JPH07116414B2

JPH07116414B2 - 水中粘着防食材

Info

Publication number: JPH07116414B2
Application number: JP61025826A
Authority: JP
Inventors: 逸夫田沼; 弘美大鶴; 松邨柴田; 寿男本田
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1986-02-10
Filing date: 1986-02-10
Publication date: 1995-12-13
Anticipated expiration: 2010-12-13
Also published as: JPS62184297A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は水中あるいは海水中で金属等に粘着し、該金属
の腐食を防止する水中粘着防食材に関する。

（従来技術）近年、海洋の有効利用が注目され、海洋構築物が増加し
ているが、その構築物の材料にもっとも一般的に用いら
れる材料は鉄であり、その防食材の耐久性に関心が集中
している。

従来より防食にもっとも一般的に用いられているものは
塗料による塗装であり、新設物の場合には予め施工する
ことが可能であるが、水中での再塗装は不可能であり、
耐久性もわずか数年と短かいのが欠点である。これに代
るものとしてモルタル等のコンクリート防食が提案さ
れ、実施されているが、モルタル注入時の海水等の汚染
が問題であり、また大規模な設備を必要とするため、波
浪の状態如何によって工事が左右される。また、このモ
ルタル防食にかわる防食方法とし粘着材による防食工事
としてペトロラタム等の防食材が用いられているが、こ
の場合も海水等の汚染、水中での粘着力がとぼしい。さ
らに作業が困難であり、しかもこのタイプの防食材は不
織布に粘着材を含浸させる方法であるため、作業時に手
等に粘着材が粘着し、作業性が著しく低下する等の欠点
を有する。

（発明の目的）本発明は上記の欠点を排除した新規の水中粘着防食材を
提供することを目的とするものであり、すなわち、高分
子量ゴム成分と低分子量液状ポリマー成分との混合物中
に、酸化ケイ素、金属酸化物、高級脂肪酸の金属塩を添
加することにより水中、海水中で金属等に良好に粘着
し、かつ該金属の防食を行うことのできる水中粘着防食
材を提供することを目的とする。

（発明の構成）本発明による水中粘着防食材に於ては、高分子量ゴム成
分と低分子量液状ポリマー成分との量比を限定範囲内に
おいて変えることにより２種類のタイプの異なった防食
材を製造することができる。すなわち、高分子量ゴム成
分を多く混合した系に於ては、片面に離型処理したプラ
スチックフィルムの非処理面に得られた防食材を塗布す
ることにより、該処理フィルムをロール状に巻きとるこ
とができ、使用時に手を汚ごす等の欠点がなく、かつ水
中又は海水中で強力に金属等に粘着するため、作業性が
著しく向上し、その防食性に信頼性がある。

これに反し、低分子量液状ポリマー成分を多く混合した
系に於ては、得られる防食材がペースト状となり、上述
のテープ状になした防食材を巻きつける場合の障害とな
る異形部等にこてか、はけにより塗布することができ
る。いずれのタイプの防食材であっても、水中又は海水
中での溶出物がなく、海洋汚染等の問題は全く発生しな
い。

本発明に於て用いられるＡ成分としての高分子量ゴム成
分としては、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブ
チルゴムがあり、一方低分子量液状ポリマー成分として
は、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリブテン−イソ
ブチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、
ポリスチレン−ブタジエン共重合体、ペトロラタム等が
好適に用いられる。この場合高分子量ゴム成分と低分子
量液状ポリマー成分の比は0/100〜40/60が望ましい。

本発明に用いられるＢ成分としての酸化ケイ素として
は、疎水性シリカ、アエロジル及び一般的なホワイトカ
ーボンがあり、添加量はＡ成分100重量部に対し０〜20
重量部が好適である。

本発明に用いられるＣ成分としての金属酸化物は、粉末
状のものであればいずれでもよく、チタン、亜鉛、鉛、
鉄、カルシウム、マグネシウム等の酸化物が一般的であ
り、その添加量はＡ成分100重量部に対して１〜10重量
部が好適である。

また、Ｄ成分としての高級脂肪酸としては、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、パル
ミチン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の亜鉛、カルシ
ウム、マグネシウム、鉄、銅塩等が一般的であり、その
添加量はＡ成分100重量部に対して１〜10重量部が好適
である。

以上に述べたＡ〜Ｄ成分はオープンロール、ニーダー、
バンバリーミキサー、ペイントロール等で混練すること
により、目的とする水中粘着防食材が得られる。

また、該水中粘着防食材をテープ片面に塗布してロール
状に巻きとるためには、押出機及びＴダイを用いて、片
面離型処理したプラスチックフィルムの非処理面に防食
材を塗布して巻きとることにより、ビニルテープ状の水
中粘着防食テープを製造することができる。この場合、
水中又は海水中で構造物にビニルテープを貼付すると同
様な手順で実施すればよく、作業性の非常にすぐれた防
食材である。

また、Ａ〜Ｄ成分以外にも目的によっては防錆剤を添加
してもよく、着色剤、酸化防止剤等も当然のことながら
添加できる。

また、本発明による水中粘着防食材は当然のことながら
空中での使用も可能である。

（実施例）以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的
に詳述する。

実施例１〜３及び比較例１〜２第１表に示す各種配合例により得た防食材をオープンロ
ールにて混練し、離型紙にはさんでプレスし、0.3mm厚
さのシートを作製し、片面の離型紙をはがして、80μの
厚さの片面離型処理したポリエチレンフィルムの非処理
面にエアーを巻込まないように貼りつけ、防食テープの
サンプルとした。

第１表に示す４種類（実施例１〜３及び比較例１）のサ
ンプルを巾25mmのテープ状にカットし、水中で表面が平
滑なステンレス板に貼り付け、その状態で剥離テストを
実施し、剥離力を測定した。結果は第２表に示す通りで
あった。

また、同じく４サンプルを巾50mmにカットし、添付図面
に示すように水中でブラストした鉄パイプ（１）に上記
サンプル（２）をそれぞれ半周巻きつけ、サンプルの一
方の端に2.2kgに重り（３）をとりつけ、該サンプルが
落下するまでの時間（分）を測定した。

結果は第２表に示す通りであった。

実施例４実施例３による防食材の体積固有抵抗及び吸水率を測定
した。結果は第３表に示す通りであった。

実施例５実施例３による防食テープと市販ペトロラタム系テープ
（比較例２）を水中に浸漬して放置し、水中への溶出を
検討した。結果は第４表に示す通りであった。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明による水中粘着防食材の水中における
落下試験を行う装置の略示図である。１……鉄パイプ、２……本発明のサンプル、３……重
り。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高分子量ゴム成分０〜40重量部と低分子量
液状ポリマー成分100〜60重量部とからなるゴム成分
（Ａ）、酸化ケイ素（Ｂ）、金属酸化物（Ｃ）、高級脂
肪酸の金属塩（Ｄ）を主成分とする水中粘着防食材。
【請求項２】高分子量ゴム成分がブチルゴム、塩素化ブ
チルゴム、臭素化ブチルゴム又は部分架橋ブチルゴムで
ある特許請求の範囲（１）記載の水中粘着防食材。
【請求項３】低分子量液状ポリマー成分がポリブテン、
ポリイソブチレン、ポリブテン−イソブチレン共重合
体、ポリスチレン−ブタジエン共重合体又はペトロラタ
ムである特許請求の範囲（１）記載の水中粘着防食材。
【請求項４】（Ａ）成分が100重量部に対して（Ｂ）成
分が０〜20重量部、（Ｃ）成分が１〜10重量部、（Ｄ）
成分が１〜10重量部である特許請求の範囲（１）記載の
水中粘着防食材。