JP3478288B2 - カレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物、カレンダー成形用組成物および成形体 - Google Patents
カレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物、カレンダー成形用組成物および成形体Info
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
優れたカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物およ
びカレンダー成形用組成物、ならびにこれからの組成物
からなる成形体に関する。
ロッド、チャンネルなどの異形押出成形体など、種々の
成形体が製造されている。しかし、従来のポリプロピレ
ン樹脂は溶融粘度の温度依存性が高く、カレンダー成形
に適した粘度とするには困難である。このため、カレン
ダー成形体の原料としてはポリ塩化ビニル(PVC)樹
脂やポリスチレン(PS)樹脂などが使用されている。
が悪いため、特定の用途、例えばケースやカードなどに
使用が限定されている。また、PVC樹脂やPS樹脂は
ガラス転移温度が高いため、そのままでは非常に硬いシ
ートしか得られない。PVC樹脂に可塑剤を配合したい
わゆる軟質PVCは可塑剤の移行の問題があり、使用さ
れなくなってきている。
ポリプロピレン樹脂として、特開昭53−119946
号にはエチレン・プロピレンランダム共重合体とプロピ
レン単独重合体との混合物、特開平8−239548号
には塩素化ゴムなどを添加したポリプロピレン樹脂組成
物、特開平10−306119号にはカレンダー成形温
度、融解温度、溶融張力、スウェル比が特定の関係にあ
るカレンダー成形用ポリプロピレン樹脂が記載されてい
る。しかし上記従来のポリオレフィン樹脂においても、
カレンダー成形性の改善は不十分である。
業界に強く求められている。製紙産業で多量に生産され
ている紙の場合、その生産工程で「紙の耳部」が発生
し、また古新聞、切手、紙幣などが回収紙(古紙)とし
て回収されるが、それらを単に焼却するのではなく、ポ
リプロピレン樹脂など樹脂の充填剤として利用する方法
が考えられている。しかし、ポリプロピレン樹脂と紙と
を単に押出成形した場合、生産性が低いほか、一番の問
題として紙の焼けたときに生じる臭気がシートに残るこ
とがあげられる。
消費されなかったものは焼却処分されており、資源の無
駄が生じている。さらに竹や炭は抗菌性を利用した製
品、ろ過材などとして利用されているが、過剰生産され
たり、消費されなかったものはごみとして処分されてお
り、資源の無駄が生じている。
ンダー成形性に優れ、しかもカレンダー成形時のロール
への巻き付きが防止され、かつ外観良好なカレンダー成
形体を容易に効率よく製造することができるカレンダー
成形用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することであ
る。本発明の他の課題は、上記カレンダー成形用ポリプ
ロピレン樹脂組成物と、紙、コーンスターチ、竹粉およ
び炭粉からなる群から選ばれる成分とを含むカレンダー
成形用組成物であって、カレンダー成形性に優れ、しか
もカレンダー成形時のロールへの巻き付きが防止され、
かつ外観良好なカレンダー成形体を容易に効率よく製造
することができるとともに、資源を有効利用することが
できるカレンダー成形用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の課題は、上記組成物からカレンダー
成形されたシートであって、容易に効率よくカレンダー
成形することができ、かつ外観良好なシート、およびこ
のシートを熱プレス、真空成形または真空圧空成形して
得られるトレー、皿、カップ、容器または建築資材を提
供することである。
成形用ポリオレフィン樹脂組成物、カレンダー成形用組
成物および成形体である。 (1) (A)メルトフローレート(ASTM D 1
238、230℃、2.16kg荷重)0.1〜3g/
10分、エチレン含有量2〜4.8重量%、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)から求められ
る分子量分布(Mw/Mn)4〜7のエチレン・プロピ
レンランダム共重合体80〜95重量%、および(B)
エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダ
ム共重合体であり、メルトフローレート(ASTM D
1238、190℃、2.16kg荷重)0.5〜5
g/10分、密度0.860〜0.895g/cm3の
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体5〜20重
量%を含むカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成
物。 (2) 上記(1)記載のカレンダー成形用ポリオレフ
ィン樹脂組成物10〜49重量%と、紙、コーンスター
チ、竹粉および炭粉からなる群から選ばれる成分51〜
90重量%とを含むカレンダー成形用組成物。 (3) 上記(1)または(2)記載の組成物をカレン
ダー成形してなるシート。 (4) 上記(3)記載のシートを熱プレス成形してな
るトレー、皿、カップ、容器または建築資材。 (5) 上記(3)記載のシートを真空成形または真空
圧空成形してなるトレー、皿、カップ、容器または建築
資材。
脂は、本発明者のこれまでの研究から弾性項を強くし、
ゴム弾性を付与した材料であることが判明した。弾性項
を上げ、ゴム弾性を強くするには無機フィラー、ゴムま
たはポリエチレン樹脂などの添加が考えられるが、無機
フィラーを添加する場合はカレンダー成形性の改善が不
十分であるほか、透明なシートを得ることはできない。
また添加するゴムなどの他の成分を添加する場合は、ポ
リプロピレン樹脂および添加剤の物性および配合量が重
要であることが明らかとなった。
ンダム共重合体(A)は、メルトフローレート(MF
R:ASTM D 1238、230℃、2.16kg
荷重)が0.1〜3g/10分、好ましくは0.3〜
0.7g/10分、エチレン含有量が2〜4.8重量
%、好ましくは3〜4重量%、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)から求められる分子量分布
(Mw/Mn)が4〜7、好ましくは5〜7のランダム
共重合体である。プロピレン含有量は95.2〜98重
量%、好ましくは96〜97重量%である。なお、分子
量分布はGPC法で、溶出溶媒としてo−ジクロロベン
ゼンを用い、標準物質として単分散ポリスチレンを用い
て測定したポリスチレン換算値である。
(A)のMFRが上記範囲にあるので、カレンダー成形
時の操作性が優れる。また分子量分布が上記範囲にある
ので、カレンダー成形して得られるシートを熱プレス、
真空成形または真空圧空成形する際にネッキング防止に
効果がある。エチレン・プロピレンランダム共重合体
(A)のエチレン含有量が上記範囲にあるので、剛性と
柔軟性とのバランスがよく、かつ透明性に優れたシート
が得られる。
形体に要求される物性に応じて前記範囲から選択され、
不透明な紙、コーンスターチ、竹粉または炭粉等の成分
(以下、紙等の成分という場合がある)入りのカレンダ
ーシートを製造する場合には低エチレン含有量のランダ
ム共重合体が使用されるが、透明なカレンダーシートを
製造する場合は高エチレン含有量のランダム共重合体を
使用するのが好ましい。
(A)は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組み合わせて使用することもできる。
ンダム共重合体(A)は公知の方法で製造することがで
き、例えばチーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触
媒などのオレフィンの立体規則性重合触媒の存在下に、
単量体を気相法、バルク法、スラリー法などの公知の重
合法により重合させることにより製造することができ
る。
ンランダム共重合体(B)は、エチレンと炭素数4〜1
0のα−オレフィンとのランダム共重合体であり、メル
トフローレート(ASTM D 1238、190℃、
2.16kg荷重)が0.5〜5g/10分、好ましく
は1〜5g/10分、密度が0.860〜0.895g
/cm3、好ましくは0.860〜0.880g/cm3
のランダム共重合体である。
体(B)のMFRが上記範囲にあるので、エチレン・プ
ロピレンランダム共重合体(A)との相分離に際し、良
好な分散状態を形成することができる。エチレン・α−
オレフィンランダム共重合体(B)の密度が上記範囲に
あるので、カレンダー成形して得られるシートをプレス
成形、真空成形または真空圧空成形して得られるトレ
ー、皿、カップ、容器または建築資材等の成形体の耐衝
撃性が良好である。
体(B)を構成する炭素数4〜10のα−オレフィンと
しては、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンがあげられ
る。これらは1種単独で使用することもできるし、2種
以上を組み合わせて使用することもできる。これらの中
では、炭素数4〜8のα−オレフィンが好ましく、特に
1−オクテンが好ましい。
体(B)の具体的なものとしては、エチレン・1−ブテ
ンランダム共重合体、エチレン・1−ヘキセンランダム
共重合体、エチレン・1−オクテンランダム共重合体な
どがあげられる。これらの中ではエチレン・1−オクテ
ンランダム共重合体が好ましい。
体(B)はメタロセン系触媒を用いて重合して得られる
ものが好ましい。エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体(B)は1種単独で使用することもできるし、2
種以上を組み合わせて使用することもできる。
ンランダム共重合体(B)は公知の方法で製造すること
ができ、例えばチーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン
系触媒などのオレフィンの立体規則性重合触媒の存在下
に、単量体を気相法、バルク法、スラリー法などの公知
の重合法により重合させることにより製造することがで
きる。
樹脂組成物(以下、単にポリプロピレン樹脂組成物とい
う場合がある)の各成分の含有量は前記エチレン・プロ
ピレンランダム共重合体(A)80〜95重量%、エチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(B)5〜20
重量%、好ましくはエチレン・プロピレンランダム共重
合体(A)90〜95重量%、エチレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体(B)5〜10重量%である。両成
分の含有量が上記範囲にあるので、剛性と耐衝撃性との
バランスに優れ、かつカレンダー成形性に優れたポリオ
レフィン樹脂組成物が得られる。
エチレン・プロピレンランダム共重合体(A)およびエ
チレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の必須
成分に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、造核
剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオ
ウ系酸化防止剤、熱安定剤、中和剤、耐候安定剤、耐光
安定剤、帯電防止剤、顔料などの公知の添加剤を配合す
ることができる。
チレン・プロピレンランダム共重合体(A)およびエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(B)ならびに
必要により配合する他の成分を前記配合量で溶融混練す
ることにより製造することができる。溶融混練方法は特
に制限されず、例えばヘンシェルミキサーで融点近傍ま
で回転攪拌・分散溶融混合する方法が特に好ましい方法
として例示されるが、その他にもミキシングロール、イ
ンテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニー
ダー)、一軸または二軸押出機などの公知の溶融混練装
置を用いて、ポリオレフィン樹脂の分野において実施さ
れている公知の溶融混練方法を適用して各成分が均一に
なるように溶融混練する方法などがあげられる。
ンダー成形を行うことにより、透明で柔軟性のあるシー
ト(カレンダー成形体)を得ることができる。このシー
トは熱プレスなどの成形により、クリアーファイル、ト
レー、皿、カップ、容器など、特にクリアーファイルに
好適に使用できる。また紙、コーンスターチ、竹粉、炭
粉などに配合して、カレンダー成形用組成物として使用
することができる。
リオレフィン樹脂組成物および紙等の成分を含む組成物
である。紙等の成分は粉砕状態のものを使用するのが好
ましく、特に粉砕微粉を使用するのが好ましい。粉砕状
態の紙等の成分の大きさは特に限定されないが、平均粒
子径が通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜2μ
m、長径の長さが通常0.1〜2mm、好ましくは0.
1〜0.5mmであるのが望ましい。
れず、未使用の紙でも、紙の製造工程で発生する耳部分
でも、各種回収紙などでもよいが、本発明の課題は資源
の有効利用にあるので、リサイクルされる紙、例えば製
造工程で発生する耳部分または各種回収紙が好ましい。
回収紙の種類は限定されず、切手、はがき、紙幣、新
聞、雑誌などの回収紙があげられる。本発明において使
用するコーンスターチに制限はないが、本発明の課題は
資源の有効利用にあるので、これまでは焼却処分、廃棄
されていたコーンスターチを使用するのが好ましい。
が、本発明の課題は資源の有効利用にあるので、これま
では焼却処分、廃棄されていた竹や竹粉を使用するのが
好ましく、粉状でない竹の場合には前記粒径となるよう
に粉砕して使用するのが好ましい。本発明において使用
する炭粉に制限はないが、本発明の課題は資源の有効利
用にあるので、これまでは焼却処分、廃棄されていた炭
や炭粉を使用するのが好ましく、粉状でない炭の場合に
は前記粒径となるように粉砕して使用するのが好まし
い。
の含有量は前記ポリオレフィン樹脂組成物10〜49重
量%、紙等の成分51〜90重量%、好ましくはポリオ
レフィン樹脂組成物15〜49重量%、紙等の成分51
〜85重量%であるが、二次加工性の観点から紙等の成
分は51〜60重量部であるのが特に好ましい。
記ポリオレフィン樹脂組成物を単独で使用する場合に比
べてカレンダー成形性に優れ、かつ外観良好なカレンダ
ー成形体を得ることができる。また紙等の成分を51重
量%以上とすることで、トレー、皿、カップ、容器また
は建築資材などとして好適に使用することができ、使用
後は可燃物として処理することができる。
ポリプロピレン樹脂組成物を使用しているので、ポリエ
チレン樹脂や変性ポリプロピレン樹脂などの他の改質材
を添加する必要はないが、添加することもできる。また
本発明のカレンダー成形用組成物には、必須成分である
ポリプロピレン樹脂組成物および紙等の成分に加えて、
本発明の目的を損なわない範囲で、造核剤、フェノール
系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止
剤、熱安定剤、中和剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電
防止剤、顔料などの公知の添加剤を配合することができ
る。
リプロピレン樹脂組成物および紙等の成分ならびに必要
により配合する他の成分、あるいは前記エチレン・プロ
ピレンランダム共重合体(A)、エチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(B)および紙等の成分ならびに
必要により配合する他の成分を、前記配合量で溶融混練
することにより製造することができる。溶融混練方法は
特に制限されず、例えばヘンシェルミキサーで融点近傍
まで回転攪拌・分散溶融混合する方法が特に好ましい方
法として例示されるが、その他にもミキシングロール、
インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニ
ーダー)、一軸または二軸押出機などの公知の溶融混練
装置を用いて、ポリオレフィン樹脂の分野において実施
されている公知の溶融混練方法を適用して各成分が均一
になるように溶融混練する方法などがあげられる。
レン樹脂組成物またはカレンダー成形用組成物を公知の
カレンダー成形法によりカレンダー成形して得られる薄
肉から厚肉のカレンダー成形体である。シートの厚さは
限定されないが、通常0.2〜0.8mm、好ましくは
0.4〜0.6mmであるのが望ましい。
置を用いて、公知のカレンダー成形方法により製造する
ことができる。例えば、前記ポリプロピレン樹脂組成
物、またはカレンダー成形用組成物の成分である前記ポ
リプロピレン樹脂組成物と紙等の成分とをダイスのない
押出機に仕込んで樹脂を溶融させた後、カレンダーロー
ルへ押し出し、次に連続的にロール巻き取りし、さらに
冷却後、巻き取りまたは切断して製造される。この場
合、前記ポリプロピレン樹脂組成物を使用しているの
で、押出物がカレンダーロールに巻き付くことなく、し
かも従来通りのPVC用カレンダー装置を用いて、良好
な外観を有するシートを生産性よく製造することができ
る。
カレンダー成形用組成物からは、外観良好なカレンダー
成形体を得ることができる。またカレンダー成形時にロ
ールへの巻き付きを起こすことなく、高い連続生産性を
達成することができる。さらに紙、コーンスターチ、
竹、炭などのリサイクルや有効利用に寄与することもで
きる。
カレンダー成形用組成物がカレンダー成形性に優れる理
由は明確ではないが、特定の物性を有するエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体(A)およびエチレン・α−
オレフィンランダム共重合体(B)を特定量含んでいる
ので、(A)成分および(B)成分とが相互作用してい
るとともに、一部相溶しているためではないかと推測さ
れる。(A)成分および(B)成分の相互作用は、下記
のような固体NMRによる分子運動性解析を行うことに
より、相互作用の有無および程度を推測することができ
る。
の通りである。固体状態のサンプルに、電子を高エネル
ギー状態にするため磁場を与え、スピン状態を高エネル
ギー状態にし(パルスでスピンの向きを変える)、その
後パルスを開放すると、高エネルギー状態の電子がエネ
ルギーを放出し、安定状態に戻る(元のスピン状態に戻
っていく)。この電子の挙動は、分子の運動性の違いに
よってそれぞれの成分での電子の状態、すなわち、それ
ぞれの分子の運動性を評価できる。具体的には、まずエ
チレン・プロピレンランダム共重合体(A)およびエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(B)をサンプ
ルとして、各成分単体でエネルギー放出に伴うそれぞれ
の減衰曲線を固体NMR測定装置により測定し、さらに
それらを複合(合算)したもの(combination、合成曲
線)を求める。次に、本発明の樹脂組成物について減衰
曲線を求め、この減衰曲線と上記合成曲線との差をみる
ことで樹脂組成物の二成分間の相互作用、相溶性を評価
できる。
ン樹脂組成物は、特定の物性を有するエチレン・プロピ
レンランダム共重合体(A)およびエチレン・α−オレ
フィンランダム共重合体(B)を特定量含んでいるの
で、カレンダー成形性に優れ、しかもカレンダー成形時
のロールへの巻き付きが防止され、かつ外観良好なカレ
ンダー成形体を容易に効率よく製造することができる。
本発明のカレンダー成形用組成物はカレンダー成形用ポ
リプロピレン樹脂組成物および紙等の成分を特定量含ん
でいるので、カレンダー成形性に優れ、しかもカレンダ
ー成形時のロールへの巻き付きが防止され、かつ外観良
好なカレンダー成形体を容易に効率よく製造することが
できるとともに、従来は処分されていた紙、コーンスタ
ーチ、竹、炭などを有効利用することができる。本発明
のシートは、上記組成物からカレンダー成形して得られ
るシートであるので、容易に効率よくカレンダー成形す
ることができ、かつ外観良好である。本発明のトレー、
皿、カップ、容器または建築資材は、上記シートを熱プ
レス、真空成形または真空圧空成形して得られる成形体
であるので、容易に効率よく成形することができ、かつ
外観良好である。
する。各実施例で使用した原料は次の通りである。
共重合体: MFR(ASTM D 1238、230℃、2.16
kg荷重)=0.5g/10分 全エチレン含有量=4.0重量% 分子量分布(Mw/Mn)=5.0 (a−1)エチレン・プロピレンランダム共重合体: MFR(ASTM D 1238、230℃、2.16
kg荷重)=8g/10分 全エチレン含有量=1.0重量% 分子量分布(Mw/Mn)=5.0 (a−2)エチレン・プロピレンブロック共重合体: 全エチレン含有量=9重量% ゴム量=13重量% MFR(ASTM D 1238、230℃、2.16
kg荷重)=0.5g/10分 分子量分布(Mw/Mn)=5.0
量した。またゴム量は室温p−キシレンに可溶な成分の
量として求めた。また分子量分布(Mw/Mn)はGP
Cから求めた。GPCの測定条件は次の通りである。 装置;Waters社製、150CV−plus(商
標) カラム;Shodex GPC AD−80M/S(昭
和電工(株)製、商標) カラムサイズ(内径×長さ);8mm×250mm 排除限界分子量(PEG);2×107 分離範囲;500〜20,000,000 充填材;スチレン・ジビニルベンゼン共重合体 移動相;o−ジクロロベンゼン 流量;1.0ml/min 試料濃度;0.2w/v% 注入量;0.2ml 検出器;示差屈折計 測定温度;135℃
ム共重合体: MFR(ASTM D 1238、190℃、2.16
kg荷重)=5.0g/10分 密度=0.870g/cm3 (C−1)紙: 平均粒子径=2.0μm 長さ=0.2mm (C−2)コーンスターチ: 平均粒子径=2.0μmの微粉 (C−3)竹粉: 平均粒子径=3.5μm微粉 (C−4)炭粉: 平均粒子径=3.0μm
予備混合し、ダイスのない押出機に仕込んで樹脂を溶融
させた後、カレンダーロールへ押し出し、弱延伸をかけ
ながら巻き取り、0.5mm厚のシートサンプルを得
た。このサンプルシートをヒーターで一定時間加熱し、
半溶融状態でプレス成形または真空成形して賦形し、成
形性を評価した。結果を表1に示す。
ランダム共重合体(A−1) *2 EP共重合体(a−1):エチレン・プロピレン
ランダム共重合体(a−1) *3 EP共重合体(a−2):エチレン・プロピレン
ブロック共重合体(a−2) *4 EP共重合体(B−1):エチレン・1−オクテ
ンランダム共重合体(B−1)
定装置を用いて、スピンが元に戻ろうとするときの高エ
ネルギー状態を1とし、元に戻る減衰曲線を次の条件で
求めた。 温度条件:80℃または100℃ 測定装置:JNM−MU25広幅NMR測定装置 測定法:Solid echo(90pulse2.1μs、pulse delay 4
s、積算16回) 上記で得られた減衰曲線から次の基準で評価した。 ○:組成物の運動性が合成曲線よりも高い △:組成物の運動性が合成曲線とほぼ同じ ×:組成物の運動性が合成曲線よりも低い
質)がよい ○:賦型性で深絞りが限界 △:時々穴があく ×:ほとんど穴があく *8 真空成形性: ◎:開口部1の長さに対して深さ1まで深絞りすること
ができ、かつネッキングなし ○:開口部1の長さに対して深さ0.5まで深絞りする
ことができ、かつネッキングなし ×:開口部1の長さに対して深さ0.5未満でネッキン
グが生じ、穴があく *9 外観:シート表面の状態と熱プレスまたは真空成
形後の面状態で評価した。 ◎:光沢、賦型とも良好 ○:賦型良好 △:面不良、賦型ムラあり ×:面、賦型ともに不良
比較例に比べて成形性および外観に優れており、押出機
による溶融混合およびカレンダーロールによる圧延によ
り、エチレン・プロピレンランダム共重合体(A)とエ
チレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)とが均
一に分散するとともに、エチレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(B)と紙等の成分(C)とが相互作用を
及ぼし、これによりエチレン・プロピレンランダム共重
合体(A)中でエチレン・α−オレフィンランダム共重
合体(B)と紙等の成分(C)とが均一に分散したサン
プルであることを示唆している。
を図2に示す(実施例1と比較例1とでは測定温度が異
なる)。
ンランダム共重合体(A−1)およびエチレン・1−オ
クテン共重合体(B−1)をそれぞれ単体で測定した結
果と、合成したもの(Combination、合成曲線)と、樹
脂組成物とを比較すると、組成物の減衰曲線が合成曲線
よりも上にあり、実施例の組成物は運動性が高く、エチ
レン・プロピレンランダム共重合体(A−1)およびエ
チレン・1−オクテン共重合体(B−1)間に相互作用
が非常に強いことを示唆している。一方、図2(比較
例)では、樹脂組成物の減衰曲線と合成曲線とはほぼ同
じであり、それぞれ単独であり、相互作用が皆無である
ことを示唆している。
る。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)メルトフローレート(ASTM
D 1238、230℃、2.16kg荷重)0.1〜
3g/10分、エチレン含有量2〜4.8重量%、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求
められる分子量分布(Mw/Mn)4〜7のエチレン・
プロピレンランダム共重合体80〜95重量%、および
(B)エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの
ランダム共重合体であり、メルトフローレート(AST
M D 1238、190℃、2.16kg荷重)0.
5〜5g/10分、密度0.860〜0.895g/c
m3のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体5〜
20重量%を含むカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂
組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のカレンダー成形用ポリオ
レフィン樹脂組成物10〜49重量%と、紙、コーンス
ターチ、竹粉および炭粉からなる群から選ばれる成分5
1〜90重量%とを含むカレンダー成形用組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の組成物をカレン
ダー成形してなるシート。 - 【請求項4】 請求項3記載のシートを熱プレス成形し
てなるトレー、皿、カップ、容器または建築資材。 - 【請求項5】 請求項3記載のシートを真空成形または
真空圧空成形してなるトレー、皿、カップ、容器または
建築資材。
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