JPH07113684B2 - 光学フイルタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、入射光または出射光の色温度、または色相
等が選択できるような複数の光学フィルタを備えている
光学フィルタ装置に関するものである。

〔発明の概要〕

この発明は、光学機器等の光路系に組み込まれる光学フ
ィルタ装置において、ディスク盤の複数の収納部に挿入
した光学フィルタをディスク盤に設けた係止部と、ディ
スク盤に接着固定されるシートとで挟持することによ
り、作業性よく、かつ、光学フィルタをディスク盤に強
固に固定させることができるようにしたものである。

〔従来の技術〕

光学機器、例えばビデオカメラ等においては、光源によ
って色温度の異なる光を一定温度の光に変換し、光源の
種類に関係なく一様な被写体の画像を得ることができる
ように光学フィルタ装置が組み込まれている。

このような光学機器には、一般に、撮像レンズから被写
体の結像位置までの距離が決められるため、その間に種
々の部品、例えば光学フィルタ装置，分光プリズム等を
組み込むときは、光学フィルタ装置の厚さ方向が制限さ
れる。

第３図は従来の光学フィルタ装置を示す部分断面図で、
１はガラスで構成された光学フィルタ、２はディスク盤
を示し、光学フィルタ１を挿入する収納部３、この収納
部３の近傍に複数のねじ穴５、回転力が伝達されるギャ
部６が設けられている。そして、収納部３の片面側には
光学フィルタ１の外周部分が当接するように突出してい
る。７はワッシャ、８は前記ねじ穴５に螺合するねじを
示す。

第３図に示す光学フィルタ装置は、ディスク盤２の収納
部３に光学フィルタ１を挿入してその外周部分を係止部
４に当接させた状態で、ワッシャ７を光学フィルタ１の
外周部分に当接させてねじ８で止めることによって構成
できる。

上記のように構成された光学フィルタ装置は、光学フィ
ルタ１をワッシャ7,ねじ８で確実に固定させることがで
きる。

しかし、光学フィルタ装置の厚さＤは、ディスク盤２の
一端からねじ８の先端までとなり、光学フィルタ装置が
厚くなるという問題点がある。

そこで、第４図に部分断面図を示すように厚さを薄くし
た光学ディスク装置が考案されている。この図におい
て、11はガラスで構成された光学フィルタ、12はディス
ク盤を示し、光学フィルタ11を挿入する収納部13、回転
力が伝達されるギャ部15が設けられている。そして、収
納部13の片面側には光学フィルタ11の外周部分が当接す
る係止部14が設けられている。なお、16は接着剤を示
す。

第４図に示す光学フィルタ装置は、ディスク盤12の収納
部13に光学フィルタ11を挿入して係止部14に外周部分を
当接させた状態で、収納部13の空間部分に接着剤16を挿
入し、光学フィルタ11をディスク盤12に接着固定するこ
とによって達成できる。

このように構成された光学フィルタ装置は、ほぼディス
ク盤11の厚さとなり、光学フィルタ装置を薄くすること
ができるという利点がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、第４図に示す従来の光学フィルタ装置
は、光学フィルタ11を取り付ける際に挿入した接着剤16
が収納部13からはみ出した部分をふき取ったり、接着剤
16が固化するまで放置する必要があるため、作業性が悪
くなる。また、一般的に光学フィルタ11,ディスク盤12
の熱膨張率は相違しているので、温度特性の経時変化に
よって接着剤16の接着強度が劣化し、ディスク盤12から
光学フィルタ11が剥離する場合もある。

この発明は、上記したような問題点を解決した光学フィ
ルタ装置を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明の光学フィルタ装置は、複数の光学フィルタ
と、この光学フィルタが挿入されたとき、その外周部分
が当接する係止部を備えた複数の収納部が設けられてい
るディスク盤と、収納部に挿入した光学フィルタの外周
部分が重なるような開口が設けられたシートとで構成し
たものである。

〔作用〕

この発明の光学フィルタ装置においては、ディスク盤に
収納した光学フィルタをディスク盤にシートを接着固定
することにより、複数の光学フィルタを簡単に固定する
ことができる。

〔実施例〕

第１図はこの発明の光学フィルタ装置の一実施例を示す
分解斜視図、第２図は光学フィルタ装置の部分断面図で
ある。

これらの図において、21A,21B,および21Cはガラスで構
成された光学フィルタを示し、例えば太陽，蛍光灯等の
光を白熱灯の光に変換させるものである。

22は合成樹脂で構成されたディスク盤を示し、光学フィ
ルタ21A〜21Cを挿入する収納部23A,23B,および23C、後
述するシート28が収納される段部25、回転力が伝達され
るギャ部26、図示を省略した係止部が係止して所定の光
学フィルタ21A,21B,または21Cを光路系に位置させるた
めの凹部27A,27B,27Cが設けられている。そして、収納
部23A〜23Cの片面側には光学フィルタ21A〜21Cの外周部
分が当接する係止部24A,24B,および24Cが設けられてい
る。なお、収納部23A〜23Cの深さは光学フィルタ21A〜2
1Cの厚さとほぼ同じ程度にされている。シート28は例え
ば合成樹脂で構成され、開口29A,29B,29Cの周縁部分が
光学フィルタ21A〜21Cの外周部分に重なるような形状に
構成されている。

この発明の光学フィルタ装置は、ディスク盤22の収納部
23A〜23Cに光学フィルタ21A〜21Cを挿入して係止部24A
〜24Cに外周部分を当接させた状態で、段部25にシート2
8を収納して光学フィルタ21A〜21Cの外周部分に当接さ
せる。そして、ディスク盤22にシート28を接着固定する
と、光学フィルタ21A〜21Cは係止部24A〜24Cとシート28
とで挟持され、一度に３枚の光学フィルタ21A〜21Cをデ
ィスク盤22に固定することができる。

なお、ディスク盤22にシート28を接着固定するとき、両
面接着剤，感圧性接着剤を用いたり、ディスク盤22にシ
ート28を熱溶着することにより、作業性よくディスク盤
22にシート28を固定させることができる。

このように構成されたこの発明の光学フィルタ装置は、
ほぼディスク盤22の厚さとなり、光学フィルタ装置を薄
くすることができる。そして、光学フィルタ21A〜21Cの
固定はディスク盤22にシート28を接着固定することが行
うことができるとともに、光学フィルタ21A〜21Cは温度
特性の経年変化によっても固定強度が変化しないように
固定される。したがって、光学フィルタ21A〜21Cの固定
強度は信頼の高いものとなる。

さらに、シート28はディスク盤22の段部25内に収納され
るので、シート28の外周部分に他の部品等が当らなくな
り、通常の使用状態においてはシート28がディスク盤22
から剥れなくなる。

なお、光学フィルタ21A〜21Cは色相を選択するようなも
のに対してもこの発明の光学フィルタ装置が適用でき
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明の光学フイルタ装置は、
ディスク盤に複数の収納部を設け、この収納部に挿入し
た光学フイルタをディスク盤の一方の面に設けられてい
る係止部で係止すると共に、この複数の光学フイルタの
外周部の少なくとも一部が重なるように切りとられた開
口部を有する一枚のシートを使用して、光学フイルタを
同時にディスク盤に固定することができるので、全体を
薄くすることができると共に、光学フイルタの固定強度
が温度によって経年変化をおこすことがないようにする
ことができる。

さらに、ディスク盤の他方の面に設けられているシート
が収容される段差部に、１枚のシートを接着固定すれば
よいから、熟練者でなくとも作業性がよくなり、光学フ
イルタの製造単価を安価にすることができる等の実用的
な効果がえられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の光学フィルタ装置の一実施例を示す
分解斜視図、第２図は光学フィルタ装置の部分断面図、
第３図，第４図は従来の光学フィルタ装置を示す部分断
面図である。 図中、21A〜21Cは光学フィルタ、22はディスク盤、23A
〜23Cは収納部、24A〜24Cは係止部、28はシート、29A〜
29Cは開口を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の光学フイルタと、 上記複数の光学フイルタの外周部分の一部が重なる形状
   に切り出された複数の開口部を有する１枚のシートと、 上記光学フイルタが収納されたとき、その外周部分が当
   接するような係止部を一方の面に有する複数の収納部を
   備えると共に、上記１枚のシートが収納される深さを有
   するように凹部とされた段差部を他方の面に備えたディ
   スク盤からなり、 上記ディスク盤の各開口部に上記複数の光学フイルタを
   収納し、上記段差部に上記１枚のシートを接着すること
   によって、上記複数の光学フイルタが上記ディスク盤の
   係止部と上記１枚のシートとによって挟持され、固定さ
   れていることを特徴とする光学フイルタ装置。