JPH07117096A - 発泡ポリエチレン被覆管の製造方法 - Google Patents
発泡ポリエチレン被覆管の製造方法Info
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- JPH07117096A JPH07117096A JP5267622A JP26762293A JPH07117096A JP H07117096 A JPH07117096 A JP H07117096A JP 5267622 A JP5267622 A JP 5267622A JP 26762293 A JP26762293 A JP 26762293A JP H07117096 A JPH07117096 A JP H07117096A
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- foamed polyethylene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 良好な曲げ易さと切断し易さとを有し、特
に、金属管の周囲が、発泡倍率が1.2倍以上である発
泡ポリエチレンで均一に被覆された発泡ポリエチレン被
覆管を製造する方法を提供する。 【構成】 ポリエチレン樹脂にα−オレフィン系共重合
体ゴムを前記ポリエチレン樹脂100重量部に対し3〜
40重量部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物を、
押出機を用い、170〜230℃で溶融、混練し、20
0〜350kg/cm2の押出圧力でスパイラルダイか
ら金属管の表面に、1.2〜3.5倍の発泡倍率となる
よう押出発泡成形し被覆した後、50〜100℃の冷媒
液を用いて冷却固化することにより、発泡ポリエチレン
被覆管を得る。
に、金属管の周囲が、発泡倍率が1.2倍以上である発
泡ポリエチレンで均一に被覆された発泡ポリエチレン被
覆管を製造する方法を提供する。 【構成】 ポリエチレン樹脂にα−オレフィン系共重合
体ゴムを前記ポリエチレン樹脂100重量部に対し3〜
40重量部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物を、
押出機を用い、170〜230℃で溶融、混練し、20
0〜350kg/cm2の押出圧力でスパイラルダイか
ら金属管の表面に、1.2〜3.5倍の発泡倍率となる
よう押出発泡成形し被覆した後、50〜100℃の冷媒
液を用いて冷却固化することにより、発泡ポリエチレン
被覆管を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡ポリエチレン被覆
管の製造方法に係り、特に、押出機にスパイラルダイを
装着し、金属管の周囲に発泡性ポリエチレン樹脂組成物
を押出発泡成形し被覆してなる発泡ポリエチレン被覆管
の製造方法に関する。
管の製造方法に係り、特に、押出機にスパイラルダイを
装着し、金属管の周囲に発泡性ポリエチレン樹脂組成物
を押出発泡成形し被覆してなる発泡ポリエチレン被覆管
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属管を給湯や冷媒の移送等に使用する
場合、前記金属管の表面における結露防止や保温性向上
のため、従来より発泡ポリエチレン被覆管が多く採用さ
れている。これは、前記金属管の周囲に、ポリエチレン
樹脂を1.2〜2.0倍の発泡倍率で押出発泡成形し被
覆したもので、前記金属管としては、曲げ易さや、ロウ
付けによる接着の容易さから、主に銅管が使用される。
場合、前記金属管の表面における結露防止や保温性向上
のため、従来より発泡ポリエチレン被覆管が多く採用さ
れている。これは、前記金属管の周囲に、ポリエチレン
樹脂を1.2〜2.0倍の発泡倍率で押出発泡成形し被
覆したもので、前記金属管としては、曲げ易さや、ロウ
付けによる接着の容易さから、主に銅管が使用される。
【0003】また、前記金属管の周囲にポリエチレン樹
脂を押出発泡成形し被覆する際には、押出機の本体に、
ダイのマンドレルを前記本体に固定するための支えが溶
融樹脂の流路に設けられたスパイダーダイを取り付け、
このダイ内を通過する前記金属管に、前記ダイの円スリ
ットより、溶融ポリエチレン樹脂を、温度130〜17
0℃、圧力100〜200kg/cm2程度で押出発泡
成形する方法が採用されている。
脂を押出発泡成形し被覆する際には、押出機の本体に、
ダイのマンドレルを前記本体に固定するための支えが溶
融樹脂の流路に設けられたスパイダーダイを取り付け、
このダイ内を通過する前記金属管に、前記ダイの円スリ
ットより、溶融ポリエチレン樹脂を、温度130〜17
0℃、圧力100〜200kg/cm2程度で押出発泡
成形する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
発泡ポリエチレン被覆管に使用されている発泡ポリエチ
レンは、発泡倍率が低いため非常に硬質となっている。
その結果、上記従来の発泡ポリエチレン被覆管は、配管
の施工等の際に曲げにくく、かつ前記金属管をロウ付け
するためナイフ等を用いて発泡ポリエチレン被覆を取り
除く際、前記ポリエチレン被覆が切断しにくい等の欠点
を有している。
発泡ポリエチレン被覆管に使用されている発泡ポリエチ
レンは、発泡倍率が低いため非常に硬質となっている。
その結果、上記従来の発泡ポリエチレン被覆管は、配管
の施工等の際に曲げにくく、かつ前記金属管をロウ付け
するためナイフ等を用いて発泡ポリエチレン被覆を取り
除く際、前記ポリエチレン被覆が切断しにくい等の欠点
を有している。
【0005】そこで、本発明者らは、発泡ポリエチレン
被覆管の曲げ易さと切断し易さとを改良する目的で、ポ
リエチレン樹脂にα−オレフィン系共重合体ゴムをポリ
エチレン樹脂100重量部に対し3〜40重量部配合し
た発泡性ポリエチレン樹脂組成物を、金属管の表面に溶
融被覆させる方法を提案した(特願平4−251622
号)。しかしながら、この発泡性ポリエチレン樹脂組成
物を、上記従来の方法を用いて前記金属管の周囲に押出
発泡成形し被覆すると、前記組成物が前記金属管の周方
向に均一に発泡しにくいばかりではなく、その発泡倍率
が1.5倍以上になりにくい等の問題があることがわか
った。
被覆管の曲げ易さと切断し易さとを改良する目的で、ポ
リエチレン樹脂にα−オレフィン系共重合体ゴムをポリ
エチレン樹脂100重量部に対し3〜40重量部配合し
た発泡性ポリエチレン樹脂組成物を、金属管の表面に溶
融被覆させる方法を提案した(特願平4−251622
号)。しかしながら、この発泡性ポリエチレン樹脂組成
物を、上記従来の方法を用いて前記金属管の周囲に押出
発泡成形し被覆すると、前記組成物が前記金属管の周方
向に均一に発泡しにくいばかりではなく、その発泡倍率
が1.5倍以上になりにくい等の問題があることがわか
った。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ポリエチレン樹脂にα−オレフィン共重合体ゴムを
ポリエチレン樹脂100重量部に対し3〜40重量部配
合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物を金属管の表面に
発泡押出成形し被覆してなる発泡ポリエチレン被覆管の
製造方法であって、前記金属管の周囲が、周方向に均一
に発泡し、かつ発泡倍率が1.2倍以上である発泡ポリ
エチレンで均一に被覆された発泡ポリエチレン被覆管の
製造方法を提供することをその目的としている。
で、ポリエチレン樹脂にα−オレフィン共重合体ゴムを
ポリエチレン樹脂100重量部に対し3〜40重量部配
合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物を金属管の表面に
発泡押出成形し被覆してなる発泡ポリエチレン被覆管の
製造方法であって、前記金属管の周囲が、周方向に均一
に発泡し、かつ発泡倍率が1.2倍以上である発泡ポリ
エチレンで均一に被覆された発泡ポリエチレン被覆管の
製造方法を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエチレン
樹脂にα−オレフィン系共重合体ゴムを前記ポリエチレ
ン樹脂100重量部に対し3〜40重量部配合した発泡
性ポリエチレン樹脂組成物を、押出機を用いて溶融、混
練し、スパイラルダイを用いて、金属管の表面に1.2
〜3.5倍の発泡倍率で押出発泡成形し被覆した後、冷
媒液を用いて冷却固化してなる発泡ポリエチレン被覆管
の製造方法である。
樹脂にα−オレフィン系共重合体ゴムを前記ポリエチレ
ン樹脂100重量部に対し3〜40重量部配合した発泡
性ポリエチレン樹脂組成物を、押出機を用いて溶融、混
練し、スパイラルダイを用いて、金属管の表面に1.2
〜3.5倍の発泡倍率で押出発泡成形し被覆した後、冷
媒液を用いて冷却固化してなる発泡ポリエチレン被覆管
の製造方法である。
【0008】ここで、本発明で用いられるポリエチレン
樹脂は、密度(JIS K6760−1977)が0.
915〜0.930g/cm3程度であり、更にメルトイ
ンデックス(JIS K7210−1976、以下MI
と記す。)が0.05〜4.0g/10分、より好まし
くは0.1〜2.0g/10分の範囲にあるものから選
択される。これは、MIが0.05g/10分未満であ
ると押出成形が困難となり、一方、MIが4.0g/1
0分を超えると高倍率(発泡倍率1.5倍以上)の発泡
体が得にくくなるためである。
樹脂は、密度(JIS K6760−1977)が0.
915〜0.930g/cm3程度であり、更にメルトイ
ンデックス(JIS K7210−1976、以下MI
と記す。)が0.05〜4.0g/10分、より好まし
くは0.1〜2.0g/10分の範囲にあるものから選
択される。これは、MIが0.05g/10分未満であ
ると押出成形が困難となり、一方、MIが4.0g/1
0分を超えると高倍率(発泡倍率1.5倍以上)の発泡
体が得にくくなるためである。
【0009】更に、前記発泡性ポリエチレン樹脂組成物
に含まれる発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4´−オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、或は炭酸水素ナ
トリウムとクエン酸アルカリ塩の混合物等の化学発泡剤
が好ましい。また、その配合割合は、前記ポリエチレン
樹脂100重量部に対し、前記化学発泡剤を0.2〜
2.5重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部とす
る。これは、配合割合を0.2重量部未満とすると高倍
率の発泡ポリエチレンが得にくくなり、一方、配合割合
が2.5重量部を越えると、高倍率の発泡ポリエチレン
が得られる半面、形成された発泡ポリエチレン被覆表面
の平滑性が低下しやすくなるためである。
に含まれる発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4´−オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、或は炭酸水素ナ
トリウムとクエン酸アルカリ塩の混合物等の化学発泡剤
が好ましい。また、その配合割合は、前記ポリエチレン
樹脂100重量部に対し、前記化学発泡剤を0.2〜
2.5重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部とす
る。これは、配合割合を0.2重量部未満とすると高倍
率の発泡ポリエチレンが得にくくなり、一方、配合割合
が2.5重量部を越えると、高倍率の発泡ポリエチレン
が得られる半面、形成された発泡ポリエチレン被覆表面
の平滑性が低下しやすくなるためである。
【0010】また、本発明で用いられるα−オレフィン
系共重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレン、エチ
レン・ブテン、エチレン・プロピレン・ブテンの各共重
合体等が挙げられる。ここで、これらα−オレフィン系
共重合体ゴムのMIは、230℃、2.16kg荷重で
0.1〜5.0g/10分、好ましくは0.2〜1.0
g/10分とし、その配合割合は、前記ポリエチレン樹
脂100重量部に対し、3〜40重量部、好ましくは5
〜30重量部とする。
系共重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレン、エチ
レン・ブテン、エチレン・プロピレン・ブテンの各共重
合体等が挙げられる。ここで、これらα−オレフィン系
共重合体ゴムのMIは、230℃、2.16kg荷重で
0.1〜5.0g/10分、好ましくは0.2〜1.0
g/10分とし、その配合割合は、前記ポリエチレン樹
脂100重量部に対し、3〜40重量部、好ましくは5
〜30重量部とする。
【0011】これは、配合割合を3重量部未満とする
と、形成された発泡ポリエチレン被覆が切断しにくい等
の欠点が生じ、一方、配合割合が40重量部を越える
と、成形安定性が著しく低下するためである。また、金
属管としては、例えば外径10〜30mm程度、肉厚
0.6〜1.5mm程度のものが用いられ、材質には銅
等が使用される。
と、形成された発泡ポリエチレン被覆が切断しにくい等
の欠点が生じ、一方、配合割合が40重量部を越える
と、成形安定性が著しく低下するためである。また、金
属管としては、例えば外径10〜30mm程度、肉厚
0.6〜1.5mm程度のものが用いられ、材質には銅
等が使用される。
【0012】本発明においては、前記組成物を押出機を
用いて溶融、混練する際、押出機のシリンダーの加熱お
よびスクリュの混練摩擦熱により、前記組成物の温度を
170〜230℃、より好ましくは190〜220℃と
して前記組成物の溶融、混練を行うことが望ましい。
用いて溶融、混練する際、押出機のシリンダーの加熱お
よびスクリュの混練摩擦熱により、前記組成物の温度を
170〜230℃、より好ましくは190〜220℃と
して前記組成物の溶融、混練を行うことが望ましい。
【0013】この場合、前記組成物の温度を170℃未
満とすると、高倍率の発泡ポリエチレンが得られにくく
なる。また、前記組成物の温度が230℃を越えると、
前記組成物の溶融張力が低下し、その結果、発泡剤によ
り形成された気泡室の樹脂壁を突き破って発泡ガスが抜
け出てしまい、前記気泡室を維持・拡大できず、高倍率
の発泡ポリエチレンが得られにくくなる。
満とすると、高倍率の発泡ポリエチレンが得られにくく
なる。また、前記組成物の温度が230℃を越えると、
前記組成物の溶融張力が低下し、その結果、発泡剤によ
り形成された気泡室の樹脂壁を突き破って発泡ガスが抜
け出てしまい、前記気泡室を維持・拡大できず、高倍率
の発泡ポリエチレンが得られにくくなる。
【0014】更に、押出機のメタリングゾーンおよびダ
イ内における前記組成物の樹脂圧力は、200〜350
kg/cm2とするのが望ましい。前記温度下で、前記
組成物をこの樹脂圧力範囲に維持すると、発泡剤が前記
組成物の細部にまで均一微細に拡散し、その結果、微細
な気泡が均一に形成された高倍率の発泡ポリエチレンが
得られる。この場合、樹脂圧力を200kg/cm2未
満とすると、得られた気泡が粗いうえ、高倍率の発泡ポ
リエチレンが得られにくくなる。また、樹脂圧力が35
0kg/cm2を越えると、ダイの出口でメルトフラク
チュアと呼ばれる現象が発生しやすく、形成された発泡
ポリエチレン被覆表面の平滑性が得られにくくなる。
イ内における前記組成物の樹脂圧力は、200〜350
kg/cm2とするのが望ましい。前記温度下で、前記
組成物をこの樹脂圧力範囲に維持すると、発泡剤が前記
組成物の細部にまで均一微細に拡散し、その結果、微細
な気泡が均一に形成された高倍率の発泡ポリエチレンが
得られる。この場合、樹脂圧力を200kg/cm2未
満とすると、得られた気泡が粗いうえ、高倍率の発泡ポ
リエチレンが得られにくくなる。また、樹脂圧力が35
0kg/cm2を越えると、ダイの出口でメルトフラク
チュアと呼ばれる現象が発生しやすく、形成された発泡
ポリエチレン被覆表面の平滑性が得られにくくなる。
【0015】溶融、混練後の前記組成物は、ダイを用い
て前記金属管の表面に押出発泡成形される。しかしなが
ら、上記樹脂温度と樹脂圧力の条件下であっても、従来
のスパイダーダイ等で押出発泡成形した場合には、前記
金属管の周方向に均一な発泡ポリエチレンを得ることは
困難である。これは、スパイダーダイ等には、ダイのマ
ンドレルを本体に固定するための支えが、溶融樹脂の流
路に設けられていることに起因する。すなわち、溶融樹
脂が前記支えの設置箇所を通過しなければならないこと
により、前記支えの設置箇所を通過した樹脂と周囲の樹
脂との間に温度差が生じ、その結果、円周方向に発泡倍
率ムラが発生して発泡ポリエチレンの表面に凹凸を生じ
るためである。
て前記金属管の表面に押出発泡成形される。しかしなが
ら、上記樹脂温度と樹脂圧力の条件下であっても、従来
のスパイダーダイ等で押出発泡成形した場合には、前記
金属管の周方向に均一な発泡ポリエチレンを得ることは
困難である。これは、スパイダーダイ等には、ダイのマ
ンドレルを本体に固定するための支えが、溶融樹脂の流
路に設けられていることに起因する。すなわち、溶融樹
脂が前記支えの設置箇所を通過しなければならないこと
により、前記支えの設置箇所を通過した樹脂と周囲の樹
脂との間に温度差が生じ、その結果、円周方向に発泡倍
率ムラが発生して発泡ポリエチレンの表面に凹凸を生じ
るためである。
【0016】本発明者らは、種々の構造を有するダイに
ついて検討を行い、その結果、上記傾向は多かれ少なか
れほとんどのダイ構造において見られるが、スパイラル
ダイを用いた場合には均一な押出発泡が可能であること
を見出した。スパイラルダイとは、樹脂がダイの軸線回
りに螺設されたスパイラル状をなす流路内を流れながら
順次押出し方向の流れに変換される構造をしているもの
で、流路内に障害物は存在しない。
ついて検討を行い、その結果、上記傾向は多かれ少なか
れほとんどのダイ構造において見られるが、スパイラル
ダイを用いた場合には均一な押出発泡が可能であること
を見出した。スパイラルダイとは、樹脂がダイの軸線回
りに螺設されたスパイラル状をなす流路内を流れながら
順次押出し方向の流れに変換される構造をしているもの
で、流路内に障害物は存在しない。
【0017】また、一般ダイのような流路内における樹
脂の合流箇所(ウエルドマーク)も存在しないので、樹
脂は、円周方向に均一な温度で押出される。従って、本
発明に係る発泡ポリエチレン被覆管の製造方法におい
て、金属管の周方向に均一な発泡ポリエチレンを得るた
めには、スパイラルダイの使用が不可欠な要件となる。
脂の合流箇所(ウエルドマーク)も存在しないので、樹
脂は、円周方向に均一な温度で押出される。従って、本
発明に係る発泡ポリエチレン被覆管の製造方法におい
て、金属管の周方向に均一な発泡ポリエチレンを得るた
めには、スパイラルダイの使用が不可欠な要件となる。
【0018】更に、本発明における押出発泡成形時の発
泡倍率は、1.2〜3.5倍、望ましくは1.5〜3.
5倍とする。これは、発泡倍率が1.2倍未満のものは
被覆管を曲げたとき金属管が座屈しやすくなり、一方、
発泡倍率が3.5倍を越えると、発泡ポリエチレンの押
出成形性が不良となるためである。
泡倍率は、1.2〜3.5倍、望ましくは1.5〜3.
5倍とする。これは、発泡倍率が1.2倍未満のものは
被覆管を曲げたとき金属管が座屈しやすくなり、一方、
発泡倍率が3.5倍を越えると、発泡ポリエチレンの押
出成形性が不良となるためである。
【0019】押出発泡成形の結果得られた発泡ポリエチ
レンは更に冷却固化され、発泡ポリエチレン被覆が形成
されるが、本発明においては、前記発泡ポリエチレン
を、温度50〜100℃の冷媒液(具体的には冷却水
等)を用いて冷却するのが望ましい。この場合、温度5
0℃未満の冷媒液で冷却すると、発泡ポリエチレン被覆
の表面に凹凸が発生しやすくなる。また、前記冷媒液の
温度が100℃を越えることは、冷却効率の点から好ま
しくない。更に、該温度での冷却時間は、前記発泡ポリ
エチレン被覆の厚みにも依るが、通常の厚み、すなわち
厚みが1〜5mmの場合、2秒以上が好ましい。これ
は、少なくとも該温度で発泡ポリエチレン被覆の表面が
固化する時間である。
レンは更に冷却固化され、発泡ポリエチレン被覆が形成
されるが、本発明においては、前記発泡ポリエチレン
を、温度50〜100℃の冷媒液(具体的には冷却水
等)を用いて冷却するのが望ましい。この場合、温度5
0℃未満の冷媒液で冷却すると、発泡ポリエチレン被覆
の表面に凹凸が発生しやすくなる。また、前記冷媒液の
温度が100℃を越えることは、冷却効率の点から好ま
しくない。更に、該温度での冷却時間は、前記発泡ポリ
エチレン被覆の厚みにも依るが、通常の厚み、すなわち
厚みが1〜5mmの場合、2秒以上が好ましい。これ
は、少なくとも該温度で発泡ポリエチレン被覆の表面が
固化する時間である。
【0020】そして、上記の手順を踏むことにより、前
記金属管の周囲に、前記組成物が、1.2〜3.5倍、
望ましくは1.5〜3.5倍の発泡倍率で均一に被覆さ
れた発泡ポリエチレン被覆管を得ることができる。
記金属管の周囲に、前記組成物が、1.2〜3.5倍、
望ましくは1.5〜3.5倍の発泡倍率で均一に被覆さ
れた発泡ポリエチレン被覆管を得ることができる。
【0021】なお、前記金属管の周囲に形成された発泡
ポリエチレン被覆の表面に無発泡ポリエチレン樹脂層を
形成する目的で、発泡ポリエチレン被覆の形成と同時、
または、発泡ポリエチレン被覆の形成後に、更に無発泡
ポリエチレン樹脂を押出積層被覆することももちろん可
能である。また、その場合の無発泡ポリエチレン樹脂の
厚みは、0.2〜1.5mm程度とする。
ポリエチレン被覆の表面に無発泡ポリエチレン樹脂層を
形成する目的で、発泡ポリエチレン被覆の形成と同時、
または、発泡ポリエチレン被覆の形成後に、更に無発泡
ポリエチレン樹脂を押出積層被覆することももちろん可
能である。また、その場合の無発泡ポリエチレン樹脂の
厚みは、0.2〜1.5mm程度とする。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の効果について
説明する。ポリエチレン樹脂(密度=0.925g/c
m3 MI=0.3g/10分)100重量部に対し
て、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(MI=0.7
g/10分)を10重量部配合して得たポリエチレン樹
脂組成物に、発泡剤として炭酸水素ナトリウムとクエン
酸アルカリ塩(三菱油化製、商品名ファインセロール)
を1.2重量部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物
を、以下の表1に記載した条件で、鋼管の表面に、それ
ぞれ肉厚が2.0mmとなるよう押出発泡成形し被覆し
た後冷却した。
説明する。ポリエチレン樹脂(密度=0.925g/c
m3 MI=0.3g/10分)100重量部に対し
て、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(MI=0.7
g/10分)を10重量部配合して得たポリエチレン樹
脂組成物に、発泡剤として炭酸水素ナトリウムとクエン
酸アルカリ塩(三菱油化製、商品名ファインセロール)
を1.2重量部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物
を、以下の表1に記載した条件で、鋼管の表面に、それ
ぞれ肉厚が2.0mmとなるよう押出発泡成形し被覆し
た後冷却した。
【0023】更に、そのそれぞれについて、外層として
ポリエチレン樹脂(密度=0.920g/cm3 MI=
2.0g/10分)を肉厚が0.5mmになるように押
出被覆し、外径27mmの発泡ポリエチレン被覆鋼管を
製造した。それぞれの発泡ポリエチレン被覆鋼管の製造
条件を表1に、また、その結果得られた発泡ポリエチレ
ン被覆の発泡倍率およびその表面状態を表2に示す。
ポリエチレン樹脂(密度=0.920g/cm3 MI=
2.0g/10分)を肉厚が0.5mmになるように押
出被覆し、外径27mmの発泡ポリエチレン被覆鋼管を
製造した。それぞれの発泡ポリエチレン被覆鋼管の製造
条件を表1に、また、その結果得られた発泡ポリエチレ
ン被覆の発泡倍率およびその表面状態を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1および表2から明かなように、本発明
に係る製造条件の結果得られた発泡ポリエチレン被覆の
表面はいずれも平滑であった。また、本発明の請求項2
〜4に基づく製造条件の結果得られた発泡ポリエチレン
被覆(実施例1〜4)は、その表面平滑性が特に優れる
とともに、1.5倍以上の高い発泡倍率を示した。
に係る製造条件の結果得られた発泡ポリエチレン被覆の
表面はいずれも平滑であった。また、本発明の請求項2
〜4に基づく製造条件の結果得られた発泡ポリエチレン
被覆(実施例1〜4)は、その表面平滑性が特に優れる
とともに、1.5倍以上の高い発泡倍率を示した。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポリエチレン樹脂にα−オレフィン系共重合体ゴムを前
記ポリエチレン樹脂100重量部に対し、3〜40重量
部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物から成形され
た発泡ポリエチレン被覆であって、特に、1.2倍以上
の高発泡倍率を有し、かつ表面の平滑な発泡ポリエチレ
ン被覆を有する被覆管を得ることができる。
ポリエチレン樹脂にα−オレフィン系共重合体ゴムを前
記ポリエチレン樹脂100重量部に対し、3〜40重量
部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物から成形され
た発泡ポリエチレン被覆であって、特に、1.2倍以上
の高発泡倍率を有し、かつ表面の平滑な発泡ポリエチレ
ン被覆を有する被覆管を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 昌利 埼玉県北本市下石戸上1975番地2 三菱マ テリアル株式会社北本製作所内 (72)発明者 吉田 憲治 埼玉県北本市下石戸上1975番地2 三菱マ テリアル株式会社北本製作所内
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエチレン樹脂にα−オレフィン系共
重合体ゴムを前記ポリエチレン樹脂100重量部に対し
3〜40重量部配合した発泡性ポリエチレン樹脂組成物
を、押出機を用いて溶融、混練し、スパイラルダイを用
いて、金属管の表面に1.2〜3.5倍の発泡倍率で押
出発泡成形して該表面を被覆した後、冷媒液を用いて冷
却固化することを特徴とする発泡ポリエチレン被覆管の
製造方法。 - 【請求項2】 前記押出機を用いて溶融、混練する際の
前記組成物の温度を、170〜230℃とすることを特
徴とする請求項1記載の発泡ポリエチレン被覆管の製造
方法。 - 【請求項3】 前記組成物を前記押出機を用いてスパイ
ラルダイより押出発泡成形する際の押出圧力を、200
〜350kg/cm2とすることを特徴とする請求項1
記載の発泡ポリエチレン被覆管の製造方法。 - 【請求項4】 前記金属管の表面に被覆された発泡ポリ
エチレンを前記冷媒液を用いて冷却固化する際の前記冷
媒液の温度を、50〜100℃とすることを特徴とする
請求項1記載の発泡ポリエチレン被覆管の製造方法。 - 【請求項5】 前記金属管の表面に被覆された発泡ポリ
エチレンの表面を更に無発泡ポリエチレン樹脂で押出被
覆することを特徴とする請求項1,2,3または4記載
の発泡ポリエチレン被覆管の製造方法。
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---|---|---|---|
JP26762293A JP3228830B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | 発泡ポリエチレン被覆管の製造方法 |
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JP3228830B2 JP3228830B2 (ja) | 2001-11-12 |
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JP (1) | JP3228830B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001074198A (ja) * | 1999-09-02 | 2001-03-23 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 発泡層被覆銅材質管及びその製造方法 |
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JP2007261267A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Brugg Rohr Ag Holding | 熱絶縁された導管 |
JP2008275146A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-11-13 | Sekisui Chem Co Ltd | 複合管およびその製造方法 |
JP2010264707A (ja) * | 2009-05-18 | 2010-11-25 | Nittetsu Corrosion Prevention Co Ltd | 断熱発泡ポリオレフィン被覆鋼管 |
CN112622138A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-09 | 义乌市大胜橡塑制品有限公司 | 一种聚乙烯瑜伽柱一次模压成型工艺 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP26762293A patent/JP3228830B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN112622138A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-09 | 义乌市大胜橡塑制品有限公司 | 一种聚乙烯瑜伽柱一次模压成型工艺 |
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