JPH07117088B2 - 鋼構造物のボルト接合構造 - Google Patents

鋼構造物のボルト接合構造

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JPH07117088B2
JPH07117088B2 JP15101291A JP15101291A JPH07117088B2 JP H07117088 B2 JPH07117088 B2 JP H07117088B2 JP 15101291 A JP15101291 A JP 15101291A JP 15101291 A JP15101291 A JP 15101291A JP H07117088 B2 JPH07117088 B2 JP H07117088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅や工場、事務所、
研究所、橋梁等の鋼構造物において柱や梁、筋交い部材
等の軸方向力を伝達する部材間に使用されるボルト接合
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼構造物のボルト接合のうち支圧接合
は、ボルト軸部の剪断抵抗と接合部材の支圧力を同時に
働かせて応力を伝達する接合方式である。この接合方式
では作用機構上、接合部材とボルトの軸部は密着してい
る必要があるので、通常、ボルト孔のクリアランスは小
さく、接合部材の寸法精度としては、かなり高いものが
要求される。しかし、鋼構造物では一般に建方時の施工
誤差が生じ易く、この施工誤差を吸収するために、次の
第1ないし第3の方策が実施されている。
【0003】第1の方策は、接合部材の製作加工時と建
方時の精度管理を厳密に行なうことによって、所定性能
の確保を図ることである。第2の方策は、図15に示し
たように一方の接合部材31の途中にターンバックル等
の誤差吸収機構32を支圧接合部以外に挿入し、ボルト
33とナット34によって一方の接合部材31を他方の
接合部材35に接合し、この建方の完了後に誤差吸収機
構32を操作することによって、製作誤差や施工誤差を
処理するものである。
【0004】第3の方策は、図16と図17に示したよ
うに一方の接合部材41の受孔42と座金43の受孔4
4をクリアランス小さく加工し、一方の接合部材41と
座金43の間に挟み込まれる他方の接合部材45の透孔
46をクリアランス大きく加工し、該透孔46に緩く嵌
め合わせたボルト47を前記受孔43と受孔42に密に
嵌め合わせ、ボルト47にねじあわせたナット48によ
って一方の接合部材41に他方の接合部材45を締め付
け、この建方完了後に座金43を他方の接合部材45に
溶接49することによって、製作誤差や施工誤差を処理
するものである。
【0005】しかしながら、第1の方策では、精度を確
保するための製作費用が嵩み、製作加工に長期間を要す
るため、経済性に問題がある。第2の方策では、誤差吸
収機構32を設けることによって接合部材31の部材形
状が複雑となり、耐力上問題を生じ易く、製作費用の増
大をもたらす。また、接合部が大きくなるため、意匠上
好ましくない場合がある。第3の方策では、施工現場に
おいて溶接接合を使用することにより、経済性と品質確
保の両面で問題がある。
【0006】米国特許第3006443号公報に開示さ
れたボルト接合構造では、座金の片面に円盤部を突設
し、該円盤部の中心から偏心させて透孔を座金に設け、
接合部材の受孔に該円盤部を密に嵌め合わせ、ボルトを
前記透孔に密に嵌め合わせ、該ボルトにねじ合わせたナ
ットによって二つの接合部材を互いに締め付けている。
【0007】しかしながら、この第4の方策では、座金
を所要角度回転させて誤差を吸収する時、ボルトが前記
受孔の中心を中心とし、前記透孔の偏心距離を半径とす
る円上を移動するため、接合部材の中心軸線が固定躯体
との関係で本来占めるべき位置から若干ずれて配置さ
れ、軸方向力の伝達の点で問題を生じることがある。
【0008】
【発明が解決すべき課題】従って本発明の目的は、とも
に偏心リングであるインナーリングとアウターリングを
相対的に回転させるという簡単な操作によって、製作誤
差と施工誤差を接合部材の位置ずれを招くことなく、的
確に吸収処理することができ、接合部材の製作施工の費
用削減と工程の短縮が可能である、鋼構造物のボルト接
合構造を提供することである。
【0009】また、本発明の目的は、機構的に簡明であ
り、偏心リングであるインナーリングと偏心リングまた
は非偏心リングとしたアウターリングの介在によって、
ボルトが軸部の嵌め込み長さの全長にわたって両接合部
材と密着するため、大きな応力にも無理なく適用でき、
品質の確保が容易である鋼構造物のボルト接合構造を提
供することである。
【0010】更にまた、本発明の目的は、前記アウター
リングとインナーリングの大部分が一方の接合部材の厚
さ内に収容されるため、接合部を全体としてコンパクト
に形成でき、高い意匠性が容易に得られて、鋼構造物の
設計上の自由度を高めることができる、鋼構造物のボル
ト接合構造を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下、添付図面中の参照
符号を用いて本発明を説明すると、第1の発明のボルト
接合構造は、一方の接合部材1に設けた受孔2と、他方
の接合部材3に設けた透孔4と、内径の中心5bが外径
の中心5aから偏心しており、一方の接合部材1の外面
に当接するフランジ9を外端に設けてあり、前記受孔2
に密に嵌め合わされるアウターリング5と、内径の中心
6bが外径の中心6aから偏心しており、アウターリン
グ5のフランジ9に当接するフランジ10を外端に設け
てあり、アウターリング5に密に嵌め合わされるインナ
ーリング6と、前記透孔4とインナーリング6に密に嵌
め合わされるボルト7と、ボルト7にねじ合わされ、前
記フランジ10を押圧して一方の接合部材1を座金17
を介して又は介さずに他方の接合部材3に締め付けるナ
ット8とから成る。
【0012】また、第2の発明のボルト接合構造では、
アウターリング5の内周面11は外側に向かって拡径し
たテーパー面に形成され、円周の一部に分断スリット1
2が形成され、アウターリング5は当初の段階では一方
の部材1の受孔2に緩く嵌め合わされる。インナーリン
グ6の外周面13は内側に向かって縮径したテーパー面
に形成され、一方の接合部材1の外面に当接するフラン
ジ10を外端に設けてある。インナーリング6の押し込
み時にアウターリング5の外周面14が受孔2の内周面
15に密着させられる。その他の点は第1の発明のボル
ト接合構造と同じである。
【0013】第3の発明のボルト接合構造では、アウタ
ーリング5は内径の中心5bが外径の中心5aに合致し
た非偏心リングである。その他の点は第2の発明のボル
ト接合構造と同じである。
【0014】
【作用】軸方向に応力を伝達する二つの接合部材1,3
をボルト接合するには、第1の発明では、一方の接合部
材1の受孔2にアウターリング5を密に嵌め合わせ、該
アウターリング5にインナーリング6を密に嵌め合わせ
た後、該インナーリング6の開口部と他方の接合部材3
の透孔4の位置を合わせ、該透孔4とインナーリング6
にボルト7を密に嵌め合わせ、該ボルト7にねじ合わせ
たナット8をアウターリング5とインナーリング6が回
転可能な程度に仮締めして置く。
【0015】接合部材1,3の製作誤差と施工誤差を吸
収するため、アウターリング5とインナーリング6を所
要方向に所要角度回転操作した後、前記ナット8を本締
めし、図4に示したようにナット8の内端面でインナー
リング6のフランジ10を押圧し、該フランジ10でア
ウターリング5のフランジ9を押圧し、該フランジ9で
一方の接合部材1をボルト7に嵌めた座金17を介して
他方の接合部材3に締め付ける。
【0016】誤差の吸収処理に際して、前記インナーリ
ング6と透孔4の位置合わせは、図6に示したようにア
ウターリング5の外径の中心5aとインナーリング6の
外径の中心6a(アウターリング5の内径の中心5b)
とインナーリング6の内径の中心6b(ボルト7の中心
7a)が接合部材1の中心軸線1a上に来るように行な
われる。
【0017】この位置合わせ後、アウターリング5とイ
ンナーリング6を逆方向に同角度、即ち図7に示したよ
うにアウターリング5を時計回り方向に角度θ、インナ
ーリング6を反時計回り方向に角度θだけ回転させる
と、アウターリング5の外径の中心5aと内径の中心5
bの偏心距離およびインナーリング6の外径の中心6a
と内径の中心6bの偏心距離がいずれもdである時、ボ
ルト7の中心7aは接合部材1の中心軸線1aに沿って
2d・cosθだけ移動することになり、他方の接合部
材3を一方の接合部材1の側に直線的に引き寄せる。
【0018】第2の発明では、一方の接合部材1の受孔
2にアウターリング5を緩く嵌め合わせ、図11に示し
たように、インナーリング6の外周面13の先端部をア
ウターリング5の内周面11の基端部に係合させて、イ
ンナーリング6をアウターリング5に一部嵌め入れる。
この後、インナーリング6の開口部と他方の接合部材3
の透孔4の位置を合わせ、該透孔4とインナーリング6
にボルト7を密に嵌め合わせ、ボルト7にねじ合わせた
ナット8をアウターリング5とインナーリング6が回転
可能な程度に仮締めして置く。
【0019】接合部材1,3の製作誤差と施工誤差を吸
収するため、アウターリング5とインナーリング6を所
要方向に所要角度回転操作した後、前記ナット8を本締
めすることによって、ナット8の内端面でインナーリン
グ6のフランジ10を押圧し、フランジ10が一方の接
合部材1の外面に当接するまで、インナーリング6をア
ウターリング5内に押し込む。
【0020】この押し込み操作により前記テーパー面の
外周面13が前記テーパー面11の内周面を押圧するた
め、図9に示したようにアウターリング5は分断スリッ
ト12で開いて拡径変形させられ、図10に示したよう
にアウターリング5の外周面14が接合部材1の受孔2
の内周面15に密着させられる。
【0021】アウターリング5が受孔2の内周面15に
密着した時点で一方の接合部材1と他方の接合部材3が
座金17を介して緊密に締め付けられている場合には、
ナット8の回転操作はそこで終了となる。これら接合部
材1,3の締め付けが未了の時には、ナット8の回転操
作が続行される。
【0022】第2の発明においても、アウターリング5
とインナーリング6を互いに逆方向に同角度回転させる
ことによって、他方の接合部材3を一方の接合部材1の
側に直線的に牽引することができる。
【0023】第3の発明では、一方の接合部材1の受孔
2にアウターリング5を緩く嵌め合わせ、インナーリン
グ6の外周面13の先端部をアウターリング5の内周面
11の基端部に係合させて、インナーリング6をアウタ
ーリング5に一部嵌め入れる。この後、インナーリング
6の開口部と他方の接合部材3の透孔4の位置を合わ
せ、該透孔4とインナーリング6にボルト7を密に嵌め
合わせ、ボルト7にねじ合わせたナット8をアウターリ
ング5とインナーリング6が回転可能な程度に仮締めす
る。
【0024】接合部材1,3の製作誤差と施工誤差を吸
収するため、インナーリング6を所要角度だけ回転操作
した後、前記ナット8を本締めすることによって、ナッ
ト8の内端面でインナーリング6のフランジ10を押圧
し、フランジ10が一方の接合部材1の外面に当接する
まで、インナーリング6をアウターリング5内に押し込
む。
【0025】この押し込み操作により前記テーパー面の
外周面13が前記テーパー面11の内周面を押圧するた
め、図13に示したようにアウターリング5は分断スリ
ット12で開いて拡径変形させられ、図14に示したよ
うにアウターリング5の外周面14が接合部材1の受孔
2の内周面15に密着させられる。
【0026】アウターリング5が受孔2の内周面15に
密着した時点で一方の接合部材1と他方の接合部材3が
座金17を介して緊密に締め付けられている場合には、
ナット8の回転操作はそこで終了となる。これら接合部
材1,3の締め付けが未了の時には、ナット8の回転操
作が更に続行される。
【0027】
【実施例】図1から図7に示した第1の発明の実施例で
は、一方の接合部材1は筋交い部材の鋼製芯板であり、
他方の接合部材3は芯板の上下端部を鋼構造物の躯体1
8に連結するための鋼製取付板であり、躯体18に固着
されている。アウターリング5とインナーリング6及び
ボルト7とナット8はいずれも金属製である。アウター
リング5のフランジ9とインナーリング6のフランジ1
0は座金を兼ねており、回転操作を容易に行なうため、
インナーリング6のフランジ10はナット8よりも大径
に形成され、アウターリング5のフランジ9はインナー
リング6のフランジ10よりも大径に形成されている。
【0028】本実施例では、一方の接合部材1は2枚使
用され、他方の接合部材3は1枚使用されている。これ
ら接合部材1,3は2枚の座金17を間に挿入して重ね
合わされている。アウターリング5とインナーリング6
の組み合わせは2組使用され、これら接合部材1,3は
ボルト7の両端部にねじ合わせた2個のナット8によっ
て締め付けられている。
【0029】ナット8の本締めによってアウターリング
5のフランジ9は一方の接合部材1に締め付けられ、イ
ンナーリング6のフランジ10はアウターリング5のフ
ランジ9に締め付けられるため、アウターリング5やイ
ンナーリング6の戻り回転は通常発生しないが、本実施
例では、予期しない過大な力が作用した場合において
も、アウターリング5やインナーリング6が回転しない
ようにする安全策として、フランジ9を接合部材1に溶
接19し、フランジ10をフランジ9に溶接20してあ
る。
【0030】なお、前記フランジ9,10の溶接は本発
明の要旨には関係しない付加的なものであるから、省略
することもできる。また、1本のボルト7と2個のナッ
ト8の代わりに、一本の頭部付きボルトと1個のナット
を使用することもできる。
【0031】図8から図11図に示した第2の発明の実
施例でも、一方の接合部材1は2枚使用され、他方の接
合部材3は1枚使用されている。これら接合部材1,3
は2枚の座金17を間に挿入して重ね合わされている。
アウターリング5とインナーリング6の組み合わせは2
組使用され、これら接合部材1,3はボルト7の両端部
にねじ合わせた2個のナット8によって締め付けられて
いる。
【0032】アウターリング5の分断スリット12は、
拡径変形を容易にするため、最も幅の広い部分に設けら
れている。アウターリング5の厚さは接合部材1の厚さ
に等しく、インナーリング6のフランジ10が接合部材
1の外面に当接した時、フランジ10はアウターリング
5の外端面21にも当接して、アウターリング5の全体
を受孔2内に閉じ込める。本実施例においても、インナ
ーリング6のフランジ10を予備的に接合部材1に溶接
22している。
【0033】図12から図14に示した第3の発明の実
施例でも、一方の接合部材1は2枚使用され、他方の接
合部材3は1枚使用されている。これら接合部材1,3
は2枚の座金17を間に挿入して重ね合わされている。
アウターリング5とインナーリング6の組み合わせは2
組使用され、これら接合部材1,3はボルト7の両端部
にねじ合わせた2個のナット8によって締め付けられて
いる。
【0034】アウターリング5の厚さは接合部材1の厚
さに等しく、インナーリング6のフランジ10が接合部
材1の外面に当接した時、フランジ10はアウターリン
グ5の外端面21にも当接して、アウターリング5の全
体を受孔2内に閉じ込める。本実施例においても、イン
ナーリング6のフランジ10を予備的に接合部材1に溶
接22している。
【0035】いずれの発明においても接合部材1,3の
重ね合わせ枚数やボルト7の使用本数などは図示のもの
に限定されず、座金17の挿入は行わなくてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように第1の発明と第2の発明お
よび第3の発明のボルト接合構造では、内径の中心5b
が外径の中心5aから偏心したアウターリング5を一方
の接合部材1の受孔2に嵌め合わせ、内径の中心6bが
外径の中心6aから偏心したインナーリング6をアウタ
ーリング5に嵌め合わせ、インナーリング6と他方の接
合部材3の透孔4にボルト7を嵌め合わせたものであ
り、アウターリング5とインナーリング6を適宜回転さ
せることによって、一方の接合部材1に対してボルト7
が占める位置、換言すれば、一方の接合部材1と他方の
接合部材3との相対的位置を一定範囲内で変更すること
ができるため、接合部材1,3の製作誤差や施工誤差を
的確に吸収処理することができる。そのため、接合部材
1,3の製作と施工に当たり精度の管理レベルを極めて
高く設定する必要がなくなり、製作と施工の費用削減お
よび工程の短縮が容易であり、経済性も格段に向上す
る。
【0037】第1の発明と第2の発明および第3の発明
のボルト接合構造では、ボルト7は接合部材3の透孔4
とインナーリング6に密に嵌め合わされるので、ボルト
7の軸部は透孔4の内周面23とインナーリング6の内
周面16に嵌め合わせ長さの全長で密着しており、ま
た、該インナーリング6はアウターリング5に密に嵌め
合わされるので、インナーリング6の外周面13はアウ
ターリング5の内周面11に嵌め合わせ長さの全長で密
着しており、更にまた、アウターリング5は接合部材1
の受孔2に密に嵌め合わされるか、インナーリング6の
押し込みによる拡径変形されるので、アウターリング5
の外周面14は受孔2の内周面15に嵌め合わせ長さの
全長で密着しており、一方の接合部材1と他方の接合部
材3との間の応力の伝達は、ボルト7の嵌め込まれた軸
部の全長にわたって的確に行なわれる。そのため、大き
な応力が想定される接合部においても無理なく適用する
ことができ、ボルト接合の品質を高いレベルに確保する
ことができる。
【0038】第1の発明のボルト接合構造では、誤差の
吸収処理に当たり、ともに偏心リングであるアウターリ
ング5とインナーリング6を互いに逆方向に同角度回転
させることによって、ボルト7が一方の接合部材1の中
心軸線1a上を移動し、他方の接合部材3を一方の接合
部材1の側に直線的に引き寄せることができるため、接
合部材1を設計時に定められた本来の位置から変位させ
ることなく、両部材1,3間の軸方向力の伝達が的確に
なされる。
【0039】第1の発明のボルト接合構造では、アウタ
ーリング5の主体部が一方の接合部材1の受孔2内に埋
没され、インナーリング6の主体部が該アウターリング
5内に埋没され、受孔2の外部にはフランジ9,10が
突出するだけであり、また、第2の発明と第3の発明の
ボルト接合構造では、アウターリング5の全体が受孔2
内に埋没され、インナーリング6の主体部がアウターリ
ング5内に埋没され、受孔2の外部にはフランジ10が
突出するだけであり、これらフランジ9,10の突出量
は従来のボルト接合で普通に使用されている座金の厚さ
に相当する程度のものであるから、接合部は十分コンパ
クトにまとめ上げられる。そのため、高い意匠性が容易
に得られ、鋼構造物の設計上の自由度を高めることがで
きる。。
【0040】第3の発明のボルト接合構造では、アウタ
ーリング5は内径の中心5bが外径の中心5aに合致し
た非偏心リングであり、幅が全周にわたって同等である
ため、インナーリング6の押し込みによる拡径変形は局
部的な歪みを生じることなく、円滑かつ的確に行われ、
アウターリング5の外周面14と受孔2の内周面15と
の密着性をより一段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るボルト接合構造を示す
分解斜視図である。
【図2】該ボルト接合構造を適用した鋼構造物の概略的
な正面図である。
【図3】図2の円Aで示したボルト接合部分の拡大正面
図である。
【図4】図3の矢印B方向からの該ボルト接合部の平面
図である。
【図5】図4のC−C線断面図である。
【図6】誤差吸収前における該ボルト接合部の横断面図
である。
【図7】誤差吸収後における該ボルト接合部の横断面図
である。
【図8】本発明の別の実施例に係るボルト接合構造を示
す分解斜視図である。
【図9】該ボルト接合構造を適用した鋼構造物の要部正
面図である。
【図10】図9のD−D線断面図である。
【図11】該ボルト接合構造のインナーリングの押し込
み前の縦断面図である。
【図12】本発明の更に別の実施例に係るボルト接合構
造を示す分解斜視図である。
【図13】該ボルト接合構造を適用した鋼構造物の要部
正面図である。
【図14】図13のE−E線断面図である。
【図15】従来の誤差吸収方式を適用した鋼構造物の概
略的な正面図である。
【図16】従来のボルト接合構造を示す要部正面図であ
る。
【図17】図16のFーF線断面図である。
【符号の説明】
1 一方の接合部材 1a 中心軸線 2 接合部材の受孔 3 他方の接合部材 4 接合部材の透孔 5 アウターリング 5a 外径の中心 5b 内径の中心 6 インナーリング 6a 外径の中心 6b 内径の中心 7 ボルト 7a ボルトの中心 8 ナット 9 アウターリングのフランジ 10 インナーリングのフランジ 11 アウターリングの内周面 12 アウターリングの分断スリット 13 インナーリングの外周面 14 アウターリングの外周面 15 受孔の内周面 16 インナーリングの内周面 17 座金 18 躯体 19 溶接部 20 溶接部 21 アウターリングの外端面 22 溶接部 23 透孔の内周面 31 一方の接合部材 32 誤差吸収機構 33 ボルト 34 ナット 35 他方の接合部材 41 一方の接合部材 42 接合部材の受孔 43 座金 44 座金の受孔 45 他方の接合部材 46 接合部材の透孔 47 ボルト 48 ナット 49 溶接部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の接合部材1に設けた受孔2と;他
    方の接合部材3に設けた透孔4と;内径5bの中心が外
    径の中心5aから偏心しており、一方の接合部材1の外
    面に当接するフランジ9を外端に設けてあり、前記受孔
    2に密に嵌め合わされるアウターリング5と;内径の中
    心6bが外径の中心6aから偏心しており、アウターリ
    ング5のフランジ9に当接するフランジ10を外端に設
    けてあり、アウターリング5に密に嵌め合わされるイン
    ナーリング6と;前記透孔4とインナーリング6に密に
    嵌め合わされるボルト7と;ボルト7にねじ合わされ、
    前記フランジ10を押圧して一方の接合部材1を座金1
    7を介して又は介さずに他方の接合部材3に締め付ける
    ナット8とから成る鋼構造物のボルト接合構造。
  2. 【請求項2】 一方の接合部材1に設けた受孔2と;他
    方の接合部材3に設けた透孔4と;内径の中心5bが外
    径の中心5aから偏心しており、内周面11が外側に向
    かって拡径したテーパー面に形成され、円周の一部に分
    断スリット12が形成され、前記受孔2に緩く嵌め合わ
    されるアウターリング5と;内径の中心6bが外径の中
    心6aから偏心しており、外周面13が内側に向かって
    縮径したテーパー面に形成され、一方の接合部材1の外
    面に当接するフランジ10を外端に設けてあり、アウタ
    ーリング5に密に嵌め合わされるインナーリング6と;
    前記透孔4とインナーリング6に密に嵌め合わされるボ
    ルト7と;ボルト7にねじ合わされ、前記フランジ10
    を押圧して、アウターリング5の外周面14を前記受孔
    2の内周面15に密着させ、一方の接合部材1に座金1
    7を介して又は介さずに他方の接合部材3を締め付ける
    ナット8とから成る鋼構造物のボルト接合構造。
  3. 【請求項3】 一方の接合部材1に設けた受孔2と;他
    方の接合部材3に設けた透孔4と;内径の中心5bが外
    径の中心5aと合致しており、内周面11が外側に向か
    って拡径したテーパー面に形成され、円周の一部に分断
    スリット12が形成され、前記受孔2に緩く嵌め合わさ
    れるアウターリング5と;内径の中心6bが外径の中心
    6aから偏心しており、外周面13が内側に向かって縮
    径したテーパー面に形成され、一方の接合部材1の外面
    に当接するフランジ10を外端に設けてあり、アウター
    リング5に密に嵌め合わされるインナーリング6と;前
    記透孔4とインナーリング6に密に嵌め合わされるボル
    ト7と;ボルト7にねじ合わされ、前記フランジ10を
    押圧して、アウターリング5の外周面14を前記受孔2
    の内周面15に密着させ、一方の接合部材1に座金17
    を介して又は介さずに他方の接合部材3を締め付けるナ
    ット8とから成る鋼構造物のボルト接合構造。
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