JP3510807B2 - 柱の締結構造及び方法 - Google Patents

柱の締結構造及び方法

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JP3510807B2 JP37095298A JP37095298A JP3510807B2 JP 3510807 B2 JP3510807 B2 JP 3510807B2 JP 37095298 A JP37095298 A JP 37095298A JP 37095298 A JP37095298 A JP 37095298A JP 3510807 B2 JP3510807 B2 JP 3510807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は柱の締結構造及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上下の柱を剛接合する接合構造と
して、特開昭57-169148 号公報に記載の如く、上下の柱
の外面に嵌合部材を設けて上下の柱を仮止めした状態
で、それら上下の柱を現場溶接するものが提案されてい
る。
【0003】また従来、特開平3-166442号公報に記載の
如く、上下の柱のそれぞれにテーパ雄体とテーマ雌体を
設け、それらのテーパ雄体とテーパ雌体とを嵌合させ、
両テーパ体のそれぞれに設けてある締結部を柱外で締結
してなるものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、特開昭57
-169148 号公報に記載のものにあっては、現場溶接を必
要とするため天候に左右される等、作業性が悪い。ま
た、柱の外面に嵌合部材を設けているため、工場から現
地への輸送性が悪く、外観も悪い。
【0005】また、特開平3-166442号公報に記載のもの
にあっては、テーパ雄体とテーパ雌体のテーパ精度によ
り柱長さが変動し易い。また、柱の外面に両テーパ体の
締結部を設けているため、工場から現地への輸送性が悪
く、外観も悪い。
【0006】尚、ユニット建物を構築するに際し、特開
昭50-147113 号公報に記載の如く、上下の建物ユニット
の柱同士を締結する方法として、上柱の下端部に設けた
下エンドプレートと、下柱の上端部に設けた上エンドプ
レートとを、柱内でボルト締結するものもある。ところ
が、この場合には、上下の柱をボルトによりピン接合す
るに過ぎず、剛接合することに多大な困難がある。
【0007】本発明の課題は、上下の柱を柱内で簡易に
剛接合可能とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、上柱と下柱を上下に締結する柱の締結構造におい
て、上柱の内面に上係合部を備えるとともに、下柱の内
面に下係合部を備え、上柱と下柱の内部に挿入された嵌
合体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に嵌合し、該嵌
合体によりそれら上下の係合部を挟持してなり、前記上
柱と下柱が備える上下の係合部と、嵌合体との嵌合面に
勾配が付されてなるようにしたものである。
【0009】請求項記載の本発明は、請求項1に記載
の本発明において更に、前記嵌合体が、上柱と下柱の端
面間に介装される介装突部を備えてなるようにしたもの
である。
【0010】請求項記載の本発明は、請求項1又は2
記載の本発明において更に、前記下柱の内面に、下柱の
内部に挿入された嵌合体を、その嵌合過程で支えるスト
ッパを備えてなるようにしたものである。
【0011】請求項記載の本発明は、請求項1〜
いずれかに記載の本発明において更に、前記嵌合体が嵌
合駆動機構部を付帯的に備え、嵌合駆動機構部は柱外か
ら操作される工具により作動され、嵌合体を上柱の上係
合部と下柱の下係合部に嵌合せしめるように押動可能と
するようにしたものである。
【0012】請求項記載の本発明は、請求項に記載
の本発明において更に、前記嵌合駆動機構部が、ボルト
と、ボルトに上下端を挿通された湾曲板状体とからな
り、湾曲板状体の側部に嵌合体を固定し、ボルトの回動
により上下から挟圧変形せしめられる湾曲板状体の拡開
動作によって嵌合体を押動するようにしたものである。
【0013】請求項記載の本発明は、請求項に記載
の本発明において更に、前記嵌合駆動機構部が、ボルト
と、ボルトの上下に装着された上下のリンクとからな
り、上下のリンクの間に嵌合体を設け、ボルトの回動に
よる上下のリンクの拡開動作によって嵌合体を押動する
ようにしたものである。
【0014】請求項記載の本発明は、請求項に記載
の本発明において更に、前記嵌合駆動機構部が、ボルト
と、ボルトの上下に装着された上下のくさび板と、上下
のくさび板に上下端をくさび結合された側板とからな
り、側板の側部に嵌合体を固定し、ボルトの回動による
側板の拡開動作によって嵌合体を押動するようにしたも
のである。
【0015】請求項記載の本発明は、請求項に記載
の本発明において更に、前記嵌合駆動機構部が、駆動軸
と、駆動軸の上下に回転方向にのみ結合され、互いに逆
ねじをなす上下一対のテーパねじと、上下のテーパねじ
に噛合わされた側板とからなり、側板の側部に嵌合体を
固定し、駆動軸の回動による側板の拡開動作によって嵌
合体を押動するようにしたものである。
【0016】請求項記載の本発明は、請求項に記載
の本発明において更に、前記嵌合駆動機構部が、駆動軸
と、駆動軸に歯車を介して接続され該駆動軸と直交する
中間軸と、中間軸にねじ結合される被動軸とからなり、
被動軸に嵌合体を接続し、駆動軸の回動による被動軸の
軸方向移動によって嵌合体を押動するようにしたもので
ある。
【0017】請求項10記載の本発明は、請求項1〜
のそれぞれに記載の柱の締結構造に用いられる柱の締結
方法であって、上柱と下柱が備える上下の係合部と、嵌
合体との嵌合面に勾配が付されてなる上柱と下柱及び嵌
合体を用い、上柱と下柱を上下に合わせる工程と、嵌合
体を上柱と下柱の内部に挿入する工程と、嵌合体を上柱
の上係合部と下柱の下係合部に嵌合せしめるように押動
し、該嵌合体によりそれら上下の係合部を挟持する工程
とを有してなるようにしたものである。
【0018】
【作用】請求項1、10の本発明によれば下記(1) の作
用がある。 (1)上柱と下柱の内部で、それらの上係合部と下係合部
を嵌合体により挟持することにより、上柱と下柱を簡易
に、且つ柱長さ精度等を損なうことなく剛接合にて締結
することができる。
【0019】このとき、現場溶接を伴うことなく、作業
性を向上できる。また、上柱と下柱の締結用部材は柱の
外面に設けられるものがなく、柱の工場から現地への輸
送性と、柱の外観を向上できる。
【0020】嵌合体による上係合部と下係合部の嵌合挟
持を解除することにより、上柱と下柱の締結を分離解体
することもできる。
【0021】更に、請求項1、10の本発明によれば下
記(2) の作用がある。 (2)嵌合体の上柱の上係合部と下柱の下係合部との端面
に勾配を付したから、上柱と下柱の位置合せ精度を高精
度化することなく、嵌合体の上係合部と下係合部への嵌
合をスムースにできる。また、嵌合体と上係合部及び下
係合部の寸法精度を高精度化することなしに、嵌合体を
上係合部と下係合部に単に押込み嵌合することで、嵌合
体を上係合部と下係合部にクリアランスなく確実に密に
嵌合できる。
【0022】請求項の本発明によれば下記(3) の作用
がある。 (3)嵌合体が上柱と下柱の端面間に介装される介装突部
を備えることにより、上柱の上係合部と下柱の下係合部
に対する嵌合体の嵌合状況(嵌合体の有無、嵌合度等)
を柱の外部から目視確認できる。また、嵌合体を上柱と
下柱の内部に挿入した嵌合過程で、嵌合体の介装突部の
先端部を下柱の端面の上に載せ、その後、この嵌合体の
介装突部の先端部の上に上柱を設置し、嵌合体による上
柱と下柱の接合を行なうことができ、嵌合体を嵌合過程
で柱内に簡易に仮保持できる。
【0023】請求項の本発明によれば下記(4) の作用
がある。 (4)下柱の内面にストッパを備えたから、嵌合体を上柱
と下柱の内部に挿入した嵌合過程で、嵌合体をストッパ
に載せて柱内に確実に仮保持できる。
【0024】請求項の本発明によれば下記(5) の作用
がある。 (5)嵌合体に嵌合駆動機構部を備えたから、柱外から操
作される工具により嵌合駆動機構部を作動することによ
り、嵌合体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に押込み
嵌合することができる。
【0025】請求項の本発明によれば下記(6) の作用
がある。 (6)嵌合駆動機構部は、柱外から操作される工具による
ボルトの回動により、湾曲板状体を拡開動作させ、嵌合
体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に押込み嵌合する
ことができる。
【0026】請求項の本発明によれば下記(7) の作用
がある。 (7)嵌合駆動機構部は、柱外から操作される工具による
ボルトの回動により、上下のリンクを拡階動作させ、嵌
合体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に押込み嵌合す
ることができる。
【0027】請求項の本発明によれば下記(8) の作用
がある。 (8)嵌合駆動機構部は、柱外から操作される工具による
ボルトの回動により、上下のくさび板を介して、側板を
拡開動作させ、嵌合体を上柱の上係合部と下柱の下係合
に押込み嵌合することができる。
【0028】請求項の本発明によれば下記(9) の作用
がある。 (9)嵌合駆動機構部は、柱外から操作される工具による
駆動軸の回動により、上下のテーパねじを介して、側板
を拡開動作させ、嵌合体を上柱の上係合部と下柱の下係
合に押込み嵌合することができる。
【0029】請求項の本発明によれば下記(10)の作用
がある。 (10)嵌合駆動機構部は、柱外から操作される工具による
駆動軸の回動により、中間軸を介して、被動軸を軸方向
移動させ、嵌合体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に
押込み嵌合することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1はユニット建物の据付過程を
示し、(A)は基礎を示す斜視図、(B)は 1階部分を
示す斜視図、(C)は 2階部分を示す斜視図、図2は建
物ユニットを示す側面図、図3は建物ユニットの他の例
を示す側面図、図4は建物ユニットの他の例を示す斜視
図、図5は建物ユニットの他の例を示す斜視図、図6は
締結工具を示し、(A)は全体側面図、(B)は要部断
面図、(C)は分解斜視図、図7は第1実施形態の締結
具を示す断面図、図8は柱内に挿入された締結具を示
し、(A)は円形断面柱の例を示す平面図、(B)は円
形断面柱の他の例を示す平面図、(C)は角形断面柱の
例を示す平面図、(D)は角形断面柱の他の例を示す平
面図、図9は柱の締結過程を示し、(A)は締結中間状
態を示す断面図、(B)は締結完了状態を示す断面図、
図10は締結工具の使用状態を示し、(A)は締結具の
捕捉状態を示す断面図、(B)は締結具が柱中心からず
れている状態を示す断面図、(C)は締結工具の柱への
挿入、引出し状態を示す断面図、図11は締結具の製作
過程を示す説明図、図12は締結具の板状体を示す説明
図、図13は嵌合体と柱内面の係合部とを示し、(A)
は上下柱とも 2係合部を備える例を示す断面図、(B)
は上柱に 1係合部、下柱に 2係合部を備える例を示す断
面図、(C)は上柱と下柱の板厚が異なる例を示す断面
図、(D)は上柱と下柱の板厚部が互いにずれている例
を示す断面図、(E)は上下柱に凹状係合部を備えた例
を示す断面図、図14は嵌合体の嵌合状態を示し、
(A)は勾配付嵌合体を示す断面図、(B)は勾配なし
嵌合体を示す断面図、図15は介装突部付嵌合体を示
し、(A)は嵌合過程を示す断面図、(B)は上下柱に
凹状係合部を備えた例を示す断面図、図16はストッパ
付柱を示し、(A)は柱にリング体を設けた例を示す断
面図、(B)はリング体なしの例を示す断面図、(C)
は嵌合過程を示す断面図、図17は第2実施形態の締結
具を示す断面図、図18は第2実施形態の締結具の変形
例を示す断面図、図19は第3実施形態の締結具を示す
断面図、図20は第3実施形態の要部を示し、(A)は
側板と嵌合体の噛合い状態を示す斜視図、(B)は嵌合
体を示す斜視図、図21は第4実施形態の締結具を示す
断面図、図22は第4実施形態の要部を示し、(A)は
バンド付嵌合体を示す側面図、(B)はばね付嵌合体を
示す平面図、図23は第5実施形態の締結具を示す断面
図、図24は第5実施形態の要部を示し、(A)は側面
図、(B)は斜視図である。
【0031】(第1実施形態)(図1〜図16) ユニット建物10は、図1に示す如く、工場生産した複
数の建物ユニット11を施工現場に輸送するとともに、
施工現場には予め基礎12を設けておき、建物ユニット
11を吊り上げて基礎12の上に据付けることにて構築
される。
【0032】(建物ユニット)(図2〜図5) このとき、本発明が適用される建物ユニットとしては、
図2〜図5のものを挙げることができる。図2の建物ユ
ニット11は、柱21と床梁22とを接合した骨組構造
体からなるものであり、 4本の床梁22を矩形状に枠組
してなる床梁フレーム23のコーナー部である柱接合部
に外ダイヤフラム24を溶接し、各外ダイヤフラム24
に円形断面の柱21を挿入し、柱21の任意の高さ位置
に外ダイヤフラム24を溶接し、天井梁を有さずに構成
したものである。柱21としては、円形断面の丸鋼管等
を採用し、床梁22としてはC形鋼等を採用できる。
尚、建物ユニット11にあっては、床梁フレーム23の
上に床面材23Aが取着され、柱21の上端部に天井面
材23Bが取着されて用いられる。
【0033】図3の建物ユニット11は、図2の建物ユ
ニット11に比して、柱21の上部に天井梁25を備え
たものである。即ち、この建物ユニット11では、 4本
の天井梁25を矩形状もしくは台形状等に枠組してなる
天井梁フレーム26のコーナー部である柱接合部に外ダ
イヤフラム27を溶接し、各外ダイヤフラム27に円形
断面の柱21を挿入し、柱21の任意の高さ位置に外ダ
イヤフラム27を溶接し、前述の床梁22に加え、天井
梁25を有するようにしたものである。尚、この建物ユ
ニット11にあっては、床梁フレーム23の上に床面材
23Aが取着されることに加え、天井梁フレーム26の
下に天井面材26Aが取着されて用いられる。
【0034】図4の建物ユニット11は、四隅部の角鋼
管からなる柱31の下端間に跨がる短い溝形の床梁32
が溶接により取付けられるとともに、長い溝形の床梁3
2が溶接により取付けられ、柱31の上端には取付片3
3を介して天井面支持材34が取付けられて構成されて
いる。
【0035】図5の建物ユニット11は、四隅部の角鋼
管からなる柱41の上下間に短い溝形のジョイントピー
ス42が溶接により取付けられ、上下間のジョイントピ
ース42間に跨がる短い溝形の天井梁43及び床梁44
が取付けられるとともに、長い溝形の天井梁43及び床
梁44が取付けられ、ほぼ平行な 2本の長い天井梁43
の間に複数本の木製小梁45が架設され、ほぼ平行な 2
本の長い床梁44の間に角鋼管からなる複数本の小梁4
6が架設されて構成されている。
【0036】(柱の締結構造)(図6〜図12) 然るに、ユニット建物10にあっては、建物ユニット1
1として図2〜図5のいずれのものを採用するに際して
も、下階建物ユニット11Aの上に上階建物ユニット1
1Bを搭載し、下階建物ユニット11Aの下柱21(も
しくは図4の建物ユニット11の柱31、図5の建物ユ
ニット11の柱41、以下同じ)と上階建物ユニット1
1Bの上柱21の内部に挿入した締結具60(図7)
を、図6の締結工具50により締結動作し、それらの上
柱21と下柱21とを締結する。
【0037】以下、締結工具50と締結具60のそれぞ
れについて説明する。 (締結工具)(図6、図10) 締結工具50は、図6に示す如く、柱21の内部に挿入
されて締結具60の後述するボルト71に係着せしめら
れるソケット状の係着部51と、柱21の外部にあって
係着部51を回動操作するT形ハンドル、トルクレン
チ、もしくはインパクトレンチ等の操作部52と、係着
部51と操作部52との間に延在する軸部53を有す
る。軸部53は、係着部51の角形孔に嵌合して連結さ
れる角形突部53Aを備えるとともに、操作部52の角
形突部と嵌合して連結される角形孔53Bを備える。
【0038】このとき、締結工具50は、係着部51の
周囲に張り出て、柱21の内面に接するガイド54を有
する。ガイド54は、金属もしくはプラスチックからな
る円錐板状をなし、その凹状円錐面の中央に係着部51
を設け、ガイド54の外径を柱21の内径より小さく、
柱21の内径の半分より大きく設定している。
【0039】即ち、締結工具50にあっては、柱21の
内部に挿入されたガイド54の外縁部を柱21の内面に
あてるとともに、ガイド54の凹状円錐面を締結具60
のボルト71に載せ、締結工具50の自重をボルト71
にかけ、或いは締結工具50を回動させることにより、
ガイド54の中央の係着部51にボルト71を簡易に合
致させて導入、係着できる。
【0040】締結工具50は、ガイド54の凹状円錐面
の一部をボルト71にあてれば良いから、ボルト71が
柱21の中心にある場合には、ガイド54の外径を柱2
1の内径の半分まで小さくし、軽量化できる(図10
(A))。
【0041】また、ボルト71が柱21の中心からずれ
ていても、ガイド54の凹状円錐面の一部がボルト71
にあたり、ボルト71と柱21の内面の距離Lがガイド
54の半径よりも長ければ、締結工具50の使用可能範
囲となる(図10(B))。
【0042】また、締結工具50は、ガイド54の外径
を柱21の内径より小さくできるから、締結工具50が
挿入される柱21の上端開口部の内径が柱21の内径よ
り小さくても、柱21に挿入、引出しできる(図10
(C))。
【0043】(締結具)(図7〜図12) 締結具60を用いるに際し、下階建物ユニット11Aの
下柱21と上階建物ユニット11Bの上柱21にあって
は、図7に示す如く、上柱21の内面にフランジ状に張
り出る上係合部28を備え、下柱21の内面にフランジ
状に張り出る下係合部29を備える。上係合部28は、
上柱21の本体21Aと一体成形されても良く、上柱2
1の本体21Aの下端部に溶接等により付加された付加
リング体21Bに設けられるものであっても良い。下係
合部29も、下柱21の本体21Aと一体成形されても
良く、下柱21の本体21Aの上端部に溶接等により付
加された付加リング体21Bに設けられるものであって
も良い。
【0044】尚、図8(A)、(B)は、図2、図3の
建物ユニット11における、丸鋼管等からなる円形断面
の柱21に上係合部28、下係合部29を備えたものを
示す。また、図8(C)、(D)は、図4、図5の建物
ユニット11における、角鋼管からなる柱31、41に
上係合部28、下係合部29を備えたものを示す。
【0045】然るに、締結具60は、上柱21の上係合
部28と下柱21の下係合部29に嵌合してそれらの係
合部28、29を挟持することにて、両柱21を締結す
る嵌合体61と、この嵌合体61のための嵌合駆動機構
部70とを有して構成される。ここで、嵌合駆動機構部
70は、前述の締結工具50により作動され、嵌合体6
1を上柱21の上係合部28と下柱21の下係合部29
に嵌合せしめるようにそれら嵌合体61を外方に押動可
能とする。
【0046】嵌合駆動機構部70は、具体的には、ボル
ト71と、ボルト71に上下端を相対回転自在に挿通さ
れた湾曲リング板状体72とからなり、板状体72の外
周等配位置としての 3位置(もしくは 4位置)に設けら
れる側部73のそれぞれに嵌合体61を溶接等により固
定して構成される。ボルト71は、板状体72の上面板
から遊挿され、下面板に溶接されているナット24に螺
着される。そして、締結工具50によるボルト71の回
動により、板状体72のリングを上下から挟圧変形せし
めることにて、板状体72の側部を外方に拡開動作せし
め、結果として各嵌合体61を外方に押動せしめるもの
である(図9)。
【0047】尚、嵌合駆動機構部70は、板状体72の
外周 2等配位置以上に嵌合体61を備えれば良い。図8
(A)、(C)は、板状体72の外周 3等配位置のそれ
ぞれに全 3個をなす嵌合体61を備えたものを示す。図
8(B)、(D)は、板状体72の外周 4等配位置のそ
れぞれに全 4個をなす嵌合体61を備えたものを示す。
【0048】ここで、嵌合駆動機構部70の板状体72
は、図11に示す如く、上下のカップ体72A、72B
のそれぞれを一枚板からプレス成形し、上下のカップ体
72A、72Bの複数の脚部72Cを互いに突き合せ溶
接して一体化することにて製作できる。上下の脚部72
Cにより側部73が構成されるものとなる。尚、カップ
体72A、72Bの素材段階で、プレス成形により曲げ
られることとなる部分に予め切欠72D、72Eを設け
ておけば、成形容易となる。
【0049】また、板状体72において、ボルト71に
よる上下からの挟圧変形に対し、板状体72の上下面の
へこみ変形を回避するため、ボルト71の頭部と板状体
72の上下面との間には座金75を設けておくのが良い
(図12)。
【0050】このとき、柱21の係合部28、29と、
嵌合体61の具体的形態としては、下記(A) 〜(E) を採
用できる。 (A) 上柱21と下柱21のそれぞれに設ける係合部2
8、29の数は各 1つ以上であれば任意である。上柱2
1と下柱21のそれぞれに設ける係合部28、29、こ
れらに対応する嵌合体61の形態は、上下互いに対称を
なすことを要さず、板状体72の外周複数位置のそれぞ
れに設けられる嵌合体61の間でも互いに対称をなすこ
とを要さず、図13(A)に示す如く上下柱21とも 2
つの係合部28、29を備えても良く、或いは図13
(B)に示す如く上柱21には 1つの上係合部28、下
柱21には 2つの下係合部29を備えても良い。また、
上下の柱21に備える係合部28、29は、凸状をなす
ものに限らず、図13(E)に示す如く凹状をなすもの
であっても良い。
【0051】(B) 上柱21と下柱21は互いに同一断面
をなすことを要さず、図13(C)に示す如く上柱21
と下柱21で板厚が異なるものでも良く、図13(D)
に示す如く上柱21と下柱21でそれらの板厚部が互い
にずれているものであっても良い。
【0052】(C) 上下の柱21の係合部28、29と、
嵌合体61の嵌合面には、図14(A)に示す如くの勾
配を付すのが良い。図14(B)に示す如くのストレー
ト状の係合部28、29と嵌合体61とを採用するもの
に比して、この勾配を付した場合には、嵌合体61の係
合部28、29への嵌合をスムースにできる。また、嵌
合体61を単に係合部28、29に押込み嵌合するだけ
で、嵌合体61を係合部28、29にクリアランスを残
すことなく密に嵌合できる。
【0053】(D) 嵌合体61に、図15に示す如く、上
柱21と下柱21の端面間に介装されるくさび状介装突
部62を設ける。嵌合体61に備えた介装突部62は、
上柱21の上係合部28と下柱21の下係合部29に対
する嵌合体61の嵌合状態下で、上下の柱21の端面間
の外部から見える所定の押込み位置に存在するものとな
り、嵌合体61の嵌合状況を目視確認できるものとな
る。また、嵌合体61を上柱21と下柱21の内部に挿
入した嵌合過程で、嵌合体61の介装突部62の先端部
を下柱21の端面の上に載せて仮置きし(図15
(A))、その後、この嵌合体61の介装突部62の先
端部の上に上柱21を設置し、嵌合体61による上柱2
1と下柱21の接合動作を開始することができる。尚、
図15(B)は、介装突部62を備える嵌合体61を用
いた例において、上下の柱21に凹状係合部28、29
を備えたものである。
【0054】(E) 下柱21の内面に、図16に示す如
く、下柱21の内部に挿入された嵌合体61を、その嵌
合過程で支えるストッパ63を備える。図16(A)は
本体21Aとリング体21Bからなる柱21において、
本体21Aにストッパ63を設けたもの、図16(B)
は本体21Aだけからなる柱21にストッパ63を設け
たものである。下柱21の内面に備えたストッパ63
は、嵌合体61を上柱21と下柱21の内部に挿入した
嵌合過程で、嵌合体61をストッパ63の上に載せて柱
21内に仮置き可能とする(図16(C))。
【0055】以下、締結工具50を用いた締結具60に
よる上柱21と下柱21の締結手順について説明する。 [1]下階建物ユニット11Aを基礎12に固定する。
【0056】[2]下階建物ユニット11Aの下柱21
の上端面に、締結具60を構成する嵌合体61の介装突
部62の先端部を載せ、締結具60を仮置きする(図1
5(A))。
【0057】[3]下階建物ユニット11Aの上に上階
建物ユニット11Bを搭載し、上階建物ユニット11B
の上柱21を、下階建物ユニット11Aの下柱21に仮
置きされている上述[2]の嵌合体61の介装突部62
の先端部の上に載置し、上柱21と下柱21を上下に合
せる(図9(A))。
【0058】[4]締結工具50の係着部51を上柱2
1の上端開口部から上柱21と下柱21の内部に挿入
し、係着部51回りのガイド54の外縁部を柱21の内
面にあてるとともに、ガイド54の凹状円錐面を締結具
60のボルト71に載せ、ガイド54の中央の係着部5
1にボルト71を合致させて導入、係着する(図9
(A))。
【0059】[5]締結工具50を回動操作することに
より、係着部51を介して、ボルト71を回動する。締
結具60の嵌合駆動機構部70は、ボルト71の回動と
ともに湾曲リング板状体72を上下から挟圧変形し、こ
の板状体72の拡開動作により、嵌合体61を外方に押
動せしめる。これにより、嵌合体61は、介装突部62
を上下の柱21の端面間に押込み移動させつつ、上柱2
1の上係合部28と下柱21の下係合部29に嵌合して
それらの係合部28、29を挟持し、結果として、上下
の柱21を締結する(図9(B))。
【0060】[6]締結工具50の係着部51を締結具
60のボルト71から引き離し、締結工具50を上柱2
1の上端開口部から外に引き出す。
【0061】締結具60は、上下の柱21内に留置され
ており、締結工具50を用いて締結具60のボルト71
を上述[5]と逆回動するものとすれば、嵌合体61を
内方に引き戻し、嵌合体61による上柱21の上係合部
28と下柱21の下係合部29の嵌合挟持を解除し、結
果として、上下の柱21を分離解体できる。
【0062】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 (1)上柱21と下柱21の内部で、それらの上係合部2
8と下係合部29を嵌合体61により挟持することによ
り、上柱21と下柱21を簡易に、且つ柱長さ精度等を
損なうことなく剛接合にて締結することができる。従っ
て、天井梁を有さない図2の建物ユニット11、図4の
建物ユニット11等、建物ユニット11単体では耐力の
低い建物ユニット11にあっても、それら建物ユニット
11の上下の柱21同士を剛接合することにより、ユニ
ット建物10の形態での耐力を確保できるものとなる。
【0063】このとき、現場溶接を伴うことなく、作業
性を向上できる。また、上柱21と下柱21の締結用部
材は柱の外面に設けられるものがなく、柱の工場から現
地への輸送性と、柱の外観を向上できる。
【0064】嵌合体61による上係合部28と下係合部
29の嵌合挟持を解除することにより、上柱21と下柱
21の締結を分離解体することもできる。
【0065】(2)嵌合体61の上柱21の上係合部28
と下柱21の下係合部29との端面に勾配を付したか
ら、上柱21と下柱21の位置合せ精度を高精度化する
ことなく、嵌合体61の上係合部28と下係合部29へ
の嵌合をスムースにできる。また、嵌合体61と上係合
部28及び下係合部29の寸法精度を高精度化すること
なしに、嵌合体61を上係合部28と下係合部29に単
に押込み嵌合することで、嵌合体61を上係合部28と
下係合部29にクリアランスなく確実に密に嵌合でき
る。
【0066】(3)嵌合体61が上柱21と下柱21の端
面間に介装される介装突部62を備えることにより、上
柱21の上係合部28と下柱21の下係合部29に対す
る嵌合体61の嵌合状況(嵌合体61の有無、嵌合度
等)を柱の外部から目視確認できる。また、嵌合体61
を上柱21と下柱21の内部に挿入した嵌合過程で、嵌
合体61の介装突部62の先端部を下柱21の端面の上
に載せ、その後、この嵌合体61の介装突部62の先端
部の上に上柱21を設置し、嵌合体61による上柱21
と下柱21の接合を行なうことができ、嵌合体61を嵌
合過程で柱内に簡易に仮保持できる。
【0067】(4)下柱21の内面にストッパ63を備え
たから、嵌合体61を上柱21と下柱21の内部に挿入
した嵌合過程で、嵌合体61をストッパ63に載せて柱
内に確実に仮保持できる。
【0068】(5)嵌合体61に嵌合駆動機構部70を備
えたから、柱外から操作される締結工具50により嵌合
駆動機構部70を作動することにより、嵌合体61を上
柱21の上係合部28と下柱21の下係合部29に押込
み嵌合することができる。
【0069】(6)嵌合駆動機構部70は、柱外から操作
される締結工具50によるボルト71の回動により、湾
曲板状体72を拡開動作させ、嵌合体61を上柱21の
上係合部28と下柱21の下係合部29に押込み嵌合す
ることができる。
【0070】(第2実施形態)(図17、図18) 第2実施形態の締結具60は、嵌合体61のための嵌合
駆動機構部80を、図17に示す如く、ボルト81と、
ボルト81の上下に相対回転自在に装着された上下の第
1リンク82A、83Aと、第1リンク82A、83A
の外周等配位置のそれぞれにピン結合された上下の第2
リンク82B、83Bとからなり、それらの上第2リン
ク82Bと、下第2リンク83Bとを各嵌合体61の上
下にピン結合して構成される。ボルト81は、上下の第
1リンク82A、83Aに遊挿され、下第1リンク83
Aの下面に溶接されているナット84に螺着される。ま
た、ボルト81の中間部に貫通保持されてなる支え板8
5は、嵌合体61の上面に摺接する上板85Aと下面に
摺接する下板85Bにより、嵌合体61を上下から挟
み、嵌合体61の横向き姿勢を保持する。
【0071】そして、締結工具50によるボルト81の
回動により、上下の第1リンク82A、83Aの間隔を
縮め、上下の第2リンク82B、83Bを拡開動作せし
め、結果として、各嵌合体61を外方に押動せしめる。
これにより、嵌合体61は、介装突部62を上下の柱2
1の端面間に押込み移動させつつ、上柱21の上係合部
28と下柱21の下係合部29に嵌合してそれらの係合
部28、29を挟持し、結果として、上下の柱21を締
結する。
【0072】尚、第2実施形態の締結具60にあって
は、図18に示す如く、嵌合体61の下面を下柱21の
内面に備えたストッパ63に載せ、ボルト81の中間部
に貫通保持してなる支え板85とストッパ63により上
下から嵌合体61を摺接自在に挟み、嵌合体61の横向
き姿勢を保持するものであっても良い。
【0073】従って、第2実施形態の締結具60によれ
ば、嵌合駆動機構部80は、柱外から操作される締結工
具50によるボルト81の回動により、上下のリンク8
2B、83Bを拡開動作させ、嵌合体61を上柱21の
係合部28と下柱21の下係合部29に押込み嵌合する
ことができる。
【0074】(第3実施形態)(図19、図20) 第3実施形態の締結具60は、嵌合体61のための嵌合
駆動機構部90を、図19に示す如く、ボルト91と、
ボルト91の上下に相対回転自在に装着された上下のく
さび板92、93と、上下のくさび板92、93の外周
等配位置のそれぞれに上下端をくさび結合された側板9
4とからなり、各側板94のそれぞれに嵌合体61を固
定して構成される。ボルト91は、上下のくさび板9
2、93に遊挿され、下くさび板93の下面に溶接され
ているナット95に螺着される。また、上下のくさび板
92、93と、側板94とは、それらの分離脱落防止
と、上下のくさび板92、93の上下対称動作による側
板94の水平方向平行移動性を確保するため、図20に
示す如く、くさび板92、93に溝96Aを、側板94
に爪96Bを設ける等、それらくさび板92、93と側
板94とを互いに係着せしめる。
【0075】そして、締結工具50によるボルト91の
回動により、上下のくさび板92、93の間隔を縮め、
側板94を拡開動作せしめ、結果として、各嵌合体61
を外方に押動せしめる。これにより、嵌合体61は、介
装突部62を上下の柱21の端面間に押込み移動させつ
つ、上柱21の上係合部28と下柱21の下係合部29
に嵌合してそれらの係合部28、29を挟持し、結果と
して、上下の柱21を締結する。
【0076】従って、第3実施形態の締結具60によれ
ば、嵌合駆動機構部90は、柱外から操作される締結工
具50によるボルト91の回動により、上下のくさび板
92、93を介して、側板94を拡開動作させ、嵌合体
61を上柱21の上係合部28と下柱21の下係合部2
9に押込み嵌合することができる。
【0077】(第4実施形態)(図21、図22) 第4実施形態の締結具60は、嵌合体61のための嵌合
駆動機構部100を、図21に示す如く、スプラインを
備えた駆動軸101と、駆動軸101の上下に回転方向
にのみ結合され、互いに逆ねじをなす上下一対のテーパ
ねじ102、103と、テーパねじ102、103の外
周等配位置のそれぞれに噛合わされた側板104とから
なり、各側板104のそれぞれに嵌合体61を固定して
構成される。テーパねじ102、103に噛合わされた
側板104は、全嵌合体61の凹部に巻き回されたバン
ド等の弾性収縮部材105(図22(A))、もしくは
相隣る嵌合体61を連結する弾性収縮ばね106(図2
2(B))によりテーパねじ102、103回りに保持
され、脱落防止される。
【0078】そして、締結工具50による駆動軸101
の回動により、上下のテーパねじ102、103を接近
移動させることにより、側板104を拡開動作せしめ、
結果として、各嵌合体61を外方に押動せしめる。これ
により、嵌合体61は、介装突部62を上下の柱21の
端面間に押込み移動させつつ、上柱21の上係合部28
と下柱21の下係合部29に嵌合してそれらの係合部2
8、29を挟持し、結果として、上下の柱21を締結す
る。
【0079】従って、第4実施形態の締結具60によれ
ば、嵌合駆動機構部100は、柱外から操作される締結
工具50による駆動軸101の回動により、上下のテー
パねじ102、103を介して、側板104を拡開動作
させ、嵌合体61を上柱21の上係合部28と下柱21
の下係合部29に押込み嵌合することができる。
【0080】(第5実施形態)(図23、図24) 第5実施形態の締結具60は、嵌合体61のための嵌合
駆動機構部110を、図23、図24に示す如く、ハウ
ジング111に支持される駆動軸112と、駆動軸11
2に固定される傘歯車113と、傘歯車113に噛合う
傘歯車114を備えるとともに駆動軸112と直交する
ようにハウジング111に支持される中間軸115と、
中間軸115の一端にねじ結合される被動軸116と、
中間軸115の他端に枢着される固定軸117とを有
し、被動軸116と固定軸117のそれぞれに相対する
一対の嵌合体61、61のそれぞれを固定して構成され
る。被動軸116に固定された嵌合体61はハウジング
111の回り止めガイド111Aにスライド可能に支え
られ、その横向き姿勢を保持される。固定軸117に固
定された嵌合体61はハウジング111に固定される。
尚、中間軸115の他端の固定軸117も、中間軸11
5の他端にねじ結合される被動軸116A(不図示)と
し、被動軸116と被動軸116Aの中間軸115に対
する接合ねじを互いに逆ねじをなすものとしても良い。
【0081】そして、締結工具50による駆動軸112
の回動により、被動軸116を軸方向の外方に移動さ
せ、結果として、嵌合体61を外方に押動せしめる。こ
れにより、嵌合体61は、介装突部62の上下の柱21
の端面間に押込み移動させつつ、上柱21の上係合部2
8と下柱21の下係合部29に嵌合してそれらの係合部
28、29を挟持し、結果として、上下の柱21を締結
する。
【0082】従って、第5実施形態の締結具60によれ
ば、嵌合駆動機構部110は、柱外から操作される締結
工具50による駆動軸112の回動により、中間軸11
5を介して、被動軸116を軸方向移動させ、嵌合体6
1を上柱21の上係合部28と下柱21の下係合部29
に押込み嵌合することができる。
【0083】尚、第5実施形態の締結具60にあって
は、嵌合駆動機構部110を構成する駆動軸112と中
間軸115との間に、ウォーム歯車装置を介装しても良
い。これによれば、締結工具50に加える操作力を軽減
しながら、嵌合体61に大嵌合力を付与できる。
【0084】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本
発明は、ユニット建物を構成する建物ユニットの柱の締
結に限らず、広く一般の柱の締結に適用できる。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、上下の柱
を柱内で簡易に剛接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はユニット建物の据付過程を示し、(A)
は基礎を示す斜視図、(B)は 1階部分を示す斜視図、
(C)は 2階部分を示す斜視図である。
【図2】図2は建物ユニットを示す側面図である。
【図3】図3は建物ユニットの他の例を示す側面図であ
る。
【図4】図4は建物ユニットの他の例を示す斜視図であ
る。
【図5】図5は建物ユニットの他の例を示す斜視図であ
る。
【図6】図6は締結工具を示し、(A)は全体側面図、
(B)は要部断面図、(C)は分解斜視図である。
【図7】図7は第1実施形態の締結具を示す断面図であ
る。
【図8】図8は柱内に挿入された締結具を示し、(A)
は円形断面柱の例を示す平面図、(B)は円形断面柱の
他の例を示す平面図、(C)は角形断面柱の例を示す平
面図、(D)は角形断面柱の他の例を示す平面図であ
る。
【図9】図9は柱の締結過程を示し、(A)は締結中間
状態を示す断面図、(B)は締結完了状態を示す断面図
である。
【図10】図10は締結工具の使用状態を示し、(A)
は締結具の捕捉状態を示す断面図、(B)は締結具が柱
中心からずれている状態を示す断面図、(C)は締結工
具の柱への挿入、引出し状態を示す断面図である。
【図11】図11は締結具の製作過程を示す説明図であ
る。
【図12】図12は締結具の板状体を示す説明図であ
る。
【図13】図13は嵌合体と柱内面の係合部とを示し、
(A)は上下柱とも 2係合部を備える例を示す断面図、
(B)は上柱に 1係合部、下柱に 2係合部を備える例を
示す断面図、(C)は上柱と下柱の板厚が異なる例を示
す断面図、(D)は上柱と下柱の板厚部が互いにずれて
いる例を示す断面図、(E)は上下柱に凹状係合部を備
えた例を示す断面図である。
【図14】図14は嵌合体の嵌合状態を示し、(A)は
勾配付嵌合体を示す断面図、(B)は勾配なし嵌合体を
示す断面図である。
【図15】図15は介装突部付嵌合体を示し、(A)は
嵌合過程を示す断面図、(B)は上下柱に凹状係合部を
備えた例を示す断面図である。
【図16】図16はストッパ付柱を示し、(A)は柱に
リング体を設けた例を示す断面図、(B)はリング体な
しの例を示す断面図、(C)は嵌合過程を示す断面図で
ある。
【図17】図17は第2実施形態の締結具を示す断面図
である。
【図18】図18は第2実施形態の締結具の変形例を示
す断面図である。
【図19】図19は第3実施形態の締結具を示す断面図
である。
【図20】図20は第3実施形態の要部を示し、(A)
は側板と嵌合体の噛合い状態を示す斜視図、(B)は嵌
合体を示す斜視図である。
【図21】図21は第4実施形態の締結具を示す断面図
である。
【図22】図22は第4実施形態の要部を示し、(A)
はバンド付嵌合体を示す側面図、(B)はばね付嵌合体
を示す平面図である。
【図23】図23は第5実施形態の締結具を示す断面図
である。
【図24】図24は第5実施形態の要部を示し、(A)
は側面図、(B)は斜視図である。
【符号の説明】
21 上柱、下柱 28 上係合部 29 下係合部 50 締結工具 61 嵌合体 62 介装突部 63 ストッパ 70、80、90、100、110 嵌合駆動機構部 71、81、91 ボルト 72 湾曲リング板状体 82A、82B、83A、83B リンク 92、93 くさび板 94 側板 101 駆動軸 102、103 テーパねじ 104 側板 112 駆動軸 115 中間軸 116 被動軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/58 503 E04B 1/348

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上柱と下柱を上下に締結する柱の締結構
    造において、 上柱の内面に上係合部を備えるとともに、下柱の内面に
    下係合部を備え、 上柱と下柱の内部に挿入された嵌合体を上柱の上係合部
    と下柱の下係合部に嵌合し、該嵌合体によりそれら上下
    の係合部を挟持してなり、前記上柱と下柱が備える上下
    の係合部と、嵌合体との嵌合面に勾配が付されてなる
    とを特徴とする柱の締結構造。
  2. 【請求項2】 前記嵌合体が、上柱と下柱の端面間に介
    装される介装突部を備えてなる請求項1記載の柱の締結
    構造。
  3. 【請求項3】 前記下柱の内面に、下柱の内部に挿入さ
    れた嵌合体を、その嵌合過程で支えるストッパを備えて
    なる請求項1又は2記載の柱の締結構造。
  4. 【請求項4】 前記嵌合体が嵌合駆動機構部を付帯的に
    備え、嵌合駆動機構部は柱外から操作される工具により
    作動され、嵌合体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に
    嵌合せしめるように押動可能とする請求項1〜のいず
    れかに記載の柱の締結構造。
  5. 【請求項5】 前記嵌合駆動機構部が、ボルトと、ボル
    トに上下端を挿通された湾曲板状体とからなり、湾曲板
    状体の側部に嵌合体を固定し、ボルトの回動により上下
    から挟圧変形せしめられる湾曲板状体の拡開動作によっ
    て嵌合体を押動する請求項記載の柱の締結構造。
  6. 【請求項6】 前記嵌合駆動機構部が、ボルトと、ボル
    トの上下に装着された上下のリンクとからなり、上下の
    リンクの間に嵌合体を設け、ボルトの回動による上下の
    リンクの拡開動作によって嵌合体を押動する請求項
    載の柱の締結構造。
  7. 【請求項7】 前記嵌合駆動機構部が、ボルトと、ボル
    トの上下に装着された上下のくさび板と、上下のくさび
    板に上下端をくさび結合された側板とからなり、側板の
    側部に嵌合体を固定し、ボルトの回動による側板の拡開
    動作によって嵌合体を押動する請求項記載の柱の締結
    構造。
  8. 【請求項8】 前記嵌合駆動機構部が、駆動軸と、駆動
    軸の上下に回転方向にのみ結合され、互いに逆ねじをな
    す上下一対のテーパねじと、上下のテーパねじに噛合わ
    された側板とからなり、側板の側部に嵌合体を固定し、
    駆動軸の回動による側板の拡開動作によって嵌合体を押
    動する請求項記載の柱の締結構造。
  9. 【請求項9】 前記嵌合駆動機構部が、駆動軸と、駆動
    軸に歯車を介して接続され該駆動軸と直交する中間軸
    と、中間軸にねじ結合される被動軸とからなり、被動軸
    に嵌合体を接続し、駆動軸の回動による被動軸の軸方向
    移動によって嵌合体を押動する請求項記載の柱の締結
    構造。
  10. 【請求項10】 請求項1〜のそれぞれに記載の柱の
    締結構造に用いられる柱の締結方法であって、上柱と下柱が備える上下の係合部と、嵌合体との嵌合面
    に勾配が付されてなる上柱と下柱及び嵌合体を用い、 上柱と下柱を上下に合わせる工程と、 嵌合体を上柱と下柱の内部に挿入する工程と、 嵌合体を上柱の上係合部と下柱の下係合部に嵌合せしめ
    るように押動し、該嵌合体によりそれら上下の係合部を
    挟持する工程とを有してなる柱の締結方法。
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