JPH07117976A - クレーン用吊荷装置の吊荷回転防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吊荷の回転を阻止することにより、吊ビーム
の旋回をも防止して、吊荷の搬送作業を著しく簡単かつ
正確に行うようにしたクレーン用吊荷装置の吊荷回転防
止装置を提供する。 【構成】 バランスウエイト１６を設けた吊ビーム１２
を、吊ロープ１８，２０，２２を介してフックブロック
２６に略水平方向に掛止する。吊ビーム１２の前端部に
設けた吊荷揚降装置１４のロープ３０に設けたエコライ
ザ３４にカーテンウォール３６を吊下げる。吊ビーム１
２の前端部にアーム４２と電動シリンダ４４とで構成し
た支持装置４６を設ける。アーム４２を略垂直方向に配
置して上端部を吊ビーム１２に前後方向に回動可能に取
付け、電動シリンダ４４の伸縮駆動によってアーム４２
を回動し、下端部に設けた二股状金具５０をカーテンウ
ォール３６の側面３６ａに当接する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、障害物の下側に荷物を
吊込む場合に用いるクレーン用吊荷装置に設けられ、吊
荷が風で煽られて回転するのを阻止するようにしたクレ
ーン用吊荷装置の吊荷回転防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から重量物を揚重するにあたってク
レーンが多く用いられるが、このクレーンを用いて建物
の室内等に荷物を吊込む場合は、室の上方に天井等の障
害物が存在するため、従来では例えば特開平４−３６５
７９１号公報に開示されるように、水平方向に延設した
吊ビームの先端部に荷物の吊下げ部分を伸縮可能に設
け、この吊下げ部分を伸長させることにより荷物を室内
に取り込むことができるようになっている。

【０００３】この場合、前記吊下げ部分の伸縮により吊
荷の荷重が移動するため、前記吊ビームに移動可能にバ
ランスウエイトを設け、このバランスウエイトを吊下げ
部分の移動に伴って移動制御することにより、吊荷によ
るモーメントとバランスウエイトによるモーメントとを
釣り合わせるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のクレーン用吊荷装置にあっては、装置全体がクレ
ーンのフックブロックに吊下げられるようになっている
関係上、この装置がフックブロックに１点で接触支持さ
れると共に、吊荷は水平配置される吊ビームの前端部に
設けられる吊下げ部分にロープ等によって吊下げられる
ようになっている。このため、前記吊荷は風で煽られた
場合に垂直軸を中心として回転されると共に、この吊荷
の回転によって前記吊ビームも前記フックブロックの吊
下げ部分を中心として垂直軸回りに旋回される。従っ
て、吊荷を目的の荷下ろししようとする位置に搬送する
作業が著しく困難になってしまい、搬送作業に多くの時
間を要するという課題があった。

【０００５】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、吊荷の回転を阻止することにより、吊ビームの旋回
をも防止して、吊荷の搬送作業を著しく簡単かつ正確に
行うことができるクレーン用吊荷装置の吊荷回転防止装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、クレーンのフックブロックに略水平方向
を指向して吊り下げられる吊ビームを備え、この吊ビー
ムの前端部に前後方向に移動可能な荷吊部分を設けたク
レーン用吊荷装置において、前記吊ビームの前端部に、
下端部が前記荷吊部分に吊下げられた吊荷の側面に当接
可能な支持装置を前後移動可能に設けることにより構成
する。

【０００７】また、前記支持装置を、上端部を前記吊ビ
ームに前後回動可能に垂設したアームと、このアームを
回動制御する駆動装置とを備えて構成することが望まし
い。

【０００８】

【作用】以上の構成により本発明のクレーン用吊荷装置
の吊荷回転防止装置にあっては、吊ビームに設けられた
支持装置によって吊荷の側面が支持されるので、強風に
よっても吊荷が回転されるのを阻止でき、延いては、吊
ビームの旋回を防止することができる。

【０００９】また、前記支持装置を、上端部を前記吊ビ
ームに回動可能に垂設したアームと、このアームを回動
制御する駆動装置とを備えて構成したことにより、駆動
装置によりアームの傾斜量を変化させて、このアームの
下端部を簡単に前後移動させて吊荷の側面に当接させる
ことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図１，図２は本発明のクレーン用吊荷
装置１０の一実施例を示し、図１は装置全体の側面図、
図２は吊荷部分の底面図である。

【００１１】即ち、本実施例のクレーン用吊荷装置１０
は、前後方向（図１中左方を前方とする）を指向して略
水平方向に配置される吊ビーム１２を備え、この吊ビー
ム１２の前方端部に吊荷揚降装置１４が設けられると共
に、この吊ビーム１２の下辺に移動可能にバランスウエ
イト１６が設けられることにより概略構成される。前記
吊ビーム１２の前方端部，中央部および後方端部にそれ
ぞれ前方吊ロープ１８，中央吊ロープ２０および後方吊
ロープ２２の下端部が取付けられ、これら各吊ロープ１
８，２０，２２の上方端部は掛止具２４に取付けられ
る。そして、前記掛止具２４が図外のクレーンのフック
ブロック２６に掛止されることにより、前記クレーン用
吊荷装置１０がこのフックブロック２６に吊下げられる
ようになっている。

【００１２】前記吊荷揚降装置１４は電動シリンダ２８
を備え、この電動シリンダ２８から繰り出されるロープ
３０は吊ビーム１２の前端に取付けられた固定シーブ３
２に周回されて垂下され、その下端部に荷吊部分として
のエコライザ３４が設けられる。そして、このエコライ
ザ３４に吊荷としてのカーテンウォール３６が吊下げら
れる。

【００１３】前記バランスウエイト１６は、電動モータ
等を用いた駆動機構３８を介して吊ビーム１２に沿って
移動するようになっており、また、この吊ビーム１２に
は傾斜センサー４０が取付けられ、この傾斜センサー４
０の計測値をフィードバックしつつ前記バランスウエイ
ト１６が移動制御される。つまり、吊ビーム１２に所定
の傾斜角変化を与える場合に、前記バランスウエイト１
６の移動量を前記傾斜センサー４０の計測値に基づいて
制御し、この吊ビーム１２が急激に傾いてしまうのを防
止できるようになっている。

【００１４】尚、前記後方吊ロープ２２は前方吊ロープ
１８より十分長くして、吊ビーム１２を全体的に後方に
移動させることにより、前記吊荷揚降装置１４のエコラ
イザ３４を前記フックブロック２６の鉛直下方により近
付けてある。また、中央吊ロープ２０の長さは、前方吊
ロープ１８および後方吊ロープ２２の長さによって決定
され、この中央吊ロープ２０は緊張状態で配索される。

【００１５】従って、かかる構成になるクレーン用吊荷
装置１０にあっては、カーテンウォール３６を吊込む初
期状態では、バランスウエイト１６を図中実線に示すよ
うに吊ビーム１２の中央部分に位置させて、この吊ビー
ム１２を略水平状態に設定しておくか、若しくは、バラ
ンスウエイト１６を更に前方側に位置させて、吊ビーム
１２の前方を下方に傾斜させた状態に設定しておく。

【００１６】次に、前記カーテンウォール３６を吊込ん
だ後、クレーンを作動してこのカーテンウォール３６
を、取付けようとする所定位置近傍まで揚重する。そし
て、カーテンウォール３６が所定高さまで揚重される
と、バランスウエイト１６を後方に移動制御する。する
と、吊ビーム１２は前記掛止具２４がフックブロック２
６に掛止される部分を中心として、図中実線状態から一
点鎖線状態となるように全体的に後方が下方に傾斜され
て行き、エコライザ３４が設けられる吊ビーム１２の前
端部、つまりカーテンウォール３６を若干の上方移動を
伴いつつ前方に移動させることができる。従って、前記
カーテンウォール３６の取付部分の上方に庇等の障害物
が存在する場合にも、この障害物に干渉すること無くカ
ーテンウォール３６を取付けることができる。尚、カー
テンウォール３６の最終的な取付け時には、電動シリン
ダ２８を作動してカーテンウォール３６の高さ位置を微
調整し、目的の取付け位置に正確に合わせることができ
る。

【００１７】ここで、本実施例にあっては前記吊ビーム
１２の前端部に、アーム４２と駆動装置としての電動シ
リンダ４４とで構成される支持装置４６を設け、この支
持装置４６でカーテンウォール３６の側面を移動しない
ように支持するようになっている。

【００１８】前記アーム４２は略垂直方向に配置され、
その上端部が前記吊ビーム１２の前端部下側にブラケッ
ト４８を介して前後方向に回動可能に取付けられると共
に、下端部には図２に示したように前記カーテンウォー
ル３６の中心を挟んだ両側に当接する二股状金具５０が
設けられる。

【００１９】前記電動シリンダ４４は吊ビーム１２の下
側と前記アーム４２の中間部との間に傾斜して、それぞ
れの端部が回動可能に取付けられ、この電動シリンダ４
４を伸縮駆動することにより、アーム４２が上端部の取
付部を中心に回動されるようになっている。従って、前
記アーム４２が回動されることにより、下端部の前記二
股状金具５０は前後方向に移動できるようになってい
る。

【００２０】以上の構成により本実施例では、カーテン
ウォール３６がエコライザ３４に吊下げられていない状
態では、支持装置４６の電動シリンダ４４を伸縮させて
アーム４２を後方に回動させ、二股状金具５０を後方に
移動させておく。そして、前記エコライザ３４にカーテ
ンウォール３６を掛止し、吊荷揚降装置１４またはクレ
ーンを操作してこのカーテンウォール３６を揚重した
後、前記電動シリンダ４４を伸長してアーム４２を前方
に回動させて二股状金具５０をカーテンウォール３６の
側面３６ａに当接させる。

【００２１】従って、前記カーテンウォール３６が揚重
された状態では、前記アーム４２の下端部がこのカーテ
ンウォール３６の側面３６ａに当接されることにより、
このカーテンウォール３６が風に煽られて、エコライザ
３４を中心とする垂直軸回りに回転されるのを阻止する
ことができる。また、このように前記カーテンウォール
３６の回転が阻止されることにより、延いては、吊ビー
ム１２が掛止具２４を介してフックブロック２６に掛止
された部分を中心として垂直軸回りに旋回されるのを防
止することができる。このため、カーテンウォール３６
を目的の取付け位置まで搬送する作業を簡単かつ安全に
行うことができる。

【００２２】尚、本実施例では前記支持装置４６を、ア
ーム４２と電動シリンダ４４とによって構成した場合を
開示したが、これに限ることなく前後移動してカーテン
ウォール３６を支持できる構造であればよい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項１に
示すクレーン用吊荷装置の吊荷回転防止装置にあって
は、略水平方向を指向してクレーンのフックブロックに
吊下げられた吊ビームの前端部に、下端部が前記荷吊部
分に吊下げられた吊荷の側面に当接可能な支持装置を前
後移動可能に設けたので、吊ビームに設けられた支持装
置によって吊荷の側面を支持することにより、強風によ
っても吊荷が回転されるのを阻止でき、延いては、吊ビ
ームの旋回を防止して、吊荷の搬送作業を簡単かつ安全
に行うことができる。

【００２４】また、本発明の請求項２にあっては前記支
持装置を、上端部を前記吊ビームに回動可能に垂設した
アームと、このアームを回動制御する駆動装置とを備え
て構成したので、駆動装置によりアームの傾斜量を変化
させることで、このアームの下端部を簡単に前後移動さ
せて吊荷の側面に当接させることができるため、支持装
置の構造を簡単にし、かつ、その作動を正確に行うこと
ができるという各種優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるクレーン用吊荷装置の吊荷回転
防止装置の一実施例を示す側面図である。

【図２】本発明の一実施例を示す吊荷部分の底面図であ
る。

【符号の説明】

１０ クレーン用吊荷装置 １２ 吊ビーム １４ 吊荷揚降装置 １６ バランス
ウエイト ２４ 掛止具 ２６ フックブ
ロック ３４ エコライザ（荷吊部分） ３６ カーテン
ウォール（吊荷） ３６ａ 側面 ４２ アーム ４４ 電動シリンダ（駆動装置） ４６ 支持装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クレーンのフックブロックに略水平方向
   を指向して吊り下げられる吊ビームを備え、この吊ビー
   ムの前端部に前後方向に移動可能な荷吊部分を設けたク
   レーン用吊荷装置において、 前記吊ビームの前端部に、下端部が前記荷吊部分に吊下
   げられた吊荷の側面に当接可能な支持装置を前後移動可
   能に設けたことを特徴とするクレーン用吊荷装置の吊荷
   回転防止装置。
2. 【請求項２】 前記支持装置は、上端部を前記吊ビーム
   に前後回動可能に垂設したアームと、このアームを回動
   制御する駆動装置とを備えて構成したことを特徴とする
   請求項１に記載のクレーン用吊荷装置の吊荷回転防止装
   置。