JP5748395B2 - 永久磁石モータ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータに多数の永久磁石を備えた永久磁石モータに関する。
この種の永久磁石モータは、例えばドラム式洗濯機のドラムを回転駆動するための駆動源として用いられる。このような永久磁石モータにおいては、駆動する負荷たるドラムの低速回転時(洗い動作時,すすぎ動作時)および高速回転時(脱水動作時)に応じて、ステータのステータコイル(巻線)に鎖交する永久磁石の磁束量(着磁量)を適正に調整することが望まれている。
ところが、永久磁石モータのロータに備えられる永久磁石は1種類で構成されることが一般的であり、従って、永久磁石の磁束量が常に一定となる。この場合、例えば、ロータに備える永久磁石を保磁力が大きい永久磁石のみで構成すると、高速回転時(脱水動作時)の永久磁石による誘起電圧が極めて高くなって、電子部品の絶縁破壊などを招くおそれがある。一方、ロータに備える永久磁石を保磁力が小さい永久磁石のみで構成すると、低速回転時(洗い動作時,すすぎ動作時)の出力が低下してしまう。
そこで、例えば、特許文献1に記載の永久磁石モータでは、ロータの内部に保磁力が異なる2種類の永久磁石を配設し、そのうち、低保磁力の永久磁石の磁化状態を、外部磁界(ステータコイルに流れる電流によって発生する磁界)にて減磁または増磁させることにより、永久磁石の着磁量(磁束量)を調整するようにしている。
また、このような永久磁石モータに備えられる永久磁石の表面には、当該永久磁石の腐食(酸化や化学反応による変質)を防止するために、金属メッキ処理を施して耐食性を向上させることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−280195号公報 特開2007−300791号公報
永久磁石の磁化状態を変化(増磁、或いは、減磁)させる場合には、ステータコイルの通電量を通常(ロータ回転時の通電量)よりも大きくして、ステータコイルから発生する外部磁界を強くし、永久磁石に強磁場を作用させる必要がある。しかしながら、永久磁石の表面に金属メッキが施された構成では、通常よりも強い外部磁界が作用することによって、金属メッキ部分に渦電流が生じてしまう。このように発生した渦電流は、ステータコイルからの外部磁界を打ち消すように作用する。そのため、永久磁石の磁化状態を変化させるためには、ステータコイルの通電量をさらに大きくしなければならず、永久磁石の着磁量を効率良く調整することができない。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部磁界を作用させて永久磁石の着磁量を変化させるものにおいて、永久磁石の耐食性を向上することができ、また、当該永久磁石の着磁量の調整を効率良く行うことができる永久磁石モータを提供することにある。
本発明の永久磁石モータは、巻線を備えたステータと、前記ステータに対して回転可能に設けられたロータと、前記ロータのロータコアに形成された挿入孔に挿入され永久磁石とを備え、前記永久磁石を増磁または減磁させるために当該永久磁石に外部磁界を作用させる永久磁石モータであって、前記永久磁石は、高保磁力永久磁石と、保磁力が前記高保磁力永久磁石よりも小さく、且つ、前記巻線から発生する磁界によって着磁量が変更可能なレベルの保磁力を有する低保磁力永久磁石とからなり、前記挿入孔は、前記永久磁石よりも大きく開口しており、前記低保磁力永久磁石の表面に熱処理を施すことにより、当該低保磁力永久磁石の表面に低透磁率の酸化防止層として酸化膜を形成し、前記低保磁力永久磁石の周囲に樹脂を充填することにより、前記低保磁力永久磁石の表面に、前記酸化膜に加えて、さらに低透磁率の酸化防止層として樹脂層を形成したことに特徴を有する。
本発明の永久磁石モータによれば、永久磁石の表面に低透磁率の酸化防止層が形成されているので、ステータの巻線から外部磁界を発生させて永久磁石の着磁量を変化させる際に、当該永久磁石の表面に渦電流が発生してしまうことを回避することができる。また、低透磁率の酸化防止層は、永久磁石の酸化を防止する機能を有することから、当該永久磁石の耐食性を向上させることができる。これにより、永久磁石の腐食を防止することができるとともに、当該永久磁石の着磁量を効率良く調整することができる。
本発明の第1の実施形態を示す永久磁石モータの斜視図 要部の拡大斜視図 永久磁石の斜視図 ドラム式洗濯機の概略構成を示すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は縦断背面図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、永久磁石モータ1(アウタロータ型のブラシレスDCモータ)の全体構成を概略的に示す斜視図である。
永久磁石モータ1は、ステータ2と、このステータに対して回転可能に設けられたロータ3とから構成されている。ステータ2は、外周部に多数個(この場合、36個)の磁極歯4を有するステータコア5と、各磁極歯4に巻回されたステータコイル6(巻線に相当)と、合成樹脂製の取付部7とを備えた構成となっている。永久磁石モータ1は、取付部7を介して、例えば水槽23の後面部23a(図4参照)に固定状態に取り付けられる。この場合、ステータコア5は、周方向に6等分された分割コア5Aからなり、これら6個の分割コア5Aが連結されて構成されている。従って、1つの分割コア5Aは、6個の磁極歯4を有し、隣接する3つの磁極歯4は3相のU相,V相,W相に対応する。
ロータ3は、外周部に環状壁8aを有する浅底容器状の磁性体製のフレーム8と、その環状壁8aの内周部に配置された円環状をなすロータコア9と、このロータコア9にロータマグネットとして配設された保磁力の異なる永久磁石11,12とを備えた構成となっている。永久磁石11,12は、ロータコア9に形成された多数個(この場合、48個)の矩形状に開口する磁石挿入孔10(図2参照)に挿入されている。フレーム8の中央部に設けられた軸取付部13には、回転軸25(図4参照)が連結される。この場合、ロータコア9は、周方向に6等分された分割コア9Aからなり、これら6個の分割コア9Aが連結されて構成されている。従って、1つの分割コア9Aは、交互にN極とS極の磁極が形成されるように、それぞれ8個の磁石挿入孔10に8個の永久磁石11,12が挿入配置されて構成されている。
永久磁石11,12は、低保磁力永久磁石である永久磁石11と、高保磁力永久磁石である永久磁石12とから構成されている。この場合、低保磁力の永久磁石11は、保磁力が高保磁力の永久磁石12よりも小さく、且つ、ステータコイル6から発生する磁界(外部磁界)によって着磁量が容易に変更可能なレベルの保磁力を有する。
具体的には、保磁力が小さい永久磁石11は、保磁力が低いとされる例えばアルニコ磁石(アルミニウム・ニッケル・コバルト磁石、アルニコ磁石の保磁力は、350kA/m以下)で構成されている。このアルニコ磁石11は、アルニコ磁石粉を焼結して形成したものであり、図3に示すように、その表面には低透磁率の酸化防止層として酸化膜11aが形成されている。この場合、酸化膜11aは数ミクロンの厚さで形成されている。この酸化膜11aは、アルニコ磁石11の表面に熱処理を施し、当該アルニコ磁石11の表面を変質させることによって形成したものである。
なお、このように形成された酸化膜11aには、アルニコ磁石11を構成する磁性粉や金属粉の酸化物が含まれる。しかし、このような酸化物は、アルニコ磁石11の表面において面状に連なって形成されるのではなく、不均一に点在した状態で形成される。従って、永久磁石の表面に金属メッキを施した構成(永久磁石表面において金属が面状に連なる構成)とは異なり、アルニコ磁石11の表面において、磁性粉や金属粉の酸化物を介する電気的導通が生じ難くなっている。
保磁力が大きい高保磁力の永久磁石12は、保磁力が高いとされる例えばネオジム磁石(ネオジム磁石の保磁力は、700kA/m以上)で構成されている。このネオジム磁石12は、ネオジム磁石粉を焼結して形成したものであり、その表面には例えばニッケルやアルミニウムによる金属メッキ処理が施され、金属メッキ層(図示せず)が形成されている。これにより、ネオジム磁石12の耐食性が向上し、当該ネオジム磁石12の腐食(酸化や化学反応による変質)が防止されるようになっている。
これらアルニコ磁石11やネオジム磁石12が挿入されるロータコア9の磁石挿入孔10は、アルニコ磁石11およびネオジム磁石12の寸法よりも大きく開口しており、当該磁石挿入孔10内に挿入されたアルニコ磁石11およびネオジム磁石12の周囲には、それぞれ樹脂(例えば、熱可塑性樹脂のPBT(ポリブチレンテレフタレート))が充填されている。これにより、アルニコ磁石11の表面には、上記した低透磁率の酸化防止層である酸化膜11aに加えて、さらに低透磁率の酸化防止層として樹脂層14が形成された状態となっている。また、ネオジム磁石12の表面には、上記した金属メッキ層に加えて、低透磁率の酸化防止層として樹脂層14が形成された状態となっている。この樹脂層14によって、アルニコ磁石11およびネオジム磁石12がロータコア9(磁石挿入孔10の内面)に直接接触しないようになっている。また、この樹脂層14によって、アルニコ磁石11およびネオジム磁石12がロータコア9に一体的に固定された構成となっている。
永久磁石モータ1において、ロータコア9の12個の磁極歯4に巻回される12個のU相のステータコイル6は直列に接続され、12個の磁極歯4に巻回される12個のV相のステータコイル6は直列に接続され、12個の磁極歯4に巻回される12個のW相のステータコイル6は直列に接続された上で、これらの直列回路はスター結線されるようになっている。
次に、上記のように構成された永久磁石モータ1を備えたドラム式洗濯機21の構成について説明する。図4(a)は、ドラム式洗濯機21の概略的構成を示す縦断側面図であり、図4(b)は、ドラム式洗濯機21の概略的構成を示す縦断背面図である。
ドラム式洗濯機21の外箱22内には水槽23が配設されている。水槽23は、一端部である後面部23a(図4(a)では右端面部)が閉塞された有底円筒状をなし、軸方向を略水平にした状態でダンパ機構(図示せず)によって弾性的に支持されている。水槽23内には、回転槽としてドラム24が回転自在に配設されている。このドラム24も、一端部である後面部24a(図4(a)では右端面部)が閉塞された有底円筒状をなし、軸方向を略水平にした状態で配設されている。なお、図示はしないが、ドラム24の周壁には、通水および通風が可能な多数の孔が形成されている。また、外箱22の前面部22aには、水槽23およびドラム24の前面側開口部からなる洗濯物出入口を開閉するための扉が設けられている。これにより、洗濯物が洗濯物出入口を通してドラム24内に出し入れできるようになっている。
水槽23の後面部23aの背面には、ドラム24を回転駆動する駆動源として、上述した永久磁石モータ1が配設されている。永久磁石モータ1のロータ3に連結された回転軸25は、ドラム24の後面部24aに連結されている。従って、ドラム式洗濯機21は、永久磁石モータ1によってドラム24を直接回転駆動するダイレクトドライブ方式となっている。この場合、ドラム24が、永久磁石モータ1によって回転駆動される負荷に相当する。
このようにドラム式洗濯機21に備えられた永久磁石モータ1は、図示はしないが、制御手段としてのマイクロコンピュータを含む制御装置により、インバータ回路を介して制御されるようになっている。この制御装置は、後述する洗い行程、すすぎ行程および脱水行程(最終脱水行程)からなる洗濯運転の制御を行なう機能を含め、ドラム式洗濯機21の動作全般を制御する機能を有している。
次に、上述のように永久磁石モータ1を備えたドラム式洗濯機21の作用について説明する。
制御装置は、洗濯運転を開始すると、まず、洗い行程を行なう。洗い行程では、制御装置は、水槽23に接続された給水弁(図示せず)を開放して、水槽23内ひいてはドラム24内に水を供給して貯留する給水動作を行なう。次に、制御装置は、水槽23内に洗剤を投入した状態で、ドラム24を永久磁石モータ1によって低い回転速度(例えば50〜60rpm)で正逆回転させる。これにより、制御装置は、ドラム24内に収容された洗濯物を洗浄する洗い動作を行なう。洗い動作を所定時間行なった後、制御装置は、ドラム24を停止させた状態で、水槽23の排出口(図示せず)に接続された排水弁(図示せず)を開放して、水槽23内(ドラム24内)の水を機外へ排出する排水動作を行なう。
次に、制御装置は、洗い行程の中間脱水を行なう。この中間脱水では、制御装置は、ドラム24を永久磁石モータ1によって高速回転(例えば1500rpm)で一方向に回転させる。これにより、ドラム24内の洗濯物が遠心脱水される。洗濯物から排出された水分は、排出口から機外へ排出される。
制御装置は、中間脱水を完了すると、すすぎ行程に移行する。すすぎ行程では、制御装置は、まず、ドラム24の回転を停止させた状態で、再び給水動作を行ない、水槽23内ひいてはドラム24内に水を供給して貯留する。次に、制御装置は、すすぎ動作を行なう。すすぎ動作では、制御装置は、洗剤を使用しないこと以外は上述の洗い動作と同様の制御を行なう。すなわち、制御装置は、ドラム24を永久磁石モータ1によって低い回転速度(例えば50〜60rpm)で正逆回転させることにより、ドラム24内の洗濯物をすすぐすすぎ動作を所定時間行う。その後、制御装置は、前述と同様の排水動作を行なう。以下、制御装置は、上述と同様の給水動作、すすぎ動作、排水動作を複数回繰り返し、すすぎ行程を終了する。
制御装置は、次に、脱水行程を行なう。脱水行程では、制御装置は、ドラム24を永久磁石モータ1によって高速回転(例えば1000rpm)で一方向に回転させる。これにより、ドラム24内の洗濯物が遠心脱水される。洗濯物から排出された水分は、排出口から機外へ排出される。以上の脱水動作を所定時間行なうと、制御装置は、脱水行程を完了し、洗濯運転を終了する。
ここで、上記した洗い行程の洗い動作においては、ドラム24(永久磁石モータ1)の回転速度は低く(50〜60rpm)、永久磁石モータ1としては低速回転,高トルクを必要とする。そのため、制御装置は、洗い動作の前の給水動作において、永久磁石モータ1のアルニコ磁石11の着磁量(磁束量)を増加させるべく、増磁処理を行なう。
具体的には、制御装置は、ステータコイル6の通電量を増加させて(例えば+500Vの電圧を印加)、当該ステータコイル6に外部磁界を発生させ、アルニコ磁石11に作用させる。これにより、アルニコ磁石11の着磁量を増加させ、電圧の印加を解除しても、その着磁量が保持されようにする。ここで、アルニコ磁石11の表面には、低透磁率の酸化防止層として酸化膜11aが形成されている。そのため、この増磁処理時に、アルニコ磁石11に通常(洗濯運転におけるロータ3の回転時)よりも強い外部磁界を作用させても、当該アルニコ磁石11の表面に渦電流が生じ難くなっている。
このようにアルニコ磁石11の磁化状態(着磁量)を増磁させることによって、ステータ2に対して作用するロータ3全体としての磁束が増加するようになる。この状態で、永久磁石モータ1によりドラム24を低速度で回転駆動させて洗い行程の洗い動作を実行することで、永久磁石モータ1としては高トルクを発揮できる。この洗い行程の際には、ステータコイル6への通常の運転電圧(通電量)は約±200Vの範囲であるので、低保磁力のアルニコ磁石11でも着磁量が変化してしまうことはない。
次に、洗い行程の中間脱水行程においては、ドラム24(永久磁石モータ1)の回転速度は高く(1500rpm)、永久磁石モータ1としては低トルク,高速回転を必要とする。そのため、制御装置は、中間脱水の前の排水動作において、永久磁石モータ1のアルニコ磁石11の着磁量(磁束量)を減少させるべく、減磁処理を行なう。
具体的には、制御装置は、ステータコイル6の通電量を減少させて(例えば−500Vよりやや高い電圧を印加)、当該ステータコイル6に外部磁界を発生させ、アルニコ磁石11に作用させる。これにより、アルニコ磁石11の着磁量を減少させ、電圧の印加を解除しても、その着磁量が保持されるようにする。ここで、アルニコ磁石11の表面には、低透磁率の酸化防止層として酸化膜11aが形成されている。そのため、この減磁処理時に、アルニコ磁石11に通常(洗濯運転におけるロータ3の回転時)よりも強い外部磁界を作用させても、当該アルニコ磁石11の表面に渦電流が生じ難くなっている。
このようにアルニコ磁石11の磁化状態(着磁量)を減磁させることによって、ステータ2に対して作用するロータ3全体としての磁束が減少するようになる。この状態で、永久磁石モータ1によりドラム24を高速度で回転駆動させて中間脱水を実行することで、永久磁石モータ1としては低トルク,高速回転に適したものとなる。この中間脱水の際においても、ステータコイル6への通常の運転電圧(通電量)は約±200Vの範囲であるので、低保磁力のアルニコ磁石11でも着磁量が変化してしまうことはない。
次に、すすぎ行程のすすぎ動作においては、洗い行程の洗い動作と同様に、ドラム24(永久磁石モータ1)の回転速度は低く(50〜60rpm)、永久磁石モータ1としては低速回転,高トルクを必要とすることから、制御装置は、すすぎ動作の前の給水動作において、アルニコ磁石11の着磁量を増加させるべく、前述と同様な増磁処理を行なう。このように増磁した状態で、制御装置は、すすぎ動作を行なう。
そして、脱水行程においては、洗い行程の中間脱水行程と同様に、ドラム24(永久磁石モータ1)の回転速度は高く(1000rpm)、永久磁石モータ1としては低トルク,高速回転を必要とする。そのため、制御装置は、脱水行程の前のすすぎ行程の排水動作において、アルニコ磁石11の着磁量(磁束量)を減少させるべく、前述と同様な減磁処理を行なう。このようにアルニコ磁石11の着磁量を減磁した状態で、制御装置は、脱水行程を行なう。
以上に説明したように本実施形態によれば、永久磁石モータ1を構成するアルニコ磁石11の表面には、低透磁率の酸化防止層として酸化膜11aが形成されている。従って、ステータコイル6から外部磁界を発生させてアルニコ磁石11の着磁量を変化させる際に、当該アルニコ磁石11の表面に渦電流が発生してしまうことを回避することができる。また、酸化膜11aは、低透磁率の層であるばかりでなく酸化防止層(アルニコ磁石11の酸化や変質を防止する機能を有する層)でもあることから、アルニコ磁石11の耐食性を向上させることができる。これにより、アルニコ磁石11の腐食を防止することができるとともに、当該アルニコ磁石11の着磁量を効率良く調整することができる。
また、アルニコ磁石11に作用する外部磁界の損失(ロス)を抑えることができ、当該アルニコ磁石11の着磁量の調整を安定させることができ、調整精度を向上することができる。
また、アルニコ磁石11の表面に、低透磁率の酸化防止層としてさらに樹脂層14を形成した。これにより、増磁処理時および減磁処理時におけるアルニコ磁石11表面の渦電流の発生を一層抑えることができ、アルニコ磁石11の着磁量の調整効率,調整精度を一層向上することができる。また、アルニコ磁石11と磁石挿入孔10との隙間に樹脂層14が充填されている構成によれば、アルニコ磁石11の着磁量を調整する際に、外部磁界によって当該アルニコ磁石11が振動してしまうことを防止することができる。
また、着磁量を変化させない高保磁力のネオジム磁石12、即ち、渦電流の発生を抑える必要がないネオジム磁石12の表面には、金属メッキ処理を施して金属メッキ層を形成したので、当該ネオジム磁石12の腐食を防止することができる。
また、アルニコ磁石11およびネオジム磁石12は、樹脂層14によって覆われており、ロータコア9(磁石挿入孔10部分)と電気的に絶縁された状態となっている。これにより、アルニコ磁石11の調整後の着磁量やネオジム磁石12の本来の着磁量が変化してしまうことを防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態は、低保磁力のアルニコ磁石11の表面に防錆剤を含浸させることによって、当該アルニコ磁石11の表面に低透磁率の酸化防止層(防錆剤を含浸させた層)を数ミクロンの厚さで形成したものである。
この場合、防錆剤としてはシリコン油を溶媒としたものを用いており、これにアルニコ磁石11を浸漬させることによって、当該アルニコ磁石11の表面に防錆剤を含浸させる。なお、防錆剤としては、溶媒としてシリコン油を用いたものに限られるものではなく、種々の防錆剤を用いることができる。また、防錆剤にアルニコ磁石11を浸漬させるのではなく、防錆剤をアルニコ磁石11の表面に塗布することによって、当該アルニコ磁石11の表面に防錆剤を含浸させるようにしてもよい。
本実施形態によれば、アルニコ磁石11の表面に低透磁率の酸化防止層として防錆剤を含浸させた層が形成されているので、ステータコイル6から外部磁界を発生させてアルニコ磁石11の着磁量を変化させる際に、当該アルニコ磁石11の表面に渦電流が発生してしまうことを回避することができる。これにより、アルニコ磁石11の着磁量を効率良く調整することができる。
また、アルニコ磁石11の表面に含浸した防錆剤によって、当該アルニコ磁石11の腐食を防止することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上述の各実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
低保磁力のアルニコ磁石11の表面に、低透磁率の酸化防止層として酸化膜11aや防錆剤を含浸させた層を形成するのではなく、当該アルニコ磁石11の表面に、低透磁率の酸化防止層として樹脂層14のみを形成するようにしてもよい。
高保磁力のネオジム磁石12の表面に、低透磁率の酸化防止層として酸化膜や防錆剤を形成するようにしてもよい。
樹脂層14は、アルニコ磁石11の表面に低透磁率の酸化防止層として酸化膜11aや防錆剤を含浸させた層を形成した場合には、アルニコ磁石11の表面全体を覆う必要はなく、ロータコア9(磁石挿入孔10部分)に接触しない程度に、表面の一部を覆うように形成してもよい。また、ネオジム磁石12についても、樹脂層14は、ネオジム磁石12の表面全体を覆う必要はなく、その表面の一部を覆うように形成してもよい。
永久磁石モータ1を構成する永久磁石は、アルニコ磁石11,ネオジム磁石12に限られるものではなく、前者の着磁量を変化させる場合に後者の着磁状態が影響を受けない程度に両者の保磁力に差があるものであれば、適宜選択して使用することができる。
アルニコ磁石11およびネオジム磁石12は、図1および図2に示すように交互に配列してもよいし、不規則に配列してもよい。また、永久磁石モータ1を構成する全ての永久磁石をアルニコ磁石11で構成してもよい。
ステータコア5およびロータコア9の分割数は適宜変更して実施することができる。
本発明の永久磁石モータ1は、軸方向が横方向となる上述のドラム式洗濯機21のドラム24の駆動源としてではなく、例えば、軸方向が縦方向となる縦型洗濯機の回転槽の駆動源としても適用可能である。
本発明は、上述したアウターロータ型の永久磁石モータ1に限ることなく、インナーロータ型の永久磁石モータにも適用することができる。
図面中、1は永久磁石モータ、2はステータ、3はロータ、6はステータコイル(巻線)、9はロータコア、11はアルニコ磁石(低保磁力永久磁石)、11aは酸化膜(低透磁率の酸化防止層)、12はネオジム磁石(高保磁力永久磁石)、14は樹脂層(低透磁率の酸化防止層)、10は磁石挿入孔(挿入孔)を示す。

Claims (1)

  1. 巻線を備えたステータと、
    前記ステータに対して回転可能に設けられたロータと、
    前記ロータのロータコアに形成された挿入孔に挿入され永久磁石とを備え、
    前記永久磁石を増磁または減磁させるために当該永久磁石に外部磁界を作用させる永久磁石モータであって、
    前記永久磁石は、
    高保磁力永久磁石と、
    保磁力が前記高保磁力永久磁石よりも小さく、且つ、前記巻線から発生する磁界によって着磁量が変更可能なレベルの保磁力を有する低保磁力永久磁石とからなり、
    前記挿入孔は、前記永久磁石よりも大きく開口しており、
    前記低保磁力永久磁石の表面に熱処理を施すことにより、当該低保磁力永久磁石の表面に低透磁率の酸化防止層として酸化膜を形成し、
    前記低保磁力永久磁石の周囲に樹脂を充填することにより、前記低保磁力永久磁石の表面に、前記酸化膜に加えて、さらに低透磁率の酸化防止層として樹脂層を形成したことを特徴とする永久磁石モータ。
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