JPH07116233B2 - 新規ペプチド - Google Patents

新規ペプチド

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JPH07116233B2
JPH07116233B2 JP1052831A JP5283189A JPH07116233B2 JP H07116233 B2 JPH07116233 B2 JP H07116233B2 JP 1052831 A JP1052831 A JP 1052831A JP 5283189 A JP5283189 A JP 5283189A JP H07116233 B2 JPH07116233 B2 JP H07116233B2
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peptide
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fish
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秀司 中島
幹雄 佐竹
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Nippon Suisan KK
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Nippon Suisan KK
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なペプチド、更に詳細には優れた血圧降下
作用を有し、医薬品として有用なペプチドならびにその
製造方法さらにはその用途に関する。
〔従来の技術およびその課題〕
従来から、魚類の組織中から有効成分を抽出採取するこ
とが行われており、そのうちのあるものはすでに医薬品
等として実用に供されている。しかも、まだ未発見の生
理活性物質が存在する可能性が秘められており、その発
見が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕 斯かる状況において、本発明者は、魚類の組織中の成分
について長期にわたり研究を行っていたところ、魚類組
織の特定の抽出成分が強い血圧降下作用を有することを
見出した。そして、更にその成分を解明すべく鋭意研究
を行った結果、これが後記(I)式で表わされるペプチ
ドであることを確認し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次式(I) で表わされるペプチドを提供するものである。
本発明のペプチド(I)は、魚類の組織からの抽出液を
精製することにより得られるペプチドである。
また、本発明のペプチド(I)は、構成アミノ酸をペプ
チド合成法により結合させることにより得られるペプチ
ドである。
本発明は、ペプチド(I)の製造方法を提供するもので
ある。
さらに本発明は、ペプチド(I)を有効成分とする血圧
降下剤を提供するものである。
本発明のペプチド(I)は、例えば魚類から次のように
して抽出することができる。
魚類の水抽出成分より70〜100%飽和硫酸アンモニウム
画分を得、該画分を蛋白分解酵素処理し、次いでこれを
精製すれば、本発明ペプチド(I)が製造される。
魚類としてはイワシ、特にマイワシが好ましい。またす
り身の製造工程で得られる水さらし廃液などを使用する
こともできる。蛋白分解酵素としては、酸性プロテアー
ゼ、特にペプシンが好ましい。本発明ペプチド(I)の
精製法としては、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル
濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなど
が単独もしくは組み合せて利用される。
マイワシを原料として使用した場合の抽出法を例示すれ
ば、以下の如くである。
マイワシの普通肉を蒸留水で抽出後、遠心分離した上澄
に、硫酸アンモニウムを70%飽和となるように添加し、
生じた沈澱を遠心分離により除去する。得られた上澄に
対して硫酸アンモニウムを100%飽和となるように添加
し、生じた沈澱を遠心分離により回収する。同沈澱を蒸
留水に再溶解後、蒸留水に対して透析したものを、ペプ
シン処理後、セファデックスG−25およびセファデック
スG−10のカラムを通して精製し、高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)で分離すればペプチド(I)が得られ
る。
また、本発明のペプチド(I)は、通常のペプチド合成
法に従って製造することもできる。
ペプチド合成法としては、液相法または固相法のいずれ
の合成法を用いても良く、また市販のペプチド合成機を
用いることもできる。ペプチド(I)は、通常ペプチド
分離に用いられる逆相カラムクロマトグラフィーにより
精製単離できる。
〔作用〕
本発明のペプチド(I)の血圧降下作用をCushmann &
Cheungの方法〔Biochem.Pharmacol.,20,1637頁(197
1)〕を用いてアンジオテンシンI転換酵素(ACE)阻害
活性として測定した。
ACE1〜10mU、基質Hip-His-Leu(ペプチド研究所製)2.5
mM、リン酸カリウム緩衝液(pH8.3)100mM、食塩300mM
からなる溶液に、試料の所定量を加え、この混合物(0.
25ml)を37℃で30分間インキュベートした後、1N塩酸0.
25mlを加えて酵素反応を停止した。酢酸エチル1.5mlを
加え、10秒間強く攪拌し、生成した馬尿酸を抽出した。
酢酸エチル層1mlから溶媒を留去し、残渣を蒸留水1mlに
溶解し、228nmの吸光度を測定した(ODs)。インキュベ
ート前に、あらかじめ1N塩酸を加えたものをブランクと
し、(ODsbl)、吸光度の差(ODs-ODsbl)を求めた。ま
た試料を添加しなかったものをコントロール群(ODc)
とし、同様にODc−ODcblを求めた。ACB阻害活性は次の
式によって算出した。
本発明のペプチド(I)についての測定結果を、公知の
イワシおよびタチウオ筋肉由来塩基性ペプチド〔末綱邦
男,筬島克裕:日水誌,52,1981-1984(1986)〕と比較
して示せば第1表に示すとおりである。
(I)式で表わされるペプチドは、その由来によらずい
ずれもすぐれたACB阻害活性を示し、血圧降下剤として
有用である。
その用法としては静脈内投与または経口投与が好まし
い。
使用可能な剤形としては、注射剤またはカプセル剤、錠
剤、粉末剤、顆粒剤等の経口投与剤がある。
本発明のペプチド(I)の投与量は、患者の症状の程
度、投与方法等によりその最適量はかなり異なるが、成
人1日当りの治療量は1.0〜1000mgである。
また、本発明のペプチド(I)は、慣用の任意の製薬用
担体、基剤あるいは賦形剤とともに慣用の方法にて医薬
用製剤とすることができる。経口投与剤としては脂溶性
のカプセル剤、錠剤、粉末剤あるいは顆粒剤として、注
射剤としては水溶性注射剤あるいは凍結乾燥粉末剤とし
て使用するのが好ましい。賦形剤としては慣用の物質が
使用可能であるが、ヒト血清アルビミン、ショ糖、ゼラ
チン、デンプンあるいはポリエチレングリコールなどを
使用することが好ましい。
本発明を以下の実施例により一層具体的に説明するが、
本発明はこれらの例により何ら限定されるものではな
い。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて説明する。
実施例1 (i) 以下のすべての操作は5℃にて行なった。
マイワシの普通肉1kgをミンチし、これを4倍容量の蒸
留水中でホモジナイズし、1.5時間攪拌した。これを10,
000×gで45分間遠心分離して上澄を採取した。上澄に
硫酸アンモニウムを70%飽和となるように添加し、1時
間攪拌後これを10,000×gで45分間遠心分離して上澄を
採取した。この上澄にさらに硫酸アンモニウムを100%
飽和となるように添加し、1時間攪拌後10,000×gで45
分間遠心分離して沈澱を回収した。この沈澱を蒸留水に
再溶解後、蒸留水に対して透析し、200mlの粗抽出液を
得た。この粗抽出液にペプシンを総タンパク質量(Lowr
y法による牛血清アルブミン換算)の1/250になるように
添加し、37℃で24時間(pH3.0)反応させた後、100℃で
10分間加熱することによりペプシンを失活せしめ反応を
停止させた。このもののACE阻害活性IC50は570μMであ
った。
(ii) (i)の溶液をセファデックスG−25を充填し
たカラム(2.6×90cm)に通し、0.05M酢酸にて溶出し
た。その溶出パターンは第1図のとおりである。ACE阻
害活性を有する画分を3群(I,II,III)に分け、その中
で最もACE阻害活性の高い画分フラクションIIを得た。
このもののACE阻害活性IC50は253μMであった。
(iii) フラクションIIをセファデックスG−10を充
填したカラム(1.4×96cm)に通し、0.05M酢酸にて溶出
した。その溶出パターンは第2図のとおりである。ACE
阻害活性を有する画分のうち、遊離のアミノ基あたりの
ACE阻害活性が最も高いフラクションNo.77を得た。この
もののACE阻害活性IC50は137μMであった。
(iv) フラクションNo.77をデベロシルODS−5を用い
る高速液体クロマトグラフィー(HPLC)〔カラム:0.46
×30cm,溶出液:(A)10%CH3CN0.05%TFA(B)70%C
H3CN0.05% TFA,溶出:0→60分(A) 100→50%(B)
0→50%直線グラジェント〕に付した。その溶出パタ
ーンは第3図のとおりである。ACE阻害活性を有する画
分を回収し、フラクションNo.6を得た。このもののACE
阻害活性IC50は10μMであった。
アミノ酸組成: フラクションNo.6について12N塩酸で110℃にて22時間加
水分解し、日立L−8500アミノ酸分析機で測定した。結
果は第2表のとおりである。
アミノ酸配列: 気相プロテインシークエンサー モデル 470A(アプラ
イドバイオシステムズ社)を用いて決定した結果は次式
(I)のとおりである。
実施例2 全自動ペプチドシンセサイザー モデル 430A(アプラ
イドバイオシステムズ社)を用いて、次式(I) で表わされるペプチドを合成した。フッ化水素により樹
脂担体よりの脱離、保護基の除去を行い、ODSカラムを
用いた逆相HPLCにより本発明のペプチド(I)を精製し
た。
実施例1同様に、アミノ酸組成を測定した結果は、ペプ
チド(I)の配列から期待される値とよく一致した。
実施例3 実施例2で得られたペプチド(I)を生理食塩水に溶解
し、6週齢の雌雄のICR系マウス各々10匹、および6週
齢の雌雄のウイスター系ラット各々10匹を1群とする実
験動物に対し、各種の濃度のオクタペプチドを静脈内投
与し、2週間観察後LD50値を測定した。
その結果、マウスおよびラットのいずれにおいてもペプ
チド(I)のLD50は100mg/kgより大であった。
以上の実施例から明らかなように、本発明のペプチド
(I)は、すぐれたACE阻害活性を示し、しかもその毒
性が低く、安全で且つきわめて有用な血圧降下物質であ
る。
以上に記述した本発明のペプチド(I)について、その
具体的利用性を、以下、医療用途への実施例をもって説
明する。
実施例4 水溶性注射剤 実施例2で得られたペプチド(I)100mgを、注射用蒸
留水にて調製した0.14M塩化ナトリウム含有0.01Mリン酸
緩衝液(pH7.0)100mlに溶解した。本液をメンブランフ
ィルターを使用して無菌的に濾過し、濾液をガラス容器
に1mlずつ充填して密封し、水溶性注射剤とした。
実施例5 錠剤 実施例1で得られたペプチド(I) 100g デンプン 50g ゼラチン 7.5g 結晶セルロース 25g ステアリン酸マグネシウム 2.5g 計 185g 上記成分から本発明のペプチド(I)100mgを含む錠剤1
000個を得た。
すなわち、ペプチド(I)及びデンプンをゼラチン水溶
液と混合する。混合物を乾燥し粉砕して細かい粉末とす
る。結晶セルロース、次いでステアリン酸マグネシウム
を粒状物に混和する。次いで、これを錠剤機にかけて、
有効成分100mgを含む錠剤1000個を得た。
実施例6 カプセル剤 実施例2で得られたペプチド(I) 50mg ステアリン酸マグネシウム 7mg 乳糖 393mg 計 450mg 上記成分からなる混合物を第1号ゼラチンカプセルに充
填してカプセル剤を得た。
〔発明の効果〕
叙上の如く、本発明のペプチド(I)は、優れたACE阻
害活性を有し、血圧降下剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図はマイワシ普通肉抽水物ペプシン処理サンプルを
セファデックスG−25カラムを用いて精製したときの溶
出パターンを、第2図はフラクションIIをセファデック
スG−10カラムを用いて精製したときの溶出パターン
を、第3図はフラクションNo.77をデベロシルODS−5を
用いるHPLCに付したときの溶出パターンを示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 1/16 7/06 C12P 21/06 9282−4B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I) で表わされるペプチド。
  2. 【請求項2】魚類の組織からの抽出液を精製することに
    より得られる請求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】構成アミノ酸をペプチド合成法で結合させ
    ることにより得られる請求項1記載のペプチド。
  4. 【請求項4】魚類の組織から抽出した液を、下記工程の
    うち少なくとも1つを任意の順序で行うことを特徴とす
    る請求項1記載のペプチドの精製方法。 イオン交換クロマトグラフィー ゲル濾過クロマトグラフィー 逆相クロマトグラフィー
  5. 【請求項5】液相法または固相法のペプチド合成法によ
    り、構成アミノ酸をペプチド結合させることを特徴とす
    る請求項1記載のペプチドの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3のいずれかに記載のペプ
    チドを有効成分とする血圧降下剤。
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