JPH07118313A - オフセット枚葉印刷紙塗工用ラテックス及びオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物 - Google Patents

オフセット枚葉印刷紙塗工用ラテックス及びオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物

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JPH07118313A
JPH07118313A JP21684593A JP21684593A JPH07118313A JP H07118313 A JPH07118313 A JP H07118313A JP 21684593 A JP21684593 A JP 21684593A JP 21684593 A JP21684593 A JP 21684593A JP H07118313 A JPH07118313 A JP H07118313A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライピック強度及びウェットピック強度を
併せもち且つそれらのバランスに優れる塗工紙を得るた
めのオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物及びそれに用い
るラテックスを提供する。 【構成】 2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン
−4−チオール0.5部を連鎖移動剤として用いて、ブ
タジエン45重量部、スチレン20重量部、メタクリル
酸メチル16重量部、アクリロニトリル15重量部、ア
クリルアミド1重量部、イタコン酸2重量部及びアクリ
ル酸1重量部からなる単量体を乳化重合し、ゲル含量7
3%のオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテックスを得る。
このラテックスと顔料とを混合し攪拌してオフセット枚
葉印刷紙塗工用組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット枚葉印刷紙塗
工用組成物及びそれに用いるラテックスに関する。更に
詳しくは高いドライピック強度及びウェットピック強度
を併せもち且つそれらのバランスに優れる塗工紙を得る
ためのオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物及びそれに用
いるラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフセット枚葉印刷技術の急速な
発達に伴い、塗工紙に要求される性能もきびしくなって
おり、例えば、ドライピック強度とウェットピック強度
との相矛盾した特性を両方とも向上させ、そのバランス
が良好な塗工紙を得るためのオフセット枚葉印刷紙塗工
用組成物が求められている。オフセット枚葉印刷紙塗工
用組成物に用いるラテックスとしては、一般にゲル含量
の高いラテックスが用いられている。ラテックスのゲル
含量を調整する方法としては、t−ドデシルメルカプタ
ン、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤の存
在下に、単量体を重合する方法が知られている。しか
し、この方法で得られるラテックスを塗工して得られる
塗工紙はドライピック強度とウェットピック強度とのバ
ランスが不十分で、ドライピック強度またはウェットピ
ック強度のどちらかが低くなり、上記要求を十分満足す
るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ドラ
イピック強度及びウェットピック強度を併せもち且つそ
れらのバランスに優れる塗工紙を得るためのオフセット
枚葉印刷紙塗工用組成物及びそれに用いるラテックスを
提供することにある。本発明者らは、上記目的を達成す
るために鋭意研究を行った結果、特定の化合物を連鎖移
動剤として用い、乳化重合して得られる共重合体ラテッ
クスを用いることによって、本目的を達成できることを
見いだし、本発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、脂肪族共役ジエン単量体20〜60重量%、芳香族
ビニル単量体5〜60重量%及びこれらと共重合体可能
なエチレン性不飽和単量体0〜75重量%からなる単量
体を連鎖移動剤の存在下に乳化重合して得られる、ゲル
含量が60〜90重量%である共重合体のラテックスで
あって、少なくとも1個の第3級ブチル基を有し且つ全
炭素原子数が7〜16個である第3級メルカプタンを連
鎖移動剤として用いて得られることを特徴とするオフセ
ット枚葉印刷紙塗工用ラテックスが提供される。また、
本発明によれば、前記ラテックスと顔料とを必須成分と
するオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物が提供される。
【0005】本発明のオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテ
ックスは、少なくとも1個の第3級ブチル基を有し且つ
全炭素原子数が7〜16個である第3級メルカプタンを
連鎖移動剤として用いて、脂肪族共役ジエン単量体、芳
香族ビニル単量体及びこれらと共重合体可能なエチレン
性不飽和単量体からなる単量体を乳化重合して得られる
ものである。
【0006】本発明に用いる連鎖移動剤は、少なくとも
1個の第3級ブチル基を有する第3級メルカプタンであ
る。また、本発明に用いる連鎖移動剤は、その全炭素原
子数が7〜16個、好ましくは10〜13個である。炭
素数がこの範囲外では、塗工紙のドライピック強度及び
ウェットピック強度のバランスが悪くなる。
【0007】本発明に用いる連鎖移動剤の具体例として
は、2,5,5−トリメチルヘキサン−2−チオール、
2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオ
ール、2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタン−6
−チオール、2,2,4,6,6,8,8−ヘプタメチ
ルノナン−4−チオール、2,2,5,8,8−ペンタ
メチルノナン−5−チオール、2,2,5,5,6,
8,8−ヘプタメチルノナン−6−チオール等が挙げら
れる。
【0008】連鎖移動剤の使用量は、全単量体100重
量部に対して、通常、0.05〜4重量部、好ましくは
0.1〜2重量部である。この範囲外では、塗工紙のド
ライピック強度、ウェットピック強度のバランスが悪く
なることがある。
【0009】本発明においては、前記連鎖移動剤以外
に、連鎖移動効果を有する他の化合物を必要に応じて併
用することができる。
【0010】連鎖移動効果を有する他の化合物として
は、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン(第3級ブチル基を含
有しない。)、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テ
トラデシルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタ
メチルヘプタン−4−メチレンチオール、2,4,6−
トリメチルノナン−4−チオールなどのメルカプタン;
ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサント
ゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスル
フィドなどのキサントゲンジスルフィド;テトラメチル
チウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフ
ィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラ
ムジスルフィド;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素;ペンタフェニルエタンなどの炭化水
素;アクロレイン、メタクロレイン等のα,β−不飽和
アルデヒド;アリルアルコール;2−エチルヘキシルチ
オグリコレート;テルピノーレン、α−テルピネン、β
−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン等のテルペ
ン;2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等
のα−メチルスチレンダイマー;2,5−ジヒドロフラ
ンなどが挙げられる。これら化合物のうち、t−ドデシ
ルメルカプタン、テルペン及びα−メチルスチレンダイ
マーが好適に用いられる。t−ドデシルメルカプタンの
量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.05
〜3重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部であり、
テルペン又はα−メチルスチレンダイマーの量は、全単
量体100重量部に対して、通常、0.1〜3重量部、
好ましくは0.5〜1.5重量部である。
【0011】本発明に用いる脂肪族共役ジエン単量体と
しては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン等を挙
げられる。
【0012】本発明に用いる芳香族ビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ハロゲン化スチレン、ジビニルスチレン等が挙げられ
る。
【0013】脂肪族共役ジエン単量体および芳香族ビニ
ル単量体と共重合可能な単量体としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロ
ロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリ
ル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン
酸、マレイン酸モノエチルなどのエチレン性不飽和カル
ボン酸単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、マレイン
酸ジブチル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド等のエチレン性不飽和アミドなどが挙げられ
る。これらの単量体は、接着強度、着肉性などの塗工紙
物性を向上させるために適宜組み合わせて使用される。
【0014】本発明に用いる各単量体の量は、全単量体
100重量部のうち、脂肪族共役ジエン単量体が20〜
60重量%、好ましくは30〜55重量%、芳香族ビニ
ル単量体が5〜60重量%、好ましくは15〜50重量
%及びこれらと共重合可能な単量体が75重量%以下、
好ましくは55重量%以下である。これらの範囲外で
は、接着強度、着肉性などの塗工紙物性のバランスが悪
くなる。
【0015】本発明のオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテ
ックスは、これを構成する共重合体のゲル含量が60〜
90重量%、好ましくは70〜85重量%である。60
重量%未満では塗工紙のドライピック強度が低くなり、
逆に90重量%を超えるとウェットピック強度が低下す
る。
【0016】本発明のオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテ
ックスは、前記連鎖移動剤の存在下に前記単量体を乳化
重合して得られる。連鎖移動剤は重合開始前に反応器に
一括添加し又は重合開始後に一括添加、分割添加あるい
は連続添加する。分割添加あるいは連続添加する場合、
添加量は均等にまたは一定にすることもでき、重合の進
行段階に応じて変えることもできる。また、連鎖移動剤
は、そのまま単独で添加してもよいし、単量体、水、重
合副資材または有機溶媒に混合し又は溶解して添加して
もよい。
【0017】本発明のオフセット枚葉印刷紙塗工用組成
物は、上記のオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテックスと
顔料とを必須成分とするものである。
【0018】本発明に用いる顔料は、紙塗工用として一
般的に用いられる粉粒状物質である。 その具体例とし
てはクレー、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、サ
チンホワイトなどの無機顔料;プラスチックピグメント
等の有機顔料が挙げられる。
【0019】顔料とオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテッ
クスとの比率は、顔料100重量部に対してオフセット
枚葉印刷紙塗工用ラテックス(固形分)が、通常、5〜
40重量部、好ましくは10〜30重量部である。
【0020】また、本発明のオフセット枚葉印刷紙塗工
用組成物は、必要に応じて他のラテックスバインダー、
水溶性高分子、分散剤、耐水化剤、消泡剤、染料、滑剤
などを配合したものであってもよい。
【0021】本発明のオフセット枚葉印刷紙塗工用組成
物は、オフセット枚葉印刷用原紙に塗布して使用する。
塗布の方法は特に限定されず、例えば、ブレードコータ
ー、ロールコーター、エアナイフコーター、ショートド
ウェルコーターなどの塗工装置を用いて塗布する。塗布
量は、通常、組成物が固形分換算で、通常、3〜30g
/m2、好ましくは5〜25g/m2になる範囲である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、高いドライピック強度
及びウェットピック強度を併せもち且つそれらのバラン
スに優れるオフセット枚葉印刷塗工紙を得ることができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部及び%は重量基準であ
る。
【0024】ラテックス及びそれを含有する紙塗工用組
成物を塗布して得られる塗工紙について、以下の方法に
従って評価した。 (ラテックスについての評価) ゲル含量 ラテックスのpHを8.0に調整した後、枠付きガラス
板に流延し、室温下に放置して乾燥した後、更に100
℃にて減圧乾燥してフィルムを得た。このフィルム0.
5gを80メッシュの金網のかごに入れて、それを20
℃のテトラヒドロフラン100mlに24時間浸漬した
後、金網のかごに残るフィルムを100℃で減圧乾燥
し、残存率を計算してゲル含量を求めた。 平均粒子径 電子顕微鏡で観察し、重合体ラテックスの粒子径を50
0個測定しその数平均値で示した。
【0025】(塗工紙についての評価) ドライピック強度 塗工紙にRIテスター(明石製作所製)を用いて、印刷
インク(タック値20)を4回重ね刷りした後、紙面の
剥がれ(ピッキング)状態を観察し5点法で評価した。
点数の高いほうがドライピック強度が高い。 ウェットピック強度 塗工紙にモルトンロールを用いて水を塗布した後、RI
テスターを用いて、印刷インク(タック値14)を4回
重ね刷りした後、ドライピック強度の評価方法と同様に
して5点法で評価した。点数の高いものほどウェットピ
ック強度が高い。 着肉性 RIテスターを用いて、金属ロールとゴムロールとの間
をわずかに開けた状態で水を流した後、プロセスインク
(東洋インク社製、マークV、黒)をベタ刷りした。印
刷インクの付き具合いを肉眼で観察し5点法で評価し
た。数値が大きいほど着肉性が高い。
【0026】実施例1 ブタジエン45部、スチレン20部、メタクリル酸メチ
ル16部、アクリロニトリル15部、アクリルアミド1
部、イタコン酸2部、アクリル酸1部、2,2,4,
6,6−ペンタメチル−ヘプタン−4−チオール0.5
部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部
を軟水50部に添加し攪拌混合してモノマーエマルジョ
ンを得た。別に攪拌機付オートクレーブに軟水34部、
過硫酸カリウム0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム1部を仕込み、80℃に加熱した後、前記モ
ノマーエマルジョンのうち10%をオートクレーブに添
加し、1時間反応させた。次に、過硫酸カリウム1.0
部及び軟水20部をオートクレーブに添加した後、残り
のモノマーエマルジョンを4時間かけて反応器に添加し
た。この間オートクレーブは80℃に維持した。モノマ
ーエマルジョン添加終了後、更に4時間、80℃を維持
し反応させた後、水蒸気を吹き込にで、未反応の単量体
を除去し、室温に冷却し、40%の水酸化ナトリウム水
溶液を添加してpHを8に調整して固形分濃度50%の
本発明の重合体ラテックスAを得た。このラテックスの
評価結果を表1に示す。
【0027】次にカオリンクレー(エンゲルハルド社
製、UW90)70部、炭酸カルシウム(三共製粉社
製、エスカロン#2000)30部、分散剤(東亜合成
社製、アロンT−40)0.15部、水酸化ナトリウム
0.15部、酸化デンプン3部及び重合体ラテックスA
10部(固形分)を混合して攪拌し、固形分濃度65
%、pH9.5の紙塗工用組成物を得た。この組成物を
上質紙に塗工量が片面当り15g/m2となるように塗
布し、塗布直後に140℃の熱風で4秒間乾燥し、20
℃、65%R.H.の恒温恒湿室内に一夜放置した。そ
の後温度40℃、線圧40Kg/cmの条件で2回スー
パーカレンダー処理を行った。この塗工紙の評価結果を
表1に示す。
【0028】実施例2〜5及び比較例1〜2 表1及び表2に示す処方に変えた他は実施例1と同じ方
法で重合体ラテックスB〜Gを得た。これらのラテック
スについて実施例1と同様に評価し、その結果を表1及
び表2に示した。
【0029】また、重合体ラテックスB〜Gを用いて実
施例1と同様にして塗工用組成物を得、さらに塗工紙を
得た。これらの塗工紙について実施例1と同様に評価
し、その結果を表1及び表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1及び表2から、少なくとも1個の第3
級ブチル基を有し且つ全炭素原子数が7〜16個である
第3級メルカプタン以外の連鎖移動剤を用いた場合(比
較例1及び2)には、ドライピック強度及びウェットピ
ック強度が不十分であることがわかる。一方、少なくと
も1個の第3級ブチル基を有し且つ全炭素原子数が7〜
16個である第3級メルカプタンを用いた場合(実施
例)には、ドライピック強度及びウェットピック強度が
高くそのバランスも良いことがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン単量体20〜60重量
    %、芳香族ビニル単量体5〜60重量%及びこれらと共
    重合体可能なエチレン性不飽和単量体0〜75重量%か
    らなる単量体を連鎖移動剤の存在下に乳化重合して得ら
    れる、ゲル含量が60〜90重量%である共重合体のラ
    テックスであって、連鎖移動剤として少なくとも1個の
    第3級ブチル基を有し且つ全炭素原子数が7〜16個で
    ある第3級メルカプタンを用いて得られることを特徴と
    するオフセット枚葉印刷紙塗工用ラテックス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオフセット枚葉印刷紙塗
    工用ラテックスと顔料とを必須成分とすることを特徴と
    するオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物。
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