JPH07118035A - セラミックス基板およびその製造方法 - Google Patents

セラミックス基板およびその製造方法

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JPH07118035A
JPH07118035A JP25988493A JP25988493A JPH07118035A JP H07118035 A JPH07118035 A JP H07118035A JP 25988493 A JP25988493 A JP 25988493A JP 25988493 A JP25988493 A JP 25988493A JP H07118035 A JPH07118035 A JP H07118035A
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glass
ceramic substrate
crystal
powder
sio
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Yoshiaki Yamade
善章 山出
Yoichi Moriya
要一 守屋
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • C03C14/004Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/14Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガラスと結晶とからなるセラミックス基板に
おいて、前記ガラスとしてMgO−Al23 −SiO
2 −B23 −R2 O系ガラス(Rはアルカリ金属を示
す)を、前記結晶としてコージェライトをそれぞれ主に
含有し、さらに石英ガラス及び/又は石英結晶を含有し
ているセラミックス基板。 【効果】 ガラスの軟化温度が720℃以下になり、8
50〜1000℃の焼成温度でも気孔率を減少させてち
密化することができ、熱膨張係数がシリコンに近く、比
誘電率が小さく、機械的強度、耐湿性、耐水性等にも優
れたセラミック基板を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス基板及びそ
の製造方法、より詳細には電子部品を搭載するための多
層配線基板として多く用いられるセラミックス基板及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高集積化したLSIや各種電子部
品を搭載する多層配線基板において、小型化、高信頼性
等の要求を満たすべく基板材料としてセラミックスが用
いられることが多くなってきている。なかでも、アルミ
ナは強度が高い等の種々の利点を有するため、前記基板
材料用のセラミックス中に占める割合は大きい。しかし
一方、前記アルミナは比誘電率が大きいため伝送信号の
遅延を生じさせ、また熱膨張係数がシリコンに比べると
かなり大きいために部品を実装する際の信頼性を確保す
るのが困難であるという問題点を有している。さらに、
アルミナの焼成温度は1550℃前後と高いため、内層
の配線として、融点が高く電気抵抗率の大きいW又はM
oを使用する必要があり、このような導体材料により構
成される配線を微細化すると電気抵抗値が大きくなると
いう問題点をも有している。
【0003】そこで、このような問題点を解決するた
め、比誘電率が小さく、熱膨張係数がシリコンの熱膨張
係数に近く、さらに例えばCu、Ag、Ag−Pd等の
低融点で低抵抗率の金属材料を内層導体として使用して
も、内層導体との同時焼成が可能なセラミックス材料を
用いた低温焼成セラミックス基板の研究開発が進められ
ている。
【0004】一般に低温焼成セラミックス基板は、ガラ
ス材料と骨材と呼ばれる結晶材料とを混合し、焼成する
ことによって製造される。しかし、ガラス材料と結晶材
料の組合せの数は極めて多い。また両者の組み合わせに
により焼成の際の相乗作用が異なり、得られるセラミッ
クス基板の特性(比誘電率、熱膨張係数、焼成温度、抗
折強度等)が変化するため、最良の組み合せを見つけ、
さらに常に一定の特性を出現させることができる安定し
た組成や構造を有するセラミックス基板を製造すること
は困難であった。
【0005】このような背景の中、比誘電率が低く、熱
膨張係数がシリコンに近いという特性を損なうことな
く、強度が大きく、信号伝達の高速化や搭載素子の高集
積化に対応できる低温焼結セラミックス基板として、特
開平2−225338号公報に開示されているようなコ
ージェライト(2MgO・2Al23 ・5SiO2
系結晶化ガラスや、特開平2−225339号公報や特
開平2−225340号公報に開示されているようなコ
ージェライト結晶化ガラスとセラミックス骨材との複合
材料が使用されたセラミックス基板が注目されるように
なってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平2
−225338号公報において用いられているコージェ
ライト系結晶化ガラスは、軟化温度が比確的高く、また
高温での粘度も高いため、低温焼成によるセラミックス
基板のち密化が難しく、さらに前記特開平2−2253
39号公報や特開平2−225340号公報に開示され
たコージェライト結晶化ガラスとセラミックス骨材との
複合材料については、軟化温度の高いコージェライトに
さらに高温でも軟化しにくいセラミックス骨材が添加さ
れているため、低温焼成によるセラミックス基板のち密
化がより困難になるという課題があった。
【0007】このような点から、Agを内層するのに必
要な950℃以下の温度やCu等を内層するのに必要な
1000℃以下の温度でコージェライト系結晶化ガラス
が析出するように焼成を行った場合には、得られるセラ
ミックス基板は、気孔率が充分に小さくならず、抗折強
度や耐湿性等が充分でなく、内層導体の酸化やマイグレ
ーションが発生し易く、信頼性に乏しいものになるとい
う課題があった。
【0008】また従来、前記したガラスから結晶を析出
させる方法においては、ガラス中から結晶核が生成しや
すいようにガラス成分に核形成剤(骨材)を添加するの
が一般的であったが、この方法を採用した場合、通常は
結晶生成温度で一定時間保持する等の核生成のための熱
処理が必要であり、結果として基板の焼成時間が長くな
り、生産性が悪いという課題があった。
【0009】本発明は上記した課題に鑑み発明されたも
のであって、熱膨張係数がシリコンに近く、比誘電率が
小さく、抗折強度、耐湿性、耐水性等にも優れたセラミ
ック基板、及び焼成温度が1000℃以下、さらには9
00℃前後でも短時間でち密化させることができる、生
産性に優れた前記セラミックス基板の製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るセラミックス基板は、ガラスと結晶とか
らなるセラミックス基板において、前記ガラスとしてM
gO−Al23 −SiO2 −B23 −R2 O系ガラ
ス(Rはアルカリ金属を示す)を、前記結晶として2M
gO・2Al23 ・5SiO2 をそれぞれ主に含有
し、さらにSiO2 ガラス及び/又はSiO2 結晶を含
有していることを特徴としている(1)。
【0011】また本発明に係るセラミックス基板は、ガ
ラスと結晶とからなるセラミックス基板において、上記
(1)に記載されたガラスと結晶の他に、結晶としてA
23 及び/又は3Al23 ・2SiO2 を含有し
ていることを特徴としている(2)。
【0012】また本発明に係るセラミックス基板は、上
記(1)記載のセラミックス基板の製造方法であって、
MgO、Al23 、SiO2 、B23 及びR2
(Rはアルカリ金属を示す)から構成されたガラス粉末
と、2MgO・2Al23 ・5SiO2 結晶粉末と、
SiO2 ガラス粉末及び/又はSiO2 結晶粉末とを混
合して850℃以上1000℃未満の温度範囲で焼成す
ることを特徴としている(3)。
【0013】さらに本発明に係るセラミックス基板は、
上記(2)記載のセラミックス基板の製造方法であっ
て、上記(3)に記載されたガラス粉末と結晶粉末の他
に、Al23 結晶粉末及び/又は3Al23 ・2S
iO2 結晶粉末を添加、混合し、850℃以上1000
℃未満の温度範囲で焼成することを特徴としている
(4)。
【0014】
【作用】上記構成のセラミックス基板(1)によれば、
ガラスと結晶とからなるセラミックス基板において、前
記ガラスとしてMgO−Al23 −SiO2 −B2
3 −R2 O系ガラス(Rはアルカリ金属を示す)を、前
記結晶として2MgO・2Al23 ・5SiO2 をそ
れぞれ主に含有し、さらにSiO2 ガラス及び/又はS
iO2 結晶を含有しており、ガラスの軟化温度が720
℃以下になり、850〜1000℃の焼成温度でも気孔
率が減少してち密化し、熱膨張係数がシリコンに近く、
比誘電率が小さく、機械的強度、耐湿性、耐水性等にも
優れたセラミック基板となる。
【0015】上記構成のセラミックス基板(2)によれ
ば、ガラスと結晶とからなるセラミックス基板におい
て、上記(1)に記載されたガラスと結晶の他に、結晶
としてAl23 及び/又は3Al23 ・2SiO2
を含有しており、ガラスの軟化温度が720℃以下にな
り、850〜1000℃の焼成温度でも気孔率が減少し
てち密化し、熱膨張係数がシリコンに近く、比誘電率が
小さく、機械的強度がより優れ、耐湿性、耐水性等にも
優れたセラミック基板となる。
【0016】また上記構成のセラミックス基板の製造方
法(3)によれば、上記(1)記載のセラミックス基板
の製造方法であって、MgO、Al23 、SiO2
23 及びR2 O(Rはアルカリ金属を示す)から構
成されたガラス粉末と、2MgO・2Al23 ・5S
iO2 結晶粉末と、SiO2 ガラス粉末及び/又はSi
2 結晶粉末とを混合して850℃以上1000℃未満
の温度範囲で焼成するので、前記焼成により気孔率が減
少してち密化し、前記した種々の優れた特性を有するセ
ラミックス基板が製造される。また、析出するコージェ
ライトの核となり得る結晶粉末を予め骨材として添加し
てあるので、核生成のための熱処理時間が不用になり、
従来の結晶化ガラス基板材料に比較して生産性が大きく
向上する。
【0017】さらに上記構成のセラミックス基板の製造
方法(4)によれば、上記(2)記載のセラミックス基
板の製造方法であって、上記(3)に記載されたガラス
粉末と結晶粉末の他に、Al23 結晶粉末及び/又は
3Al23 ・2SiO2 結晶粉末を添加、混合し、8
50℃以上1000℃未満の温度範囲で焼成するので、
前記焼成により気孔率が減少してち密化し、より優れた
機械的強度を有する他、前記した種々の優れた特性を有
するセラミックス基板が製造される。また、上記(3)
に記載の製造方法と同様に、析出するコージェライトの
核となり得る結晶粉末を予め骨材として添加してあるの
で、核生成のための熱処理時間が不用になり、従来の結
晶化ガラス基板材料に比較して生産性が大きく向上す
る。
【0018】上記(3)又は(4)記載のセラミックス
基板の製造方法において、原料となる前記MgO、Al
23 、SiO2 、B23 及びR2 O(Rはアルカリ
金属を示す)から構成されたガラス粉末としては、Mg
Oを10〜30wt%、Al23 を5〜20wt%、
SiO2 を40〜55wt%、B23 を10〜20w
t%、アルカリ金属(R2 O)を0wt%<R2 O≦5
wt%の範囲になるように混合されたものが好ましい。
【0019】前記ガラス粉末中のMgOの含有量が30
wt%を超えると軟化温度が高くなり、ち密化が不十分
になると共に比誘電率が高くなる傾向が生じ、他方10
wt%未満ではコージェライトが析出せず熱膨張係数が
大きくなる傾向が生じる。前記ガラス粉末中のAl2
3 の含有量が20wt%を超えると軟化温度が高くな
り、1000℃以下の焼成温度ではち密化が不充分とな
って抗折強度が小さくなる傾向が生じ、他方5wt%未
満ではコージェライトが析出せずに比誘電率が大きくな
る傾向が生じる。前記ガラス粉末中のSiO2 の含有量
が55wt%を超えると軟化温度が高くなり、1000
℃以下の焼成温度ではち密化が不十分となって抗折強度
が小さくなる傾向が生じ、他方40wt%未満では比誘
電率と熱膨張係数が大きくなる傾向が生じる。前記ガラ
ス粉末中のB23 の含有量が20wt%を超えるとガ
ラスの化学的安定性が低下する傾向が生じ、他方10w
t%未満では軟化温度が高くなり、1000℃以下の焼
成温度ではち密化が不十分となって抗折強度が小さくな
る傾向が生じる。前記ガラス粉末中のアルカリ金属の含
有量はMgO、Al23 、SiO2 及びB23 と相
互に作用し、特にB23 との相乗作用により軟化温度
を低下させるため、前記ガラス粉末中に0.5wt%以
上含有させる必要があるが、5wt%を超えると耐水性
が劣化する傾向が生じる。
【0020】原料粉末として2MgO・2Al23
5SiO2 結晶粉末を選定したのは、添加した2MgO
・2Al23 ・5SiO2 結晶粉末を焼成時に結晶核
として作用させることにより、ガラスからのコージェラ
イトの析出速度が著しく早められ、得られる焼結体の熱
膨張係数が短時間の焼成でシリコンの値(3.5×10
-6/℃)に近付き、フリップチップ方式等のチップ実装
等に適したセラミックス基板が得られるためである。
【0021】また原料粉末としてAl23 結晶粉末及
び/又は3Al23 ・2SiO2結晶粉末を選定した
のは、ガラスとの相互作用の結果、コージェライトが析
出し易くなると共に、セラミックス基板の強度特性が向
上するからである。
【0022】原料粉末としてSiO2 ガラス粉末及び/
又はSiO2 結晶粉末を選定したのは、前記ガラスとの
反応が2MgO・2Al23 ・5SiO2 結晶粉末、
Al23 結晶粉末、3Al23 ・2SiO2 結晶粉
末よりも小さく、上記したコージェライトを析出させ易
くする効果を低減させることなく、焼成後のセラミック
ス基板を低誘電率にすることができるからである。
【0023】上記(3)記載のセラミックス基板の製造
方法における各原料粉末の割合については、抗折強度を
18kgf/mm2 以上にするため、2MgO・2Al
23 ・5SiO2 結晶粉末を0.1〜20wt%、S
iO2 ガラス粉末及び/又はSiO2 結晶粉末を1wt
%以上、40wt%未満、ガラス粉末を60〜98wt
%とするのが好ましい。
【0024】ガラス粉末の含有量が98wt%を超える
と抗折強度が低下する傾向が生じ、他方ガラス粉末の含
有量が60wt%未満であると軟化温度が十分に低下せ
ず、1000℃以下の焼成温度ではち密化が不十分とな
って抗折強度が小さくなる傾向が生じる。
【0025】また上記(4)記載のセラミックス基板の
製造方法における各原料粉末の割合については、同様に
抗折強度を18kgf/mm2 以上にするため、2Mg
O・2Al23 ・5SiO2 結晶粉末を0.1〜20
wt%、SiO2 ガラス粉末及び/又はSiO2 結晶粉
末を1wt%以上、40wt%未満、Al23 結晶粉
末及び/又は3Al23 ・2SiO2 結晶粉末を0<
Al23 ≦40wt%及びガラス粉末を60〜98w
t%とするのが好ましい。
【0026】なお、ここで耐水性とは、ガラスが水に対
して溶解しない性質のことをいい、耐湿性とは、ガラス
の多孔質部分に染み込んだ液体が内層導体に影響(酸化
やマイグレーション)を与えない性質のことをいう。
【0027】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るセラミックス
基板及びその製造方法の実施例及び比較例を説明する。
【0028】MgO、Al23 、SiO2 、B23
及びR2 O(Rはアルカリ金属を示す)からなり、その
組成比が下記の表1に示した割合となる平均粒径が0.
1〜10μmのガラス粉末、平均粒径が0.1〜10μ
mのAl23 結晶粉末、平均粒径が0.1〜10μm
のムライト粉末、平均粒径が0.1〜10μmのコージ
ェライト粉末、平均粒径が0.1〜10μmの石英ガラ
ス粉末、及び平均粒径が0.1〜10μmのSiO2
晶粉末を混合した。ガラス粉末と結晶粉末の混合比は、
結晶粉末の割合を表1〜3の通りとし、残りをガラス粉
末とした。例えば、実施例1では3Al23 ・2Si
2 (ムライト)粉末を20wt%、コージェライトを
5wt%、石英粉末を5wt%とし、ガラス材料は残り
の70wt%とした。
【0029】次にこの混合物に有機バインダ、可塑剤及
び溶剤をそれぞれ適量添加し、混練して約10,000
cpsのスラリとした。このスラリを用いてドクターブ
レード法により、約0.2mm厚のシートに成形し、8
0℃で約10分間乾燥させた。その後、このシートを1
0℃/分の速度で昇温させ、850〜980℃で5〜1
0分間焼成し、セラミックス基板の焼結体の製造を完了
した。
【0030】次に、製造したセラミックス基板にコージ
ェライト結晶が析出していることを焼成前の原料粉末及
び焼結体のX線回折を比較することにより確認し、また
前記セラミックス基板の気孔率、比誘電率、熱膨張係数
及び抗折強度の特性を測定し、耐水性、耐湿性を評価し
た。実施例33において得られたセラミックス基板及び
焼成前の原料粉末のX線回折強度のデータのチャートを
それぞれ図1及び図2に示し、上記したセラミックス基
板の製造条件及び得られたセラミックス基板の特性を下
記の表1〜3に示している。
【0031】なお、気孔率はアルキメデス法により測定
し、比誘電率はインピーダンスアナライザにより測定し
た。また熱膨張係数は接触式の線膨張係数計により室温
から350℃までの平均値を測定し、抗折強度は3点曲
げ試験により測定し、耐水性は煮沸水中に一定期間試験
片を保持して、その重量減少により評価した。また耐湿
性は薄板状のサンプルの片面から水又は水蒸気を接触さ
せ、反対側における湿度の上昇により評価した。
【0032】さらに、実施例33で得られたセラミック
スを破断し、その一部をTEM(透過型電子顕微鏡)を
用いて観察した。得られたTEM写真をスケッチしたも
のを図3に示した。
【0033】
【表1の1】
【0034】
【表1の2】
【0035】
【表2の1】
【0036】
【表2の2】
【0037】
【表3の1】
【0038】
【表3の2】
【0039】表1〜3からも明らかなように、焼成温度
が1000℃以下でも充分にち密化し、比誘電率が小さ
く、熱膨張係数がシリコンに近く、抗折強度、耐水性、
耐湿性に優れたセラミックス基板が得られていることが
わかる。
【0040】なお、内層導体が溶融しなければ、一般的
にセラミックス基板の焼成温度が高いほどち密化し、大
きな抗折強度を得ることができるので、内層導体が溶融
しない範囲での高温焼成が好ましい。
【0041】図1及び図2は、実施例33について、得
られたサンプルと原料とのX線回折をそれぞれ測定した
データであるが、これより原料の焼成を行うことにより
コージェライトが析出していることがわかる。
【0042】また、図3は、実施例33で得られたサン
プルの内部構造を示すTEM写真のスケッチであるが、
これよりコージェライト骨材13及びアルミナ骨材11
から析出している析出コージェライト14を観察するこ
とができる。なお、12は石英骨材、15はガラス層、
16は未同定層である。このような内部構造のセラミッ
クス基板を製造することにより、原料として添加した骨
材と生成した結晶とマトリックスであるガラスとの複合
化が図れ、抗折強度等の機械的性質をさらに改善するこ
とができる。
【0043】比較例1は、特開平2−225338号公
報に開示された内容に基づいて試作した比較例で、銀や
銅などを内層するのに必要な温度範囲である900℃以
下の焼成では気孔率が充分に小さくならず、ち密化しな
いため抗折強度が小さいことがわかる。
【0044】また、比較例2にはガラス粉末にアルミナ
と石英のみを骨材として添加した場合を示しているが、
表1に示した特性のセラミックス基板を製造するため
に、焼成時間が600分必要であった。一方、上記実施
例において、例えば実施例1では焼成時間は30と原料
であり、比較例2に較べて焼成のための時間をかなり短
縮することができた。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るセラミ
ックス基板(1)にあっては、ガラスと結晶とからなる
セラミックス基板において、前記ガラスとしてMgO−
Al23 −SiO2 −B23 −R2 O系ガラス(R
はアルカリ金属を示す)を、前記結晶として2MgO・
2Al23 ・5SiO2 をそれぞれ主に含有し、さら
にSiO2 ガラス及び/又はSiO2 結晶を含有してお
り、ガラスの軟化温度が720℃以下になり、850〜
1000℃の焼成温度でも気孔率を減少させてち密化す
ることができ、熱膨張係数がシリコンに近く、比誘電率
が小さく、機械的強度、耐湿性、耐水性等にも優れたセ
ラミック基板を提供することができる。
【0046】また本発明に係るセラミックス基板(2)
にあっては、ガラスと結晶とからなるセラミックス基板
において、上記(1)に記載されたガラスと結晶の他
に、結晶としてAl23 及び/又は3Al23 ・2
SiO2 を含有しており、ガラスの軟化温度が720℃
以下になり、850〜1000℃の焼成温度でも気孔率
を減少させてち密化することができ、熱膨張係数がシリ
コンに近く、比誘電率が小さく、機械的強度がより優
れ、耐湿性、耐水性等にも優れたセラミック基板を提供
することができる。
【0047】また本発明に係るセラミックス基板の製造
方法(3)にあっては、上記(1)記載のセラミックス
基板の製造方法であって、MgO、Al23 、SiO
2 、B23 及びR2 O(Rはアルカリ金属を示す)か
ら構成されたガラス粉末と、2MgO・2Al23
5SiO2 結晶粉末と、SiO2 ガラス粉末及び/又は
SiO2 結晶粉末とを混合して850℃以上1000℃
未満の温度範囲で焼成するので、前記焼成により気孔率
を減少させてち密化することができ、前記した種々の優
れた特性を有するセラミックス基板を製造することがで
きる。また、析出するコージェライトの核となり得る結
晶粉末を予め骨材として添加してあるので、核生成のた
めの熱処理時間が不用になり、従来の結晶化ガラス基板
材料に比較して生産性を大きく向上させることができ
る。
【0048】また本発明に係るセラミックス基板の製造
方法(4)にあっては、上記(2)記載のセラミックス
基板の製造方法であって、上記(3)に記載されたガラ
ス粉末と結晶粉末の他に、Al23 結晶粉末及び/又
は3Al23 ・2SiO2結晶粉末を添加、混合し、
850℃以上1000℃未満の温度範囲で焼成するの
で、前記焼成により気孔率を減少させてち密化すること
ができ、より優れた機械的強度を有する他、前記した種
々の優れた特性を有するセラミックス基板が製造され
る。また、上記(3)に記載の製造方法と同様に、析出
するコージェライトの核となり得る結晶粉末を予め骨材
として添加してあるので、核生成のための熱処理時間が
不用になり、従来の結晶化ガラス基板材料に比較して生
産性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例33において得られた焼結体のX線回折
強度のデータのチャートを示したグラフである。
【図2】実施例33における焼成前の原料粉末のX線回
折強度のデータのチャートを示したグラフである。
【図3】実施例33で得られたセラミックス基板を破断
して、その一部をTEMを用いて観察し、得られたTE
M写真をスケッチしたものである。
【符号の説明】
11 アルミナ骨材 12 石英骨材 13 コージェライト骨材 14 析出コージェライト 15 ガラス層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスと結晶とからなるセラミックス基
    板において、前記ガラスとしてMgO−Al23 −S
    iO2 −B23 −R2 O系ガラス(Rはアルカリ金属
    を示す)を、前記結晶として2MgO・2Al23
    5SiO2 をそれぞれ主に含有し、さらにSiO2 ガラ
    ス及び/又はSiO2 結晶を含有していることを特徴と
    するセラミックス基板。
  2. 【請求項2】 ガラスと結晶とからなるセラミックス基
    板において、請求項1に記載されたガラスと結晶の他
    に、結晶としてAl23 及び/又は3Al23 ・2
    SiO2 を含有していることを特徴とするセラミックス
    基板。
  3. 【請求項3】 MgO、Al23 、SiO2 、B2
    3 及びR2 O(Rはアルカリ金属を示す)から構成され
    たガラス粉末と、2MgO・2Al23 ・5SiO2
    結晶粉末と、SiO2 ガラス粉末及び/又はSiO2
    晶粉末とを混合して850℃以上1000℃未満の温度
    範囲で焼成することを特徴とする請求項1記載のセラミ
    ックス基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されたガラス粉末と結晶
    粉末の他に、Al23 結晶粉末及び/又は3Al23
    ・2SiO2 結晶粉末を添加、混合し、850℃以上
    1000℃未満の温度範囲で焼成することを特徴とする
    請求項2記載のセラミックス基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005042426A2 (de) * 2003-10-28 2005-05-12 Inocermic Gesellschaft für innovative Keramik mbH Anodisch mit silizium bondbare glas-keramik (ltcc)

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