JP4135998B2 - カルシウム吸収促進剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特定のペプチド及びその各精製物を有効成分とするカルシウム吸収促進剤、カルシウム健康食品組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、先に、魚肉を加熱変性せしめて自己消化酵素を失活せしめた後、プロテアーゼ処理して、新規ペプチドを製造することに成功し、これをα−1000と命名した(特開平5−271297)。
【0003】
このペプチドα−1000は、すぐれたアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有しているが、カルシウム沈澱阻害能に関しては全く知られていない。
【0004】
一方、栄養素の過剰摂取が常に問題となっている現在、ミネラル、特にカルシウムについては、欠乏症が逆に顕在化しており、カルシウムの利用吸収促進が当業界において強く待望されているが、カゼインペプチド以外にはその作用があることは、未だ知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような業界におけるニーズに対応するため、高吸収性カルシウム食品を新たに開発する目的でなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものであって、ペプチドα−1000の精製物がカルシウムに対して高いリガンド様活性を有するリン酸カルシウム沈澱抑制作用を有するという新規にして有用な知見を得、この新知見に基づいてなされたものである。
【0007】
カルシウム欠乏に対処するため、従来から行われている食品にカルシウムを強化する方法は、かえって、他のミネラルの利用を妨げるおそれがあり好ましくない。そこで、本発明においては、発想を全く逆転して、カルシウムを食品に強化するのではなくて、本来食品中に含まれているカルシウムを可溶化せしめて利用しやすい形態に変換する、換言すればカルシウムが沈澱して利用不能な形態になることを阻止することによって、カルシウム欠乏に対処することとした。
【0008】
このような従来の発想を全く転換した新しいドラッグデザインともいうべき技術課題を新規に設定し、この解決策を求めて各種物質について鋭意スクリーニングを行った結果、ペプチドα−1000からの精製画分にカルシウムに対し高いリガンド様活性を有するペプチド画分が存在することをはじめて認め、更に研究の結果、本発明を完成した。以下、本発明について詳述する。
【0009】
本発明においては、有効成分としてペプチドα−1000の各精製物を使用するが、α−1000は、先述のように本発明者らが開発したすぐれた生理活性を有する新規ペプチドであって、特開平5−271297に詳細に開示されている。
【0010】
本発明において、ペプチドα−1000の精製は、例えば、陰イオン交換樹脂処理、ODS処理、ゲル濾過、ヒドロキシアパタイト処理等ペプチドないし蛋白質の分画、精製に用いられる処理を1種又は2種以上組み合わせて行い、高いカルシウム可溶化能を有する機能性ペプチドを分離することにより行われる。
【0011】
その際、in vitroでのカルシウム吸収促進ペプチドを得る際のアッセイ系は、カルシウム沈澱阻害能(換言すれば、カルシウム沈澱可溶化能)を測定することで行われ、具体的には反応液中(二価のCa カチオン 2.5mM、三価のPO4 アニオン 10mM)でリン酸カルシウムを100%可溶化するペプチド濃度を示す。カルシウム沈澱阻害能の測定は、図1の手順にしたがって行う。
【0012】
上記したカルシウム沈澱阻害能の測定方法にしたがって、Ca沈澱に及ぼすペプチド(α−1000及びカゼインペプチド)の影響を測定し、図2の結果を得た。対照として、クエン酸とEDTAを用いた。図2において、横軸は、ペプチドの重量濃度、及び、クエン酸、EDTAのモル濃度を示し、縦軸には上清のCa量をとった。
【0013】
図2の結果から明らかなように、燐酸が存在しない場合、Ca沈澱は認められず、カゼインペプチド,α−1000の添加により、その溶解性は、阻害されない。10mM燐酸下では、ブランクで90%がCa塩として沈澱したが、ペプチド類、EDTA、クエン酸の添加により、各々一定の濃度以上でリン酸Caの沈澱化が阻害された。また18時間反応させた場合、キレート剤であるEDTAとα−1000の安定性が優れており、この結果から、生体内耐消化性短鎖ペプチドに着目し、平均鎖長2.65の多機能性ペプチドα−1000からの高活性画分の分離を行った。
【0014】
そこで、加熱処理したイワシ筋肉をアルカリプロテアーゼで処理し、得られたペプチドα−1000を、陰イオン交換樹脂により分画、ゲル濾過したところ、強酸性画分に高活性が認められた。この画分をODS充填カラムに負荷し、水溶出画分にAsp 32.0%,Glu 33.0%のアミノ酸残基を有する平均分子量492の高活性ペプチドを得た。この画分は、カゼインペプチドと同等の活性があり、ペプシン、トリプシン処理によっても、カゼインペプチドのように活性が落ちず、生体内での安定性を強く示唆している。更に、そのODS処理水溶出画分をゲル濾過及びヒドロキシアパタイト処理した結果、カゼインペプチドレベルの二倍のカルシウム沈澱阻害活性を有するAsp 56.1%,Glu 28.3%のオリゴアニオン性ペプチドを得た。
【0015】
このように、そしてまた後記する実施例からも明らかなように、ペプチドα−1000及びその各精製物にはすぐれたカルシウム沈澱阻害能(カルシウム可溶化能)が存在することが確認されたので、カルシウムの存在下においてα−1000(各精製物)を存在せしめると、カルシウムが沈澱することなく可溶化しているため、人体においてはこれを容易に吸収することができる。つまり、α−1000(各精製物)は、特に別途カルシウムを強化しなくても、カルシウム吸収促進剤として利用することができるのである。
【0016】
また、これを特に特定保健用食品等健康食品ないし機能性食品として利用することも可能であって、α−1000(各精製物)はカルシウムとともに配合して、カルシウム健康食品組成物としても利用することができる。この場合には、本組成物に更にカルシウムを追加配合したことにより、本組成物以外に従来より存在していたカルシウムをも可溶化することができ、更にカルシウムの利用性が高まる。
【0017】
したがって、α−1000(各精製物)は、カルシウム高度利用性食品といった食品ないしは動物飼料添加剤として使用されるほか、カルシウム吸収促進剤といった医薬として、または、輸液、健康食品、臨床栄養食品等としても巾広く利用することができる。
【0018】
カルシウム健康食品組成物等食品として使用する場合には、ペプチドをそのまま添加したり、他の食品ないしは食品成分と併用したりして適宜常法にしたがって使用できる。また、医薬として使用する場合には、経口又は非経口投与することができる。経口投与の場合には、例えば常法にしたがい、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、散剤とすることができ、又、非経口投与の場合には、例えば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等として使用することができる。
【0019】
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。なお、本発明の有効成分のひとつでもありまた各精製物の根源でもあるペプチドα−1000は、イワシ等の魚介類を採肉機やデボーナー等で採肉し、得られた魚肉を加熱して自己消化酵素を失活させた後、蛋白分解酵素で処理して得られたものであって、その詳細は特開平5−271297に開示されているとおりであって、その物理化学的性質は下記表1、表2に示すとおりである。
【0020】
【表1】
ペプチドα−1000の物理化学的性質(1)
(A)分子量
200〜10,000(セファデックス(登録商標)G−25カラムクロマトグ
ラフィーによる)
(B)融点
119℃で分解着色する。
(C)比旋光度
20℃において、ナトリウムのD線で測定したときの比旋光度〔α〕:−22°
(D)溶剤に対する溶解性
水に易溶であるが、エタノール、アセトン、ヘキサンにはほとんど溶解しない。
(E)酸性、中性、塩基性の区別
中性
【0021】
【表2】
Figure 0004135998
【0022】
【実施例1】
(1)イワシ筋肉由来ペプチドα−1000を、下記表3に示したペプチドの分離工程にしたがって、精製、分離した。
【0023】
【表3】
Figure 0004135998
【0024】
各フラクションについて、全活性(カルシウム溶解濃度を示す溶液のボリューム)、全蛋白量、阻害能(リン酸カルシウム沈澱を100%阻害するのに必要なペプチド濃度)、その比活性(精製倍率)、回収率をそれぞれ示した。
【0025】
(2)陰イオン交換樹脂充填カラムによる分画の結果、塩基・非イオン性画分(F−1)、両性画分(F−2)、酸性画分(F−3)、強酸性画分(F−4)が得られた。これらの画分の内、より強い陰イオン画分はより高いCa可溶化能を示し、強酸性画分(F−4)に高い活性が認められた。
【0026】
陽イオンに関与する画分も、かなり高いCa可溶化能を示す。また、両性イオンに関与する画分は、Caとの結合能はあまり強くはないが、比較的高いCa可溶化能を示した。
【0027】
(3)上記において特に高い活性が認められた強酸性画分(F−4)について、ODS充填カラムによる分画を行ない、水溶出画分(F−4−1)、10%アルコール溶出画分(F−4−2)、25%アルコール溶出画分(F−4−3)、50%アルコール溶出画分(F−4−4)を得た。
【0028】
これらの画分の内、より高い親水性画分は特により高いCa可溶化能を示し、水溶出画分(F−4−1)に、阻害能0.2mg/lという高い値が認められた。
【0029】
(4)上記において特に高い活性が認められた親水性画分(F−4−1)について、ゲル濾過を行い、画分F−4−1A、F−4−1B、F−4−1Cを得た。
【0030】
(5)上記において特に高い活性が認められた画分(F−4−1A)を、ヒドロキシアパタイトカラムに負荷したところ、非吸着画分(F−4−1Aa)ではなく、吸着画分である正電荷Ca結合画分(F−4−1Ab)に、比活性50倍、回収率5.6%の高いCa沈澱阻害活性を有する新規ペプチドを得た。
【0031】
(6)上記した精製過程で得られた各画分について、ペプチドを酸加水分解してアミノ酸量を測定することにより、アミノ酸分析を行い、下記表4、表5の結果を得た。アミノ酸の値は、アミノ酸残基/100アミノ酸残基で示した。
【0032】
【表4】
Figure 0004135998
【0033】
【表5】
Figure 0004135998
【0034】
上記結果から明らかなように、短鎖ペプチドα−1000は、Glu,Aspなどの味覚に良好な旨味成分を多く含み、疎水性・塩基性アミノ酸などの苦味成分比率が低い特徴を有する。陰イオン交換樹脂処理により分画されたF−1〜4は、そのクロマトモードにより、F−1画分は塩基性アミノ酸が多くなっており、高活性が認められている強陰イオン溶出画分F−4は、酸性アミノ酸リッチ画分である。さらに、ODS充填カラムにより分画されたF−4−1〜4は、高アルコール濃度溶出に順じて、Val,Leu,Ileなどの疎水性アミノ酸が増加しており、高活性水溶出画分F−4−1は親水性アミノ酸が多く、酸性アミノ酸量として65%の値となっている。
【0035】
さらに、ゲル濾過によって得られた高活性画分は、イオン排除により高分子様ふるまいを示した酸性アミノ酸68.7%のF−4−1A画分であった。F−4−1B画分は、中性アミノ酸Gly,Alaが多く、Cはデキストリンに対する親和性により溶出が遅れるTyr,Phe残基量46%を有する画分であり、ほとんどがGlu残基と結合していることは興味深く思われる。低分子物質のヒドロキシアパタイトへの吸着については、Caに対して、強い親和性を持つものを除いては一般に吸着されない。高活性画分F−4−1AbはAsp 56.1%、Glu 28.3%のアニオン性オリゴペプチドであり、強力な陰イオンがこの活性発現に寄与しているものと思われる。
【0036】
(7)ODS充填カラムによって分画された4画分について、生体内消化安定性試験を行った。つまり、これら4画分と、その対照としてカゼインペプチドについて、生体内酵素処理(酵素:ペプシン、トリプシン;反応時間:4時間)を行い、その残存活性を測定した。結果を図3に示した。
【0037】
図中、丸が無処理、四角がペプシンによる消化、三角がペプシンによる消化後トリプシン消化である。高活性画分(F−4−1)は、ペプシン、トリプシン酵素に安定であることが示された。
【0038】
(8)ODS充填カラムによる分画で得られた高活性画分(F−4−1)について、ゲル濾過クロマトグラフィーを行ない、3つの画分に分画した。B,C画分の阻害能が1mg/mlより低いことより、比較的高い中性、疎水性アミノ酸残基量を有する酸性ペプチドは、複合的に活性発現を行っていることが示された。(図4)
【0039】
(9)上記によって得た3つの画分(F−4−1A、F−4−1B、F−4−1C)の内、高活性画分(F−4−1A)をヒドロキシアパタイトカラム処理して、2つの画分(非吸着画分:F−4−1Aa;吸着画分:F−4−1Ab)を得た。これらの画分について、2時間及び18時間反応後のCa沈澱阻害能を測定し、図5の結果を得た。
【0040】
上記結果から明らかなように、ヒドロキシアパタイト吸着画分の阻害能は0.1mg/mlであり、反応18時間後においても高い活性を有している。
【0041】
【実施例2】
次の配合により錠剤を製造した。(1)実施例1で得たペプチドα−100050g、(2)ラクトース90g、(3)コーンスターチ20g、(4)ステアリン酸マグネシウム1g。
【0042】
先ず、(1)、(2)及び(3)(但し17g)を混合し、(3)(但し7g)から調製したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒に(3)(但し5g)と(6)を加えて良く混合し、この混合物を圧縮錠剤機により圧縮して、1錠あたりペプチドα−1000を10mg含有するカルシウム吸収促進剤の錠剤1000個を製造した。
【0043】
【実施例3】
実施例2において、α−1000に加えて、実施例1で得たODS充填カラムからの水溶出画分(F−4−1:Asp 32.0%、Glu 33.0%のアミノ酸残基を有する平均分子量492の高活性ペプチド)を用いて、カルシウム吸収促進剤の錠剤を製造した。
【0044】
【実施例4】
実施例3と同様にして、実施例1で得たヒドロキシアパタイト処理による吸着画分(F−4−1Ab:Asp 28.3%、Glu 56.1%のアミノ酸残基を有する、消化歴を経ても高いカルシウム沈澱阻害活性を有するオリゴアニオン性ペプチド)を用いて、カルシウム吸収促進剤の錠剤を製造した。
【0045】
本発明の有効成分として使用する機能性ペプチドは、α−1000〜その精製物のいずれもが、天然起源でありしかも食品でもあるために毒性が全くないか又は極めて低く、きわめて安全である(LD50>3,000mg/kg皮下、>5,000mg/kg経口:いずれもラット)。
【0046】
本発明の機能性ペプチドは、その種類、投与方法、患者の症状、年令等によって異なるが、約0.1〜6000mg/kg/日であり、1日に1〜4回投与するのが好ましい。なお、予防目的のために健常人が服用する場合には、投与量、投与回数等に格別の制限はない。また必要ある場合には、他の製剤との併用も可能である。
【0047】
【実施例5】
沈降炭酸カルシウム20g、ビタミンC20g、グラニュー糖40g、コーンスターチと乳糖の等量混合物20gに、α−1000(F−4−1画分、F−4−1Ab画分)をそれぞれ50g加えて充分に混合した。得られた混合物を100等分した袋に詰め、1袋1.5gの3種類のスティック状カルシウム健康食品組成物をそれぞれ製造した。
【0048】
【発明の効果】
本発明において使用するペプチドα−1000、その精製物は、カルシウム沈澱阻害能、つまりカルシウム可溶化能というきわめてユニークな特性を有しているため、カルシウム強化剤等従来のタイプとは全く異なる新しいタイプのカルシウム利用剤として利用することができる。
【0049】
すなわち、食品中に含まれているカルシウムやカルシウム製剤の存在下、ペプチドα−1000(精製物)を存在せしめると、カルシウムが可溶化されるため、カルシウムがきわめて効率よく吸収、利用されるのである。したがって、本発明は、既存のカルシウムを有効に利用するものであって、カルシウムを単に添加、強化する従来のカルシウム剤とはその作用機作を全く異にするものである。
【0050】
したがって、牛乳、調製乳、骨粉、小魚等に限らず各種のカルシウム含有食品に本発明に係るカルシウム吸収促進剤、食品組成物を配合すれば、たとえ少量であってもカルシウム含有食品に含まれているカルシウムが体内で有効に利用される。また、ペプチドα−1000(精製物)は消化歴を経ても高活性を維持しているという特性を有しているから、なおさらのことである。カルシウム含有食品の代りに、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム等カルシウム製剤と併用すれば、カルシウム製剤の利用率が更に高まることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】カルシウム沈澱阻害能の測定方法を示す。
【図2】生体内pHにおける各種ペプチドのリン酸カルシウム沈澱阻害を示す。
【図3】ODS充填カラムによって分画された画分の生体内酵素処理による残存活性を示す。
【図4】活性画分(F−4−1)のゲル濾過クロマトグラムである。
【図5】ヒドロキシアパタイト吸着画分のリン酸カルシウム沈澱阻害を示す。

Claims (4)

  1. 下記の物理化学的性質を有するペプチドα−1000の精製物、すなわち、α−1000の陰イオン交換樹脂処理による強酸性画分、該強酸性画分のODS処理による親水性画分、該親水性画分のゲル濾過によるイオン反発性画分、及び、該イオン反発性画分のヒドロキシアパタイト処理による吸着画分の内、当該ヒドロキシアパタイト処理による吸着画分(アスパラギン酸及びグルタミン酸をそれぞれ50〜60%及び25〜35%含有する消化歴を経ても高いカルシウム沈澱阻害活性を有するオリゴアニオン性ペプチドが含有されている)を有効成分とすること、を特徴とするカルシウム沈澱阻害用経口投与医薬。
    (ペプチドα−1000の物理化学的性質)
    (A)分子量
    200〜10,000
    (B)融点
    119℃で分解着色する。
    (C)比旋光度
    20℃において、ナトリウムのD線で測定したときの比旋光度〔α〕:−22°
    (D)溶剤に対する溶解性
    水に易溶であるが、エタノール、アセトン、ヘキサンにはほとんど溶解しない。
    (E)酸性、中性、塩基性の区別
    中性
    (F)紫外吸収スペクトル
    280nm付近に本ペプチド由来のピークが認められる。
    (G)赤外吸収スペクトル
    ペプチド結合(−CONH−)に特異な吸収が3400cm-1付近にみられ、ア
    ミノ基(−NH2)に特異な吸収が3300〜3500cm-1付近にみられ、ペ
    プチドの骨格となる−CH−結合に特異な吸収が2900cm-1付近にみられ
    、カルボキシル基(−COOH)由来の吸収が1600cm-1付近及び1400
    cm-1付近にみられる。
    (H)特性
    魚肉由来であり、加熱によって自己消化酵素を失活させ、蛋白分解酵素で加水分
    解して得たペプチドである。カルシウム沈澱阻害能(カルシウム沈澱可溶化能)
    を有する。
  2. 該精製物が、酸性アミノ酸含量の高いペプチドであること、を特徴とする請求項1に記載のカルシウム沈澱阻害用経口投与医薬。
  3. 酸性アミノ酸が、アスパラギン酸及び/又はグルタミン酸であること、を特徴とする請求項1ないし2に記載のカルシウム沈澱阻害用経口投与医薬。
  4. ODS処理による親水性画分に、アスパラギン酸及びグルタミン酸を各30〜35%含有し平均分子量492の高活性ペプチドが含有されていること、を特徴とする請求項1ないし3に記載のカルシウム沈澱阻害用経口投与医薬。
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