JPH07118562A - 被覆された充てん剤粒子およびその製造法 - Google Patents

被覆された充てん剤粒子およびその製造法

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JPH07118562A
JPH07118562A JP3128457A JP12845791A JPH07118562A JP H07118562 A JPH07118562 A JP H07118562A JP 3128457 A JP3128457 A JP 3128457A JP 12845791 A JP12845791 A JP 12845791A JP H07118562 A JPH07118562 A JP H07118562A
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Gwo S Swei
グオ・エス・スウェイ
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Rogers Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 単官能性末端停止ポリシロキサンを多官能性
シランと反応させた多官能性末端停止ポリシロキサンを
シラン架橋剤と反応させた反応性網状重合体でガラス、
セラミック、金属又は金属酸化物、アモルファス溶融シ
リカよりなる無機充てん剤材料を被覆後、この反応性シ
リコーン網状重合体をキュアーして充てん剤材料に化学
結合された架橋化シリコーンエラストマーを生成した複
合充てん剤材料。 【効果】 延性および強靱性が改善された充てん剤含量
の高い熱可塑性ポリマーマトリックス複合材料を製造す
るために利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は複合材料に関し、詳しくはポリマ
ーマトリツクス複合材料用の充てん剤に関する。
【0002】充てん剤粒子とマトリツクス物質との間に
中間層が存在することによる強靱性の改善を示す複合材
料は公知である。例えばビクスラー等(米国特許第34
71439号)は強靱性の改善された複合材料を教示し
ており、この材料はマトリツクス、マトリツクス全体に
分布している非強化性充てん剤粒子、および不飽和反応
成分のフリーラジカル重合によって調製された中間層を
含んでいる。強化プラスチツクス/複合材料学会、プラ
スチツク工業協会の1974年の第29年次技術会議の
議事録におけるエドウインP.プルーデマンによる“ゴ
ム状界面による鉱物表面への硬質ポリマーの結合”にお
いて、プルーデマンは充てん剤とマトリツクスの間にゴ
ム状熱可塑性中間層を有するガラス繊維強化樹脂マトリ
ツクス複合材料を教示している。
【0003】複合充てん剤材料が記載されている。被覆
された充てん剤は、無機のコアとこのコアを被覆してコ
アに化学結合している架橋されたシリコーンエラストマ
ーよりなっている。被覆された充てん剤は延性が改善さ
れた充てん剤含量の高い熱可塑性ポリマーマトリツクス
複合材料および強靱性が改善された熱硬化性ポリマーマ
トリツクス複合材料を製造するために利用される。
【0004】複合充てん剤材料を製造する方法も開示さ
れている。この方法は単官能性末端停止ポリシロキサン
に多官能性シランを反応させて多官能性末端停止ポリシ
ロキサンを生成させることを含んでいる。多官能性末端
停止ポリシロキサンはシラン架橋剤と反応して上に未反
応のシラノール基を有する反応性シリコーン網状重合体
を生成する。無機充てん剤材料が反応性シリコーン網状
重合体で被覆されてこの網状重合体はキユアーされて充
てん剤材料に化学結合された架橋化シリコーンエラスト
マーを生成する。
【0005】複合材料を製造するためのもう一つの方法
も開示されている。多官能性シランに無機充てん剤材料
を反応させて遊離のシラノール基を有する表面変性無機
充てん剤材料を生成する。第2の多官能性シランに単官
能性末端停止ポリシロキサンを反応させて多官能性末端
停止ポリシロキサンを生成する。表面変性無機充てん剤
材料が多官能性末端停止ポリシロキサンによって被覆さ
れる。多官能性末端停止ポリシロキサンが表面変性無機
充てん剤材料上の遊離シラノールと反応して架橋し充て
ん剤材料に化学結合した架橋化シリコーンエラストマー
層を形成する。
【0006】図1は本発明の複合充てん剤材料の一つの
粒子の断面を示す略図である。
【0007】図1を参照すると、本発明の複合充てん剤
材料2は無機コア4とコア4を被覆してコア4に化学結
合している架橋されたシリコーンエラストマー層6より
なっている。
【0008】本発明の複合充てん剤材料の粒子はポリマ
ーマトリツクス中の充てん剤として使用され微粒子充て
んポリマーマトリツクス複合材料を生成する。
【0009】本発明において使用するのに好適なマトリ
ツクス材料は熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーを包
含している。好適な熱可塑性ポリマーにはフルオロポリ
マー、ポリオレフイン、ポリカーボネートおよびポリフ
エニレンスルフイドを含む。好適な熱硬化性ポリマーに
はエポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、シアネートエス
テル樹脂およびフエノール樹脂を含む。
【0010】本発明の無機コアとして使用するのに好適
な充てん剤材料は表面に水酸基を有する任意の無機充て
ん剤材料を含む。好適な充てん剤材料は微粒状のシリカ
を含む充てん剤材料、ガラス充てん剤、金属充てん剤お
よび金属酸化物充てん剤を含む。好ましいシリカ含有充
てん剤材料はシリカ、タルクおよびクレイを含む。アモ
ルフアス溶融シリカ粒子は本発明の無機コアとして特に
好ましい。好適なガラス充てん剤材料は連続ガラス繊
維、不連続ガラス繊維(例えばチヨツプトガラス繊維、
ガラスビーズ)および中空ガラス微小球を含む。好適な
金属および金属酸化物表面はアルミニウム、鉄鋼、銅、
黄銅、およびアルミニウム、鉄鋼、銅、黄銅の酸化物を
含む。
【0011】本発明の被覆材料の組成はマトリツクス材
料と問題の充てん剤材料に基づく適用基準によって適用
が選択され、充てん剤材料に化学結合されうる任意の架
橋されたシリコーンポリマーであることができる。被覆
材料の組成は被覆と粒状マトリツクス材料との間の相互
作用の程度を制御するように選択される。
【0012】本発明のシリコーンエラストマーは多官能
性末端停止ポリシロキサンとシラン架橋剤との架橋化反
応生成物である。
【0013】単官能性末端停止ポリシロキサンは多官能
性シランと反応して本発明の多官能性末端停止ポリシロ
キサンを生成する。好適な単官能性末端停止ポリシロキ
サンは、
【0014】
【化7】
【0015】の構造式を有するものであり、この式にお
いてR1 は反応性官能基であり、R2はそれぞれ独立に
アルキル基またはフエニル基であり、R3 およびR4
それぞれ独立にアルキル基、フエニル基またはフルオロ
アルキル基であり、前記ポリシロキサンは約500〜約
80000の分子量を有する。
【0016】好適な反応性官能基は水素化物基、水酸
基、アルコキシル基(例えばメトキシル基、エトキシル
基)、アミノアルキル基(例えばアミノプロピル基、ア
ミノブチル基)、ハロアルキル基(例えばクロロメチル
基)、カルビノール基およびカルボキシアルキル基(例
えばメタクリロキシプロピル基、カルボキシプロピル基
を含む。
【0017】R2 はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基)またはフエニル基であることができる。
【0018】R3 およびR4 はアルキル基(例えばメチ
ル基、エチル基)、フエニル基またはフルオロアルキル
基(例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基)であ
ることができる。
【0019】単官能性末端停止ポリジメチルシロキサ
ン、すなわちR3 およびR4 がそれぞれメチル基である
ものが本発明の単官能性末端停止ポリシロキサンとして
好ましい。
【0020】好適な単官能性末端停止ポリジメチルシロ
キサンには、シラノール末端停止ポリジメチルシロキサ
ン、アルコキシル(例えばメトキシル、エトキシル)末
端停止ポリジメチルシロキサン、アミノアルキル(例え
ばアミノプロピル、アミノブチル)末端停止ポリジメチ
ルシロキサン、アセトキシ末端停止ポリジメチルシロキ
サン、クロロアルキル(例えばクロロメチル)末端停止
ポリジメチルシロキサン、アルケニル(例えばアリル、
ビニル)末端停止ポリジメチルシロキサン、カルビノー
ル末端停止ポリジメチルシロキサンおよびカルボキシア
ルキル(例えばメタクリロキシプロピル、カルボキシプ
ロピル)末端停止ポリジメチルシロキサンを含む。
【0021】最も好ましい単官能性末端停止ポリシロキ
サンは、シラノール末端停止ポリジメチルシロキサンま
たは水素化物末端停止ポリジメチルシロキサンを含む。
【0022】好適な多官能性シラン化合物は、
【0023】
【化8】
【0024】の構造式を有するものであり、この式にお
いてR5 は加水分解可能な基であり、R6 は反応性官能
基であり、R7 はアルキル基、加水分解可能な基、反応
性官能基または非反応性の基である。
【0025】好適な加水分解可能な基にはアルコキシル
基(例えばメトキシル基、エトキシル基、ブトキシル
基)、ハロゲン(例えば塩素)およびアシロキシル基を
含む。
【0026】好適な反応性官能基には水素化物、アルコ
キシル基(例えばメトキシル基、エトキシル基、ブトキ
シル基)、アミノアルキル基(アミノエチル基、アミノ
プロピル基、アミノブチル基)、ハロアルキル基(例え
ばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモメチル
基)、グリシドキシアルキル基(例えばグリシドキシプ
ロピル基)、メルカプトアルキル基(例えばメルカプト
メチル基、メルカプトプロピル基)、カルボキシアルキ
ル基(例えばメタクリロキシプロピル基)およびアルケ
ニル基(アリル基、ビニル基)を含む。
【0027】好適な非反応性基にはフエニル基およびア
ルキル基を含む。好適な多官能性シラン化合物の例とし
ては、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、クロロメチル−ジメチルエトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメチルシラン、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシランおよびフエニルトリメトキシシランを含む。
【0028】本発明のシランのR5 基は加水分解して無
機のコアの表面上の水酸基との縮合反応のための反応部
位を供給する官能基を提供し、本発明の被覆層を無機コ
アの表面に結合させる。
【0029】本発明の多官能性シラン化合物は、シラン
化合物のR5 ,R6 またはR7 置換基のうち少なくとも
一つが単官能性末端停止ポリシロキサンのR1 基と反応
して
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】または、
【0033】
【化11】
【0034】の構造式を有する多官能性末端亭ポリシロ
キサンを合成するように選択される。
【0035】これらの式において、R2 ,R3 ,R4
5 ,R6 およびR7 は前述の通りであり、R8 ,R
8 ′およびR8 ″はそれぞれR1 基、R5 基またはR7
基を示す。
【0036】多官能性末端停止ポリシロキサンとシラン
化合物の置換基との反応は、それぞれの基の化学的組成
によって左右されるが、適当な通常の反応条件の下で行
われるオルガノケイ素化学の分野で知られている通常の
反応である。代表的には、単官能性ポリシロキサンは過
剰の多官能性シランと反応して単官能性ポリシロキサン
のR1 基の全部の反応を完結させる。
【0037】例えば単官能性ポリシロキサンがシラノー
ル末端停止ポリシロキサンである一つの好ましい実施態
様においては、R8 はシランの加水分解可能な基を加水
分解してポリシロキサンの各シラノール基をシランの加
水分解可能な基と縮合させることによって作ることがで
きる。
【0038】その他の例として、単官能性ポリシランが
水素化物末端停止ポリシロキサンであり、シランがビニ
ル官能基を含む一つの好ましい実施態様においては、R
8 はビニル基と水素化物基との付加反応によって作るこ
とができる。
【0039】本発明において使用するのに適したシラン
架橋剤は、
【0040】
【化12】
【0041】の構造式で示される任意の多官能性シラン
化合物を含む。
【0042】この式において、R9 は加水分解可能な基
であり、R10は反応性官能基または加水分解可能な基で
あり、R11はアルキル基、加水分解可能な基、反応性官
能基または非反応性の基である。
【0043】好適なアルキル基、反応性官能基、非反応
性の基および加水分解可能な基は多官能性シラン化合物
に関する前述の基である。
【0044】シラン架橋剤は多官能性末端停止ポリシロ
キサンを合成するために使用される化合物と同じであっ
てもよいし、この化合物と異なってもよい。使用される
架橋剤の量は特定の望ましい架橋密度を有するエラスト
マーを提供するために使用される多官能性ポリシロキサ
ンの量と分子量に基づいて選ばれる。
【0045】本発明のシランのR6 ,R7 ,R10および
11置換基は、ゴム状層の所望の特性、例えば架橋の程
度と種類、非反応性ペンダント基の好ましさ、被覆層と
粒状のマトリツクス材料との間の相互作用の所望の程度
に基づいて選択される。例えばシランの置換基は粒状の
マトリツクス材料と反応して被覆層とマトリツクスとの
間の化学結合を形成する官能基である。被覆層とマトリ
ツクス層との間の化学結合の形成はこのようにして製造
される複合材料に強度の増加を提供すると信ぜられる。
そうでなければ、シランの置換基は粒状のマトリツクス
材料との相互作用がほとんどない基である。マトリツク
ス材料との相互作用、すなわち接着がほとんどない被覆
層を付与することが、このようにして製造された複合材
料に改善された強靱性および延性を付与すると信ぜられ
る。
【0046】多官能性末端停止ポリシロキサンは適当な
反応条件の下で架橋されて未反応のシラン基を有する反
応性シリコーン網状重合体を生成する。無機コアに反応
性シリコーン網状重合体が被覆される。
【0047】反応性シリコーン網状重合体はキユアーさ
れて無機のコアに化学結合した架橋されたシリコーンエ
ラストマー被覆を生成する。コアの表面の水酸基とシリ
コーン網状重合体の遊離シラノール基との縮合によって
シリコーン網状重合体の反応基がコアに化学的に結合さ
れる。反応性の網状重合体は被覆された粒子を約225
℃〜275℃の温度に加熱することによってキユアーさ
れ、充てん剤の表面と反応する。
【0048】或いは本発明の複合充てん剤粒子よりなる
エラストマー層はその場で適当な多官能性シランに適当
な無機充てん剤を反応させて遊離のシラノール基を有す
る表面変性充てん剤材料を生成すること、適当な多官能
性末端停止ポリシロキサンに遊離のシラノール基を反応
させて被覆層を生成すること、それから被覆層を架橋し
て充てん剤表面に結合された架橋されたシリコーンエラ
ストマーよりなる層を生成することによって形成され
る。好適な充てん剤、多官能性シランおよび多官能性ポ
リシロキサンは前述したものである。
【0049】シリコーンエラストマーは本発明の複合充
てん剤材料の約0.5容量分率まで含んでいてよい。充
てん剤材料は約0.75容量分率〜約0.99容量分率
の無機コアと約0.01容量分率〜約0.25容量分率
のシリコーンエラストマーを含むことが好ましい。充て
ん剤材料は約0.85容量分率〜約0.95容量分率の
無機コアと約0.05容量分率〜約0.15容量分率の
シリコーンエラストマーを含むことが最も好ましい。
【0050】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明する。
【0051】実施例 1 表示分子量26000(ペトラーチシステムPS 34
3)を有するシラノール末端停止ポリジメチルシロキサ
ン200g(7.7モル)を、ヘキサン中で8時間還流
することによってあらかじめ加水分解されたフエニルト
リメチルシラン3.2g(16.1ミリモル)と反応さ
せて下記に示す反応に従って201gの多官能性シラノ
ール末端停止ポリジメチルシロキサンを生成した。
【0052】
【化13】
【0053】多官能性シラノール末端停止ポリジメチル
シロキサンを、3.0g(15.1ミリモル)のあらか
じめ加水分解されたフエニルトリメチルシランと下記に
示す反応に従って反応させて架橋させ、ゴム状反応性シ
リコーンを生成した。
【0054】
【化14】
【0055】充てん剤を様々の量のゴム状反応性シリコ
ーンで被覆した(0.01〜0.20容量分率の被覆さ
れた充てん剤)。パターソン−ケリーV形ブレンダーを
使用してゴム状反応性シリコーンをキヤリヤー溶媒とと
もに充てん剤に付与して45分間混合し、キヤリヤーを
蒸発させることによって2000gのアモルフアス溶融
シリカ(ハービソン−ウオーカーGP−7I)充てん剤
材料を100gのゴム状反応性シリコーンによって被覆
させた。
【0056】被覆された充てん剤は250℃で4時間加
熱してゴム状反応性シリコーンをキユアーし、反応性シ
リコーンのシラノールを充てん剤表面のシラノールと縮
合さることにより反応性シリコーンを充てん剤の表面に
結合させた。
【0057】実施例 2 表示分子量28000(ペトラーチシステムPS 54
3)を有する水素化物末端停止ポリジメチルシロキサン
173g(6.2ミリモル)を、白金触媒の存在下でヘ
キサン中で反応成分を8時間還流することによってあら
かじめ加水分解されたビニルトリメトキシシラン2.0
g(13.5ミリモル)と下記の反応に従って反応させ
て多官能性シラノール末端停止ポリジメチルシロキサン
170gを生成した。
【0058】
【化15】
【0059】多シラノール末端停止ポリジメチルシロキ
サンを、2g(13.5ミリモル)のあらかじめ加水分
解されたビニルトリメトキシシランによって下記の反応
に従って架橋し
【0060】
【化16】
【0061】パターソン−ケリーV形ブレンダーを使用
してゴム状反応性シリコーンをキヤリヤー溶媒とともに
充てん剤に付与して45分間混合し、キヤリヤーを蒸発
させることによって2000gのアモルフアス溶融シリ
カ(ハービソン−ウオーカーG−7I)充てん剤材料を
100gのゴム状反応性シリコーンによって被覆させ
た。
【0062】被覆された充てん剤は250℃で4時間加
熱してゴム状反応性シリコーンをキユアーし、反応性シ
リコーンのシラノールを充てん剤表面のシラノールと縮
合させることによって反応性シリコーンを充てん剤の表
面に結合させた。
【0063】実施例 3 本発明の被覆された粒子をポリオレフインマトリツクス
複合材料における充てん剤として使用した。このように
して調製された材料の性能が、未処理セラミツク充てん
剤粒子で造られた材料および通常のシランカツプリング
剤で処理されたセラミツク充てん剤で造られた材料の性
能と比較した。
【0064】使用した充てん剤粒子は第1表に示す。
【0065】 第 1 表 充てん剤 コ ア 被 覆 A シリカ な し B シリカ 0.015 容量分率のフツ素化シラン C シリカ 0.015 容量分率のフエニルトリメトキシシラン D シリカ 0.020 容量分率のシリコーンエラストマー E シリカ 0.071 容量分率のシリコーンエラストマー F シリカ 0.103 容量分率のシリコーンエラストマー G シリカ 0.166 容量分率のシリコーンエラストマー
【0066】アモルフアス溶融シリカ(ハービソン−ウ
オーカーGP−7I)をそれぞれの充てん剤のコアとし
て使用した。充てん剤D,E,FおよびGは実施例2の
方法によって製造した。
【0067】複合材料は第2表に示した組成に従って配
合した。
【0068】サンプルはヘキスト社製の中分子量高密度
ポリエチレン“ホルスタレンGK9050”を使用して
製造した。複合材料はブラベンダー・プラスチコーダー
を使用し加熱油温度を170℃に設定して製造した。混
合ヘツドの初期温度は160℃であった。すべてのサン
プルの混合速度は40rpmであった。ポリエチレン樹
脂の秤量サンプルを回転羽根を有する混合ヘツドに入れ
た。2分間で樹脂が完全に溶融した後、90〜120秒
間にわたって充てん剤を添加した。充てん剤と樹脂はさ
らに6〜7分間混合した。生成した複合材料は混合機か
ら取出して、熱盤(160℃)油圧プレス中で離型シー
トに挟んで約0.060インチの厚さに圧縮した。得ら
れたシートから棒状の抗張力試験体を切取り、材料の破
断点伸びを測定した。
【0069】複合材料サンプルはASTMのD1708
の“マイクロテンサイル”ダイを使用して拡張力試験を
受けさせた。試験の結果も第2表に示す。
【0070】 第 2 表 複合材料 マトリツクス 充てん剤 充てん剤 極限伸び サンプル (容量%) (容量%) の種類 (%) 1 100 0 --- 657 2 60 40 A 3 3 50 50 A 1 4 60 40 B 3 5 50 50 B 2 6 60 40 E 212 7 50 50 E 19 8 60 40 F 131 9 50 50 F 73 10 60 40 G 203 11 50 50 G 111
【0071】実施例 4 本発明の被覆粒子をフルオロポリマーマトリツクス複合
材料における充てん剤材料として使用した。このように
して製造した材料の性能を、未処理セラミツク充てん剤
で造った材料および通常のシランカツプリング剤で処理
されたセラミツク充てん剤で造った材料の性能と比較し
た。使用した充てん剤粒子は実施例3の第1表に列記し
たものである。
【0072】複合材料は第3表に示した組成に従って配
合した。エチレンとクロロトリフルオロメタンとの共重
合体(HalarR5004、アウシモント)をマトリツクス
材料として使用した。複合材料は、油の温度が260℃
に設定され混合ヘツドの初期温度が239℃〜242℃
であって複合材料が550°Fにおいて圧縮したこと以
外は実施例3に記載された方法によって製造した。充て
ん剤材料を被覆するサンプルのそれぞれにおいて、アモ
ルフアス溶融シリカコアの容量分率は0.5であった。
マトリツクス材料の容量分率はコア上の被覆の容量分率
が増加するのに応じて減少する。組成物のそれぞれは
(複合材料の全重量に基づいて)5重量%のCaOを含
んでいた。
【0073】サンプルのそれぞれを抗張力試験に供し
た、試験の結果も第3表に示す。
【0074】 第 3 表 複合材料 充てん剤 極限伸び サンプル の種類 (%) 12 --- 234 13 C 0.7 14 D 1.6 15 E 17.2 16 F 33.8 17 G 31.6
【0075】好ましい実施態様を示し、説明したが、こ
れらの実施態様の様々な改変が本発明の精神および範囲
から外れることなく実施することができる。したがっ
て、本発明は説明のために記載されてきたものであり本
発明を限定するためではないことが理解されるであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合充てん剤材料の一つの粒子の断面
を示す略図である。
【符号の説明】
2 複合充てん剤材料 4 無機コア 6 架橋化シリコーンエラストマー層

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機のコアとこのコアを被覆してコアに
    化学結合している架橋化シリコーンエラストマーの層と
    を含む複合充てん剤材料。
  2. 【請求項2】 コアがガラス、セラミツク、金属または
    金属酸化物よりなることを特徴とする請求項1の充てん
    剤材料。
  3. 【請求項3】 コアがアモルフアス溶融シリカよりなる
    ことを特徴とする請求項2の充てん剤材料。
  4. 【請求項4】 架橋化シリコーンエラストマーが多官能
    性末端停止ポリシロキサンと第1の多官能性シランとの
    反応生成物よりなることを特徴とする請求項1の充てん
    剤材料。
  5. 【請求項5】 多官能性末端停止ポリシロキサンが単官
    能性末端停止ポリシロキサンと第2の多官能性シランと
    の反応生成物よりなることを特徴とする請求項4の充て
    ん剤材料。
  6. 【請求項6】 第1の多官能性シランと第2の多官能性
    シランが同一であることを特徴とする請求項5の充てん
    剤材料。
  7. 【請求項7】 材料が約0.75〜約0.99容量分率
    の無機コアと約0.01〜約0.25容量分率の架橋化
    シリコーンエラストマーを含むことを特徴とする請求項
    1の充てん剤材料。
  8. 【請求項8】 複合充てん剤材料を製造する方法におい
    て、単官能性末端停止ポリシロキサンを多官能性シラン
    と反応させて多官能性末端停止ポリシロキサンを生成さ
    せる工程、この多官能性末端停止ポリシロキサンをシラ
    ン架橋剤と反応させて反応性シリコーン網状重合体を生
    成させる工程、無機充てん剤材料を反応性シリコーン網
    状重合体で被覆する工程、および反応性シリコーン網状
    重合体をキユアーして充てん剤材料に化学結合された架
    橋化シリコーンエラストマーを生成する工程を含むこと
    を特徴とする複合充てん剤材料の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項8の方法によって製造されること
    を特徴とする複合充てん剤材料。
  10. 【請求項10】 単官能性末端停止ポリシロキサンが、 【化1】 よりなり、この式においてR1 は反応性官能基であり、
    2 はアルキル基またはフエニル基であり、R3 および
    4 はそれぞれ独立にアルキル基、フエニル基又はフル
    オロアルキル基であり、ポリシロキサンが約500〜約
    80000の分子量を有することを特徴とする請求項8
    の方法。
  11. 【請求項11】 R1 が水素化物、水酸基、アルコキシ
    ル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、カルビノー
    ル基、カルボキシアルキル基およびフエニル基よりなる
    群から選ばれることを特徴とする請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 R2 ,R3 およびR4 がそれぞれメチ
    ル基であることを特徴とする請求項10の方法。
  13. 【請求項13】 多官能性末端停止シランが、 【化2】 よりなり、この式においてR5 は加水分解可能な基であ
    り、R6 は反応性の官能基であり、R7 はアルキル基、
    加水分解可能な官能基、反応性官能基または非反応性の
    基であることを特徴とする請求項8の方法。
  14. 【請求項14】 R5 がアルコキシル基、ハロゲンまた
    はアシロキシル基であることを特徴とする請求項13の
    方法。
  15. 【請求項15】 R6 が水素化物、アルコキシル基、ア
    ミノアルキル基、ハロアルキル基、グリシドキシアルキ
    ル基、メルカプトアルキル基、カルボキシアルキル基お
    よびアルケニル基よりなる群から選ばれることを特徴と
    する請求項13の方法。
  16. 【請求項16】 R7 がアルキル基、アルコキシル基、
    ハロアルキル基、水素化物、アミノアルキル基、グリシ
    ドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシ
    アルキル基、アルケニル基およびフエニル基よりなる群
    から選ばれることを特徴とする請求項13の方法。
  17. 【請求項17】 シラン架橋剤が、 【化3】 よりなり、この式においてR8 は加水分解可能な官能基
    であり、R9 は反応性官能基であり、R10はアルキル
    基、加水分解可能な官能基、反応性の官能基または非官
    能性の基であることを特徴とする請求項8の方法。
  18. 【請求項18】 R8 はアルコキシル基、ハロゲンまた
    はアシロキシル基であることを特徴とする請求項17の
    方法。
  19. 【請求項19】 R9 が水素化物、アルコキシル基、ア
    ミノアルキル基、ハロアルキル基、グリシドキシプロピ
    ル基、メルカプトアルキル基、カルボキシアルキル基お
    よびアルケニル基よりなる群から選ばれることを特徴と
    する請求項17の方法。
  20. 【請求項20】 R10が水素化物、アルキル基、アルコ
    キシル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、グリシ
    ドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシ
    アルキル基、アルケニル基およびフエニル基よりなる群
    から選ばれることを特徴とする請求項17の方法。
  21. 【請求項21】 複合充てん剤材料を製造する方法にお
    いて、第1の多官能性シランを無機充てん剤粒子と反応
    させて遊離のシラノール基を有する表面変性無機充てん
    剤粒子を生成させる工程、第2の多官能性シランを単官
    能性末端停止ポリシロキサンと反応させて多官能性末端
    停止ポリシロキサンを生成させる工程、表面変性粒子に
    多官能性末端停止ポリシロキサンを被覆する工程、多官
    能性末端停止ポリシロキサンを表面変性粒子上の遊離シ
    ラノール基と反応させて粒子に化学結合している粒子上
    の被覆層を形成する工程、およびこの被覆層を架橋させ
    る工程を含むことを特徴とする複合充てん剤材料の製造
    法。
  22. 【請求項22】 請求項21の方法によって製造される
    ことを特徴とする複合充てん剤材料。
  23. 【請求項23】 第1の多官能性シランの過剰量が供給
    し、被覆層が前記の過剰量と反応して被覆層を架橋する
    ことを特徴とする請求項21の方法。
  24. 【請求項24】 第1の多官能性シランが、 【化4】 よりなり、この式においてR8 が加水分解可能な基であ
    り、R9 が反応性官能基または加水分解可能な基であ
    り、R10がアルキル基、加水分解可能な基、反応性官能
    基または非反応性の基であることを特徴とする請求項2
    1の方法。
  25. 【請求項25】 R8 がアルコキシル基、ハロゲンまた
    はアシロキシル基であることを特徴とする請求項24の
    方法。
  26. 【請求項26】 R9 が水素化物、アルコキシル基、ア
    ミノアルキル基、ハロアルキル基、グリシドキシプロピ
    ル基、メルカプトアルキル基、カルボキシアルキル基お
    よびアルケニル基よりなる群から選ばれることを特徴と
    する請求項24の方法。
  27. 【請求項27】 R10が水素化物、アルキル基、アルコ
    キシル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、グリシ
    ドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシ
    アルキル基、アルケニル基およびフエニル基よりなる群
    から選ばれることを特徴とする請求項24の方法。
  28. 【請求項28】 単官能性末端停止ポリシロキサンが、 【化5】 よりなり、この式においてR1 は反応性の官能基であ
    り、R2 はアルキル基、またはフエニル基であり、R3
    およびR4 はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキ
    ル基またはフルオロアルキル基であり、ポリシロキサン
    は約500〜約80000の分子量を有することを特徴
    とする請求項21の方法。
  29. 【請求項29】 R1 が水素化物、水酸基、アルコキシ
    ル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、カルビノー
    ル基およびカルボキシアルキル基よりなる群から選ばれ
    ることを特徴とする請求項21の方法。
  30. 【請求項30】 第2の多官能性末端停止シランが、 【化6】 よりなり、この式においてR1 は加水分解可能な官能基
    であり、R6 は反応性の官能基であり、R7 はアルキル
    基、加水分解可能な官能基、反応性の官能基または非反
    応性の官能基であることを特徴とする請求項21の方
    法。
  31. 【請求項31】 R5 がアルコキシル基、ハロゲンまた
    はアシロキシル基であることを特徴とする請求項30の
    方法。
  32. 【請求項32】 R6 が水素化物、アルコキシル基、ア
    ミノアルキル基、ハロアルキル基、グリシドキシアルキ
    ル基、メルカプトアルキル基、カルボキシアルキル基お
    よびアルケニル基よりなる群から選ばれることを特徴と
    する請求項30の方法。
  33. 【請求項33】 R7 がアルキル基、アルコキシル基、
    ハロアルキル基、水素化物、アミノアルキル基、グリシ
    ドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシ
    アルキル基、アルケニル基およびフエニル基よりなる群
    から選ばれることを特徴とする請求項30の方法。
  34. 【請求項34】 第1の多官能性シランと第2の多官能
    性シランが同一であることを特徴とする請求項21の方
    法。
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