JPH0711677Y2 - 一般的な浴槽用自浄式還流システム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は一般には還流段階中に使
用される全てのパイプを自動的に洗浄及び消毒する浴槽
用還流システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に浴室に還流システムを備える浴槽
を設置することはますます普及化しつつある。かかる浴
槽は、入浴時は通常に使用され、還流マッサージ段階で
は、浴槽中の水の一部分が適宜の循環ポンプにより抜き
取られて水面下に位置する一連のノズルを通じて戻され
る。

【０００３】また、この湯水循環回路には、浴槽に向か
う湯水にある量の空気を調整可能に混合するようにする
パイプが設けられる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】還流システムで用いら
れる湯水には、オイル及び石けん、パウダー、皮膚片、
及び体脂肪等の様々な物質が混入してくるので、一定期
間使用すると、還流システムのパイプ及びポンプへの通
過部分に好ましくない堆積物が形成されて積っていく。

【０００５】また、時間が経過するにつれ、堆積物は不
快臭を発するようになり、その一部が分離して還流湯水
とともに循環し、清浄性及び衛生上の問題が生じる。還
流システムは収納されているだけでなく液密に封止され
ているので、従来は清潔に保つため次のようにされてい
た。浴槽に適宜の洗浄剤を希釈した湯水を満たしてか
ら、比較的長時間還流システムを動作せしめ、次いで排
水する。その後浴槽は当然汚れているから清掃されねば
ならないが、その前にパイプ中に残留した洗浄剤を除去
するよう清潔な湯水でシステムを動作せしめるのが望ま
しい。

【０００６】この方法では、湯水及び電気エネルギーの
両方が過度にむだになり、特に長い時間がかかり、幾つ
かの操作を行なう人間が常にいなければならない。本考
案の主たる目的は、単純で合理的な設計上の解決で前記
の欠点を除去する自浄式還流システムを利用しうるよう
にすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、前記の
如き種類であって、個々の還流ノズル及びシステムのポ
ンプに接続される取水フィルタ、及び場合により還流湯
水に空気を混入する開口の各々に還流マッサージ段階中
は開放しシステム清浄化中は閉鎖する弁手段を設けてな
る一般の浴槽用自浄式還流システムが提供される。

【０００８】前記の手段のために、還流システムは対応
する浴槽の湯だまりから隔離され、洗浄剤製品を混合さ
れた湯水を満たすよう給水本管等の適宜の加圧水源に接
続される。洗浄剤製品を混合された湯水は、循環ポンプ
とは別体のポンプユニットにより注入され、閉鎖された
回路をめぐってシステム全体を流通する。清浄化段階又
は洗浄段階と称するこの段階の終わりに、洗浄剤を混合
された湯水は、システムから除去されたよごれとともに
直接浴槽のサイフォンへ排水される。この洗浄段階の後
に、システムから洗浄剤残渣を除去するすすぎ段階を実
行してもよい。その後システムは浴槽の湯だまりに再接
続される。前記の全操作の系列は、カードプログラム式
電子装置等の適宜の装置の制御のもとに置かれる。

【０００９】

【実施例】最初に本考案の特徴的な要件は、一般の還流
システム及び浴槽に良く適合するから、添付の図面に示
される還流式浴槽の種類、形状及び寸法は何ら限定的な
ものと考えられるべきでないことを指摘しておく。図面
中浴槽には概括的に参照番号（１）が付され、対応する
排水出口には（２）が付される（図２参照）。浴槽
（１）の備品は、変化しえまたその使用は当業者にとり
既知であるから図示しない。

【００１０】図示の如く、浴槽（１）に付随して、浴槽
（１）の底部近傍に位置する取水フィルタ（３）（図２
参照）と、取水フィルタ（３）から出発して電気循環ポ
ンプ（５）に接続される取水ポンプ（４）とからなる還
流システムが設けられる。継手（６）を介して、循環ポ
ンプの出口は、浴槽（１）を包囲するよう設置され、浴
槽（１）の側面に公知の方法で取り付けられた一連の還
流ノズル（８）に接続される環状の液体回路（７）に接
続される。通常の場合と同様に、前記ノズル（８）は所
望に応じて方向付けられ調節される。

【００１１】また、前記回路（７）上には、一連の取水
開口（１０）を通じて浴槽（１）内部に接続されるパイ
プ（９）が設置される。図面中には取水開口のうち２つ
が示されている。前記開口は浴槽（１）の上縁近くに位
置し周囲空気を取り入れ、空気はパイプ（９）内へ放出
されてノズル（８）から出される湯水と混合される。前
記開口（１０）の通過部は所望の通りに調節でき、また
適宜完全に閉鎖できる。前記の還流システムの動作のた
め、ポンプ（５）の始動及び停止を制御する好ましくは
空気式の押しボタン（１１）が設けられる。

【００１２】還流システムの動作は周知であり、また上
記の記載から容易に理解しうるので説明を省略する。本
考案によれば前記システムの自動洗浄のため個々のノズ
ル（８）の各々に対して、その出口オリフィスの直ぐ上
流に設置される弁（８０）が付随する。この弁（８０）
は空気式であるのが好ましい。また図２中（３０）で示
される同様な弁（３０）がフィルタ（３）の直後に配置
される。また取水パイプ（４）の上流側において、弁
（３０）の直後に浴槽（１）の反対側端方向へ延在する
バイパスパイプ（４０）が介装され、バイパスパイプは
浴槽（１）の反対側端で回路（７）及びパイプ（９）に
それぞれ接続される。

【００１３】空気式弁（４１）（図４参照）が介装さ
れ、還流マッサージ段階中は閉鎖されている。排水パイ
プ（５０）（図１及び図３により明瞭に示されている）
も設けられ、ソレノイド弁（５１）により遮断される。
このパイプ（５０）は取水パイプ（４）の下流端（４）
を出口（２）下の排水サイフォンに接続する（図１，図
２，図３）。

【００１４】また前記ポンプ（５）の出口継手（６）に
は、可撓管（６０）が設けられて給水本管に接続するよ
うにされ、可撓管にはソレノイド弁（６１）が設けられ
る。またこの継手（６）には、適当な液体洗浄剤を収容
するタンク（図示せず）から抜き出すポンプユニット
（６３）から分岐する図２中で参照番号（６２）を付さ
れた小さい管が接続される。

【００１５】システムの洗浄サイクルを開始せしめる点
灯押しボタンには参照番号（６４）（図２）が付され、
システムの動作系列は電子カードにプログラムされる装
置（６５）（図２）に従って行なわれる。再び図１を参
照するに、回路（７）は、ソレノイド弁（７１）が付随
する通気管（７０）を介して排水パイプ（５０）に接続
される。

【００１６】還流のために自動洗浄サイクルは次のよう
に行なわれる。手で開口（１０）を閉鎖した後に使用者
が押しボタン（６４）を押すと、弁（３０）及び（８
０）が閉鎖して、システムは浴槽（１）の湯だまりから
隔離される。弁（６１），（７１）及び（４１）は自動
的に開放し、システムは弁（６１）を介して給水本管に
接続され、一方システム中にある空気は弁（７１）を通
じてサイフォンに排出される。

【００１７】先行する動作に続いて一定の遅延の後ポン
プユニット（６３）が、所定量の洗浄剤を回路（７）に
注入するよう動作する。適宜の圧力センサ（当業者に公
知であるので図示しない）が、システムに湯水が充満し
たとこを感知して装置（６５）に信号を送ると、装置は
弁（６１）及び（７１）を閉鎖してポンプユニット（６
３）を遮断する。この時点でポンプ（５）が、システム
の大きさに応じた５分から１０分までの時間動作し、洗
浄剤が混合された湯水が、パイプ（４０）及び（４）、
ポンプ（５）、回路（７）及びパイプ（９）からなる閉
回路を流れる。文字（Ｃ）及び（Ｄ）は、取水及び送り
出しそれぞれにおける２つの水流の方向を示す。

【００１８】洗浄（又は清浄化）が完了すると、ポンプ
（５）は停止し、弁（５１）が開放されて液体は全て排
水に流れる。次いで弁（５１）が閉鎖して、洗浄剤残渣
及び汚れをシステムから除去するためのすすぎ段階が始
まる。このすすぎのため、弁（４１），（６１）及び
（７１）は清浄な水でシステムを満たし空気をサイフォ
ンに排出するよう開放し、洗浄剤ポンプユニット（６
３）のスイッチが切られ、弁（６１）及び（７１）の閉
鎖後ポンプ（５）が２乃至５分動作し、弁（５１）はす
すぎ湯水を排出するよう開放する。

【００１９】その後、弁（５１）及び（４１）は閉鎖
し、弁（３０）及び（８０）は開放して、浴槽（１）は
再び新たな循環マッサージサイクル、あるいは通常の入
浴が行なえるようになる。初めの方の場合使用者は開口
（１０）を開いて所望の通り調節するだけでよい。

【００２０】本考案の利点及び特長は、上記の記載及び
添付の図面より明らかである。本考案は、図示及び記載
される実施例に限定されるものではなく、添付の実用新
案登録請求の範囲に従って実現されるならば、前記の手
段の全ての等価的及びその組み合わせを含む。例えば、
取水開口（１０）は、その後にシステムが自動洗浄／清
浄化サイクルを開始する際弁（８０）及び（３０）の閉
鎖と同時に閉鎖する好ましくは空気式の弁を設けるよう
にできる。

【００２１】また弁（５１），（６１）及び（７１）も
空気式としうる。以上を要約するに、自浄式還流システ
ムは、フィルタ（３）が付随する取水パイプ（４）と、
還流ノズル（８）が付随する液体回路（７）とに接続さ
れる循環ポンプ（５）と、液体回路に付随しノズルに向
かう湯水に周囲空気を混合するパイプ（９）とからな
る。ノズル（８）とフィルタ（３）との通過部分は、シ
ステムを浴槽（１）の湯だまりから隔離する弁手段（８
０，３０）により遮断され、その後このシステムには洗
浄剤が混合された湯水が満たされてポンプ（５）により
閉回路を循環させられる。清浄化又は洗浄段階の終わり
に、洗浄剤及び汚れが混合した湯水は浴槽のサイフォン
に直接排水される。前記清浄化段階に続いてシステムの
すすぎが行なわれてサイフォンに排水される段階を設け
てもよい。清浄化（場合によりすすぎ）後システムは浴
槽（１）の湯だまりへ再接続される。

【００２２】

【考案の効果】前記の如き手段により本考案の目的が達
成される。特に、清浄化に必要な湯水の量は、浴槽を満
たす必要がないため、従来技術で必要とされる量より大
幅に少ない。また清浄化は比較的短時間で行なわれ、そ
の結果電気エネルギーの消費が減少する。さらに清浄化
は自動的に行なわれるから人間が常についている必要は
なく、また湯水が直接排水へ送られるため清浄化段階中
に浴槽が汚れることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】適宜の形状の浴槽に付随する本考案の正面図で
ある。

【図２】図１に対応する平面図である。

【図３】図１の矢印III 方向から見た側面図である。

【図４】図１の矢印IV方向から見た側面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 排水出口 ３ 取水フィルタ ４ 取水パイプ ５ 還流ポンプ ６ 継手 ７ 液圧回路 ８ ノズル ９ パイプ １０ 開口 １１，６４ 押しボタン ３０，４１，５１，６１，７１，８０ 弁 ４０ バイパスパイプ ５０ 排水パイプ ６０ 可撓管 ６２ 小さい管 ６３ ポンプユニット ６５ 装置 ７０ 通気管

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽（１）の側面に位置する一連の送り
   出しノズル（８）へ還流マッサージ湯水を通す液体回路
   （７）と、対応する取水開口（１０）を有し、該ノズル
   から送り出される湯水に混合されるよう周囲空気を通す
   パイプ（９）とからなり、該回路（７）はポンプ（５）
   により駆動され、取水パイプ（４）が少なくとも１つの
   フィルタ（３）を介装されるようにして該浴槽と連通す
   る、一般的な浴槽用自浄式還流システムであって、 該少なくとも１つのフィルタ（３）とノズル（８）との
   通過部分を遮断するよう配置される弁手段（８０，３
   ０）と、弁（４１）を伴ない該取水パイプ（４）を該液
   体回路（７）及び空気パイプ（９）に接続するバイパス
   パイプ（４０）と、弁（６１）を伴ない給水本管に接続
   され該液体回路（７）に開口する管（６０）とからな
   り、該弁手段（８０，３０）及び開口（１０）が閉鎖さ
   れることでシステムが浴槽の湯だまりから分離され、洗
   浄剤が混合された湯水が該管（６０）を介して注入され
   て該弁（４１）が開放されることにより閉回路をなして
   循環せしめられ、次いで浴槽（１）のサイフォンに直接
   排水される少なくとも１つの動作態様でシステムの自動
   清浄化を制御するプログラム式サイクル装置（６５）が
   設けられてなる一般的な浴槽用自浄式還流システム。
2. 【請求項２】 洗浄剤物質を収容するタンクに接続され
   る入口と、該液体回路（７）に開口する出口端とを有
   し、該少なくとも１つの動作態様により水がシステム中
   に注入されている間一時的に動作するよう該装置（６
   ５）により制御されるポンプユニット（６３）からなる
   ことを特徴とする請求項１記載の一般的な浴槽用自浄式
   還流システム。
3. 【請求項３】 前記サイフォンへの直接排水のためサイ
   フォンを取水パイプ（４）と接続し弁（５１）により遮
   断されるパイプ（５０）が設けられることを特徴とする
   請求項１記載の一般的な浴槽用自浄式還流システム。
4. 【請求項４】 弁（７１）により遮断され、該液体回路
   （７）を該排水パイプ（５０）に接続する通気管（７
   ０）からなり、通気管は対応する弁（５１）の下流で排
   水パイプ（５０）に開口することを特徴とする請求項１
   乃至３のいずれか一項記載の一般的な浴槽用自浄式還流
   システム。
5. 【請求項５】 該液体回路（７）に付随しシステムが満
   たされたことを感知し、同時に該弁（６１）及び（７
   １）を閉鎖し該ポンプユニット（６３）のスイッチを切
   るよう信号を出す圧力センサからなることを特徴とする
   請求項１乃至４のいずれか一項記載の一般的な浴槽用自
   浄式還流システム。
6. 【請求項６】 該バイパスパイプ（４０）は、該フィル
   タ（３）を伴なう弁手段（３０）の直ぐ下流の位置で、
   該取水パイプ（４）に端部を有することを特徴とする請
   求項１記載の一般的な浴槽用自浄式還流システム。
7. 【請求項７】 弁手段は、該装置（６５）の制御を受け
   て該パイプ（９）の個々の開口（１０）の各々に付随さ
   れることを特徴とする請求項１記載の一般的な浴槽用自
   浄式還流システム。
8. 【請求項８】 該ノズルを伴なう弁手段（８０，３
   ０）、少なくとも１つのフィルタ（３）及び開口（１
   ０）は、その直後に挿入されることを特徴とする請求項
   １乃至７のいずれか一項記載の一般的な浴槽用自浄式還
   流システム。
9. 【請求項９】 該弁手段（８０，３０）及び該弁（６
   １，５１，４１，７１）は空気作動弁ユニットからなる
   ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか一項記載の
   一般的な浴槽用自浄式還流システム。
10. 【請求項１０】 該プログラム式装置（６５）は、清浄
    化段階に続いて、清浄な湯水が浴槽（１）の湯だまりか
    ら分離されたままのシステム中を閉回路をなして循環さ
    れ、次いで該パイプ（５０）を介してサイフォンへ排水
    されるすすぎ段階にシステムを設定することを特徴とす
    る請求項１乃至９のいずれか一項記載の一般的な浴槽用
    自浄式還流システム。