JPH07119564A - ストレーナ兼用の燃料高純度改質装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料改質装置の取り付け工事を簡易化でき、
且つ燃料も高純度で改質できる新規な燃料高純度改質装
置を提供する。 【構成】 ストレーナ容器本体内に、セラミック粒子１
８および磁石１９からなる燃料改質器を配置し、ストレ
ーナ導入口よりストレーナ内に流入した燃料を前記燃料
改質器で改質したのち、再びストレーナの排出口より排
出できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は燃料改質装置に関し、特
に従来から車両に搭載されているストレーナと兼用した
燃料高純度改質装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ガソリンや軽油等の燃料を燃
焼させて動力を得るエンジンにおいてエンジンの燃料消
費率と出力を向上させるために、燃料と空気を交互に接
触させることにより燃料の構成成分をイオン化させて燃
焼しやすい状態に変化させるための燃料改質装置が種々
提案されている。たとえば、特開平２−２８３８５０号
には、燃料タンクの中に、セラミックを主体とするイオ
ン化触媒器を配置し、このイオン化触媒器によって燃料
と空気を交互に接触させ、燃料の構成成分をイオン化さ
せるようにした燃料改質装置が開示されており、また特
開平３−２２９９１２号には、燃料タンクと燃料ポンプ
を接続する燃料パイプの途中に、セラミック粉を使用し
特殊工法によって成型したセラミック成型体内に燃料を
通す多数の通孔部を設けるとともに、該成型体に外周に
多数の冷却フィンを設けた燃料改質装置を配置し、この
燃料改質装置によって燃料改質を行うようにしたものが
開示されている。さらに、特開平４−１７１２６２号に
は容器内に水を活性化する性質をもつセラミックを配在
し、この容器にガソリン、軽油等の炭化水素系燃料を通
過させることにより燃料を改質させるようにした燃料フ
ィルター装置が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
づれの燃料改質装置も次のような欠点を有しており、こ
のため実車に搭載される台数が限られている。 （１）上記した燃料改質装置を実車に搭載しようとする
と、燃料パイプに何らかの加工（例えば切断する等）を
する必要があり、取り付けが面倒である。 （２）燃料パイプを切断して燃料改質装置を取り付けた
場合、燃料パイプと燃料改質装置との接続部におけるシ
ール性が問題となる。例えば接続部の加工が厳密になさ
れていない場合には、ここから燃料漏れが生じる恐れが
あり、これが原因で重大事故が発生する危険性がある。
とくに接続部には、車両走行中に発生する種々の振動が
伝達され、取り付け部の緩みなどが発生しやすく、熟練
者による工事が必要となる。 （３）上記燃料改質装置はいづれも基本的にセラミック
のみによって燃料を改質する機構となっているため、燃
料の改質が完全には行われていない。 そこで本発明は、燃料改質装置の取り付け工事を簡易化
でき、且つ燃料も高純度で改質できる新規な燃料高純度
改質装置を提供し、前記問題点を解決せんとするもので
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前述した技術課題を達成
するために本発明が講じた技術手段は、ストレーナ容器
本体内に、セラミック粒子１８および磁石１９からなる
燃料改質器を配置し、ストレーナ導入口よりストレーナ
内に流入した燃料を前記燃料改質器で改質したのち、再
びストレーナの排出口より排出できるようにしたことに
ある。

【０００５】

【作用】燃料高純度改質装置は従来のストレーナと外
見、取り付け部が全く同じであるため、従来のストレー
ナに変えて簡単に交換することができる。そして本燃料
高純度改質装置にストレーナの導入口３より流入した燃
料は濾過材２１で濾過され、燃料改質器１０の下面１５
に形成した開口１４より円筒状容器内に流入する。開口
１４にはメッシュが張られており、セラミック粒子が容
器外には出ないようになっている。燃料改質器１０の円
筒状容器１０ａ内に入った燃料はセラミック粒子１８お
よび磁石１９の作用で改質されつつ円筒状容器１０ａの
上面に形成したスリット１１より円筒状容器外に流出す
る。その後流出した燃料は再びセラミック管１６内に流
入し、磁性をもつセラミック管１６によってさらに改質
された後、ストレーナの排出口１４より排出され、エン
ジンに供給される。

【０００６】

【実施例】以下本発明の好ましい実施例について説明す
る。図１は本発明に係る実施例としてのストレーナ兼用
の燃料高純度改質装置の側面図であり、図２は前記燃料
高純度改質装置内に収納する燃料改質器である。

【０００７】図１において、１は燃料高純度改質装置の
容器であり、この容器１は従来より実車に搭載されてい
る燃料ストレーナを兼用している。容器１の底部２には
燃料をストレーナ内に導入する導入口３が形成されてい
るとともに、ストレーナ内で高純度に改質された燃料を
エンジンに送りこむための排出口４が形成されている。
前記ストレーナの形態は、従来より実車に搭載されてい
るものと同様であるため、外見は従来ストレーナと変化
はなく、したがって、この燃料高純度改質装置の取り付
け作業は従来のストレーナの取り付け作業と全く変わる
ことがない。なお、図中５はシール用突起である。

【０００８】上記のような形態をした容器１内には、図
２に示す燃料改質器１０が配置されている。以下図２を
参照して本実施例の燃料改質器１０について説明する
と、該燃料改質器１０は、燃料に対して耐久性のある金
属をはじめとする各種材料で形成された円筒状本体１０
ａを有しており、この本体１０ａの上面１２には、図３
に示すように燃料の通過を許容するための多数のスリッ
ト１１が形成されており、また本体下面１５には図４に
示すように後述するフィルタによって濾過された燃料を
本体内に導入するための扇形の開口１４が形成されてい
る。前記スリット１１は本体内部に収納するセラミック
粒子が本体外に漏れないような幅に形成されており、ま
た開口１４にはセラミック粒子が本体外に漏れないよう
にメッシュ１３が設けられている。前記スリット１１は
セラミック粒子による開口部の目詰まりを防止する上で
効果的である。

【０００９】前記円筒状本体１０ａの中央部には、この
燃料改質器１０内に配置するセラミック粒子によって第
１次改質された燃料をさらに改質するための磁性を有す
るセラミック管１６が配置されており、この管１６と本
体上面１１とはシール１７によって密封され、また、こ
の管１６と下面１５とは燃料が漏れないように固定され
ている。また管１６の上面には何らかの原因で円筒状容
器外に飛び出たセラミック粒子が管１６内に入ることを
防止するためにメッシュ１６ａが設けられている。さら
に、前記管１６の下面にも必要に応じてメッシュ１６ａ
が設けられている。

【００１０】セラミック管１６の外周と本体内壁との間
にはセラミック粒子１８がぎっしりと充填されており、
また本体内壁には、図に示すように互いに同極同志が対
向するように上下方向にかつ円周方向に複数の磁石１９
が設けられている。図では、上下方向に５個、円周方向
に８列設けた例が示されているが、適用車種により、即
ち本体１の大きさによりこの数は増減する。また磁石の
強さは８００ないし４０００ガウス程度が良いが、１２
００ガウス前後の強さがより好ましい。

【００１１】以上のように構成された燃料改質器１０は
前記ストレーナ内に図１に示すように収納される。即
ち、ストレーナの底面との間にはシール材２０が配置さ
れており、このシール材２０には従来のストレーナで使
用している濾過材２１が設けられている。そしてこの濾
過材２１の上面に前述した燃料改質器１０の底面が設置
される。前記燃料改質器１０とストレーナの容器との間
には燃料改質器１０を下方に押すためのスプリング２２
が設けられている。また燃料改質器１０とストレーナの
容器との間にはシール材２３が配置されている。

【００１２】上記のように構成された燃料高純度改質装
置の燃料改質工程を説明する。燃料高純度改質装置は従
来のストレーナと外見、取り付け部が全く同じであるタ
メ、従来のストレーナに変えて簡単に交換することがで
きる。そして本燃料高純度改質装置に導入口３より流入
した燃料は濾過材２１で濾過され、燃料改質器１０の下
面１５に形成した開口１４より円筒状容器内に流入す
る。開口１４には先述したようにメッシュが張られてお
り、セラミック粒子が容器外には出ないようになってい
る。燃料改質器１０の円筒状容器１０ａ内に入った燃料
はセラミック粒子１８および磁石１９の作用で改質され
つつ円筒状容器１０ａの上面に形成したスリット１１よ
り円筒状容器外に流出する。その後流出した燃料はスト
レーナ内に一杯になった後、再びセラミック管１６内に
流入し、磁性をもつセラミック管１６によってさらに改
質された後、ストレーナの排出口１４より排出され、エ
ンジンに供給される。

【００１３】上記燃料高純度改質装置によって改質され
た燃料を使用した場合、実車による走行実験では、５〜
１０％程度の燃料消費量の低減を図ることができた。な
お、上記セラミック粒子体は本実施例では直径数ミリの
球体を使用しているが、必ずしも球体である必要はな
く、さらに、濾過材２１と燃料改質器１０とを別体とし
て説明したが、燃料改質器内に図に示すような状態で濾
過材を一体に組み込んでもよい。濾過材を一体に組み込
むことにより、ストレーナへの燃料改質器の取り付けが
容易となる。また本発明はその精神及び必須特徴事項か
ら逸脱することなく他の方法で実施することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の燃料
高純度改質装置によれば、 イ．従来と同形のストレーナタイプであるため、燃料高
純度改質装置の着脱交換が容易であり、また、燃料パイ
プを切断する必要もないため、燃料漏れ等の恐れもな
い。 ロ．セラミック粒子と磁石およびセラミック管の作用に
より、燃料純度が高くなるため、エンジンへの負担を少
なくすることができ、さらエンジンオイルやミッション
オイルが長持ちする。 ハ．燃料消費量を大幅（５〜１０％）低減することがで
きる。 ニ．従来と同形のストレーナタイプであるため、工場で
の製造工程を変更する必要が少なく、燃料高純度改質装
置を従来工程で簡単に製造することができる。 等々の優れた効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るストレーナ兼用の燃料高
純度改質装置の断面図である。

【図２】燃料改質器の斜視断面図である。

【図３】燃料改質器の上面図である。

【図４】燃料改質器の下面図である。

【符号の説明】 １ 容器 ３ 導入口 ４ 排出口 １０ 燃料改質器 １０ａ 円筒状本体 １１ スリット １４ 開口 １６ セラミック管 １８ セラミック粒子 １９ 磁石 ２０ シール材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストレーナ容器本体内に、セラミック粒
   子１８および磁石１９からなる燃料改質器を配置し、ス
   トレーナ導入口よりストレーナ内に流入した燃料を前記
   燃料改質器で改質したのち、再びストレーナの排出口よ
   り排出できるようにしたことを特徴とするストレーナ兼
   用の燃料高純度改質装置。
2. 【請求項２】 前記燃料改質器は、本体内にセラミック
   粒子１８を充填するとともに、本体内壁部に多数の磁石
   を配置し、さらに、前記セラミック粒子１８および磁石
   によって改質した後の燃料を通過するセラミック管を中
   央部に備えていることを特徴とする請求項１に記載のス
   トレーナ兼用の燃料高純度改質装置。
3. 【請求項３】 前記磁石は燃料改質器本体容器内に同極
   同志が対向するように多数配置したことを特徴とする請
   求項２に記載のストレーナ兼用の燃料高純度改質装置。
4. 【請求項４】 前記セラミック管は磁性体からなること
   を特徴とする請求項２または請求項３のいづれかに記載
   のストレーナ兼用の燃料高純度改質装置。
5. 【請求項５】 本体内にセラミック粒子１８を充填する
   とともに、本体内壁部に多数の磁石を配置し、さらに、
   前記セラミック粒子１８および磁石によって改質した後
   の燃料を通過するセラミック管を燃料改質装置本体の中
   央部に備えたことを特徴とする燃料改質器。