JPH0711832U - ワイヤハーネスの付設コネクタ用防水キヤップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスの幹線１から引き出した電線
２に設け、回路の導通チェック用またはオプション電装
品接続用の付設コネクタ３に嵌着する防水キヤップ５に
おいて、付設コネクタ３の幹線１への係止を安定向上さ
せると共に、付設コネクタ３の使用時の作業性を向上す
る防水キヤップを提供する。 【構成】 付設コネクタ３に嵌着する防水キヤップ主部
６に、幹線１の外周に着脱自在に抱着する抱着バンド７
からなる抱着部１０を設け、防水キヤップ５に、付設コ
ネクタ３の幹線１への係止機構と、付設コネクタ３の防
水機能を併有させた構造が特徴である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車車体に配設したワイヤハーネスにおいて、ワイヤハーネスの 幹線から引き出した電線の端部に取り付けて、その幹線の外周に仮止めし、回路 の導通チェックやオプション電装品の接続用に使用されるワイヤハーネスの付設 コネクタに覆着させる防水キヤップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用ワイヤハーネスに多く用いられている前記の付設コネクタは、ワイヤ ハーネスの幹線から引き出した電線の端部に、所要のコネクタを取り付けた構造 を有し、そのコネクタ自体がテープ止めによって幹線に仮止めされる。そして、 オプション電装品用の仮設コネクタは、そのオプション電装品を取り付けるまで 、導通チェック用の仮設コネクタは、導通チェック時以外の不使用状態中、先端 の開口部にゴム製キヤップが嵌着されて防水される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上の従来のワイヤハーネスの付設コネクタのうち、導通チェック用のものは 、その導通チェックのときのみの使用となり、使用のつど仮止めテープを剥がし てコネクタを自由になすと共に、防水キヤップを外して使用可能状態になし、使 用後は再び防水キヤップを嵌め、テープ止めによる仮止め係止がなされる。従っ て、導通テスト前の準備作業と導通テスト後の後始末復元の作業が、煩雑にして 手数がかかり、その上、一時外しの防水キヤップを紛失したり、嵌め忘れをする ことがある。さらに、この導通チェック用のものは、狭い車体空間に配設された ワイヤハーネスの外周に存在して、幹線へのテープ止めがし難い空間条件の場合 が多いので、その使用後の再テープ止め作業は、極めてしづらく、往々にしてテ ープ止め不備を生じて、車体の振動によって幹線への仮止めが外れて「ブラブラ 」し、宙吊りブラブラによる電線切れ・周辺物への接触・防水キヤップなしによ る浸水等を生じてワイヤハーネスの電気的障害の原因となることがある。

【０００４】 一方、前記のオプション電装品用の付設コネクタは、オプション電装品を接続 しないものは、そのテープ止め仮係止の状態が続くので、車体振動によってテー プ止めが剥がれたり、経時劣化したテープの係止力が失われて「ブラブラ」状態 となり、前記同様の電気的障害を生ずることがある。本考案は、以上の従来技術 の難点を解消するワイヤハーネスの付設コネクタ用防水キヤップを提供するもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の技術課題を解決する本考案の付設コネクタ用防水キヤップは「ワイヤハ ーネスの幹線から引き出した電線の端部に設けた付設コネクタに嵌着する防水キ ヤップにおいて、前記付設コネクタに嵌着する防水キヤップ主部に、前記幹線へ の抱着バンドまたは前記幹線への抱着片からなる抱着部を設け、前記抱着部によ って前記付設コネクタを前記幹線の外周に係止する構造」が特徴である。

【０００６】

【作用】

以上の構成の本考案の付設コネクタ用防水キヤップは、コネクタに嵌着する防 水キヤップ主部に、幹線へ抱着する抱着部を有するので、防水キヤップ自体が、 付設コネクタのワイヤハーネス幹線への係止機能と防水機能を併有し、その抱着 部を幹線に抱着させて係止した防水キヤップ主部に、付設コネクタを嵌め外しす ることのみによって、付設コネクタを自由姿勢の使用可能状態にしたり、不使用 係止状態になすことができる。そして、その不使用係止状態の付設コネクタは、 抱着部によって機械的に安定して係止保持される。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例に基づいて詳しく説明する。まず、本考案の第一実施例を示す図 １を参照して、ワイヤハーネスの幹線１から引き出した電線２の端部に取り付け られ、ワイヤハーネス回路の導通テスト用またはオプション電装品の接続用とし て設けられた付設コネクタ３の先端に嵌着する防水キヤップ５において、この防 水キヤップ５は、付設コネクタ３の開口部に外嵌して開口部を閉じるゴム製の防 水キヤップ主部６と、この防水キャップ主部６の中間下部に一体に取り付けた抱 着バンド７が設けられ、この抱着バンド７が幹線１への抱着部１０をなしている 。

【０００８】 詳しくは、抱着バンド７は所要長の帯状バンドの中間に防水キヤップ主部６を 一体に有し、一方のバンド端にバンド挿通係止部４を有し、バンド他端をバンド 挿通係止部４に通して締め付けると、その他端側に刻設した係止溝８がバンド挿 通係止部４内の係止片（図示しない）と係合して、その締め付け状態が係止でき るようになっている。そして、図１の（Ｂ）参照、幹線１に抱着バンド７を巻き 付けて防水キヤップ主部６を、幹線１の所定位置外周に抱着固定し、この抱着姿 勢の防水キヤップ主部６に、付設コネクタ３を嵌入して、付設コネクタ３を防水 状に係止保持すると共に、付設コネクタ３を使用するときは、抱着姿勢の防水キ ヤップ主部６から、抜き出して自由姿勢にして使用するようになっている。

【０００９】 つぎに、図２〜図５を参照して本考案の他の実施例の付設コネクタ用防水キヤ ップを説明する。まず、図２のものは、図１実施例と同様な抱着バンド７を抱着 部１０となすものにおいて、抱着バンド７が防水キヤップ主部６と別体に形成さ れ、防水キヤップ主部６の外周に設けたバンド通し部９に、抱着バンド７を通し て組合せるようになっている。そして、図３のものは、同じく抱着バンド７を抱 着部１０となすものにおいて、この抱着バンド７は二重バンドの形状を有し、一 側のバンド端に突設した係止頭１１を、他側のバンド端近傍から連設した係止孔 １２のいずれかに挿着してバンド締めするようになっており、この二重形状の抱 着バンド７も、図２の（Ａ）のように、防水キヤップ主部６に一体に形成された り、図２の（Ｂ）のように、別体の抱着バンド７を防水キヤップ主部６のバンド 通し部９に通して組合せることがある。

【００１０】 一方、図４の実施例は、同じく防水キヤップ主部６と抱着部１０からなるもの において、抱着部１０が対向一対の片持弾性板の抱着片１３によって形成されて おり、この抱着片１３を弾性開きさせることによって、下方の開口部１５から幹 線１を入れて着脱自在に取り付け、抱着片１３の弾性力によって、防水キヤップ ５を幹線１に抱着係止するようになっている。

【００１１】 また、図５の実施例は、同じく防水キヤップ主部６と抱着部１０からなるもの において、防水キヤップ主部６には、コネクタ係止部１４が設けられ、幹線１に 抱着した防水キヤップ５の防水キヤップ主部６に、付設コネクタ３を挿着すると 、付設コネクタ３側の係止部が、コネクタ係止部１４と着脱自在に係合し、付設 コネクタ３への防水キヤップ５の覆着姿勢が係止される構造になっている。

【００１２】 以上の各実施例の付設コネクタ用防水キヤップ５は、前記の作用があり、ワイ ヤハーネスの幹線１に抱着係止した防水キヤップ主部６には、付設コネクタ３を 挿着脱するのみで、付設コネクタ３を自由にして使用可能状態にしたり、付設コ ネクタ３を幹線１に防水状に係止して不使用係止状態になすことができるので、 前記従来のテープ止め仮係止作業が省略されて、付設コネクタ３の使用前後の煩 雑な作業が無用になると共に、その不使用時には幹線１に安定して係止され、付 設コネクタ３が宙吊り「ブラブラ」になって電気的障害を起こす原因を解消する ことができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の説明のとおり、本考案のワイヤハーネスの付設コネクタ用防水キヤップ は、付設コネクタを使用する場合の作業性が向上すると共に、不使用状態の付設 コネクタの幹線への係止姿勢が安定し、ワイヤハーネスの電気的性能の安定維持 を図る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案第一実施例のワイヤハーネスの付設コネ
クタ用防水キヤップを示し、図中の（Ａ）はその斜視
図、図中の（Ｂ）はその使用状態の側面図

【図２】本考案の他の実施例のワイヤハーネスの付設コ
ネクタ用防水キヤップの斜視図

【図３】本考案の他の実施例のワイヤハーネスの付設コ
ネクタ用防水キヤップを示し、図中の（Ａ）（Ｂ）とも
その正面図

【図４】本考案の他の実施例のワイヤハーネスの付設コ
ネクタ用防水キヤップの斜視図

【図５】本考案の他の実施例のワイヤハーネスの付設コ
ネクタ用防水キヤップの斜視図

【符号の説明】

１ ワイヤハーネスの幹線 ２ 電線 ３ 付設コネクタ ４ バンド挿通係止部 ５ 防水キヤップ ６ 防水キヤップ主部 ７ 抱着バンド ９ バンド通し部 １０ 抱着部 １１ 係止頭 １２ 係止孔 １３ 抱着片 １４ コネクタ係止部 １５ 開口部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤハーネスの幹線から引き出した電
   線の端部に設けた付設コネクタに嵌着する防水キヤップ
   において、前記付設コネクタに嵌着する防水キヤップ主
   部に、前記幹線への抱着バンドまたは前記幹線への抱着
   片からなる抱着部を設け、前記抱着部によって前記付設
   コネクタを前記幹線の外周に係止する構造を特徴とする
   ワイヤハーネスの付設コネクタ用防水キヤップ。