JP2013146920A - 籾殻含有樹脂組成物の製造方法、籾殻含有樹脂組成物、及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】籾殻粉体及び樹脂を含む原材料を分散及び混合して混合物を得る第一の工程と、その長さが1000〜2000mmの相互にかみ合う二以上のスクリューねじを有する造粒機を用いて、前記混合物を造粒する第二の工程と、を含み、前記籾殻粉体の含有割合が50質量%超である籾殻含有樹脂組成物を得る籾殻含有樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明の籾殻含有樹脂組成物の製造方法は、籾殻粉体及び樹脂を含む原材料を分散及び混合して混合物を得る第一の工程と、その長さが1000〜2000mmの相互にかみ合う二以上のスクリューねじを有する造粒機を用いて、混合物を造粒する第二の工程を含む。
第一の工程では、籾殻粉体及び樹脂を含む原材料を分散及び混合して混合物を得る。第一の工程で使用する混合機は、籾殻粉体及び樹脂を含む原材料を分散し分散物を得る分散部と、分散物を混合し混合物を得る混合部を備えることが好ましい。分散部は、縦方向に回転する撹拌羽根を有し、籾殻粉体及び樹脂を含む原材料を分散し、分散物を得る構造であることが好ましい。混合部は、分散部で得られた分散物を混合し、混合物を得る構造であることが好ましい。
樹脂としては、天然樹脂、セルロース系樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂などの汎用樹脂を用いることができ、これらの樹脂は、新規なバージン樹脂であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも記す)ボトルのような使用済の各種成形品を粉砕、又は造粒したものであってよい。
籾殻粉体は、籾殻を粉砕して得られる。籾殻粉体の平均粒径は0.05〜3.0mmとすることが好ましい。籾殻粉体の平均粒径を0.05mm未満にすることは不可能ではないが、経済的には不利になる傾向にある。一方、平均粒径が3.0mmを超えると樹脂との混合が困難となる場合がある。また、平均粒径が1.0mmを超えると得られる籾殻含有樹脂組成物に籾殻粉体の凝集物が含まれる場合があり、この籾殻含有樹脂組成物を用いて成形された成形品の見た目が悪くなる場合がある。従来の混合機及び造粒機を使用して籾殻粉体と樹脂を混合及び造粒する場合には、その平均粒径が0.2mm以下の籾殻粉体を用いる必要があった。これは、造粒機の造粒部において、平均粒径が大きすぎる籾殻粉体はスクリューの先端方向に運搬されにくいので、造粒部が破損する可能性があるためである。
第二の工程では、その長さが1000〜2000mmの相互にかみ合う二以上のスクリューねじを有する造粒機を用いて、混合物を造粒する。第二の工程で使用する造粒機は、スクリューねじ同士の間隙を周期的に増加及び減少させることが可能な造粒部を備えることが好ましい。また、スクリューねじは、コニカルスクリューねじ(以下、「スクリューねじ」とも記す)を用いることが好ましい。ここで、コニカルスクリューねじとは、円錐状に先細りになっているスクリューねじのことをいう。スクリューねじがコニカル形状であることにより、処理可能な混合物の量を適宜スクリュー先端方向に連続的に運搬すると同時に、混合物を造粒することができる。このため、その長さが3000〜4000mmの既存の平行スクリューねじと比較して、コニカルスクリューねじは、より短いスクリューねじ長で、混合物を均一に造粒することが可能である。そのため、スクリューねじ長が短い分、短時間で造粒ができるため、混合物が凝集体を形成する前に造粒することができる。さらに、熱をかけながら混合物を造粒する場合でも、得られた籾殻含有樹脂組成物に焼け、焦げが生じないため好適である。
本発明で得られる籾殻含有樹脂組成物には、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、他の充填剤などの他の添加剤も本発明の目的達成を妨げない範囲において含有させることができる。
本発明の籾殻含有樹脂組成物は、前述の籾殻含有樹脂組成物の製造方法によって製造されたものである。このため、本発明の籾殻含有樹脂組成物に含有される籾殻粉体の割合は50質量%超であり、好ましくは55質量%超である。籾殻粉体の含有割合を50質量%超とすることにより、樹脂の使用量を減らすことができ、原材料コストを低下させることができる。また、焼却時の発生熱量を低下させることができるため、焼却炉の損傷を抑制することができる。さらに、樹脂製品としてみなされなくなるので製品回収上の義務がなくなり、回収コストを低下させることができる。また、本発明の籾殻含有樹脂組成物は、籾殻粉体の含有割合が80質量%以下であることが好ましい。80質量%超になると籾殻含有樹脂組成物の成形性が低下する傾向にある。
本発明の成形品は、上記の籾殻含有樹脂組成物を成形して得られたものである。籾殻含有樹脂組成物は、従来公知の成形方法によって成形することができる。成形方法の具体例としては、射出成形法、真空成形法などを挙げることができる。このようにして得られる本発明の成形品は、レジ袋、ゴミ袋、食器、食品容器、食器棚、テーブル、椅子、又は自動車用内装部材として好適である。これらの成形品は、籾殻粉体の含有割合が高いため、籾殻の持つ抗菌作用を顕著に有する。このため、これらの成形品は、食品の鮮度の維持、防カビ・消臭等の効果も期待できる。
ポリエチレン49.9部、籾殻粉体(平均粒径0.1mm)50.1部を特許第2904770号公報に記載の図2及び3に示される混合機と同様の混合機を用いて分散及び混合した。その後、押出機(コニカルスクリューねじ、スクリュー長:1300mm、シリンダー温度:入口180℃;出口200℃、スクリュー回転速度200rpm、商品名「MAS同方向回転コニカル押し出し機」、Maschinen und Anlagenbau Schulz GmbH製)にて造粒し、ペレット状の籾殻含有樹脂組成物(籾殻粉体の含有割合:50.1%)を得た。
実施例1と同様にして、複数のペレット状の籾殻含有樹脂組成物を得た。これらの籾殻含有樹脂組成物の物性を表1に示す。
ポリエチレン49.9部、籾殻粉体(平均粒径0.1mm)50.1部を特許第2904770号公報に記載の図2及び3に示される混合機と同様の混合機を用いて混合した。その後、40m/m押出機(L/D=28、C.R.=3.1、ダルメージ付きスクリュー、スクリュー長:3000mm、シリンダー温度130℃、スクリュー回転速度70rpm)にて混練し、ペレット状の籾殻含有樹脂組成物(籾殻粉体の含有割合:50.1%)を得た。
比較例1と同様にしてペレット状の籾殻含有樹脂組成物を得た。これらの籾殻含有樹脂組成物の物性を表1に示す。
上記で得られた籾殻含有樹脂組成物を用いて、籾殻含有樹脂組成物の粒子の均一分散性の評価を目視にて行った。結果を表1に示す。本発明においては、粒子の均一分散性の評価基準で、「○」を許容できるレベル、「△」、及び「×」を許容できないレベルとした。
○:粒子が均一に分散しており、表面が平滑であった。
△:粒子が均一に分散しているが、わずかに粗粒子が混ざっていた。
×:粗粒子が混ざっており、均一分散性に欠けていた。
実施例1で得たペレット状の籾殻含有樹脂組成物をインフレーション装置(40m/m押出機、内径50m/mインフレーションダイ、シリンダー温度140℃、スクリュー回転速度60rpm)に投入し、膜厚40μmの淡褐色のポリエチレンフイルムを得た。得られたフイルムを用いて内容量45リットルのゴミ袋を作製した。
実施例10と同様にして、実施例4及び7で得た籾殻含有樹脂組成物を用いて、ゴミ袋を作製した。
籾殻粉体を使用しなかったこと以外は実施例10と同様にして、ゴミ袋を作製した。これらのゴミ袋の組成、及び物性を表2に示す。
実施例1で得た籾殻含有樹脂組成物(籾殻粉体の含有割合:50.1%)をTダイにより押し出し、厚み1.0mmのシート状物を成形した。
市販の発泡スチレン製の同形の食品容器を用いて、実施例13と同様に新鮮なバナナを密封した。その結果、3日後にはバナナの表面にかなりの変色が認められた。また、この食品容器に皮をむいた林檎を入れ、上部を薄いポリ塩化ビニリデンフイルムを用いてラッピングして密封した。その結果、1日後には林檎の表面にかなりの変色が認められた。
Claims (7)
- 籾殻粉体及び樹脂を含む原材料を分散及び混合して混合物を得る第一の工程と、
その長さが1000〜2000mmの相互にかみ合う二以上のスクリューねじを有する造粒機を用いて、前記混合物を造粒する第二の工程と、を含み、
前記籾殻粉体の含有割合が50質量%超である籾殻含有樹脂組成物を得る籾殻含有樹脂組成物の製造方法。 - 前記造粒機が、前記スクリューねじ同士の間隙を周期的に増加及び減少させることが可能な造粒部を備えており、前記混合物の混練と押し潰しを同時に行う請求項1に記載の籾殻含有樹脂組成物の製造方法。
- 前記籾殻粉体の平均粒径が、0.3〜1.0mmである請求項1又は2に記載の籾殻含有樹脂組成物の製造方法。
- 前記籾殻粉体の含有割合が80質量%以下である前記籾殻含有樹脂組成物を得る請求項1〜3のいずれか一項に記載の籾殻含有樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の籾殻含有樹脂組成物の製造方法によって製造された籾殻含有樹脂組成物。
- 請求項5に記載の籾殻含有樹脂組成物を成形して得られた成形品。
- レジ袋、ゴミ袋、食器、食品容器、食器棚、テーブル、椅子、又は自動車用内装部材である請求項6に記載の成形品。
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