JP6515295B2 - ロールの洗浄方法及びロール洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の通板中においても、製品不良を生じさせることなく、鋼板と接触するロールの表面を洗浄することのできるロールの洗浄方法及びロール洗浄装置に関する。
製鉄プロセスでは、鋼板の表面に、潤滑向上剤等の各種の表面処理液(以下、単に「処理液」と称することもある。)を付着させる化成処理が広く行われている。化成処理セクションでは、表面処理液の付着した鋼板が、各種の鋼板接触ロール(以下、単に「ロール」と称することもある。)を用いて搬送される。この際に、鋼板とロールとが接触し、ロールに接触する鋼板の裏面(又は表面のこともある。)からロールの表面へ、表面処理液が転写される。鋼板の搬送を続けるに従って、ロールの表面には表面処理液が層状に蓄積されていく。
ロールの表面に処理液の層が蓄積されていくと、前述した転写とともに、ロールの表面から鋼板の裏面へと表面処理液が逆転写する現象が生じるようになる。ロールの表面における処理液の付着量に応じて、鋼板からロールへの処理液の転写量とロールから鋼板への処理液の逆転写量とが変動するので、対象材(最終製品となる鋼板)の通板の間にも鋼板裏面に表面処理液のムラが発生する。具体的に、通板当初は、ロールの表面における処理液の付着量が少ないことから、鋼板からロールへの処理液の転写量が相対的に多く、ロールの出側における鋼板裏面の処理液の付着量は少なくなる。一方で、通板してから所定の時間が過ぎた後は、ロールの表面には多量の処理液が付着しており、転写量が相対的に少なくなるので、ロールの出側における鋼板裏面の処理液の付着量は多くなる。特に、連続して通板を行う1サイクルにおける対象材の処理量が多い場合には1サイクル内での鋼板表面のムラが大きくなるので、1サイクル内での鋼板裏面の処理液の付着量が一様となるように、サイクルの途中でロールを洗浄することが望まれる。
鋼板の化成処理セクションにおける洗浄機構について開示した文献として特許文献1が挙げられる。特許文献1には、媒介物質を鋼板の両面に付与して、この媒介物質を介して超音波を付与するキャビテーション処理を行うことで、鋼板両面の油分を連続洗浄する装置が開示されている。
また、薬液が付着したロールの洗浄を行う機構について開示した文献として特許文献2が挙げられる。特許文献2には、薬液が付与された連続シートと接触するロールの薬液起因の汚物を洗浄するために、高圧流体をロールへ噴射しつつ除去した紙粉等の汚物を含む流体を吸引することが開示されている。
特開2014−65970号公報 特開2013−13433号公報
特許文献1に記載された発明は、超音波洗浄するための媒介物質を鋼板の表面に付与することを必須としている。しかし、このような媒介物質を付与する技術を、ロールの洗浄に適用することは難しい。
また、特許文献2のようなロール洗浄技術を、鋼板の化成処理セクションにおけるロールの洗浄に適用することには問題がある。理由として、鋼板の通板中には鋼板からロールへの表面処理液の付着量(転写量)と、ロールから鋼板への表面処理液の付着量(逆転写量)とが所定のバランス下にあるが、高圧水等でロールの表面を完全に洗浄してしまうと、転写量と逆転写量とのバランスが崩れ、ロールの洗浄直後に転写量が相対的に急増することとなり、一時的に鋼板裏面における表面処理液の付着量が極端に少なくなり、不良な鋼板を産生してしまうことが挙げられる。
ロールの洗浄直後における製品不良の発生を防止するために、従来は、対象材(最終製品となる鋼板)を通板している間はロールの洗浄を行わず、対象材の通板サイクルが終了した後に、ダミー用の通板材(最終製品とはならない鋼板)を通板しながら、ドクターブレード等を用いてロールの表面の処理液層を掻き取ることにより、ロールの洗浄作業を行っている。
しかし、この方法では、ダミー用の通板材を通板している間は対象材の通板を行うことができないので、ラインの生産効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、洗浄直後における製品不良の発生を防止しつつ、対象材を連続的に通板させながらロールの洗浄を行うことのできるロールの洗浄方法及びロール洗浄装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]鋼板に処理液を付着させる連続処理ラインにおいて、処理液が付着した後の鋼板に接触するロールの洗浄方法であって、前記鋼板が前記ロールとの接触を終了する接触終了部から、前記鋼板が前記ロールとの接触を開始する接触開始部までの間における、ロールの表面の少なくとも一部を洗浄カバーにて覆い、前記洗浄カバーの内部において、前記ロールの表面に洗浄液を吐出しつつ、前記洗浄カバー内の排液を吸引するロールの洗浄方法。
[2]前記洗浄カバー内における排液の吸引圧力を制御することによって、前記洗浄カバーの後段におけるロールの表面の処理液の付着量を調節する[1]に記載のロールの洗浄方法。
[3]前記洗浄カバーの後段、かつ前記接触開始部の前段において、前記ロールの表面に、処理液又は水を塗布する[1]又は[2]に記載のロールの洗浄方法。
[4]前記排液を分析することで、洗浄によってロールの表面から脱離した処理液の量を算出し、脱離した処理液の量に応じた量の処理液又は水を塗布する[3]に記載のロールの洗浄方法。
[5]鋼板に処理液を付着させる連続処理ラインにおいて、処理液が付着した後の鋼板に接触するロールを洗浄するロール洗浄装置であって、前記鋼板が前記ロールとの接触を終了する接触終了部から、前記鋼板が前記ロールとの接触を開始する接触開始部までの間に設けられ、ロールの表面の少なくとも一部を覆う洗浄カバーと、前記洗浄カバーの内部に設けられ、前記ロールの表面に向かって洗浄液を吐出する洗浄液吐出手段と、前記洗浄カバーの内部に設けられ、排液を吸引する吸引手段と、を有するロール洗浄装置。
[6]前記吸引手段は、前記洗浄カバーの後段におけるロールの表面の処理液の付着量を調節するように、その吸引圧力を制御可能である[5]に記載のロール洗浄装置。
[7]前記洗浄カバーの後段であって、かつ前記接触開始部の前段において、前記ロールの表面に、処理液又は水を塗布する塗布手段を有する[5]又は[6]に記載のロール洗浄装置。
[8]前記塗布手段は、洗浄によってロールの表面から脱離した処理液の量に応じた量の処理液又は水を塗布する[7]に記載のロール洗浄装置。
本発明によって、洗浄直後に製品不良を起こすことなく、対象材の通板中にロールの表面を洗浄することができる。
図1は、本発明のロールの洗浄方法の一例を示す説明図である。 図2は、本発明のロールの洗浄方法の他の一例を示す説明図である。
本発明のロールの洗浄方法について、図1を用いて説明する。
図1のように、本発明に係るロールの洗浄方法では、鋼板に接触するロール1、及びロール1の表面を洗浄するためのロール洗浄装置2を用いる。
図1の例では、ロール1の表面に鋼板3が巻き付いている。より具体的には、ロール1に向かって通板されてきた鋼板3は、ロール1の表面に巻き付きながら、約90゜その進行方向を変えて、ロール1の出側方向に抜けていく。この場合、鋼板3がロール1への巻付きを開始する位置を接触開始部11aとし、鋼板3がロール1への巻付きを終了する位置を接触終了部11bとする。
図1には図示していないが、ロール1の入側(図面の下側)には、鋼板3の表裏面に潤滑向上剤等の各種の処理液を付着させる設備が設けられている。よって、鋼板3は、その表裏面に処理液が塗布された状態でロール1と接触することとなる。尚、図1の例では、ロール1と接触する鋼板の面を裏面3bとし、そうでない面を表面3aとする。
ロール1の表面が清浄な状態においては、鋼板3がロール1へ巻き付いている間、つまり接触開始部11aから接触終了部11bまでの間において、鋼板3の裏面3bからロール1の表面に処理液が転写される。よって、鋼板3の通板を開始した当初、鋼板3の裏面3bに付着している処理液の量は、接触開始部11aの入側よりも接触終了部11bの出側の方が、少なくなっている。
鋼板3を通板している間に、ロール1の表面には鋼板3の裏面3bから転写された処理液が徐々に蓄積していく。ロール1の表面における処理液の付着量が大きくなると、接触開始部11aと接触終了部11bとの間で、ロール1の表面から鋼板3の裏面へと処理液が付着する逆転写が起こるようになる。鋼板3からロール1への転写量と、ロール1から鋼板3への逆転写量とは、それぞれ鋼板3の裏面における処理液の付着量とロール1の表面における処理液の付着量との関係によって決まる。ロール1の表面における処理液の付着量が少ない間は、転写量が相対的に大きくなる傾向にあり、ロール1の表面における処理液の付着量が多い間は、逆転写量が相対的に大きくなる傾向にある。
ロール洗浄装置2は、ロール1の表面のうち、鋼板3が接触していない領域(接触終了部11bから接触開始部11aまでの間)に設けられる。ロール洗浄装置2は、洗浄カバー2aと、洗浄液吐出手段2bと、吸引手段2cと、を有する。洗浄液吐出手段2b及び吸引手段2cは、洗浄カバー2aの内側において、ロール1の表面に向けて配置される。
洗浄カバー2aは、ロール1の周方向の少なくとも一部を覆うように配置される。尚、ロール1の軸線方向における洗浄むらをなくすという観点からは、洗浄カバー2aはロール1の軸線方向の全体を覆うようにし、ロール1の軸線方向に沿って均等に吐出液(後述する洗浄液)が当たるように、軸線方向に複数の洗浄液吐出手段2bを配置することが好ましい。
洗浄液吐出手段2bは、ロール1の表面に向けて洗浄液の噴霧又は噴出等を行う。洗浄液は、ロール1の表面に付着した処理液を溶解、除去する機能を有する。洗浄液としては、水、又は水に少量の処理液を溶解するための薬剤を希釈した溶液等が挙げられる。尚、洗浄液吐出手段2bとしては、例えば市販のノズルを使用することができる。
洗浄液をロール1の表面に吐出すると、ロール1の表面における処理液、汚れやダスト等が溶かされた排液が産生される。吸引手段2cは、洗浄カバー2aの内側に設けられ、洗浄液の吐出によって産生される排液を吸引して、洗浄カバー2aの外部へと排出する機能を有する。尚、排液の回収効率を高めるためには、図1のように、洗浄カバー2aの内側において、ロール1の回転方向の入側に洗浄液吐出手段2bを設け、ロール1の回転方向の出側に吸引手段2cを設けることが好ましい。尚、吸引手段2cとしては、例えば
ポンプ等を使用することができる。また、洗浄カバー2aの内側にワイピングノズルを設置し、ワイピングノズルからエアーを噴射し、コアンダ効果によって該エアーに随伴させることで洗浄液・排液を洗浄カバー2aの外部に排出することもできる。
本発明では、洗浄液吐出手段2bと吸引手段2cとを洗浄カバー2aの内側に設けることで、洗浄液吐出手段2bから吐出される洗浄液及び洗浄によって産生される排液は、洗浄カバー2a内に留まることとなり、周辺の設備に飛散することが防止される。また、洗浄カバー2aの内側が高湿度状態に保たれることで、洗浄カバー2aに面しているロール1の表面において、洗浄後に産生される排液が早期に乾燥することが防止されるので、吸引手段2cを通して確実に排液を回収することができる。
図1では、点線矢印によって洗浄液の流れを示している。洗浄液吐出手段2bの前段には、洗浄液を貯蔵しておくための貯蔵タンク4、及び洗浄液を送液するためのポンプ5や流量調整弁6等が設けられる。尚、詳細については後述するが、貯蔵タンク4には、洗浄液の温度を調整する機能を有する温度調整装置7が設けられていてもよい。温度調整装置7としては、例えば水中ヒーターを用いることができる。
また、吸引手段2cによって吸引された排液は、ミストトラップ8を経て排液タンク9に収容される。また、ミストトラップ8の後段には、ミスト吸引用ファン10が設けられる。
次に、本発明の作用について説明する。
洗浄液を洗浄液吐出手段2bからロール1の表面に向かって吐出すると、ロール1の表面に付着した処理液層の一部が洗い流される。これにより、ロール1の表面について、ロール洗浄装置2の後段では、ロール洗浄装置2の前段よりも、処理液の付着量が少ない状態となる。
また、ロール洗浄装置2の後段では、洗浄時に洗浄液が塗布されることで、ロール1の表面に水膜が形成される。これにより、ロール1の表面が、ロール洗浄装置2を通過した後、接触開始部11aから接触終了部11bまでの間で鋼板3の裏面と接触する際に、水膜によって鋼板3の裏面の処理液層とロール1の表面の処理液層との接触の度合いが抑えられるので、鋼板3からロール1への処理液の転写量及びロール1から鋼板3への処理液の逆転写量を小さく抑えることができる。このように、洗浄液をロール1の表面に吐出することで、ロール1の表面における処理液層を剥離させることができるとともに、接触開始部11aから接触終了部11bまでの間における鋼板3の裏面の処理液量の変動を抑えることができるので、品質不良となる製品の発生を防止することができる。
本発明では、洗浄カバー2a内における吸引手段2cの吸引圧力を制御することが好ましい。吸引圧力を調節することによって、洗浄時に回収されて洗浄カバー2a外へと排出される排液の量を調節することができる。回収されなかった排液は、ロール1の表面に残留して処理液層を形成する。尚、吸引手段2cの吸引圧力を制御する際に、その吸引圧力に応じて洗浄液吐出手段2bからの洗浄液の吐出量を調節することもできる。
例えば、洗浄によって一時的にロール1の表面における処理液の付着量が著しく減少することで、鋼板3の裏面からロール1への処理液の転写量が一時的に急激に増加するという現象を抑えるためには、洗浄時にロール1の表面の処理液層を完全に剥離させるのではなく、洗浄後においてもロール1の表面に処理液層を一定程度残留させておくことが望ましい。このような場合には、洗浄液の吐出量及び吸引圧力を小さくして、洗浄時にロール1の表面から脱離する処理液成分の量を抑えることが有効である。このように、洗浄時におけるロール1の表面からの処理液成分の脱離量を調節して、洗浄後にロール1の表面に残留する処理液層の量を調節するように、洗浄液の吐出量及び吸引圧力を適宜調節することができる。
ロール1との接触によって、鋼板3の裏面からロール1の表面へ処理液が転写されることになるので、鋼板3の表面よりも裏面の方が処理液付着量は小さくなる傾向にあるが、この処理液付着量の表裏面の間の差が大きすぎると製品の品質不良となる。そこで、表裏面における処理液の付着量の差が製品の品質上許容できる範囲となるように、洗浄カバー2a内における洗浄液の吐出量と排液の吸引力とを制御する。
また、処理液の種類によっては、鋼板3における化成処理反応を阻害しないように、ロール洗浄装置2を通過した後のロール1の表面は、接触開始部11aに到るまでの間に十分にその表面が乾燥していることが望ましい場合がある。洗浄後のロール1の表面を乾燥させるためには、高温の洗浄液をロール1に吐出することが有効である。また、高温の洗浄液を吐出することによって、洗浄力を向上させることができるという効果もある。より具体的には、温度調整装置7(例えば水中ヒーター)によって加温した洗浄液を、ロール1の表面に吐出すればよい。一例として、洗浄力を向上させるという観点からは、吐出時の洗浄液の温度は100℃以下とすることが好ましく、80℃以下とすることがより好ましく、70℃以下とすることが更に好ましい。尚、洗浄液の温度の下限は特に制限されず、0℃超えであればよい。尚、洗浄後のロール1の表面の乾燥の程度は、洗浄液吐出手段2bにおける洗浄液の吐出量や、吸引手段2cにおける吸引圧力を制御することによっても、調節可能である。
次に、洗浄終了後に、水又は処理液をロール表面に付着させる方法について説明する。
この場合、図1には図示していないが、ロール洗浄装置2の後段で接触開始部11aの前段に、水又は処理液をロール表面に塗布する塗布手段、例えば洗浄液吐出手段2bとして用いられるノズルと同様のノズルを設ければよい。塗布むらを少なくするためには、ミスト又は蒸気の形態で、水又は処理液をロール1の表面に塗布することが好ましい。
まず、塗布手段によって処理液を塗布する例について説明する。処理液を塗布することによって、ロール1の表面の処理液の付着量が増大する。例えば、前段のロール洗浄装置2において、ロール1の表面の処理液層の量を減らし過ぎた場合でも、後段の塗布手段を用いてロール1の表面に処理液を補充することができる。ロール1、鋼板3間の転写量と逆転写量とのバランスが洗浄の前後で著しく崩れないように、ロール1の表面に塗布する処理液の量を適宜調節することで、洗浄直後に品質不良となる製品が流出することを防止することができる。
次に、塗布手段(図示せず)を用いて、ロール1の表面に水を塗布する例について説明する。水を塗布することで、ロール1の処理液層の表面に薄い水膜が形成されることとなる。この状態でロール1の表面と鋼板3の裏面とが接触すると、水層が介在することにより、鋼板3の裏面からロール1の表面への処理液の転写量や、ロール1の表面から鋼板3の裏面への処理液の逆転写量が小さく抑えられる。よって、接触開始部11aから接触終了部11bまでの間における鋼板3の裏面の処理液量の変動を抑えることができるので、品質不良となる製品の発生を防止することができる。
尚、上述した水及び処理液の他に、処理液を適宜の割合で水に希釈した希釈溶液を、塗布手段を用いてロール1の表面に塗布することもできる。
前述した処理液、水、及び処理液の希釈溶液等の塗布量は、鋼板表面の処理液の付着量と鋼板裏面の処理液の付着量との差が、製品品質上許容できる範囲となるように調節される。具体的には、接触開始部11aよりも通板方向入側における鋼板3の裏面に付着している処理液層の厚さを基準層厚とし、この基準層厚に対して、洗浄後(洗浄カバー2aと接触開始部11aとの間)におけるロール1の表面にどの程度の厚さの処理液層(又は水層)が形成されるかを指標として、塗布量を調節することができる。
より具体的には、塗布手段によって処理液を塗布する場合には、前記基準層厚に対して70%以上90%以下の処理液層厚さがロール1の表面に形成されるようにする。尚、この際の処理液層厚さは、塗布手段によって新たに塗布された処理液だけでなく、洗浄カバー2aでの洗浄後にロール1の表面に残留している処理液の層を含むものとする。ロール1の表面における処理液層の厚さの割合が70%よりも小さくなると転写量が相対的に大きくなる一方で、処理液層の厚さが90%よりも大きいと逆転写量が相対的に大きくなり、表裏面の処理液の付着量の差が所望の範囲にある鋼板が得られにくくなる。
また、水を塗布する場合には前記基準層厚に対して20%以上30%以下の水層厚さがロール1の表面に形成されるようにする。水層厚さが20%を下回ると、鋼板からロールへ処理液が過剰に転写され、ロール接触後の表面処理反応を阻害するという問題があり、30%を超えると鋼板上の処理液の濃度が薄まり、鋼板の化成処理反応が鈍化するという問題がある。
さらに、より厳密にロールへの処理液、水等の塗布量を調節するためには、洗浄時におけるロール1の表面からの処理液の脱離量を算出して、脱離量に応じて処理液、水等の塗布量を調節するフィードバック制御を行うことが有効である。具体的には、図1に示すように、ミストトラップ8を介して排液タンク9中に回収された排液の量、及び排液中に含まれる処理液の成分の濃度等を分析することで、洗浄によってロール1から脱離した処理液成分の質量(処理液の脱離量)を算出することができる。洗浄時にロール1から脱離した処理液の量が多すぎると、洗浄直後に鋼板3からロール1への処理液の転写量が過大となるので、塗布手段を用いてロール1の表面に適量の処理液を塗布させることが好ましい。例えば、洗浄による処理液の脱離量に対して、3質量%以上100質量%以下に相当する成分を含んだ処理液(又は処理液の希釈液)を塗布手段によってロール1の表面に塗布することが好ましい。
尚、図1においては鋼板3がロール1に巻き付く態様について説明しているが、本発明のロール1は、少なくともその一部において鋼板3に接触していればよい。例えば、図2のように、鋼板3と接するようなロール1の場合にも、本発明に係るロールの洗浄方法及びロール洗浄装置2を適用することができる。図2の例では、接触開始部11aと接触終了部11bとが重なることになるが、接触開始部11a(接触終了部11b)以外のいずれかの領域にロール洗浄装置2を設けて、ロール1の表面を洗浄すればよい。
本発明は、鋼板に処理液を付着させた後にロールを用いて鋼板を通板する連続処理ラインにおいて用いられる。連続処理ラインの好適例としては、溶融亜鉛めっきラインが挙げられる。
上述のように、本発明によって、ロール1の表面の洗浄前後で、鋼板とロールとの間の転写量・逆転写量のバランスを大きく崩すことがなくなるので、最終製品となる対象材を通板しながらのロールの洗浄が可能となり、設備の稼働率を向上させることができる。
1 ロール
2 ロール洗浄装置
2a 洗浄カバー
2b 洗浄液吐出手段
2c 吸引手段
3 鋼板
3a 鋼板の表面
3b 鋼板の裏面
4 貯蔵タンク
5 ポンプ
6 流量調整弁
7 温度調整装置
8 ミストトラップ
9 排液タンク
10 ミスト吸引用ファン
11a 接触開始部
11b 接触終了部

Claims (6)

  1. 鋼板に処理液を付着させる連続処理ラインにおいて、処理液が付着した後の鋼板に接触するロールの洗浄方法であって、
    前記鋼板が前記ロールとの接触を終了する接触終了部から、前記鋼板が前記ロールとの接触を開始する接触開始部までの間における、ロールの表面の少なくとも一部を洗浄カバーにて覆い、
    前記洗浄カバーの内部において、前記ロールの表面に洗浄液を吐出しつつ、前記洗浄カバー内の排液を吸引し、
    前記洗浄カバー内における排液の吸引圧力を制御することによって、前記洗浄カバーの後段におけるロールの表面の処理液の付着量を調節するロールの洗浄方法。
  2. 前記洗浄カバーの後段、かつ前記接触開始部の前段において、前記ロールの表面に、処理液又は水を塗布する請求項に記載のロールの洗浄方法。
  3. 前記排液を分析することで、洗浄によってロールの表面から脱離した処理液の量を算出し、脱離した処理液の量に応じた量の処理液又は水を塗布する請求項に記載のロールの洗浄方法。
  4. 鋼板に処理液を付着させる連続処理ラインにおいて、処理液が付着した後の鋼板に接触するロールを洗浄するロール洗浄装置であって、
    前記鋼板が前記ロールとの接触を終了する接触終了部から、前記鋼板が前記ロールとの接触を開始する接触開始部までの間に設けられ、ロールの表面の少なくとも一部を覆う洗浄カバーと、
    前記洗浄カバーの内部に設けられ、前記ロールの表面に向かって洗浄液を吐出する洗浄液吐出手段と、
    前記洗浄カバーの内部に設けられ、排液を吸引する吸引手段と、を有し、
    前記吸引手段は、前記洗浄カバーの後段におけるロールの表面の処理液の付着量を調節するように、その吸引圧力を制御可能であるロール洗浄装置。
  5. 前記洗浄カバーの後段であって、かつ前記接触開始部の前段において、前記ロールの表面に、処理液又は水を塗布する塗布手段を有する請求項に記載のロール洗浄装置。
  6. 前記塗布手段は、洗浄によってロールの表面から脱離した処理液の量に応じた量の処理液又は水を塗布する請求項に記載のロール洗浄装置。
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