JPH07118464A - 籾殻含有樹脂組成物 - Google Patents

籾殻含有樹脂組成物

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JPH07118464A
JPH07118464A JP29130593A JP29130593A JPH07118464A JP H07118464 A JPH07118464 A JP H07118464A JP 29130593 A JP29130593 A JP 29130593A JP 29130593 A JP29130593 A JP 29130593A JP H07118464 A JPH07118464 A JP H07118464A
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JP
Japan
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rice husk
polyolefin resin
resin composition
rice
weight
Prior art date
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Pending
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JP29130593A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamauchi
洋 山内
Hideo Miyazaki
英男 宮崎
Mika Kanzaki
美香 神崎
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量化が可能であって、曲げ強度および引張
強度等の強度特性に優れた成形物を与えることが可能な
籾殻含有樹脂組成物を提供する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、
籾殻粉末10〜200重量部と、変性ポリオレフィン系
樹脂1〜20重量部とを含有させて、籾殻含有樹脂組成
物を得ることを要旨とする。上記籾殻粉末は、圧力10
0kg/cm2 〜100 Ton/cm2 で圧縮擂潰して得られた
ものを用いる。また、変性ポリオレフィン系樹脂は、無
水マレイン酸で変性したポリオレフィン系樹脂を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、射出成形や押出成形
などの分野に好適に使用され、しかも強度特性などが改
善された成形物を生成することができる籾殻含有樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、軽量化、コストダウン、成形
品の寸法安定性の向上などを目的として、ポリオレフィ
ン系樹脂に種々の充填剤を添加してポリオレフィン系樹
脂組成物を得ることが提案されている。
【0003】この場合に用いられる充填剤は、無機系充
填剤と有機系充填剤とに大別される。無機系充填剤とし
ては、例えば、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等
が、コストダウンを主たる目的として、増量剤として使
用されている。また、有機系充填剤としては、木粉およ
び籾殻粉末などの使用が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記無
機系充填剤をポリオレフィン系樹脂に添加した場合に
は、成形品の強度物性の低下や重量増を招き、その使用
用途が限定されるという問題がある。
【0005】一方、上記有機系充填剤とポリオレフィン
系樹脂とを単に配合しただけでは、得られた成形物の強
度特性、特に曲げ強度および引張強度の低下が大きく、
したがってこの場合にも、使用用途が限定されるという
問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の発明者らは、上記
した状況に鑑み、軽量化が可能であって、曲げ強度およ
び引張強度等の強度特性に優れた成形物を与える籾殻含
有樹脂組成物について鋭意検討した。その結果、ポリオ
レフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂および特定
の方法で擂潰して得られる籾殻粉末を構成成分とする籾
殻含有樹脂組成物により上記の問題点が解決できること
を見出し、本願発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本願発明の要旨は、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対し、籾殻粉末10〜200
重量部と、変性ポリオレフィン系樹脂1〜20重量部と
を含有させて得られる籾殻含有樹脂組成物である。
【0008】本願発明の籾殻含有樹脂組成物に含有され
る籾殻粉末は、通常、圧力100kg/cm2 〜100 Ton
/cm2 で籾殻を圧縮擂潰して粉末としたものを用いる。
特に、このような方法で得られた籾殻粉末を、さらにハ
ンマーミル、ジェットミル、スタンプミル等により粉砕
したものを用いた場合には、より好ましい結果を得るこ
とができる。
【0009】詳述すると、籾殻を通常の方法、例えば単
にスタンプミルで粉砕しただけのものは、図1の電子顕
微鏡写真に示すように、籾殻の表層を覆っている脂質の
膜であるクチクラ層が、その表層に残っている。このた
め、この籾殻をポリオレフィン系樹脂中に配合して成形
物とした場合には、外力を受けた時にポリオレフィン系
樹脂が籾殻クチクラ層との界面で剥離を起こし、その成
形物の強度特性を低下させる原因となる。
【0010】上述の本願発明に係る方法により得られた
籾殻粉末は、図2の電子顕微鏡写真に示すように、クチ
クラ層が、完全に破壊されて籾殻表面から取り除かれた
構造になっている。このため、この籾殻粉末をポリオレ
フィン系樹脂中に配合しても、ポリオレフィン系樹脂が
籾殻クチクラ層との界面で剥離を起こすことがなく、し
たがって、得られる成形物の強度特性も低下することが
ない。
【0011】本願発明では、好ましくは、上述の方法に
より得られる籾殻粉末のうち、平均粒子径が10〜50
0μmのものを使用する。
【0012】本願発明で用いる上記ポリオレフィン系樹
脂は、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、スチレン等のオレフィン化合物の単独
重合体、または上記オレフィン化合物と他の重合性化合
物との共重合体を意味する。具体例としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー
(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)等が挙げられる。
【0013】本願発明で用いる上記変性ポリオレフィン
系樹脂は、上述のポリオレフィン系樹脂を無水マレイン
酸で処理して得られるグラフト重合体を意味する。この
変性ポリオレフィン系樹脂を添加することによる作用
は、現時点では明らかでないが、変性ポリオレフィン系
樹脂を添加することにより、その樹脂に含まれる無水マ
レイン酸の官能基が、籾殻粉末表面の反応性OH基との
間で相互に作用し、籾殻粉末表面を親水性から疎水性へ
と変化させ、ポリオレフィン系樹脂との混和性を改善し
ているものと推測される。
【0014】本願発明において、上記ポリオレフィン系
樹脂および変性ポリオレフィン系樹脂は、粉末状のもの
あるいはペレット状のもののいずれもが使用できる。
【0015】本願発明の樹脂組成物の組成比は、既述の
ように、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、籾
殻粉末10〜200重量部、変性ポリオレフィン系樹脂
1〜20重量部、である。
【0016】このような組成比とする理由は、仮に、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対し、籾殻粉末の添
加量が10重量部より少量では、強度特性の改善性が不
充分であり、200重量部より多量では、得られる組成
物の熱時流動性が悪くなり、好ましくないからである。
【0017】また、仮に、変性ポリオレフィン系樹脂の
添加量が、1重量部より少量では、ポリオレフィン系樹
脂と籾殻粉末との混和性向上効果が十分あらわれず、2
0重量部より多量に添加してもそれに見合う効果が得ら
れず、好ましくないからである。
【0018】なお、本願発明に係る樹脂組成物において
は、上記の組成に加えて無機系充填剤を添加することも
できる。この場合に用いられる無機系充填剤としては、
通常、樹脂添加用に用いられる炭酸カルシウム、酸化マ
グネシウム、タルク、シリカ、クレーおよびこれらの混
合物などが挙げられる。これらの無機系充填剤を添加す
る場合の添加量は、特に限定されず、上記の樹脂組成物
の特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。
その添加量は、通常、ポリオレフィン系樹脂100重量
部に対し、1〜100重量部が適当である。
【0019】上記各成分の混合方法は特に限定されるも
のではなく、混合に用いられる通常の装置による通常の
方法が採用される。
【0020】また、得られた籾殻含有樹脂組成物から
は、射出成形機、押出機を用いたり、ミキシングロー
ル、バンバリーミキサー等を用いて混練した後、プレス
成形等の通常の成形方法により成形物を得ることができ
る。
【0021】
【実施例の説明】以下、本願発明を実施例を挙げてさら
に詳細に説明するが、本願発明はこれらの実施例になん
ら制限されるものではない。
【0022】実施例および比較例において使用した各原
料は、以下のとおりである。
【0023】(a)ポリオレフィン系樹脂としては、平
均粒子径500μm(株式会社島津製作所製レーザー式
粒度分布計「SALD1100」で測定。平均粒子径の
測定について以下、同じ。)の粉末ポリプロピレン樹脂
である「フローブレンB200」(住友精化株式会社
製)を用いた。
【0024】(b)変性ポリオレフィン系樹脂として
は、3〜4mm角のペレット状変性ポリプロピレン樹脂
である「ユーメックス1001」(三洋化成株式会社
製)を用いた。
【0025】(c)実施例で用いた籾殻粉末はA,Bの
二種類があり、籾殻粉末Aは、籾殻を圧力50 Ton/cm
2 、温度200℃の条件下で圧縮擂潰した後、ハンマー
ミルで粉砕し、平均粒子径190μmのものを用いた。
また、籾殻粉末Bは、籾殻を圧力500kg/cm2 、温度
200℃の条件下で圧縮擂潰した後、ハンマーミルで粉
砕し、平均粒子径30μmのものを用いた。一方、比較
例で用いた籾殻粉末Cは、籾殻を直接スタンプミルで粉
砕し、平均粒子径190μmのものを用いた。
【0026】(d)実施例で用いた無機系充填剤は、平
均粒子径2.4μmの炭酸カルシウム、平均粒子径5μ
mの酸化マグネシウム、平均粒子径5μmのタルクであ
る。
【0027】本願発明に係る樹脂組成物により得られる
成形品の物性は、所定の割合に配合した後、樹脂組成物
をロール混練し、その後、シート成形して所定の形状に
加工し、表1に示す方法により強度特性を測定して評価
した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜9および比較例1〜4は、表2
に示すように、ポリプロピレン系樹脂、籾殻粉末、変性
ポリプロピレン系樹脂、無機系充填剤を、同表に示す配
合割合(重量部)で混合し、籾殻含有樹脂組成物を得た
ものである。この表2における実施例1〜9は、本願発
明の上記した組成比の範囲内にあり、比較例1〜4は、
本願発明の組成物とは異なったものを用いている。。そ
して、この後、テストミキシングロールマシーン(株式
会社安田精機製作所製)を使用して190℃の温度条件
下で10分間混練し、200×200×3mmのシート
に成形した。
【0030】
【表2】
【0031】このようにして得られたシートをそれぞれ
の物性測定用に成形加工後、上記の表1に示す方法によ
りその特性を測定し、これにより得られた評価結果を表
3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】上記表3から明らかなように、実施例1〜
9は、その特性が比較例に比べて優れており、特に引張
強度や曲げ強度は著しく改善されている。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、籾殻
粉末が、圧力100kg/cm2 〜100Ton/cm
2 で圧縮擂潰して得られるものであるから、籾殻表面の
クチクラ層が、完全に破壊されて籾殻から取り除かれ、
樹脂と混合された場合に、樹脂との界面で剥離を起こし
にくい状態になる。
【0035】また、変性ポリオレフィン系樹脂に含まれ
る無水マレイン酸の官能基が、籾殻粉末の表面の反応性
OH基との間で相互に作用することから、籾殻粉末の表
面が、親水性から疎水性へと変化し、ポリオレフィン系
樹脂との混和性が改善される。
【0036】上記両者の相乗効果により、本願発明のポ
リオレフィン系樹脂組成物は、優れた強度特性を示す成
形物を提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明において籾殻をスタンプミルで粉砕し
ただけである場合の籾殻表層の粒子構造を表す電子顕微
鏡写真である。
【図2】本願発明において籾殻を50Ton/cm2
温度200℃で圧縮擂潰した場合の籾殻表層の粒子構造
を表す電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、籾殻粉末10〜200重量部と、変性ポリオレフィ
    ン系樹脂1〜20重量部とを含有させたことを特徴とす
    る、籾殻含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 籾殻粉末は、圧力100kg/cm2 〜10
    0 Ton/cm2 で圧縮擂潰して得られたものであることを
    特徴とする、請求項1に記載の籾殻含有樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 変性ポリオレフィン系樹脂は、無水マレ
    イン酸で変性したポリオレフィン系樹脂であることを特
    徴とする、請求項1または2に記載の籾殻含有樹脂組成
    物。
JP29130593A 1993-10-26 1993-10-26 籾殻含有樹脂組成物 Pending JPH07118464A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000004087A1 (fr) * 1998-07-17 2000-01-27 Namba Press Works Co., Ltd. Charge de remplissage ligneuse/feuille composite plastique olefinique pour liaison
KR20010002461A (ko) * 1999-06-15 2001-01-15 유현식 왕겨 가루가 첨가된 폴리올레핀 수지조성물
KR100617590B1 (ko) * 2000-05-18 2006-09-04 주식회사 케이씨씨 왕겨를 이용한 고강도 복합판재 조성물과 이를 이용한복합판재의 제조방법
JP2013146920A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Kankyo Create:Kk 籾殻含有樹脂組成物の製造方法、籾殻含有樹脂組成物、及び成形品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000004087A1 (fr) * 1998-07-17 2000-01-27 Namba Press Works Co., Ltd. Charge de remplissage ligneuse/feuille composite plastique olefinique pour liaison
KR20010002461A (ko) * 1999-06-15 2001-01-15 유현식 왕겨 가루가 첨가된 폴리올레핀 수지조성물
KR100617590B1 (ko) * 2000-05-18 2006-09-04 주식회사 케이씨씨 왕겨를 이용한 고강도 복합판재 조성물과 이를 이용한복합판재의 제조방법
JP2013146920A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Kankyo Create:Kk 籾殻含有樹脂組成物の製造方法、籾殻含有樹脂組成物、及び成形品

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