JPH1129594A - アンジオテンシン変換酵素阻害物質、その製造方法およびそれを用いた血圧降下剤 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害物質、その製造方法およびそれを用いた血圧降下剤

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JPH1129594A
JPH1129594A JP9353129A JP35312997A JPH1129594A JP H1129594 A JPH1129594 A JP H1129594A JP 9353129 A JP9353129 A JP 9353129A JP 35312997 A JP35312997 A JP 35312997A JP H1129594 A JPH1129594 A JP H1129594A
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大 内田
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一男 大石
Toshiya Ota
俊也 太田
Masaaki Yamagishi
政昭 山岸
Yoshiyuki Totsuka
好之 戸塚
Kazuo Mochizuki
一男 望月
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶詰の加工残滓として処理されるマグロ魚肉
等の、延いては天然資源の有効活用に資するとともに、
健康食品の素材や医薬品の原料として有用なアンジオテ
ンシン変換酵素阻害物質およびその製造方法並びに血圧
降下剤を提供する。 【解決手段】 下記構造式(1)、(2)および(3)
で示されるテトラペプチド、トリペプチドおよびジペプ
チドからなる群から選ばれる少なくとも一つのペプチド
を主成分として含有するアンジオテンシン変換酵素阻害
物質。 Val−Trp−Ile−Gly ・・・(1) Leu−Thr−Phe ・・・(2) Ile−Phe ・・・(3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンジオテンシン
変換酵素(ACEと称する場合もある。)の阻害物質お
よびその製造方法並びに当該アンジオテンシン変換酵素
阻害物質を用いた血圧降下剤に関する。さらに詳しく
は、血圧上昇作用を示すアンジオテンシン変換酵素(A
CE)の活性を阻害し、健康食品や医薬品として有用な
アンジオテンシン変換酵素阻害物質およびその製造方法
等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人体の血圧上昇に関する原因の一
つとして、アンジオテンシン変換酵素がアンジオテンシ
ンIをアンジオテンシンIIに変換させるメカニズムが知
られている。このアンジオテンシンII は血圧を上昇せ
しめ、人体に対し数々の悪影 響を及ぼすことが知られ
ており、したがって、このアンジオテンシン変換酵素の
働きを阻害することで、血圧の上昇を抑制できるとし
て、従来より阻害活性物質に関する様々な研究が行なわ
れてきた。
【0003】そこで、蛇毒ペプチドやその類緑体あるい
は合成ペプチドが、アンジオテンシン変換酵素阻害物質
として知られている。しかしながら、蛇毒ペプチドやそ
の類緑体は阻害活性効果が低く、また値段が高いという
問題があった。一方、合成ペプチドは人体への影響等の
点で問題があった。
【0004】そこで、蛇毒ペプチド以外の天然物を対象
とした有効成分の検索も行われており、それらの幾つか
は既に報告されるに至っている。例えば、特開平6−4
1191号公報や特開昭60−23086号公報等に
は、アンジオテンシン変換酵素阻害物質として、牛乳や
牛等のカゼイン由来のペプチドが開示されており、特開
平4−282400号公報には、アンジオテンシン変換
酵素阻害物質として、乳清タンパク質由来のペプチドが
開示されている。また、特開平5−112465号公報
や特公平7−116233号公報には、アンジオテンシ
ン変換酵素阻害物質として、カツオやイワシ由来のペプ
チドが開示されており、特公平7−119234号公報
には、アンジオテンシン変換酵素阻害物質として、オキ
アミ由来のペプチドが開示されており、特公平7−78
076号公報には、アンジオテンシン変換酵素阻害物質
として、マグロやサバ由来のペプチドが開示されてい
る。
【0005】しかしながら、これまでに用いられてきた
天然のアンジオテンシン変換酵素阻害活性物質の抽出原
料は、回収効率が低く、高価であるという問題があっ
た。また、従来の抽出原料から得られるアンジオテンシ
ン変換酵素阻害活性物質の阻害活性は、不十分なものが
多かった。さらに、従来のアンジオテンシン変換酵素阻
害活性物質は、農業・水産業の分野において一次的に採
取・収穫された状態のものを対象としており、資源の有
効な活用という面からも、食品などの二次的な製造過程
で発生する加工残滓中等から、生理活性物質を得ること
が望まれていた。特に、今後の我が国に予想される高齢
者社会に対応し、有用な生理活性物質を医薬品のみなら
ず、様々な食品へ素材として利用するためにも、安価に
供給できる原料・製造方法の開発が望まれるが、この様
な観点からの開発研究は、未だ実用の域に達していない
のが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みなされたものであり、缶詰の加工残滓として処理さ
れるマグロ魚肉等の、延いては天然資源の有効活用に資
するとともに、健康食品の素材や医薬品の原料として有
用な活性作用に優れたアンジオテンシン変換酵素阻害物
質、その製造方法および当該アンジオテンシン変換酵素
阻害物質を用いた血圧降下剤を安価に提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、主にキハダマグロやビンナガマグロを
原料としたツナ缶詰の製造工程で、残滓として発生する
血合い肉や普通筋肉等を原料として、これに含まれるア
ンジオテンシン変換酵素阻害活性を有する成分の検索と
特定とを行ない、新規なぺプチドを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、アンジオテン
シン変換酵素阻害物質であって、下記式(1)で表され
るテトラペプチド、下記式(2)で表されるトリペプチ
ドおよび下記式(3)で表されるジぺプチドからなる群
から選ばれる少なくとも一つのペプチドを含有すること
を特徴とする。
【0009】 Val−Trp−Ile−Gly ・・・(1) Leu−Thr−Phe ・・・(2) Ile−Phe ・・・(3)
【0010】また、本発明のアンジオテンシン変換酵素
阻害物質を構成するにあたり、マグロ魚肉組織を精製す
ることにより得られるものであることが好ましい。
【0011】また、本発明のアンジオテンシン変換酵素
阻害物質を構成するにあたり、マグロ魚肉組織が、加工
残滓であることが好ましい。
【0012】また、本発明のアンジオテンシン変換酵素
阻害物質を構成するにあたり、マグロ魚肉組織の精製
が、タンパク分解酵素により、マグロ魚肉組織のタンパ
ク鎖中のぺプチド結合を切断する段階を含むものである
ことが好ましい。
【0013】また、本発明のアンジオテンシン変換酵素
阻害物質を構成するにあたり、タンパク分解酵素が、エ
ンド型の酵素およびエキソ型の酵素あるいはいずれか一
方であることが好ましい。
【0014】また、本発明の別の態様は、アンジオテン
シン変換酵素阻害物質の製造方法であって、以下の工程
(A)〜(E)を含む、下記式(1)で表されるテトラ
ペプチド、下記式(2)で表されるトリペプチドおよび
下記式(3)で表されるジぺプチドからなる群から選ば
れる少なくとも一つのペプチドを含有することを特徴と
する。
【0015】 Val−Trp−Ile−Gly ・・・(1) Leu−Thr−Phe ・・・(2) Ile−Phe ・・・(3)
【0016】(A)マグロ魚肉組織を回収し、均一化処
理を施す工程。 (B)均一化処理が施されたマグロ魚肉組織に、タンパ
ク分解酵素を加えて、40〜70℃の範囲内の温度で以
て当該マグロ魚肉組織を分解処理する工程。 (C)分解処理後、大分子画分を除去するとともに、短
鎖ペプチドを回収する工程。 (D)短鎖ペプチドを脱塩し、塩基性ペプチド粗製物を
得る工程。 (E)塩基性ペプチド粗製物を分離処理してアンジオテ
ンシン変換酵素阻害物質を回収する工程。
【0017】また、本発明のアンジオテンシン変換酵素
阻害物質の製造方法を実施するにあたり、使用するマグ
ロ魚肉組織が、加工残滓であることが好ましい。
【0018】また、本発明の別の態様は、血圧降下剤で
あって、上述したアンジオテンシン変換酵素阻害物質を
有効成分として含有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を具体的
に説明する。本発明のアンジオテンシン変換酵素阻害物
質は、下記構造式(1)、(2)および(3)でそれぞ
れ示されるテトラペプチド、トリペプチドおよびジペプ
チドからなる群から選ばれる少なくとも一つのペプチド
を含有する。なお、ペプチド(1)〜(3)は、それぞ
れ単一種であっても複数種の組み合わせであってもよ
い。また、これらのペプチド(1)〜(3)は主成分と
して使用すれば良く、他の添加剤を併用することができ
る。
【0020】 Val−Trp−Ile−Gly ・・・(1) Leu−Thr−Phe ・・・(2) Ile−Phe ・・・(3)
【0021】本発明のアンジオテンシン変換酵素阻害物
質は、たとえば、ツナ缶詰加工時等に残滓として発生す
る残滓マグロ魚肉(加工残滓と称する。)を原料とし
て、これを加工する事によって製造することができる。
すなわち、残滓マグロ魚肉をタンパク分解酵素で処理
し、水溶化させた後、これを精製することによって得る
ことが出来る。
【0022】ここで用いられる好ましいタンパク分解酵
素は、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼなど、タン
パク鎖中のペプチド結合を適時切断するものである。ま
た、より好ましくは、サモアーゼ、プロチンなどのエン
ド型、またはフレーバーザイムのようなエキソ型など市
販の酵素を単独、または組み合わせて使用する事で、抽
出の効率と必要コストを調整することができる。
【0023】本発明を構成する各ぺプチドの精製方法と
しては、たとえば、限外瀘過膜処理、ゲル瀘過クロマト
グラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆層クロ
マトグラフィーなどを挙げることができる。したがっ
て、これらを単独、または任意に組み合わせて精製方法
に用いることができる。
【0024】ツナ缶詰製造の原料として利用される魚種
にはキハダマグロ,ビンナガマグロ等があり、いずれも
使用することができる。但し、以下の例では、便宜上、
最も一般的なキハダマグロの加工残滓である血合い肉を
原料として用い、当該血合い肉から新規ぺプチドを抽出
及び精製して、本発明におけるアンジオテンシン変換酵
素阻害物質の製造方法の一例(A〜E)を説明する。 (A)マグロ魚肉組織の回収および均一化処理工程 まず、例えば缶詰製造工程で加熱変性処理後、不要部分
として除去、廃棄されるキハダマグロの血合い肉を回収
する。これに重量で以て約2〜5倍程度の水を加え、血
合い肉(肉片)を微小サイズにホモジナイズ処理し、さ
らに、pHを5〜10の範囲内の値に調整する。 (B)マグロ魚肉組織の分解処理工程 均一化処理が施されたマグロ魚肉組織に、タンパク分解
酵素を添加し、酵素の特性によっても若干異なるが、4
0〜70℃程度の範囲内の温度にて、所定時間、攪拌し
ながら反応処理させる。
【0025】(C)短鎖ペプチドの回収工程 次いで、遠心分離にて上澄液のみを回収し、続いて分画
分子量1,000〜6,000程度の限外瀘過膜にて瀘
過し、酵素にて十分に低分子化されなかった大分子画分
を除去する。そして、腸管吸収に有利と言われているア
ミノ酸2〜5残基程度の短鎖ぺプチドを低分子画分の溶
液として選択的に回収する。 (D)短鎖ペプチドの脱塩工程 次いで、低分子画分の溶液に対して、H+ 型に再生処理
した強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを用いて
脱塩処理を施す。そして、アンモニア水溶液に溶解する
塩基性画分のみに精製し、塩基性ぺプチド粗製物を得
る。
【0026】(E)塩基性ペプチド粗製物の分離処理工
程 さらに、塩基性ぺプチド粗製物を、瀘材として、東ソー
社製、商品名:Toyopeal HW40F樹脂を充
填したカラムにてゲル瀘過処理し、次いで、高速液体ク
ロマトグラフィ(HPLC)で分離することにより、ア
ンジオテンシン変換酵素阻害物質を回収することができ
る。
【0027】なお、本発明を構成する各ペプチドは、構
成成分となるアミノ酸を、通常のペプチド合成法に従っ
て、結合させることによって得ることも可能である。
【0028】上述の方法によって得られた各ペプチド
は、その如何によらず、いずれも優れたアンジオテンシ
ン変換酵素阻害活性を示し、血圧降下剤として、また、
血圧降下機能を有する天然素材として利用する事が出来
る。すなわち、塩基性ペプチド粗製物または精製した各
ぺプチドを主成分とした物質を、ビスケットやスープな
どの食品の加工材料として添加し、血圧上昇抑制作用を
有する健康食品あるいは血圧降下剤そのものとして提供
することができる。
【0029】また、当該塩基性ペプチド粗製物または精
製した各ぺプチドを主成分とした物質を、薬事的に認め
られる担体(賦形剤、滑沢剤、結合剤、賦香剤、等)と
共に、常法に従って経口投与用の錠剤、カプセル剤、ト
ローチ剤、粉末、または細粒・顆粒剤、水溶液に溶解さ
せた液剤などとし、血圧降下剤として経口投与するか、
または、注射剤として静脈内投与するなどして活用する
ことができる。
【0030】
【実施例】本発明を以下の実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定され
るものではない。
【0031】(実施例1) (1)アンジオテンシン変換酵素阻害物質の作成 缶詰製造ではキハダマグロなどの生魚体を加熱変性処理
し、これより不要部分を除去して、製品を製造してお
り、一般に、食品として利用されるのは元重量の35〜
45%程度であり、さらに、5〜10%程度のペットフ
ードが作られる。したがって、これらの合計利用率は、
元重量の50〜55%程度である。一方で、不要部分と
して除去される加熱変性後の魚肉は、元重量の10〜2
0%にも及び、この中には、血合い肉や精肉などの可食
部分が、骨やウロコなどと共に少なからず含まれてい
る。そこで、実施例1ではこれらの廃棄部分に含まれる
魚肉、特にキハダ血合い肉を選別回収し、これを原料と
してアンジオテンシン変換酵素阻害物質を作成した。
【0032】すなわち、回収した魚肉(キハダ血合い
肉)100gに対して、蒸留水500gを加え、ポリト
ロンを用いて微小サイズにホモジナイズし、pH=6.
0に調整した。その後、たんぱく分解酵素サモアーゼP
C−10(大和化成社製)を魚肉100重量部に対し
て、1/100重量程度加え、温度50〜65℃で以て
約24時間攪拌しながら分解処理を施した。かかる分解
処理の終了後、温度100℃、10分間の条件で加熱を
行ない、魚肉中に含まれている酵素を失活させた。その
後、回転数9000rpm、20分間の条件で以て遠心
分離機を用いて上清を回収した。
【0033】次いで、0.45μのメンブレンフィルタ
を用いて、回収した上清液から夾雑物を除去した。その
後、分画分子量約4000の限外瀘過膜SAP−101
3(旭化成工業社製)を用い、主に、分子量4000以
下の低分子を含んだ画分と、それ以上の分子量を含んだ
画分とに分画した。なお、ペプチドの吸収において、長
鎖・大分子のペプチドは、消化作用によって分解された
り、体内での消化管表面からの吸収効率が低いと考えら
れるので、より効率的に作用すると考えられる低分子画
分を用いた。
【0034】次いで、低分子画分に対して、H+ 型に置
換した強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンUBK53
0(三菱化成社製)を用いて脱塩した。そして、アンモ
ニア溶液に溶出した塩基性画分を減圧濃縮及びフリーズ
ドライ処理して、乾燥粉末状態の塩基性ペプチド粗製物
を実施例1におけるアンジオテンシン変換酵素阻害物質
として得た。
【0035】なお、得られたアンジオテンシン変換酵素
阻害物質(塩基性ペプチド粗製物)を、全自動タンパク
質一次構造分析装置PPSQ−10(島津製作所社製)
を使用して構造解析することにより、当該塩基性ペプチ
ド粗製物中には、Val−Trp−Ile−Gly、L
eu−Thr−PheおよびIle−Pheのアミノ酸
配列で表されるペプチドがそれぞれ含まれていることが
確認されている。
【0036】(2)アンジオテンシン変換酵素に対する
阻害活性(IC50値)測定 得られた塩基性ペプチド粗製物につき、山本らの方法
(日胸疾会誌18(5),1980,p297〜p30
3)に基づいて、アンジオテンシン変換酵素の阻害活性
(IC50値)を測定した。
【0037】すなわち、ウサギ肺由来のアンジオテンシ
ン変換酵素(SIGMA社製)3mUに、ホウ酸ソーダ
1/20M溶液およびホウ酸1/5M溶液を9:11の
重量割合で混合して調製したホウ酸緩衝液を用意した。
次に、このホウ酸緩衝液に1.0M濃度で塩化ナトリウ
ムを溶かして、食塩ホウ酸緩衝液を作成した。それか
ら、この食塩ホウ酸緩衝液に、12.5mM濃度になる
ように基質Hip−His−Leu(ペプチド研究所
製)を溶解させ、基質溶液からなる溶液を作成した。そ
して、さらにこの溶液に対して、所定の試料(塩基性ペ
プチド粗製物)を加えて混合液を作り、この混合液0.
25mlを37℃で60分間の条件でインキュベート
し、その後、0.5N塩酸0.25mlを加え酵素反応
を停止させた。
【0038】次いで、これに酢酸エチル1.5mlを加
え、15秒間強く攪拌した。生成された馬尿酸を酢酸エ
チルに溶解させ、当該酢酸エチル層を0.5ml分別回
収した。この回収した酢酸エチル層から溶媒を加熱除去
した後、1M濃度の食塩水3mlを加え、吸光度を用い
て、波長228nmにおける吸光度を測定した(OD/
s)。
【0039】一方、インキュベート前にあらかじめ、
0.5N塩酸を加え、酵素反応を阻害したものの吸光度
をブランクとし(OD/b)、試料(塩基性ペプチド粗
製物)を添加しなかったものの吸光度をコントロールと
して(OD/c)、以下の式によってアンジオテンシン
変換酵素の阻害阻害率(単に、阻害率と称する場合もあ
る。)を算出した。
【0040】
【数1】
【0041】この式により得られた阻害率と、添加した
試料(塩基性ペプチド粗製物)量より阻害率が50%と
なる点を求めて、その値をIC50値とした。なお、実施
例1におけるIC50値は、95μg/mlという優れた
IC50値を示した。結果を表1に示す。
【0042】(3)経口投与試験 得られた塩基性ペプチド粗製物を、高血圧症(SHR)
ラット(加齢とともに血圧が上昇するラット、株式会社
星野試験動物飼育所より購入)の餌に配合して、当該ラ
ットを飼育した。具体的に、1週齢の18匹のSHRラ
ットを下記に示すストック(Stock)の飼料により
2週間予備飼育した後、当該ラットを6匹づつ第1群
(対照食)と、第2群(塩基性ペプチド粗製物の2.5
重量%添加食)と、第3群(塩基性ペプチド粗製物の
5.0重量%添加食)に分けた。なお、100gあたり
の対照食、2.5重量%添加食および5.0重量%添加
食の各飼料素材の混合量(g)はそれぞれ以下に示す表
1のとおりである。
【0043】
【表1】
【0044】次に、第1〜3群のSHRラットに、表1
に示す各飼料を8週間それぞれ与えた。なお、飼料とと
もに、飲料水は全期間を通じて自由摂取とした。また、
室内照明を昼夜12時間の周期で以て点灯および消灯を
繰り返した。さらに、室温を23℃±1℃の一定温度に
保持した。そして、実験期間中、SHRラットの体重お
よび摂取量は毎日、血圧は週1回それぞれ測定した。血
圧測定は、非観血法で以て行い、静脈圧測定装置(KN
−210、夏目製作所製)を用い、予めSHRラットを
40℃にした加温器を用いて3〜5分間加温した後、血
圧を測定した。結果を表2及び図1に示す。
【0045】また、飼育期間終了後SHRラットを解剖
し、臓器重量(肝臓、脾臓、心臓、腎臓)、血漿脂質
(コレステロール、トリグリセリド、HDLC/高密度
リボタンパク−コレステロール、リン脂質)および肝臓
脂質(コレステロール、トリグリセリド、リン脂質)を
それぞれ常法を用いて測定した。結果を表3に示す。
【0046】さらに、血漿中のアンジオテンシン変換酵
素(ACE)の阻害阻害率を、山本らの方法に準拠して
測定した。すなわち、塩化ナトリウムーホウ酸緩衝液
(pH=8.3)に、基質のヒプリル−L−ヒスチジル
−L−ロイシン(ペプチド研究所No.3064)を溶
解させ、血漿を加えて37℃で以て60分間加温した。
そして、ACEの作用で遊離した馬尿酸を酢酸エチルで
抽出し、乾固した後、1mol/lの塩化ナトリウム溶
液に溶解させ、波長228nmにおける吸光度を測定し
た。また、ACE活性1Uは、この実験条件下で毎分1
nmolの馬尿酸を生成する酵素量として表した。な
お、当該試験に用いたサンプル(塩基性ペプチド粗製
物)のACE50%阻害活性濃度、すなわちIC50は、
40μg/mlであった。
【0047】表2、3及び図1に示す結果から容易に理
解されるように、実施例1の塩基性ペプチド粗製物を配
合した実験群のSHRラット(第2群および第3群)
は、通常食の実験群のSHRラット(第1群)と比較し
て、 飼料の投与を開始して第3週(10週齢)までは血圧
上昇抑制に関して顕著な差は見られなかったが、第4週
からは有意に血圧上昇が抑制されていることが確認され
た(ダンカン/Duncanの多重範囲検定法により、
危険率5%の有意差検定準拠、以下同様である)。 但し、第2群と第3群との間に、血圧上昇の抑制に関
して有意差は見られなかった。したがって、第2群の飼
用量、すなわち、100gあたり2.5重量%添加する
だけで、第3週から、十分な血圧上昇抑制効果が得られ
ることが確認された。 SHRラットの体重変化および飼料摂取量ともに顕著
な差は見られなかった。 SHRラットの血漿中のコレステロール、トリグリセ
ライド含量および肝臓中のコレステロール、リン脂質含
量については、顕著な差は見られなかった。但し、肝臓
中のトリグリセライド含量については、有意で以て低下
する傾向が見られた。 血漿ACE活性については、有意に低い値が得られる
ことが確認された。但し、第2群と第3群との間に、血
漿ACE活性について有意差は見られなかった。
【0048】
【表2】 *各数字は、6匹のSHRラットの平均値を示し、また併せて標準誤差を示して ある。
【0049】
【表3】
【0050】(4)静脈注射試験 得られた塩基性ペプチド粗製物を、SHRラット(株式
会社星野試験動物飼育所より購入)の静脈に注射して、
当該ラットの血圧を測定した。具体的に、9週齢の9匹
のSHRラットを上記ストック飼料により1週間予備飼
育した後、当該ラットを3匹づつ第1群(生理食塩水を
注射)と、第2群(塩基性ペプチド粗製物/生理食塩水
を注射)と、第3群(血圧降下剤カプトプリルを注射)
に分けた。そして、SHRラットの尾静脈に塩基性ペプ
チド粗製物/生理食塩水等を注射した。
【0051】なお、各注射量は、SHRラットの体重差
を考慮して50mg/kg体重とした。また、飼育中、
飼料と飲料水は自由摂取とした。そして、注射直前、注
射後1、2、4および6時間経過後の血圧を非観血法で
以て測定した。結果を図2に示す。
【0052】図2に示す結果から容易に理解できるよう
に、実施例1の塩基性ペプチド粗製物をSHRラットに
直接投与することにより、当該SHRラットの血圧を低
下させる効果があり、しかも長時間(6時間以上)にわ
たって効果が持続することが確認された。
【0053】また、実施例1の塩基性ペプチド粗製物
は、注射後1時間から顕著な血圧降下傾向が見られたの
に対し、カプトプリル(SQ14225、IC50=1.
09ng/ml)の場合は、注射後2時間過ぎから血圧
降下の傾向が見られた。したがって、実施例1の塩基性
ペプチド粗製物は、血圧降下剤として一般的なカプトプ
リル(SQ14225)よりも、血圧降下作用として速
効性を有することも確認された。
【0054】(実施例2〜4) (1)アンジオテンシン変換酵素阻害物質の作成 実施例1と同様の方法で以て、他の魚肉の部位(キハダ
精肉、ビンナガ血合い肉およびビンナガ精肉)につい
て、それぞれ塩基性ペプチド粗製物をアンジオテンシン
変換酵素阻害物質として得た。
【0055】(2)アンジオテンシン変換酵素に対する
阻害活性(IC50値)測定 実施例1と同様の方法で以て、得られた塩基性ペプチド
粗製物の阻害活性をそれぞれ測定した。その結果、キハ
ダ精肉についてIC50値=166μg/ml、ビンナガ
血合い肉についてIC50値=200μg/ml、および
ビンナガ精肉についてIC50値=156μg/mlとい
う結果が得られた。それぞれの結果を表4に示す。
【0056】表4の結果から容易に理解されるように、
他の原料魚・部位に比較し、キハダマグロの血合い肉よ
り得られた塩基性ペプチド粗製物の阻害活性が最も高い
ことが確認された。また、食品向けの加工用素材、また
は以降の精製を必要としない用途に対しては、この塩基
性ペプチド粗製物であっても十分に血圧降下作用等の目
的を達成するものである。さらに、未利用資源としてさ
れていた残滓を活用し、用途拡大を図る上で重要な、コ
ストの低減を考えた場合、この粗製物を利用すること
は、非常に有意義である。
【0057】その他、残滓物がキハダ血合い肉に限定さ
れず、同じくツナ缶詰製造に利用されるビンナガマグロ
でも、阻害活性が認められ、同じく使用可能な原料であ
ることが確認された。さらに、残滓発生時に血合い肉と
共に廃棄される精肉にも活性が認められたことは、あえ
て、残滓を血合い肉のみに選別する必要がないというこ
ともできる。
【0058】
【表4】
【0059】(実施例5)実施例5においては、実施例
1で得られた塩基性ペプチド粗製物を精製することによ
り、阻害活性のより高いアンジオテンシン変換酵素阻害
物質を提供することを目的とする。これは、薬理的理由
などにより、ペプチドの粗製物は利用できない場合に適
用されるものである。
【0060】(1)アンジオテンシン変換酵素阻害物質
の作成 実施例1の方法をもって得られた塩基性ペプチド粗製物
には、種々のペプチドが含まれ、必ずしも全ての成分が
阻害活性を示す訳ではない。そこで、塩基性ペプチド粗
製物100mgを蒸留水1gに溶かして溶液を作成し
た。この溶液について、ToyopealHW40F
(東ソー社製)を充填したガラスカラム(φ10×12
00mm)を用い、蒸留水を移動相としたゲル瀘過カラ
ムクロマトグラフィー法により分画した。この時、フロ
ー温度は15℃、フローレート(流速)は1ml/mi
nとした。溶出する移動相を5mlづつのフラクション
に分け取り、それぞれの波長220nmにおける吸光度
を測定した。
【0061】その結果、図3に示す溶出パターンを得
た。これを、F1〜F4のグループに分け移動相に使用
した蒸留水を蒸発除去して溶出物を得た。さらに、これ
らの溶出物のアンジオテンシン阻害活性を測定し、得ら
れたIC50値を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】これより、F2画分が他にくらべて、高い
阻害活性を示すことが確認された。そこで、再度、ゲル
瀘過カラムクロマトグラフィー法によりF2画分を中心
に細かく分画を行い、図4に示す様に、N1〜N3画分
を得た。N1〜N3画分のIC50値をそれぞれ表6に示
す。
【0064】
【表6】
【0065】この結果、N1およびN2画分が他にくら
べて、高い阻害活性を示すことが確認された。そこで、
より回収量が多く、しかもACE阻害活性が高いN1画
分を対象にして、μBONDASHER5μC18−1
00A(φ19×150ID)(ウォーターズ社製)を
用いた高速液体クロマトグラフィー分析装置で、1重量
%TFAアセトニトリル/水混合溶液で溶出処理を行っ
た。得られたクロマトグラフを図5に示す。さらに、N
1画分を、ここで得られたクロマトグラフに従い、再
度、同装置にて、C1〜C4画分に分画し、それぞれの
ACE阻害活性を比較した。その結果を表7に示す。
【0066】
【表7】
【0067】以上の手順にて、F2画分付近のN1画分
中のC4画分が、アンジオテンシン変換酵素阻害活性が
特に高いことがわかった。そこで、C4画分の高速液体
クロマトグラフィー分析装置によるクロマトグラフの各
ピークを単独に回収し、それらの中から、本発明の構造
を持つペプチドを得た。また、得られた各ピークの50
%阻害活性濃度であるIC50値を表8に示す。
【0068】
【表8】
【0069】得られた、(1)〜(3)の各ペプチド
を、全自動タンパク質一次構造分析装置PPSQ−10
(島津製作所社製)を用いて構造解析したところ、以下
のアミノ酸配列を有していることが確認された。 (1)Val−Trp−Ile−Gly (2)Leu−Thr−Phe (3)Ile−Phe
【0070】また、ここで得られた各単離画分FAB−
マススペクトル分析装置にて、質量分析した結果、上述
のデータともよく一致し、各ピークの成分として、これ
らが妥当であると判断された。
【0071】さらに、これらの活性を再確認するため
に、上式で表されるペプチドについて、固相合成法によ
り、合成されたペプチド(国産化学社製)を用いて、5
0%阻害活性濃度IC50を求めたところ、表8に示した
結果と非常によく一致し、得られたペプチドがアンジオ
テンシン阻害活性(ACE阻害活性)を持つことが実証
された。
【0072】したがって、(1)〜(3)の各ペプチド
が、強くアンジオテンシン変換酵素の阻害活性を阻害す
る成分であることがわかった。
【0073】(比較例1)キハダマグロの普通肉2kg
をミンチし、これを8溶量倍の1M酢酸−20mM塩酸
水溶液中に懸濁させ、オートクレーブ中で120℃にて
5分間加熱した。こん懸濁液を室温まで冷却後、遠心分
離機を用いて1600rpm、30分間の条件で以て遠
心分離し、上清を採取した。この上清液に活性化したO
DS樹脂(55〜105μm)80gを加え、1時間撹
拌した。その後、ガラスフィルター(3G)で濾過し
て、これを4%酢酸800mlで洗浄後、15%アセト
ニトリル1リットルで溶出させ、溶出液を減圧下で溶媒
を除去して、画分1を得た。この画分1の50%阻害活
性濃度IC50は、約530μ(μmol/ml)であっ
た。
【0074】また、SP−セファデックスC−25を充
填したカラム(1.8×50cm)に通し、0.2Mピ
リジンー酢酸緩衝液(pH=3.1)〜2Mピリジンー
酢酸緩衝液(pH=5.0)の直線濃度勾配で溶出し
た。そして、ACE阻害活性を有する画分を集めて画分
2を得た。この画分2の50%阻害活性濃度IC50は、
約190μ(μmol/ml)であった。
【0075】次いで、画分2を、SP−セファデックス
G−25を充填したカラム(2.5×93cm)に通
し、0.2M酢酸で溶出した。そして、ACE阻害活性
を有する画分を集めて画分3を得た。この画分3の50
%阻害活性濃度IC50は、約100μ(μmol/m
l)であった。
【0076】次いで、画分3に対して、デベロシルOD
S−7を用いたHPLC(カラム:0.8×25cm、
溶出液:0.05%HClの10〜20%CH3CN)
処理を施した。そして、ACE阻害活性を有する画分を
集めて画分4を得た。この画分4の50%阻害活性濃度
IC50は、約50μ(μmol/ml)であった。
【0077】次いで、画分4に対して、アサヒパックG
S−220を用いたHPLC(カラム:0.76×50
cm、溶出液:50mMリン酸ナトリウム緩衝液)処理
を施した。そして、ACE阻害活性を有する画分を集め
て画分5(平均重量分子量約1000)を得た。この画
分5の50%阻害活性濃度IC50は、約0.8(μmo
l/ml)であった。したがって、比較例1のアンジオ
テンシン変換酵素阻害物質は、本発明のアンジオテンシ
ン変換酵素阻害物質と比較して、ACE阻害活性が低い
ことが確認された。
【0078】なお、当該画分5のペプチドに対して、全
自動タンパク質一次構造分析装置PPSQ−10(島津
製作所社製)を用いて構造解析したところ、以下のアミ
ノ酸配列を主成分として有していることが確認された。
Pro−Thr−His−Ile−Lys−Trp−G
ly−Asp
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、Val−Trp−
Ile−Gly、Leu−Thr−PheおよびIle
−Pheのアミノ酸配列で表されるペプチドを含んで構
成することにより、優れたアンジオテンシン変換酵素に
対する優れた阻害活性を有するアンジオテンシン変換酵
素阻害物質を提供することができるようになった。
【0080】また、これまでは乾燥させてフィッシュミ
ール加工し、肥料や飼料程度にしか利用することのでき
なかった缶詰加工残滓のマグロ魚肉を人が摂取すること
ができる魅力のある機能性素材として、しかも安価に提
供することができるようになった。
【0081】さらに、食品素材としての使用、血圧降下
剤の原料として利用することができるとともに、粗製品
も同様に生理活性効果を示すので、これを利用すること
ができることから、さらなる天然資源の有効利用を図る
ことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】SHRラットにおける血圧の経時変化(経口投
与)を示す図である。
【図2】SHRラットにおける血圧の経時変化(静脈投
与)を示す図である。
【図3】本発明の実施例1において得られた粗製物を、
ゲル瀘過カラムクロマトグラフィーを用いて分画し、溶
出するフラクションの220nmの吸光度を測定し、得
られた溶出パターンを示す説明図である。
【図4】図3に示す場合におけるF2画分を中心に、さ
らに細かく分画を行なった場合の溶出パターンを示す説
明図である。
【図5】図4に示す場合において、アンジオテンシン変
換酵素阻害活性が比較的高いN1画分を高速液体クロマ
トグラフィー分析装置で溶出を行ない、得られたクロマ
トグラフを示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/55 ABU A61K 37/64 ABU C07K 123:00 (72)発明者 太田 俊也 静岡県駿東郡長泉町竹原344−6 (72)発明者 山岸 政昭 静岡県焼津市西小川5丁目17番地−12 (72)発明者 戸塚 好之 静岡県静岡市下川原2丁目14−2 (72)発明者 望月 一男 静岡県静岡市西千代田町22−5

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるテトラペプチ
    ド、下記式(2)で表されるトリペプチドおよび下記式
    (3)で表されるジぺプチドからなる群から選ばれる少
    なくとも一つのペプチドを含有するアンジオテンシン変
    換酵素阻害物質。 Val−Trp−Ile−Gly ・・・(1) Leu−Thr−Phe ・・・(2) Ile−Phe ・・・(3)
  2. 【請求項2】 前記アンジオテンシン変換酵素阻害物質
    が、マグロ魚肉組織を精製することにより得られる請求
    項1記載のアンジオテンシン変換酵素阻害物質。
  3. 【請求項3】 前記マグロ魚肉組織が、加工残滓である
    請求項2記載のアンジオテンシン変換酵素阻害物質。
  4. 【請求項4】 前記マグロ魚肉組織の精製が、タンパク
    分解酵素により、当該マグロ魚肉組織におけるタンパク
    鎖中のぺプチド結合を切断する段階を含むものである請
    求項2または3記載のアンジオテンシン変換酵素阻害物
    質。
  5. 【請求項5】 前記タンパク分解酵素が、エンド型の酵
    素およびエキソ型の酵素あるいはいずれか一方である請
    求項4記載のアンジオテンシン変換酵素阻害物質。
  6. 【請求項6】 以下の工程(A)〜(E)を含む、下記
    式(1)で表されるテトラペプチド、下記式(2)で表
    されるトリペプチドおよび下記式(3)で表されるジぺ
    プチドからなる群から選ばれる少なくとも一つのペプチ
    ドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害物質の製造
    方法。 Val−Trp−Ile−Gly ・・・(1) Leu−Thr−Phe ・・・(2) Ile−Phe ・・・(3) (A)マグロ魚肉組織を回収し、均一化処理を施す工
    程。 (B)均一化処理が施されたマグロ魚肉組織に、タンパ
    ク分解酵素を加えて、40〜70℃の範囲内の温度で以
    て当該マグロ魚肉組織を分解処理する工程。 (C)分解処理後、大分子画分を除去するとともに、短
    鎖ペプチドを回収する工程。 (D)短鎖ペプチドを脱塩し、塩基性ペプチド粗製物を
    得る工程。 (E)塩基性ペプチド粗製物を分離処理してアンジオテ
    ンシン変換酵素阻害物質を回収する工程。
  7. 【請求項7】 前記マグロ魚肉組織が、加工残滓である
    請求項6記載のアンジオテンシン変換酵素阻害物質の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のア
    ンジオテンシン変換酵素阻害物質を有効成分とする血圧
    降下剤。
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