JPH07113577A - 吸液ロールの排液機能維持・回復方法と、その排液機構 - Google Patents

吸液ロールの排液機能維持・回復方法と、その排液機構

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JPH07113577A
JPH07113577A JP26027593A JP26027593A JPH07113577A JP H07113577 A JPH07113577 A JP H07113577A JP 26027593 A JP26027593 A JP 26027593A JP 26027593 A JP26027593 A JP 26027593A JP H07113577 A JPH07113577 A JP H07113577A
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Masao Masuda
正男 増田
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正信 増田
Akira Fujimaki
章 藤牧
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速条件下における処理、高粘度流体処理、
及び高硬度大抵抗のロール本体部を備える吸液ロールの
使用等に対応し、これら条件又は目的に対応すべく使用
する吸液ロールの排液機能維持・回復方法と、その排液
機構に関する。 【構成】 軸本体に空洞部を備えてなる吸液ロールを利
用して被処理物流体を真空吸引排除する排液方法に於い
て、当該空洞部の内壁面に生ずる水等流体による遮蔽層
域を崩し、前記真空吸引排除機能を維持・回復する外部
気体供給、又は前記空洞部内部ないしはこれに連接して
設けたノズル吸引手段等を採用する吸液ロールの排液機
能維持・回復方法である。 【効果】 外部気体強制導入供給方式、ベンチュリー状
流体増速機構により排液機能を強化し、高速度処理条件
に対応する吸液ロール、高粘度液体処理を目的とする吸
液ロール又は高硬度大抵抗のロール本体部を備える吸液
ロールとして、常時安定して真空吸引作用を維持し、機
能を発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速条件下における処
理、高粘度流体処理、及び高硬度大抵抗のロール本体部
を備える吸液ロールの使用等に対応し、これら条件又は
目的に対応すべく使用する吸液ロールの排液機能維持・
回復方法と、その排液機構に関する。
【0002】
【従来の技術】在来の真空吸引ロール(以下、在来の吸
液ロールとする)を利用する、高速処理条件下に於て高
速移行する鋼板処理について、図10をもとに説明す
る。先ず、図10の如く、在来吸液ロールと例えばゴム
ロール(通常の構造)とを一対として設備した装置に於
て、当該吸液ロールへの被処理物進入条件並びに設備条
件等として、そのロール径をφ250mm、作用真空値は
一例として−730mmHg(運用条件下における真空値、
吸液状態ロール本体内液体の抵抗等により、非運用状態
真空値に比し高真空を示す)、在来吸液ロールの回転速
度を1.275rpmとする。そして、鋼板の進入側(入
口側)における鋼板上表面における流体の残留量(入口
条件)を約1g/m2程度とした場合、図示の如く、当該ロ
ール外への飛沫飛散の発生が顕著となり、真空吸引によ
り在来吸液ロール外に排出されるべき流体量は、極めて
微小(実際上、ほぼ0に近い)となる。また鋼板の搬出
側(出口側)で0.8〜0.9g/m2である。したがっ
て、在来ロールの真空吸引排除機能が、全くといってい
いほど作用していないことが判明する。
【0003】そして、その原因を探求してみると、図1
0の如く、高速回転(一例として)する在来吸液ロール
の遠心力により、空洞部の内壁面に水膜、層状の水膜、
水壁(液膜、層状の液膜、液壁)等の遮蔽層域が形成さ
れ、ロール本体内部に浸潤した状態にある液体の移動が
励起されない状態を生じ、真空ポンプによるロール本体
への真空吸引作用がほとんど機能していない状態となる
ことがあることが判明した。通常このような状況は、高
速処理の場合、鋼板処理に於て、在来吸液ロール径がφ
250mmの場合、通板速度800〜850m/min(回転
速度1.000〜1.100rpm)の状況下で発生して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、高速回転
する在来吸液ロールに於ては、空洞内流体による遮蔽層
域が形成されることによって、在来吸液ロールの真空吸
引による流体の排除機能が大幅に阻害減殺されることが
有り得、実際上機能的には所期の能力をほぼ喪失するこ
とも有り得、前述の如く吸収機能が適正に作用しないこ
とにより、在来吸液ロール(一対)間の進入側(入口
側)等におけるロール外への飛沫飛散の発生、真空吸引
作用による液体の吸収排除機能の低下に基づく許容レベ
ルを越える液量の残留等を生ずる。これらに起因する再
処理の必要、そのための大幅な生産性(能力)の低下・
作業の繁雑化、及び例えば鋼板の表面に多量の液膜、液
滴等が残留することによるプロセス上の問題(例えば熱
処理部炉内環境への影響)、残滓マークの発生等による
品質低下、等を招来する可能性がある。以上のような状
況は、前述の如く、高粘度液体の処理、又は高硬度大抵
抗のロール本体部を備える吸液ロールの使用に於ても、
異なった条件下に於て同様の挙動となって現れ得る(以
下、代表例として、高速回転高速処理用途に用いられる
吸液ロールに於て説明する)。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記に鑑み、本発明は、
高速回転する吸液ロールの空洞部に発生する流体による
遮閉層域の発生を外部気体の導入供給、又はベンチュリ
ーノズル状の増速吸引機構を介して、積極的に崩し排除
し、吸液ロールの真空吸引排液機能を常時維持する方法
を採用する。
【0006】即ち、吸液ロールの排液機能維持・回復方
法は、軸本体に空洞部を備えてなる吸液ロールを利用し
て被処理物流体を真空吸引排除する排液方法に於いて、
当該空洞部の内壁面に生ずる水等流体による遮蔽層域を
崩し、前記真空吸引排除機能を維持・回復する外部気体
供給、又は前記空洞部内部乃至はこれに連接して設けた
ノズル吸引手段等を採用する吸液ロールの排液機能維持
・回復方法である。
【0007】また本発明は、高速回転する吸液ロールの
空洞部に発生する流体による遮閉層域の発生を、外部気
体の強制導入により積極的に崩し、吸液ロールの真空吸
引排液機能を常時維持する構成をとっており、軸本体に
空洞部、同空洞部・ロール本体を連接する軸本体上の多
数の透孔、及び当該軸本体を囲繞するポーラスな組織を
備えるロール本体で構成される真空吸引による流体の排
除機能を備えた吸液ロールと、前記外部気体導入供給の
ため前記空洞部に連通する導入ポート、同外部気体導入
系機器と、で構成されている。
【0008】更に本発明は、軸本体に空洞部、同空洞部
・ロール本体を連接する軸本体上の多数の透孔、及び当
該軸本体を囲繞するポーラスな組織を備えるロール本体
で構成される真空吸引による流体の排除機能を備えた吸
液ロールと、この吸液ロールの空洞部内部ないしはこれ
に連接し吸引導通管側に配備し、上記流体の遮蔽層域の
排除をベンチュリー的効果を介し行うベンチュリー状流
体増速機構と、で構成されている。また本発明は、上記
構成の複合形により構成される。
【0009】
【作用】次に本発明の作用(真空吸引排液機能の維持並
びに回復)を説明する。例えば、図8に示す如く、(在
来の)ゴムロールBと排液機能維持・回復機構を備えた
(在来の)吸液ロール(以下、単に吸液ロールとする)
とを一対配備し、当該(在来の)ゴムロールと(在来
の)吸液ロール(以下、単に一対のロールとする。)間
に薬液処理済みの鋼板を通板(導入)する。作用状態に
ある吸液ロールは、真空吸引力が作用することによっ
て、ロール本体(ロールパッド部、パッド面)の有する
毛細管作用及び真空作用によって励起された吸引作用に
より、当該ロール本体内に吸引された液体は、前記吸引
作用によりロール本体の内部に導かれた後、ロール本体
の軸部に多数開設した透孔を介して、前記空洞部に導か
れ、過渡的かつ定状的な集液貯留状態を生ずる。この過
渡的液貯留部に作用するロール回転により生ずる遠心力
と前記真空吸引力との間の正常なバランス関係(即ち遠
心力<真空吸引力)が維持されている状況下では、前記
液貯留部は、定状的な量は保つものの流入と流出がバラ
ンスし、軸本体の連通孔及びこれに接続する真空系接続
配管系を介して、(在来の)吸液ロール外に排出(排
液)される。
【0010】以上の作用は、通常の速度、例えば通板速
度650m/min(ロール回転数約830rpm)では、通常
の真空値、例えば−650mmHg(運用条件下における真
空値、吸液状態ロール本体内液体の抵抗等により、非運
用状態真空値に比し高真空を示す)に於て正常に機能
し、特に上記排液機能回復機構を作動させる必要を生じ
ない。しかしながら、より以上の高速条件、例えば通板
速度1.000m/min(ロール回転数約1.275rpm)
条件に於ては、例えば−730mmHg程度の比較的高い真
空値が作用している状態に於ても、正常な状態の(排
液)維持は困難となり、上記排液機能維持・回復機構の
作動が不可避となる。
【0011】上記の如く、高速回転高速処理条件下で
は、連続処理状態に於て、初期的に現れる正常な機能状
態は前記液貯留量の増大にともなって過渡的に消滅し、
高速回転により空洞部に吸引された液貯留部に遠心力が
作用することにより、当該液貯留液部に作用する遠心力
と前記真空吸引力との間の正常なバランス関係(即ち遠
心力<真空吸引力)が維持されず、当該空洞部の内壁面
にこの内壁面に沿って遠心力による円筒状の液壁を生成
する状態となり、本来真空吸引機能が作用すべき透孔は
貯留液体で閉塞される(液体の遮蔽層域の形成)。この
ようにして、透孔が貯留液体で閉塞されることにより、
真空ポンプによるロール本体への真空吸引作用がほとん
ど機能しない状態を発生することにより、ロール本体内
部に浸潤した状態にある液体の移動が励起されない状態
を生じ、一般の不織布ロールに見られるロールパッド部
の飽和状態に近い状態を呈し、前記内壁面には水膜、層
状の水膜、水壁等の遮閉層域(以下、単に遮閉層域とす
る。)が形成された状態に於て、前記の如く、(在来
の)吸液ロールとしての真空吸引排液機能を喪失するに
至る。
【0012】そこで、本発明では、液の遮閉層域が形成
される前に、即ち、前記飽和状態を誘引する状態に移行
する液貯留部が生成されつつある空洞部内部に外部気体
を強制導入供給して、当該気体の真空域における膨張力
並びにこれにより生じる気体の移動、これにともなう流
体の随伴搬送力によって、当該遮蔽層域に移行する液貯
留部の挙動を崩し、前記流体の随伴搬送力による液の排
出を成し、液の遮蔽層域の生成を阻害し、当該液貯留液
部に作用する遠心力と真空吸引力との正常なバランス関
係を維持する構成とする。これによって、前記遮閉層域
の生成を常時未然に防止し、安定的な機能状態の維持を
可能とする。尚、図7に示す如く、当該外部気体の導入
供給により空洞部の真空値に幾分の影響を与えるが、制
御された極めて短時間(通常2〜3秒)の導入によって
は、その真空値は+50mmHg程度の変動に留まり、この
際のロール本体表面上における実測(局部測定)真空値
は−230mmHg程度を維持し、吸液ロールとしての実際
上の液吸収機能には、ほとんど影響を与えることがな
く、これは本出願人の実験計測結果でも証明されてい
る。そして、同図の如く、極短時間の内に外部気体導入
前の作用真空値を回復し(ロール本体上表にて−250
mmHg、局部測定による)、例えば5秒程度これを維持
し、先の外部気体導入の次サイクルにはいる。以上の如
く、少なくとも外部気体の強制導入供給を間欠的になす
ことにより、未然に遮閉層域の生成を回避し、常時安定
的に吸液ロールの真空吸引排液機能が維持され、遠心作
用に抗し所期の能力を有効に発揮し得るものとなる。
尚、吸液ロール条件、プロセス条件、作用真空装置能
力、鋼板等被処理物に要求される品質基準等、条件によ
り、外部気体の強制導入供給を常時定状的になす場合も
有り得る。
【0013】またベンチュリーノズル状の増速吸引機構
を採用する吸液ロールでは、図4〜図6に示す如く、真
空吸引力作用を小断面積ベンチュリー状ノズル部に集中
し、しかも空洞部の内壁面(液の遮蔽層域生成部)に作
用する構造とし、前記の如く、高速回転する(在来の)
吸液ロールの内壁面に遠心力により生成されている液の
遮蔽層域に、前記真空吸引力の作用が増幅された状態で
直接に作用し、増大した随伴搬送力並びに局部に作用す
る有効な吸引作用により積極的に遮蔽層域液を吸引排除
する。これによって、液の遮閉層域の生成を未然に回避
する構成となっている。尚、図6に示す例は、同機構の
変形例であり、空洞部中央部位長手方向に、当該空洞部
と略相似系のスペーサーコアを設け、空洞部内断面積を
制御し、前述の例と同様に、断面積変化によるベンチュ
リー効果をもって増幅された真空吸引力作用を積極的か
つより直接的に(在来の)吸液ロールの内壁面(液の遮
蔽層域生成部)に作用させることにより、前述の例と同
効を奏することを目的とする。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実例を図面を参照しながら
説明する。「本発明の」吸液ロールAは、軸部1a、1
bと軸部1cとでなる軸本体1と、当該軸本体1の外壁
面に設けた測板2,3を介して、毛細管機能を有し液の
吸収を行うポーラスな多孔体組織(ロールパッド部)を
成し、前記軸部1cを套嵌するロール本体4と、前記軸
受部1a及び/又は軸受部1bに連通された真空系接続
配管5と、を主構成要素とし、更に以下で詳述する空洞
部の内壁面に形成される液の遮閉層域の生成を阻害し、
当該「本発明の」吸液ロールAの真空吸引排液機能を維
持又は回復する各例構成を含み備えている。
【0015】尚、図中6、6aは軸本体1の軸受部1
a、1bに設けた連通孔、7は軸本体1の1c長手方向
に開設した空洞部、8は軸本体1の軸部1cに多数開設
し、かつ前記空洞部7に連通する透孔であり、これら連
通孔6、(6a)、空洞部7、及び多数の透孔8で、軸本
体1の真空吸引通路が構成される。また9は軸受けを示
す。
【0016】以下、真空吸引排液機能の維持又は回復手
段の各例を説明する。先ず、図1〜図3に示すそれぞれ
の例は、外部気体の強制導入供給を常時又は間欠的にな
す構成である。図1は外部気体導入配管系10に接続す
るノズル11を空洞部7内に位置させ、当該ノズル11
より外部気体空洞部7内に導入(供給)する方式で、通
常は間欠的にエアーを導入(限定されない、以下同じ)
する。また図2は軸受部1bの外方開口端に外部気体導
入配管系10を接続する構成を示している。
【0017】更に図3は軸受部1bに設けたロータリー
ジョイント12を介して外部気体導入配管系10を接続
する構成を示している。そして、各例とも外気を導入供
給しこれを制御するについて、「本発明の」吸液ロール
Aの上表面における液吸収機能に悪影響を与えない設定
を必要とし、或いはプロセス条件、被処理物のにたいす
る要求プロセスレベル等を考慮し、種々の内容が考えら
れる。また、導入外気は圧縮流体であってもよい。次
に、図4〜図6に示すそれぞれの例は、機構的な流路構
成をもって断面積変化によるベンチュリー効果により空
洞部7における真空吸引力作用を増幅し、かつ液の遮閉
層域が発生し易い空洞部7の内壁面7a近傍に直接作用
させる構成である。即ち、図4は空洞部7の収れん部7
bにスリット状隙間15を形成し、当該スリット状隙間
15より真空吸引力作用を増幅された状態で作用させる
構成である。また図5は収れん部7bに傘状のスペーサ
ー14を配備し、当該収れん部7bに導通孔16を形成
し、当該導通孔16より真空吸引力作用を増幅された状
態で作用させる構成である。更に図6は空洞部7内に、
かつ望ましくは内壁面7aと略相似形のスペーサーコア
部17を配備し、断面積変化によるベンチュリー効果を
もって増幅された真空吸引力作用を積極的かつより直接
的に真空吸引力を内壁面7aに作用させる構成である。
尚以上のベンチュリー効果を発揮させる構成は一例であ
るので、同効を奏する他の構成、例えば、分岐パイプを
用い集液を行う構成、傘状のスペーサーに換え外周部に
細孔を有するプレートにより流路を制御する構成等でも
勿論よい。
【0018】尚、図7は外部気体導入供給時間と、それ
による「本発明の」吸液ロールAの空洞部7内の真空値
と、ロール本体4上表面の真空値(局部測定)との関係
を示す模式図であり、当該外部気体導入供給によるロー
ル本体4上表面における真空値に与える影響は極めて少
なく、「本発明の」吸液ロールAの真空吸引排液機能低
下の点は、通常問題とならない。また図9は(在来の)
吸液ロールA’、「本発明の」吸液ロールA、及びゴム
ロールBについて同一高速回転高速処理(速度850m/
min)条件における能力比較例を示しており、殊に液体
が残留し易く能力の差が顕著に現れるエッジ部(鋼板の
端面に相当)について、XがゴムロールBによる残留液
量レベル、同Yが(在来の)吸液ロールA’による残留
液体量、同Zが本発明の吸液ロールAによる残留液体量
をそれぞれ示している。また図8は「本発明の」吸液ロ
ールAと(在来の)ゴムロールB構成による吸液状況を
説明する模式図であり、図10は(在来の)吸液ロール
A’と(在来の)ゴムロールBとによる吸液状況を説明
する模式図であり、図示の各数値で示す如く、液の遮閉
層域の発生による真空吸引排液・液排除(被処理物上表
の液の除去)機能の相違が明確に表示されている。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上で詳述した如く、(在来
の)吸液ロールに於ける高速処理領域等に於て、発生す
る液の遮閉層域を生成を阻害し、真空吸引排液機能を維
持・回復する外部気体強制導入供給方式、又はベンチュ
リー状流体増速機構により、排液機能を強化し、従来困
難であった処理条件下に於ても、高度の処理能力を維持
することが可能な「本発明の」吸液ロールであり、高速
度処理条件に対応する吸液ロール、高粘度液体処理を目
的とする「本発明の」吸液ロール又は高硬度大抵抗のロ
ール本体部を備える「本発明の」吸液ロールとして、常
時安定して真空吸引作用を維持し、機能を発揮すること
が可能となる。即ち、前記のような(在来の)吸液ロー
ル運用条件下に於て、生成される液の遮閉層域の生成を
未然に回避できる。又は遮閉層域が既に生成されている
場合、当該遮閉層域を確実かつ速やかに排除し、正常な
作用状態を回復し得る効果がある。また前記のような
(在来の)吸液ロール運用条件下に於て、「本発明の」
吸液ロールでは、真空吸引排液機能を常時安定して維持
し、これを管理することが可能となる。
【0020】また本発明は、(在来の)吸液ロールを部
分的な変更による例えば高速度処理目的に転換すること
も可能にする構造であって、装置の有効活用の他、例え
ば、機能の向上、合理化両面に於て、極めて有効な手段
を提供することができる。またその転換、再装備も、大
規模な変更を伴わない、所謂、合理的な内容を有し、設
備上の負担は厳しい効果対費用分析にも、十二分に耐え
得るものとなっている。さらに本発明を採用しても、
「本発明の」吸液ロールの製作上、又はコスト面に反影
される負担は、その効果並びに有用性より見て極めて軽
微と見られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸液ロールに外部気体導入供給用ノズルを装備
した例を示す断面図である。
【図2】吸液ロールに直接外部気体導入配管系を接続し
た例を示す断面図である。
【図3】図2の他の例を示す断面図である。
【図4】吸液ロールの収れん部に傘状のスペーサーコア
を装備しスリット状隙間を形成した一例を示す断面図で
ある。
【図5】吸液ロールの収れん部に傘状のスペーサーを装
備し導通孔を設けた一例を示す断面図である。
【図6】吸液ロールの空洞部に略相似形のスペーサーコ
アを装備した一例を示す断面図である。
【図7】空洞部とロール本体上表面の真空値を対比する
模式図である。
【図8】吸液ロールによる通板処理の状態を説明する模
式図である。
【図9】在来のゴムロール、在来吸液ロール、並びに本
発明の吸液ロールのプロセス結果(能力)を示す模式図
である。
【図10】在来吸液ロールによる通板処理の状態を説明
する模式図である。
【符号の説明】
1 軸本体 1a 軸受部 1b 軸受部 1c 軸部 2 側板 3 側板 4 ロール本体 5 真空接続配管系 6 連通孔 6a 連通孔 7 空洞部 7a 内壁面 7b 収れん部 8 透孔 9 軸受 10 外部気体導入配管系 11 外部気体導入供給ノズル 13 ロータリージョイント 14 傘状のスペーサー 15 スリット状隙間 16 導通孔 17 略相似形のスペーサーコア A 「本発明の」吸液ロール B (在来の)ゴムロール A’ (在来の)吸液ロール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【従来の技術】在来の真空吸引ロール(以下、在来の吸
液ロールとする)を利用する、高速処理条件下に於て高
速移行する鋼板処理について、図10をもとに説明す
る。先ず、図10の如く、在来吸液ロールと例えばゴム
ロール(通常の構造)とを一対として設備した装置に於
て、当該吸液ロールへの被処理物進入条件並びに設備条
件等として、そのロール径をφ250mm、作用真空値は
一例として−730mmHg(運用条件下における真空値、
吸液状態ロール本体内液体の抵抗等により、非運用状態
真空値に比し高真空を示す)、在来吸液ロールの回転速
度を1275rpmとする。そして、鋼板の進入側(入口
側)における鋼板上表面における流体の残留量(入口条
件)を約1g/m2程度とした場合、図示の如く、当該ロー
ル外への飛沫飛散の発生が顕著となり、真空吸引により
在来吸液ロール外に排出されるべき流体量は、極めて微
小(実際上、ほぼ0に近い)となる。また鋼板の搬出側
(出口側)で0.8〜0.9g/m2である。したがって、
在来ロールの真空吸引排除機能が、全くといっていいほ
ど作用していないことが判明する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】 そして、その原因を探求してみると、図10の如く、高
速回転(一例として)する在来吸液ロールの遠心力によ
り、空洞部の内壁面に水膜、層状の水膜、水壁(液膜、
層状の液膜、液壁)等の遮蔽層域が形成され、ロール本
体内部に浸潤した状態にある液体の移動が励起されない
状態を生じ、真空ポンプによるロール本体への真空吸引
作用がほとんど機能していない状態となることがあるこ
とが判明した。通常このような状況は、高速処理の場
合、鋼板処理に於て、在来吸液ロール径がφ250mmの
場合、通板速度800〜850m/min(回転速度100
0〜1100rpm)の状況下で発生している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】 以上の作用は、通常の速度、例えば通板速度650m/mi
n(ロール回転数約830rpm)では、通常の真空値、例
えば−650mmHg(運用条件下における真空値、吸液状
態ロール本体内液体の抵抗等により、非運用状態真空値
に比し高真空を示す)に於て正常に機能し、特に上記排
液機能回復機構を作動させる必要を生じない。しかしな
がら、より以上の高速条件、例えば通板速度1000m/
minロール回転数約1275rpm)条件に於ては、例え
ば−730mmHg程度の比較的高い真空値が作用している
状態に於ても、正常な状態の(排液)維持は困難とな
り、上記排液機能維持・回復機構の作動が不可避とな
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【実施例】以下、本発明の一実例を図面を参照しながら
説明する。「本発明の」吸液ロールAは、軸部1a、1
bと軸部1cとでなる軸本体1と、当該軸本体1の外壁
面に設けた測板2、3を介して、毛細管機能を有し液の
吸収を行うポーラスな多孔体組織(ロールパッド部)を
成し、前記軸部1cを套嵌するロール本体4と、前記軸
受部1a及び/又は軸受部1bに連通された真空系接続
配管5と、を主構成要素とし、更に以下で詳述する空洞
部の内壁面に形成される液の遮閉層域の生成を阻害し、
当該「本発明の」吸液ロールAの真空吸引排液機能を維
持又は回復する各例構成を含み備えている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸本体に空洞部を備えてなる吸液ロール
    を利用して被処理物流体を真空吸引排除する排液方法に
    於いて、 当該空洞部の内壁面に生ずる水等流体による遮蔽層域を
    崩し、前記真空吸引排除機能を維持・回復する外部気体
    供給、又は前記空洞部内部乃至はこれに連接して設けた
    ノズル吸引手段等を採用する吸液ロールの排液機能維持
    ・回復方法。
  2. 【請求項2】 軸本体に空洞部、同空洞部・ロール本体
    を連接する軸本体上の多数の透孔、及び当該軸本体を囲
    繞するポーラスな組織を備えるロール本体で構成される
    真空吸引による流体の排除機能を備えた吸液ロールと、 この吸液ロールの空洞部に外部気体を供給する気体導入
    供給装置と、 で構成されている吸液ロールの排液機能維持・回復方法
    に使用する排液機構。
  3. 【請求項3】 軸本体に空洞部、同空洞部・ロール本体
    を連接する軸本体上の多数の透孔、及び当該軸本体を囲
    繞するポーラスな組織を備えるロール本体で構成される
    真空吸引による流体の排除機能を備えた吸液ロールと、 この吸液ロールの空洞部内部ないしはこれに連接し吸引
    導通管側に配備したベンチュリー状流体増速機構と、 で構成されている吸液ロールの排液機能維持・回復方法
    に使用する排液機構。
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