JP2001074198A - 発泡層被覆銅材質管及びその製造方法 - Google Patents

発泡層被覆銅材質管及びその製造方法

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JP2001074198A JP24900499A JP24900499A JP2001074198A JP 2001074198 A JP2001074198 A JP 2001074198A JP 24900499 A JP24900499 A JP 24900499A JP 24900499 A JP24900499 A JP 24900499A JP 2001074198 A JP2001074198 A JP 2001074198A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅材質管の外周面上に、発泡ポリエチレン層
と表皮としての非発泡樹脂層とを順次積層形成してなる
発泡層被覆銅材質管において、その銅材質管における腐
食及び黒変色の発生を効果的に抑制乃至は回避すること
の出来る技術を、提供すること。 【解決手段】 発泡層被覆銅材質管10における発泡ポ
リエチレン層16を、低密度ポリエチレンをベース樹脂
として、化学発泡剤に4,4′−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)を用いて、銅材質管12の外周
面14上に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、発泡層被覆銅材質管及びその製
造方法に係り、特に、建築用配管材等として好適に用い
られ得る発泡層被覆銅材質管、並びにそのような発泡層
被覆銅材質管を有利に得る方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、給水・給湯用配管や冷媒,ガス
の搬送管等といった建築用配管材としては、銅若しくは
銅合金にて形成される銅材質管が、広く用いられてきて
いることは、よく知られているところであるが、近年に
おいては、銅材質管の用途の多様化に伴って、銅材質管
における各種特性の向上が強く求められていることか
ら、このような要請に答えるべく、その要求される特性
を有利に発現し得るような所定の被覆を、銅材質管の外
面や内面に施したものが、これまでに、各種提案されて
いる。そして、そのような被覆が施されてなる銅材質管
の一つとして、銅材質管の損傷や腐食の防止、施工性の
向上等を目的として、管外周面を、化学発泡剤により発
泡させた発泡ポリエチレン層にて一体的に被覆せしめ、
更に外観の向上や取扱性の良好なもの等とするために、
かかる発泡ポリエチレン層の外面周に、非発泡樹脂層を
表皮として設けてなる発泡層被覆銅材質管が、知られて
いる。
【0003】ところで、かくの如き発泡層被覆銅材質管
において、発泡ポリエチレン層を銅材質管の外周面上に
形成するに際しては、通常、発泡ポリエチレン層を与え
る原料として、低密度ポリエチレンに、適当な熱分解性
の化学発泡剤を配合せしめてなるものが、用いられるの
であるが、かかる化学発泡剤としては、発泡ポリエチレ
ン層における気泡(セル)を微細なものと為すことが出
来ると共に、比較的に安価であることが望まれており、
従来から、アゾジカルボンアミドや炭酸水素ナトリウム
等の発泡剤が、一般に、使用されてきている。
【0004】因みに、それら発泡剤の中で、アゾジカル
ボンアミドは、安価であることに加えて、他の発泡剤に
比して、その熱分解によるガスの発生量が多く、また、
自己核化作用を奏することにより、発泡ポリエチレン層
における気泡の微細化を有利に図ることが出来るという
利点を有しているところから、現在、発泡層被覆銅材質
管だけでなく、各種発泡成形品を製造するに際しても、
化学発泡剤として広く用いられているのである。
【0005】しかしながら、本発明者らが検討したとこ
ろ、アゾジカルボンアミドを発泡剤として用いて発泡体
を形成すると、その発泡体からは、蟻酸等の酸成分が浸
出して、検出されることが、判明した。一方、住友軽金
属技報、Vol.30,No.3(1989),123〜
128において明らかにされているように、そのような
蟻酸等を含む直鎖状低級カルボン酸(炭素数が1〜4程
度のもの)は、水分との共存下で、銅材質管において、
腐食を惹起する可能性を有するものであるところから、
アゾジカルボンアミドは、発泡層被覆銅材質管の発泡ポ
リエチレン層の形成に際して使用する発泡剤としては、
余り好ましいものではないといった問題を内在している
ことが、判明した。なお、上記において、蟻酸の発生メ
カニズムについては、本発明者らの検討によれば、アゾ
ジカルボンアミドの分解残渣の一成分たるバイウレア
が、熱分解してホルムアミドが生じ、そしてそのホルム
アミドの加水分解により蟻酸が発生するものと、推定さ
れている。
【0006】一方、炭酸水素ナトリウムは、古くより、
無機系化学発泡剤として好適に用いられており、その熱
分解においては、ガス成分として二酸化炭素と水とが放
出される一方、副生成物として炭酸ナトリウムが生成さ
れるものであることから、それら分解生成物からは、上
記したアゾジカルボンアミドの如く、銅材質管の腐食成
分たる低級カルボン酸が何等発生することはないのであ
るが、前記副生成物として生じる炭酸ナトリウムは、大
気中の水分により容易に加水分解して、水酸化ナトリウ
ムを生ぜしめ、以て強アルカリ性を発現することとなる
ところから、発泡層被覆銅材質管の発泡ポリエチレン層
の形成において、発泡剤として炭酸水素ナトリウムを用
いると、形成された発泡ポリエチレン層から水酸化ナト
リウムが浸出して、銅材質管の黒変色を引き起こすとい
う問題があったのであり、それ故に、炭酸水素ナトリウ
ムの使用が、好ましいとは、到底、言い難いものであっ
たのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、特に、建築用配管材等として好適に用いられ得
る発泡層被覆銅材質管、並びにそれを有利に製造する方
法を提供することにあり、また、他の解決課題とすると
ころは、銅若しくは銅合金からなる銅材質管の外周面
を、化学発泡剤により発泡させた発泡ポリエチレン層に
て一体的に被覆せしめ、更に該発泡ポリエチレン層の外
周面に、非発泡樹脂層を表皮として設けてなる発泡層被
覆銅材質管において、その銅材質管における腐食及び黒
変色の発生を効果的に抑制乃至は回避することの出来る
技術を、提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するために、銅若しくは銅合金からなる銅材質
管の外周面を、化学発泡剤により発泡させた発泡ポリエ
チレン層にて一体的に被覆せしめ、更に該発泡ポリエチ
レン層の外周面に、非発泡樹脂層を表皮として設けてな
る発泡層被覆銅材質管を製造するに際して、かかる発泡
ポリエチレン層が、低密度ポリエチレンをベース樹脂と
して、前記化学発泡剤に4,4′−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)を用いて、前記銅材質管の外
周面上に形成されるようにしたことを特徴とする発泡層
被覆銅材質管の製造方法を、その要旨とするものであ
る。
【0009】すなわち、この本発明に従う発泡層被覆銅
材質管の製造方法にあっては、ベース樹脂としての低密
度ポリエチレンに、熱分解性を有する4,4′−オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を化学発泡剤と
して配合せしめてなる原料を用いて、かかる化学発泡剤
の発泡作用に基づいて、銅又は銅合金からなる銅材質管
の外周面上に発泡ポリエチレン層を形成して、管外周面
を被覆せしめ、更にそのような発泡ポリエチレン層の外
周面に、非発泡樹脂層を表皮として設けるところに、大
きな特徴がある。
【0010】要するに、本発明に従う製造手法にあって
は、ベース樹脂たる低密度ポリエチレンを発泡させて、
所望の発泡ポリエチレン層を形成するために用いられる
化学発泡剤として、4,4′−オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)を採用するものであるところか
ら、そのような化学発泡剤の熱分解特性により、その分
解生成物の熱分解や加水分解等によって、従来のよう
に、低級カルボン酸や強アルカリ成分が発生するような
ことがないのであり、その結果として、最終的に得られ
る発泡層被覆銅材質管において、銅材質管の腐食や黒変
色が効果的に抑制乃至は阻止せしめられ得ることとなる
のである。
【0011】従って、このような本発明手法によれば、
有効な発泡層の形成によって、銅材質管の保護性や、施
工作業性等の所期の特性を有効に発揮し得ると共に、そ
の美観性や取扱性にも優れる、特に建築用配管材として
好適な発泡層被覆銅材質管を、極めて有利に製造するこ
とが出来るのである。
【0012】なお、かくの如き本発明に従う発泡層被覆
銅材質管の製造方法における好ましい態様の一つによれ
ば、前記発泡ポリエチレン層は、前記化学発泡剤に対し
て、低級カルボン酸を含有せず且つそれを発生せしめる
ことのない、発泡の核となる核剤を組み合わせて、形成
されることが望ましく、これによって、銅材質管の腐食
及び黒変色の抑制乃至は阻止性能を維持しつつ、更に、
発泡ポリエチレン層内部の気泡の大きさを効果的に小な
らしめることが出来るのであり、以て、軸方向全長に亘
って一定な外径寸法を有する発泡層被覆銅材質管を安定
して得ることが、可能となるのである。
【0013】そして、本発明においては、そのような核
剤として、特に、クエン酸塩と酸化亜鉛とを併用するこ
とにより、前記した優れた効果が、より一層効果的に奏
され得ることとなる。
【0014】また、本発明手法において、発泡ポリエチ
レン層の形成に際し、前述せるように、核剤を用いる場
合においては、そのような核剤を、それが1種の場合に
は、それ単独において、また、2種以上の場合には、そ
れぞれにおいて、前記化学発泡剤の100質量部に対し
て10質量部以上の割合となるように用いることが、望
ましい。核剤をそのような使用量において用いることに
よって、発泡ポリエチレン層を構成する気泡の微細化を
一層効果的に実現することが出来るのであり、以て発泡
層被覆銅材質管において、所期の外径寸法を一段と有利
に確保することが、可能となる。
【0015】さらに、本発明に従う発泡層被覆銅材質管
の製造方法の他の好ましい態様の一つにおいては、前記
化学発泡剤は、前記ベース樹脂に対して0.5〜1.0
質量%となる割合において用いられるのであり、それに
よって、化学発泡剤の熱分解に基づくガスの発生量が、
適度なものとなる。
【0016】一方、本発明にあっては、銅若しくは銅合
金からなる銅材質管の外周面を、化学発泡剤により発泡
させた発泡ポリエチレン層にて一体的に被覆せしめ、更
に該発泡ポリエチレン層の外周面に、非発泡樹脂層を表
皮として設けてなる発泡層被覆銅材質管にして、該発泡
ポリエチレン層が、低密度ポリエチレンをベース樹脂と
して、前記化学発泡剤に4,4′−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)を用いて、前記銅材質管の外
周面上に形成されてなり、且つ0.5mm以下の最大気
泡径を有していることを特徴とする発泡層被覆銅材質管
も、また、その要旨とするものである。
【0017】この本発明に従う発泡層被覆銅材質管にあ
っては、銅乃至は銅合金製の銅材質管が、その外周面に
おいて、所定の化学発泡剤の発泡作用により形成された
発泡ポリエチレン層にて一体的に被覆せしめられ、更に
その発泡ポリエチレン層の外周面に、非発泡樹脂層が表
皮として設けられた形態をもって構成されるものである
が、特に、かかる発泡ポリエチレン層が、熱分解やその
分解生成物の更なる分解,反応により低級カルボン酸や
強アルカリ成分を何等生ずることのない、4,4′−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を化学発泡
剤として用い、そのような化学発泡剤にてベース樹脂た
る低密度ポリエチレンを発泡させることよって、形成さ
れていると共に、かくして得られた発泡ポリエチレン層
を構成する気泡が、0.5mm以下の最大径を有してい
るところに、格別顕著な特徴を有している。
【0018】要するに、かくの如き発泡層被覆銅材質管
にあっては、非発泡樹脂層にて表皮が形成されているこ
とにより、見た目性や取扱性等の特性が良くなっている
と共に、発泡ポリエチレン層によって、銅材質管が保護
され、また、施工性等の特性が効果的に発現され得るよ
うになっていることに加え、かかる発泡ポリエチレン層
が、前述の如き特徴的な性質を有する化学発泡剤の発泡
作用に基づいて形成されているところから、銅材質管に
おける腐食や黒変色といった不具合の発生が、良好に抑
制乃至は阻止され得ているのであり、しかも、その内部
の気泡が前記最大径を有して構成されていることによっ
て、外径寸法が軸方向全長に亘って安定したものとなっ
ているのであり、それ故に、そのような本発明製品にあ
っては、各種の建築用配管材等として、特に好適に用い
られ得るのである。
【0019】なお、この本発明に従う発泡層被覆銅材質
管における望ましい態様の一つによれば、前記表皮とし
ての非発泡樹脂層は、非発泡ポリエチレン層であること
が、好ましい。この非発泡ポリエチレン層からなる非発
泡樹脂層は、前記発泡ポリエチレン層を与えるベース樹
脂と同じような樹脂材料たるポリエチレン材料、中でも
低密度ポリエチレンを用いて、容易に形成され得るので
あり、それによって、発泡層被覆銅材質管の製造コスト
の低減化が、有利に図られ得るのである。
【0020】そして、このような本発明に従う構成の発
泡層被覆銅材質管にあっては、上述せる如き本発明手法
によって、極めて有利に製造され得るのである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の構成について、更に具体的に明らかにすることとす
る。
【0022】先ず、図1及び図2には、本発明に係る発
泡層被覆銅材質管の一例が、軸直角方向及び軸方向の断
面にて、それぞれ、概略的に示されている。これら図1
及び図2に示される発泡層被覆銅材質管10は、一般
に、給水・給湯用配管等の建築用配管材等として、有利
に用いられるものであって、銅又は銅合金からなる銅材
質管12の外周面14上に、発泡ポリエチレン層16
が、所定厚さにおいて、該外周面14を被覆するように
して形成され、更に、そのような発泡ポリエチレン層1
6の外周面18上に、非発泡樹脂層20が表皮として設
けられた形態において、構成されている。
【0023】より詳細には、図示の発泡層被覆銅材質管
10において、発泡ポリエチレン層16は、主に、銅材
質管12を保護して、損傷,腐食の発生を防止したり、
発泡層被覆銅材質管10の施工作業性の向上等を図るこ
とを目的として、設けられるものであって、通常、ベー
ス樹脂としての低密度ポリエチレンに対して、該低密度
ポリエチレンの融点よりも高い分解温度を有する化学発
泡剤を配合せしめてなる、ポリエチレン発泡原料を用い
て、それを加熱することで、低密度ポリエチレンを溶融
せしめる一方、化学発泡剤を熱分解せしめて、その熱分
解に基づくところのガス発生機構により、銅材質管12
の外周面14上において、低密度ポリエチレンを発泡成
形せしめることによって、目的とする発泡ポリエチレン
層16が、その内部に適当な大きさの気泡(セル)を有
し、且つ外周面14全体を所定厚さで覆う形態におい
て、形成されるのである。
【0024】そして、本発明にあっては、そのような発
泡ポリエチレン層16を与えるポリエチレン発泡原料に
配合せしめられる前記化学発泡剤として、4,4′−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いると
ころに、大きな特徴を有しているのである。即ち、この
4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)は、その熱分解により、ガス成分として、窒素及び
水を放出する一方、その残渣として4,4′−オキシビ
ス(ベンゼンスルフェン酸)を生ぜしめるものである
が、その分解残渣たる4,4′−オキシビス(ベンゼン
スルフェン酸)は、更に熱分解して、ジチオフェニルエ
ーテルとチオフェニルベンゼンスルホニルエーテルを生
ぜしめるものの、それら分解生成物は、銅材質管12に
おいて腐食の要因となる直鎖状の低級カルボン酸(一般
に、炭素数が1〜4程度のもの)や、銅材質管12の黒
変色を引き起こす強アルカリ性の成分を、何等生じるこ
とがないのである。それ故に、発泡層被覆銅材質管10
における発泡ポリエチレン層16を形成するに際し、化
学発泡剤として、かかる4,4′−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)を用いる本発明にあっては、
化学発泡剤の分解残渣乃至は副生成物が発泡ポリエチレ
ン層16より浸出して、銅材質管12の腐食や黒変色を
惹起するといった、従来の問題を悉く解消し得るものな
のである。
【0025】なお、この化学発泡剤として用いられる
4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)の、ポリエチレン発泡原料中における配合量にあっ
ては、それがガスの発生量に大きく寄与するものである
ところから、発泡層被覆銅材質管10(発泡ポリエチレ
ン層16)に要求される施工性等の各種特性や、採用す
る発泡ポリエチレン層16の形成手法(後述)等に応じ
て、所望の発泡倍率が得られるように、適宜に設定され
るものであるが、一般的には、適度なガス発生量を実現
するために、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド)は、前記ベース樹脂としての低密度ポリ
エチレンに対して0.5〜1.0質量%程度となる割合
において、用いられることとなる。
【0026】また、このような化学発泡剤と共にポリエ
チレン発泡原料を構成する、ベース樹脂たる低密度ポリ
エチレンとは、JISに規定されているように、0.9
10g/cm3 〜0.930g/cm3 程度の密度を有
するものであって、本発明においては、特に、分岐状低
密度ポリエチレンの採用が、望ましい。
【0027】さらに、本発明において、そのようなベー
ス樹脂及び化学発泡剤を含んでなるポリエチレン発泡原
料には、低級カルボン酸を含有せず、且つ熱分解等によ
って低級カルボン酸を発生せしめることがないものであ
る限りにおいて、従来と同様に、酸化防止剤等の公知の
各種の添加剤を配合せしめることが、可能であるが、本
発明では、特に、発泡の核となる性質を有する、換言す
れば、核生成機能を奏する核剤の1種又は2種以上を、
化学発泡剤に対して組み合わせて、ポリエチレン発泡原
料中に配合せしめることが、望ましい。
【0028】すなわち、発泡ポリエチレン層16の形成
に際して、核剤を用いることによって、化学発泡剤の熱
分解によって生ずるガスは、ベース樹脂内において、核
剤を起点(核)として、気泡を形成するようになるとこ
ろから、そのような核剤の存在量に応じて、気泡(セ
ル)の数が効果的に大ならしめられ得るのであり、結果
的に、発泡ポリエチレン層16の各気泡サイズを有利に
小さくすることが、可能となるのである。そして、この
ように小さく且つ細かな気泡を有する発泡ポリエチレン
層16が形成されることによって、そのような発泡ポリ
エチレン層16の外周面18上に設けられる前記非発泡
樹脂層20の外表面22も滑らかなものとなるのであ
る。
【0029】また、一般に、発泡ポリエチレン層16の
形成に際して、気泡が局部的に乃至は部分的に肥大化
し、更に、その肥大した気泡が破裂(破泡)するように
なると、例えば、非発泡樹脂層20の形成を、発泡ポリ
エチレン層16を形成し、更に水冷した後において行な
う手法を採用するような場合においては、その水冷の際
に、そのような発泡ポリエチレン層16の外周面18表
面で破泡した気泡内に侵入する水分は、エアブロー等に
よる水切り操作にても、完全に除去することが出来ない
ために、かかる気泡内に残留した水分が、非発泡樹脂層
20の形成時の加熱操作によって、水蒸気化されて、そ
れにより、非発泡樹脂層20の膨れが惹起されることと
なるのであるが、核剤の使用によって、このような問題
を招来する気泡の局部的な肥大化や破泡の発生が、効果
的に防止され得るのであり、その結果として、所期の外
径寸法を軸方向全体に亘って実現する発泡層被覆銅材質
管10を、安定して製造することが出来るという利益を
享受することが出来るのである。
【0030】なお、この種の核剤は、一般に、発泡ポリ
エチレン層16の形成時には、固体状態であることによ
り、その核生成機能を最大限に発揮することが出来ると
ころから、本発明において使用する核剤としては、前記
化学発泡剤たる4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド)の分解温度よりも高い融点や分解温度
を有するものであることが、望ましい。そして、そのよ
うな核剤としては、例えば、クエン酸モノナトリウム,
クエン酸トリナトリウム等のクエン酸塩や、酸化亜鉛等
が挙げられるが、本発明では、クエン酸塩と酸化亜鉛と
を組み合わせて用いることが、特に推奨されるのであ
り、それにより、気泡の微細化作用が一段と有効に奏さ
れ得、以て、より高い寸法精度をもって、発泡層被覆銅
材質管10を形成することが、可能となる。
【0031】また、このような核剤を用いる場合におい
て、その使用量、換言すれば、ポリエチレン発泡原料に
おける配合量にあっては、その種類や数に応じて、目的
とするセルサイズが得られるような量が、適宜選定され
るのであるが、通常、核剤を1種だけ用いる時には、そ
の使用量(配合量)が、また、2種以上用いる場合は、
それぞれの使用量(各成分の配合量)が、化学発泡剤の
100質量部に対して10質量部以上の割合となるよう
に、好ましくは20質量部以上の割合となるように、規
定されることとなる。これは、10質量部よりも少ない
使用量では、核剤による所期の気泡微細化効果や気泡の
肥大・破泡防止効果が、充分に発揮され得なくなるから
である。因みに、核剤の使用量(1種の場合にはそれ単
独、2種以上の場合には各々)が多くなり過ぎると、そ
の量に見合うだけの効果の増大を望み得なくなるところ
から、その上限は、一般に、110質量部以下、好まし
くは50質量部以下とされる。
【0032】そして、本発明に従って、低密度ポリエチ
レンに対して、上記特定の化学発泡剤が配合せしめら
れ、更に必要に応じて、前記核剤等の添加剤が配合され
てなるポリエチレン発泡原料を用いて、銅材質管12の
外周面14上に、目的とする発泡ポリエチレン層16を
所定厚さで形成するに際しては、通常の発泡成形手法が
何れも採用され得るものであるが、中でも、押出機を用
いて、その加熱シリンダ内において、加圧下に、ポリエ
チレン発泡原料を、それに配合された化学発泡剤として
の4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)の分解温度以上で加熱することによって、発泡しな
い状態で混練して、シリンダ先端のダイスの開口部か
ら、銅材質管12の外周面14上に押し出すことによ
り、加圧状態を解放すると同時に発泡させる押出被覆手
法等が、有利に採用されることとなる。
【0033】なお、このような発泡ポリエチレン層16
の形成に用いられるポリエチレン発泡原料は、上述の如
き本発明に従う配合組成となるように、一般的な調製手
法に従って、調製,準備されるものであり、例えば、低
密度ポリエチレンに対して、化学発泡剤や核剤等の添加
成分を高割合において均一に練り込んでなるマスターバ
ッチを用い、それを更に低密度ポリエチレンと配合せし
めて、目的とする組成のポリエチレン発泡原料を調製し
て、押出しを行なうことも、可能である。また、ポリエ
チレン発泡原料を発泡させるために必要な加熱温度とし
ては、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)の分解温度以上であれば、何等問題はないが、
核剤を用いる場合においては、通常、4,4′−オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)の分解温度以上
で、且つ用いる核剤の融点及び分解温度以下の温度が、
好適に採用されることとなる。更に、銅材質管12の外
周面14上に形成する発泡ポリエチレン層16の厚さ
は、特に限定されるものではなく、必要とされる特性が
充分に発現され得るように、適宜に定められる。
【0034】更にまた、前述せるようにして形成される
発泡ポリエチレン層16において、それを構成する気泡
のサイズとしては、発泡層被覆銅材質管10の用途等に
従って要求される各種特性が有利に実現され得るよう
に、化学発泡剤の配合量を調整したり、上記の如く、ポ
リエチレン発泡原料に所定の核剤を配合せしめたり、或
いは発泡ポリエチレン層16の形成時において、ポリエ
チレン発泡原料の加熱温度やそれに加える圧力等を制御
したりすることで、調整されるものであるが、本発明に
おいては、特に、気泡径の最大値(最大気泡径)が0.
5mm以下、好適には0.4mm以下であることが、望
まれるのである。けだし、最大気泡径が、前記した値を
越えるような場合には、発泡ポリエチレン層16の外周
面18の凸凹が著しくなったり、局部的な気泡の肥大化
や破泡が発生するために、かかる外周面18上におい
て、滑らかな外表面22を有する非発泡樹脂層20を有
利に形成し難くなり、その結果、発泡層被覆銅材質管1
0の外径寸法が軸方向において変化するようになる等の
問題が、惹起されるからである。
【0035】一方、本発明に従う発泡層被覆銅材質管1
0において、上述の如き発泡ポリエチレン層16の外周
面18上には、更に、非発泡樹脂層20が設けられてい
るのであるが、それは、発泡層被覆銅材質管10の美観
性乃至は見た目性や、取扱性等の向上を図るべく設けら
れるものであって、所要の樹脂からなる被覆層を押出成
形する等の形成操作によって、発泡ポリエチレン層16
の外周面18を、所定の厚さにおいて恰も表皮の如く覆
う形態をもって、且つ非発泡の被覆層として形成されて
いると共に、その外表面22は、全体として比較的に滑
らかなものとされている。
【0036】ここにおいて、かかる非発泡樹脂層20を
与える樹脂材料としては、一般に、発泡ポリエチレン層
16との相性が良く、従って、それらの層16,20の
一体的な積層形成が容易な、各種樹脂材料の中から、求
められる特性や外表面22の表面状態、価格等に応じ
て、適当なものが選択されて、用いられることとなる
が、有利には、ポリエチレンを採用することが、推奨さ
れる。そして、そのような非発泡樹脂層20をポリエチ
レン材料にて形成する場合において、換言すれば、非発
泡樹脂層20をポリエチレンからなる非発泡層にて構成
する場合においては、特に、ポリエチレンの中でも、前
記発泡ポリエチレン層16を与えるポリエチレン発泡原
料のベース樹脂として用いられる低密度ポリエチレンと
同じものが、好適に採用されるのであり、それによっ
て、発泡層被覆銅材質管10のコストダウンを有利に図
ることが可能となる。なお、この樹脂材料には、必要に
応じて、顔料の如き着色剤の他、紫外線吸収剤や酸化防
止剤等の如き、非発泡樹脂層20に紫外線吸収性や耐候
性等を付与し得る各種の添加剤が配合されていても、何
等差し支えない。
【0037】また、このような樹脂材料を用いた非発泡
樹脂層20の形成には、樹脂材料を発泡させることな
く、目的とする非発泡層を有利に得ることの出来る手法
であれば、押出成形等の公知の各種の成形方法を用いる
ことが、可能であり、また、そのような非発泡樹脂層2
0の形成は、通常、発泡ポリエチレン層16の形成の後
に行なわれるものであるが、この他、例えば、上記せる
ように、押出同時発泡成形操作にて発泡ポリエチレン層
16を形成する場合には、二台の押出機を組み合わせた
装置や二色押出機等を用いることで、発泡ポリエチレン
層16と同時に、非発泡樹脂層20を形成することも、
可能である。なお、かくして形成される非発泡樹脂層2
0の厚さは、何等限定されるものではなく、従来と同程
度の厚さとして、適宜に決定されることとなる。
【0038】かかる本発明に従って、銅材質管12の周
囲に発泡ポリエチレン層16が被覆形成され、更にその
発泡ポリエチレン層16の周囲に、表皮として非発泡樹
脂層20が設けられてなる発泡層被覆銅材質管10にあ
っては、発泡ポリエチレン層16において、銅材質管1
2の保護性等の所望の特性を充分に実現することが出来
ると共に、非発泡樹脂層20によって、その外観等が良
好なものとなっているのであり、しかも、銅材質管12
の腐食及び黒変色が、効果的に抑制乃至は阻止され得る
ようにもなっている。従って、本発明に係る発泡層被覆
銅材質管10は、建築用配管材等として、特に適したも
のとなっているのである。
【0039】なお、本発明に係る発泡層被覆銅材質管
(10)において、それを構成する銅材質管(12)と
しては、従来と同様な銅管や銅合金管が対象とされ、例
えば銅合金管としては、黄銅管等の所定の添加合金成分
を含む銅合金にて形成されるものがあるが、特開平4−
45282号公報や、特開平4−99180号公報、特
開平4−131384号公報に明らかにされているよう
な、銅管や銅合金管の内周面に、スズ皮膜(Snめっ
き)やSn酸化皮膜、Cu−Sn層等といった耐蝕性等
を発現する皮膜を形成してなるものも、本発明で言うと
ころの銅材質管の範疇に含まれるものであることが、理
解されなくてはならない。また、そのような銅材質管の
形状、サイズ等については、図1や図2に例示したもの
に限定されるものでは決してなく、用途に応じて、適宜
に変更され得るものである。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更,
修正,改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0041】−直鎖状低級カルボン酸浸出試験− 先ず、本発明に従って、ベース樹脂としての低密度ポリ
エチレンに対して、化学発泡剤として、4,4′−オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(以下、OB
SHと略す)を、下記表1に示す割合において配合せし
め、更に、核剤として、クエン酸モノナトリウムと酸化
亜鉛とを、OBSHの100質量部に対して、それぞれ
下記表1に示す割合となるように、配合せしめることに
より、No.1〜5のポリエチレン発泡原料を、それぞれ
調製した。
【0042】一方、比較のために、低密度ポリエチレン
に対して、化学発泡剤として、アゾジカルボンアミドを
0.3質量%の割合において、添加,配合せしめて、N
o.6のポリエチレン発泡原料を調製した。
【0043】次いで、上記で得た各種ポリエチレン発泡
原料を用いて、それを単軸押出機に導入して、シリンダ
内において、180℃の温度で加熱・加圧して、溶融混
練したものを、ダイスの開口部から、外径:22.2m
m及び肉厚:0.8mmのリン脱酸銅管(JIS−H3
300−C1220T)の外周面上に押し出して、発泡
させることにより、管外周面が4mmの厚さの発泡ポリ
エチレン層にて被覆されてなる各種の供試管(No.1〜
6)を作製した。
【0044】そして、このようにして得られた各供試管
における発泡ポリエチレン層(被覆層)からの、直鎖状
低級カルボン酸(蟻酸及び酢酸)の浸出について調べ
た。具体的には、各供試管から発泡ポリエチレン層の一
部を15gにおいて切り出し、次いで、その切出物を2
0mLの蒸留水と共に、バイアル瓶に収容して密封し、
更にそれを90℃に保持されたオーブン内において、2
4時間加熱した後、冷却して、バイアル瓶中の水層部分
を少量採取し、その採取物について、イオン交換クロマ
トグラフにより分析を行なって、採取物中の蟻酸及び酢
酸の含有濃度を調べ、その結果を下記表1に併せ示し
た。なお、かかるイオン交換クロマトグラフによる分析
における対象物の検出限界は、3ppmであり、下記表
1において、「<3」とは、対象物の濃度が、検出限界
未満であったことを示している。
【0045】
【表1】 *1:低密度ポリエチレンに対する割合〔=(OBSH量/低密度ポリ エチレン量)×100〕 *2:OBSHの100質量部に対する割合
【0046】かかる表1の結果からも明らかなように、
No.1〜5の供試管を構成する発泡ポリエチレン層から
は、蟻酸及び酢酸は検出され得なかったのに対して、比
較例であるNo.6の供試管の発泡ポリエチレン層から
は、蟻酸が浸出することが、認められる。なお、No.1
〜5の供試管に対しては、更に、上記と同様にして、イ
オン交換クロマトグラフによる分析を実施して、プロピ
オン酸及びn−酪酸の浸出を調べたところ、何れの供試
管についても、プロピオン酸,n−酪酸共に、検出限界
未満(3ppm未満)であることを確認した。
【0047】−銅管黒変色試験− 先ず、本発明に従って、低密度ポリエチレンに対して、
OBSHを下記表2に示す割合にて配合せしめ、更に、
クエン酸モノナトリウムと酸化亜鉛とを、OBSHの1
00質量部に対して、それぞれ下記表2に示す割合とな
るように、配合せしめて、No.7〜11のポリエチレン
発泡原料を調製した。
【0048】また、比較のために、低密度ポリエチレン
に対して、化学発泡剤としての炭酸水素ナトリウムを
0.7質量%の割合において、添加せしめることによ
り、No.12のポリエチレン発泡原料を得た。
【0049】次いで、上記で得た各種ポリエチレン発泡
原料を用いて、それを単軸押出機に導入して、加圧下、
180℃の温度で溶融混練したものを、外径:15.9
mm及び肉厚:0.7mmのリン脱酸銅管(JIS−H
3300−C1220T)の外周面上に押し出し、同時
に発泡させることにより、管外周面が3mmの厚さの発
泡ポリエチレン層にて被覆されてなる各種の供試管(N
o.7〜12)を作製した。
【0050】そして、かくの如くして得られた各供試管
の300mmを、それぞれ、80℃×95%RH(相対
湿度)に保持した恒温恒湿槽内に仕込んで、72時間放
置した後、かかる供試管を取り出して、その各々から、
発泡ポリエチレン層(被覆層)を引き剥がした後に、銅
管表面を観察して、銅管における黒変色の発生の有無を
調べた。その結果を下記表2に併せ示す。
【0051】
【表2】 *1:低密度ポリエチレンに対する割合 *2:OBSHの100質量部に対する割合
【0052】上記表2の結果から明らかなように、No.
7〜11に係る供試管の何れの銅管においても、黒変色
の発生は何等認められなかったのに対し、比較例である
No.12の供試管を構成する銅管においては、その表面
が顕著に黒変色していることを認めた。
【0053】−OBSH配合量試験− 先ず、低密度ポリエチレンに対して、化学発泡剤として
のOBSHを、下記表3に示す各種の割合においてそれ
ぞれ配合せしめ、更にクエン酸モノナトリウムと酸化亜
鉛とを、OBSHの100質量部に対して、それぞれ1
00質量部となる割合において、配合せしめて、No.1
3〜17のポリエチレン発泡原料を調製した。
【0054】次に、上記で得た各ポリエチレン発泡原料
を用い、先のNo.1等の場合と同様にして、単軸押出機
により、180℃の加熱条件を採用して、温度外径:1
5.9mm、肉厚:0.7mmのリン脱酸銅管(JIS
−H3300−C1220T)の外周面上に、厚さが3
mmとなるように、押出同時発泡せしめて、管外周面を
発泡ポリエチレン層にて被覆し、更に、別の単軸押出機
を用いて、銅管周りに形成された発泡ポリエチレン層の
外周面上に、低密度ポリエチレンを厚さ0.5mmにお
いて押出成形せしめて、非発泡ポリエチレン層からなる
表皮を被覆形成することにより、各種の発泡層被覆銅管
(No.13〜17)を作製した。
【0055】そして、かくして得られた発泡層被覆銅管
のそれぞれについて、OBSHの配合量による影響を調
べるために、その軸方向の任意の5箇所において、外径
寸法をノギスにて測定し、その寸法の最小値及び最大値
を、最小外径及び最大外径として下記表3に併せ示し
た。
【0056】
【表3】 *:低密度ポリエチレンに対する割合
【0057】かかる表3に示した測定結果からも明らか
なように、No.13〜15の各発泡層被覆銅管において
は、何れも、22.9±0.9mm程度の外径寸法が全
長に亘って実現され得ているのであるが、OBSHの配
合量の少ないNo.16の発泡層被覆銅管にあっては、発
泡ポリエチレン層形成時のガスの発生量が過少であるた
めに、No.13〜15のものに比して、外径寸法が小さ
くなり過ぎており、逆に、OBSHの配合量の多いNo.
17の発泡層被覆銅管にあっては、ガス発生量が過多で
あることにより、外径寸法が大きくなり過ぎていること
が分かる。
【0058】−核剤効果試験− 先ず、低密度ポリエチレンに対して、OBSHを0.7
質量%の割合にて配合せしめ、更に、核剤として、クエ
ン酸モノナトリウムと酸化亜鉛とを、OBSHの100
質量部に対して、それぞれ下記表4に示す割合となるよ
うに、配合せしめて、No.18〜32のポリエチレン発
泡原料を調製した。
【0059】次いで、上記で得た各ポリエチレン発泡原
料を用い、先のNo.1等と同様にして、単軸押出機によ
り、180℃の加熱条件を採用して、外径:15.9m
m及び肉厚:0.7mmのリン脱酸銅管(JIS−H3
300−C1220T)の外周面上に、原料を押出同時
発泡せしめて、管外周面を3mm厚さの発泡ポリエチレ
ン層にて被覆し、次いでそれを水冷し、水切り操作を行
なった後、更に、上記で用いたものとは別の単軸押出機
を用いて、発泡ポリエチレン層の外周面上に、低密度ポ
リエチレンを厚さが0.5mmとなるように押出成形せ
しめて、非発泡ポリエチレン層からなる表皮を形成し
て、発泡層被覆銅管(No.18〜32)を、それぞれ一
対ずつ得た。
【0060】−気泡径測定− 上記で得られた各一対の発泡層被覆銅管のうちの一方を
それぞれ用いて、その発泡ポリエチレン層における気泡
径の測定を行なった。即ち、各管を軸方向の任意の5箇
所において切断した後、それらの切断面のうちの発泡層
全部分を、走査電子顕微鏡により25倍の拡大倍率にお
いて観察して、気泡径(長径)を測定し、それら気泡径
のうちの最大値を、最大気泡径として、下記表4に併せ
示した。
【0061】−膨れの確認と外径測定− 上記で得られた各一対の発泡層被覆銅管のうちの他方を
それぞれ用いて、各管における非発泡ポリエチレン層表
皮の膨れの有無を、目視により観察し、その結果を下記
表4に示した。また、膨れの発生が認められる場合に
は、ノギスを用いて、その膨れ部分における外径寸法を
測定し、その測定結果も、また、下記表4に併せ示し
た。
【0062】
【表4】 *:OBSHの100質量部に対する割合
【0063】かかる表4からも明らかなように、No.1
8〜26に係る発泡層被覆銅管は、その何れにあって
も、最大気泡径が0.5mm以下となっており、膨れの
発生が何等認められないことが、分かる。なお、それら
No.18〜26のもののそれぞれについて、外径寸法を
ノギスにて任意の複数の点で測定したころ、何れも、全
長に亘って、22.9±0.9mm程度の外径寸法を実
現していることを確認した。これに対して、No.27〜
32の発泡層被覆銅管においては、その一部分(数mに
1箇所程度)において膨れが生じており、それによっ
て、かかる膨れ部分の外径寸法が、他の部分に比して大
きくなっていることを、認めた。
【0064】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従う発泡層被覆銅材質管の製造方法にあっては、銅材
質管の外周面に、化学発泡剤によりベース樹脂たる低密
度ポリエチレンを発泡させて、発泡ポリエチレン層を一
体的に被覆形成すると共に、その発泡ポリエチレン層の
外周面に、非発泡樹脂層を表皮として設けるに際し、か
かる発泡ポリエチレン層を形成するための化学発泡剤と
して、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)が使用されるところから、従来の如く、低級カ
ルボン酸や強アルカリ成分が発生するようなことがない
のであり、それ故に、得られる発泡層被覆銅材質管にお
いて、銅材質管の腐食や黒変色が効果的に抑制乃至は阻
止され得るといった効果が、奏され得るのである。従っ
て、このような本発明に従う製造手法によれば、建築用
配管材等として特に好適に用いられ得る発泡層被覆銅材
質管を、有利に製造することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発泡層被覆銅材質管の一例を概略
的に示す軸直角方向断面説明図である。
【図2】本発明に係る発泡層被覆銅材質管の一例を概略
的に示す軸方向断面説明図であって、図1のII−II断面
に対応するものである。
【符号の説明】
10 発泡層被覆銅材質管 16 発泡ポリエチレン層 20 非発泡樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 浩三 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 3H036 AA01 AB18 AB25 AC06 AD09 AE13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅若しくは銅合金からなる銅材質管の外
    周面を、化学発泡剤により発泡させた発泡ポリエチレン
    層にて一体的に被覆せしめ、更に該発泡ポリエチレン層
    の外周面に、非発泡樹脂層を表皮として設けてなる発泡
    層被覆銅材質管を製造するに際して、 該発泡ポリエチレン層が、低密度ポリエチレンをベース
    樹脂として、前記化学発泡剤に4,4′−オキシビス
    (ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いて、前記銅材
    質管の外周面上に形成されるようにしたことを特徴とす
    る発泡層被覆銅材質管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記発泡ポリエチレン層が、前記化学発
    泡剤に対して、低級カルボン酸を含有せず且つそれを発
    生せしめることのない、発泡の核となる核剤を組み合わ
    せて、形成される請求項1記載の発泡層被覆銅材質管の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記核剤として、クエン酸塩と酸化亜鉛
    とが併用される請求項2記載の発泡層被覆銅材質管の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記核剤が、1種の場合には、それ単独
    において、又は2種以上の場合には、それぞれにおい
    て、前記化学発泡剤の100質量部に対して10質量部
    以上の割合において用いられる請求項2又は請求項3記
    載の発泡層被覆銅材質管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記化学発泡剤が、前記ベース樹脂に対
    して0.5〜1.0質量%となる割合において用いられ
    る請求項1乃至請求項4の何れかに記載の発泡層被覆銅
    材質管の製造方法。
  6. 【請求項6】 銅若しくは銅合金からなる銅材質管の外
    周面を、化学発泡剤により発泡させた発泡ポリエチレン
    層にて一体的に被覆せしめ、更に該発泡ポリエチレン層
    の外周面に、非発泡樹脂層を表皮として設けてなる発泡
    層被覆銅材質管にして、 該発泡ポリエチレン層が、低密度ポリエチレンをベース
    樹脂として、前記化学発泡剤に4,4′−オキシビス
    (ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いて、前記銅材
    質管の外周面上に形成されてなり、且つ0.5mm以下
    の最大気泡径を有していることを特徴とする発泡層被覆
    銅材質管。
  7. 【請求項7】 前記表皮としての非発泡樹脂層が、非発
    泡ポリエチレン層である請求項6記載の発泡層被覆銅材
    質管。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    方法によって得られた、請求項6又は請求項7記載の発
    泡層被覆銅材質管。
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