JP6670099B2 - 鋼管柱の接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管柱の接合構造に関するものである。
周知のように、鉄骨構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造は、建築構造物の躯体の構造として、特に強度に優れているため、中高層建築物に広く採用されている。
このような、鉄骨構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造においては、柱として鋼管柱を使用した際に、鋼管柱同士を鉛直方向に接合することが一般に行われている。
従来の鋼管柱においては、エンドプレートが、鋼管柱の外周面より大きく突出するように、鋼管柱の端部に予め接合されている。2本の鋼管柱は、互いのエンドプレートが対向するように設置され、エンドプレートの突出部においてボルトで緊締することによって締結される。
しかし、上記のような従来の鋼管柱の接合構造においては、エンドプレートが鋼管柱の外周面より大きく突出しているため、仕上げ材などの取付けの妨げとなり、また、外観を悪くするという問題があった。
これに対し、特許文献1には、図4に示すような鋼管柱の接合構造100が開示されている。鋼管柱101の先端には、エンドプレート102が接合されている。エンドプレート102の、鋼管柱101の内側に位置する部分には、ボルト孔103が開設されている。2本の鋼管柱101の、それぞれのエンドプレート102のボルト孔103が連通するように、2本の鋼管柱101を設置したうえで、ボルト104を、2枚のエンドプレート102間で連通するボルト孔103へ差し込んで、ナット105を螺合することで、2本の鋼管柱101が締結されている。ボルト104・ナット105による締結作業は、エンドプレート102近傍に開設された窓孔106を介して行われる。
特開平6−299603号公報
従来の鋼管柱の接合構造、及び、特許文献1に開示されている鋼管柱の接合構造100においては、曲げ応力はボルトによって伝達される一方で、せん断力の伝達は、緊締されたボルトの摩擦及び軸断面耐力に依存せざるを得ない。このような構造においては、ボルト引張力とせん断力の両方を負担する必要があり、特に鋼管径の大きな部材を接合する場合には、大地震が発生した際に発生する、大きなせん断力を十分に伝達することができない。
また、鋼管柱同士の接合前の、互いの位置合わせをする際には、双方のエンドプレートの対応する全てのボルト孔の位置が合うように、鋼管柱間の位置を調整しなければならない。従来の鋼管柱の接合構造、及び、特許文献1に開示されている鋼管柱の接合構造100においては、この位置調整は、一方の鋼管柱を他方の鋼管柱に対して、任意の方向に移動しながら回転させることにより、行われる。重量が大きな鋼管柱の微妙な位置調整は、このように鋼管柱の移動自由度が高い場合には特に困難であり、したがって、施工が容易ではない。
本発明が解決しようとする課題は、せん断力の伝達性能が高く、施工が容易な、鋼管柱の接合構造を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明の一態様としての鋼管柱の接合構造は、突き合わされた一対の鋼管柱の接合構造であって、前記一対の鋼管柱は第1の鋼管柱と第2の鋼管柱を含み、前記第1の鋼管柱の接合端には、開口部を有する第1のエンドプレートが接合されており、前記第2の鋼管柱の接合端には、前記第1の鋼管柱との接合面に凸部を有する、第2のエンドプレートが接合されており、前記第2のエンドプレートの前記凸部は、前記第1のエンドプレートの前記開口部に、前記凸部の外側周面と前記開口部の内壁が近接するように嵌合されており、前記第1及び第2のエンドプレートは、前記第1及び第2の鋼管柱の内側で、複数の緊締具によって締結されている。
上記のような構成によれば、第1の鋼管柱のエンドプレートに開設された開口部の内壁と、第2の鋼管柱のエンドプレートに設けられた凸部の外側周面が、近接するように嵌合されているため、大きなせん断力が作用しても、開口部の内壁と凸部の外側周面が接触することにより、開口部の内壁と凸部の外側周面の間でせん断力を伝達することが可能である。したがって、大きなせん断力を伝達可能な、強い構造を実現することができる。
また、第1の鋼管柱の開口部と、第2の鋼管柱の凸部が嵌合される構造であるため、第1の鋼管柱と第2の鋼管柱の位置合わせは、開口部と凸部を嵌合させることで、容易に行うことが可能である。したがって、施工が容易となる。
また、第1及び第2のエンドプレートは、第1及び第2の鋼管柱の内側で、複数の緊締具によって締結されているため、接合のために、エンドプレートを鋼管柱の外周面から大きく突出させる必要がなくなる。したがって、接合構造の仕上げ材への干渉が少なくなるので、施工が容易となり、かつ、外観を向上させることが可能となる。
別の態様においては、前記第2の鋼管柱は、前記第2のエンドプレートが上側に位置するように設置されている。
接合構造の施工においては、下側の鋼管柱を、接合端を上向きに設置した後に、上側の鋼管柱を設置するのが一般であるが、上記のような構成によれば、下側に設置される、すなわち、接合端が上向きに設置されるのは、開口部を有さない第2の鋼管柱であるため、第2の鋼管柱設置後、第1の鋼管柱設置前の期間において、外部からの、雨などの侵入を防ぐことができる。これにより、腐食を防止し、強い構造を維持することができる。
別の態様においては、前記緊締具は、前記第1及び第2のエンドプレートの各々に開設されたボルト孔を挿通するボルトであり、前記第1のエンドプレートの前記ボルト孔は、前記第2のエンドプレートの前記ボルト孔よりも大きくなっており、前記第1のエンドプレートの前記ボルト孔の半径と、前記ボルトの軸部の半径の差は、前記開口部の前記内壁と、前記凸部の前記外側周面間の距離よりも大きい。
上記のような構成によれば、接合は、溶接ではなく、ボルトを使用して行われるため、施工が容易であり、施工が天候に左右されない。また、超音波探傷試験が不要である。したがって、短期間での施工と、接合品質の向上が可能である。更に、作業員に溶接技術を必要とせず、誰でも接合作業を実施することができるため、施工計画の立案が容易である。
また、第1のエンドプレートのボルト孔は、第2のエンドプレートのボルト孔よりも大きくなっているため、ボルトの挿入を第2のエンドプレート側から第1のエンドプレートの方向へ行うことにより、第1の鋼管柱と第2の鋼管柱の位置合わせが多少ずれていたとしても、容易にボルトを挿入することが可能となる。したがって、施工を更に容易に行うことができる。
また、第1のエンドプレートのボルト孔の半径と、ボルトの軸部の半径の差、すなわちボルトの軸部の外周と、ボルト孔の内壁とのクリアランスは、開口部の内壁と、凸部の外側周面間の距離よりも大きいため、せん断力が作用しても、ボルトの軸部の外周がボルト孔の内壁に接触する前に、開口部の内壁と凸部の外側周面間が接触し、開口部と凸部間でせん断力を伝達する構成となっている。すなわち、ボルトはせん断力の影響を受けず、せん断力によっては破損されないため、以降に作用する曲げ応力を継続して伝達することが可能となる。したがって、強い構造を実現することができる。
別の態様においては、前記複数の緊締具は、前記第1及び第2の鋼管柱の中心を通る、水平な第1の仮想線の方向に密に設置されており、前記第1及び第2の鋼管柱の各々の接合端近傍の、前記中心において前記第1の仮想線に直交する水平な第2の仮想線上に位置する側面にはそれぞれ、窓孔が開設されている。
上記のような構成によれば、第1及び第2の鋼管柱の各々の接合端近傍に、それぞれ、窓孔が開設されているため、窓孔を介して緊締具による締結作業を行うことができる。したがって、施工を容易に行うことができる。
また、第1の仮想線が、せん断力が発生する方向に一致するように、接合構造を設置することによって、強い構造を実現することが可能となる。
本発明によれば、せん断力の伝達性能が高い鋼管柱の接合構造を、提供することが可能となる。
本発明の実施形態として示した鋼管柱の接合構造の側面図である。 本発明の実施形態として示した鋼管柱の接合構造の、一部断面視した側面図である。 本発明の実施形態として示した鋼管柱の接合構造の断面図である。 従来の鋼管柱の接合構造を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態として示した鋼管柱の接合構造の側面図、図2は一部断面視した側面図、図3は、図1及び図2のA−A´断面図である。
鋼管柱の接合構造1においては、一対の鋼管柱2、3が突き合わされている。一対の鋼管柱は第1の鋼管柱2と第2の鋼管柱3を含んでいる。接合構造1は、突き合わされた第1の鋼管柱2と第2の鋼管柱3の端部同士が接合されている構造である。本実施形態においては、第1及び第2の鋼管柱2、3は、共に、断面形状が円形である円形鋼管である。
第1の鋼管柱2の接合端には、開口部5を有する第1のエンドプレート4が接合されている。第1のエンドプレート4は、第1の鋼管柱2よりも少し大きな径を有する、円形の鋼板である。第1のエンドプレート4は、第1の鋼管柱2と同心となるように位置づけられて、図2に示されるように、第1のエンドプレート4の鋼管柱側表面4aの、第1の鋼管柱2に接触する部分及び第1の鋼管柱2の外周から少し突出した部分において、第1の鋼管柱2に、溶接2aにより接合されている。
開口部5は、略円形形状を成しており、第1のエンドプレート4の中央に、第1のエンドプレート4と同心となるように開設されている。開口部5の内壁5aが、第1のエンドプレート4の鋼管柱側表面4aに対して垂直になるように、開口部5は形成されている。
後述するように、第1及び第2のエンドプレート4、6は、第1及び第2の鋼管柱2、3の内側で、複数の緊締具によって締結される。本実施形態においては、締結具は、第1及び第2のエンドプレート4、6の各々に開設されたボルト孔4c、6cを挿通するボルト8である。すなわち、第1のエンドプレート4には、ボルト8が挿通するための、複数のボルト孔4cが開設されている。
第1のエンドプレート4において、ボルト孔4cは、第1の鋼管柱2の内側側面と、開口部5との間に位置するように開設されている。ボルト孔4cは、図3においてボルト8と同じ位置に開設されており、第1の鋼管柱2の中心を通る、水平な第1の仮想線Bの方向に密に設置されている。
第1の鋼管柱2の接合端近傍の、第1の鋼管柱2の中心において第1の仮想線Bに直交する、水平な第2の仮想線C上に位置する側面には、図3に示すように、2か所に窓孔2bが開設されている。
第2の鋼管柱3の接合端には、第1の鋼管柱2との接合面に凸部7を有する、第2のエンドプレート6が接合されている。第2のエンドプレート6は、第2の鋼管柱3よりも少し大きな径を有する、円形の鋼板である。第2のエンドプレート6は、第2の鋼管柱3と同心となるように位置づけられて、図2に示されるように、第2のエンドプレート6の鋼管柱側表面6aの、第2の鋼管柱3に接触する部分及び第2の鋼管柱3の外周から少し突出した部分において、第2の鋼管柱3に、溶接3aにより接合されている。
凸部7は、円形形状の鋼板の中心に円形の開口部が開設された形状を有する、所謂ドーナツ形状の部材であり、ドーナツ形状の外側の周面、すなわち外側周面7aと、開口部を形成する内側の周面、すなわち内側周面7bにより画定された形状を有している。凸部7の外側周面7aと内側周面7bは、同心となるように形成されている。凸部7は、第2のエンドプレート6の中央に、外側周面7a及び内側周面7bが、第2のエンドプレート6と同心となるように、第2のエンドプレート6の、鋼管柱側表面6aとは反対側の外側表面6b上に、設置されている。凸部7の外側周面7a及び内側周面7bは、第2のエンドプレート6の外側表面6bに対して、垂直になるように形成、設置されている。凸部7は、内側周面7bと第2のエンドプレート6との接触部において、第2のエンドプレート6の外側表面6bに対して溶接7cにより接合されている。
凸部7の、第2のエンドプレート6に接合された側とは反対側の表面である外側表面7dにおいては、外側表面7dと、凸部7の外側周面7aが、垂直に交わることにより形成される端辺が、外側表面7dと外側周面7aが滑らかに連続するように、小さな径で面取り7eがされている。
第2のエンドプレート6には、ボルト8が挿通するための、複数のボルト孔6cが開設されている。ボルト孔6cは、第1のエンドプレート4のボルト孔4cと対応する位置に、開設されている。
第2のエンドプレート6において、ボルト孔6cは、第2の鋼管柱3の内側側面と、凸部7の外側周面7aとの間に位置するように開設されている。ボルト孔6cは、図3においてボルト8と同じ位置に開設されており、第1のエンドプレート4のボルト孔4cと同様に、第2の鋼管柱3の中心を通る、水平な第1の仮想線Bの方向に密に設置されている。
第2の鋼管柱3の接合端近傍の、第2の鋼管柱3の中心において第1の仮想線Bに直交する、水平な第2の仮想線C上に位置する側面には、図3に示される窓孔2bと対応する位置2か所に、図1に示されるように、窓孔3bが開設されている。
後述するように、第2のエンドプレート6の凸部7は、第1のエンドプレート4の開口部5に、凸部7の外側周面7aと開口部5の内壁5aが近接するように嵌合される。この時に、凸部7の外側周面7aと、開口部5の内壁5aとの間に、小さな、例えば1mm程度の間隙ができるように、凸部7の外側周面7aは、開口部5の内壁5aよりも、直径が、例えば2mm程度小さくなるように形成されている。
第1のエンドプレート4のボルト孔4cは、第2のエンドプレート6のボルト孔6cよりも大きく形成されている。また、第1のエンドプレート4のボルト孔4cの半径と、ボルト8の軸部8aの半径の差は、開口部5の内壁5aと、凸部7の外側周面7a間の距離よりも大きくなるように形成されている。
例えば、上記のように、凸部7の外側周面7aと開口部5の内壁5aの間隙が1mmであり、なおかつ、軸部8aの直径が22mmのボルト8を使用する場合を考える。この場合においては、第1のエンドプレート4のボルト孔4cの直径を、例えば27mmとすることにより、第1のエンドプレート4のボルト孔4cとボルト8の軸部8aの半径の差を2.5mmとして、上記の1mmの間隙より大きくすることが可能である。この場合、第2のエンドプレート6のボルト孔6cの直径は、例えば24mmと、第1のエンドプレート4のボルト孔4cの直径よりも小さくなるように、ボルト孔6cは形成されている。
第1の鋼管柱2の窓孔2bと、第2の鋼管柱3の窓孔3bは、施工性を考慮して、それぞれ最小の大きさとなるように、形成されている。
上記のように形成されている、第1の鋼管柱2と、第2の鋼管柱3が、第1のエンドプレート4と、第2のエンドプレート6を介して、互いに接合されることにより、接合構造1が形成されている。第1の鋼管柱2は、第1のエンドプレート4が下側に位置するように設置されており、第2の鋼管柱3は、第2のエンドプレート6が上側に位置するように設置されている。第1のエンドプレート4の、鋼管柱側表面4aとは反対側の、外側表面4bと、第2のエンドプレート6の外側表面6bが、互いに接触するように配置されている。第2のエンドプレート6の凸部7は、第1のエンドプレート4の開口部5に、凸部7の外側周面7aと開口部5の内壁5aが近接するように嵌合されている。
第1のエンドプレート4と第2のエンドプレート6は、第1のエンドプレート4の各ボルト孔4cと、第2のエンドプレート6の対応するボルト孔6cの、水平面上の位置が互いに重なって、ボルト孔4cとボルト孔6cが連通するように、回転位置が調整されて配置されている。第2のエンドプレート6の下側、すなわち、鋼管柱側表面6aの下方から、ボルト8の軸部8aが挿入されている。ボルト8の軸部8aの先端は、第1のエンドプレート4の上側の表面、すなわち、鋼管柱側表面4aから突出しており、この突出した先端には、ワッシャープレート10を介して、ナット9が螺着されている。
上記のように、ボルト孔4cは、第1の鋼管柱2の内側側面と、開口部5との間に位置しており、また、ボルト孔6cは、第2の鋼管柱3の内側側面と、凸部7の外側周面7aとの間に位置している。これにより、第1及び第2のエンドプレート4、6は、第1及び第2の鋼管柱2、3の内側で、複数の緊締具、すなわちボルト8によって締結されている。
また、ボルト孔4c、6cは、第1及び第2の鋼管柱2、3の中心を通る、水平な第1の仮想線Bの方向に密に設置されている。これにより、複数の緊締具、すなわちボルト8は、図3に示されるように、第1及び第2の鋼管柱2、3の中心を通る、水平な第1の仮想線Bの方向に密に設置されている。
ワッシャープレート10は、図3に示されるように、曲率半径が第1の鋼管柱2の内側側面の半径よりも小さく、中心角が180°以下の外側周辺10aと、曲率半径が第1の鋼管柱2の開口部5の半径よりも大きく、外側周辺10aと同じ中心角を有する内側周辺10b、及び、外側周辺10aと内側周辺10bの両端点間を、半径方向にそれぞれ結ぶ、2つの側辺10cにより画定された、扇形形状を有している。ワッシャープレート10は、第1のエンドプレート4上に、外側周辺10aが第1の鋼管柱2の内側表面より少し内側に位置するように、設置されている。
ワッシャープレート10には、第1のエンドプレート4のボルト孔4cに対応する位置に、図示しないボルト孔が開設されている。ワッシャープレート10のボルト孔の大きさは、第1のエンドプレート4のボルト孔4cよりも小さくなるように形成されている。例えば上記のように、ボルト8の軸部8aの直径が22mmであり、第1のエンドプレート4のボルト孔4cの直径が27mmである場合には、ワッシャープレート10のボルト孔は、直径が24mm程度の大きさを有している。
施工現場においては、上記の要領で形成された接合構造1に対して、窓孔2b、3bに、窓孔2b、3bを覆うように、図示しないラス網を設置したうえで、第1及び第2の鋼管柱2、3、及びこれらの接合構造1の外側表面に、耐火被覆を行い、金属パネルや珪酸カルシウム板などの仕上げパネルが設置される。
次に、鋼管柱の接合構造1を施工する方法について説明する。
まず、工場などで、第1の鋼管柱2と第1のエンドプレート4を溶接などにより接合する。また、同様に、第2の鋼管柱3と第2のエンドプレート6、及び、第2のエンドプレート6と凸部7を、溶接などにより接合する。第1のエンドプレート4が接合された第1の鋼管柱2と、第2のエンドプレート6及び凸部7が接合された第2の鋼管柱3は、施工現場へ移送される。
次に、施工場所において、第2の鋼管柱3を、第2のエンドプレート6が上側に位置するように設置する。ここで、第1の仮想線Bを、せん断力を主に負担する方向に一致させるようにして、第2の鋼管柱3を配置する。
更に、第1の鋼管柱2を、第1のエンドプレート4が下側に位置するように、かつ、第2のエンドプレート6の上に第1のエンドプレート4が位置するように、第2の鋼管柱3の上に移動して、第2のエンドプレート6の凸部7を、第1のエンドプレート4の開口部5に、凸部7の外側周面7aと開口部5の内壁5aが近接するように嵌合させる。このとき、第1のエンドプレート4の各ボルト孔4cと、対応する第2のエンドプレート6のボルト孔6cが、互いに重なるように、回転位置を調整する。
その後、次の手順により、第1及び第2のエンドプレート4、6を、ボルト8とナット9で締結する。まず、第2の鋼管柱3の窓孔3bを介して、ボルト8を第2の鋼管柱3の内部に位置せしめ、軸部8aを上向きにして、第2のエンドプレート6のボルト孔6cと、第1のエンドプレート4のボルト孔4cに順次、上方に移動させながら挿通させる。次に、第1の鋼管柱2の窓孔2bを介して、ナット9を第1の鋼管柱2の内部に位置せしめ、第1のエンドプレート4の鋼管柱側表面4aから突出したボルト8の軸部8aの先端に、ワッシャープレート10を介して、仮留めして螺着させる。その後、第1の鋼管柱2の窓孔2bを介して、トルクレンチなどを第1の鋼管柱2の内部に挿入し、仮留めしたナット9を緊締する。
耐火被覆が必要な場合には、窓孔2b、3bを覆うようにラス網を設置して、第1及び第2の鋼管柱2、3、及びこれらの接合構造1の外側表面に、耐火被覆を行い、その上に仕上げパネルを設置する。
次に、上記の鋼管柱の接合構造1の作用、効果について説明する。
地震が発生し、図3に示される、第1の仮想線Bの方向にせん断力が作用した場合を考える。
せん断力が小さければ、第1のエンドプレート4と、第2のエンドプレート6は、ボルト8とナット9によって緊締されているため、第1のエンドプレート4の外側表面4bと第2のエンドプレート6の外側表面6bの間に発生する摩擦力によって、せん断力に対抗することができる。
せん断力が大きく、第1のエンドプレート4の外側表面4bと第2のエンドプレート6の外側表面6bの間に発生する摩擦力によって、せん断力に対抗することができない場合、せん断力が作用する方向に、第1のエンドプレート4と第2のエンドプレート6が互いに相対移動する。
第1のエンドプレート4と第2のエンドプレート6の相対移動は、開口部5の内壁5aと凸部7の外側周面7aが接触することにより停止し、以降は第1のエンドプレート4と第2のエンドプレート6の間でせん断力が伝達される。このとき、第1のエンドプレート4のボルト孔4cの半径と、ボルト8の軸部8aの半径の差は、開口部5の内壁5aと、凸部7の外側周面7a間の距離よりも大きくなっているため、ボルト8の軸部8aは第1のエンドプレート4のボルト孔4cの内壁に接触しておらず、したがってボルト8はせん断力の影響を受けていない。
すなわち、大きなせん断力が作用しても、開口部5の内壁5aと凸部7の外側周面7aが接触することにより、開口部5の内壁5aと凸部7の外側周面7aの間でせん断力を伝達することが可能である。
ここで、第1のエンドプレート4のボルト孔4cの半径と、ボルト8の軸部8aの半径の差、すなわちボルト8の軸部8aの外周と、ボルト孔4cの内壁とのクリアランスは、開口部5の内壁5aと、凸部7の外側周面7a間の距離よりも大きいため、せん断力が作用しても、ボルト8の軸部8aの外周がボルト孔4cの内壁に接触する前に、開口部5の内壁5aと凸部7の外側周面7a間が接触し、開口部5と凸部7間でせん断力を伝達する構成となっている。すなわち、ボルト8はせん断力の影響を受けず、せん断力によっては破損されないため、以降に作用する曲げ応力を継続して伝達することが可能となる。
以上の理由により、大きなせん断力を伝達可能な、強い構造を実現することができる。接合部分が、曲げ応力が小さな階高中央付近に位置するように設置することで、建築物全体の強度を高く保つことが可能となる。
また、第1の鋼管柱2の開口部5と、第2の鋼管柱3の凸部7が嵌合される構造であるため、第1の鋼管柱2と第2の鋼管柱3の位置合わせは、開口部5と凸部7をガイドとして、これらを嵌合させることで、容易に行うことが可能である。
凸部7の、外側表面7dと外側周面7aが垂直に交わることにより形成される端辺には、外側表面7dと外側周面7aが滑らかに連続するように、小さな径で面取り7eされているため、開口部5への凸部7の嵌合は容易である。
第1のエンドプレート4のボルト孔4cは、第2のエンドプレート6のボルト孔6cよりも大きくなっているため、ボルト8の挿入を、第2のエンドプレート6側から第1のエンドプレート4の方向へ行うことにより、第1の鋼管柱2と第2の鋼管柱3の位置合わせが多少ずれていたとしても、容易にボルト8を挿入することが可能となる。
更に、第1及び第2の鋼管柱2、3の各々の接合端近傍に、それぞれ、窓孔2b、3bが開設されているため、窓孔2b、3bを介して緊締具による締結作業を行うことができる。
以上の理由により、施工を正確に、かつ容易に行うことができる。
また、第1のエンドプレート4と第2のエンドプレート6との間の接合は、溶接ではなく、ボルト8を使用して行われるため、施工が容易であり、施工が天候に左右されない。また、超音波探傷試験が不要である。したがって、短期間での施工と、接合品質の向上が可能である。更に、作業員に溶接技術を必要とせず、誰でも接合作業を実施することができるため、施工計画の立案が容易である。
また、第1及び第2のエンドプレート4、6は、第1及び第2の鋼管柱2、3の内側で、複数の緊締具、すなわちボルト8によって締結されているため、接合のために、エンドプレート4、6を鋼管柱2、3の外周面から大きく突出させる必要がなくなる。したがって、接合構造の仕上げ材への干渉が少なくなるので、施工が容易となり、かつ、外観を向上させることが可能となる。本実施形態においては、第1及び第2の鋼管柱2、3と、第1及び第2のエンドプレート4、6とを、それぞれ強固に溶接するために、第1及び第2のエンドプレート4、6を、第1及び第2の鋼管柱2、3の外周面から少し突出させているが、十分な溶接強度が実現できるのであれば、第1及び第2のエンドプレート4、6が突出しないように構成することも可能である。
また、接合構造の施工においては、下側の鋼管柱を、接合端を上向きに設置した後に、上側の鋼管柱を設置するのが一般であるが、本実施形態においては、下側に設置される、すなわち、接合端が上向きに設置されるのは、開口部を有さない第2の鋼管柱3であるため、第2の鋼管柱3設置後、第1の鋼管柱2設置前の期間において、外部からの、雨などの侵入を防ぐことができる。これにより、腐食を防止し、強い構造を維持することができる。
なお、本発明の鋼管柱の接合構造は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、上記の実施形態においては、第1のエンドプレート4の外側表面4bと、第2のエンドプレート6の外側表面6bが直接接するように配置して、ボルト8で両者を締結したが、上側に位置する第1の鋼管柱2の高さ位置を調整するために、第1のエンドプレート4の外側表面4bと、第2のエンドプレート6の外側表面6bの間に、ワッシャープレート10と略同じ形状の、シムプレートを挟むようにしてもよい。このとき、シムプレートのボルト孔は、シムプレートの位置合わせ、及び、ボルト8の挿入を容易にするために、第1のエンドプレート4のボルト孔4cと同程度の大きさに形成するのが望ましい。
また、上記したように、第1及び第2のエンドプレート4、6の径を、第1及び第2の鋼管柱2、3の外周と同じ径として、第1及び第2のエンドプレート4、6が第1及び第2の鋼管柱2、3の外方に突出しないように構成してもよい。
また、上記の実施形態においては、第1及び第2の鋼管柱2、3は円形鋼管であるが、角形鋼管であってもよい。
また、上記の実施形態においては、開口部5の内壁5a、及び、凸部7の外側周面7aは、断面形状がドーナツ形状であるが、中央に開口部を有さない、円形であってもよいし、多角形などの、他の形状であってもよい。
また、上記の実施形態においては、凸部7は、第2のエンドプレート6に対して溶接で接合されているが、例えば一枚の鋼板を切り出して、第2のエンドプレート6と凸部7が一体となるように、作製しても構わない。
また、上記の実施形態においては、図3に示されるように、ボルト8は、第1の仮想線Bの方向に密に設置されているが、これに代え、第1及び第2のエンドプレート4、6上に均等に設置されてもよい。この場合は、窓孔2b、3bの近辺に一部のボルト8が配置されるため、施工性が向上する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 鋼管柱の接合構造
2 第1の鋼管柱
3 第2の鋼管柱
4 第1のエンドプレート
5 開口部
6 第2のエンドプレート
7 凸部
8 ボルト
9 ナット
10 ワッシャープレート

Claims (4)

  1. 突き合わされた一対の鋼管柱の接合構造であって、
    前記一対の鋼管柱は第1の鋼管柱と第2の鋼管柱を含み、
    前記第1の鋼管柱の接合端には、開口部を有する第1のエンドプレートが接合されており、
    前記第2の鋼管柱の接合端には、前記第1の鋼管柱との接合面に凸部を有する、第2のエンドプレートが接合されており、
    前記第2のエンドプレートの前記凸部は、前記第1のエンドプレートの前記開口部に、前記凸部の外側周面と前記開口部の内壁が近接するように嵌合されており、
    前記第1及び第2のエンドプレートは、前記第1及び第2の鋼管柱の内側で、複数の緊締具によって締結されており、
    前記複数の緊締具は、前記第1及び第2の鋼管柱の中心を通る、水平な第1の仮想線の方向に密に設置されており、
    前記第1及び第2の鋼管柱の各々の接合端の、前記中心において前記第1の仮想線に直交する水平な第2の仮想線上に位置する側面にはそれぞれ、窓孔が開設されている、鋼管柱の接合構造。
  2. 前記第2の鋼管柱は、前記第2のエンドプレートが上側に位置するように設置されている、請求項1に記載の鋼管柱の接合構造。
  3. 前記緊締具は、前記第1及び第2のエンドプレートの各々に開設されたボルト孔を挿通するボルトであり、
    前記第1のエンドプレートの前記ボルト孔は、前記第2のエンドプレートの前記ボルト孔よりも大きくなっており、
    前記第1のエンドプレートの前記ボルト孔の半径と、前記ボルトの軸部の半径の差は、前記開口部の前記内壁と、前記凸部の前記外側周面間の距離よりも大きい、請求項1または2に記載の鋼管柱の接合構造。
  4. 前記第1及び第2の鋼管柱は、前記第1の仮想線を、せん断力を負担する方向に一致するように設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の鋼管柱の接合構造。
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