JP3361601B2 - 樹脂成形材料の調製方法 - Google Patents

樹脂成形材料の調製方法

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JP3361601B2
JP3361601B2 JP2662894A JP2662894A JP3361601B2 JP 3361601 B2 JP3361601 B2 JP 3361601B2 JP 2662894 A JP2662894 A JP 2662894A JP 2662894 A JP2662894 A JP 2662894A JP 3361601 B2 JP3361601 B2 JP 3361601B2
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレン樹脂を主
なる材料とした樹脂成形材料の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製品は、金属製品に比べ、軽い、柔
らかい、耐腐食性がある等の性質の違いや、複雑な形状
の物が容易に成形できるという成形性の特性がある。こ
のため樹脂製品は、車両重量の軽量化、スペースの有効
利用、組付け工程の削減、部品数の削減、などで自動車
産業における要望に大きく寄与してきた。そのため樹脂
製品は多くの部品として使用されるようになった。
【0003】樹脂製品の耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性な
どの特性は、その樹脂製品を形成している材料によって
決定される。また、樹脂製品はその材料に見合った成形
法で成形されなければならない。樹脂製品の特性を生か
し成形法に見合った材料が単一組成で得られない場合
は、目的の特性を持った材料と混合したり、様々な添加
剤を混入してそれら材料の性質の改良をおこなってき
た。
【0004】たとえば、ポリエチレン樹脂はよく利用さ
れる汎用樹脂材料であるが、耐熱性、成形性、耐衝撃性
などの性質を改善する事によりその適用範囲が広がるた
め改良が試みられている。また、自動車産業の拡大と環
境問題との関わりの中で、自動車の生産段階とは逆の使
用済み自動車、特にその中で使用されている樹脂部品
は、その特性である耐久性、耐熱性、耐薬品性の故に廃
棄に対して様々な問題を有している。その為、生産段階
で使用済み樹脂部品の再利用を検討する必要に迫られて
いる。しかし使用済み樹脂部品を成形時に混入して新製
品を製造した時、得られる成形品は従来製造されている
製品よりその特性や性能が劣化する場合が多いがその特
性や性能が向上することが望まれ、その方向で使用済み
樹脂部品の利用方法が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】樹脂成形材料のポリエ
チレン樹脂(特に高密度ポリエチレン)の性質を改善す
るため、混合する材料やそれら材料の分散性の良い混練
方法を検討したところ、ポリエチレン樹脂はポリプロピ
レン樹脂を添加することにより耐熱性が向上する。ま
た、ポリエチレン樹脂の成形性(特に真空圧空成形)
は、ポリエチレン樹脂にエチレン−プロピレン樹脂を添
加すると成形性が向上するという知見が得られた。
【0006】しかし、上記の両方の特性を満足するため
ポリエチレン樹脂にポリプロピレン樹脂とエチレン−プ
ロピレン樹脂とを混練したが、ポリエチレン樹脂中に添
加したポリプロピレン樹脂とエチレン−プロピレン樹脂
が良好に分散せず、所期の効果を得ることができなかっ
た。本発明は上記の事情に鑑みて成されたもので、樹脂
成形材料として使用されるポリエチレン樹脂の特性や成
形性を向上させる混合材料と、それら樹脂成形材料の調
製方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリプロ
ピレン樹脂とエチレン−プロピレン樹脂とを、予め混練
してポリプロピレン主体混練物を調製し、あるいは、既
にポリプロピレンとエチレン−プロピレン樹脂が混練さ
れてなるポリプロピレン主体混練物を準備し、このよう
なポリプロピレン主体混練物をポリエチレン樹脂に混練
するというように工程を二つに分けることで、ポリエチ
レン樹脂中にエチレン−プロピレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂が均一で微細に分散されるという知見に基き本発
明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明の樹脂成形材料の調製方
法は、ポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹脂より
少重量のエチレン−プロピレン樹脂とを混練してポリプ
ロピレン主体混練物を得る工程と、得られたポリプロピ
レン主体混練物と該ポリプロピレン主体混練物より大重
量のポリエチレン樹脂とを混練しポリエチレン主体混練
樹脂を得る工程と、からなることを特徴とする。
【0009】さらには、ポリピロピレン樹脂と該ポリプ
ロピレン樹脂より小重量のエチレン−プロピレン樹脂と
からなるポリプロピレン主体混練物を、該ポリプロピレ
ン主体混練物より大重量のポリエチレン樹脂と混練して
ポリエチレン主体混練樹脂を得ることを特徴とする。本
発明のポリプロピレン主体混練物を得る工程(以下第1
の工程という)は、エチレン−プロピレン樹脂とポリプ
ロピレン樹脂とを混合してポリプロピレン主体混練物を
調製する工程である。この第1の工程でのポリプロピレ
ン樹脂とエチレン−プロピレン樹脂との配合割合は、ポ
リプロピレン樹脂よりエチレン−プロピレン樹脂のほう
が少重量である。
【0010】たとえば、その配合割合は、ポリプロピレ
ン主体混練物を100重量%とした時、ポリプロピレン
樹脂は少なくとも50重量%以上用いる。たとえば、ポ
リプロピレン樹脂約60重量%、エチレン−プロピレン
樹脂約40重量%程度の配合割合が、均一なポリプロピ
レン主体混練物が得られるので好ましい。本発明のポリ
エチレン主体混練樹脂を得る工程(以下第2の工程とい
う)は、得られたポリプロピレン主体混練物をポリプロ
ピレン主体混練物より大重量のポリエチレン樹脂に添加
して混練する工程である。
【0011】混練されたそれぞれの樹脂材料の混練時の
配合割合は、たとえば、樹脂の総量を100重量%とし
たときポリエチレン樹脂は50重量%以上、好ましくは
60〜95重量%の範囲が好ましい。さらに樹脂総量中
のポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン樹脂の量
は、ポリプロピレン樹脂が3〜24重量%、エチレン−
プロピレン樹脂が1.5〜12重量%の範囲の配合割合
が好ましい。
【0012】また、ポリプロピレン主体混練物を得る第
1の工程およびポリエチレン−ポリプロピレン樹脂混練
物を得る第2の工程の少なくともいずれか一方の工程
で、分散性や成形性の改善を補助するために充填剤を加
えても良い。ポリエチレン樹脂としては、高圧下で製造
される低密度ポリエチレン樹脂と中、低圧下で製造され
る高密度ポリエチレン樹脂と大きく二つに分けられる
が、本発明では高密度ポリエチレン樹脂を使用するのが
より好ましい。
【0013】ポリプロピレン樹脂としては、たとえば、
結晶性アイソタクチックプロピレン単独重合体やブロッ
ク共重合体などが使用できる。エチレン−プロピレン樹
脂としては、オレフィン系共重合体ゴムを使用するのが
好ましく、特に、エチレンプロピレン共重合体ゴム(E
PR)やエチレンプロピレン・ジエン三元共重合体ゴム
(EPDM)などの使用が好ましい。
【0014】充填剤としては、タルク、炭酸カルシュウ
ムなどの混練や成形時にその加工性を改善する無機性の
添加剤や、カーボンブラックなどの補強剤、その他顔
料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などのものが
有るが、それらのどの充填剤が配合されても良い。本発
明の樹脂材料を混練するための混練装置としては、単軸
押出機、2軸押出機、ニーダー、ヘンシェルミキサー、
等を利用できる。本発明では均一で微細な分散が望まし
いため2軸押出機を使用するのがより好ましい。
【0015】上記混練装置により混練された樹脂材料
は、ペレット化され射出成形するか、押出成形機でシー
ト状に成形され、次いで真空圧空成形機、スタンピング
成形機などを利用して更に賦形して最終成形品を成形す
ることができる。これら成形品として、自動車用部品の
フェンダーライナー、エンジン・アンダーカバー等があ
る。
【0016】本発明の第1の工程は、ポリプロピレン主
体混練物を調製する工程であるが、この第1の工程と同
様な工程にて調製され、その後射出成形にて成形され、
塗装されて塗膜が形成された成形製品として自動車用部
品のバンパーが知られている。このバンパーの使用済み
の廃品の粉砕物は、本発明の第1の工程で得られるポリ
プロピレン主体混練物として第2の工程で使用すること
ができる。このポリプロピレン主体混練物はポリエチレ
ン樹脂への分散性が良好であり混合材料として有用であ
る。
【0017】このバンパー廃品をポリプロピレン主体混
練物として利用する場合の配合割合は、樹脂の総量を1
00重量%としたとき、たとえば、バンパー廃品が5重
量%〜40重量%とするのが好ましい。また、上記の樹
脂総量中のバンパー廃品の混合量があまり少ないと、現
行品の耐熱性向上の目的が達成できないので好ましくな
い。バンパー廃品の量が多くなりすぎるとポリエチレン
樹脂の特性が失われるので好ましくない。
【0018】また上記バンパー廃品を利用した混練の配
合割合は、たとえば、樹脂の総量を100重量%とした
とき、バンパー廃品が10重量%(ポリプロピレン樹脂
は6重量%、エチレン−プロピレン樹脂は3重量%、タ
ルクは1重量%)〜20重量%の配合割合にするのがよ
り好ましい。バンパー廃品に塗膜が付いている場合、そ
の塗膜は予め剥離・除去しても良いが、塗膜付きのまま
で粉砕して混練に供しても特に大きな問題とはならな
い。それは、ポリエチレン樹脂との混練の際、塗膜が混
練により微細化されるためだと考えられる。したがっ
て、ポリエチレン樹脂が高密度のものであることが、こ
の効果を増大させる。
【0019】しかし、塗膜付きバンパー廃品をポリエチ
レン樹脂に混練する場合は、特に塗膜を高剪断力で微細
に分散させることができる混練装置を利用するのがより
好ましい。使用済みの樹脂部品として、バンパーのごと
き類似の組成をもつ樹脂部品であれば、バンパー以外の
樹脂部品の使用を妨げるものではない。
【0020】更に、この混練時に各成分の相溶性を改良
する作用をもつ相溶化剤の適当量(バンパー廃品とポリ
エチレン樹脂との総量を100重量%としたとき、3重
量%程度)を添加する事により、相溶性や成形性が向上
するので相溶化剤を添加する事が好ましい。
【0021】
【発明の作用および効果】本発明の調製方法の場合、何
故2種の異種の樹脂が均一で微細な混練ができるかの明
快な理由は今のところ提示できないが、エチレン−プロ
ピレン樹脂は、ポリエチレン樹脂の構成要素とポリプロ
ピレン樹脂の構成要素とを相持っており、そのためポリ
エチレン樹脂とポリプロピレン樹脂との界面にエチレン
−プロピレン樹脂が偏在することにより、2種の樹脂間
の分散剤の役目を果たし相溶性を高めているのではない
かと推定される。
【0022】本発明の樹脂成形材料の調製方法は、ポリ
エチレン樹脂の成形性、耐熱性、耐衝撃性が向上する。
特に、この混合材料の成形シートを真空圧空成形する
と、成形時に材料の溶融時の延伸性が向上し、成形性が
著しく改善できる。また、エチレン−プロピレン樹脂を
含むポリプロピレン樹脂としてバンパーの廃品を利用し
た場合には、ポリエチレン樹脂との大変良い混練性を示
すので、バンパーの廃品を有効に利用することができ
る。この場合バンパーの廃品に塗膜が存在しても、塗膜
が微細に粉砕されるため必ずしも塗膜の剥離や除去を要
しない。したがって、バンパーの廃材の利用は、材料の
有効利用と経済性の向上をもたらすことになる。
【0023】
【実施例】以下本発明を、実施例で説明する。 (実施例1)本発明の樹脂成形材料の調整方法により得
た成形材料を、成形品としてフェンダーライナーの成形
に適用した例で説明する。
【0024】ポリプロピレン主体混練物としてバンパー
の廃品(塗膜付き)を使用して、第1の工程を省略し
た。第2の工程は高密度ポリエチレン樹脂(以下高密度
PEという)ペレットとバンパーの廃品(塗膜付き)を
使用した。これら材料の混合割合は、高密度PEペレッ
トとバンパーの廃品との総量を100重量%とした時
に、高密度PEペレットが95重量%、バンパーの廃品
が5重量%とした。但しバンパーの廃品の中の材料の配
合割合は、ポリプロピレン樹脂(以下PPという)とエ
チレン−プロピレン樹脂(以下EPRという)とタルク
との総量を5重量%とした時に、PPが3重量%、EP
Rが1.5重量%、タルクが0.5重量%の割合であ
る。
【0025】この混合材料をスクリュー式2軸押出機に
より混練し、温度230℃で押出機より出る混練材料を
切断してペレット化した。このペレット化された混練材
料を用いて押出機で200℃で押出しシート状に成形し
た後、真空圧空成形機にて成形温度140℃で真空圧空
成形によりフェンダーライナーの形状に賦形し切断およ
びトリミングして成形品とした。これを試料1とした。
この試料1の配合割合と品質評価結果とを纏めて第1表
に示す。 (実施例2) 実施例1において樹脂の配合割合を下記のように変えた
以外は実施例1と同様の方法で混練、成形をおこない試
料2とした。配合割合は、高密度PEペレットが90重
量%、バンパーの廃品が10重量%とした。但しバンパ
ーの廃品の中の材料の配合割合は、PPとEPRとタル
クとの総量を10重量%とした時に、PPが6重量%、
EPRが3重量%、タルクが1重量%のものを用いた。
この試料2の配合割合と品質評価とを第1表に示す。 (実施例3) 実施例1において樹脂の配合割合を下記のように変えた
以外は実施例1と同様の方法で混練、成形をおこな
料3とした。配合割合は、高密度PEペレットが80重
量%、バンパーの廃品が20重量%とした。但しバンパ
ーの廃品の中の材料の配合割合は、PPとEPRとタル
クとの総量を20重量%とした時に、PPが12重量
%、EPRが6重量%、タルクが2重量%のものを用い
た。この試料3の配合割合と品質評価とを第1表に示
す。 (実施例4) 実施例1において樹脂の配合割合を下記のように変えた
以外は実施例1と同様の方法で混練、成形をおこな
料4とした。配合割合は、高密度PEペレットが70重
量%、バンパーの廃品が30重量%とした。但しバンパ
ーの廃品の中の材料の配合割合は、PPとEPRとタル
クとの総量を30重量%とした時に、PPが18重量
%、EPRが9重量%、タルクが3重量%のものを用い
た。この試料4の配合割合と品質評価とを第1表に示
す。 (実施例5) 実施例1において樹脂の配合割合を下記のように変えた
以外は同様の方法で混練、成形をおこな試料5とし
た。配合割合は、高密度PEペレットが60重量%、バ
ンパーの廃品が40重量%とした。但しバンパーの廃品
の中の材料の配合割合は、PPとEPRとタルクとの総
量を40重量%とした時に、PPが24重量%、EPR
が12重量%、タルクが4重量%のものを用いた。この
試料5の配合割合と品質評価とを第1表に示す。 (実施例6) 新材のPPペレット60重量%、新材のEPRペレット
30重量%および新材のタルク10重量%を均一になる
まで押出機で混練し、ペレット化した(第1の工程)。
【0026】次にこの混練物ペレット10重量%と高密
度PEペレット90重量%とを実施例1と同じ方法で混
練して成形し、これを試料6とした(第2の工程)。こ
の試料6の配合割合と品質評価結果とを第1表に示す。 (比較例1)フェンダーライナーの成形材料として、バ
ンパーの廃品(塗膜付き)だけを使用した。バンパーの
廃品の中の材料の配合割合は、総量を100重量%とし
た時に、PPが60重量%、EPRが30重量%、タル
クが10重量%である。
【0027】このパンパー廃品の粉砕物を実施例1と同
様の方法でフェンダーライナーとして成形をおこなっ
た。しかし、この材料ではフェンダーライナーに賦形さ
れた成形品が得られなかった。 (比較例2) フェンダーライナーを成形材料として、新材PPペレッ
トだけを使用して、実施例1と同様の方法でフェンダー
ライナーを成形した。この場合もフェンダーライナーに
賦形された成形品が得られなかった。したがって、フェ
ンダーライナーの成形材料としてポリプロピレン樹脂の
みでは成形ができなかった。 (比較例3) フェンダーライナーの成形材料として、高密度PEペレ
ットと新材PPペレットと新材EPRペレットとを使用
した。材料の混合割合は、総量を100重量%とした時
に、高密度PEペレットが90重量%、新材PPペレッ
トが7重量%、新材EPRペレットが3重量%とした。
この材料を用いて実施例1と同様の方法でフェンダーラ
イナーとして試料Cを成形した。この試料Cの配合割合
と品質評価とを第1表に示す。 (比較例4) フェンダーライナーの成形材料として、高密度PEペレ
ットと新材PPペレットを使用した。材料の混合割合
は、総量を100重量%とした時に、高密度PEペレッ
トが90重量%、新材PPペレットが10重量%とし
た。この材料を用いて実施例1と同様の方法でフェンダ
ーライナーとして試料Dを成形した。この試料Dの配合
割合と品質評価とを第1表に示す。 (比較例5) フェンダーライナーの成形材料として、高密度PEペレ
ットと新材EPRペレットを使用した。材料の混合割合
は、総量を100重量%とした時に、高密度PEペレッ
トが95重量%、新材EPRペレットが5重量%とし
た。この材料を用いて実施例1と同様の方法でフェンダ
ーライナーとして試料Eを成形した。この試料Eの配合
割合と品質評価とを第1表に示す。 (比較例6) 実施例1において樹脂の配合割合を下記のように変えた
以外は同様の方法で混練、成形をおこな試料Fとし
た。配合割合は、高密度PEペレットが98重量%、バ
ンパーの廃品が2重量%とした。但しバンパーの廃品の
中の材料の配合割合は、PPとEPRとタルクとの総量
を2重量%とした時に、PPが1.2重量%、EPRが
0.6重量%、タルクが0.2重量%のものを用いた。
この試料Fの配合割合と品質評価とを第1表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(品質評価方法1−分散性) 高密度PE中でのPPとEPRの分散性の評価方法は、
実施例1〜と比較例A〜Fの試料であるフェンダーラ
イナーの切片を透過型電子顕微鏡写真で観察し評価し
た。その基準は、高密度PEのマトリックス中にPPあ
るいはEPRの未分散の塊が観察された場合を×、塊が
観察されなかった場合を○とした。それぞれの結果を第
1表に示す。 (品質評価方法2−成形性) 成形性の評価方法は、実施例1〜と比較例A〜Fのフ
ェンダーライナー成形品を成形している時に以下の項目
を基準として評価した。そして成形可能でかつ以下の項
目をすべて満足するものを○、成形は可能だが以下の項
目のいずれかが不足するものを△、成形不可を×とし
た。
【0030】成形性×のものは、成形品の品質評価の次
の項目である(品質評価方法3−耐熱性)と(品質評価
方法4−耐衝撃性)は評価の対象とはしなかった。それ
ぞれの結果を第1表に示す。 成形性の評価基準項目 (1) 重量のバラツキ:1%以内。
【0031】(2) 成形品に変形、亀裂、割れ、穴、
等の欠陥がないこと。 (品質評価方法3−耐熱性) 耐熱性の評価方法として、JIS K 7207(硬質
プラスチックの荷重たわみ温度試験方法)のB法によ
り、上記評価を終えた実施例1〜と比較例C〜の試
料の荷重たわみ温度を測定した。
【0032】試験に使用した試験片の寸法は試験方法の
規格に準じているが参考のために示すと、幅4.0±
0.2mm、高さ10.0±0.2mm、長さ110m
m以上である。現行品の高密度PE成形品の荷重たわみ
温度は60℃であるので、温度基準を60℃とし、荷重
たわみ温度が60℃以上のものを○、荷重たわみ温度が
60℃で現行品と同等のものを△とした。それぞれの結
果を第1表に示す。 (品質評価方法4−耐衝撃性) 耐衝撃性の評価方法として、実施例1〜と比較例C〜
の試料のアイゾット衝撃強度を測定した。
【0033】なおアイゾット衝撃強度はASTMD25
6のTest Method A Cantilever Beam (IZOD−TY
PE)によって−30℃におけるアイゾット衝撃強度を
測定した。試験に使用した試験片の寸法は、JIS K
7110(硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験方
法)の規格の2号試験片を使用し、ノッチ付きで幅bの
寸法は12.7mmとした。
【0034】評価基準は、アイゾット衝撃強度が、10
0J/m以上のものを○、アイゾット衝撃強度が、10
0J/m以下のものを×とした。それぞれの結果を第1
表に示す。 (品質評価方法5−経済性、コスト)経済性、コストの
評価方法として、従来品の高密度PEによる成形品と比
較して評価した。
【0035】バンパーの廃品を使用する場合は当然経済
性、コストが有利なためこの場合を○とし、新のP
P、EPRペレットを使用する場合を×とした。それぞ
れの結果を第1表に示す。 (評価結果) 第1表に示すように実施例1〜は、いずれの品質評価
方法においても良好な結果が得られた。これは実施例6
を除きポリプロピレン樹脂とエチレン−プロピレン樹脂
とを混練したポリプロピレン主体混練物を、バンパー廃
品に置き換えて実施したものであるが、本発明の調整方
法である第2の工程でポリプロピレン主体混練物がポリ
エチレン樹脂に均一に分散した結果上記の各特性が付与
されたものである。
【0036】比較例1のバンパー廃品は、単独では成形
できなかった。また比較例2のポリプロピレン樹脂単独
でも本成形品は成形できなかった。比較例3の高密度P
EにPPおよびEPRの新材を添加して混練した試料
C、比較例4のPP新材を添加した試料D、比較例5の
EPR新材を添加した試料Eは第2の工程のみでの混練
では分散性が不十分で特性の向上に問題があった。比較
例6のバンパー廃品の添加量が2重量%の試料Fでは添
加量が少なすぎて耐熱性の向上が見られなかった。比較
例3〜5はそれぞれ新材を混合しているが、実施例の様
には分散せず塊状となっていた。したがって、PPとE
PR材を予め混練した後、ポリエチレン樹脂と混練する
本発明の方法により分散性が向上することを示してい
る。また、試料Fのバンパー廃品の配合量が少ない場合
は、ポリエチレン樹脂単独の場合に近くなり特性の向上
が望めない。
【0037】本実施例の樹脂成形材料を使用することに
より、真空圧空成形法などの成形が容易であり、耐熱
性、耐衝撃性に優れたフェンダライナなどの成形品を得
ることができる。しかも、添加する材料が再生材料であ
り経済性にも寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 23:00 B29K 23:00 (72)発明者 鈴木 正一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岩山 望 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 田中 達夫 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 朴 勲夫 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 山本 孝 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−38448(JP,A) 特表 平8−501591(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/00 - 3/28 C08L 1/00 - 101/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹
    脂より少重量のエチレン−プロピレン樹脂とを混練して
    ポリプロピレン主体混練物を得る工程と、得られたポリ
    プロピレン主体混練物と該ポリプロピレン主体混練物よ
    り大重量のポリエチレン樹脂とを混練しポリエチレン主
    体混練樹脂を得る工程と、からなることを特徴とする樹
    脂成形材料の調製方法。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹
    脂より少重量のエチレン−プロピレン樹脂とからなるポ
    リプロピレン主体混練物を、該ポリプロピレン主体混練
    物より大重量のポリエチレン樹脂と混練しポリエチレン
    主体混練樹脂を得ることを特徴とする樹脂成形材料の調
    製方法。
  3. 【請求項3】混練樹脂総量を100重量%としたとき、
    該ポリプロピレン樹脂は3〜24重量%、該エチレン−
    プロピレン樹脂は1.5〜12重量%、該ポリエチレン
    樹脂は60〜95重量%である請求項1または請求項2
    記載の樹脂成形材料の調製方法。
  4. 【請求項4】ポリプロピレン主体混練物を得る工程およ
    びポリエチレン主体混練樹脂を得る工程の少なくともい
    ずれか一方の工程では、混練物に充填材が混入される請
    求項1または請求項2記載の樹脂成形材料の調製方法。
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