JPH0711623U - 屋根パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 敷設作業が簡単であるとともに短時間で敷設
作業を行なうことができ、安定した断熱効果を当初から
発揮させることができ、ひいては工期の短縮化およびコ
ストの低減にも寄与することのできる屋根パネルを提供
すること。 【構成】 むな木、母屋６、軒げた４などの上で垂木１
５に支持される屋根パネル１０であって、板状の断熱材
からなる芯材部１３と、前記芯材部１３の一方面に貼着
される野地板１４と、前記芯材部１３の他方面に芯材部
１３より突出してなる断熱補足材１５とを具備したこと
を特徴とする屋根パネル。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は木造家屋、特に屋根部分を高気密・高断熱にするにあたり、現場での 作業を極めて簡易にでき、しかも安価で施工することのできる屋根パネルに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、木造建築物では建物内部の断熱性・気密性を高めるため、壁部、床部の みならず、屋根部にも発泡合成樹脂などからなる断熱材が使用されるようになっ ている。

【０００３】 このように建築物の周囲全体にくまなく断熱材を配置することにより、温度変 化の大きい地方であっても、室内を効率良く暖房あるいは冷房し、加えて気密性 を保持するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、屋根部分に断熱材を敷設する場合には、資材の運搬に高所まで 何度も運ぶ必要があり、作業性が悪い。しかも、高所での作業に時間を要すると 、作業者の安全管理上好ましくない。一方、時間を短縮して作業を進めると、不 手際が生じやすく、本来の目的である高気密・高断熱化を図る上で欠損部が生じ てしまう結果となる。

【０００５】 本考案はこのような問題に鑑み、敷設作業が簡単であるとともに短時間で敷設 作業を行なうことができ、安定した断熱効果を当初から発揮させることができ、 ひいては工期の短縮化およびコストの低減にも寄与することのできる屋根パネル を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決しようとする手段】 上記目的を達成するため、本考案に係る屋根パネルは、 むな木、母屋、軒げたなどの上で垂木に支持される屋根パネルであって、 板状の断熱材からなる芯材部と、 前記芯材部の一方面に貼着される野地板と、 前記芯材部の他方面に芯材部より突出してなる断熱補足材とを具備したことを 特徴としている。

【０００７】

【作用】

本考案に係る屋根パネルでは、断熱材からなる芯材部と野地板および断熱補足 材とが予め一体になるよう貼着されているため、高所で断熱材を野地板間に敷き 詰めたり、これらを一体化させる作業が不要となる。

【０００８】 したがって、本考案による断熱パネルによれば、作業者の高所での作業を少な くすることができる。また、上記断熱補足材が介在されるため、パネルを温度変 化の大きい寒冷地で使用するときなどに、この断熱補足部分を厚くすることによ り、使用環境に容易に対処することができる。

【０００９】 また、寸法を規格化したパネルであるため、大量に一貫生産することができ、 生産コストが廉価であり、断熱性能の安定したものを当初から提供することがで きる。

【００１０】

【実施例】

以下、図面を参照しつつ、本考案の一実施例に係る屋根パネルについて説明す る。

【００１１】 図１は本考案に係る屋根パネルが採用された木造家屋の一部を示したものであ り、図２は図１の屋根部に採用されている屋根パネルを示したものである。 ２階建て木造建築の標準的な軸組構造は、図１に示すように、通し柱１、管柱 ２、２などで垂直方向の荷重を受けるとともに、上下階の間に入れる胴差３、軒 桁４、はり５、小屋はり６などで柱間を連結し、これらで水平力を受けるように している。

【００１２】 一方、このような軸組からなる木造建築物に屋根材を構成するには、軒桁４、 小屋はり６に組付けられた母屋７、頂部に配された図示しないむな木など、階段 状に配置された水平部材に、略矩形に形成された屋根パネル１０が順次組付けら れる。

【００１３】 この屋根パネル１０は、図２に示したように、板状の断熱材からなる芯材部１ ３と、この芯材部１３の一方面に貼着される野地板１４と、芯材部１３の他方面 に貼着される２つの断熱補足材１５、１５とからなっている。

【００１４】 上記芯材部１３は、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンなどの合成樹脂の断 熱材であり、その発泡倍率は、任意であるが、例えば、２０〜６０倍である。 野地板１４は、合板、ウェハーボード、チップボードなどからなっている。

【００１５】 断熱補足材１５は、例えば前記芯材部１３を構成する断熱材と同一の材料から なっている。この断熱補足材１５を芯材部１３に取り付けることにより、芯材部 １３の厚さをそれ程厚くできなくとも、この部分で断熱効果を増大させることが できる。したがって、寒冷地で使用するときなどに、断熱補足材１５の厚さを所 定の厚さに設定することができる。

【００１６】 以下、このパネル１０の使用例について説明する。 このようにして形成される屋根パネル１０は、例えば図１に示すように敷設す ることができる。すなわち、図１に示すように、１つのパネルを墨出しした基準 線に沿って軒桁４、母屋７などに差し渡された垂木１５の上に傾斜する姿勢で配 置する。その際、該パネル１０は釘などにより固定する。その後、該パネル１０ の隣位に他のパネルを並べて載置し、以後これに隣接して順次パネルを敷設して いく。

【００１７】 このように、順次並べられたパネル１０の野地板１４上に図示しないアスファ ルトフェルトなどを全面に敷設し、さらに所定の間隔で瓦桟などを取付けし、そ の上部に瓦などを敷設すれば良い。

【００１８】 本考案では、このように屋根パネル１０を垂木１５に組付けることで屋根部に 断熱層を形成することができる。したがって、本実施例によれば、屋根部に断熱 層を形成するためだけの目的で作業者が何度も上に昇ったりする必要がなくなり 、資材の運搬回数が少なくて良い。

【００１９】 さらに、工期の短縮化を図ることもでき、屋根パネルの一貫生産によりコスト 低減を図ることもできる。 一方、この使用例では、単にパネル同士を突き合わせるようにしているが、図 ３に示すように、パネル間の気密に保持する気密性部材２０を介在させても良い 。

【００２０】 この気密性部材２０の配設位置はパネル１０の少なくとも片側端面に配されれ ば良い。このように気密性部材２０を介在させると、水分の蒸発で野地板１４が 痩せた場合でも、この部分に間隙が露呈することはなく、パネル間の気密性を長 時間保持することができ、ひいては屋内を高気密・高断熱に保持できる。

【００２１】 この気密性部材２０は、弾力性のあるものが好ましく、他に接着性も有するも のが更に好ましい。 弾力性および接着性の有する気密性部材の具体例としては、独立気泡よりなる 軟質塩化ビニル発泡体を基材とし、片面に粘着材と剥離紙がついた「バンシール 」（鐘淵化学工業株式会社製）があげられる。

【００２２】 このように弾性力を持ったシ−リングテ−プを介在させれば、野地板１４など が痩せた場合であっても弾性力によりこれらの痩せに追随させることが可能であ る。

【００２３】 なお、気密性部材２０は、予め屋根パネル１０に貼着しておくことが作業上好 ましいが、現場で取り付けることもできる。 以上、本考案の一実施例について説明したが、本考案は上記実施例に限定され ず、種々の改変が可能である。

【００２４】 例えば、以上の実施例では、パネルの寸法をパネル中間部にも垂木１５が入る 形状としたが、これに代え、パネルの大きさを小型とし、両端にのみ垂木が入る 大きさとしても良い。

【００２５】 また、以上の実施例では、芯材部１３と断熱補足材１５、１５とが別体からな る屋根パネル１０を説明したが、これに代え、他の構成からなる屋根パネルを用 いることができる。

【００２６】 例えば、図４に示したパネル３０を採用することもできる。このパネル３０で は、野地板１４に断面Ｔ型の芯材部３１、３１が貼着されている。すなわち、上 記の断熱補足材と芯材部とが一体化して形成されている。このようなパネル３０ であっても良い。

【００２７】 また、図５に示した屋根パネル４０を採用することができる。 このパネル４０では、野地板１４に板状の芯材部４１が貼着されるとともに、 芯材部４１の下面に、断面Ｔ字状の断熱補足材４２、４２が貼着されている。

【００２８】 このような屋根パネル４０であっても、上記屋根パネル３０と同様の作用効果 を発揮させることができる。

【００２９】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案に係る屋根パネルによれば、屋根部に断熱層を 形成するにあたり、作業者の高所での作業を少なくすることができる。また、上 記断熱補足材が介在されるため、パネルを温度変化の大きい寒冷地で使用すると きなどに、この断熱補足部分を厚くすることにより、使用環境に容易に対処する ことができる。

【００３０】 また、規格化したパネルであるため、大量に一貫生産することができ、生産コ ストが廉価であり、しかも断熱性能を当初から安定したものにすることができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る屋根パネルが適用され
た木造住宅の斜視図である。

【図２】本考案の一実施例で採用された屋根パネルの斜
視図である。

【図３】本考案の一実施例で採用された屋根パネルの変
形例を示す突き合わせ部の破断斜視図である。

【図４】本考案の他実施例を示す斜視図である。

【図５】本考案のさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

４…軒桁 ７…母屋 １０、３０、４０…屋根パネル １５…垂木 １３…芯材部 １４…野地板 １５…断熱補足材 ２０…気密性部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 むな木、母屋、軒げたなどの上で垂木に
   支持される屋根パネルであって、 板状の断熱材からなる芯材部と、 前記芯材部の一方面に貼着される野地板と、 前記芯材部の他方面に芯材部より突出してなる断熱補足
   材とを具備したことを特徴とする屋根パネル。