JP2907927B2 - 圧力特性の改良されたシート状ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

圧力特性の改良されたシート状ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2907927B2 JP6387090A JP6387090A JP2907927B2 JP 2907927 B2 JP2907927 B2 JP 2907927B2 JP 6387090 A JP6387090 A JP 6387090A JP 6387090 A JP6387090 A JP 6387090A JP 2907927 B2 JP2907927 B2 JP 2907927B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシート状の写真感光材料に関する。更に詳し
くは、角部に鈍角または曲線状のいわゆるコーナーカッ
トを施す場合も該コーナーカットを形成する工程で発生
するおそれのある圧力カブリの発生が抑えられたシート
状のハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
〔発明の背景〕
シート状の写真感光材料は、その面積が大きくなると
その取り扱い中に折れ曲がりが生ずることがあり、この
場合その部分が黒く現像されて画像が著しく見にくくな
る。従って折れ曲がりがおこりにくいように支持体のコ
シをつよくするために厚いものを使用することが多い。
ところがこのようにすると、コシがつよいために、角部
が直角のままであると手などを傷つけやすくなる。それ
故に、角部を鈍角または曲線状にする、いわゆるコーナ
ーカットを施し、取扱い上の安全性を向上せしめること
が好ましい。
コーナーカットを施す工程においては、通常多数のシ
ート状フィルムを重ね、例えば円形の刃を上からおと
し、一気に多数のフィルムのコーナーカットを行う。こ
の時、下の方のフィルムは下刃台の圧力を受けるため、
コーナーカットにそって現像後にカブリが生じ、画像を
見にくくすると同時に、商品価値を著しく損なう場合が
ある。
ところで、平板状ハロゲン化銀粒子は、カバーリング
パワーが高く、色増感感度も高いので有利であるので、
平板状ハロゲン化銀粒子を用いた各種感光材料が研究さ
れているが、この種のハロゲン化銀粒子を用いた感光材
料は、上記のようなコーナーカットに伴う故障がおこり
やすくなる。
〔発明の目的〕
上記のような問題に対し、本発明の目的は、高感度で
あるとともに、角部が鈍角または曲線状をなすようにコ
ーナーカットを施した場合でも該コーナーカットに沿っ
た圧力カブリの発生が抑えられたシート状ハロゲン化銀
写真感光材料を提供することである。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、投影面積の50%以上が、粒子直
径/粒子厚さの比が5未満であり、かつ主として2枚以
上の双晶面を有し、かつ{111}面と{100}面をあわせ
もつハロゲン化銀双晶粒子から成り、かつ、 によって定義した分布の広さが12%以下である単分散
性を有し、CuKα線を線源とした該ハロゲン化銀の結晶
面(420)のX線回折シグナルが唯一のピークを有し、
最高ピーク高さ×0.13における回折線幅が回折角度(2
θ)で1.0度未満であるハロゲン化銀写真乳剤を、500cm
2以上の面積を有する支持体上に塗布して構成するとと
もに、コーナーカットを有することを特徴とするシート
状ハロゲン化銀写真感光材料により、達成された。
また、本発明の効果をより発揮する意味で、請求項2
に記載のハロゲン化銀写真感光材料は好ましい実施態様
である。
即ち、上記ハロゲン化銀写真乳剤が、CuKα線を線源
とした該ハロゲン化銀の結晶面(420)のX線回折シグ
ナルの最高ピーク高さ×0.13において、水平に引いた線
がシグナルによって切り取られる線分をAA′とし、最高
ピーク位置から引いた線との交点をBとしたとき、線分
ABの長さの線分BA′の長さに対する長さの比が1.0以下
となるよう区切られるハロゲン化銀写真乳剤であること
が好ましい。
また、ハロゲン化銀粒子が、主として粒子内部に高沃
化銀含有率相を有する沃臭化銀からなることが好まし
い。
また、ハロゲン化銀双晶粒子は{111}面と{100}面
をあわせもつものであるが、かかる{111}面と{100}
面を同時に有するハロゲン化銀粒子が、個数にして50%
以上の乳剤を用いることが好ましい。
以下、本発明をより詳細に説明する。
まず、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成する
ハロゲン化銀乳剤について説明する。これは、投影面積
の50%以上が、粒子直径/粒子厚さの比が5未満である
ハロゲン化銀双晶粒子より成り、かつ単分散性であり、
CuKα線を線源とした結晶面(420)のX線回折シグナル
が唯一のピークを有し、最高ピーク高さ×0.13における
回折線幅が回折角度(2θ)で1.0度未満であるハロゲ
ン化銀写真乳剤(以下適宜「本発明に係るハロゲン化銀
乳剤」とも称する)である。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤において、双晶は、一
つの粒子内に主として2枚以上の双晶面を有するハロゲ
ン化銀結晶である。双晶の形態の分類はクラインとモイ
ザーによる報文「ホトグラフィシェ・コレスポンデン
ツ」(Photographische Ko-rrespondenz)99巻99頁、同
100巻,57頁に詳しく述べられている。双晶の二つ以上の
双晶面は互いに平行であっても平行でなくてもよい。双
晶面は、直接電子顕微鏡で観察することができるが、ハ
ロゲン化銀粒子を樹脂中に分散して固め、超薄切片試料
として断面から観察することもできる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤を構成する上記ハロゲ
ン化銀双晶粒子は、主として2枚以上の平行な双晶面を
有するものであるが、より好ましくは偶数枚、特に好ま
しくは2枚の双晶面を有するものである。
ここで、主として2枚以上の平行な双晶面を有する双
晶から成るとは、2枚以上の平行な双晶面を有する双晶
粒子数が大粒径粒子から数えたとき個数にして50%以
上、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上の場
合である。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は投影面積の50%以上
が粒子直径/粒子厚さの比が5未満であるハロゲン化銀
双晶粒子(以下適宜「本発明のハロゲン化銀粒子」とい
うこともある)から成るものであり、好ましくは投影面
積の70%以上、特に好ましくは90%以上である。また粒
子直径/粒子厚さの比は1.0〜4.5であることが好まし
く、特に好ましくは1.1〜4.0である。ここでいう粒径と
は、粒子の投影像を同面積の円像に換算したときの直径
である。
粒子の投影面積は、この粒子面積の和から求めること
ができる。いずれも粒子の重なりが生じない程度に試料
台上に分布されたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕
微鏡観察することにより得ることができる。粒子の厚さ
は電子顕微鏡によって試料を斜めから観察することによ
り得ることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤が、本発明の粒子から
成るとは、該乳剤が主として本発明の粒子から成ること
をいう。主として本発明のハロゲン化銀粒子から成ると
は、乳剤を構成する粒子全体に占める本発明のハロゲン
化銀粒子の比率が個数にして60%以上であることをい
う。好ましくは80%以上、特に好ましくは95〜100%で
ある。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、単分散性であり、
特に沃臭化銀単分散性乳剤であることが好ましい。
本発明において、単分散性ハロゲン化銀乳剤とは、 によって定義した分布の広さが12%以下のものであ
る。これは高度の単分散乳剤である。
ここでいう粒径とは、粒子の投影像を同面積の円像に
換算したときの直径である。
粒径は、例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍〜5万倍
に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径または投
影時の面積を実測することによって得ることができる
(測定粒子個数は無差別に1000個以上あることとす
る)。
平均粒径は単純平均とする。
次に本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、CuKα線を線
源とした(420)X線回折シグナルすなわちCuKα線を線
源として得た該ハロゲン化銀粒子の結晶面(420)のX
線回折シグナルが唯一のピーク高さを有し、最高ピーク
高さ×0.13における回折線幅が回折角度(2θ)で1.0
度未満のものであるが、以下これについて説明する。
ハロゲン化銀の結晶の構造を調べる方法としてX線回
折法が知られている。
X線の線源として色々な特性X線を用いることができ
る。中でもCuをターゲットとしたCuKα線は最も広く用
いられているものである。
このX線回折法により各種のハロゲン化銀の粒子構造
を知ることができる。以下沃臭化銀を例にとって説明す
る。
ハロゲン化銀、例えば沃臭化銀は岩塩構造を有し、Cu
Kα線での(420)回折線は2θ71〜74度に観測される。
シグナル強度が比較的強く高角度であるため、分解能も
良く結晶構造を調べる上で最適である。
写真乳剤のX線回折の測定に当たっては、ゼラチンを
除去し、シリコンなどの標準試料を混ぜ、粉末によって
測定することが必要である。
測定方法に関しては、基礎分析化学講座24「X線分
析」(共立出版)などを参考に行うことができる。
本発明に係る乳剤は、CuKα線を線源とした(420)X
線回折シグナルの最高ピーク高さ×0.13において、回折
線幅が、回折角度(2θ)で1.0度未満であることを特
徴とするものである。特に好ましくは0.90度以下であ
る。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤の前記回折シグナルに
おいては、ピークが唯一つである。ピークの数をカウン
トする際、測定ノイズ及び最高ピークの高さの4%に満
たないピークは数えないものとする。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、CuKα線を線源と
した結晶面(420)のX線回折シグナルの最高ピーク高
さ×0.13において水平に引いた線がシグナルによって切
り取られる線分をAA′とし、最高ピーク位置から垂直に
引いた線との交点をBとした時、線分ABの長さの線分B
A′の長さに対する比が1.0以下となるように区切られる
ことが好ましい。ここに線分AA′は回折角度の低角度側
から高角度換算側に引くものとする。また線分ABの長さ
の線分BA′の長さに対する比が0.95以下であることがよ
り好ましく、特に好ましくは0.60〜0.90である。
本発明に係るハロゲン化銀双晶粒子は{111}面と{1
00}面をあわせもつものであり、好ましくは粒子表面の
20%以上が{100}面であり、より好ましくは30%以
上、特に好ましくは40〜70%が{100}面である。{10
0}面以外の面は主として{111}面であることが好まし
い。
{100}面と{111}面の比率は、平らな試料台上にハ
ロゲン化銀粒子を重ならないように分布させたサンプリ
ングの(200)面,(222)面及び(220)面のシグナル
の強度比と、粉末試料における(200)面と(222)面及
び(220)面のシグナルの強度比とを比較することによ
り決定できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、沃化銀含有ハロゲン化
銀乳剤であることが好ましく、その場合特に平均の沃化
銀含有率が6モル%未満であることが好ましく、更に好
ましくは0〜5モル%、特に好ましくは1〜4モル%で
ある。
また、本発明のハロゲン化銀乳剤は、沃臭化銀乳剤で
あることが好ましいが、その場合、本発明の効果を損な
わない範囲で塩化銀を含有してよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、沃化銀を粒子内に局在
させることによって得たものであることが好ましい。特
に好ましい態様としては、沃化銀含有率の高い内部核上
にこれより沃化銀含有率の低い沃臭化銀を積層構造とし
て沈積させたものである。
内部核の沃化銀含有率は18〜45モル%であることが好
ましい。特に好ましくは25〜40モル%である。
最外殻と内部核の間の沃化銀含有率は、それぞれ10モ
ル%以上の差があることが好ましく、更に好ましくは20
モル%以上、特に好ましくは30〜40モル%以上の差があ
ることである。
上記態様において、内部核の中心部、内部核と最外殻
との間に更に別のハロゲン化銀相が存在してもよい。
また、最外殻の体積は粒子全体の10〜90モル%が良
く、50〜80モル%が更に好ましい。内部核、最外部核及
びこれ以外の別のハロゲン化銀相は均一組成であっても
よいし、均一組成の複数相から成る、ステップ状に組成
の変化する相群であってもよいし、あるいは相の中にお
いて連続的に組成の変化するような連続相であってもよ
いし、これらの組合わせでもよい。
本発明の別の態様として、粒子内に局在した沃化銀が
実質的に均一な相を形成するのでなく、沃化銀含有率が
粒子中心から外側部に向かって連続的に変化する態様が
挙げられる。この場合、沃化銀の含有率は粒子内の沃化
銀含有率が最大であるポイントから粒子外側部に向けて
単調に減少するものであることが好ましい。
沃化銀含有率が最大であるポイントにおける沃化銀含
有率は、15〜45モル%が好ましく、より好ましくは25〜
40モル%である。
また、粒子表面部の沃化銀含有率は3モル%以下であ
ることが好ましく、より好ましくは0〜2モル%、特に
好ましくは0.1〜1.0モル%の沃臭化銀であることが良
い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を得る方法としては、単分
散性の種結晶上に沃臭化銀もしくは臭化銀含有相を析出
させる方法が好ましく用いられる。特に好ましくは、特
開昭61-6643号に記載の単分散性球型双晶種乳剤を肥大
させる成育工程を設ける方法が挙げられる。具体的に
は、水溶性銀塩溶液と水溶性ハロゲン化物溶液を保護コ
ロイドの存在下に供給して行うハロゲン化銀写真乳剤の
製造方法において、 (イ)沃化銀含有率0〜5モル%のハロゲン化銀沈澱生
成の初期から1/2以上の期間、母液のpBrを2.0〜−0.7に
保つ核粒子生成工程を設け、 (ロ)該核粒子生成工程に続いて、母液にハロゲン化銀
溶剤をハロゲン化銀1モル当たり10-5〜2.0モル含有
し、実質的に単分散性球型双晶であるハロゲン化銀種粒
子を形成する種粒子形成工程を設け、 (ハ)次いで、水溶性銀塩溶液と水溶性ハロゲン化物溶
液及び/またはハロゲン化銀微粒子を加えて種粒子を肥
大させる成育工程を設ける 方法により、好ましく本発明の乳剤を得ることができ
る。
ここに母液とは、完成した写真乳剤に到るまでのハロ
ゲン化銀乳剤の調合の場に供される液(ハロゲン化銀乳
剤も含有される)である。
上記(イ)の核粒子生成工程において形成されるハロ
ゲン化銀粒子は、0〜5モル%の沃化銀を含有する沃臭
化銀から成る双晶粒子である。
ここでいう双晶とは一つの粒子内に一つ以上の双晶面
を有するハロゲン化銀結晶を意味するが、双晶の形態の
分類はクラインとモイザーによる前掲報文99巻99頁、同
100巻,57頁に詳しく述べられている。双晶の二つ以上の
双晶面は互いに平行であっても平行でなくてもよい。ま
た、結晶の外壁は{111}面から成るもの、{100}面か
ら成るもの、あるいは両方の面から成るものであっても
よい。
上記製造方法において、双晶核粒子は、該粒子生成工
程の初期の1/2以上の期間に亘り保護コロイド水溶液中
の臭素イオン濃度を0.01〜5モル/l即ちpBr2.0〜−0.7
に保ち、好ましくは0.03〜5モル/l(pBr=1.5〜−0.
7)に保ち、水溶性銀塩または水溶性銀塩と水溶性ハロ
ゲン化物を添加することにより得ることができる。
上記製造方法における核粒子生成工程とは、保護コロ
イド液中に水溶性銀塩が添加開始された時点から、新し
い結晶核が実質的に発生しなくなるまでの期間だけでな
く、その後に粒子の成長期間を含んでもよく、種粒子形
成工程以前の工程と定義される。
上記製造方法において、核粒子のサイズ分布に制限は
なく単分散でも多分散でもよい。ここでいう多分散と
は、粒子の変動係数(前述の分布の広さと同義)が25%
以上のものをいう。この場合の核粒子としては、少なく
とも核粒子全体数に対して50%以上の双晶粒子を含むも
のが好ましく、70%以上含むことがより好ましく、90%
であることが最も好ましい。
次に上記製造方法の場合の、核粒子生成工程で得られ
た核粒子をハロゲン化銀溶剤の存在下に熟成し、単分散
性の球形粒子から成る種粒子を得る種粒子形成工程につ
いて説明する。
ハロゲン化銀溶剤存在下での熟成(以下、単に熟成と
称す)は、大粒子と小粒子が共存する際、小粒子が溶解
して大粒子が成長し、一般には粒子サイズ分布が広くな
ると考えられているオストワルド熟成とは異なると思わ
れる。前記核粒子生成工程で得られた核粒子からの種粒
子の熟成条件としては、0〜5モル%の沃化銀含有率の
ハロゲン化銀を用いて双晶核粒子を生成させる前記核粒
子生成工程を経た乳剤母液を、10-5〜2.0モル/銀モル
のハロゲン化銀溶剤の存在下に熟成を進めることによっ
て、実質的に単分散性球形種粒子が得られる。実質的に
単分散性とは、前に定義した分布の広さが25%未満であ
ることを言う。
また、実質的に球形粒子とは、電子顕微鏡写真でハロ
ゲン化銀粒子を観察した場合に、{111}面あるいは{1
00}面等の面が明らかに判別できない程度に丸みを帯び
ており、かつ粒子内の重心付近の1点に互いに直交する
3次元軸を設定した場合、粒子平面像の縦、横及び高さ
方向の最大粒子径Lと最小粒子径lとの比 が1.0〜2.0、好ましくは1.0〜1.5にある粒子を言う。
また、本発明の乳剤の形成については、該球形粒子が
全種粒子数の60%以上、好ましくは80%以上、更に好ま
しくは、その殆どを占めていることが好ましい。
上記種粒子形成工程で用いられるハロゲン化銀溶剤と
しては、(a)米国特許3,271,157号、同3,531,289号、
同3,574,628号、特開昭54-1019号、同54-158917号及び
特公昭58-30571号に記載された有機チオエーテル類、
(b)特開昭53-82408号、同55-29829号及び同55-77737
号等に記載されたチオ尿素誘導体、(c)特開昭53-144
319号に記載された、酸素または硫黄原子と窒素原子で
挟まれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、
(d)特開昭54-100717号に記載されたイミダゾール
類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアナート類、(g)
アンモニア、(h)特開昭57-196228号に記載されたヒ
ドロキシアルキルで置換したエチレンジアミン類、
(i)特開昭57-202531号に記載された置換メルカプト
テトラゾール類、(j)水溶性臭化物、(k)特開昭58
-54333号に記載されたベンゾイミダゾール誘導体等が挙
げられる。
次に、これら(a)〜(k)のハロゲン化銀溶剤の具
体例を挙げる。
これらの溶剤は2種以上組み合わせて用いることがで
きる。好ましい溶剤としては、チオエーテル類、チオシ
アナート類、チオ尿素類、アンモニア、臭化物が挙げら
れ、特に好ましくはアンモニアと臭化物の組み合わせを
挙げることができる。
これらの溶剤は、ハロゲン化銀1モル当たり10-5〜2
モルの範囲で用いるのが好ましい。
また、pHとしては3〜13、温度としては30〜70℃が好
ましく、特に好ましくはpH6〜12、温度35〜50℃の範囲
である。
上記製造方法を採用する場合の好ましい実施態様の1
例を示せば、pH10.8〜11.2、温度35〜45℃でアンモニア
0.4〜1.0モル/lと臭化カリウム0.03〜0.5モル/lを組み
合わせて用い、30秒〜10分間熟成することにより、好適
な種粒子を含む乳剤が得られた。
上記種粒子形成工程の期間中に、熟成を調整する目的
で水溶性銀塩を加えても差し支えない。
ハロゲン化銀種粒子を肥大させる種粒子成育工程は、
ハロゲン化銀の沈澱中、オストワルド熟成中のpAg、p
H、温度、ハロゲン化銀溶剤の濃度及びハロゲン化銀組
成、銀塩及びハロゲン化物溶液の添加速度をコントロー
ルすることにより達成される。
得られた種粒子を肥大させる条件としては、特開昭51
-39027号、同55-142329号、同58-113928号、同54-48521
号及び同58-49938号にも見られるように、水溶性銀塩溶
液と水溶性ハライド溶液をダブルジェット法によって添
加し、添加速度を粒子の肥大に応じて新核形成が起こら
ず、オストワルド熟成が起こらない範囲で徐々に変化さ
せる方法が挙げられる。種粒子を肥大させる別の条件と
して、日本写真学会昭和58年年次大会要旨集88頁に見ら
れるように、ハロゲン化銀微粒子を加え溶解、再結晶す
ることにより肥大させる方法も用い得るが前者の方法が
好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤の製造に当たってハロ
ゲン化銀粒子の成長条件としては、pAg5〜11、温度40〜
85℃、pH1.5〜5.8が好ましい。pHとしては1.8〜3.5が特
に好ましい。pAgとしては6.0〜9.5が特に好ましく、温
度としては60〜80℃が特に好ましい。
成長に当たっては硝酸銀水溶液とハロゲン化物水溶液
をダブルジェット法により添加することが好ましい。ま
た、沃度は沃化銀として系内に供給することもできる。
添加速度は、新しい核が発生しないような速度で、かつ
オストワルド熟成によるサイズ分布の広がりがない速
度、即ち新しい核が発生する速度の30〜100%の範囲で
添加することが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤が含有する好ましい内
部高沃化銀含有率のハロゲン化銀粒子は、その中心部の
高沃化銀含有率相(内部核)の成長時に用いる硝酸銀水
溶液の濃度は1N以下が好ましく、特に0.3〜0.8Nが好ま
しい。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造に当たっては、製造
時の攪拌条件が極めて重要になる場合がある。攪拌装置
としては特開昭62-160128号に示される、添加液ノズル
を攪拌機の母液吸入口に近く液中に設置した装置が特に
好ましく用いられる。また、この際、攪拌回転数は400
〜1200rpmにすることが好ましい。
本発明に係る乳剤の製造の際、可溶塩類の除去(脱
塩)を行うことができる。沈澱形成後あるいは物理熟成
後の乳剤から可溶性塩類を除去するためには、ゼラチン
をゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、ま
た無機塩類、アニオン性界面活性在、アニオン性ポリマ
ー(例えばポリスチレンスルホン酸)、あるいはゼラチ
ン誘導体(例えばアシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼ
ラチンなど)を利用した沈澱法(フロキュレーション
法)を用いてもよい。可溶性塩類除去の過程は、省略し
てもよい。
本発明の感光材料においては、本発明に係るハロゲン
化銀乳剤を1種類用いるのでもよく、あるいは該乳剤を
数種類混合して使用することができる。
本発明の感光材料に用いられる乳剤は、金増感、硫黄
増感、もしくは還元増感を施すことが好ましく、またこ
れら増感を組み合わせて用いることも好ましい。
即ち、活性ゼラチン銀と反応し得る硫黄を含む化合物
(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化合物
類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;還元性物質
(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、
ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を用いる
還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほか、P
t,Ir,Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を用いる
貴金属増感法などを単独または組み合わせて用いること
ができる。
これらの具体例は、硫黄増感法については、米国特許
第1,574,944号、同第3,410,689号、同第2,278,947号、
同第2,728,668号、同第3,656,955号等、還元増感法につ
いては米国特許第2,983,609号、同第2,419,974号、同第
4,054,458号等、貴金属増感法については米国特許第2,5
99,083号、同第2,448,060号、英国特許第618,061号等の
各明細書に記載されている。
本発明の実施の際、乳剤として特公昭41-2086号に記
載された内部潜像型ハロゲン化銀粒子と表面潜像型ハロ
ゲン化銀粒子とを組み合わせて用いることもできる。
本発明のシート状ハロゲン化銀写真感光材料は、コー
ナーカットを有するものである。コーナーカットは、一
般に、角部の少なくとも1つが鈍角または曲線状をなす
ように形成される。本発明の感光材料は、コーナーカッ
トなどの圧力に対し、耐性が大きい。角部の形状は円
形、楕円形等の曲線状のものが好ましく、また、直線的
にカットしたものでもよいが、この場合二本以上の直線
でカットされていることが好ましい。
本発明に係る乳剤を用いる場合、あるいは必要に応じ
てそれ以外の乳剤を併用して乳剤層を形成する場合、乳
剤層は実質的に写真特性の異なる2種以上、例えば2〜
6種のハロゲン化銀乳剤を含有させて形成することがで
きる。ここで「実質的に写真特性の異なる」とは、感
度、階調性、感色性、呈色性、現像性、画像の鮮鋭性、
粒状性等を含む写真特性のうち、少なくとも感度及び階
調性を異にすることである。
上記写真特性の異なる乳剤を、各々別々の乳剤層に含
有させることもできる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は粒状性、乾燥性
の点から、50.0℃の水酸化ナトリウム1.5重量パーセン
トの水溶性に無攪拌状態で浸漬した場合、ハロゲン化銀
粒子が支持体から脱離するまでの時間は10分間以上、更
に好ましくは15分間以上になるように、硬膜剤の添加に
より乳剤層を硬膜することが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料を例えばローラー
搬送型自現機で処理する場合、多くの場合、現像処理〜
乾燥までされた状態で処理されるが、乾燥性その他の性
能を良好にするためには該写真感光材料の含水量は6.0
〜15.0g/m2の範囲であることが好ましく、特に9.0〜14.
0g/m2の範囲が好ましい。本明細書におけるハロゲン化
銀写真感光材料の含水量とは、25℃、相対湿度75%の条
件化で、下記の測定方法で求めたものを言う。即ち、20
cm×20cmの、最大濃度を得るのに必要なだけの露光を与
えた試料を、コニカ(株)製自動現像機SRX-501(処理
速度切換スイッチ45秒時)を用い、現像液はコニカ
(株)製XD-SRにスターターXD-SRS(同社製)を所定量
添加したものとし、これを35℃で用い、かつ定着液はXF
-SR(同社製)を32℃で用い、水洗水は18℃の水道水を
毎分3lで供給するようにして、自動現像を行った。自動
現像機の乾燥ラックは取り外し、含水量測定試料と同一
試料を1枚/12秒の間隔で101枚連続で処理し、101枚目
の試料を含水量測定試料とし、スクイズラックを出たと
ころで抜き取り、15秒後に重量を測定する。(この時、
乾燥系統の電源は入らないよう事前に手を加える。) この時の重量をWw(g)とする。
次に該試料を充分に乾燥させた後、1時間以上温度25
℃、湿度55%RHの条件下で放置し、その重量を測定す
る。これをWd(g)とする。含水量は次式から算出され
る。
含水量(g/m2)=(Ww-Wd)×(10000cm2/20cm×20cm) なお、重量測定場所は風速0.5m/秒以下の場所でなけ
ればならない。
本発明の写真感光材料には、写真乳剤層その他の親水
性コロイド層に寸度安定性の改良などの目的で、水不溶
または難溶性合成ポリマーの分散物を含むことができ
る。例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル
(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィ
ン、スチレンなどの単独もしくは組合わせ、またはこれ
らとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカル
ボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ス
ルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン
酸等の組合わせを単量体成分とするポリマーを用いるこ
とができる。なお上記(メタ)アクリレートの語は、ア
クリレートとメタアクリレートとの双方を略して記した
ものである。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には保護層が好ま
しく設けられるが、この保護層は親水性コロイドからな
る層であり、使用される親水性コロイドとしてはゼラチ
ン等任意のものが用いられる。また保護層は、単層であ
っても重層となっていてもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層または保
護層中に、好ましくは保護層中には、マット剤及び/ま
たは平滑剤等を添加してもよい。マット剤としては公知
のものを使用できるが、より好ましくはポリマーマット
剤であり、その平均粒径は0.3μm〜12μmが好まし
く、特に3μm〜9μmの範囲のものが好ましい。
本発明の実施に際し、使用されるポリマーマット剤の
具体的な例としては、ポリメチルメタアクリレートのご
とき水分散性ビニル重合体、及びセルロースアセテート
プロピオネート、澱粉等を挙げることができる。特にメ
チルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタアクリレートのごときアクリル酸エステルの
単独重合体、またはこれらアクリル酸エステル同士か、
他のビニルモノマーとの共重合体のごとき水分散性ビニ
ル重合体のマット剤が好ましい。なかでもポリメチルメ
タアクリレートの平均粒径3μm〜9μmの球状マット
剤が特に好ましい。
マット剤の添加位置は、例えば、乳剤層の上の保護層
や、裏面側の保護層等に添加されるのが通常であるが、
上記のポリマーマット剤は、乳剤層側の保護層に添加す
るのがより好ましい。これにより、例えばローラー搬送
機型自動現像液でポリマーマット剤を含む写真感光材料
を処理する場合、該感光材料がスリップすること等が無
くなる。
平滑剤はマット剤と類似した接着故障防止に役立つ
他、特に映画用フィルムの投影時もしくは映写時のカメ
ラ適合性に関係する摩擦特性の改良に良好である。具体
的な例としては、流動パラフィン、高級脂肪酸のエステ
ル類等のごときワックス類、ポリフッ素化炭化水素類も
しくはその誘導体、ポリアルキルポリシロキサン、ポリ
アリールポリシロキサン、ポリアルキルアリールポリシ
ロキサン、もしくはそれらのアルキレンオキサイド付加
誘導体のごときシリコーン類等が好ましく用いられる。
本発明の感光材料には、塗布乾燥時のカブリ防止等や
低湿条件下での折り曲げ等によるカブリ、減感等の防止
のために、可塑剤を用いることが好ましい。可塑剤とし
ては、例えば特開昭48-63715号,特公昭43-4939号、同4
7-8745号,米国特許306,470号,同2,960,404号,同3,41
2,159号,同3,791,857号等に記載のものを用いることが
できる。好ましくは、融点40℃以上の少なくとも2つ以
上の水酸基を有する多価アルコール化合物を少なくとも
1種含有することである。このような化合物としては、
水酸基を2〜12個有し、炭素原子が2〜20個であり、か
つ、水酸基と水酸基とが共役鎖でもって共役していな
い、即ち酸化した型が書けないアルコールが好ましい。
更に融点としては50℃以上300℃以下のものが好まし
い。化合物例としては特開昭62-147449号に記載のもの
がある。
本発明の実施に際して、感光材料には各種の用途のた
め界面活性剤を用いることができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、各々の感光材
料に応じた露光光により露光され、各々に応じた現像処
理等の処理を施すことができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。但し
当然のことではあるが、本発明は実施例により限定を受
けるものではない。
実施例1 (球型種乳剤の調製) 特開昭61-6643号の方法によって、単分散性の球型種
乳剤を調製した。
種乳剤の調製 40℃で激しく攪拌したA1液に、B1液とC1液をダブルジ
ェット法により30秒で添加し、核の生成を行った。この
時のpBrは1.09〜1.15であった。
1分30秒後C1液を20秒で添加し5分間の熟成を行っ
た。熟成時のKBr濃度は0.017モル/l、アンモニア濃度は
0.63モル/lであった。
その後pHを6.0に合わせ、直ちに脱塩、水洗を行っ
た。この種乳剤を電子顕微鏡観察したところ、平均粒径
0.36μm、分布の広さ18%の単分散性球型乳剤であっ
た。
比較例1 実施例1の種乳剤を用い、平均沃化銀含有率1.93モル
%である平板状の比較乳剤Em-Aを調製した。
Em-Aの調製 65℃で激しく攪拌したA2液に、B2液とC2液を40.5分で
ダブルジェット法により添加した。この間は硝酸にてpH
2.0に保ち、pAgは9.0に終始保った。B2液とC2液の添加
速度は初期と最終で2.95倍となるように、直線的に増加
させた。
添加終了後、pHを6.0に合わせ、過剰の塩類を除去す
るため、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸
マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、pAg8.5、
40℃においてpH5.85の乳剤を得た。得られた乳剤を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径0.92μm、分布の
広さ14%、投影面積の88%が100%の{111}面からなる
平板状ハロゲン化銀粒子であった。
またこの平板状ハロゲン化銀粒子の平均の粒子直径/
粒子厚さ比は、3.6であった。この乳剤Em-AのCuKα線を
線源とした(420)回折線は、ピーク間隔0.27度(2
θ)の2つの鋭いピークからなるものであった。第2図
に、この乳剤Em-Aの該X線回折シグナルを示す。
なお、本明細書に記載の各実施例における乳剤サンプ
ルの測定はすべて日本電子(株)製JDX-11型を装置とし
て用い、回折線の単色器としてグラファイト製モノクロ
メータを、測定条件として、管電圧40kV、管電流50mA、
ステップ角度0.02度(2θ)で行った。本測定条件にて
標準サンプルとして用いたシリコン粉末の(331)回折
シグナルの半値幅は0.33度(2θ)であった(この標準
サンプルのX線回折パターンは、第4図に示す)。
比較例2 実施例1の種乳剤を用い、平均粒子体積はEm-Aと同一
であって、平均沃化銀含有率8.0モル%であり、粒子内
部に高沃化銀含有率相を有する単分散の双晶乳剤の比較
乳剤Em-Bを調製した。
Em-Bの調製 75℃で激しく攪拌したA3液に、ダブルジェット法でB
3-1液とC3-1液を添加した。この際、pHを硝酸で2.0に保
ち、pAgを8.0に保った。添加時間は45分、添加速度は初
期と最終で1.9倍となるように直線的に増加させた。次
に同じ液中にB3-2液とC3-2液をダブルジェット法で添加
した。この際pHを2.0に保ち、pAgを8.0に保った。添加
時間は28分、添加速度は初期と最終で1.75倍となるよう
に直線的に増加させた。添加終了後pHを6.0に合わせ、
過剰な塩類を除去するためデモール水溶液及び硫酸マグ
ネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、40℃にてpAg
8.5の乳剤を得た。
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ平均粒
径0.75μm、分布の広さ15%、{100}面と{111}面を
有する単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤であった。
この乳剤Em-BのCuKα線を線源とした(420)回折線
は、ピーク間隔1.32度の2つのピークからなる幅の広い
シグナルであった。第3図に、この乳剤Em-Bの該X線回
折シグナルを示す。
実施例2 実施例1の種乳剤を用い平均粒子体積はEm-A、Em-Bと
同体積であって平均沃化銀含有率が2.25モル%である本
発明の乳剤Em-1を調製した。
Em-1の調製 75℃で激しく攪拌したA4液に、ダブルジェット法でB
4-1液とC4-1液を添加した。この際pHを硝酸でpH2.0に保
ち、pAgを8.0に保った。添加時間は16分、添加速度は初
期と最終で1.27倍となるように直線的に増加させた。次
に同じ液中にB4-2液とC4-2液をダブルジェット法で添加
した。この際pHを2.0に保ち、pAgを8.0に保った。添加
時間は38分、添加速度は初期と最終で1.80倍となるよう
に直線的に増加させた。添加終了後、比較例1,2と同様
に脱塩沈澱を行い、40℃にてpAg8.5、pH5.85の乳剤を得
た。
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、100
%双晶粒子よりなり、平均粒径0.73μm、分布の広さ11
%のハロゲン化銀乳剤であった。また投影面積の100%
が粒子直径/粒子の厚さの比が1.0〜1.5であり、{10
0}面と{111}面を有し、その比率は64:36であった。
この乳剤Em-1のCuKα線を線源とした(420)回折線
は、ただ1つのピークを有するものであった。第1図
に、この乳剤Em-1の該X線回折シグナルを示す。このシ
グナルの最高ピーク高さ×0.13における回折幅は、0.81
6度(2θ)であった。また最高ピークより垂直におろ
した線とピーク高さ×0.13において水平に引いた線が交
わる点をBとし、ピーク高さ×0.13において水平に引い
た線がシグナルにより切られた線分をAA′としたとき、
AA′はBによってAB:BA′=0.85:1に分けられた(B及
びAA′については、第1図参照)。
実施例3 実施例2においてB4-2の液を下記溶液に代えた以外は
実施例2と同様にして、平均沃化銀含有率2.02モル%の
本発明の乳剤Em-2を調製した。
Em-2の調製 A5 実施例2の溶液A4と同じ B5-1 実施例2の溶液B4-1と同じ C5-1 実施例2の溶液C4-1と同じ C5-2 実施例2の溶液C4-2と同じ 得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、100
%双晶粒子よりなり、平均粒径0.73μm、分布の広さ11
%のハロゲン化銀乳剤であった。また投影面積の100%
が粒子直径/粒子の厚さの比が1.0〜1.5であり、{10
0}面と{111}面を有し、その比率は65:35であった。
この乳剤のCuKα線を線源とした(420)回折線は唯1
つのピークを有し、最高ピーク高さ×0.13における回折
幅は0.820度(2θ)であった。また最高ピークより垂
直におろした線とピーク高さ×0.13において水平に引い
た線が交わる点をBとし、ピーク高さ×0.13において水
平に引いた線がシグナルを切る線分をAA′としたときA
A′はBによってAB:BA′=0.86:1に分けられた。
実施例4 比較例1〜2及び実施例2〜3で得られたハロゲン化
銀乳剤Em-A、Em-B、Em-1、Em-2それぞれに、最適に金−
硫黄増感を施した。この化学増感終了直前に、下記の増
感色素を、色素A:色素B=20:1の比率で全量で1000mg/
モルAgを加え、また4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデン2.5g/モルAgを加えた。
更にそれぞれの乳剤に乳剤層添加剤として、ハロゲン
化銀1モル当たりt−ブチル−カテコール400mg、ポリ
ビニルピロリドン(分子量10,000)1.0g、スチレン・無
水マレイン酸共重合体2.5g、トリメチロールプロパン10
g、ジエチレングリコール5g、ニトロフェニル−トリフ
ェニルフォスフォニウムクロライド50mg、1,3−ジヒド
ロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム4g、2−
メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ソーダ
15mg、2−メルカプトベンゾチアゾール10mg、 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン10m
g、 を加えた。
また保護層添加剤として、下記の化合物を加えた。即
ちゼラチン1g当たり、 平均粒径5μmのポリメチルメタクリレートから成る
マット剤7mg、平均粒径0.013μmのコロイダルシリカ70
mg等を加えた。
更に硬膜剤として、下記化合物をゼラチン1gあたり7m
g添加した。
CH2=CHSO2OCH2SO2CH=CH2 得られた乳剤及び保護膜溶液を青色に着色した厚さ18
0μmの下引き済ポリエチレンテフタレートの両面に塗
布し、両面乳剤のシート状感光材料とした。この時片面
当たり銀量が1.9g/m2で、乳剤のゼラチンとして2g/m2
保護膜のゼラチンとして1g/m2となるように塗布した。
(センシトメトリ評価) 得られた試料はX線写真用増感紙KO-250(コニカ株式
会社製)ではさみ、ペネトロメータB型(コニカメディ
カル株式会社製)を介してX線照射した。その後、コニ
カ株式会社製SRX-501自動現像機を用い、XD-SR現像処理
液にて45秒処理を行った。
上記のようにして現像した各試料について、感度を評
価した。感度は試料1がカブリ+1.0の濃度を与えるの
に要した爆射エネルギー量の逆数を100とした相対値で
示した。
得られた結果は表−1に示す。
(コーナーカットの作製) 塗布した試料を表−1に示すような大きさに断裁し、
同じ大きさの試料を各種10枚ずつランダムにダミーを含
め1000枚重ね、丸刃で曲率半径1cmのラウンドコーナー
を断ち落とすことにより、コーナーカットを作製した。
これらの試料を上記現像機で現像し、コーナーカット部
分の黒化具合を目視評価した。1は黒くて実用不可、2
は1より良いが未だ実用不可、3は実用可、4は少し黒
化が出たもの、5は全く出ないものである。表−1に10
枚の平均値を示した。
(総合評価) 表−1に示すように、本発明の試料は感度が高く、ま
たコーナーカット評価は3以上で、実用上問題ない。こ
れに対し、本発明外の比較の試料は、感度・コーナーカ
ット評価とも、劣るものであった。
〔発明の効果〕 上述のように、本発明のシート状ハロゲン化銀写真感
光材料は、高感度であるとともに、角部が鈍角または曲
線状をなすようにコーナーカットを施した場合でも該コ
ーナーカットに沿った圧力カブリの発生が抑えられたも
のであるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図はそれぞれ乳剤粒子のX線回折
シグナルを示すグラフであり、第1図は乳剤Em-1、第2
図は乳剤Em-A、第3図は乳剤Em-Bについて各シグナルを
示すものである。第4図はシリコン粉末の(331)粉末
X線回折パターンである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投影面積の50%以上が、粒子直径/粒子厚
    さの比が5未満であり、かつ主として2枚以上の双晶面
    を有し、かつ{111}面と{100}面をあわせもつハロゲ
    ン化銀双晶粒子から成り、かつ、 によって定義した分布の広さが12%以下である単分散性
    を有し、CuKα線を線源とした該ハロゲン化銀の結晶面
    (420)のX線回折シグナルが唯一のピークを有し、最
    高ピーク高さ×0.13における回折線幅が回折角度(2
    θ)で1.0度未満であるハロゲン化銀写真乳剤を、500cm
    2以上の面積を有する支持体上に塗布して構成するとと
    もに、コーナーカットを有することを特徴とするシート
    状ハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】CuKα線を線源とした該ハロゲン化銀の結
    晶面(420)のX線回折シグナルの最高ピーク高さ×0.1
    3において、水平に引いた線がシグナルによって切り取
    られる線分をAA′とし、最高ピーク位置から引いた線と
    の交点をBとしたとき、線分ABの長さの線分BA′の長さ
    に対する長さの比が1.0以下となるよう区切られるハロ
    ゲン化銀写真乳剤を含有することを特徴とする請求項1
    記載のシート状ハロゲン化銀写真感光材料。
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