JP2015017745A - 熱交換装置の銅管の防食方法、この方法により防食した熱交換器及び熱交換装置 - Google Patents

熱交換装置の銅管の防食方法、この方法により防食した熱交換器及び熱交換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
熱交換器の複数の折り返し部分を簡便に防食することができる熱交換装置の銅管の防食方法等を提供する。
【解決手段】
内部に熱交換媒体を通す銅管15を折り返してなる複数の折り返し部分19、22を有する熱交換器11、12を備える熱交換装置の銅管15の防食方法であって、 前記熱交換器の複数の折り返し部分19、22に対して発泡樹脂を吹き付けて固化させることにより、折り返し部分19、22の腐食を防止する熱交換装置の銅管の防食方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換装置の銅管の防食方法、この方法により防食した熱交換器、及び当該熱交換器を備える熱交換装置に関する。
製鉄においては、石炭を乾留してコークスにする際や、硫化鉄鉱を加熱し硫黄成分を回収して鉄鉱石とする際に、亜硫酸ガスが発生する。
亜硫酸ガスは、腐食性が強いことから、乾留炉や高炉周辺の空気調和機の銅管の腐食の原因となり、空気調和機の耐用年数を著しく低下させていた。銅管が腐食すると、熱交換媒体が漏れて、冷却又は暖房能力が著しく低下するだけでなく、圧縮機が焼損する原因ともなる。圧縮機が焼損した場合の修理費は高額になるため、経済的負担が大きい。
銅管の防食方法としては、例えば、特許文献1がある。この発明では、有機酸の存在によって生じる蜂の巣状腐食を防ぐために、銅管の表面に溶融亜鉛メッキや、亜鉛含有塗料で塗装するなどして、銅管の表面のpHを4〜8.6に保つことで腐食を防止することとしている。同様に特許文献2にも、有機酸に起因する腐食を防止するために、銅管の上に亜鉛メッキ層を形成し、その上にポリウレタン等の樹脂層を設けて、腐食を防止することが記載されている。
一方、特許文献3の[請求項80]には、冷蔵設備を断熱するためにポリウレタンフォームを適用することが記載されている。請求項1では、フォームは芳香族ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート及び水を含む発泡剤を含む混合物から調整されることが記載されている。段落74においては、冷蔵設備などの部品を組み立てながら断熱材を現場発泡で形成する旨が記載されている。さらに、特許文献4には、複数の配管を防食テープでまとめて、複数の配管の隙間にウレタン発泡体を注入して、配管の腐食を防止することが記載されている。
特開2000−313968号公報 特開2000−2396号公報 特開2006−512464号公報 特開平4−56786号公報
特許文献1及び2は、銅管の腐食を防止するために亜鉛を利用するものである。すなわち、亜鉛は銅よりもイオン化傾向が大きいため、銅よりも先にイオン化する。亜鉛イオンは、酸素と反応して酸化亜鉛の被膜を形成して銅管の腐食を防止するのである。しかし、亜鉛メッキを行うには専用の設備が必要であるという問題があるし、亜鉛塗料は塗装する際に塗膜の厚みが不均一になりやすく、防食性能が安定しないという問題がある。特に現場施工の際は塗膜の厚みが不均一になりやすい。特許文献3は、発泡樹脂を吹き付けるものであるが、断熱方法に関するものに過ぎない。特許文献4は、防食テープで複数の配管をまとめることから、平行に配置された複数の配管に対してのみ実施できるものであって、熱交換器を構成する銅管等には適用できない。
以上のような問題に鑑みて、熱交換器の複数の折り返し部分などの銅管の表面を簡便に防食することができる熱交換装置の銅管の防食方法を提供する。さらに熱交換器の複数の折り返し部分を防食した熱交換器及び熱交換装置を提供する。
本発明は、内部に熱交換媒体を通す銅管を折り返してなる複数の折り返し部分を有する熱交換器を備える熱交換装置の銅管の防食方法である。前記熱交換器の複数の折り返し部分に対して発泡樹脂を吹き付けて固化させることにより、折り返し部分の腐食を防止する。本発明の防食方法によれば、内部に熱交換媒体を通す銅管を折り返してなる複数の折り返し部分を有する熱交換器であって、該熱交換器の銅管の折り返し部分に対して発泡樹脂を吹き付けた後、前記発泡樹脂を固化させることにより、折り返し部分の腐食を防止した熱交換器が得られる。
熱交換装置は、前記熱交換器に熱交換媒体を循環させるための循環経路をさらに備えており、該循環経路は、内部に熱交換媒体を通す銅管から構成することができる。この場合、発泡樹脂を複数の折り返し部分に吹き付けることに加えて、循環経路を構成する銅管の表面を防食テープで被覆することにより、循環経路の腐食も防止することが好ましい。この方法により、熱交換器の複数の折り返し部分に加えて、循環経路を構成する銅管の表面の腐食も防止した熱交換装置を提供することができる。複数の折り返し部分に隣接する防食テープの端部は、発泡樹脂で覆われるため、防食テープの端部から錆が生じるおそれもない。防食テープの貼着は、発泡樹脂の吹き付けを行う前に行うことが好ましい。発泡樹脂を吹き付ける前に防食テープを貼着すれば、防食テープの端部を発泡樹脂で覆って、更に防食効果を高めることができる。
上記の熱交換装置として空気調和機(空調機)を例示することができる。すなわち、一対の熱交換器、圧縮機及び気化装置を備えており、一対の熱交換器、圧縮機及び気化装置を循環経路で接続して、熱交換媒体を一対の熱交換器の間で循環させ、一方の熱交換器は気化装置で気化させた熱交換媒体を供給することで冷却部(エバポレーター)として機能させ、他方の熱交換器は圧縮機で凝縮した熱交換媒体を供給することで放熱部(コンデンサー)として機能させるものである。
発泡樹脂は、ポリウレタンフォームを用いることが好ましい。例えば、イソシアネート成分とポリオール成分と水と発泡剤とを用意しておき、これらを混合して、吹きつけることで、複数の折り返し部分に簡単に発泡樹脂を適用して固化させることができる。
複数の折り返し部分に発泡樹脂を吹き付けて固化させることで、銅管を効果的に防食することができる。折り返し部分は、銅管を曲げ成形したUベントと銅製の直管を嵌めあわせてこの部分をロウ付けしたり溶接したりして接合されるため特に腐食が生じやすい。しかも、折り返し部分では銅管が複雑に入り組んでいるので、従来は完全に防食処理を施すことが困難であったが、本発明によれば、簡易な方法でしかも完全な防食を施すことが可能になる。つまり、発泡樹脂によって、銅管と腐食性ガスの接触がなくなるため、腐食によるピンホールの形成を防止することができるのである。これにより、空気調和機等の熱交換装置の耐用年数を長くして、修理費及び空気調和設備の更新周期を延長することができる。特に、腐食性ガスの発生が懸念される製鉄所や火力発電所の空気調和設備の耐用年数の延長が期待される。
熱交換媒体として広く利用されているフロン類はオゾン層の破壊や地球温暖化の原因となることから使用が規制されている。例えば、特定フロンに分類されれるCFCはオゾン破壊係数が1.0、地球温暖化係数8100であり、指定フロンに分類されるHCFCは、オゾン破壊係数0.055、地球温暖化係数は1500であるとされている。特定フロンについては既に生産が禁止され、指定フロンについては、2020年に生産が禁止される予定である。これを受けて最近では、代替フロンであるハイドロフルオロカーボン(HFC)が使用されている。HFCのオゾン破壊係数は0であるものの、地球温暖化係数が1300程度であり、国際的に使用量の削減が求められており、HFCの使用規制に関する新たな条約策定の動きもある。本発明の防食方法を施せば、銅管の腐食によるフロン類の環境への漏出を未然に防止することができるので、フロン類に関する規制順守に大きく貢献することができる。
本発明の防食方法によって防食処理を施した空気調和機を模式的に示した図面である。
図面を参照しつつ本発明を実施するための形態について説明する。
図1に熱交換装置の一例である空気調和機1を示す。このほかに、冷蔵庫など熱交換器と銅管を使用する熱交換装置にも適用可能である。この空気調和機1は、一対の熱交換器11、12と圧縮機13と気化装置14とこれらを接続する循環経路15とを備える。循環経路15は、一対の熱交換器11、12、圧縮機13及び気化装置14を接続し、熱交換媒体を一対の熱交換器11、12の間で循環させる。熱交換器11には気化装置14で気化させた熱交換媒体を供給することで冷却部(エバポレーター)として機能させる。冷却部として機能する熱交換器11は、室内機16に取り付ける。熱交換器11は内部に熱交換媒体を通す銅管18を複数回折り返して構成される。これを折り返し部分19と呼ぶ。図1の例では、熱交換率を増大させるために、複数の銅管18が平行に配列されている部分にアルミニウム製のフィン20を接触させている。シロッコファン21から供給される空気がフィン20の間を通過する際に、フィン20と銅管18を介して空気と熱交換媒体の間で熱交換が行われて、冷却された空気が送風口から排出される。図1の例では、熱交換媒体として、HFCを使用している。
一方の熱交換器12は、室外機21に取り付けて放熱部(コンデンサー)として機能させる。熱交換器12は、サイズが異なるもののその基本構成は熱交換器11と同様であり、折り返し部分22及びフィン23を備える。熱交換器12には、熱交換器11で空気との間で熱交換を行い、圧縮機13で凝縮された液状の熱交換媒体が供給される。熱交換媒体は、空気との熱交換と圧縮機13における加圧凝縮により、昇温している。ファン24から供給される空気をフィン23に通して、フィン23及び銅管18を介して空気と熱交換媒体の間で熱交換を行って、熱交換媒体を冷却する。図1の例では、室内機16と室外機21を備える空気調和機1を示したが、室内機16と室外機21を一体にした空気調和機にも本発明は適用できる。一体にする場合は、放熱部を構成する熱交換器のフィンに水などの冷却液を通すことで放熱する。
図1の空気調和機1の例では、折り返し部分19、22に発泡樹脂を吹き付けて防食している。そして、気化装置14、圧縮機13及び一対の熱交換器11、12を接続する循環経路15は銅管18から構成されているので、防食のために防食テープ25で被覆してある。図1の循環経路15において、太線で示した箇所が防食テープ25で被覆した箇所である。ディストリビューター上部の銅管18に巻かれた防食テープの端部及び熱交換器18の下流の銅管18に巻かれた防食テープの端部は、複数の折り返し部分に吹き付けられた発泡樹脂で覆われているため、防食テープの端部から腐食が生じるおそれがない。
図1の例では、室内機16及び室外機21を結ぶ循環経路15には、防食テープ25は巻いていない。これは、工場のダクトや、住宅の壁面に埋設された配管を利用するためである。室内機16及び室外機17を結ぶ循環経路15としては、銅管18の上に断熱材及びアルミニウム若しくはステンレス等の金属板でラッキング(lagging)したダクト等が挙げられる。
本発明で使用できる発泡樹脂としては、現場発泡が可能なポリウレタンフォーム、フェノールフォーム、メラミンフォーム、シリコーンフォーム、又はユリアフォームが挙げられる。中でも、接着力、強度、及び作業性に優れるポリウレタンフォームを使用することが好ましい。発泡倍率は10〜60倍程度とすることが好ましい。
防食テープ25としては、粘着層を備えるポリエチレンテープ、ポリ塩化ビニルテープなどが挙げられる。防食テープ25は、循環経路15の直管部分や屈曲部分を被覆するように隙間なく螺旋状に貼着して腐食を防止する。また、循環経路15において、フランジを使用して銅管18同士を接合する場合は、フランジ部分にも発泡樹脂を吹き付けて固化させることが好ましい。さらに、圧縮機13や気化装置14等の熱交換装置1の構成部品と循環経路15との接合部分に対しても発泡樹脂を吹き付けて固化させることが好ましい。このとき循環経路15に巻き付けた防食テープ25の端部が構成部品に吹き付けた発泡樹脂で覆い隠されるように発泡樹脂を吹き付けると防食効果が高まる。このように、接合部分に発泡樹脂を吹き付けるのは、構成部品と循環経路15の接合部分は凹凸に富んだ構造や入り組んだ構造になることがあるため、防食テープ25で隙間なく被覆することは困難だからである。熱交換装置の構成部品としては、感温筒26、アキュムレーター27、圧縮機13、ストレーナー28、気化装置14、ディストリビューター29、操作弁30、チェックジョイント31、高圧圧力開閉器32等が例示される。これらの構成部品の有無は、熱交換装置に求められる機能に応じて必要な部品を選択すればよく、必ずしもすべてを備える必要はないし、加湿器や四方弁などの構成部品を追加してもよい。
図1に示した構成部品について簡単に説明する。気化装置14は、熱交換媒体を気化させる装置である。気化装置14としては、膨張弁やキャピラリーチューブが例示される。図1の空気調和機1は、気化装置14として膨張弁を使用している。膨張弁は、熱交換媒体を絞り効果で減圧して気化させる。そして、感温筒26で熱交換器11から流出した熱交換媒体の温度を検知して、膨張弁の出口付近で液体と蒸気が共存状態にある湿り蒸気となるように、絞りが自動的に制御される。湿り蒸気は熱交換器11内で気化する。感温筒26と気化装置14は、銅製のキャピラリー管33で接続される。ディストリビューター29は、気化装置14の出口側に取り付けられ、熱交換器11のそれぞれの銅管18に熱交換媒体が平均的に流れるように分配する装置である。図1においては、作図の都合上熱交換器11を構成する銅管の束から構成される板が手前に1枚だけあるように見えるが、熱交換器を側面から見ると、銅管の束から構成される板が2枚重なっている。ディストリビューター29は、表側及び裏側の銅管に熱交換媒体を分配する。アキュムレーター26は、圧縮機13の上流に配置され、熱交換媒体を気液分離する。気化装置14で熱交換媒体が十分に気化しなかった場合は、液相の熱交換媒体が圧縮機13に流入するおそれがある。液体が圧縮機13に流入すると故障と原因となるため、アキュムレーター26で気液を分離して液の流入を防いでいる。圧縮機13は、気化した熱交換媒体を圧縮して再び液化する。循環経路15に熱交換媒体を循環させるポンプとしても機能する。ストレーナー28は、熱交換媒体に含まれる塵埃、不純物等を除去するための濾過装置である。圧縮機13の金属弁等の摩耗によって生じる金属片も除去する役割を有する。操作弁30は、室内機16及び室外機21の循環経路15を遮断する弁である。例えば、室内機16又は室内機21を現場に設置する際に操作弁30を閉じておき、循環経路内の熱交換媒体が漏れないようにする。また、修理の際にも使用する。なお、室外機を備えない水冷式の空気調和機では、操作弁30は不要である。チェックジョイント31は、循環経路内の圧の測定や真空引き、熱交換媒体の充填の際に使用する。高圧圧力開閉器32は、循環経路の圧が異常を示したときに運転を停止し、事故を未然に防ぐためのものである。
以下、本発明の実施例を挙げてより詳細に説明する。
[実施例]
日立製作所製の床置型の空気調和機(型式RPV-AP224AV1)に防食処理を施した。防食処理は、まず、室内機の底面を除くすべてのパネルを取り外し、そしてシロッコファン、電気回路の基板、計器類も取り外す。室内機の底面には熱交換器等を立て掛ける支柱を2本固定しておき、循環経路を構成する銅管並びにディストリビューター、膨張弁、感温筒、及びストレーナーが接続されたままの熱交換器をこの支柱に立て掛ける。
熱交換器等を支柱に立て掛けた状態で、熱交換器とディストリビューターを接続する複数の銅管、ディストリビューターと膨張弁を接続する銅管、膨張弁と感温筒を接続するキャピラリー管(銅管)、膨張弁とストレーナーを接続する銅管、及びストレーナーから操作弁を介して筺体の外に向かって伸びる銅管並びにディストリビューターの反対側における熱交換器から操作弁を介して筺体の外に向かって伸びる銅管にポリ塩化ビニル製の防食粘着テープを螺旋状に隙間なく巻いて表面を被覆した。その後、ディストリビューター側とその反対側の折り返し部分に対してポリウレタンフォームを注入した。ポリウレタンフォームは、市販のプリウレタンフォームのスプレーを使用した。発泡率は30%、空気中の湿気により硬化する1液型のポリウレタンフォームであり、独立気泡を形成する。熱交換器を構成する銅管の複数の折り返し部分がフィンから突出しているので、当該複数の折り返し部分の付け根部分にスプレーのノズルを当てるようにして、ポリウレタンフォームを注入し、複数の折り返し部分がフォームで完全に覆われる程度まで注入し、発泡固化させる。この際に熱交換器に接続する銅管に巻いた防食粘着テープがポリウレタンフォームに完全に埋没するまでポリウレタンフォームを注入する。そして、ディストリビューターとそれに接続される複数の銅管の接合部分やストレーナーと銅管の接合部分など防食テープでは被覆しきれなかった箇所にもポリウレタンフォームを吹き付けて被覆した。フィン部分には、市販のアクリルナイロン樹脂系の防錆剤を吹きかけた。ポリウレタンフォームが固化した後、シロッコファンや基盤等を組み付けて、パネルも元のように組み付けて作業を完了した。
日立製作所製の室外機(型式:RAS-AP224AV1)も同様に、筐体のパネルを底面を除いてすべて取り外し、電気回路の基板やファンも取り外した。本室外機は、アキュムレーター、圧縮機及びディストリビューターを備える。室内機と同様の要領で、ディストリビューターと熱交換器を接続する銅管、ディストリビューターと圧縮機を接続する銅管、圧縮機とアキュムレーターを接続する銅管、アキュムレーターから筺体の外へと伸びる銅管、及びディストリビューターの反対側における熱交換器から筺体の外に向かって伸びる銅管にポリ塩化ビニル製の防食粘着テープを上記と同様の要領で貼着した。そして、やはり上記と同様の要領で熱交換器のディストリビューター側と反対側にポリウレタンフォームを注入した。フィン部分には、市販のアクリルナイロン樹脂系の防錆剤を吹きかけた。ポリウレタンフォームが固化した後、ファンを組み付けて、パネルも元のように組み付けて作業を完了した。ディストリビューターとそれに接続される複数の銅管の接合部分やストレーナーと銅管の接合部分など防食テープでは被覆しきれなかった箇所にもポリウレタンフォームを吹き付けて被覆した。
上述のようにして防食処理を施した空気調和機を工業地帯の倉庫の一室に設置した。この設置場所は、硫化鉄鉱を精製する高炉や乾留炉、火力発電所に近いためか、この設置場所では、空気調和機の循環経路を構成する銅管や熱交換器の折り返し部分の銅管がすぐに腐食してしまい、冷媒漏れを約半年間隔で起こしていた。上記防食処理を施した空気調和機を設置した後、約1年半の間経過を観察したが、熱交換器や循環経路を構成する銅管から冷媒の漏れが生じることはなかった。防食効果を確認するために、熱交換器を取り外してポリウレタンフォームを切開して銅管表面を確認したところ、黒ずみもなく銅管は健全な状態を維持しており、今後も十分な防食効果が得られる状態であった。5馬力相当の空気調和機1機の修理費用は1回でも相当な費用になるところ、半年に1回修理を要する場合は、1年に要する修理費用はその2倍の金額にもなる。本発明の防食処理を施せば、そのような修理費用は不要になるため、その費用節減効果は大きい。
上記防食処理は、現場施工で行ってもよい。このとき予め購入しておいた交換用の熱交換器の複数の折り返し部分にポリウレタンフォームを注入、発泡、固化させて防食しておき、これを交換用部品として現場に持ち込んでもよい。この場合、現場でポリウレタンフォームを注入、発泡する手間が省けるので防食作業を迅速に完了することができる。
1 空気調和機
11 熱交換器(冷却部)
12 熱交換器(放熱部)
13 圧縮機
14 気化装置
15 循環経路
18 銅管
19 折り返し部分
22 折り返し部分
25 防食テープ

Claims (6)

  1. 内部に熱交換媒体を通す銅管を折り返してなる複数の折り返し部分を有する熱交換器を備える熱交換装置の銅管の防食方法であって、
    前記熱交換器の複数の折り返し部分に対して発泡樹脂を吹き付けて固化させることにより、折り返し部分の腐食を防止する熱交換装置の銅管の防食方法。
  2. 熱交換装置は、前記熱交換器に熱交換媒体を循環させるための循環経路をさらに備えており、
    該循環経路は、内部に熱交換媒体を通す銅管から構成されるものであり、
    発泡樹脂を複数の折り返し部分に吹き付けることに加えて、循環経路を構成する銅管の表面を防食テープで被覆することにより、循環経路の腐食も防止する請求項1に記載の熱交換装置の銅管の防食方法。
  3. 熱交換装置は、空気調和機であって、一対の熱交換器、圧縮機及び気化装置を備えており、
    一対の熱交換器、圧縮機及び気化装置を循環経路で接続して、熱交換媒体を一対の熱交換器の間で循環させ、
    一方の熱交換器は気化装置で気化させた熱交換媒体を供給することで冷却部として機能させ、他方の熱交換器は圧縮機で凝縮した熱交換媒体を供給することで放熱部として機能させるものである請求項1又は2に記載の熱交換装置の銅管の防食方法。
  4. 発泡樹脂は、ポリウレタンフォームである請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換装置の銅管の防食方法。
  5. 内部に熱交換媒体を通す銅管を折り返してなる複数の折り返し部分を有する熱交換器であって、
    該熱交換器の銅管の折り返し部分に対して発泡樹脂を吹き付けた後、前記発泡樹脂を固化させることにより、折り返し部分の腐食を防止した熱交換器。
  6. 請求項5に記載の熱交換器と該熱交換器に熱交換媒体を循環させる循環経路とを備える熱交換装置であって、
    前記循環経路は、内部に熱交換媒体を通す銅管から構成されるものであり、発泡樹脂を複数の折り返し部分に吹きつけることに加えて、循環経路を構成する銅管の表面を防食テープで被覆して循環経路の腐食も防止した熱交換装置。
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