JP2007254771A - ウエブの移送方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブライドルローラによる高いウエブ保持力を長時間にわたって維持することのできるウエブの移送方法及び装置を提供する。
【解決手段】ウエブの移送装置は、湿式表面処理工程を含むウエブの一貫連続表面処理ラインで用いられ、液体を外周面に噴射して液膜を形成したブライドルローラ12でウエブを移送する。ブライドルローラ12の外周面を通水性部材32で形成するとともに、ブライドルローラ12の軸芯部からエアを吸引することによって、ブライドルローラ12の外周面に形成した液膜の厚みを調整し、且つ、ブライドルローラ12の内部に吸引された液体を排出管31によってブライドルローラ12の外部に排出する。
【選択図】 図2

Description

本発明はウエブの移送方法及び装置に係り、特に金属の帯状材料のようなウエブを液媒体雰囲気中でブライドルローラによりスリップなく安定して走行させるウエブの移送方法及び装置に関する。
PS版&CTPプレート表面処理工程では、アルミニウムウエブの表面を脱脂、水洗、酸洗、アルカリ・酸・電解エッチング、陽極酸化処理などを行う際に、ウエブを液媒体雰囲気中で搬送している。その際、各工程におけるウエブの張力は、表面処理条件およびウエブのサイズによって異なるため、張力をある範囲に精密に制御する必要がある。そこで、各工程の要所にブライドルローラを設けて、ローラ入口とローラ出口で張力差のあるウエブを搬送している。
ブライドルローラ部の入口では水洗工程が設けられており、酸液、アルカリ液、異物などが洗い流される。ウエブは、表裏とも水洗スプレーされ、ウェットな状態でブライドルローラに搬送される。そこで、ブライドルローラとして不織布ローラを使用することによって、ウエブのスリップを防止し、安定な搬送を維持している(特許文献1参照)。
ところで、ウエブは、前述した種々の表面処理方法で液体媒体雰囲気中を搬送されるため、スケールや塵を同伴している。このため、前述の水洗で除去できないスケールや塵が不織布へ付着すると、ウエブに傷を発生させるという問題が発生する。これを防止するため、特許文献2では、水をローラ表面にスプレーし、ウエブが接触する全面にムラなく行き渡らせて水膜を形成することによって、不織布の接着力を落とし、ウエブに傷が発生することを防止している。
このようなブライドルローラにおいて、不織布とウエブとの間に介在する水膜は、ライン速度を上げるとともに厚くなる。このため、ローラのウエブグリップ力がダウンし、前述の張力を精密に制御することができなくなる。これを回避するために、従来は、ブライドルローラを増設してブライドル一本当たりの負荷を軽減させるか、或いは、張力差を吸収するニップローラを設置することで対処していた。
しかし、ブライドルローラの増設は設備投資負荷が大きいという問題があり、また、ニップローラの設置はその圧力が品質に影響するなどの問題があった。
そこで、本発明の発明者は、ブライドルローラとしてサクションローラを採用し、その外周面から吸引を行うことによってブライドルローラの外周面の液膜厚さを調節する方法を提案した(特許文献3参照)。サクションローラは通常、特許文献4に記載されるローラのように、空洞のローラ軸芯部から吸引を行うことによって、ローラシェル内に溜まる液をサクション風とともに排出する構成になっている。
図10は、サクションローラを適用したブライドルローラの断面図である。同図に示すブライドルローラ1は、ローラ本体2を有し、このローラ本体2の外周面に不織布3が取り付けられている。ローラ本体2は円筒状に形成されており、このローラ本体2の外周面に多数の孔2A、2A…が形成されている。ローラ本体2の軸芯部にはシャフト4が貫通した状態で取り付けられており、このシャフト4の一端がモータ5に連結されて回転するようになっている。また、シャフト4には孔4A、4Aが形成されるとともに、シャフト4の他端は回転継手6を介して吸引ポンプ7に接続されており、吸引ポンプ7を駆動することによってローラ本体2内のエアが孔4Aを介して吸引され、排出される。このように構成されたブライドルローラ1は、吸引ポンプ7によってローラ本体2内から吸引を行うことによって、ブライドルローラ1の下方のノズル8から噴射された水が不織布3を介してローラ本体2内に吸引されるので、ローラ本体2の外周面の液膜厚さを調節することができる。
特開平1−313246号公報 特開平5−105295号公報 特願2006−20262号 特許第2859788号公報
しかしながら、上述した構成のブライドルローラ1は、吸引ポンプ7の排気風量を大幅に上げないと、ローラ本体2の内部に多くの水が残るという問題があった。このため、時間が経つにつれてブライドルローラ1の表面の液膜が厚くなり、ウエブ保持力が低下するという不具合があった。特に、ウエブを高速(100m/分以上の速度)で移送した際には、ブライドルローラ1によるウエブ保持力を十分に確保できなくなるという不具合があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ブライドルローラによる高いウエブ保持力を長時間にわたって維持することのできるウエブの移送方法及び装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、湿式表面処理工程を含むウエブの一貫連続表面処理ラインで、中空円筒状に形成されるとともにその外周面が通水性を有するローラの外周面に液体を噴射して液膜を形成したブライドルローラにより、ウエブを移送するウエブの移送方法において、前記ブライドルローラの外周面の液体を該ブライドルローラの内部に吸引することによって、前記ブライドルローラの外周面に形成した液膜の厚みを調整するとともに、前記ブライドルローラの内部に吸引された液体を排液手段によって前記ブライドルローラの外部に排出することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ブライドルローラの内部に吸引された液体を排液手段によってブライドルローラの外部に排出するので、ブライドルローラの内部に液体が溜まることを防止できる。したがって、請求項1の発明は、ブライドルローラの外周面の液膜が時間とともに厚くなることを防止することができ、液膜を所望の厚み(たとえば、100μm以下)に維持することができる。これにより、請求項1の発明は、ウエブを高速(特に250m/分以上の速度)で移送した場合にも、ブライドルローラによるウエブ保持力を十分に確保することができる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記排液手段は、前記ブライドルローラの内部に設けられ、該ブライドルローラを支持するロータリージョイントに支持されるとともに、前記ブライドルローラの内周面の下端位置近傍に開口された排出管を備え、該排出管の開口から前記ブライドルローラの内部の液体を吸引して排液することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、排出管によってブライドルローラ内の液体を排液するようにしたので、ブライドルローラ内に液体が溜まることを確実に防止することができる。
請求項3に記載の発明は請求項1の発明において、前記排液手段は、前記ブライドルローラの内部に該ブライドルローラと同軸上に配置されるとともに、その外周面が前記ブライドルローラの内周面に対して所定の隙間を持って配置された内筒を備え、前記ブライドルローラの内部に吸引された液体は、該ブライドルローラの内周面と前記内筒の外周面との隙間を介して排液されることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、ブライドルローラの内部に内筒を設けて二重筒構造とすることによって、ブライドルローラの内部に液体が溜まりにくくなり、ブライドルローラの外周面の液膜を所望の厚さに維持することができる。
請求項4に記載の発明は前記目的を達成するために、湿式表面処理工程を含むウエブの一貫連続表面処理ラインで、前記ウエブを移送するウエブの移送装置において、中空円筒状に形成されるとともにその外周面が通水性を有するブライドルローラと、前記ブライドルローラの外周面に液体を噴射することによって該ブライドルローラの外周面に液膜を形成する液膜形成手段と、前記ブライドルローラの外周面に形成された液膜の厚みを調整するために、前記ブライドルローラの外周面の液体を該ブライドルローラの内部に吸引する吸引手段と、前記ブライドルローラの内部に吸引された液体を該ブライドルローラの外部に排出する排液手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、排液手段を設けたので、ブライドルローラ内に液体が溜まることを防止することができ、ブライドルローラの外周面の液膜を所望の厚みに長時間維持することができる。よって、ブライドルローラによるウエブ保持力を十分に確保することができる。
本発明によれば、ブライドルローラの内部に吸引された液体を排液手段によってブライドルローラの外部に排出し、ブライドルローラ内に液体が溜まることを防止するようにしたので、ブライドルローラの外周面の液膜が時間とともに厚くなることを防止することができ、ブライドルローラによるウエブ保持力を十分に確保することができる。これにより、ブライドルローラの本数を減らして設備コストを減少させることが可能となる。
以下、添付図面に従って本発明に係るウエブの移送方法及び装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るウエブの移送装置10の構成を模式的に示す側面図である。同図に示すように、二本のブライドルローラ12、12の場合のウエブの移送装置10は、三個のパスローラ14、14、14と、四個のスプレー16、16…を備えている。パスローラ14とブライドルローラ12は交互に配置されており、このパスローラ14とブライドルローラ12にウエブ20が交互に巻きかけられる。各スプレー16は、パスローラ14の下方、あるいは、ブライドルローラ12の下方に設けられており、パスローラ14に巻きかけられたウエブ20、あるいは、ブライドルローラ12に巻きかけられたウエブ20に向けて水を上方に噴射するように構成される。
図2は、ブライドルローラ12の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、ブライドルローラ12は、芯金シェルとなるローラ本体30と、このローラ本体30の外周面に設けられた通水性部材32によって構成される。
ローラ本体30は、中空円筒状に形成されるとともに、その外周面に多数の貫通孔30A、30A…が全面にわたって均等に形成されている。ローラ本体30の開口率は、0.5%以上1.0%以下、好ましくは0.5%以上0.8%以下に設定される。開口率がこの範囲よりも大きいと、貫通孔30Aに通水性部材32が落ち込んでブライドルローラ12の表面に凹凸ができたり、或いは、後述の真空ポンプ34による吸引力を増加させなければならず、真空ポンプ34の負荷が大きくなるという問題が発生する。反対に、開口率が上記の範囲よりも小さいと、ブライドルローラ12からの液体の吸引量が不足して水膜が厚くなるという問題が発生する。
ローラ本体30は、一方の端部がモータ36に接続されており、このモータ36によってローラ本体30が回転駆動される。ローラ本体30の回転速度は、ウエブ20の速度に応じて制御される。
また、ローラ本体30は、もう一方の端部が回転継手(ロータリージョイント)33を介して真空ポンプ34に接続されており、この真空ポンプ34によってローラ本体30の内部から吸引が行われる。
ローラ本体30の内部には、排液手段として、排出管31が設けられている。排出管31の基端部は、回転継手33によってローラ本体30の軸芯に沿って支持されており、ローラ本体30が回転しても排出管31が回転しないようになっている。
排出管31は、途中で屈曲されており、その先端部31Aの開口がローラ本体30の内周面の下端位置近傍に配置されるようになっている。すなわち、排出管31の先端部31Aの開口は、ローラ本体30の内周面のうち、最も下端に位置する部分に対して若干の隙間をもって配置されている。これにより、排出管31の先端開口から吸引を行うことによって、ローラ本体30の内部の液体を排出管31から確実に排出することができる。
また、排出管31は、その基端側が前述の真空ポンプ34に連通されており、真空ポンプ34によって排出管31から液体を吸引できるようになっている。真空ポンプ34は、中和処理装置39に接続されており、真空ポンプ34で吸引した廃液に含まれる酸液やアルカリ液を中和して排出するように構成される。なお、真空ポンプ34は、ローラ本体30の内部からのエアの吸引と、排出管31からの排液を行うことによって排出風に液が混ざるため、水封式真空ポンプを使用することが好ましい。一般のドライ式の真空ポンプを用いた場合には、中間タンクで排液をトラップする装置を使用することが好ましい。
真空ポンプ34は前述した制御装置38に接続されており、この制御装置38によって駆動制御される。制御装置38は、ブライドルローラ12の大きさに基づいて真空ポンプ34を制御する。たとえば、ブライドルローラ12のローラ直径φ200〜φ500、ローラ面長1000mm〜2000mmの場合に、真空圧力30kPa好ましくは50kPa、排出風量で3m/分以上好ましくは6m/分以上になるように制御する。
一方、通水性部材32は、たとえば不織布によって構成されている。この通水性部材32は、耐磨耗性のため硬度70度以上好ましくは90度以上で、且つ、引張強度70kgf/5cm好ましくは90kgf/5cmで構成される。また、通水性部材32は、耐薬品性のためにポリエステル系繊維或いはポリプロピレン系繊維で構成され、ウエブの高保持力のために表面粗さRa10μm以上好ましくはRa20μm以上で構成される。
さらに、通水性部材32は、通水性の面で、50kPa真空圧力、φ350mmローラ面長幅1m当たり4.5m/分吸引風量、および、ブライドルローラ12への30L/分の水スプレー噴射の条件で、5L/分以上の吸引排出量を確保できる材質とする。また、通水性部材32は、通気性の面で、通水性部材32がローラ製作時のドライ状態でφ350ローラ面長幅1m当たり4.5m/分吸引排気する際に、ローラ内真空圧力が30kPa以上は上がらない材質とする。
図2に示すように、スプレー16は、ブライドルローラ12の幅方向に一定の間隔で複数のノズル16A、16A…を有しており、このノズル16A、16A…からブライドルローラ12に向けて水を噴射することで、ブライドルローラ12の表面に均等に水膜を形成するようになっている。なお、スプレー16には、水または後述の実液工程22に使用される実液が供給される。また、スプレー水量は、たとえば、ローラ面長1m当たり10L/分〜90L/分に設定される。
上記の如く構成されたウエブの移送装置10は、たとえば一貫連続処理ラインの表面処理工程に用いられ、ブライドルローラ12がウエブ20をある張力で引っ張って、ウエブ20を右方向に移送するように構成される。
図3は、本発明のウエブの移送装置10が適用される一貫連続処理ラインの一例を示す模式図である。同図に示すように、一貫連続処理ラインは実液工程22、水洗工程24、実液工程26、及び、水洗工程28等から成り、ウエブの移送装置10は実液工程22内に設けられている。この場合、ウエブ20はウエブの移送装置10で右方向に移送されて、実液工程22で表面処理された後、水洗工程24を通り、他の実液工程26で表面処理され、その後、水洗工程28で水洗処理が行われる。
実液工程22内のウエブ20には処理液が付着している。しかし、ブライドルローラ12が不織布ローラによって構成されているため、その摩擦特性により、濡れていてもスリップせず、ウエブ20の張力を適度に保持することができる。さらに、ブライドルローラ12に使用されている不織布ローラの表面、及びウエブ20の表面にスプレー16で液滴が付着されているので、ブライドルローラ12及びパスローラ14へのスケールや塵等の異物の付着を防止するととともにブライドルローラ12及びパスローラ14に既に付着しているスケールや塵等の異物を除去することができる。
また、本実施の形態では、ブライドルローラ12のローラ本体30に多数の貫通孔30A、30A…を形成し、さらにその外側に通水性部材32を設けることでブライドルローラ12の外周部に通水性を持たせ、且つ、ローラ本体30の内部から真空ポンプ34で気体を吸引するようにしたので、スプレー16から噴射されてブライドルローラ12の表面に付着した液体がローラ本体30の内部に吸引される。これにより、ブライドルローラ12表面の水膜の厚さを適切な値に制御することができ、たとえばウエブ20が接触する位置における水膜の厚さを100μm以下に制御することができる。水膜の厚さを100μm以下に制御することによって、ブライドルローラ12の回転速度(ウエブ20のラインスピード)をたとえば250mpmの高速にした場合にも、高いウエブ保持力を維持することができる。
次に上記の如く構成されたウエブの移送装置10の作用について説明する。上述したように、本実施の形態は、ブライドルローラ12の外周部に通水性を持たせるとともに、真空ポンプ34によってブライドルローラ12の軸芯部から吸引を行うようにしたので、ライドルローラ12の外周面に付着した液体はローラ本体30の内部に吸引される。
従来装置の場合、ローラ本体30内に吸引された液体は、真空ポンプ34の吸引圧力を大きくしても、ローラ本体30内に溜まってしまうため、ブライドルローラ12の外周面の液膜が徐々に厚くなって、ブライドルローラ12によるウエブ保持力が低下するという問題を発生する。
これに対して、本実施の形態は、ローラ本体30の内部に排出管31を設けているので、ローラ本体30の内部に吸引された液体は、ローラ本体30の内部に溜まることなく、外部に排液される。したがって、ローラ本体30の内部に液体が溜まることによって前記水膜が厚くなることを防止でき、水膜の厚みを適切な範囲に長期間にわたって維持することができる。これにより、ブライドルローラ12によるウエブ20の高い保持力を長期間にわたって維持することができる。
なお、上述した実施形態では、ブライドルローラ12内からの排液手段として、排出管31を用いたが、排液手段はこれに限定するものではなく、ブライドルローラ12の本体ローラ30内の液体を排液できる手段であればよい。
また、上述した実施の形態は、真空ポンプ34によってブライドルローラ12内からのエア吸引と排液の両方を行うようにしたが、エア吸引と排液を別々のポンプで行うようにしてもよい。すなわち、排出管31を真空ポンプ34とは別の排液ポンプに接続し、この排液ポンプによってブライドルローラ12内からの排液を行うようにしてもよい。この場合、排液ポンプに中和処理装置39を接続することが好ましい。
図4は、別の排液手段を備えたブライドルローラ50の断面図である。同図に示すブライドルローラ50は、シャフト52に円筒状のローラ本体54が取り付けられており、シャフト52の一端がモータ36に連結されている。また、シャフト52の他端は回転継手33に連結され、さらに真空ポンプ34に接続されている。真空ポンプ34は、制御装置38によって制御されており、その吸引圧力と吸引風量が上記の如く制御される。真空ポンプ34は、中和処理装置39に接続されており、真空ポンプ34で吸引した廃液に含まれる希薄な酸液やアルカリ液を中和して排出するように構成される。
シャフト52には貫通孔52A、52Aが形成されており、この貫通孔52Aを介してローラ本体54内のエアが吸引されるようになっている。
ローラ本体54は、図2のローラ本体30と同様に、その外周面に多数の貫通孔54A、54A…が全面にわたって均等に形成されている。ローラ本体30の開口率は、0.5%以上1.0%以下、好ましくは0.5%以上0.8%以下に設定される。
ローラ本体54の内部には、排液手段である内筒56が設けられる。内筒56は、シャフト52に取り付けられており、ローラ本体54と同軸状に設けられている。また、内筒56は、その外周面が、ローラ本体54の内周面に対して、僅かな隙間(たとえば、4mm以上10mm以下、好ましくは4mm以上5mm以下)をもって配置されている。なお、内筒56は、その外周面がローラ本体54の貫通孔54Aに対向し、且つ、シャフト52の貫通孔52Aを閉塞しないように配置されている。
上記の如く構成されたブライドルローラ50は、内筒56を設けたことによってローラ本体54内のスペースが小さくなるので、ローラ本体54内に吸引された液体は、ローラ本体54の内周面と内筒56の外周面との隙間を介して貫通孔52Aに送られ、シャフト52を介して外部に排出される。したがって、ローラ本体54の内部に液体が溜まることがないので、ブライドルローラ12の外周面の水膜が厚くなってウエブ保持力が低下することを防止することができる。
なお、ブライドルローラ12、12の配置は上述した実施の形態に限定されるものではなく、たとえば図5に示すように、二つのブライドルローラ12、12に対してそれぞれウエブ20の反対側の面が当接するように配置してもよい。この場合、スプレー16はウエブ20の両面側に設けられているので、ウエブ20の両面にスプレーされる。このような実施形態の場合にも、各ブライドルローラ12、12の外周面に通水性を持たせるとともに、ブライドルローラ12の内部から吸引を行うことによってブライドルローラ12の表面の水膜の厚さを調整することができる。また、ブライドルローラ12に排液手段を設けることによって、ブライドルローラ12の内部に液体が溜まることを防止でき、前記水膜を所望の厚みに長時間維持することができる。これにより、ブライドルローラ12によるウエブ20の高い保持力を維持することができる。
また、上述した実施形態では、一貫連続処理ラインに二本のブライドルローラ12、12を設けたが、ブライドルローラ12の本数はこれに限定するものではなく、ブライドル部の前後におけるウエブ20の張力差によって適宜設定するとよい。
図6、図7に示す試験装置によって試験を行った。図6、図7に示すブライドルローラ12は、図2に示したブライドルローラ12と同様に構成した。
この試験装置では、ウエブ20のブライドルローラ12とのニップ部分に三個の渦流式センサ40を設け、この渦流式センサ40で水膜厚さを測定した。渦流センサ40の位置は、図6に示すようにウエブ20から所定の間隔t(たとえば7.5mm)になるように、そして、図7に示すように千鳥状に配置した。なお、渦流センサ40の個数や配置は上記に限定するものではなく、たとえばニップ部分の中央に一つだけ設けてもよい。
また、図7に示す試験装置では、ウエブ20の一方の端部にウエイト42を吊り下げて荷重Tをかけるとともに、ウエブ20の他方の端部にロードセル44を接続して荷重(T+ΔT)を測定した。さらに、ブライドルローラ12のウエイト42側のパスローラ14を上下に位置調節できるようにし、ウエブ20のラップ角度θを調節できるようにした。この試験装置において上記のθ、T、T+ΔTから、次式、μ=(1/θ)・ln((T+ΔT)/T)、により、保持力(動摩擦力)を求めた。
上記の如く構成された試験装置において、まず、比較例として、排液手段(図2の排水管31)がない場合について試験した。
その際の試験条件としては、ローラ面長300mm、φ350mmのブライドルローラ12を用いるとともに、張力(ウエイト)10kgの0.3mm厚、200mm幅のアルミニウム製のウエブ20の条件で、真空圧力を50kPa、ラップ角θを60°、ラインスピードを150mpm、とした。そして、スプレーの給水量を3L/m、9L/m、15L/mと変化させて試験を行った。その結果を図8に示す。
図8から分かるように、排液手段のない比較例では、スプレーの給水量に関わらず、ウエブ保持力が試験開始後10分を超える当たりから徐々に低下し始めるという結果が得られた。これは、ブライドルローラ12の内部に液体を吸引して水膜厚さを調整したことによって、ローラ本体30の内部に液体が溜まり、水膜厚さが徐々に厚くなってウエブ保持力が低下したためである。また、図8から分かるように、給水量が増えるほど、水膜が厚くなりやすく、ウエブ保持力が低下しやすいという結果が得られた。
一方、本実施の形態における実施例として、排液手段(図2の排出管31)を設けた状態で試験を行った。なお、他の試験条件は、比較例と同様にして行った。その結果を図9に示す。
図9から分かるように、廃液手段を用いた実施例では、試験開始後10分を超えても、ウエブ保持力は低下せず、高い値を維持するという結果が得られた。これは、廃液手段を設けたことによって、ローラ本体30の内部に吸引された液体がローラ本体30内に溜まることなく排出されるためであり、これによって、水膜厚さが厚くなることを防止でき、高いウエブ保持力を維持できるという結果が得られた。
ウエブの移送装置の構成を模式的に示す側面図 ブライドルローラの構成を模式的に示す正面断面図 ウエブの移送装置が適用される一貫連続処理ラインの構成を示す模式図 図2と異なる排液手段を設けたブライドルローラの構成を示す正面断面図 図1と異なる構成のウエブの移送装置を示す側面図 ウエブ保持力の試験装置を示す正面図 図6の試験装置を示す平面図 従来装置で試験したウエブ保持力の経時変化を示す図 本実施形態で試験したウエブ保持力の経時変化を示す図 従来のブライドルローラの構成を示す断面図
符号の説明
10…ウエブの移送装置、12…ブライドルローラ、14…パスローラ、16…スプレー、30…ローラ本体、31…排出管、32…通水性部材、34…真空ポンプ、36…モータ、38…制御装置、39…中和処理装置

Claims (4)

  1. 湿式表面処理工程を含むウエブの一貫連続表面処理ラインで、中空円筒状に形成されるとともにその外周面が通水性を有するローラの外周面に液体を噴射して液膜を形成したブライドルローラにより、ウエブを移送するウエブの移送方法において、
    前記ブライドルローラの外周面の液体を該ブライドルローラの内部に吸引することによって、前記ブライドルローラの外周面に形成した液膜の厚みを調整するとともに、
    前記ブライドルローラの内部に吸引された液体を排液手段によって前記ブライドルローラの外部に排出することを特徴とするウエブの移送方法。
  2. 前記排液手段は、
    前記ブライドルローラの内部に設けられ、該ブライドルローラを支持するロータリージョイントに支持されるとともに、前記ブライドルローラの内周面の下端位置近傍に開口された排出管を備え、
    該排出管の開口から前記ブライドルローラの内部の液体を吸引して排液することを特徴とする請求項1に記載のウエブの移送方法。
  3. 前記排液手段は、
    前記ブライドルローラの内部に該ブライドルローラと同軸上に配置されるとともに、その外周面が前記ブライドルローラの内周面に対して所定の隙間を持って配置された内筒を備え、
    前記ブライドルローラの内部に吸引された液体は、該ブライドルローラの内周面と前記内筒の外周面との隙間を介して排液されることを特徴とする請求項1に記載のウエブの移送方法。
  4. 湿式表面処理工程を含むウエブの一貫連続表面処理ラインで、前記ウエブを移送するウエブの移送装置において、
    中空円筒状に形成されるとともにその外周面が通水性を有するブライドルローラと、
    前記ブライドルローラの外周面に液体を噴射することによって該ブライドルローラの外周面に液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記ブライドルローラの外周面に形成された液膜の厚みを調整するために、前記ブライドルローラの外周面の液体を該ブライドルローラの内部に吸引する吸引手段と、
    前記ブライドルローラの内部に吸引された液体を該ブライドルローラの外部に排出する排液手段と、
    を備えたことを特徴とするウエブの移送装置。
JP2006077582A 2006-03-20 2006-03-20 ウエブの移送方法及び装置 Pending JP2007254771A (ja)

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