JPH07113910A - 波長板の使用方法 - Google Patents

波長板の使用方法

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JPH07113910A
JPH07113910A JP28214093A JP28214093A JPH07113910A JP H07113910 A JPH07113910 A JP H07113910A JP 28214093 A JP28214093 A JP 28214093A JP 28214093 A JP28214093 A JP 28214093A JP H07113910 A JPH07113910 A JP H07113910A
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JP
Japan
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bis
trifluoromethyl
wave plate
polyimide
acid
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Pending
Application number
JP28214093A
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English (en)
Inventor
Shinji Ando
慎治 安藤
Takashi Sawada
孝 澤田
Yasuyuki Inoue
靖之 井上
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一軸延伸を必要とせず、製造が容易で、耐熱
性、柔軟性に優れ、しかも膜厚の薄い波長板の使用方法
を提供する。 【構成】 ポリイミド薄膜からなる波長板を光路中に挿
入し、該波長板を通過する光の偏光状態を変化させる、
波長板の使用方法において、前記波長板に入射する光の
入射方向と、前記ポリイミド薄膜表面に垂直な方向との
なす角θが、0°<θ<90°であるように波長板を用
いる波長板の使用方法。 【効果】 光導波回路の低価格化と作製プロセスの効率
化に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光の偏光状態を変化させ
る光波長板に関し、特に作製が容易で、加工性、耐熱
性、経済性に優れ、光導波回路等に使用した場合に過剰
損失の少ない波長板の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信の容量拡大と通信コスト
低減のために、光通信システムの高度化が望まれてい
る。そのための新しい方法として、光波長多重方式や光
クロスコネクト方式の研究開発が進められているが、こ
れらのシステムのノードの部分では、光信号を光のまま
処理する光導波回路が用いられようとしている。中でも
石英系の光導波路を用いた光導波回路は、光損失が少な
く実用的な光受動部品として期待されているが、その実
用化に当っての問題点として光回路の偏波依存性が指摘
されている。これは石英系の光導波路を用いて光導波路
回路を作製した場合に、光導波路の複屈折に起因した信
号品質の低下(TE偏波成分とTM偏波成分との位相ず
れ)として現れてくる。高橋らはこの問題を解決する方
法として、光路長の丁度中間地点に水晶からなる1/2
波長板を挿入することにより、出射端におけるTE偏波
とTM偏波の位相ずれを補償する方法を開発した〔高橋
浩ほか、オプティックス レターズ(Opt.Let
t.)、第17巻、第7号、第499〜501頁(19
92)〕。この方法は水晶波長板の挿入により5dB程
度の過剰損失が生ずるものの、光導波路の上面に非晶質
シリコンを装荷する従来の方法に比べて製造が簡易であ
り実用性に優れている。本発明者らは特願平5−130
127号明細書において、ポリイミド薄膜による光波長
板とその製造方法を明らかにし、これを上記の用途に用
いることにより、波長板挿入による過剰損失を0.5d
Bに抑えることが可能であることを示した。ポリイミド
の光波長板は水晶に比べて加工が容易であり、柔軟性が
あるため取扱いやすく、300℃以上の耐熱性を持ち、
しかも膜厚を水晶波長板の1/4以下にすることができ
る。光導波回路の途中に波長板を挿入する場合、それに
よって引起こされる過剰損失は膜厚に対して指数関数的
に増加することが知られているので、波長板はできるだ
け薄いことが好ましく、その点からもポリイミド波長板
は優れている。但し、従来の水晶波長板やポリイミド波
長板は、すべて光線の垂直入射を前提としているため、
面内方向の複屈折を利用している。ポリイミド波長板の
作製工程でポリアミド酸薄膜に一軸延伸を施すのも、通
常の作製法では発現しない面内方向の複屈折を生起させ
るためである。しかし、この工程では精密な温度制御や
応力制御が必要なことのほかに、延伸途中で膜が切れて
しまう等の問題もあり、更に作製の簡単な光波長板が望
まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で説明した
ように、従来の光波長板は面内方向の複屈折を利用して
いるため、ポリイミド光波長板の製造においてはポリア
ミド酸薄膜の一軸延伸が必要であった。本発明は面内方
向と面に垂直な方向の複屈折を利用するため一軸延伸を
必要とせず、製造が容易で、耐熱性、柔軟性に優れ、し
かも膜厚の薄い、すなわち減衰の少ない波長板の使用方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は波長板の使用方法に関する発明であって、ポリイ
ミド薄膜からなる波長板を光路中に挿入し、該波長板を
通過する光の偏光状態を変化させる、波長板の使用方法
において、前記波長板に入射する光の入射方向と、前記
ポリイミド薄膜表面に垂直な方向とのなす角θが、0°
<θ<90°であるように波長板を用いることを特徴と
する。
【0005】本発明は、ポリイミド薄膜の作製工程で生
ずる面内方向の屈折率と面に垂直な方向の屈折率の違い
を利用するため、従来の技術で必要とされた一軸延伸の
処理が不要となる点が従来の技術と異なる。
【0006】ポリイミドの薄膜に対してその面内方向の
屈折率(nTE)と面に垂直な方向の屈折率(nTM)を測
定すると、ほぼすべての場合においてnTEがnTMよりも
大きく、屈折率の異方性(複屈折)を示すことが知られ
ている。本発明者らは、シリコンの単結晶基板上で作製
後はく離したポリイミドの薄膜に対して光を入射した場
合、膜面に垂直な方向の入射では複屈折が現れないが、
膜面に垂直な方向からある角度をもって入射した場合に
は、波長板として十分な大きさの複屈折が現れることを
見いだし、その後、光の入射角とポリイミドのリターデ
ーションの関係、及びイミド化後の膜厚を制御する方法
について検討を行った結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【作用】図1は本発明の波長板による偏光状態の変化方
法の原理、すなわちポリイミド薄膜の屈折率楕円体と光
の入射方向による複屈折の変化を説明する図であって、
図の左方に示した屈折率楕円体により表される屈折率の
異方性を持ったポリイミド薄膜に、2つの角度から光を
入射した場合の複屈折の様子を示している。ポリイミド
には一軸延伸を施していないため、薄膜の面内方向には
屈折率の異方性が存在せず、従って入射方向1(膜面に
垂直の方向から入射、入射角θ=0°)の場合には複屈
折は観測されない。一方、入射方向2のように、膜面に
垂直な方向からある角度θをもって入射した場合には、
y軸方向の屈折率がnTEよりも小さなnθとなり、複屈
折としてnTE−nθが観測される。図2は、図1におい
て入射方向2から光を入射した場合の屈折率楕円体の断
面を示した図であり、nθは次式(数1)で表される。
【0008】
【数1】nθ=1/√〔(cos2 θ/nTE 2 )+(s
in2 θ/nTM 2 )〕
【0009】図1に示したy軸の方向に直線偏光が入射
した場合と、x軸方向に直線偏光が入射した場合との、
光路長に屈折率を乗じた値の差を制御することによっ
て、入射光の偏光状態を変化させることができる。この
値はリターデーション(R)と呼ばれ、複屈折を考慮し
た光路長の計算から、膜厚dを用いて次式(数2)で表
される。
【0010】
【数2】R=d〔{nTE/√(1−sin2 θ/
TE 2 )}−{nθ/√(1−sin2 θ/n
θ2 )}〕
【0011】この式(数2)は、ポリイミドのnTEとn
TMが既知の場合、dとθを選択することによってリター
デーションが制御できることを示している。このリター
デーションが光の波長の1/2や1/4に合致した場合
には、それぞれ1/2波長板、1/4波長板として使用
することができ、また更に大きなリターデーションとな
るよう屈折率、膜厚、入射角を制御することによって高
次の波長板とすることもできる。
【0012】本発明にかかる光波長板を実現する手順は
以下の通りである。まず、各種テトラカルボン酸あるい
はその誘導体と各種のジアミンの組合せからポリアミド
酸の溶液を作製する。本発明に用いるテトラカルボン酸
及びその誘導体としての酸無水物、酸塩化物、エステル
化物等としては、例えば以下のようなものが挙げられ
る。ここではテトラカルボン酸としての名称を示す。
【0013】ピロメリット酸、トリフルオロメチルピロ
メリット酸、ペンタフルオロエチルピロメリット酸、ビ
ス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピ
ロメリット酸、2,3,3’、4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジ
フェニルエーテル、2,3’,3,4’−テトラカルボ
キシジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラカ
ルボキシナフタレン、1,4,5,7−テトラカルボキ
シナフタレン、1,4,5,6−テトラカルボキシナフ
タレン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェ
ニルメタン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジ
フェニルスルホン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、5,5’−
ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テ
トラカルボキシビフェニル、2,2’,5,5’−テト
ラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−
テトラカルボキシビフェニル、5,5’−ビス(トリフ
ルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキ
シジフェニルエーテル、5,5’−ビス(トリフルオロ
メチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシベン
ゾフェノン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキ
シフェノキシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチ
ル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)
ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフル
オロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキ
シ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカ
ルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、3,4,9,10−テトラカルボキシペ
リレン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,2−ビス
{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}
ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチ
ル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(ト
リフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(ト
リフルオロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロ
メチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテ
ル、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ジメチルシラン、1,3−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン、1,4
−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼン、1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)オクタフルオロ
ビフェニル、1,4−ジフルオロピロメリット酸、1−
トリフルオロメチル−4−フルオロピロメリット酸、
1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、1
−ペンタフルオロエチル−4−フルオロピロメリット
酸、1−ペンタフルオロエチル−4−トリフルオロメチ
ルピロメリット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロエチ
ル)ピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェニル−4
−フルオロピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェニ
ル−4−トリフルオロメチルピロメリット酸、1−ペン
タフルオロフェニル−4−ペンタフルオロエチルピロメ
リット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロフェニル)ピロ
メリット酸、1−トリフルオロメトキシ−4−フルオロ
ピロメリット酸、1−トリフルオロメトキシ−4−トリ
フルオロメチルピロメリット酸、1−トリフルオロメト
キシ−4−ペンタフルオロエチルピロメリット酸、1−
トリフルオロメトキシ−4−ペンタフルオロフェニルピ
ロメリット酸、1,4−ジ(トリフルオロメトキシ)ピ
ロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4−フル
オロピロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4
−トリフルオロメチルピロメリット酸、1−ペンタフル
オロエトキシ−4−ペンタフルオロエチルピロメリット
酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4−ペンタフルオロ
フェニルピロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ
−4−トリフルオロメトキシピロメリット酸、1,4−
ジ(ペンタフルオロエトキシ)ピロメリット酸、1−ペ
ンタフルオロフェノキシ−4−フルオロピロメリット
酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−トリフルオロ
メチルピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェノキシ
−4−ペンタフルオロエチルピロメリット酸、1−ペン
タフルオロフェノキシ−4−ペンタフルオロフェニルピ
ロメリット酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−ト
リフルオロメトキシピロメリット酸、1−ペンタフルオ
ロフェノキシ−4−ペンタフルオロエトキシピロメリッ
ト酸、1,4−ジ(ペンタフルオロフェノキシ)ピロメ
リット酸、ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸、ヘキサフルオロ−3,3’,
4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ヘキ
サフルオロ−3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
ロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェニル)スルフィド、ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェニル)ジフルオロメタン、
1,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ニル)テトラフルオロエタン、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフル
オロフェニル)テトラフルオロベンゼン、3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェニル−3’,4’−ジカルボ
キシトリフルオロフェノキシ−ジフルオロメタン、ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)ジフ
ルオロメタン、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロエタン、2,2
−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン、2,3,6,7−テトラカルボキシ−テトラ
フルオロナフタレン、2,3,6,7−テトラカルボキ
シ−ヘキサフルオロアントラセン、2,3,6,7−テ
トラカルボキシ−ヘキサフルオロフェナントレン、2,
3,6,7−テトラカルボキシ−テトラフルオロビフェ
ニレン、2,3,7,8−テトラカルボキシ−テトラフ
ルオロジベンゾフラン、2,3,6,7−テトラカルボ
キシ−テトラフルオロアントラキノン、2,3,6,7
−テトラカルボキシ−ペンタフルオロアントロン、2,
3,7,8−テトラカルボキシ−テトラフルオロフェノ
キサチイン、2,3,7,8−テトラカルボキシ−テト
ラフルオロチアントレン、2,3,7,8−テトラカル
ボキシ−テトラフルオロジベンゾ〔b,e〕1,4−ジ
オキサン等である。
【0014】また、本発明に用いるジアミンとしては、
例えば以下のようなものが挙げられる。m−フェニレン
ジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミ
ノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4−(1H,
1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−
1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフ
ルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼ
ン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−
パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノ
ベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジ
アミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4
−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘ
キサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1
H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン、p−フェニレンジア
ミン、2,5−ジアミノトルエン、2,3,5,6−テ
トラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミ
ノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチ
ル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシ
ル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチ
ル)ベンゼン、ベンジジン、2,2’−ジメチルベンジ
ジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメ
トキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、
3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,
3’−ジアセチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフ
ルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,
3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(p−アミ
ノフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス
(アニリノ)エタン、2,2−ビス(p−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリ
ノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリ
ノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)
デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テト
ラデカフルオロヘプタン、2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テト
ラキス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3’−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’’
−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−ア
ミノフェニル)ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−
トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミ
ノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、
ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、4,4’’’−ジアミノ−p−クォー
ターフェニル、4,4’−ビス(p−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、2,2−ビス{4−(p−アミノフェ
ノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、2,2
−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,
2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェ
ノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘ
キサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−
2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,
4’−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−2
−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン、4,4’−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメ
チルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス
{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキ
シ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリ
フルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス
〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニ
ル〕ヘキサフルオロプロパン、ジアミノアントラキノ
ン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナ
フタレン、ビス{2−〔(アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼン、ビス
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニ
ル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)スルフィド、1,3−ビス(3
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4
−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼ
ン、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、テト
ラフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、テトラフル
オロ−1,3−フェニレンジアミン、テトラフルオロ−
1,4−フェニレンジアミン、ヘキサフルオロ−1,5
−ジアミノナフタレン、ヘキサフルオロ−2,6−ジア
ミノナフタレン、3−トリフルオロメチル−トリフルオ
ロ−1,2−フェニレンジアミン、4−トリフルオロメ
チル−トリフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、2
−トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,3−フェニ
レンジアミン、4−トリフルオロメチル−トリフルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、5−トリフルオロメチ
ル−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−
トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,4−フェニレ
ンジアミン、3,4−ビス(トリフルオロメチル)−ジ
フルオロ−1,2−フェニレンジアミン、3,5−ビス
(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−1,2−フェニ
レンジアミン、2,4−ビス(トリフルオロメチル)−
ジフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、4,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−1,3−フェ
ニレンジアミン、4,6−ビス(トリフルオロメチル)
−ジフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3−
ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン、2,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、3,
4,5−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ−
1,2−フェニレンジアミン、3,4,6−トリス(ト
リフルオロメチル)−フルオロ−1,2−フェニレンジ
アミン、2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−
フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,4,6−
トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、4,5,6−トリス(トリフルオロ
メチル)−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、テ
トラキス(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレン
ジアミン、テトラキス(トリフルオロメチル)−1,3
−フェニレンジアミン、テトラキス(トリフルオロメチ
ル)−1,4−フェニレンジアミン、3−ペンタフルオ
ロエチル−トリフルオロ−1,2−フェニレンジアミ
ン、4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,2
−フェニレンジアミン、2−ペンタフルオロエチル−ト
リフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、4−ペンタ
フルオロエチル−トリフルオロ−1,3−フェニレンジ
アミン、5−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、2−ペンタフルオロエチ
ル−トリフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、3−
トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,2−フェニ
レンジアミン、4−トリフルオロメトキシ−トリフルオ
ロ−1,2−フェニレンジアミン、2−トリフルオロメ
トキシ−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
4−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、5−トリフルオロメトキシ−トリフ
ルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−トリフルオ
ロメトキシ−トリフルオロ−1,4−フェニレンジアミ
ン、3,3’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニル、
3,4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニル、4,
4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニル、2,2’
−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノ−
ヘキサフルオロビフェニル、3,3’−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4’−ジアミノ−ヘキサフルオロビ
フェニル、ビス(3−アミノ−テトラフルオロフェニ
ル)エーテル、3,4’−ジアミノ−オクタフルオロジ
フェニルエーテル、ビス(4−アミノ−テトラフルオロ
フェニル)エーテル、3,3’−ジアミノ−オクタフル
オロベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−オクタフル
オロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−オクタフル
オロベンゾフェノン、ビス(3−アミノ−テトラフルオ
ロフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノ−オクタフ
ルオロジフェニルスルホン、ビス(4−アミノ−テトラ
フルオロフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−テト
ラフルオロフェニル)スルフィド、3,4’−ジアミノ
−オクタフルオロジフェニルスルフィド、ビス(4−ア
ミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィド、ビス(4
−アミノ−テトラフルオロフェニル)ジフルオロメタ
ン、1,2−ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェニ
ル)テトラフルオロエタン、2,2−ビス(4−アミノ
−テトラフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
4,4’’−ジアミノ−ドデカフルオロ−p−テルフェ
ニル、4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ−4’−
アミノ−テトラフルオロフェニル−ジフルオロメタン、
ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−ジフ
ルオロメタン、1,2−ビス(4−アミノ−テトラフル
オロフェノキシ)−テトラフルオロエタン、2,2−ビ
ス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−ヘキサ
フルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノ−テトラ
フルオロフェノキシ)−テトラフルオロベンゼン、2,
6−ジアミノ−ヘキサフルオロナフタレン、2,6−ジ
アミノ−オクタフルオロアントラセン、2,7−ジアミ
ノ−オクタフルオロフェナントレン、2,6−ジアミノ
−ヘキサフルオロビフェニレン、2,7−ジアミノ−ヘ
キサフルオロジベンゾフラン、2,6−ジアミノ−ヘキ
サフルオロアントラキノン、2,6−ジアミノ−オクタ
フルオロアントロン、2,7−ジアミノ−ヘキサフルオ
ロフェノキサチイン、2,7−ジアミノ−ヘキサフルオ
ロチアントレン、2,7−ジアミノ−テトラフルオロジ
ベンゾ〔b,e〕1,4−ジオキサンなどである。
【0015】中でも得られるポリイミドの吸水率を低く
保ち、光透過性の高い領域を近赤外域から可視域へ広げ
るためには、原料としてテトラカルボン酸又はその誘導
体とジアミンのいずれか、又はその双方にフッ素原子が
結合したものを用いることが好ましい。また、光通信波
長を含む近赤外光に対する波長板を作製するためには、
原料としてテトラカルボン酸又はその誘導体とジアミン
のいずれか、又はその双方がアミノ基を除いてすべてフ
ッ素化されたものを用いることが好ましい。
【0016】上記のテトラカルボン酸又はその誘導体と
ジアミンを反応させることによりポリアミド酸を製造す
る。ポリアミド酸の製造方法は、通常のポリアミド酸の
製造条件と同じでよく、一般的にはN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどの極性有機溶媒中で反応させ
る。本発明においては、ジアミン及びテトラカルボン酸
又はその誘導体とも単一化合物で用いるばかりではな
く、複数のジアミン、テトラカルボン酸又はその誘導体
を混合して用いることが可能である。その場合は、複数
又は単一のジアミンのモル数の合計と複数又は単一のテ
トラカルボン酸又はその誘導体のモル数の合計が等しい
かほぼ等しくなるようにする。次いで、得られたポリア
ミド酸のイミド化によるポリイミドの合成については、
通常のポリイミドの合成法が使用できる。その代表的な
ものは、シリコン単結晶基板やガラス基板上にスピンコ
ート等により塗布し、それを空気中、窒素雰囲気中ある
いは真空中で、最終温度300℃〜400℃において熱
処理するものである。加えて本発明においては、単一の
ポリアミド酸のイミド化のほか、複数のポリアミド酸を
混合した状態でイミド化を行い、ポリイミドの混合体を
得ることも可能である。
【0017】基板上に作製したポリイミド薄膜のnTE
TM及びdを、プリズムカプラー等を用いて測定する。
このnTE、nTM、dから式(数2)を用いて、θを変化
させた場合に得られるリターデーションの範囲を計算す
ることができる。目的とするリターデーションがその範
囲にある場合には、本発明の方法による波長板として使
用することができる。しかしそうでない場合には、テト
ラカルボン酸又はジアミンの分子構造、ポリアミド酸を
塗布する基板の材質、スピンコート条件、熱処理温度等
を変えて、目的とするリターデーションが得られるよう
にしなければならない。得られたポリイミドのnTE、n
TM、dが上記の条件を満たす場合には、式(数2)の計
算結果を用いて入射角θを決定する。ここで、この波長
板を光導波路に適用する場合には、過剰損失を抑えるた
めにポリイミド薄膜の膜厚はできるだけ薄いことが好ま
しい。そのためには本質的に大きな複屈折を持つポリイ
ミドを用いることが有効である。ポリイミドの分子構造
と複屈折の関係については、既にいくつかの報告例があ
り〔例えば、T.P.ラッセル(T.P.Russel)ほ
か、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス ポリマ
ー フィジックス エディション( J. Polym. Sci. Po
iym. Phys. Ed. )、第21巻、第1745〜56頁(1
983)〕、分子内に折れ曲がりの少ない剛直な構造を
持つポリイミドが大きな複屈折を示すことが知られてい
る。これまでに報告されたものの中で最も大きな複屈折
を示すポリイミドはBPDA−PDAと呼ばれるもの
で、波長632.8nmにおいて0.24という測定値
が得られている〔S.ヘルミングハウス( S. Hermingh
aus ) ほか、アプライド フィジックス レターズ( A
ppl.Phys. Lett. ) 、第59巻、第1043〜5頁(1
991)〕。
【0018】波長板を作製するためには、ポリイミド薄
膜のリターデーションを使用波長の1/2や1/4に合
せる必要があるため、複屈折の制御とともに膜厚の制御
が重要となる。ポリイミドの膜厚制御は一般にポリアミ
ド酸溶液のスピンコート条件を最適化することによって
行われるが、更に高精度の膜厚制御が求められるものに
ついては、設計値よりもやや厚めに作製したポリイミド
の薄膜を、反応性イオンエッチングやUVアッシャー、
酸素アッシャー等を用いて所定の膜厚まで削っていくこ
とにより作製が可能である。
【0019】なお、本発明に係るポリイミド波長板は、
そのリターデーションを波長の1/2や1/4ではな
く、任意の値に調整した位相差板として使用することも
できる。
【0020】
【実施例】引続き、実施例を用いて本発明を更に詳しく
説明する。なお種々のポリイミドの組合せにより数限り
ない本発明の光波長板が得られることは明らかであり、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0021】実施例で作製したポリイミド薄膜の屈折率
は、(株)メトリコン社のプリズムカプラー(PC−2
000型)を用い、室温23℃、波長1.523μm及
び1.320μmで測定した。複屈折(Δn)はTE偏
波に対する屈折率(nTE)とTM偏波に対する屈折率
(nTM)の差から求めた。ポリイミド薄膜のリターデー
ションは2つのグラムトムソン偏光子を用いた平行ニコ
ル法により測定した。実施例で用いたフッ素化ポリイミ
ドが、300℃を超える耐熱性と0.7%以下の吸水率
を持つことは、特開平3−72528号公報、及びマク
ロモルキュールズ( Macromolecules ) 誌〔T.マツウ
ラ( T. Matsuura )ほか、第24巻、第5001頁(1
991)、及びT.マツウラほか、第25巻、第354
0頁(1992)〕で明らかにしたとおりである。ま
た、実施例で用いたフッ素化ポリイミドは柔軟性に富
み、かつ光学部品に組込んで使用する目的に十分な機械
的な強度を有していた。
【0022】実施例1 直径3インチのシリコンウェハに、ピロメリット酸二無
水物と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4’−ジアミノビフェニルから合成されたポリアミド酸
のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(濃度15wt
%、粘度430ポアズ)をスピンコート法により塗布し
た。この塗膜を窒素雰囲気下、70℃1時間、160℃
30分、250℃1時間、350℃1時間の順で熱処理
し、室温まで自然冷却した。得られたポリイミドの膜厚
は12.0μm、波長1.523μmにおけるnTE
1.6115、nTMは1.4894であった。この薄膜
を基板からはく離し、波長1.523μmの光をθ=4
0°、50°、60°、70°で入射した場合のリター
デーションの実測値(丸印)と、膜厚(d)を10μ
m、12μm、14μm、16μmとした時のリターデ
ーションの計算値(実線)を図3に示す。d=12μm
において実測値と計算値はよく一致しており、θを変化
させることによって、0から0.762の間の任意のリ
ターデーションを得ることができることがわかる。ま
た、この薄膜を波長1.523μmの1/2波長板とす
るためには、θを60°にすればよいことがわかる。そ
こでこのポリイミド薄膜を2つのグラムトムソン偏光子
の間に入れ、入射角が60°となるように薄膜を傾斜さ
せ、かつ入射光の偏光方向が図1におけるx方向から4
5°傾くように入射したところ、透過光の偏波面が90
°回転したことから、この薄膜が1/2波長板としての
機能を持つことが明らかとなった。1/2波長板として
の消光比を測定したところ20dB以上であった。次い
で、導波光が上記と同じ条件で入射するように石英系の
光導波路に幅15μmの溝を切っておき、このポリイミ
ド薄膜を挿入して過剰損失を測定したところ0.5dB
であった。一方、この薄膜を波長1.523μmの1/
4波長板とするためには、θを30°にすればよいこと
がわかる。そこでθを30°とする以外は上記と同じ条
件で直線偏光を入射したところ、透過後の光がほぼ完全
な円偏光となったことから、この薄膜が1/4波長板と
しての機能も持つことが明らかとなった。
【0023】図3からも明らかなように、リターデーシ
ョンはθ=60°の近傍で極大値をとると共に、θの変
化に対して小さな変化しか示さないようになる。このこ
とは、目的とするリターデーションがθ=60°の近傍
で得られるように複屈折と膜厚を制御することができれ
ば、θを厳密に制御しなくても波長板のリターデーショ
ンを高精度に制御できることを示している。加えて、薄
膜に入射する直線偏光の表面反射率が原理的に0となる
ブリュースター角は、ポリイミドの場合約57.5°で
あるので、入射角θを60°近傍に設定することができ
れば、波長板としての透過率も向上させることができ
る。
【0024】実施例2 実施例1におけるピロメリット酸無水物の代りにトリフ
ルオロメチルピロメリット酸無水物を用い、実施例1と
同様の方法でポリイミドの薄膜を作製したところ、得ら
れたポリイミドの膜厚は9.2μm、波長1.320μ
mにおけるnTEは1.5940、nTMは1.4701で
あった。この薄膜を波長1.320μmの1/2波長板
とし、かつ入射角を60°とするためには、膜厚を1
0.5μmにすればよいことが式(数2)の計算からわ
かる。そこでイミド化後の膜厚が10.5μmとなるよ
うにスピンコートの条件を変えて再度、ポリイミドの薄
膜を作製したところ、膜厚は10.5μm、波長1.3
20μmにおけるnTEは1.5939、nTMは1.47
00であった。そこでこの波長板を2つのグラムトムソ
ン偏光子の間に入れ、入射角が60°となるように薄膜
を傾斜させ、かつ入射光の偏光方向が図1におけるx方
向から45°傾くように入射したところ、透過光の偏波
面が90°回転したことから、この薄膜が1/2波長板
としての機能を持つことが明らかとなった。1/2波長
板としての消光比を測定したところ20dB以上であっ
た。次いで、石英系の光導波路に、導波光が上記と同じ
条件で入射するように幅15μmの溝を切っておき、こ
のポリイミドフィルムを挿入して光損失を測定したとこ
ろ0.5dBであった。
【0025】比較例1 光学用高分子材料の中では比較的大きな複屈折を持つこ
とで知られるポリカーボネートをジクロロメタンに溶解
し、3インチのシリコンウェハにスピンコート法により
塗布した。この塗膜を窒素雰囲気中で70℃24時間、
次いで真空中70℃24時間乾燥し、室温まで自然冷却
した。得られたポリカーボネート薄膜の膜厚は10.2
μm、波長1.523μmにおけるnTEは1.548、
TMは1.544であった。この薄膜を波長1.523
μmの1/2波長板として使用するためには膜厚を34
0μm以上にする必要があり、このような厚膜の膜厚を
精密に制御して作製することが困難なこと、そして導波
路に挿入した場合の過剰損失が30dB以上と試算され
ることから、光波長板としての使用には適さないことが
判明した。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、水晶を用いた光波長板
に比べて挿入損失が少なく、従来のポリイミド光波長板
に比べて製造が容易な光波長板を提供することができ、
主に光導波回路の低価格化と作製プロセスの効率化とい
った点に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミド薄膜の屈折率楕円体と光の入射方向
による複屈折の変化を説明する図である。
【図2】図1において入射方向2から光を入射した場合
の屈折率楕円体の断面を示す図である。
【図3】実施例1において、ポリイミドの薄膜に波長
1.523μmの光をθ=40°、50°、60°、7
0°で入射した場合のリターデーションの実測値と、膜
厚と入射角を変化させた場合のリターデーションの計算
値を示した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド薄膜からなる波長板を光路中
    に挿入し、該波長板を通過する光の偏光状態を変化させ
    る、波長板の使用方法において、前記波長板に入射する
    光の入射方向と、前記ポリイミド薄膜表面に垂直な方向
    とのなす角θが、0°<θ<90°であるように波長板
    を用いることを特徴とする波長板の使用方法。
JP28214093A 1993-10-18 1993-10-18 波長板の使用方法 Pending JPH07113910A (ja)

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