JP3591001B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車用内燃機関の燃料噴射量を制御するのに用いて好適な内燃機関の制御装置に関し、特に、機関の冷却水温が低い場合に燃料増量制御を行う内燃機関の制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9〜図14に基づいて従来技術による内燃機関の制御装置を説明する。一般に、自動車用内燃機関では、運転条件に応じて燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御し、燃費の向上やエミッションの低減等を図るべく、下記数1に従って燃料噴射量(噴射時間または噴射パルス)を設定している。
【0003】
【数1】
Ti=TP×(α+αm)×(KAS+KTW+KHOT+MRKNK+KMR)+TS
但し、 Ti:通常の燃料噴射量
TP:基本噴射量
α:空燃比フィードバック補正係数
αm:空燃比補正学習値
KAS:始動後増量補正係数
KTW:水温増量補正係数
KHOT:高水温増量補正係数
MRKNK:ノック制御リタード時増量補正係数
KMR:混合比割付補正係数
TS:電圧補正
ここで、上記数1中に示す基本噴射量TPは、エアフローメータが検出した吸入空気量Qとクランク角センサが検出した機関回転数Nとによって定まる噴射量の基本的な値(TP=Q/N)である。また、空燃比フィードバック補正係数αは、排気中の空燃比を理論空燃比近傍に近づけて排気管の途中に設けられた触媒コンバータの転化性能を高めるためのものであり、空燃比補正学習値αmは、機関の運転条件が加減速時等の過渡域や高負荷域等に入った場合でも、速やかに空燃比を理論空燃比近傍に修正するためのものである。
【0004】
さらに、始動後増量補正係数KASは、図9に示す如く、機関の冷却水温に応じて値が定まるもので、水温が低いほど値(初期値)が大きくなるように設定され、所定回転数(例えば5回転)毎に値が段階的に減少するようになっている。また、水温増量補正係数KTWも、図10に示す如く、機関の冷却水温に応じて値が定まるもので、水温が低いほど初期値が大きくなるように設定されている。
【0005】
一方、高水温増量補正係数KHOTは、図11に示す如く、冷却水温に応じて値が定まるもので、冷却水温が所定の通常水温値TNWを上回ると、冷却水温が大きくなるほど大きくなるように設定されている。また、ノック制御リタード時増量補正係数MRKNKは、図12に示す如く、点火時期の補正値であるノック制御リタード量に応じて値が定まるもので、ノック制御リタード量が大きくなるほど大きくなるように設定されている。
【0006】
混合比割付補正係数KMRは、図13に示す如く、機関回転数と基本噴射量TPに応じて予め割り付けられたもので、高負荷、高回転になるほど値が大きくなるように設定されており、最後に、電圧補正TSは、図14に示す如く、バッテリ電圧に応じて値が定まるもので、バッテリ電圧が低いほど値が大きくなるように設定されている。
【0007】
このように、従来技術では、基本噴射量TPの値に冷却水温等の機関の運転条件で定まる種々の修正を加えて燃料噴射弁へ印加する噴射パルスの時間幅を決定し、冷間始動時には、前記補正係数KASとKTWとによって燃料噴射量を増量することにより、始動性や燃費等の改善を図っている。ここで、「冷間始動時」とは、機関の冷却水温が低い状態で機関を始動することをいい、始動直後の状態を含むものである。
【0008】
ところで、燃料には、その蒸発点の違いによって、気化しにくい重質燃料と、気化し易い軽質燃料と、両者の中間に位置する標準燃料とがあり、これらの燃料性状(重質、軽質、標準)によっても冷間始動時の混合気濃度が変化するため、燃料性状を考慮せずに燃料噴射量を増量制御しても、機関の運転条件に適合しないおそれがある。即ち、冷間始動時に同量だけ燃料噴射量を増量しても、重質燃料は気化しにくいから、壁流(吸気通路の内面に付着した燃料の膜流)の分だけ混合気濃度が低下して一時的にリーン状態となり、始動性が悪化しうる。一方、軽質燃料を用いた場合は、機関温度が低くても比較的速やかに気化するため、重質燃料と同じだけ増量すると、リッチ状態となり、燃費やエミッション性能が低下する可能性がある。
【0009】
そこで、かかる欠点を解消すべく、第2の従来技術として、例えば特開平3−26841号公報に開示されたものでは、燃料の揮発性の相違によって始動直後に生じるピーク回転の回転数と発生時間とが異なることに着目し、このピーク回転が生じるまでの時間と、その時のピーク回転数の値とによって燃料性状を判定し、この判定された燃料性状に応じて増量補正係数の値を設定することにより、増量制御(燃料増量の減量制御)を行っている。
【0010】
また、第3の従来技術として、例えば特開平3−61644号公報に開示されたものでは、始動時の回転数が冷却水温と燃料性状とによって略定まることに着目し、冷却水温毎に設定された目標回転数と当該冷却水温における実際の回転数との差分から燃料の性状を判定し、この判定された燃料性状に応じて増量制御を行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した第2の従来技術では、始動時のピーク回転の回転数と発生時間とから燃料性状を判別し、燃料性状に応じて増量制御を行っているものの、始動時回転数は、燃料性状だけで定まるものではなく、バッテリ電圧、スタータモータ性能、オイルの種類、点火性能等の種々の要因の影響を受けるため、始動時回転数のパターン検出のみで燃料性状を正確に判別するのは難しく、適切な増量制御を行えない可能性がある。
【0012】
また、第3の従来技術では、予め設定された目標回転数と実際の回転数との差分によって燃料性状を判別し、増量制御を行っているものの、燃料性状を検出するまでにある程度の時間を必要とするため、増量制御に時間遅れが生じ易く、燃料性状に応じた空燃比を得るのが難しい。
【0013】
本発明はかかる従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、燃料性状を正確に判別し、この燃料性状に応じて冷間始動時の燃料噴射量を最適制御できるようにした内燃機関の制御装置の提供にある。また、本発明の他の目的は、重質燃料を用いたときの始動性や運転性を高めつつ、軽質燃料を用いたときでも燃費を向上してエミッション排出量を低減することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置は、機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、この安定性余裕代に基づいて燃料性状を検出する燃料性状検出手段と、を備え、前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴としている。
【0015】
また、請求項2に係る発明では、機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、この安定性余裕代のうち機関始動後から現在までの間で最大値をとる最大安定性余裕代と所定の基準値とを比較し、最大安定性余裕代が所定の基準値以上のときには軽質燃料であると判定し、最大安定性余裕代が所定の基準値未満のときには重質燃料であると判定する燃料性状検出手段と、を備え、前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴としている。
【0016】
さらに、請求項3に係る発明では、機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、予め設定された低水温時の燃料増量補正係数の値を補正するための安定性補正係数を前記安定性余裕代に基づいて演算する安定性補正係数演算手段と、この安定性補正係数と前記低水温時の燃料増量補正係数と機関の運転条件に応じて定まる基本燃料噴射量とに基づいて燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、を備え前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴としている。
【0017】
また、前記安定性補正係数演算手段は、前記安定性余裕代が所定の基準値以上のときには機関始動後から現在までの間で最大値をとる最大安定性余裕代に基づいて安定性補正係数を演算し、前記安定性余裕代が前記所定の基準値未満のときには前記最大安定性余裕代と現在の安定性余裕代との差分に基づいて安定性補正係数を演算する構成とするのが好ましい。
【0018】
さらに、前記低水温時の燃料増量補正係数を重質燃料に応じて設定し、前記安定性補正係数演算手段は、0から前記低水温時の燃料増量補正係数の値までの範囲内で安定性補正係数を演算する構成とするのが望ましい。
【0019】
本発明に係る内燃機関の制御装置のより具体的な構成は、重質燃料に応じて予め設定された低水温時の燃料増量補正係数により、機関が冷間始動したときに燃料噴射量の増量制御を行う内燃機関の制御装置であって、機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の回転変動を検出し、この回転変動に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め機関の運転条件毎に設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、前記低水温時の燃料増量補正係数の値を補正すべく0から該低水温時の燃料増量補正係数の値までの範囲内で可変である安定性補正係数を、前記安定性余裕代が所定の基準値以上のときには機関始動後から現在までの間で最大値をとる最大安定性余裕代に基づいて演算すると共に前記安定性余裕代が所定の基準値未満の場合のときには前記最大安定性余裕代と現在の安定性余裕代との差分に基づいて演算する安定性補正係数演算手段と、この安定性補正係数と前記低水温時の燃料増量補正係数と機関の運転条件に応じて定まる基本燃料噴射量とに基づき、前記安定性補正係数の値が大きくなるにつれて燃料噴射量の値が小さくなるように燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段とを備え、前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成した。
【0021】
【作用】
燃料噴射量が適切でなければ、機関に回転変動が生じて不安定になるため、回転数検出手段が検出した機関の回転数に基づいて、現在の機関の安定状態を示す安定性指標を得ることができる。そして、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較して得られる両者の差分は、機関の状態が安定性の限界からどの程度離れているかを示す安定性余裕代となる。ここで、燃料には、気化しにくい重質燃料と気化し易い軽質燃料とがあるが、冷間始動時には機関の温度が低いため、重質燃料を用いた場合は、壁流の影響を受けて混合気の濃度が低下し、リーン気味となって始動直後の回転が不安定になり易い。一方、軽質燃料を用いた場合は、気化し易いため、始動直後の回転は安定する。従って、重質燃料の場合は、安定性指標が悪化して安定性許容レベルに近づくため、安定性余裕代が小さくなる。これに対し、軽質燃料の場合は、安定性指標が向上して安定性許容レベルから離れるため、安定性余裕代が大きくなる。これにより、安定性余裕代に基づいて燃料性状を判別することができ、この判別された燃料性状に応じて燃料噴射量を制御することができる。
【0022】
また、燃料噴射量の制御に応じて安定性余裕代は変化するが、最大値をとる最大安定性余裕代は、燃料性状に起因する燃料の応答性(揮発性)及び吸入空気との混合状態によって定まる。そこで、この最大安定性余裕代と所定の基準値とを比較することにより、軽質燃料であるか重質燃料であるかを判定することができる。
【0023】
さらに、請求項3の構成によれば、燃料性状を反映した安定性余裕代に基づいて、低水温時の燃料増量補正係数を補正するための安定性補正係数を演算し、この安定性補正係数と低水温時の燃料増量補正係数と機関の運転条件に応じて定まる基本噴射量とに基づいて燃料噴射量を演算することにより、冷間始動時の燃料噴射量を燃料性状に応じて制御することができる。
【0024】
また、安定性余裕代が所定の基準値以上のときは最大安定性余裕代に基づいて安定性補正係数を演算し、安定性余裕代が所定の基準値未満のときは最大安定性余裕代と現在の安定性余裕代との差分に基づいて安定性補正係数を演算する構成とすれば、最大安定性余裕代に反映されている燃料性状に応じて燃料噴射量を制御しつつ、現在の安定性余裕代に反映されている機関の現在の安定状態をフィードバックすることができる。
【0025】
さらに、前記低水温時の燃料増量補正係数を重質燃料に応じて設定し、前記安定性補正係数演算手段は、0から前記低水温時の燃料増量補正係数の値までの範囲内で安定性補正係数を演算する構成とすれば、安定性余裕代の小さい重質燃料の場合に、重質燃料に応じた燃料増量を行うことができると共に、軽質燃料の場合には、重質燃料に応じて設定された燃料増量を減量することができる。
【0026】
また、より具体的な請求項6に係る構成によれば、上述した如く、燃料性状と機関の現在の安定状態とに応じて安定補正係数を設定し、この安定性補正係数をもって低水温時の燃料増量補正係数を補正することができるため、安定性余裕代の小さい重質燃料の場合は十分な燃料増量を行うことができると共に、安定性余裕代の大きい軽質燃料の場合は燃料増量を少なくすることができ、冷間始動時に燃料性状に応じた燃料噴射量を得ることができる。
【0027】
また、前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段とから構成したので、各気筒の点火に応じて出力される回転数信号間のバラツキに影響されずに、機関の安定状態を知ることができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1〜図8に基づいて説明する。なお、実施例では、上述した従来技術で述べた各種補正係数と同一の補正係数には同一の名称を付し、その説明を省略するものとする。
【0029】
まず、図1は、本発明の実施例に係る内燃機関の制御装置の全体構成を示す構成説明図であって、シリンダブロックに例えば4個設けられた気筒たるシリンダ1(1個のみ図示)内にはピストン2が摺動可能に設けられ、このピストン2のヘッド部とシリンダヘッドとの間には燃焼室3が画成されている。この燃焼室3には、吸気ポート4を介して吸気通路5が接続されると共に、排気ポート6を介して排気通路7が接続されている。吸気通路5は、その上流側が図示せぬエアフィルタに接続され、その下流側はコレクタ部5Aから気筒数に応じて分岐し、吸気ポート4を開閉する吸気弁8を介して燃焼室3に接続されている。排気通路7は、その上流側が排気ポート6を開閉する排気弁9を介して燃焼室3に接続され、その下流側は集合して図外のマフラに接続されている。
【0030】
また、吸気通路5には、コレクタ部5Aとエアフィルタとの間に位置して吸入空気量を調整するためのスロットル弁10が設けられ、このスロットル弁10とエアフィルタとの間には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ11が設けられている。そして、スロットル弁10のスロットル開度を検出するスロットルセンサ12とエアフローメータ11とは、後述のコントロールユニット24に接続されている。さらに、スロットル弁10をバイパスする補助空気通路13の途中には、アイドルスピードコントロール弁(ISC弁)14が設けられ、このISC弁14によって補助空気通路13を流れる空気量が調整される。
【0031】
燃料噴射弁15は、吸気ポート4を指向して吸気通路5の下流側に設けられ、コントロールユニット24からの噴射信号(噴射パルス)によって開弁することにより、噴射パルス幅に応じた量の燃料を吸気ポート4に向けて噴射するようになっている。また、シリンダヘッドには、先端側が燃焼室3内に臨むようにして点火栓16が設けられており、この点火栓16はイグニッションコイル等を内蔵した図示せぬディストリビュータを介してコントロールユニット24に接続されている。
【0032】
一方、排気通路7の途中には例えば3元触媒等からなる触媒コンバータ17が嵌装され、この触媒コンバータ17の上流側,下流側には、例えばジルコニア管の内外面に白金電極をコーティングしてなる酸素センサ(空燃比センサ)18,19がそれぞれ設けられている。この上流側酸素センサ18は、触媒コンバータ17を通過する前の排気ガス中の酸素濃度を検出するもので、コントロールユニット24は、酸素濃度に応じて周期的に反転する上流側酸素センサ18の検出信号を利用することにより、空燃比フィードバック制御を行う。また、下流側酸素センサ19は、触媒コンバータ17を通過した後の排気ガス中の酸素濃度を検出するもので、その検出信号は触媒コンバータ17の酸素ストレージ能力によって緩やかな変動を示す。従って、触媒コンバータ17が正常であれば両検出信号の反転周期は大きく異なるが、触媒コンバータ17が劣化すれば、上流側酸素センサ18の検出信号の反転周期と下流側酸素センサ19の検出信号の反転周期との相違が小さくなるため、コントロールユニット24は、両検出信号の反転周期を比較することで、触媒コンバータ17の劣化を検出するようになっている。
【0033】
回転数検出手段としてのクランク角センサ20は、例えば電磁式ピックアップコイル等から構成されており、機関の回転を1度、180度(6気筒の場合は120度)毎に検出するものである。そして、このクランク角センサ20は、車速を検出する車速センサ21と、イグニッションスイッチの状態を検出するスタートスイッチ22と、ウォータジャケットを流通する冷却水温を検出する水温センサ23と、ノッキングを検出するノックセンサ(図示せず)と共に、コントロールユニット24に接続されている。
【0034】
CPU等の演算処理回路、ROM,RAM等の記憶回路、入出力回路(いずれも図示せず)等からマイクロコンピュータシステムとして構成されたコントロールユニット24は、機関を電気的に集中制御するものである。このコントロールユニット24は、図2の機能ブロック図に示す如く、クランク角センサ20からのREF信号に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標TRFSUMを演算する安定性指標演算手段24Aと、機関の運転条件毎に予め設定された安定性許容レベルSTBSLをマップを読み出して求める安定性許容レベル演算手段24Bと、安定性指標TRFSUMと安定性許容レベルSTBSLとを比較し、両者の差分を安定性余裕代STBとして演算する安定性余裕代演算手段24Cと、この安定性余裕代STBに基づいて図5と共に後述するマップを読み出すことにより、安定性補正率LSTBを演算する安定性補正率演算手段24Dと、この安定性補正率LSTBを予め重質燃料に応じて設定された低水温時の各燃料増量補正係数(KAS+KTW)に乗じることにより、安定性補正係数KSTBを求める安定性補正係数演算手段24Eと、数1と共に上述した各種補正係数の総和(KAS+KTW+KHOT+MRKNK+KMR)から安定性補正係数KSTBを差し引くことにより、目標空燃比を設定するための空燃比設定補正係数TFBYAを演算する空燃比設定補正係数演算手段24Fと、この空燃比設定補正係数TFBYAと機関の運転条件に応じて定まる基本燃料噴射量TPとに基づいて機関に設けられた燃料噴射弁の噴射パルス幅(燃料噴射量)Tiを演算する燃料噴射量演算手段24Gと、を備えている。
【0035】
次に、図3〜図7に基づいて上述したコントロールユニット24の各機能を詳述する。まず、図3は安定性指標TRFSUMを演算して求める安定性指標演算手段の具体的なフローチャートを示し、ステップ1では、クランク角センサ20から各気筒毎に応じて出力されるREF信号を読込み、これら各REF信号間の時間TREFをサンプリングする。ここで、REF信号とは、各気筒での爆発に対応してクランク角センサ20が出力する信号であり、4気筒の場合は180度毎に、6気筒の場合は120度毎にクランク角センサ20から出力される。即ち、このREF信号間時間TREFとは、ある気筒の点火から次の気筒の点火までの間の時間を示すパラメータである。
【0036】
次に、ステップ2では、前記ステップ1でサンプリングされたREF信号間時間TREFの各気筒別の変化量TREFCを、下記数2により求める。
【0037】
【数2】
TREFC(n)=TREF(n)−TREF(n−4)
これにより、各気筒毎のREF信号間の時間TREFの変化が分かる。例えば仮に、4つの気筒CA,CB,CC,CDがあり、CA→CB→CC→CD→CAの順序で点火されるとすれば、CDが点火されてからCAが点火されるまでの時間TREF(n)と、次に再びCDが点火されてからCAが点火されるまでの時間TREF(n−4)との差分が、気筒CAにおける気筒別変化量TREFCとなる。以下同様にして、他の気筒CB,CC,CD毎に、気筒別変化量TREFCをそれぞれ求める。そして、ステップ3では、下記数3に従って、ステップ2で求められた気筒別変化量TREFCの値を隣接する気筒間(点火順序における「隣接」)で比較し、REF周期変動TRFOUTを演算する。
【0038】
【数3】
TRFOUT(n)=TREFC(n)−TREFC(n−1)
即ち、気筒CAにおける気筒別変化量TREFC(n)と、次に点火される気筒CBにおける気筒別変化量TREFC(n−1)との差分がREF周期変動TRFOUTとなる。同様にして、気筒CBと気筒CCとの間、気筒CCと気筒CDとの間、気筒CDと気筒CAとの間、における気筒別変化量TREFCの差もそれぞれ演算される。従って、この周期変動TRFOUTは、各気筒のREF周期のバラツキを補正した値となる。即ち、上述した通り、各気筒毎にREF信号間の時間TREFの変動をTREFCとして求め、このREF信号の変化量TREFCを隣接する気筒間で比較することにより、周期変動TRFOUTを求めているため、機関固有のREF信号のバラツキによる影響を受けないばかりか、回転数が上昇したり下降した場合にも各気筒間のREF信号周期の変動を容易かつ正確に求めることができる。
【0039】
最後に、ステップ4では、前記ステップ3で求めた周期変動TRFOUTの絶対値を所定サイクルとしてのNCサイクル分だけ積算することにより、機関の安定状態(安定度)を示す安定性指標TRFCUMを算出する。このようにして演算された安定性指標TRFCUMは、各気筒の変動を統計処理した後の回転変動を示すため、機関の回転の安定状態を示す指標として用いることができる。
【0040】
次に、図4のフローチャート及び図5のマップに基づいて安定性補正率LSTB及び安定性補正係数KSTBの演算処理内容を説明する。まず、ステップ11では、水温センサ23が検出した冷却水温とスロットルセンサ12のアイドル接点の状態とから燃料増量補正の減量を行うべきファストアイドル状態(比較的回転数の高いアイドリング状態)であるか否かを判定する。このステップ11で「YES」と判定したときは、機関がファストアイドル状態にある場合だから、次のステップ12では、予め設定された安定性の限界値を示す安定性許容レベルSTBSLと、図3のフローチャートで得られた安定性指標TRFSUMとの差分を求めることにより(STB=STBSL−TRFSUM)、現時点における機関の安定性余裕代STBを演算する。一方、前記ステップ11で「NO」と判定したときは、直前の安定性余裕代STBを保持する。
【0041】
ここで、この安定性許容レベルSTBSLは、機関の回転数や負荷等の運転条件によって異なるため、予め実機試験により定められる。具体的には、実機試験により、筒内圧変動率や回転変動率等をモニタして機関の安定限界を検出し、この安定限界における安定性指標TRFSUMを求め、この安定限界上の安定性指標TRFSUMを安定性許容レベルSTBSLとして、各運転条件毎にマップ化し、コントロールユニット24に予め記憶させておくのである。
【0042】
そして、ステップ14では、前記ステップ12で求めた安定性余裕代STBが所定の基準値としての「0」以上か否かを判定する。このステップ14で「YES」と判定したときは、現在の運転条件において機関の安定性に余裕がある場合のため、次のステップ15に移り、機関始動時から現時点までのファストアイドル期間中に得られた安定性余裕代STBのうち、最大の値をとる最大安定性余裕代STBMAXに基づいて、図5に示す補正率マップから安定側補正率LSB1を読み出す。
【0043】
即ち、図5は、安定性余裕代STBに基づいて、安定性補正率LSTBを構成する2個の補正率LSTB1,LSTB2をそれぞれ求めるための補正率マップを示し、この補正率マップは、実機試験によって、安定性余裕代STBの値を変化させながら、そのとき機関が実際に必要とする燃料増量補正(KAS+KTW)を測定することにより、安定性余裕代STB(又は最大安定性余裕代STBMAX)と安定側補正率LSTB1(又は不安定側補正率LSTB2)との関係をマップ化したものであり、安定側補正率LSTB1も不安定側補正率LSTB2も、この同じ単一の補正率マップによって求められる。安定性補正率LSBは、後述の如く、機関の安定性を示す要素である安定側補正率LSTB1と、機関の不安定性を示す要素である不安定側補正率LSTB2とから構成されており(LSTB=LSTB1−LSTB2)、安定性要素と不安定性要素との両者の力関係に応じて、燃料増量補正を減量させるためのものである。従って、機関が安定するほど安定側補正率LSTB1が大きくなり、機関が不安定になるほど不安定側補正率LSTB2が大きくなるように、この補正率マップは構成されている。
【0044】
ここで、安定側補正率LSTB1を設定するために、現時点での安定性余裕代STBを用いず、最大安定性余裕代STBMAXを用いることとしたのは、燃料性状と最大安定性余裕代STBとの関係が密接だからである。即ち、例えば軽質燃料を用いた場合は、始動直後の安定性(安定性余裕代STB)が高い。一方、重質燃料を用いた場合は、蒸発点が高く壁流が多くなるため、混合気の濃度が薄まり、始動直後の安定性が低い。従って、安定性余裕代STBと燃料性状との間には相関関係が成立するが、後述の如く、燃料増量補正係数(KAS+KTW)による燃料の増量が減量調整されるため、この燃料増量の調整に応じて安定性余裕代STBは、時間と共に変化していく。これに対し、最大安定性余裕代STBMAXは、燃料増量の調整が十分行われる前の初期段階で燃料性状によって定まる値であるため、重質燃料であるか軽質燃料であるかの燃料性状の情報を正確に記憶していることになる。従って、本実施例では、ステップ15で、燃料性状の情報を記憶した最大安定性余裕代STBMAXを用いることにより、安定側補正率LSTB1を求めている。
【0045】
次に、ステップ16では、不安定側補正率LSTB2の値を設定するが、現時点で機関の回転は安定しており、前記ステップ14によって機関の安定性に余裕があると判定されているため、不安定要素は存在しない。従って、このステップ16では不安定側補正率LSB2の値を「0」とする。
【0046】
一方、前記ステップ14で「NO」と判定したときは、機関の回転が不安定の場合であるため、ステップ17では、燃料性状が反映された安定側補正率LSTB1の値を保持しておく。次に、ステップ18では、上述した補正率マップにより、現在の安定性余裕代STBから不安定側補正率LSTB2を読み出す。ここで、機関が不安定時(STB<0)の場合であるから、安定性余裕代STBは負の値である。従って、補正率マップでは、不安定時の安定性余裕代STBの絶対値(|STB|)に基づいて不安定側補正率LSTB2を読み出す。従って、機関の不安定性が大きくなるほど補正率マップから読み出される不安定側補正率LSTB2の値が大きくなる。そして、ステップ19では、補正率マップによって求められた安定側補正率LSTB1と不安定側補正率LSTB2とから、下記数4によって安定性補正率LSTBを算出する。
【0047】
【数4】
LSTB=LSTB1−LSTB2
最後に、ステップ20では、安定性補正率LSTBと上述した低水温時の燃料増量補正係数である始動後増量補正係数KAS及び水温増量補正係数KTWとに基づいて、下記数5により、安定性補正係数KSTBを演算する。
【0048】
【数5】
KSTB=LSTB×(KAS+KTW)
ここで、上述した安定性補正率LSTBの値は、下記数6に示す通り、「0」から「1」までの範囲内で変化するように制限されている。
【0049】
【数6】
0≦LSTB≦1
即ち、安定性補正率LSTBが最小値「0」をとったときは、数5に示す安定性補正係数KSTBも「0」となるため、図6と共に後述する空燃比設定補正係数TFBYAの演算において、低水温時の燃料増量に対する減量が全く行われないことになる((KAS+KTW)−0=KAS+KTW)。一方、安定性補正率LSTBが最大値「1」をとったときは、安定性補正係数KSTBは(KAS+KTW)となり、空燃比設定補正係数TFBYAの演算において、低水温時の燃料増量に対する減量が100%行われ、燃料増量が全く行われないことになる((KAS+KTW)−(KAS+KTW)=0)。
【0050】
次に、図6のフローチャートを参照しつつ、空燃比設定補正係数TFBYAの演算処理の内容を説明する。まず、ステップ31〜ステップ35では、上述した各補正係数の値を演算する。即ち、ステップ31では始動後増量補正係数KASを、ステップ32では水温増量補正係数KTWを、ステップ33では高水温増量補正係数KHOTを、ステップ34ではノック制御リタード時増量補正係数MRKNKを、ステップ35では混合比割付補正係数KMRを、それぞれ演算する。
【0051】
次に、ステップ36では、上述した図4のフローチャートによって、安定性補正係数KSTBを演算し、最後にステップ36では、これら各補正係数KAS,KTW,KHOT,MRKNK,KMR,KSTBから、下記数7により、空燃比設定補正係数TFBYAを演算する。
【0052】
【数7】
TFBYA=KAS+KTW+KHOT+MRKNK+KMR−KSTB
ここで、安定性補正係数KSTBは、数5に示す通り、安定性補正率LSTBと燃料増量補正係数(KAS+KTW)との積であるから、これを前記数7に代入すると、下記数8が得られる。
【0053】
【数8】
TFBYA=KAS+KTW+KHOT+MRKNK+KMR−LSTB×(KAS+KTW)
即ち、数8から明らかなように、この安定性補正係数KSTBは、各燃料増量補正係数(KAS+KTW)によって行われる冷間始動時の燃料増量に対する減量調整を行うものである。
【0054】
次に、燃料噴射量Tiの演算処理について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップ41では、機関回転数Nと吸入空気量Qとから基本噴射量TPを演算し、ステップ42では図6のフローチャートによって空燃比設定補正係数TFBYAを演算する。ステップ43では、空燃比フィードバック補正係数αを演算し、ステップ44では、空燃比補正学習値αmを演算する。そして、ステップ45では、電圧補正TSを求め、最後にステップ46では、燃料噴射量Tiを下記数9によって演算する。
【0055】
【数9】
Ti=TP×(α+αm)×TFBYA+TS
本実施例は、このように構成されるもので、例えば軽質燃料を用いた場合は、揮発性が高く、安定性指標TRFSUMが安定性許容レベルSTBSLから離れて始動直後の安定性余裕代STBが大きくなるため、安定側補正率LSTB1は最大安定性余裕代STBMAXに基づいて求められ、不安定側補正率LSTB2には「0」がセットされる。従って、安定性補正率LSTBの値は、軽質燃料の揮発性の良さ、応答性の良さに応じて大きくなるため、このLSTBの値に応じて安定性補正係数KSTBの値も大きくなり、空燃比設定補正係数TFBYAの値が小さくなる。これにより、低水温時に行われる燃料増量(KAS+KTW)が抑制され、不必要な燃料噴射が防止される。
【0056】
また、この燃料増量の減量調整が行われた結果、万が一、燃料噴射量が少なくなり過ぎて機関が不安定になった場合は、安定性指標TRFSUMが安定性許容レベルSTBSLを越えてマイナス側に入り、安定性余裕代STBが負の値をとるため、不安定側補正率LSTB2の値が「0」からこの不安定時の安定性余裕代STBの絶対値に基づいて変更される。従って、不安定側補正率LSTB2の値が大きくなり、安定性補正係数KSTBの値が不安定度合に応じて小さくなるため、低水温時の燃料増量補正係数(KAS+KTW)の値が減少する。これにより、空燃比設定補正係数TFBYAの値が大きくなって、燃料増量に対する過度の減量が速やかに修正され、ただちに機関は安定状態に回復する。
【0057】
一方、重質燃料を用いた場合には、揮発性が低く、始動直後の安定状態に殆ど余裕が生じないため、安定性余裕代STBは「0」に近い正の値となる(STB≒0)。また、安定性に殆ど余裕がない重質燃料であるため、最大安定性余裕代STBMAXの値も安定性余裕代STBの値と略同程度となり、「0」に近い値をとることになる(STBMAX≒0)。従って、実質的に「0」に近い値である最大安定性余裕代STBMAXに基づいて求められる安定側補正率LSTB1と、強制的に「0」に設定された不安定側補正率LSTB2との差分も略「0」となり、両者の差である安定性補正率LSTBも殆ど「0」と等しくなるため(LSTB≒0)、安定性補正係数KSTBの値も略「0」となる(KSTB≒0)。
【0058】
これにより、低水温時の燃料増量(KAS+KTW)が殆ど抑制されないことになるが、もともと、この低水温時の燃料増量補正係数(KAS+KTW)は、予め始動性の低い重質燃料用に設定されているため、安定性補正係数KSTBによる減量調整がされずに初期設定のままで燃料増量が行われることにより、十分な燃料が噴射供給され、機関は安定する。
【0059】
なお、標準燃料を用いた場合は、図5に示す補正率マップにより、安定側補正率LSTB1の値が軽質燃料のLSTB1と重質燃料のLSTB1との中間に位置し、安定性補正率LSTBも安定性補正係数KSTBも中間程度の値となるため、重質燃料と軽質燃料の略中間で燃料増量が行われる。
【0060】
このように、本実施例によれば、以下の効果を奏する。
【0061】
第1に、冷間始動直後の回転変動に基づいて安定性指標TRFSUMを求め、この安定性指標TRFSUMと予め実機試験により各運転条件毎に定められた安定性許容レベルSTBSLとを比較して、両者の差分を安定性余裕代STBとして演算し、この安定性余裕代STBに基づいて燃料性状を判別する構成としたため、燃料性状を正確に判別することができ、この燃料性状に応じて燃料噴射量の制御を行うことができる。即ち、始動直後の機関の回転変動には、燃料性状に起因する燃料の応答性(揮発性)や燃料と空気との混合状態が反映されるため、始動時回転数の立ち上がりパターンで燃料性状を判別する第2の従来技術とは異なり、燃料性状を正確に判別することができる。
【0062】
第2に、安定性余裕代STBのうち最大安定性余裕代STBMAXの値に基づいて安定側補正率LSTB1を演算する構成としたため、燃料性状を正確に判別して安定側補正率LSTB1に記憶しておくことができる。即ち、安定性余裕代STBは燃料増量制御によって変化するものの、最大安定性余裕代STBMAXは燃料性状によって定まるため、この最大安定性余裕代STBMAXに基づいて安定側補正率LSTB1を求めることにより、燃料性状を正確に判別して最適な燃料増量を行うことができる。
【0063】
第3に、低水温時の燃料増量補正係数(KAS+KTW)の値を調整するための安定性補正係数KSTBを安定性余裕代STBに基づいて演算し、この安定性補正係数KSTBと低水温時の燃料増量補正係数(KAS+KTW)と基本噴射量TP等とに基づいて、数8及び数9に示す如く、燃料噴射量Tiを演算する構成としたため、燃料性状に起因する安定性余裕代STBに応じて、燃料噴射量Tiを最適制御することができる。
【0064】
第4に、安定性余裕代STBが所定の基準値「0」以上の場合は、最大安定性余裕代STBMAXに基づいて安定性補正係数KSTBを演算し、安定性余裕代STBが所定の基準値「0」未満の場合は、最大安定性余裕代STBMAXと現在の安定性余裕代STBとの差分に基づいて安定性補正係数KSTBを演算する構成としたため、機関が安定して安定性余裕代STBがある場合は、燃料性状に応じて燃料噴射量を制御することができ、機関が不安定になり安定性余裕代STBがなくなった場合は、その不安定の度合に応じて安定性補正係数KSTBを修正し、機関を速やかに安定状態に導くことができる。即ち、燃料性状に応じた燃料増量制御を行いつつ機関の現時点の安定性をフィードバックすることができ、冷間始動時の運転性等を安定化することができる。
【0065】
第5に、低水温時の燃料増量補正係数(KAS+KTW)を予め始動性が低い重質燃料に応じて設定し、安定性補正係数KSTBを「0」から低水温時の燃料増量補正係数(KAS+KTW)の値までの範囲内で変化させる構成としたため、重質燃料を用いた場合は、重質燃料用に設定された燃料増量を十分に行うことにより、この燃料性状に最適な空燃比を得ることができ、機関を速やかに安定化させて冷間始動時の始動性を確保することができる。一方、軽質燃料を用いた場合には、安定性補正係数KSTBの値を小さくして、重質燃料用に設定された燃料増量補正係数(KAS+KTW)による燃料増量を軽質燃料に合わせて抑制できる。この結果、機関の安定性を維持しつつ不必要な燃料噴射の増量を防止して、燃費を向上することができると共に、エミッション排出量を低減することができる。
【0066】
図8は、本実施例による燃料増量制御を行った場合の空燃比と安定性の変化を示したもので、同図中、実線で示すAは、軽質燃料を用いて本実施例による増量制御を行った場合の特性変化を示し、破線で示すBは、重質燃料を用いて本実施例による増量制御を行った場合の特性変化と、軽質燃料を用いた場合の従来技術による特性変化との双方を示している。この図8によれば、軽質燃料を用いて本実施例による燃料増量制御を行った場合は、始動後速やかに、燃料の増量が抑制されて最低限の安定性が維持されつつ、吸入側の空燃比が燃料性状に好ましい理論空燃比近傍に達しているのが理解できる。これに対し、軽質燃料の燃料増量を従来技術(数1)によって制御した場合には、空燃比が理論空燃比に達するまでに本実施例よりも時間tだけ長くかかる上に、安定性許容レベルSTBSLに対して不要な安定性余裕代ΔSTBを有するため、本実施例に比較して燃費が低下し、エミッション排出量が増加する。なお、機関が始動すると、機関回転が安定するまでに通常1〜2秒程度かかるため、この間はTREFのサンプリングを行わない。
【0067】
また、第2の従来技術(特開平3−26841号公報)では、燃料性状補正係数KFHの値を標準燃料の場合に「1」とし、重質燃料及び軽質燃料の場合は、それぞれ水温に応じて予め用意されたテーブルを参照することにより求める構成となっている。従って、第2の従来技術によるものでは、システム構成が複雑化するばかりか、重質燃料に対する燃料増量に時間遅れが生じる可能性があるが、本実施例では、燃料増量の初期設定を始動性等が最も懸念される重質燃料に対応させて、重質燃料を用いた場合の始動性、運転性をまず最初に確保し、安定性に余裕があると判断した場合のみ減量制御を行う構成であるため、重質燃料を用いた場合の始動性や運転性と、軽質燃料を用いた場合の燃費の向上及びエミッションの低減との双方を両立させることができる。
【0068】
第6に、クランク角センサ20が各気筒の点火に応じて出力したREF信号間の時間TREFを求め、このREF信号間時間TREFの変動を気筒別変化量TREFCとして各気筒毎に演算し、この気筒別変化量TREFCを隣接する気筒間で比較して周期変動TRFOUTを求め、この周期変動TRFOUTを所定サイクルNCだけ積算することにより、安定性指標TRFSUMを得る構成としたから、REF信号間のバラツキや機関の増速,減速に影響されずに、機関の安定状態を正確に知ることができる。また、既に機関に設けられているクランク角センサ20を利用して安定性指標TRFSUMを求める構成のため、別体の性状判別センサを用いる必要がなく、低コストに機関の始動性や運転性を大幅に向上することができる。
【0069】
第7に、安定性補正率LSTBを構成する安定側補正率LSTB1と不安定側補正率LSTB2とを、図5に示す同一の補正率マップから読み出す構成としたため、全体構成を簡素化することができる。
【0070】
なお、前記実施例では、低水温時の燃料増量補正係数として、始動時増量補正係数KASと水温増量補正係数KTWとの2つを例示したが、本発明はこれに限らず、低水温時に燃料の増量を行う補正係数であれば適用可能である。例えば、前記各補正係数KAS,KTWに代表される水温時の燃料増量補正係数を、上位概念としてKCと表現すれば、前記安定性補正係数KSTBは、KSTB=LSTB×KCとして表すことができる。
【0071】
また、前記実施例では、安定性の判断基準としての所定の基準値に「0」を用いる場合を例に挙げて説明したが、これは主として安定性許容レベルSTBSLをどのレベルに設定するかで定まるものであるから、「0」以外の任意の数値を所定の基準値βとして用いてもよい。
【0072】
さらに、前記実施例では、各補正率LSTB1,LSTB2を図5に示す同一の補正率マップで求める場合を例示したが、これに限らず、各補正率LSTB1,LSTB2毎にそれぞれ別体のマップを用意する構成としてもよい。この場合には、最大安定性余裕代STBMAX又は安定性余裕代STBの絶対値に対する変化の割合を、各補正率LSTB1,LSTB2毎にそれぞれ個別に設定することもできる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、回転数検出手段が検出した回転数に基づいて安定性指標を求め、この安定性指標と予め定められた安定性許容レベルとを比較して、両者の差分を安定性余裕代として演算し、この安定性余裕代に基づいて燃料性状を判別する構成としたため、燃料性状を正確に判別することができ、この燃料性状に応じて燃料噴射量の制御を行うことができる。
【0074】
また、最大安定性余裕代と所定の基準値とを比較することにより燃料性状を判別する構成としたため、燃料性状の判別を安定化することができる。
【0075】
さらに、燃料性状を反映した安定性余裕代に基づいて、低水温時の燃料増量補正係数を補正するための安定性補正係数を演算し、この安定性補正係数と低水温時の燃料増量補正係数と機関の運転条件に応じて定まる基本噴射量とに基づいて燃料噴射量を演算する構成としたため、冷間始動時の燃料噴射量を燃料性状に応じて制御することができる。
【0076】
また、安定性余裕代が所定の基準値以上のときは最大安定性余裕代に基づいて安定性補正係数を演算し、安定性余裕代が所定の基準値未満のときは最大安定性余裕代と現在の安定性余裕代との差分に基づいて安定性補正係数を演算する構成としたため、最大安定性余裕代に反映されている燃料性状に応じて燃料噴射量を制御しつつ、現在の安定性余裕代に反映されている機関の現在の安定状態をフィードバックすることができ、機関の安定性を維持することができる。
【0077】
さらに、前記低水温時の燃料増量補正係数を重質燃料に応じて設定し、前記安定性補正係数演算手段は、0から前記低水温時の燃料増量補正係数の値までの範囲内で安定性補正係数を演算する構成としたため、安定性余裕代の小さい重質燃料の場合に、重質燃料に応じた燃料増量を行って始動性や運転性を確保することができると共に、軽質燃料の場合には、重質燃料に応じて設定された燃料増量を減量することにより、安定性を維持しつつ不要な燃料増量を防止して、燃費を向上することができ、エミッション排出量を低減することができる。
【0078】
また、回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段とから安定性指標演算手段を構成したため、各気筒の点火に応じて出力される回転数信号間のバラツキや機関の増速,減速に影響されずに、機関の安定状態を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内燃機関の制御装置の全体構成を示す構成説明図。
【図2】図1中のコントロールユニットの機能を示す機能ブロック図。
【図3】安定性指標TRFSUMの演算処理を示すフローチャート。
【図4】安定性補正係数KSTB等の演算処理を示すフローチャート。
【図5】安定性補正率LSTBを求めるための補正率マップ。
【図6】空燃比設定補正係数TFBYAの演算処理を示すフローチャート。
【図7】燃料噴射量Tiの演算処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施例による燃料増量制御を行ったときの空燃比及び安定性指標TRFSUMの変化を従来技術と比較して示す特性図。
【図9】従来技術による始動後増量補正係数KASの説明図。
【図10】水温増量補正係数KTWの説明図。
【図11】高水温増量補正係数KHOTの説明図。
【図12】ノック制御リタード時増量補正係数MRKNKの説明図。
【図13】混合比割付補正係数KMRの説明図。
【図14】電圧補正TSの説明図。
【符号の説明】
15…燃料噴射弁
20…クランク角センサ(回転数検出手段)
24…コントロールユニット
Claims (6)
- 機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、この安定性余裕代に基づいて燃料性状を検出する燃料性状検出手段と、を備え、
前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、この安定性余裕代のうち機関始動後から現在までの間で最大値をとる最大安定性余裕代と所定の基準値とを比較し、最大安定性余裕代が所定の基準値以上のときには軽質燃料であると判定し、最大安定性余裕代が所定の基準値未満のときには重質燃料であると判定する燃料性状検出手段と、を備え、
前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関の回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、この安定性指標と予め設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、予め設定された低水温時の燃料増量補正係数の値を補正するための安定性補正係数を前記安定性余裕代に基づいて演算する安定性補正係数演算手段と、この安定性補正係数と前記低水温時の燃料増量補正係数と機関の運転条件に応じて定まる基本燃料噴射量とに基づいて燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、を備え、
前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記安定性補正係数演算手段は、前記安定性余裕代が所定の基準値以上のときには機関始動後から現在までの間で最大値をとる最大安定性余裕代に基づいて安定性補正係数を演算し、前記安定性余裕代が前記所定の基準値未満のときには前記最大安定性余裕代と現在の安定性余裕代との差分に基づいて安定性補正係数を演算する構成としたことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記低水温時の燃料増量補正係数を重質燃料に応じて設定し、前記安定性補正係数演算手段は、0から前記低水温時の燃料増量補正係数の値までの範囲内で安定性補正係数を演算する構成としたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 重質燃料に応じて予め設定された低水温時の燃料増量補正係数により、機関が冷間始動したときに燃料噴射量の増量制御を行う内燃機関の制御装置であって、
機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
この回転数に基づいて機関の回転変動を検出し、この回転変動に基づいて機関の安定状態を示す安定性指標を演算する安定性指標演算手段と、
この安定性指標と予め機関の運転条件毎に設定された安定性許容レベルとを比較し、両者の差分を安定性余裕代として演算する安定性余裕代演算手段と、
前記低水温時の燃料増量補正係数の値を補正すべく0から該低水温時の燃料増量補正係数の値までの範囲内で可変である安定性補正係数を、前記安定性余裕代が所定の基準値以上のときには機関始動後から現在までの間で最大値をとる最大安定性余裕代に基づいて演算すると共に前記安定性余裕代が所定の基準値未満の場合のときには前記最大安定性余裕代と現在の安定性余裕代との差分に基づいて演算する安定性補正係数演算手段と、
この安定性補正係数と前記低水温時の燃料増量補正係数と機関の運転条件に応じて定まる基本燃料噴射量とに基づき、前記安定性補正係数の値が大きくなるにつれて燃料噴射量の値が小さくなるように燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、を備え、
前記安定性指標演算手段は、前記回転数検出手段が機関の各気筒の点火に応じて出力する回転数信号間の時間を求め、この点火に応じた回転数信号間の時間の変動を気筒別変化量として各気筒毎に演算する手段と、この気筒別変化量を隣接する気筒間で比較して周期変動を演算する手段と、この周期変動を所定サイクルだけ積算することにより安定性指標を演算する手段と、から構成したことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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