JP3687804B2 - 回転機用磁石回転子 - Google Patents

回転機用磁石回転子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石界磁方式のモータや発電機等の回転機用磁石回転子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
界磁発生手段に永久磁石を使用し、外部からの界磁エネルギーの供給を必要としない永久磁石界磁方式のモータや発電機は、巻線界磁方式のものに比べて効率が良いため、その省エネルギー性により小型のモータや発電機あるいはロボット用のサーボモータなどに多用されている。
永久磁石界磁方式の回転機(例えば、モータ等。)は回転子の永久磁石配置構成によって大略下記の2種類に分類される。
その1つは図15にその要部断面図の例を示すように、回転子10表面に設置された永久磁石1が回転子10および固定子20間のエアギャップ4に直接接している形式である。この磁気回路形式を有する回転子を一般に表面磁石型回転子と呼ぶ。図15の場合、永久磁石1の任意の永久磁石1aのN極から出た磁束A1は、矢印で示すようにエアギャップ4を貫通し、固定子コア3a部分に達する。次いで、この磁束A1は固定子コア3bおよび3c部分を経由して再びエアギャップ4を貫通し、さらに永久磁石1bおよび回転子コア2を経由して永久磁石1aのS極へ戻る閉ループを形成する。なお、図15においてt30はエアギャップ4の最小厚みを示している。
【0003】
回転子におけるもう1つの永久磁石配置形式は内部磁石型と呼ばれるもので、図17にその要部断面図の例を示す。図17において、永久磁石1は回転子コア2内に埋設配置されており、永久磁石1のN磁極側から出た磁束A2は矢印で示すように回転子コア2を経由して固定子20と回転子10間のエアギャップ4を貫通する。次いで、この磁束A2は固定子コア3a,3b,3c部分を順次経由して再びエアギャップ4を通過後、回転子コア2を経由して永久磁石1のS磁極に戻る閉ループを形成する。なお、図17においてt40はエアギャップ4の最小厚みを示している。
【0004】
表面磁石型磁気回路構造の回転子を有するモータの利点は永久磁石の一磁極表面がエアギャップに直接接しているため、永久磁石が発生する磁束を効率良く活用できることである。エアギャップの厚みが隣接する永久磁石の配置間隔に比べて十分小さい場合には、永久磁石から発生する多くの磁束が固定子コアに達する。
【0005】
しかしながら、現在実用に供されているフェライト磁石や稀土類磁石等の公知の永久磁石は機械的強度が十分ではなく、表面磁石型回転子を用いたモータの使用中に、回転子に作用する遠心力によってその回転子に装着した永久磁石が割れたり、欠けたりして発生した永久磁石の破片がエアギャップに挟まりモータ故障を発生させてしまうことがある。
また、表面磁石型回転子を用いたモータでは、永久磁石が回転子コア表面に接着されている場合、その接着強度が回転による遠心力に対して十分でなく、モータの使用中に、回転子に作用する遠心力によって、接着された永久磁石が回転子コアから剥がれてモータ故障を発生させてしまうこともある。
【0006】
表面磁石型回転子を有するモータにおける剥がれ、欠け、割れ等の機械強度的な欠点を補完するため、図16の要部断面図に示すように永久磁石1の外周側に炭素繊維などを巻回するか、あるいはチタン合金、ステンレス鋼、ケイ素鋼などからなる薄いロータキャン(カバー)8を配置する構成が採用されている。このロータキャン8は回転子コア2への永久磁石1の固定力強化、および永久磁石1への応力集中を防ぐこと、および仮に何らかの事情によって永久磁石1が回転子コア2から剥がれたり、割れたり、欠けたりした場合の永久磁石破片のエアギャップ(図示省略)への飛散防止のために設けられるものである。
【0007】
一方、内部磁石型回転子を有するモータにおいては、以上述べてきた表面磁石型における機械強度面での欠点は多くの場合解消される。すなわち、内部磁石型回転子を有するモータの利点は、永久磁石が回転子コア内部に緊密に固定されているため、表面磁石型回転子を有するモータと比較して永久磁石の剥がれ、割れ、欠け等によるモータ故障がほとんど見られないことである。
また、内部磁石型では、回転子の周囲、特に外周部分が全て回転子コアによって形成されており、回転子外周部分の寸法公差が回転子コアの加工寸法公差のみで得られるため、寸法精度の高い回転子が得られる。したがって、回転子と固定子間のエアギャップの厚みは表面磁石型回転子を有するモータに比べて大幅に小さくすることが可能であり、このためモータ全体の磁気抵抗を下げることができ、その結果固定子に至る有効な磁束量を大幅に増加させることが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した図17の例に代表される内部磁石型回転子を有するモータの場合、永久磁石1のN磁極から出た磁束B2が矢印に示すように回転子コア2内部を経由して同じ永久磁石1のS磁極へ戻る短絡磁路を形成し、いわゆる洩れ磁束B2が生じる。このため、永久磁石1からの発生磁束の全量を固定子20に至り巻線7と鎖交する有効な磁束量A2として無駄なく有効に活用できないという欠点を有している。
【0009】
この漏れ磁束をなるべく少なくするため、図18の要部断面図に示すように永久磁石1から出た漏れ磁束B3およびB4の通過経路となる回転子コア2の一部の厚み寸法t1およびt2を薄くしてこのt1およびt2部分の磁気抵抗を高くすることにより漏れ磁束B3およびB4を減少させて有効磁束A3のみを増加させることが行われているが、この手段によって漏れ磁束を実用上問題のないレベルまで低減化できるものの、t1およびt2部分のように回転子コア2に厚みの非常に薄い部分が形成され、この部分がモータ用回転子としての機械的強度、耐久性等の信頼性を低下させてしまうという問題を発生する。
【0010】
前記ロータキャンを使用する場合にも表面磁石型回転子に比べて有効磁束量が低下するという悪影響は否めない。すなわち、図16のロータキャン8がチタン合金などの非磁性材料からなる場合にはロータキャン8の厚み分だけ回転子10と固定子間のエアギャップの厚み(図示省略)が大きくなってしまい、構成される磁気回路全体の磁気抵抗が増してエアギャップを通過する有効磁束量が減少する。
一方、ロータキャン8に強磁性の材料を使用した場合は、ロータキャン8に磁束が通ってしまい、ロータ10の外周側に形成された隣接する磁極間に漏れ磁束と呼ばれる短絡磁束が流れてしまうため、ステータに至り巻線と鎖交する有効な磁束量が大幅に減少する。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、構成が単純でかつ組立性および耐久性が高く、しかも漏れ磁束が極めて少ない磁気回路構造の回転機用磁石回転子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における第1の発明では、回転子コアと、複数の永久磁石が回転子コア内に配置された内部磁石型の回転機用磁石回転子であって、回転子コアは、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とにより形成されるとともに、その非磁性金属粉末とバインダとの混練体が回転子コアの漏れ磁束を生じる位置に配置される、という技術的手段を採用した。なお、ここで内部磁石型の回転機用磁石回転子とは、永久磁石の両磁極が回転子コア内部に埋まっているものを指すものとする。また、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する一体構造の金属粉末複合体により回転子コアが構成されることが耐久強度の点から好ましい。また、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体の2以上の組み合わせにより回転子コアを構成することができる。また、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体内に永久磁石が配置される構成を採用することができる。また、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体同志の組み合わせ境界部に永久磁石が配置される構成を採用することができる。また、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体と、強磁性部材との組み合わせにより回転子コアを構成することができる。
【0014】
上記の発明において、前記回転子の周方向に強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体による成形体層が交互に形成されることが回転機用磁石回転子として極めて有用である。
【0015】
本発明によれば、複数の永久磁石を回転子コア内に配置する内部磁石型回転子、およびその回転子を備えたモータや発電機等の回転機において、その回転子コアに強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合燒結体(好ましくは一体構造のもの)を採用するとともに、回転子の磁極部分を強磁性金属粉末とバインダとの混練体形成し、かつ回転子の漏れ磁束を生じる部分(すなわち回転子コアにおいて漏れ磁束が通る部分)に非磁性(弱磁性も含む。)金属粉末とバインダとの混練体形成することによって回転子の漏れ磁束を低減でき、モータ(発電)効率に寄与する有効な磁束量のみを増加させることができる。また、漏れ磁束の低減化手段として、従来の内部磁石型回転子におけるような、回転子コアの漏れ磁束発生部分の磁気抵抗を高めるために回転子コアの一部の厚み寸法を薄くする等の手段を用いる必要がなく、従来の表面磁石型や内部磁石型の回転子を有するモータや発電機に比べて設計自由度が広がる。したがって、構成が単純でかつ組立性および耐久性が高く、しかも漏れ磁束が極めて少ない高性能の回転機用磁石回転子を提供できるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明を説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例を示す回転機用内部磁石型回転子10を示す斜視図である。図1において、斜線で示される660の部分は回転子コア65における非磁性部分(例えば、非磁性ステンレス鋼であるSUS304粉末の燒結体組織部分)であり、650部分は回転子コア65における強磁性部分(例えば、純鉄粉末の燒結体組織部分)であるとともに、回転子コア65は上記の純鉄燒結部とSUS304燒結部とを有する同一素材からなる。そして、回転子コア10の外周側における650部分に磁極Nおよび磁極Sが非磁性部(非磁極部)660を挟んで交互に形成されている。回転子コア65には永久磁石1を回転子コア65内に埋設配置するための貫通孔68が4箇所設けられている。この貫通孔68に永久磁石1を挿入し、例えばエポキシ系接着剤(例えば、アラルダイトAV138等。)で回転子コア65内に緊密に固設する。また、永久磁石1には図1に示す磁極パターンN,Sが付与され、回転子10の外周面に磁極N,Sが合計4極形成されている。
【0017】
図2に、図1の内部磁石型回転子10を用いたモータの要部断面図を示す。なお、図2において、図17と同一参照符号のものは図17と同一の構成部分を表す。
図2の構成によれば、斜線で示される660の部分が非磁性部分であるため、例えば前述した図15、図17、図18におけるような回転子コア内の磁束の短絡の発生が抑制される。したがって漏れ磁束は極めて少ない。なお、図2において仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。ここで、660部分は図2における便宜上点線で示される漏れ磁束Bの磁路を遮断し得る回転子コア65内の任意の位置に形成できる。
【0018】
次に、上記図1の回転子10における回転子コア65の外径寸法は74mm、シャフト(回転軸)5を通すために設けた中心の穴部200の直径は30mm、永久磁石1を回転子コア65内に挿入配置するための貫通孔68の寸法は磁化方向の厚み3.5mm×幅16mm×シャフト5方向の長さ23mmの永久磁石1を挿入できる矩形孔であり、回転子コア65のシャフト5方向の長さも23mmである。貫通孔68と回転子コア65外周面との間の厚み(最小厚み部分の厚み)は3mm、貫通孔68と中心の穴部200間の厚み(最小厚み部分の厚み)は3mmとした。また、本発明のモータを構成する固定子20と回転子10間のエアギャップ4の最小厚みtは0.3mmとした。なお、この最小厚み寸法0.3mmは回転子10の外周部における芯ぶれ0.05mm以下、倒れ0.05mm以下という良好な寸法精度によって回転子10の回転時の偏芯量が最小限に抑えられた結果実現された。
【0019】
図1および図2において、永久磁石1は残留磁束密度Br=1.15テスラ(以後、(T)と略す。)のNd−Fe−B系異方性焼結磁石(日立金属(株)製HS−32BV)を使用した。この永久磁石1の表面には、その表面から順次、耐酸化性被膜として、Cuメッキ(例えば、平均膜厚2μm)、Niメッキ(例えば、平均膜厚60μm)、エポキシ樹脂コーティング層(例えば、平均膜厚50μm)の多層被膜が形成されている。
【0020】
ここで、図1の回転子10は、例えば以下のような工程で製作することができる。
すなわち、上記のそれぞれ異なる組成の強磁性および非磁性金属粉末を押出す2台の押出装置を使用して、回転子コア65の形状寸法に見合う複合金属粉末成形体の形状寸法とした後、脱脂(例えば、水素雰囲気中での脱脂等。)、燒結して回転子コア65用のニアネット形状寸法の燒結体素材としたのち、軽度の機械加工を行って回転子コア65を製作した。
【0021】
本発明の強磁性と非磁性とを有する金属粉末複合燒結体を得るための前工程である金属粉末複合成形体を得る手段として、押出成形法に使用する複合用ダイに設けた貫通孔に、強磁性金属粉末とバインダ(例えば、脱脂可能なメチルセルロース、EVA等の結着剤等)とからなる第1の混練体を通過させ所定断面に成形するとともに、複合用ダイの外周部から、言い換えれば複合用ダイの側面から、非磁性金属粉末とバインダとからなる複合用混練体(第2の混練体)を導入し、所定断面を有し前記貫通孔の下流方向に連続したスリット状空間で複合用混練体を同時に成形し、複合用ダイの出口で第1と第2の混練体を一体化する方法を用いた。
【0022】
これにより、貫通孔を通過して所定形状に成形された第1の混練体と、スリット状空間を通過して所定形状に成形された第2の複合用混練体とが、複合用ダイで同時に押出され、複合用ダイの出口で強磁性金属粉末を含む強磁性成形体層(第1の混練成形体層)と非磁性金属粉末を含む非磁性成形体層(第2の混練成形体層)とが所定のパターンで分布するとともに圧着により一体化された金属粉末複合成形体とすることができるのである。
上述したスリット状空間は、複合用ダイの外周部から内部に向かって複合用混練体を供給するものである。したがって、強磁性部と非磁性部とが共存する一体の混練成形体を形成することができる。
【0023】
すなわち、本発明の回転子コアを形成するために使用する金属粉末複合成形体形成用の押出成形装置(例えば、図14参照)は、強磁性金属粉末とバインダとの混練体を複合用ダイ27に向かって押し出す第1の押出装置11と、前記混練体とは異なる非磁性金属粉末を含有する複合用混練体を押し出す第2の押出装置15を具備しており、前記複合用ダイ27は、第1の押出装置からの混練体流路を構成する貫通孔28と、前記複合用ダイ27の外周部から中心部に向かって構成され、かつ前記貫通孔28の下流方向に連続したスリット状空間34とを有し、このスリット状空間34には前記第2の押出装置15が連結され、前記スリット状空間34に前記複合用混練体を押し出すものである。
【0024】
例えば、複合用ダイ27としては、図13に示す構造を使用することができる。図13のaは本発明の複合用ダイ27の一例を示す側面図であり、図13のbは、そのA−A断面図である。
図13のbにおいては、図面後方から導入された第1混練体は、貫通孔28によって断面が貫通孔28の形状に成形され紙面前方に押し出される。一方、複合用ダイ27の外周部に複合用(第2)混練体を供給すると、貫通孔28の外壁33と破線により示したマンドレル29によって形成されるスリット状空間34に複合用(第2)混練体が満たされ、スリット状空間34の断面形状に成形されつつ、図面前方に押し出される。
複合用ダイ27を通過すると貫通孔28とスリット状空間34を隔てる薄い外壁33がなくなり、図12に示す複合成形体となるものである。
【0025】
なお、図14に示す通り、複合用ダイ27の下流側に、前記複合用ダイ27の開口径よりも小さい径を有する圧着用ダイ18を備えるようにし、第1混練体と複合用(第2)混練体とを圧着することが成形体密度のより均一な金属粉末複合成形体を得る上で好ましい。
さらに、図13bのマンドレル29および外壁33の形状を変更することにより、本発明の回転子コアの強磁性部および非磁性部の所望形成パターンに応じて、第1混練成形体層(強磁性金属成形体層)と第2混練成形体層(非磁性金属成形体層)とを自在に分布させ得る本発明の複合金属粉末成形体を形成できる。
また、本発明の金属粉末複合成形体は、公知の切断手段(例えば、ワイヤー状の切断刃等)によって切断可能であり、薄板状にカットすることにより薄板状の成形体を得ることができる。
こうして得られた金属粉末複合成形体を適宜の公知条件で脱脂、燒結したのち必要な機械加工を施して本発明の回転子コアを製作できる。
なお、上記の薄板状金属粉末複合成形体を脱脂、燒結して得られた薄板状の回転子コア用燒結体素材に軽度の機械加工を施すことで薄板状の金属粉末複合燒結体からなる回転子コア用薄板が得られる。この薄板をその厚み方向が本発明の回転子の回転軸方向と平行になるようにかつ隣接する薄板同志の強磁性部分と非磁性部分とがその積層方向に一致して連続するように位置決めされて積層されて形成された薄板積層型の回転子コアは渦電流損失の低減化に極めて有効である。この積層型回転子コアの薄板厚みは例えば0.45mmとされる。この薄板厚み寸法は渦電流損失の低減化の点から5mm以下が好ましく、1mm以下が特に好ましいが、その反面、その薄板をより薄くするためには上記金属粉末複合成形体の切断性および切断コスト、燒結後の機械加工コスト等を考慮する必要があり、これらの制約からその厚み下限寸法は適宜決定されるべきものである。
【0026】
表1に、本発明による図2のモータと、回転子コア65を強磁性体のSS41のみで構成した以外は図2のモータと同一構成の比較例のモータにおける磁界解析結果(1磁極当たりのエアギャップ部総磁束量および回転子コアを通過する漏れ磁束量の測定値。)を示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003687804
【0028】
表1より明らかなように、本発明のモータは比較例のモータに比べて一磁極当たりのエアギャップ部総磁束量が2倍以上に高い。また、回転子コアを通過する漏れ磁束量は総磁束量の10%未満となり、比較例のモータに比べて大幅に低減できていることがわかる。
【0029】
また、本発明の回転機用磁石回転子は、例えば、図1のように永久磁石1の着磁方向(図1では永久磁石1の磁気異方性化方向が着磁方向に一致している。)が回転子10の半径方向に直角な場合のみに限定されるものではない。
【0030】
本発明の磁石回転子の他の実施例として、例えば、図3は永久磁石1の着磁方向Mが回転子10の半径方向に対して角度Θ(0<Θ<90度)を持って配置された場合である。この配置では永久磁石1の数量が回転子10の外周側に形成される1磁極当たり2個となり、また回転子10の任意の1磁極を形成する2個の永久磁石は同極性磁極同志が対向配置されている。この構成によって、角度Θを変えることにより1磁極当たりの有効磁束量を自在に変えることができるという利点を有する。そして、図3では図1と同様に回転子コア65に強磁性部分650と非磁性部分660とが形成されている。なお、図3において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0031】
また、本発明の磁石回転子のさらに他の実施例として、図4に永久磁石1の着磁方向が永久磁石1の中心を通る回転子10の半径方向に対して平行である場合の要部断面図を示す。
この実施例によれば、永久磁石1が回転子コア65内部に配置されて内部磁石型の磁石回転子10を構成しているが、この構成によって表面磁石型の磁石回転子に近い有効磁束量が得られる。そして、図4では図1と同様に回転子コア65に強磁性部分650と非磁性部分660とが形成されている。なお、図4において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0032】
また、本発明の磁石回転子のさらに他の実施例として、図5に永久磁石1の断面形状がアーク状でかつ永久磁石1が回転子コア65の同心円上に所定間隔をおいて配置された場合の要部断面図を示す。この実施例によれば、図4の場合に比べて永久磁石1の形状が複雑になるため、永久磁石1の加工性は悪くなるものの、永久磁石1とエアギャップとの間の回転子コアの厚み寸法t10が回転子10外周側に形成される磁極領域のほとんどで一定になり得るので、図4の実施例に比較してさらに表面磁石型磁石回転子に近い有効磁束量が得られる。そして、図5では図1と同様に回転子コア65に強磁性部分650と非磁性部分660とが形成されている。なお、図5において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0033】
図6は、本発明の磁石回転子のさらに他の実施例として、永久磁石1の断面形状がかまぼこ状になっている場合の要部断面図を示している。この実施例では永久磁石1の中央の厚みが両端部に対して厚いため、この回転子を公知の回転機(例えばモータや発電機等。)に組込んで駆動させた場合、エアギャップにおける回転子10の回転方向の有効磁束密度分布を正弦波に近づけることができるという利点を有する。そして、図6では図1と同様に回転子コア65に強磁性部分650と非磁性部分660とが形成されている。なお、図6において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0034】
ここで、図3〜図6において図1と同一の参照符号のものは図1と同一の構成部材を表しており、また永久磁石1の着磁方向が磁気異方性化方向に一致していることが回転機(モータや発電機等。)に組み込まれた場合に高い有効磁束量を得られるために好ましい。そして、いずれの場合においても漏れ磁束Bを抑えることができるとともに、機械的強度、耐久性等の信頼性の高い回転機を構成し得る。そして、例えば、上記図3〜図6の回転子10の各々を図2の回転子10に代えて図2のモータに組込むことによっても本発明の磁石回転子を具備する高効率、高信頼性のモータを構成することができる。
【0035】
なお、図1〜図6の実施例においては本発明の磁石回転子を構成する回転子コア65が一体構造物(例えば、本発明では上記薄板積層構造の回転子コアも一体構造のものに含めることとする。)の場合を記載したが、回転子の使用条件や組立コスト、設計条件等を加味して本発明の範囲内において分割型の回転子コアの構成としてもよい。
【0036】
図7は、本発明の磁石回転子において、分割型の回転子コア65a〜65dを用いて制作した回転子10の一実施例を示す要部断面図である。
図7において、強磁性部分650と非磁性部分660とが共存している分割型の回転子コア65の各部材65a〜65dは各々その内部に永久磁石1が配置されており、これら分割型回転子コア部材同志の組み合わせ境界80を介して機械的に接続されている。この実施例においては、永久磁石1が前記複数の分割型回転子コアの各部材内部に各々配置されているため、永久磁石1自体に外部からの応力がかかりにくく、機械的に極めて堅牢な回転子10を構成できている。
また、図7では図1と同様に分割型回転子コア部材65a〜65dの各々に強磁性部分650と非磁性部分660とが形成されている。なお、図7において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0037】
図8は、本発明の磁石回転子において、分割型の回転子コア部材65a〜65dを用いて制作した回転子10の他の実施例を示す要部断面図である。
図8において、永久磁石1は強磁性部分650と非磁性部分660とが共存している前記の分割型回転子コア部材同志の組み合わせ境界部80に設けられたくぼみ71に配置される。
本実施例によれば、永久磁石1を図7のような各分割型回転子コア部材の内部に形成された孔70に挿入配置するのではなく、分割型回転子コア部材65aと65bの境界部、65bと65cの境界部、65cと65dの境界部、65dと65aの境界部に各々形成されたくぼみ71に配置した後、これらの分解型回転子コア部材を機械的に接続して図8の内部磁石型回転子10を構成するため、特にシャフト5の軸方向に長い回転子を構成する場合に有効な分割方法である。そして、図8では図1と同様に分割型回転子コア部材65a〜65dの各々に強磁性部分650と非磁性部分660とが形成されている。なお、図8において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0038】
図9は、本発明の磁石回転子において、図1と同様に強磁性部分650と非磁性部分660とが共存している分割型回転子コア部材65aおよび65bと、全体が強磁性部分(例えば、SS41等の炭素鋼からなる。)である回転子コア部材40aおよび40bとを用いて制作した回転子10の一実施例を示す要部断面図である。
図9において、永久磁石1は前記の65aと40bの境界部、40bと65bの境界部、65bと40aの境界部、40aと65aの境界部に形成されたくぼみ72に各々配置される。
本実施例によれば、永久磁石1は図8と同様にシャフト5の軸方向に長い回転子を構成する場合の組立性が良好で、かつ分割型回転子コア部材の一部に安価でかつ高い有効磁束量の得られる一般的な強磁性ヨーク材料であるSS41等(これ以外にも例えばSS400、S45C等の炭素鋼、SUS430等の公知のものを用い得る。)を使用したので安価でかつ有効磁束量のより高い回転子10を構成することが可能である。なお、図9において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0039】
また、図10は、本発明の磁石回転子における分割型の回転子コア部材65eおよび65fを用いて制作した回転子10の一実施例を示す要部断面図である。図10において、永久磁石1は、回転子10の半径方向に分割されかつ図1と同様に強磁性部分650と非磁性部分660とが共存している分割型回転子コア部材65eおよび65fの間のくぼみ73に配置されている。そして、前記部材65eおよび65fを機械的に接続して図10の回転子10を構成することができる。
本実施例によれば、くぼみ73に永久磁石1を配置することにより、シャフト5の軸方向に長い回転子を構成する場合の組立性が良好になるのみならず、分割型回転子コア部材65eと65fは回転子10の円周方向およびシャフト5の軸方向に対して一体の部材で形成されているため、回転子10の機械的強度が極めて堅牢で、かつ回転子10の外周側の良好な加工寸法精度が得られ、回転子10としての偏芯量を最小限に抑えられるという利点を有している。なお、図10において、仮に660部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。
【0040】
また、図7〜図10において、図1と同一の参照符号のものは図1と同一の構成部分を表している。そして、いずれの場合においても漏れ磁束Bを抑えることができるとともに、機械的強度、耐久性等の信頼性の高い回転機用磁石回転子を構成することができる。
【0041】
さらに、図7〜図10において、前記分割型回転子コア部材同志を機械的に接続固定して本発明の磁石回転子を構成する手段としては、例えば前記分割型回転子コア部材の各々にその回転子の回転軸方向の貫通孔を複数箇所要所(上記回転子コアにおける非磁性部にこの貫通孔を設けることが好ましい。)に形成し、この貫通孔の各々にボルト(例えば、非磁性ボルトが好ましい。)を通して、さらにこの回転子の両端部に設けた押さえ板にこれらボルトを通してナットで締結して永久磁石とともに前記分割型回転子コア部材を機械的に接続固定する方法、あるいは公知の溶接手段および/または接着剤の使用による接続固定方法、あるいは前記分割型回転子コア部材の各々にその回転子の回転軸方向の貫通孔を複数箇所要所に形成した後、この貫通孔に低融点の非磁性金属または合金を溶融状態で充填して冷却凝固させることにより接続固定する方法、あるいは前記貫通孔にプラスチックやゴム等(例えば、ガラス入りPBTやPPSに代表されるフィラー入りのFRP等が好ましい。)の溶融物を充填後冷却固化させて接続固定する方法等を用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく公知の機械的接続手段を使用できる。
【0042】
このように、本発明における内部磁石型回転子に関する図1〜図10の実施例に示すように、本発明の回転機用磁石回転子を構成する回転子コアは強磁性部分および非磁性部分とが共存した部材の単体または複数で構成することができる。さらに、本発明の回転機用磁石回転子は強磁性部分および非磁性部分とが共存した部材と、全体が強磁性部分だけからなる強磁性部材との組み合わせ(複合タイプ)で構成してもよい。また、強磁性部分および非磁性部分とが共存した部材と、全体が非磁性部分だけからなる非磁性部材との組み合わせ(複合タイプ)で構成してもよい。
【0043】
次に、参考として、円筒形のキャン(カバー)を配置したキャンタイプの表面磁石型回転子について図11により説明する。図11において、回転子30の回転軸であるシャフト5を有する回転子コア2(例えば、SS400等。)の外周側にはセグメント状の永久磁石11が配置されている。この永久磁石11には残留磁束密度Br=1.15(T)のNd−Fe−B系異方性焼結磁石(日立金属(株)製HS−32BV)を使用している。なお、このセグメント磁石11の表面には、耐酸化性被膜として、Cuメッキ(例えば、平均膜厚5μm)を下地として、このCuメッキの上に、Niメッキ(例えば、平均膜厚80μm)が形成されている。また、永久磁石11,11間には空隙45が形成されている。次に、この永久磁石11を外周側から囲包被覆するカバー(キャン)800が配置されている。このカバー800は、例えば、上記の図14の押出装置および、図13の複合用ダイ27における外壁33とマンドレル29の形状寸法をこのカバー800の強磁性部分850と非磁性部分860との分布パターンに対応させて調整された複合用ダイを用いて形成された金属粉末複合成形体を脱脂、燒結後、得られたニアネット形状寸法、すなわち回転子30に配置される永久磁石11の外径寸法に対応する形状寸法を有するカバー800用金属粉末複合燒結体素材に軽度の機械加工を施してカバー800を形成した。カバー800は公知の接着剤を用いて永久磁石11の表面に固着されている。なお、カバー800の他の固定手段としてはやきばめによる方法、あるいはカバー800を永久磁石11および回転子コア2よりも軸5の両方向にやや長く形成してそのカバー800の軸方向両端部を永久磁石11および回転子コア2の両側端面に係止するように折り込んで固定する方法等を採用できる。ここで、カバー800は強磁性部850(SS400粉末の燒結組織部)と非磁性部860(SUS304粉末の燒結組織部)とが共存するひとつながりの金属粉末複合焼結体からなるとともに、その非磁性部860が回転子30の漏れ磁束を生じる位置に配置されることを特徴としている。すなわち、非磁性部860が回転子30の外周部に形成されたN極とS極との間に設けられていることから、カバー(ロータキャン)800を通過する漏れ磁束を非常に小さな値に抑えることができ、かつ、カバー(ロータキャン)800の磁極形成部分は強磁性部850であるので、回転子30と固定子(図示せず)間のエアギャップ(磁気的なギャップ)はカバー800を用いない従来の表面磁石型回転子と同等の狭さにすることができる。したがって、図11の構成の表面磁石型回転子30における有効磁束量は、従来のようにカバー800全体が非磁性体または強磁性体で構成される場合に比べて約10%以上増加させることができる。このように、この磁石回転子30の外周部に強磁性部分850(磁極Nまたは磁極S)および非磁性部分860(非磁極部分)とが交互に形成されて、漏れ磁束が抑制されるとともに、カバー800によって永久磁石11の回転耐久強度の向上が達成されて信頼性の高い回転機用表面磁石型回転子を構成することができる。なお、図11において、仮に860部分が形成されない場合に発生する漏れ磁束Bを便宜上点線で示している。また、この860部分は図11における便宜上点線で示される磁束Bの磁路を遮断し得るカバー800内の任意の位置に形成できる。
【0046】
本発明に使用される金属粉末としては上記に限定されるものではなく、例えば、強磁性金属粉末としてはけい素鋼、マルテンサイト系やフェライト系に代表される磁性ステンレス鋼、パーマロイ、パーメンダー、SS41やSS400等の炭素鋼、高マンガン鋼等の公知の強磁性金属(合金)粉末を使用することが可能である。
また、非磁性金属粉末としてはアルミニウム合金、非磁性ステンレス鋼、チタン合金等の公知の非磁性金属(合金)粉末を使用することが可能である。
なお、上記の公知の強磁性金属(合金)粉末および非磁性金属(合金)粉末の粒径は焼結性等を勘案して適宜に決定される。
【0047】
また、本発明に使用される永久磁石は公知の製造方法(例えば粉末冶金法、塑性加工法(据え込み、押し出し、圧延等)、ボンド磁石法、鋳造法、超急冷法等)により製造可能である。具体例を挙げれば、永久磁石としてその基本組成を表す一般式がR−Fe−B系、Sm−Co5系、Sm2ーCo17系、Sm−Fe−N系(RはYを含むNd,Dy,Pr等の希土類元素のうちの1種または2種以上であり、さらに必要に応じてCo,Al,Nb,Ga,Fe,Cu,Zr,Ti,Hf,Ni,V,Si,Sn,Cr,Mo,Zn,Pt,Bi,Ta,W,Sb,Ge,Mn等から選ばれる1種または2種以上の磁気特性に有効な元素を含有できる。また、さらにO,C,N,H,P,S等から選ばれる1種または2種以上の不可避不純物元素を含有できる。)で示される希土類磁石、およびフェライト磁石、アルニコ磁石、Mn−Al−C磁石等の公知の永久磁石材料の1種または2種以上を使用することができる。さらに、上記永久磁石材料の1種または2種以上からなる粉末状粒子と、公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂やゴム材料のうちの1種または2種以上とを主体として構成される公知のボンド磁石材料(好ましくは異方性磁石)によって本発明の永久磁石を構成してもよい。なお、上記のうちR−Fe−B系の永久磁石は酸化防止のために表面に耐酸化性の被覆層(例えばNi,Cu,Al,Zn,Cr,Ni−P,Ti,Sn,Pb、Pt,Ag,Au等の1種または2種以上からなるとともに公知の無電解または電気メッキ手段により形成されるメッキ層;あるいは耐酸化性能の高い公知の金属(合金)や樹脂を全面に均一コートして形成される真空蒸着層;あるいはイオンスパッタリング、イオンプレーティング、IVD、EVD等により形成される被覆層;あるいはエポキシ樹脂等の電着塗装被膜等)を形成させることが好ましい。そして、より優れた耐酸化性を付与する場合は上述の被覆層形成手段を組み合わせて、例えばCuメッキ(数μm〜数十μmの層厚)の上にNiメッキ(数μm〜数十μmの層厚)を被覆し、さらにその上にエポキシ樹脂を電着コート(数μm〜数十μmの層厚)する等の多層膜の構成を採用することが好ましい。そして、上記のうちNd−Fe−B系の異方性燒結磁石および/またはボンド磁石(好ましくは異方性磁石)が特に好ましい。
【0048】
本発明の回転機用磁石回転子においては、回転子の磁極数や寸法形状等は限定されるものではなく、使用目的に応じて適宜決定され得るものであるが、特に磁極数が4〜100極のものに極めて有用である。
また、上記実施の形態例においては、回転子の外周側に形成される磁極パターンが対称に形成されているが、非対称の磁極パターンとしてもよい。
また、上記実施の形態例においては、モータについて記載したが、発電機にも適用し得ることは当然である。
また、上記実施の形態例においては、本発明の磁石回転子がエアギャップを介して固定子の内周側に配置されるいわゆるインナーロータの場合を記載したが、本発明の磁石回転子をエアギャップを介して固定子の外周側に配置されるいわゆるアウターロータに有効に適用し得ることは無論である。
【0049】
【発明の効果】
本発明は以上記述のような構成及び作用であるから、下記の効果を奏し得る。
(1)内部磁石型回転子の磁極間に発生する漏れ磁束を抑制することができ、発生磁束の利用効率の非常に高い内部磁石回転子が構成できる。
(2)機械的設計と磁気的設計を独立に行えることから回転機用磁石回転子の設計の自由度が増し、永久磁石から発生する磁束を有効に利用しながら、かつ機械的強度、耐久性等の信頼性の高い内部磁石型の磁石回転子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁石回転子の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の磁石回転子を組み込んだモータの一例を示す要部断面図である。
【図3】永久磁石の着磁方向が半径方向に対してある角度を持って配置された本発明の磁石回転子の一例を示す要部断面図である。
【図4】永久磁石の着磁方向が永久磁石の中心を通る半径方向に対して平行である本発明の磁石回転子の一例を示す要部断面図である。
【図5】永久磁石の着磁方向が半径方向に対して平行で、かつ断面形状がアーク状であるとともに回転子コアの同心円位置に配置された本発明の磁石回転子の一例を示す要部断面図である。
【図6】永久磁石の着磁方向が半径方向に対して平行で、かつその断面形状がかまぼこ状に形成されている本発明の磁石回転子の一例を示す要部断面図である。
【図7】回転子コアが複数の部材によって構成されている本発明の磁石回転子の一例を示す要部断面図である。
【図8】回転子コアが複数の部材によって構成されている本発明の磁石回転子の他の例を示す要部断面図である。
【図9】回転子コアが複数の部材によって構成されている本発明の磁石回転子の他の例を示す要部断面図である。
【図10】回転子コアが半径方向に分割された複数の部材によって構成されている本発明の磁石回転子の一例を示す要部断面図である。
【図11】ロータキャンを回転子表面に設置した本発明の表面磁石型回転子を示す要部断面図である。
【図12】本発明の金属粉末複合成形体の一例を示す図である。
【図13】金属粉末複合成形体を形成する押出成形装置の一例を示し、主要部となる複合用ダイの要部断面図aおよびそのA−A線断面図bを示す図である。
【図14】金属粉末複合成形体を形成する押出成形装置の一例を示す図である。
【図15】従来の表面磁石型ロータを備えたモータを示す要部断面図である。
【図16】従来のロータキャン付きの表面磁石型回転子を示す要部断面図である。
【図17】従来の内部磁石型回転子を備えたモータの例を示す要部断面図である。
【図18】回転子コアの一部分を薄くした従来の内部磁石型回転子の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,11,永久磁石、 2,65 回転子コア、3,3a,3b,3c 固定子コア、 4,4a エアギャップ、5 シャフト、7 巻線、8,800 ロ−タキャン、10,30,43 回転子、20 固定子、40a,40b 全体が強磁性部分からなる分割型回転子コア部材、45 空隙、65a,65b,65c,65d,65e,65f 強磁性部分と非磁性部分とが共存する分割型回転子コア部材、68,200 孔、70,71,72,73 くぼみ、 80 回転子コア部材同志の組み合わせ境界、650,850 強磁性部分、660,860 非磁性部分、A,A1,A2,A3 有効磁束、B,B1,B2,B3,B4 漏れ磁束、t,t30,t40 エアギャップの最小厚み、t1,t2 回転子コアの最小厚み、t10 永久磁石とエアギャップの間の回転子コア厚み。

Claims (5)

  1. 回転子コアと、複数の永久磁石が回転子コア内に配置された内部磁石型の回転機用磁石回転子であって、回転子コアは、強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とにより形成されるとともに、その非磁性金属粉末とバインダとの混練体が回転子コアの漏れ磁束を生じる位置に配置されることを特徴とする回転機用磁石回転子。
  2. 強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体の2以上の組み合わせにより回転子コアが構成されることを特徴とする請求項1に記載の回転機用磁石回転子。
  3. 強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体同志の組み合わせ境界部に永久磁石が配置されることを特徴とする請求項に記載の回転機用磁石回転子。
  4. 強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体とが共存する金属粉末複合体と、強磁性部材との組み合わせにより回転子コアが構成されることを特徴とする請求項に記載の回転機用磁石回転子。
  5. 前記回転子の周方向に強磁性金属粉末とバインダとの混練体と、非磁性金属粉末とバインダとの混練体による成形体層が交互に形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転機用磁石回転子。
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