JPH07113742B2 - 角部にカブリのないシート状ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

角部にカブリのないシート状ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07113742B2
JPH07113742B2 JP62262521A JP26252187A JPH07113742B2 JP H07113742 B2 JPH07113742 B2 JP H07113742B2 JP 62262521 A JP62262521 A JP 62262521A JP 26252187 A JP26252187 A JP 26252187A JP H07113742 B2 JPH07113742 B2 JP H07113742B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシート状の写真感光材料に関する。更に詳しく
は、角部に鈍角または曲線状のいわゆるコーナーカット
を施す場合も該コーナーカットをする工程で発生するお
それのある圧力カブリの発生が抑えられたシート状のハ
ロゲン化銀写真感光材料に関するものである。本発明の
シート状写真感光材料は、自動現像機により20秒以上60
秒未満で処理する超迅速処理用として好適に利用するこ
とができる。
〔発明の背景〕
シート状の写真感光材料は、その面積が大きくなるとそ
の取り扱い中に折れ曲がりが生ずることがあり、この場
合その部分が黒く現像されて画像が著しく見にくくな
る。従って折れ曲がりがおこりにくいように支持体のコ
シをつよくするために厚いものを使用することが多い。
ところがこのようにすると、コシがつよいために、角部
が直角のままであると手などを傷つけやすくなる。それ
故に、角部を鈍角または曲線状にする、いわゆるコーナ
ーカットを施し、取扱い上の安全性を向上せしめること
が好ましい。
コーナーカットを施す工程においては、通常多数のシー
ト状フィルムを重ね、例えば円形の刃を上からおとし、
一気に多数のフィルムのコーナーカットを行う。この
時、下の方のフィルムは下刃台の圧力を受けるため、コ
ーナーカットにそって現像後にカブリが生じ、画像を見
にくくすると同時に、商品価値を著しく損う場合があ
る。
ここで(111)面が10%以上のハロゲン化銀粒子は、感
度が高いので有利ではあるが、この種のハロゲン化銀粒
子を用いた感光材料は上記のような故障がおこりやすく
なる。また、感光性ハロゲン化銀を有する層のゼラチン
量が2.0〜3.5g/m2のとき、感度が高く、かつ迅速処理例
えば20秒以上60秒未満の自動現像機での現像処理が可能
となるが、一方では同様に上記のような故障がおこりや
すい。
即ち近年では、感光材料の一層の現像処理の迅速化、つ
まり同一時間内での処理量を増加させることが要求され
ており、例えば医療用X線フィルムの分野でも、定期健
康診断の励行などにより診断回数が急増すると共に、診
断を一層正確なものとするために検査項目が増加し、X
線写真撮影枚数が増加している一方、診断結果を出来る
だけ早く受診者に知らせる必要があって、従来よりも迅
速に現像処理して診断に供する要望が強い。特に血管造
影撮影、術中撮影等は、本質的に少しでも短時間で写真
を見る必要があり、このような医療界の要望を満たすに
は診断の自動化(撮影、搬送など)を促進すると共に、
X線フィルムを一層迅速に処理する必要があるわけであ
り、この迅速処理の要請を満たす感光材料として上記ゼ
ラチン量を2.0〜3.5g/m2のものが提案されているが、こ
のような感光材料は上述のようなコーナーカットに伴う
故障が起きやすいものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、高感度であるとともに、角部が鈍角ま
たは曲線状をなすようにコーナーカットを施した場合で
も該コーナーカットに沿った圧力カブリの発生が抑えら
れ、かつ迅速処理、例えば20秒以上60秒未満の自動現像
機での処理を行った場合にも該圧力カブリの発生を抑え
ることができるシート状写真感光材料を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、支持体の少なくとも一方の側に少なくとも
1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するシート状ハロ
ゲン化銀写真感光材料において、該感光性ハロゲン化銀
乳剤層は、2層以上の層構造を有するハロゲン化銀粒子
であって、かつ該2層以上の層構造のうち最外層の沃化
銀含有率は該最外層に隣接する層の沃化銀含有率よりも
小さく、その差は1モル%以上であり、かつ(111)面
が10%〜100%であるハロゲン化銀粒子(以下適宜「本
発明の係るハロゲン化銀粒子」などと称することもあ
る)を含有するとともに、感光性ハロゲン化銀乳剤層を
有する側の全写真構成層のゼラチン量総量が2.0〜3.5g/
m2の範囲にあることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料により、達成できる。
以下、本発明について更に詳述する。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は沃化銀を含有するもの
であればその他のハロゲン組成は任意であり、例えば沃
臭化銀、塩沃臭化銀等であり、該粒子の平均沃化銀含有
率は、粒子全体として8モル%以下であることが好まし
い。本発明に係る粒子の層構成は2層以上、即ち少なく
とも内部核(最も内側にある部分)とそれをおおう層が
少なくとも1層あるものである。3層以上のとき、内部
核とそれに隣接する層の沃化銀含有率の差は1モル%以
上で内部核が少ないことが望ましい。また、最も沃化銀
含有量の高い層においては、その沃化銀含有率が10モル
%〜40モル%であることが望ましい。また、内部核と最
外層は、沃化銀を含んでいても、含んでいなくてもよ
い。これらの沃化銀含有率(モル%)の組成分布につい
ては、X線回折法により確認できる。
該ハロゲン化銀粒子がいわゆる正常晶である時、(11
1)面と(100)面の総面積のうち(111)面が10%以上
で100%より小さい時は14面体であり、(111)面が100
%のとき八面体となる。また、双晶である時は、(11
1)面が100%である。この面指数比率の測定方法は、平
田明による“ブルチン オブ ソサイアティ オブ サ
イエンス アンド フォトグラフィ ジャパン"No.13
(1963年)5〜15頁の報告に記載されている。
本発明に係る粒子を得る場合には、ハロゲン化銀乳剤形
成途中における化学増感前の粒子成長中に、保護コロイ
ドを含む母液のpAgを少なくとも10.5以上とする態様を
好ましく採用できる。特に好ましくは、11.5以上の非常
にブロムイオンが過剰な雰囲気を一度でも通過させる。
このようにして(111)面を増加させて粒子を丸めるこ
とにより、本発明の効果を一層高めることができる。本
発明においては、このような粒子の(111)面は、その
全表面積に対する割合が10%以上であるものを用いる。
この場合、(111)面の増加率(上記の10.5以上のpAg雰
囲気を通過させる前のものに対する増加率)は、10%以
上、より好ましくは10〜20%となることが好ましい。
化学増感前の粒子成長中に、保護コロイドを含む母液の
pAgが少なくとも10.5以上である雰囲気を一度通過させ
ることにより、平田の測定方法によって、(111)面が
5%以上増加しているか否かは容易に確認することがで
きる。
この場合、上記pAgとする時期は、全添加銀量の約2/3を
添加終了した後であって、化学増感前に通常行われてい
るいわゆる脱塩工程前であることが望ましい。これは、
粒径分布の狭い単分散乳剤が得やすいからである。
なお、pAgが10.5以上である雰囲気での熟成は、2分以
上行うことが好ましい。
このようなpAg制御により、(111)面が増加し、形状が
丸みを帯びることになって、粒子の全表面積に対し、
(111)面が10%以上である粒子を得ることができる。
沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤から可溶性塩類を
除去するためにはゼラチンをゲル化させて行うヌーデル
水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性界面
活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスル
ホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(例えばアシル化ゼ
ラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利用した沈澱
法(フロキュレーション法)を用いてもよい。可溶性塩
類除去の過程は、省略してもよい。
本発明の感光材料においては、本発明に係るハロゲン化
銀粒子を含有する乳剤(以下適宜本発明に係る乳剤など
と称する)を1種類用いるのでもよく、あるいは該乳剤
を数種類混合して使用することができる。
本発明の感光材料に用いられる乳剤は、金増感、硫黄増
感、もしくは還元増感を施すことが好ましく、またこれ
ら増感を組み合わせて用いることも好ましい。
すなわち、活性ゼラチン銀と反応し得る硫黄を含む化合
物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化合
物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;還元性物質
(例えば、銀−すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、
ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を用いる
還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほか、P
t,Ir,Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を用いる
貴金属増感法などを単独または組み合わせて用いること
ができる。
これらの具体例は、硫黄増感法については、米国特許第
1,574,944号、同第3,410,689号、同第2,278,947号、同
第2,728,668号、同第3,656,955号等、還元増感法につい
ては米国特許第2,983,609号、同第2,419,974号、同第4,
054,458号、貴金属増感法については米国特許第2,599,0
83号、同第2,448,060号、英国特許第618,061号等の各明
細書に記載されている。
本発明の実施の際、乳剤として特公昭41-2086号に記載
された内部潜像型ハロゲン化銀粒子と表面潜像型ハロゲ
ン化銀粒子とを組合せて用いることもできる。
本発明のシート状ハロゲン化銀写真感光材料は、角部の
少なくとも1つが鈍角または曲線状をなしたものに好ま
しく適用することができる。これは通例、コーナーカッ
トにより形成されるが、本発明の感光材料は、コーナー
カットなどの圧力に対し、耐性が大きいからである。角
部の形状は円形、楕円形等の曲線状のものが好ましく、
また、直線的にカットしたものでもよいが、この場合二
本以上の直線でカットされていることが好ましい。
本発明のハロゲン化銀感光材料は、感光性ハロゲン化銀
乳剤層を有する側の写真構成層のゼラチン量が、2.0〜
3.5g/m2の範囲にある。この写真構成層は感光性ハロゲ
ン化銀を含有する層を含む支持体の同一面上全てを称
し、保護膜層や中間層も含み、上記ゼラチン量はこれら
の総量を言う。該ゼラチン量が2.0g/m2より少ない時は
コーナーカット部に沿うカブリがひどく、前記した本発
明に係る粒子でも使用に耐えない。またゼラチン量が3.
5g/m2を超えると感度の低下が著しい。
ゼラチン量はより好ましくは2.40〜3.30g/m2であり、2.
50〜3.15g/m2が更に好ましい。
本発明のハロゲン化銀感光材料は、現像処理を20秒以上
60秒未満とする超迅速処理を行うことができる。
本明細書中、超迅速処理とは、自動現像機にフィルムの
先端を挿入してから現像槽、渡り部分、定着槽、渡り部
分、水洗槽、渡り部分、乾燥部分を通過してフィルムの
先端が乾燥部分から出て来るまでの全時間(換言すれ
ば、処理ラインの全長(m)をライン搬送速度(m/se
c.)で割った商(sec.)〕が、20秒以上60秒未満である
処理を言う。ここで渡り部分の時間を含めるべき理由
は、当業界ではよく知られていることであるが、渡り部
分においてもその前のプロセスの液がゼラチン膜中に膨
潤している為に、実質上処理工程が進行していると見な
せる為である。
特公昭51-48045号明細書には、迅速処理におけるゼラチ
ン量の重要性の記載があるが、処理時間は渡り部分も含
めた全処理時間が60秒〜120秒である。しかし、この処
理時間では、近年の超迅速処理の要望を満たすことはで
きない。
本発明に係る乳剤を用いる場合、あるいは必要に応じて
それ以外の乳剤を併用して乳剤層を形成する場合、乳剤
層は実質的に写真特性の異なる2種以上、例えば2〜6
種のハロゲン化銀乳剤を含有させて形成することができ
る。ここで「実質的に写真特性の異なる」とは、感度、
階調性、感色性、呈色性、現像性、画像の鮮鋭性、粒状
性等を含む写真特性のうち、少なくとも感度及び階調性
を異にすることである。
上記写真特性の異なる乳剤を、各々別々の乳剤層に含有
させることもできる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、単分散乳剤であっ
てもよく、多分散乳剤でもよく、その混合であってもよ
い。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は粒状性、乾燥性の
点から50.0℃の水酸化ナトリウム1.5重量パーセントの
水溶液に無撹拌状態で浸漬した場合、ハロゲン化銀粒子
が支持体から離脱するまでの時間は10分間以上、更に好
ましくは15分間以上になるように硬膜剤の添加により硬
膜することが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料を例えばローラー搬
送型自現機で処理する場合、多くの場合、現像処理〜乾
燥までされた状態で処理されるが、乾燥性その他の性能
を良好にするためには該写真感光材料の含水量は6.0〜1
5.0g/m2の範囲であることが好ましく、特に9.0〜14.0g/
m2の範囲が好ましい。本明細書におけるハロゲン化銀写
真感光材料の含水量とは、25℃、相対湿度75%の条件化
で、下記の測定方法で求めたものを言う。即ち、20cm×
20cmの、最大濃度を得るのに必要なだけの露光を与えた
試料を、小西六写真工業(株)製自動現像機KX-500(処
理速度切換スイッチ90秒時)を用い(その構成の概略は
第1図に示す)、現像液は小西六写真工業(株)製サク
ラXD-90にスターターXD-90S(同社製)を所定量添加し
たものとし、これを35℃で用い、かつ定着液はサクラニ
ューXF(同社製)を32℃で用い、水洗水は18℃の水道水
を毎分3lで供給するようにして、自動現像を行った。自
動現像機の乾燥ラック(第1図では符号92で示すもの)
は取りはずし、含水量測定試料と同一試料を1枚/12秒
の間隔で101枚連続で処理し、101枚目の試料を含水量測
定試料とし、スクイズラック(第1図では符号91で示す
もの)を出たところで抜き取り、15秒後に重量を測定す
る。(この時、乾燥系統の電源は入らないよう事前に手
を加える。) このときの重量をWw(g)とする。
次に該試料を充分に乾燥させた後、1時間以上25℃55%
RHの条件下で放置し、その重量を測定する。これをW
d(g)とする。含水量は次式から算出される。
含水量(g/m2)=Ww−Wd× (10000cm2/20cm×20cm) なお、重量測定場所は風速0.5m/秒以下の場所でなけれ
ばならない。
本発明の写真感光材料には、写真乳剤層その他の親水性
コロイド層に寸度安定性の改良などの目的で、水不溶ま
たは難溶性合成ポリマーの分散物を含むことができる。
例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアル
キル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例
えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン、ス
チレンなどの単独もしくは組合わせ、またはこれらとア
クリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
の組合わせを単量体成分とするポリマーを用いることが
できる。なお上記(メタ)アクリレートの語は、アクリ
レートとメタアクリレートとの双方を略して記したもの
である。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には保護層が好まし
く設けられるが、この保護層は親水性コロイドからなる
層であり、使用される親水性コロイドとしては前述した
ものが用いられる。また保護層は、単層であっても重層
となっていてもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層または保護
層中に、好ましくは、保護層中にはマット剤及び/また
は平滑剤などを添加してもよい。マット剤としては公知
のものを使用できるが、より好ましくはポリマーマット
剤であり、その平均粒径は0.3μm〜12μmが好ましく
特に3μm〜9μmの範囲のものが好ましい。
本発明の実施に際し、使用されるポリマーマット剤の具
体的な例としては、ポリメチルメタアクリレートのごと
き水分散性ビニル重合体、及びセルロースアセテートプ
ロピオネート、澱粉などが用いられる。特にメチルメタ
アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タアクリレートのごときアクリル酸エステルの単独重合
体、またはこれらアクリル酸エステル同士か他のビニル
モノマーとの共重合体のごとき水分散性ビニル重合体の
マット剤が好ましい。なかでもポリメチルメタアクリレ
ートの平均粒径3μm〜9μmの球状マット剤が特に好
ましい。
マット剤の添加位置は、乳剤層の上の保護層や、例えば
裏面側の保護層等に添加されるが、上記のポリマーマッ
ト剤は、乳剤層側の保護層に添加するのがより好まし
く、例えばローラー搬送機型自動現像機では、ポリマー
マット剤を含む写真感光材料を処理する場合、該感光材
料がスリップすること等が無くなる。
平滑剤はマット剤と類似した接着故障防止に役立つ他、
特に映画用フィルムの投影時もしくは映写時のカメラ適
合性に関係する摩擦特性の改良に有効であり、具体的な
例としては流動パラフィン、高級脂肪酸のエステル類な
どのごときワックス類、ポリフッ素化炭化水素類もしく
はその誘導体、ポリアルキルポリシロキサン、ポリアリ
ールポリシロキサン、ポリアルキルアリールポリシロキ
サン、もしくはそれらのアルキレンオキサイド付加誘導
体のごときシリコーン類などが好ましく用いられる。
本発明の感光材料には、塗布乾燥時のカブリ防止等や低
湿条件下での折り曲げ等によるカブリ、減感等の防止の
ために、可塑剤を用いることが好ましい。可塑剤として
は、例えば特開昭48-63715号,特公昭43-4939号,同47-
8745号,米国特許306,470号,同2,960,404号,同3,412,
159号,同3,791,857号等に記載のものを用いることがで
きるが、好ましくは、融点40℃以上の少なくとも2つ以
上の水酸基を有する多価アルコール化合物を少なくとも
1種含有することである。このような化合物としては、
水酸基を2〜12個有し、炭素原子が2〜20個であり、か
つ、水酸基と水酸基とが共役鎖でもって共役していな
い。即ち酸化した型が書けないアルコールが好ましい。
更に融点としては50℃以上300℃以下のものが好まし
い。化合物例としては特開昭62-147449号に記載のもの
がある。
本発明の実施に際して、感光材料には各種の用途のため
界面活性剤を用いることができる。
本明細書中、ハロゲン化銀粒子の粒径は、等しい体積の
球に換算したときの直径の長さを粒子サイズとして、そ
の平均値で表す。
粒径は遠心分離型ストークス径測定器で求めることがで
き、また電子顕微鏡により測定できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、当然の
ことではあるが、本発明は下記述べる実施例により限定
されるものではない。
実施例−1 本実施例では次のように正常晶コア粒子、感光性乳剤を
作成し、これを用いて試料を調製し、評価した。
(正常晶コア粒子の作成) 下記の液組成の液を調製した。
液組成(A) 液組成(B) 液組成(C) 液組成(D) 液組成(E) 液組成(A)を反応釜に入れ62℃に保温し、500rpmでプ
ロペラで撹拌した。この中に液組成(B)と液組成
(D)を同時に一定量、10分間かけて添加した。そし
て、液組成(C)と液組成(E)を、140分間かけて同
時に添加した。このとき初期添加流量は最終流量の1/8
で、時間とともに直線的に増加せしめた。これら液を添
加せしめている間は、pH=2.0、pAg=8.3に一定に調整
した。添加終了後に炭酸ナトリウムでpHを6.0迄上げ、
臭化カリウム150gを加えた後にベンゼンスルホニルクロ
リド及び硫酸マグネシウムを用い沈澱法にて過剰塩をと
りのぞき、更にゼラチンを加えてセットし、コア乳剤を
得た。コア乳剤は一辺が0.32μの立方晶にあたる粒子
で、角の少しかけた14面体粒子を含有する沃化銀含有率
が2モル%の沃臭化銀単分散乳剤であった。
(感光性乳剤の調製) 下記の溶液を調製した。
液組成(I) 液組成(II) 液組成(III) 液組成(IV) 液組成(V) 液組成(VI) 液組成(VII) 液組成(I)を42℃に保温し、500rpmで撹拌した。そこ
へ前記コア乳剤を用いてコア粒子を、粒子成長後得られ
る量に対し3.2%である量を加え、酢酸を用いてpH=9.5
0に、そして液組成(II)を加えpAg=7.76に調整した後
に、液組成(II)と(III)とを同時に等速で30分間か
けて添加した。この添加完了時における乳剤の一部をと
り、日本電子(株)製JDX-10RAを用いてのCu−Kα線に
よるX線回折により、30モル%の沃化銀が形成している
ことを確認した。これが粒子内部を構成することになる
ので、生成するハロゲン化銀粒子の内部の沃化銀含有率
は30モル%ということになる。次に酢酸と臭化カリウム
水溶液を用いてpH=8.82、pAg=8.88にした後に、液組
成(IV)と(V)を同時に30分間かけて添加した。この
時初期流量と最終流量の比は1:5で、時間とともに直線
的に増加させた。また液組成(IV)の添加量に比例して
pHを8.82から8.0迄低下せしめた。この様にして得られ
た乳剤は、総沃化銀含有率が2モル%である立方晶であ
った。ここで液組成(IV)はアンモニア性硝酸銀であ
り、液組成(V)は臭化カリウムのゼラチン水溶液なの
で、ここでは純臭化銀が生成し、よって、内部の沃化銀
含有率が30モル%で、総沃化銀含有率が2モル%の最外
層純臭化銀のハロゲン化銀粒子が得られたわけである。
次に40℃迄温度を下げた後ベンゼンスルホニルクロリド
を用いて凝集沈澱法により過剰塩類を除き、ゼラチンを
加えてセットした。この乳剤をE−1とする。
液組成(IV)と(V)を投入終了後、液組成(VI)を加
えて1分間放置した後、上記と同様にして得た乳剤をE
−2,5分間放置した後のものをE−3,また液組成(IV)
と(V)の投入終了前5分、10分、15分、20分、30分前
に液組成(VI)を加えたものをそれぞれE−4,E−5,E−
6,E−7,E−8とする。E−2〜E−8の内部沃化銀含有
率・最外層沃化銀含有率・及び総沃化銀含有率は、E−
1と同じであり、内部の沃化銀含有率が30モル%、総沃
化銀含有率が2モル%の最外層純臭化銀のハロゲン化銀
粒子である。
得られた試料を前記平田明による方法でJDX-10RAを用い
て面指数比率を求めた。その結果を表−1に示す。
(試料の作製) 得られたE−1〜E−8にそれぞれ適した金−硫黄増感
を施した。この化学増感終了直前に下記の増感色素を色
素A:色素B=20:1の比率で1000mg/モルAgを加え、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
2.5g/モルAgを加えた。
分光増感色素A 分光増感色素B 更にそれぞれの乳剤に乳剤層添加剤として、ハロゲン化
銀1モル当たりt−ブチル−カテコール400mg、ポリビ
ニルピロリドン(分子量10,000)1.0g、スチレン・無水
マレイン酸共重合体2.5g、トリメチロールプロパン10
g、ジエチレングリコール5g、ニトロフェニル−トリフ
ェニルフォスフォニウムクロライド50mg、1,3−ジヒド
ロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム4g、2−
メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ソーダ
15mg、2−メルカプトベンゾチアゾール10mg、 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン10m
g、 等を加えた。
また保護層添加剤として、下記の化合物を加えた。即ち
ゼラチン1g当たり、 C9F19-OCH2CH2O10CH2CH2OH 2mg、 C8F17SO3K 3mg、 平均粒径5μmのポリメチルメタクリレートから成るマ
ット剤7mg、平均粒径0.013μmのコロイダルシリカ70mg
を加えた。
更に硬膜剤として、2−4−ジクロロ−6−ヒドロキシ
−1,3,5−トリアジンナトリウム塩の水溶液2%を10、
ホルマリン(35%)を2ml、グリオキサール水溶液(40
%)を1.5それぞれ加えた。
得られた乳剤及び保護膜溶液を青色に着色した180μの
下引き済ポリエチレンテレフタレートの両面に塗布し、
両面乳剤のシート状感光材料とした。この時片面当たり
銀量が1.9g/m2で、乳剤のゼラチンとして2g/m2、保護膜
のゼラチン1g/m2となるように塗布した。
(センシトメトリ評価) 得られた試料は小西六写真工業(株)製KO-250増感紙に
はさみ、アルミニウムウェッジを用いてX線曝射条件を
1〜90KVp、0.2秒、1mの距離で露光した。得られた試料
を下記の現像液及び定着液を用いて、下記の時間でロー
ラー自動現像機を用いて現像処理した。
(現像液) 1の水溶液にし水酸化カリウムでpH10.30にした。
(定着液) 1の水溶液にして氷酢酸でpH4.0にした。
(処理工程) 処理温度 処理時間 挿入 − 1.2秒 現像+渡り 35℃ 14.6秒 定着+渡り 33℃ 8.2秒 水洗+渡り 25℃ 7.2秒 スクイズ 40℃ 5.7秒 乾燥 45℃ 8.1秒 合計 − 45.0秒 本例では、第1図に示すような自動現像機を用いた。該
現像機のローラーとしてゴムローラーを用い、その材質
は、渡り部分はシリコンゴム(硬度48度)、処理液中は
エチレンプロピレンゴムの一種であるEPDM(硬度46度)
とした。該ローラーの表面粗さDmax=4μm、ローラー
の本数は現像部で6本、総本数は84本とした。対向ロー
ラーの数は51本であり、対向部ローラー数/総ローラー
数の比は51/84≒0.61である。現像液補充量は33cc/四
切、定着液補充量は63cc/四切、水洗水量は1.5l/minと
した。乾燥部の風量は11m3/min、ヒーター容量は3kw(2
00v)のものを用いた。第1図中、1はフィルム挿入
台、2はフィルムバスケット、3は操作パネル、31はリ
モコン受信部、4はローラー、5は搬送路、6は現像液
槽、7は定着槽、8は水洗槽、9は乾燥ラック、91はス
クイズラックである。
全処理時間は上述のとおり45秒である。
各試料について得られた特性曲線からベース濃度+カブ
リ濃度+1.0におけるX線相対被曝量を求め、相対感度
を求めた。
得られた結果は表−1に示す。
(コーナーカットの作製) 塗布した試料を24cm×30cmの長方形に断裁し、E−1〜
E−9の試料を10枚ずつランダムにダミーを含め1000枚
重ね、丸刃で曲率半径1cmのラウンドコーナーを断ち落
としてコーナーカットを作製した。これらの試料を上記
現像機で現像し、コーナーカット部分の黒化具合を目視
評価した。1は黒く実用不可、2は1より良いが未だ実
用不可、3は実用可、4は少し黒化が出たもの、5が全
く出ないものである。表−1に10枚の平均値を示した。
(総合評価) 表−1に示すように、本発明のものは感度が高く、また
コーナーカット評価は3以上である。
実施例−2 実施例−1のNo.5の試料を作成する時、保護膜と乳剤層
のゼラチンを調整し、表−2に示すような試料を作製
し、実施例−1と同様なテスト及び前記した手順に従っ
た含水量の測定を行った。
尚、23℃60%RHで、ゼラチン量が本発明の範囲を超える
試料No.17,18,19は乾燥せずトラブルを生じた。ゼラチ
ン量が本発明の範囲を下回る試料No.10,11は、コーナー
カット評価が劣っていた。
実施例−3 実施例−1にもとづきコア乳剤を成長後、全量の12%を
用いてE−5と同様の方法で成長させ、平均粒径0.65μ
の乳剤を得た。本乳剤をE−10とする。化学増感迄終え
たE−5及びE−10を重量比率3:1に混合し、以下X線
感度、コーナーカット評価、乾燥性のテストを行った。
これにより試料No.5とほとんど同じ結果を得た。
実施例−4 下記組成液を調製した。
液組成(F) 液組成(G) 液組成(H) 液組成(I) 上記組成液を用い、液組成(F)を60℃に保温しなが
ら、液組成(G)と(H)との混合比率を変え、液組成
(I)と同時に30分かけて投入した。
得られた乳剤は平均粒径約0.9μの(111)面を有する双
晶であった。各々表−3に示すような沃化銀含有量の双
晶のコア乳剤を得、実施例−1のように脱塩した後に、
これをコアとして再度液組成(F)に溶解し、第2層を
被覆した。この時も液組成(G)と(H)の比率をかえ
て、含有沃化銀量を決定した。得られた粒子は全て(11
1)面100%の双晶粒子で、多分散の沃臭化銀乳剤粒子で
あった。表−3の試料No.24に用いる粒子について、そ
の粒子構造の電子顕微鏡写真を第2図に示す。
これらの粒子を実施例−1に準じて化学増感をしテスト
試料を作製し(但しトリメチロールプロパンを15g使
用)、テストを行った。その結果を表−3に示す。
本発明のものは、感度及びコーナーカット評価につい
て、満足すべき結果を示している。
〔発明の効果〕 上述の如く本発明のシート状感光材料は、高感度である
とともに、角部が鈍角または曲線状をなすようにコーナ
ーカットされても該コーナーカットに沿った圧力カブリ
の発生が抑えられ、かつ迅速処理、例えば20秒以上60秒
未満の自動現像機での処理にも適しており、かかる迅速
処理を行った場合にも該圧力カブリの発生を抑えること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例に用いられる自動現像機の一例
を示す構成図である。第2図は本発明の実施例で得た本
発明に係る粒子の一例の粒子構造の電子顕微鏡写真であ
る。 1……フィルム挿入台、2……フィルムバスケット、3
……操作パネル、31……リモコン受信部、4……ローラ
ー、5……搬送路、6……現像液槽、7……定着槽、8
……水洗槽、9……乾燥ラック、91……スクイズラッ
ク。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の少なくとも一方の側に少なくとも
    1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するシート状ハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、 該感光性ハロゲン化銀乳剤層は、2層以上の層構造を有
    するハロゲン化銀粒子であって、かつ該2層以上の層構
    造のうち最外層の沃化銀含有率は該最外層に隣接する層
    の沃化銀含有率よりも小さく、その差は1モル%以上で
    あり、かつ(111)面が10%〜100%であるハロゲン化銀
    粒子を含有するとともに、感光性ハロゲン化銀乳剤層を
    有する側の全写真構成層のゼラチン量総量が2.0〜3.5g/
    m2の範囲にあることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。
  2. 【請求項2】全処理時間が20秒以上60秒未満である自動
    現像機で処理されるものであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
JP62262521A 1987-09-14 1987-10-17 角部にカブリのないシート状ハロゲン化銀写真感光材料 Expired - Lifetime JPH07113742B2 (ja)

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