JPH07118875B2 - 磁石発電機の回転子 - Google Patents

磁石発電機の回転子

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JPH07118875B2
JPH07118875B2 JP2264815A JP26481590A JPH07118875B2 JP H07118875 B2 JPH07118875 B2 JP H07118875B2 JP 2264815 A JP2264815 A JP 2264815A JP 26481590 A JP26481590 A JP 26481590A JP H07118875 B2 JPH07118875 B2 JP H07118875B2
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yoke
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magnets
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裕 野末
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株式会社三ツ葉電機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁石発電機の回転子に関し、特に、永久磁石
の固定構造の改良に係り、例えば、オートバイやバギー
等の小型または特殊車両に搭載する磁石発電機の回転子
に利用して有効なものに関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の磁石発電機の回転子として、実開昭62−
98473号公報に記載されている磁石発電機の回転子、が
ある。
すなわち、この公報に記載されている磁石発電機の回転
子は、有底円筒形状に形成されているヨークと、このヨ
ーク内に嵌入されており、複数本の隔壁部がリングの上
面に周方向に間隔を置いて配されてヨークの開口部方向
に突設されているケースと、このケースの各隔壁部間の
それぞれ収容されているマグネットと、円筒形状に形成
されており、このケースおよびマグネット群の内側に嵌
入されているカバーとを備えている磁石発電機の回転子
において、前記リングにおける床面壁部の外周縁部に第
1接着剤受け部が前記ヨークの内周面と前記マグネット
の外向き面との隙間に開口するように形成されており、
また、前記マグネットにおける床面壁部の内周縁側に第
2接着剤受け部が、前記マグネットの内向き面と前記カ
バーの外周面との隙間に開口するように形成されてお
り、この第2接着剤受け部と前記第1接着剤受け部とは
互いに隔離され、第1接着剤受け部の接着剤が前記ヨー
クとマグネットとの隙間に、第2接着剤受け部の接着剤
が前記マグネットとカバーとの隙間にそれぞれ浸透して
硬化することにより、前記ヨークとマグネットとの隙
間、および前記マグネットとカバーとの隙間に接着剤層
がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来から、このような磁石発電機の回転子においては、
マグネットを構成する永久磁石として、アルニコやフェ
ライト系の永久磁石が使用されている。
最近、このような磁石発電機の回転子においては、マグ
ネットを構成する永久磁石として、磁気特性(高Tc、大
きい保磁力、高残留磁束密度、高最大エネルギ積)に優
れているサマリウム系(Sm−Co)や、ネオジウム系(Nd
−Fe−B)等のような所謂希土類金属系の永久磁石が使
用されつつある。
ところが、希土類金属系の永久磁石が使用されて製作さ
れているマグネット(以下、希土類系マグネットという
ことがある。)は、空気中の酸素と反応して酸化され易
く、また、脆くて欠け易い等の問題点がある。そこで、
一般に、このような希土類系マグネットにおいては、酸
化防止や損傷防止のために、その表面に保護膜がエポシ
キ樹脂電着塗装や電気ニッケルめっき処理等のような適
当な手段により被着されている。
しかし、このように保護膜が被着された希土類系マグネ
ットが前述したように構成されている磁石発電機の回転
子に使用される場合、マグネットはケースの各隔壁部間
に圧入され、さらにカバーが嵌入されて固定されるよう
になっているため、組付け時に表面が擦られて前記保護
膜が損傷されることがあり、その結果、希土類系マグネ
ットが酸化され易くなるという問題点が招来される。
本発明の目的は、マグネット表面の損傷の発生を確実に
防止することができる回転電機の界磁装置を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る磁石発電機の回転子は、円筒形状に形成さ
れているヨーク(11)と、このヨーク(11)内に嵌入さ
れており、複数本の隔壁部(35)がリング(33)の上面
に周方向に間隔を置いて配されてヨーク(11)の開口部
方向に突設されているケース(13)と、このケース(1
3)の隣合う隔壁部(35)、(35)間のそれぞれに収容
されているマグネット(12)とを備えており、前記ケー
ス(13)およびマグネット(12)群が前記ヨーク(11)
に固定されている磁石発電機の回転子において、 前記ケース(13)の隣合う隔壁部(35)、(35)間の内
周側のそれぞれには、磁性材料が用いられて隣合う隔壁
部(35)、(35)間の内側空間を被覆する大きさで幅方
向に彎曲した長方形の板形状に形成されたポールピース
(14)が前記マグネット(12)の腹面を被覆するように
配設されているとともに、各ポールピース(14)の一部
はケース(13)の一部にそれぞれ係止されることにより
位置決めされており、 このポールピース(14)の外周面、隣合う隔壁部(3
5)、(35)の両側面、ヨーク(11)の内周面および前
記リング(33)の上面によって囲まれた収容室(31)の
それぞれが、その上端開口から深さ方向に渡って前記マ
グネット(12)の厚さおよび幅よりも大きく形成されて
おり、 前記各マグネット(12)はその表面に保護膜(26)がそ
れぞれ被着されているとともに、各マグネット(12)は
前記収容室(31)内において接着剤層(45)を介してそ
れぞれ固定されており、 また、前記ポールピース(14)群の内周側には円筒形状
に形成されたカバー(15)が圧入されているとともに、
このカバー(15)の一端側に鍔部(43)が前記収容室
(31)の開口を被覆するように径方向外向きに一体的に
突設されていることを特徴とする。
また、本発明に係る磁石発電機の回転子は、円筒形状に
形成されているヨーク(11)と、このヨーク(11)内に
嵌入されており、複数本の隔壁部(35)がリング(33)
の上面に周方向に間隔を置いて配されてヨーク(11)の
開口部方向に突設されているケース(13)と、このケー
ス(13)の隣合う隔壁部(35)、(35)間のそれぞれに
収容されているマグネット(12)とを備えており、前記
ケース(13)およびマグネット(12)群が前記ヨーク
(11)に固定されている磁石発電機の回転子において、 前記ケース(13)の内周側には、磁性材料が用いられて
帯状に形成されたポールプレート(44)がこのケース
(13)の内周面に当接するように巻き付けられていると
ともに、その周方向の少なくとも一端部がケース(13)
の一部に係止されることにより円筒形状に形成されてお
り、 このポールプレート(44)の外周面、隣合う隔壁部(3
5)、(35)の両側面、ヨーク(11)の内周面および前
記リング(33)の上面によって囲まれた収容室(31)の
それぞれが、その上端開口から深さ方向に渡って前記マ
グネット(12)の厚さおよび幅よりも大きく形成されて
おり、 前記各マグネット(12)はその表面に保護膜(26)がそ
れぞれ被着されているとともに、各マグネット(12)は
前記収容室(31)内において接着剤層(45)を介してそ
れぞれ固定されており、 また、前記ポールプレート(44)群の内周側には円筒形
状に形成されたカバー(15)が圧入されているととも
に、このカバー(15)の一端側に鍔部(43)が前記収容
室(31)の開口を被覆するように径方向外向きに一体的
に突設されていることを特徴とする。
〔作用〕
前記した手段によれば、収容室のそれぞれがその上端開
口から深さ方向に渡ってマグネットの厚さおよび幅より
も大きく形成されているため、マグネットが収容室へ挿
入される際、マグネットが収容室を形成するポールピー
スまたはポールプレート、ケースおよびヨークに擦れる
ことはない。したがって、マグネットの表面が擦れによ
り損傷されることはない。また、マグネットは収容室内
において、その全周がヨーク、ケース、磁極部材および
カバーの鍔部により被覆されるため、外力により損傷さ
れることもない。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例である磁石発電機の回転子を
示す分解斜視図、第2図はその組立状態を示す縦断面
図、第3図はその一部省略一部切断平面図、第4図およ
び第5図はその組立途中を示す各部分斜視図、第6図、
第7図および第8図は同じく各拡大部分縦断面図、第9
図は同じく一部切断展開図である。
本実施例において、本発明に係る磁石発電機の回転子は
ヨーク11と、複数のマグネット12と、ケース13と、磁極
部材としての複数枚のポールピース14と、カバー15と、
押さえリング60とを備えている。
ヨーク11は鉄(Fe)等の磁性材料が用いられて、上面が
開口し下面が閉塞した有底円筒形状に絞りプレス加工等
により一体成形されており、下面閉塞壁には、エンジン
に直結させるためのボス部16が同心的に配されて軸心方
向内向きに一体的に突設されている。また、ヨーク11の
下面閉塞壁には回転子内に気流を生成させるための通気
孔17がボス16の外側位置にそれぞれ穿設されている。通
気孔17の外側位置にはケース13を回り止めするための凸
部18が複数個、下面閉塞壁を外面から突き上げられるこ
とにより突設されており、通気孔17と凸部18とは任意の
角度を置いて周方向にそれぞれ配設されている。
ヨーク11の開口端側には、その外周側に薄肉部になった
巻かしめ代部19がヨーク11の内周を除去されることによ
り形成されており、したがって、巻かしめ代部19の内周
側にはマグネット12の頂部よりわずかに軸方向に突出し
た環状の段差19aが形成されている。そして、段差19aと
巻かしめ代部19内周面との間には、断面形状が半円形の
環状溝19bが周方向に沿って没設されている。
マグネット12はヨーク11の深さ以下の高さを有し、幅方
向においてヨーク11の内周に沿って弯曲した円弧形状を
有する略直方体に一体成形されている。マグネット12に
おける両側の立ち上がり側面23および23は後記する隔壁
部の中心を通る法線についての接線に対して直角になる
ように形成されており、上面24と下面25は互いに平行に
形成されている。
本実施例において、マグネット12は、希土類金属系永久
磁石の一例であるネオジウム鉄ボロン(Nd−Fe−B)磁
石が用いられて一体的に形成されている。このマグネッ
ト12の表面には酸化防止や損傷防止のための保護膜26が
全体的に被着されている。この保護膜26はエポキシ樹脂
等の樹脂、または、ニッケル等の金属により構成されて
おり、エポキシ樹脂電着塗装や、電気ニッケルめっき処
理等のような適当な手段により、均一に薄く被着されて
いる。
ケース13は樹脂等の適度な弾性を有する非磁性材料が用
いられて押出成形法等により一体成形されており、全体
的に前記ヨーク11内に嵌合する略円筒形状に形成されて
いる。ケース13の筒壁30にはヨーク11の内周面および後
記のポールピース14との間で収容室31を形成する凹所
が、複数互いに略等しい位相差で周方向に配列されて形
成されている。この収容室31となる凹所は前記マグネッ
ト12の高さと略等しい高さと、マグネット12の幅および
厚さよりも若干大きめの幅および厚さを有して相似する
円弧形状の中空室に形成されており、その天井面と背面
と腹面とはそれぞれ開放されている。したがって、ケー
ス13の凹所とポールピース14とヨーク11の内周面とで形
成する収容室13は、上端が開口しその開口から深さ方向
に渡ってマグネット12の厚さおよび幅よりも大きなもの
となる。また、収容室31となる凹所の床面壁部32は互い
に隣合って一体的に連結されることにより一連のリング
33を形成している。リング33の下面には複数個の凹部34
がそれぞれ没設されており、凹部34のそれぞれは前記ヨ
ーク11における凸部18のそれぞれに嵌合するように形成
されている。
隣合う凹所間のそれぞれには、各隔壁部35が断面正方形
の柱形状に立ち上がるように形成されており、隔壁部35
の径方向の肉厚はマグネット12の径方向の肉厚よりも厚
く形成されている。各隔壁部35には凸部36が上端の内周
側にそれぞれ配されて、隔壁部35よりも若干小幅で、一
定高さに垂直上向きにそれぞれ突設されている。また、
隔壁部35には一対の係合溝37、37が凸部36の両脇下側に
それぞれ配されて、ケース13の法線に対して適度な傾斜
角をもって、垂直下向きにそれぞれ没設されており、各
係合溝37はポールピース14の後記する上側係合爪とそれ
ぞれ係合するように構成されている。
他方、ケース13のリング33には係合穴38が複数個、内周
における収容室31となる各凹所の中央にそれぞれ配され
て、垂直上向きに開口するように形成されており、各係
合穴38はポールピース14の後記する下側係合爪とそれぞ
れ係止するように構成されている。
磁極部材としてのポールピース14はマグネット12と同数
枚が用意されており、鋼板等の磁性材料から成る薄板が
用いられてプレス加工により、略長方形の板形状に一体
成形されている。ポールピース14はその幅方向(以下、
周方向とする。)がケース13の内周と略同一の曲率を有
するように弯曲されており、その大きさが収容室31とな
る各凹所の腹面開口よりも大きくなるように形成されて
いる。ポールピース14の周方向の両端部には一対の舌片
41、41が、高さ方向の一端(以下、上端とする。)にそ
れぞれ配されて、周方向外向きにそれぞれ突設されてお
り、両舌片41、41はケース13の前記凸部36に内側からそ
れぞれ当接するように形成されている。また、ポールピ
ース14における両舌片41、41の下側には一対の係合爪4
2、42が、径方向外側に適度に傾斜するように折り曲げ
られて、周方向外向きにそれぞれ突設されており、両係
合爪42、42はケース13の前記係合溝37にそれぞれ係合す
るように形成されている。ポールピース14の下端辺には
下側係合爪43が周方向の中央に配されて、垂直方向下向
きに突設されており、この下側係合爪43はケース13の前
記係合穴38に挿入自在に形成されている。
押さえリング60は樹脂等の適度な弾性を有する非磁性材
料が用いられて一体成形されており、全体的に前記ケー
ス13の横断面形状と略等しい円形リング形状に形成され
ている本体61を備えている。この押さえリング本体61の
内周面には複数個の凹部62が、周方向において前記ケー
ス13の各隔壁部35に対応するように配列されて、径方向
内向きにそれぞれ没設されており、各凹部62はケース13
の各隔壁部35の頂部にそれぞれ形成されている凸部36を
嵌入させ得るように構成されている。
カバー15は薄鉄板等が用いられて絞りプレス加工等によ
り一体成形されており、全体的には、前記ケース13の内
径と略等しい外径を有する略円筒形状に形成されてい
る。カバー15の本体部である円筒形状部51の下端には、
径方向に内向きに突出した円形リング形状の下側鍔部52
が同心円に形成されており、また、この円筒形状部51の
上端には、径方向に外向きに突出した円形リング形状の
上側鍔部53が同心円に形成されている。
次に、前記構成に係る各部品による磁石発電機の回転子
の組立作業を説明することにより、本実施例に係る磁石
発電機の回転子の構成、および、その作用効果を説明す
る。
まず、ヨーク11内にケース13が嵌入される。このとき、
ヨーク11の底壁に隆起されている各凸部18にケース13下
面の各凹部34がそれぞれ嵌合される。この凸部18と凹部
34との嵌合により、ケース13はヨーク11に一体回転する
ように回り止めされることになる。
ヨーク11内にケース13が嵌入される以前または以後に、
ケース13には複数枚のポールピース14が、各収容室31と
なる凹所にそれぞれ対向するように配されて組み付けら
れる。このとき、第4図および第5図に示されているよ
うに、ポールピース14は収容室31となる凹所の内周側に
上方から押し下げられ、下側係合爪43がケース13の係合
穴38に挿入され、両方の上側係合爪42、42がケース13の
係合溝37、37にそれぞれ挿入される。この状態で、ポー
ルピース14の周縁部は収容室31となる凹所の周縁部とケ
ース13の内周側からオーバラップする。また、ポールピ
ース14の両舌片41、41は閉塞した収容室31となる凹所の
両側に位置する隔壁部35の凸部36、36とケース13の内周
側からそれぞれ当接する。したがって、収容室31となる
凹所の腹面開口はポールピース14により閉塞された状態
になる。
続いて、第5図に示されているように、ケース13の各収
容室31にエポキシ樹脂等から成る熱硬化性の接着剤54
が、粘稠状態(ねばねばした状態)でそれぞれ注入され
る。接着剤54が注入された後、各収容室31にマグネット
12が1個宛、上側開口からそれぞれ挿入されて行く。
このとき、収容室31はマグネット12に対して若干大きめ
の相似形状に形成されているため、マグネット12が収容
室31およびモーク11の側壁部に擦れることはない。した
がって、マグネット12の表面に被着された保護膜26がそ
ぎ落されたり、損傷されたりすることはない。
しかも、マグネット12が収容室31に挿入されて行くと、
第6図に示されているように、収容室31に注入された接
着剤54がマグネット12と収容室31との間の隙間に押し出
されるようになって浸透されて来るため、マグネット12
の挿入が浸透されて来る接着剤54により潤滑されるとと
もに、マグネット12の擦れによる損傷の発生がより一層
効果的に防止される。
また、本実施例では、マグネット12の高さよりも高くな
るように隔壁部35の凸部36およびポールピース14が形成
されているので、マグネット12の挿入により上がって来
た接着剤44が、収容室31から外部へあふれて流れ出すの
は防止されることになる。
そして、各収容室31にマグネット12が挿入されたケース
13上に押さえリング60が、各凹部62を各凸部36を嵌入さ
れて被せ付けられる。押さえリング60の凹部62にケース
13の凸部36が嵌入されると、隣合う隔壁部35、35間の収
容室31に挿入されたマグネット12は、ケース13、ポール
ピース14、押さえリング60およびヨーク11によりその全
周を被覆された状態になる。
その後、マグネット12群を被覆したポールピース14およ
び押さえリング60の内側にはカバー15が軽圧入される。
この軽圧入後の状態は、カバー15の円筒形状部51がケー
ス13、ポールピース14群および押さえリング60の内周面
に緊密に接触する程度の状態、である。
圧入時、カバー15の下端および上端には各鍔部52、43が
それぞれ形成されているため、カバー15が薄鉄板により
形成されていても、その円筒形状部41には充分な剛性が
確保されている。したがって、カバー15のケース13への
圧入作業は円滑に、かつ、カバー15の円筒形状部51の外
周面がケース13の内周面に全体にわたって均一に密着す
るように行われることになる。また、カバー15の上下両
側鍔部52、53には、ケース13に圧入する際に生じる押し
込み力、または、圧入に抵抗する反力を付勢するための
治具を係合させることができるため、圧入に必要な外力
をカバー15の全体にわたって均一に付勢させることがで
き、一層精密な圧入が実現されることになる。
カバー15がケース13、ポールピース14および押さえリン
グ60の内周に圧入された状態において、カバー15の上側
鍔部53は押さえリング60の上側端面に当接した状態とな
っている。このとき、各収容室31にそれぞれ収容された
各マグネット12は、押さえリング60によって被覆された
状態になっている。そして、この押さえリング60の被覆
により保護されるため、マグネット12群の上面24は、外
力によって損傷されることはない。また、カバー15は圧
入によってケース13の係合穴38外側壁の凸部と凹凸嵌合
することになり、カバーの回り止めが確実になる。
この後、ヨーク11の巻かしめ代部19が径方向内向きに巻
かしめ加工されると、巻かしめ代部19が環状溝19b近傍
を支点として径方向内向きに折曲されるため、上側鍔部
53は巻かしめ部56の内周壁面によって軸方向下向きに押
される。そして、この巻かしめ部56による押圧力によ
り、マグネット12群、ケース13および押さえリング60は
軸方向下向きに押され、ヨーク11内からの抜け出しを確
実に阻止される。また、押さえリング60によってマグネ
ット12の上面24が被覆されているのでヨーク11の巻かし
め代部19によって損傷されることはない。
なお、マグネット12を希土類金属系永久磁石にすること
により、その厚さを薄く設定することができるが、巻か
しめ代部19をヨーク11の内周側に形成した場合、マグネ
ット12を薄くした分、巻かしめ代部19も短くなり巻かし
め加工しずらくなる。この点、本実施例では巻かしめ代
部19をヨーク11の外周側に形成することにより、巻かし
め代部19を長くし、巻かしめ加工性を向上することがで
きる。
なお、カバー15の下側鍔部52を圧入後軸方向下向きに伸
展したり、また、スポット溶接またはリベットを用いて
下側鍔部52とヨーク11の底壁とを固定してもよい。
前記巻きかしめ作業以前または以後に、ヨーク11内が所
定の熱架橋反応温度に加熱されることにより、各収容室
31に注入された接着剤54が熱架橋反応によって硬化され
る。この接着剤54の硬化によって接着剤層55が形成さ
れ、この接着剤層55によってマグネット12、ヨーク11、
ポールピース14およびケース13が接着された状態になる
ため、これらは全て一体的に固定された状態になる。
なお、熱可塑性の接着剤が使用された場合には、接着剤
は自然冷却によっても硬化させることができる。
以上のようにして製造された回転子は、磁石発電機にお
いて発電子(図示せず)の外側に回転するように設備さ
れる。そして、回転子の回転に伴って、各マグネット12
の磁束が発電子コイルの磁界を切ることにより、発電子
コイルに起電力を惹起させる。このとき、マグネット12
には希土類系の永久磁石が使用されているため、この磁
石発電機の回転子による発電効果はきわめて良好にな
る。
しかも、本実施例においては、マグネット12の内側に、
磁性材料から成る磁極部材としてのポールピース14が配
設されているため、次のような作用および効果が奏され
る。
(1) マグネット表面の磁束を発電子のコアに集束さ
せることができるため、特に実用回転域として頻度の高
い中低速回転域の出力を高めることができる。
(2) また、ポールピースはコアの役目を果たすの
で、コア突極間の磁気抵抗が減少し、結果的にコイルの
インダクタンスを増加させることができる。これによ
り、高速回転域の出力にレギュレーションがかかるた
め、不必要に高速回転域の出力が異常に高まる現象を防
止することができる。その結果、コイルの昇温を抑える
ことができ、前記(1)の効果とあいまって発電機とし
て理想的な出力特性を得ることができる。
(3) さらに、磁性材料から成る磁極部材としてのポ
ールピース14の材質や厚さと、ポールピース14の外側に
配されるカバー15の材質や厚さとの組み合わせを変更調
整することにより、インダクタンスを例えば次のように
制御することができる。
そして、ポールピースおよびカバーの両方をSUSにした
試料の場合でも、2枚での厚みが0.2〜0.3mmになるよ
うにプレス成形することは容易であり、従来例に対して
は、磁気抵抗を低減させることができ、インダクタンス
を高めることができる。
前記実施例によれば次の効果が得られる。
(1) マグネットは接着剤が注入されたケースの収容
室に余裕をもって挿入され、かつ、その接着剤が硬化し
て成る接着剤層によりマグネット群、ケース、ポールピ
ースおよびヨークが一体的に固定されるため、マグネッ
トの表面に被着された保護膜が損傷されるのを防止する
ことができる。
(2) ケースの収容室に収容されたマグネットはその
腹面がポールピースとカバーとにより二重に被覆されて
いるため、マグネットの吸引力による突発的な衝撃を受
けてもマグネットが保護されることになる。
(3) 磁極部材としてのポールピースを磁性材料を使
用して製作することにより、磁気抵抗を小さくすること
ができ、希土類系永久磁石の高磁力を有効に引き出すこ
とができる。
(4) ポールピースを磁性材料を使用して製作するこ
とにより、磁気回路のインダクタンスを高めることがで
きるため、磁石発電機としてレギュレーションの強い出
力特性を得ることができ、レギュレータの大容量化、コ
イルの温度上昇を抑えることができる。
第10図は本発明の実施例2である磁石発電機の回転子を
示す分解斜視図、第11図はその組立状態を示す縦断面
図、第12図はその一部省略一部切断平面図、第13図およ
び第14図はその組立途中を示す各部分斜視図、である。
本実施例2が前記実施例1と異なる点は、次の通りであ
る。
本実施例2においては、マグネット12の内側に配される
磁性材料から成る磁極部材として、ポールピースの代わ
りにポールプレート(以下、プレートという。)44が使
用されている。このプレート44は略長方形の板形状に形
成されている本体45を備えており、本体45はケース13の
内周と略等しい長さおよび幅に形成されている。本体45
の一方の短辺には約半分の幅を有する舌片46がその中央
部に配され、中心線方向外向きに突設されており、この
舌片46は後述するように他方の短辺部分に挟まれること
により、自己保持され得るように構成されている。プレ
ート本体45の他方の短辺には係合爪47がフック形状に切
り起こされており、この係合爪47はケース13の任意の隔
壁部35に形成された係合溝48に係合し得るように構成さ
れている。この係合溝48は隔壁部35の外周に配されて、
上側が開口されており、上から係合爪47が挿入されるよ
うになっている。また、プレート本体45の一長辺には係
合爪49が複数個、長さ方向に等間隔に配されて垂直下向
きにそれぞれ突設されており、この係合爪49はケース13
の係合穴38にそれぞれ係合し得るように形成されてい
る。
このように構成されているプレート44は、係合爪47が外
向きなるように、かつ、舌片46が外側になるように円筒
形状に丸められた状態で、ケース13の内周に当接され、
係合爪47がケース隔壁部35の係合溝48に上から挿入され
る。このとき、ケース13の係合穴38のそれぞれに下側係
合爪49のそれぞれが挿入される。係合爪47がケース隔壁
部の係合溝48に係合されると、プレート本体45は舌片46
がケース13の内周との間に挟み込まれた状態になるた
め、丸められた状態を維持することになる。またプレー
ト本体45は複数個の係合爪49と係合穴38との係合により
位置決めされる。このようにして、プレート44がケース
13の内周に組み付けられると、ケース13における各収容
室31となる凹所の腹面開口はプレート44により閉塞され
た状態になる。
その後、プレート44により腹面が閉塞された収容室31の
それぞれに接着剤54が注入され、マグネット12が各収容
室31に挿入される。
次いで、押さえリング60が被せられ、カバー15がプレー
ト44の内周側に軽圧入され、接着剤54が適宜硬化される
ことにより接着剤層55が形成される。
本実施例2によれば、各マグネット12の内周側に磁極部
材としてのプレート44が配され、このプレート44の内周
側にカバー15が配されるため、前記実施例1と同様の作
用効果が奏される。また、本実施例2においては磁極部
材が一枚板のプレート44により、構成されているため、
その加工工数、組付工程を低減することができ、生産性
を高めることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、収容室がその上
端開口から深さ方向に渡ってマグネットの厚さおよび幅
よりも大きく形成されているため、マグネットが収容室
へ挿入される際、マグネットが収容室の壁面に擦れるこ
とはない。したがって、マグネットの表面が擦れにより
損傷されることはない。また、マグネットは収容室内に
おいて、ヨーク、ケース、磁極部材およびカバーの鍔部
または押さえリングにより被覆されるため、外力により
損傷されることもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である磁石発電機の回転子を
示す分解斜視図、第2図はその組立状態を示す縦断面
図、第3図はその一部省略一部切断平面図、第4図およ
び第5図はその組立途中を示す各部分斜視図、第6図、
第7図および第8図は同じく各拡大部分縦断面図、第9
図は同じく一部切断展開図である。 第10図は本発明の実施例2である磁石発電機の回転子を
示す分解斜視図、第11図はその組立状態を示す縦断面
図、第12図はその一部省略一部切断平面図、第13図およ
び第14図はその組立途中を示す各部分斜視図、である。 11……ヨーク、12……マグネット、13……ケース、14…
…ポールピース(磁極部材)、15……カバー、16……ボ
ス、17……通気孔、18……凸部、19……巻かしめ代部、
19a……段付部、19b……環状溝、20……腹面、21……背
面、23……側面、24……上面、25……下面、26……保護
膜、30……筒壁、31……収容室、32……底面壁部、33…
…リング、34……凹部、35……隔壁部、36……凸部、37
……係合溝、38……係合穴、41……舌片、42……上側係
合爪、43……下側係合爪、44……ポールプレート(磁極
部材)、45……本体、46……舌片、47……係合爪、48…
…係合穴、49……係合爪、51……円筒形状部、52……下
側鍔部、53……上側鍔部、54……接着剤、55……接着剤
層、56……巻かしめ部、60……押さえリング、61……本
体、62……凹部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形状に形成されているヨーク(11)
    と、このヨーク(11)内に嵌入されており、複数本の隔
    壁部(35)がリング(33)の上面に周方向に間隔を置い
    て配されてヨーク(11)の開口部方向に突設されている
    ケース(13)と、このケース(13)の隣合う隔壁部(3
    5)、(35)間のそれぞれに収容されているマグネット
    (12)とを備えており、前記ケース(13)およびマグネ
    ット(12)群が前記ヨーク(11)に固定されている磁石
    発電機の回転子において、 前記ケース(13)の隣合う隔壁部(35)、(35)間の内
    周側のそれぞれには、磁性材料が用いられて隣合う隔壁
    部(35)、(35)間の内側空間を被覆する大きさで幅方
    向に彎曲した長方形の板形状に形成されたポールピース
    (14)が前記マグネット(12)の腹面を被覆するように
    配設されているとともに、各ポールピース(14)の一部
    はケース(13)の一部にそれぞれ係止されることにより
    位置決めされており、 このポールピース(14)の外周面、隣合う隔壁部(3
    5)、(35)の両側面、ヨーク(11)の内周面および前
    記リング(33)の上面によって囲まれた収容室(31)の
    それぞれが、その上端開口から深さ方向に渡って前記マ
    グネット(12)の厚さおよび幅よりも大きく形成されて
    おり、 前記各マグネット(12)はその表面に保護膜(26)がそ
    れぞれ被着されているとともに、各マグネット(12)は
    前記収容室(31)内において接着剤層(45)を介してそ
    れぞれ固定されており、 また、前記ポールピース(14)群の内周側には円筒形状
    に形成されたカバー(15)が圧入されているとともに、
    このカバー(15)の一端側に鍔部(43)が前記収容室
    (31)の開口を被覆するように径方向外向きに一体的に
    突設されていることを特徴とする磁石発電機の回転子。
  2. 【請求項2】円筒形状に形成されているヨーク(11)
    と、このヨーク(11)内に嵌入されており、複数本の隔
    壁部(35)がリング(33)の上面に周方向に間隔を置い
    て配されてヨーク(11)の開口部方向に突設されている
    ケース(13)と、このケース(13)の隣合う隔壁部(3
    5)、(35)間のそれぞれに収容されているマグネット
    (12)とを備えており、前記ケース(13)およびマグネ
    ット(12)群が前記ヨーク(11)に固定されている磁石
    発電機の回転子において、 前記ケース(13)の内周側には、磁性材料が用いられて
    帯状に形成されたポールプレート(44)がこのケース
    (13)の内周面に当接するように巻き付けられていると
    ともに、その周方向の少なくとも一端部がケース(13)
    の一部に係止されることにより円筒形状に形成されてお
    り、 このポールプレート(44)の外周面、隣合う隔壁部(3
    5)、(35)の両側面、ヨーク(11)の内周面および前
    記リング(33)の上面によって囲まれた収容室(31)の
    それぞれが、その上端開口から深さ方向に渡って前記マ
    グネット(12)の厚さおよび幅よりも大きく形成されて
    おり、 前記各マグネット(12)はその表面に保護膜(26)がそ
    れぞれ被着されているとともに、各マグネット(12)は
    前記収容室(31)内において接着剤層(45)を介してそ
    れぞれ固定されており、 また、前記ポールプレート(44)群の内周側には円筒形
    状に形成されたカバー(15)が圧入されているととも
    に、このカバー(15)の一端側に鍔部(43)が前記収容
    室(31)の開口を被覆するように径方向外向きに一体的
    に突設されていることを特徴とする磁石発電機の回転
    子。
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