをこの性状係数KVSにて補
正して最終的な噴射パルス幅T1=(TS T×KVS)を補正
演算するのである(ステップ102)。なお、第25図のル
ーチンはスタートスイッチON時に起動される。
これにより、重質留分の含有量が多くなるほど揮発する
燃料分の減少を補うかのように多くの燃料量が供給さ
れ、始動に要求される混合気濃度を確保して始動性を高
めるのである。
なお、燃料性状判別値fは第26図に示すようにΔPMAXと
ΔCOGを因子としてf1からf5に向けて重質留分の含有量
が多くなる値として割り振られてあり、加速後に演算し
たΔPMAXとΔCOGより第26図のマップを検索して得た燃
料性状判別値fを次回始動時のためとして記憶させたも
のである。
また、燃料性状係数(KVやKVS)についてはこの値を1
種類とせず、加速時と始動時とに対してそれぞれマッチ
ングを行うことにより補正の種類に応じた複数個の値と
して付与させることもでき、この場合には特定の運転時
における空燃比補正精度がさらに向上する。
第2の発明では特定の運転時として加速時と始動時につ
いて説明したが、燃料性状に応じて補正誤差が生じる他
の運転時に対しても同様に適用することができることは
いうまでもない。
(発明の効果) 以上説明したように、第1の発明では運転状態を検出す
る手段と、機関の一燃焼毎の燃焼を代表するパラメータ
を燃焼状態パラメータとして検出する手段と、前記運転
状態から過渡時であるかどうかを判別する手段と、この
過渡判別時に前記燃焼状態パラメータの応答速度を計測
する手段4と、この燃焼パラメータの応答速度と基準燃
料に対して予めマッチングした判定値との比較により燃
料の蒸留性状を判別する手段とを設けたので、基準燃料
よりも重質留分が多いとか少ないとかいった燃料の蒸留
性状の相違を考慮した燃料制御への適用範囲を広げるこ
とができる。
また、第2の発明では第1の発明の構成要素に加えて、
この判別された蒸留性状に応じて機関に供給する燃料量
を演算する手段と、この燃料量を機関に供給する装置と
を設けたので、基準燃料の蒸留性状と異なる燃料が使用
される場合に基準燃料との蒸留性状の相違が大きく現れ
る加速時や始動時においても、さらにはアルコール混合
ガソリンなどの蒸留性状の異なる各種燃料が使用される
場合でも、目標とする空燃比への制御精度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概念構成図、第2図は第1の発明の
第1実施例の機械的な構成を表す概略図、第3図はこの
実施例の筒内圧センサの取り付け状態を示す一部断面
図、第4図はこの実施例のアンプの回路図である。第5
図はこの実施例のコントロールユニット内で実行される
動作内容を説明する流れ図、第6図,第7図はそれぞれ
軽質燃料,重質燃料に対する筒内圧波形の過渡時におけ
る変化パターンを示す特性線図、第8図は燃焼回数に対
する燃焼状態パラメータの過渡時特性を示す線図であ
る。 第9図,第10図はこの発明の第2実施例でコントロール
ユニット内で実行される動作内容を説明する流れ図、第
11図はクランク角に対する筒内圧波形を示す線図、第12
図はこの実施例における重み関数Θkを説明する線図、
第13図,第14図はそれぞれ重質燃料,軽質燃料に対する
筒内圧波形の加速時における変化パターンを示す特性線
図、第15図,第16図は同じく重質燃料,軽質燃料につい
て得た筒内圧の最大値PMAXおよび重心COGの燃焼回数に
対する特性線図である。 第17図,第18図は第2の発明の第1実施例のコントロー
ルユニット内で実行される動作内容を説明する流れ図、
第19図はこの実施例の加速増量係数KA CCVの特性線図で
ある。第20図は第2の発明の第2実施例のコントロール
ユニット内で実行される動作内容を説明する流れ図、第
21図はこの実施例の燃料性状係数KVの特性線図である。
第22図は第2の発明の第3実施例の減衰補正法による補
正を説明する波形図である。 第23図ないし第25図は第2の発明の第4実施例のコント
ロールユニット内で実行される動作内容を説明する流れ
図、第26図はこの実施例の燃料性状判別値fを説明する
線図、第27図はこの実施例の始動時噴射パルス幅TS T
特性線図、第28図はこの実施例の燃料性状係数KVSの特
性線図である。 第29図は従来例における軽質燃料,重質燃料の壁流分,
シリンダ吸入量の過渡変化の様子を示す波形図である。 1……運転状態検出手段、2……燃焼状態パラメータ検
出手段、3……過渡時判別手段、4……応答速度計測手
段、5……蒸留性状判別手段、6……燃料量演算手段、
7……燃料供給装置、11……燃焼状態検出手段、12……
筒内圧センサ、13……アンプ、14……吸入空気量セン
サ、15……クランク角センサ、16……水温センサ、17…
…アイドルスイッチ、20……コントロールユニット、21
……CPU、22……RAM、23……ROM、24……入出力ポート
(I/Oポート)、25……A/D変換器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転状態を検出する手段と、機関の一燃焼
    毎の燃焼を代表するパラメータを燃焼状態パラメータと
    して検出する手段と、前記運転状態から過渡時であるか
    どうかを判別する手段と、この過渡判別時に前記燃焼状
    態パラメータの応答速度を計測する手段と、この燃焼パ
    ラメータの応答速度と基準燃料に対して予めマッチング
    した判定値との比較により燃料の蒸留性状を判別する手
    段とを設けたことを特徴とする機関の制御装置。
  2. 【請求項2】運転状態を検出する手段と、機関の一燃焼
    毎の燃焼を代表するパラメータを燃焼状態パラメータと
    して検出する手段と、前記運転状態から過渡時であるか
    どうかを判別する手段と、この過渡判別時に前記燃焼状
    態のパラメータの応答速度を計測する手段と、この燃焼
    パラメータの応答速度と基準燃料に対して予めマッチン
    グした判定値との比較により燃料の蒸留性状を判別する
    手段と、この判別された蒸留性状に応じて機関に供給す
    る燃料量を演算する手段と、この燃料量を機関に供給す
    る装置とを設けたことを特徴とする機関の制御装置。
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